JP2012041858A - シール構造および圧縮機 - Google Patents

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Yuichiro Watanabe
雄一郎 渡邉
Takehiro Kanayama
武弘 金山
Nobuhira Sekiguchi
展平 関口
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Abstract

【課題】マフラー部材とヘッド部材との間から冷媒が漏れ出るのを抑制する。
【解決手段】圧縮された冷媒を吐出する吐出孔53cが形成されたヘッド部材50と、ヘッド部材に取り付けられるマフラー部材40とのシール構造では、ヘッド部材50は、マフラー部材40に当接する環状の第1当接部51bを有し、マフラー部材40は、第1当接部51bに当接する環状の第2当接部42を有し、第1当接部51bと第2当接部42との間の少なくとも一部に、潤滑油Lが溜められた油溜まり部が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧縮された冷媒を吐出する吐出孔が形成されたヘッド部材と当該ヘッド部材に取り付けられるマフラー部材とのシール構造、およびそのシール構造を備えた圧縮機に関する。
従来から、圧縮機では、圧縮された冷媒が吐出される吐出孔を有するヘッド部材に、吐出孔を覆うようにマフラー部材を取り付けてマフラー空間を形成し、吐出孔からの吐出に伴って発生する騒音を低減させている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−147375号公報
しかしながら、マフラー部材は、絞り加工などによって形成されているため、ヘッド部材に取り付ける面にうねりが生じて、マフラー部材とヘッド部材との間に隙間が生じる場合がある。また、ボルト等でマフラー部材とヘッド部材とを締結する場合に、マフラー部材に締結力が加わることによって、締結部分から離れた部分の密着性が低くなり、隙間が生じる場合がある。マフラー部材とヘッド部材との間に隙間があると、この隙間から冷媒が噴出することにより、騒音が発生する。
そこで、この発明は、マフラー部材とヘッド部材との間から冷媒が漏れ出るのを抑制することができるシール構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明に係るシール構造は、圧縮された冷媒を吐出する吐出孔が形成されたヘッド部材と、前記ヘッド部材に取り付けられるマフラー部材とのシール構造であって、前記ヘッド部材は、前記マフラー部材に当接する環状の第1当接部を有し、前記マフラー部材は、前記第1当接部に当接する環状の第2当接部を有し、前記第1当接部と前記第2当接部との間の少なくとも一部に、潤滑油が溜められた油溜まり部が設けられていることを特徴とする。
このシール構造では、第1当接部と第2当接部との間に隙間が生じていても、油溜まり部に溜められた潤滑油によって、第1当接部と第2当接部との間をシールすることができ、第1当接部と第2当接部との間から冷媒が漏れ出るのを抑制することができる。
第2の発明に係るシール構造は、第1の発明に係るシール構造において、前記油溜まり部は、前記第1当接部に形成された第1凹部に前記潤滑油が溜められたものであることを特徴とする。
このシール構造では、第1当接部の第1凹部に溜められた潤滑油の表面が第2当接部に接することにより、第1当接部と第2当接部との間をシールすることができる。また、第1凹部は、ヘッド部材の第1当接部に形成されているので、容易に形成することができる。
第3の発明に係るシール構造は、第1または第2の発明に係るシール構造において、前記油溜まり部は、前記第2当接部に形成された第2凹部に前記潤滑油が溜められたものであることを特徴とする。
このシール構造では、第2当接部の第2凹部に溜められた潤滑油の表面が第1当接部に接することにより、第1当接部と第2当接部との間をシールすることができる。
第4の発明に係るシール構造は、第1〜第3のいずれかの発明に係るシール構造において、前記油溜まり部は、周方向に沿って延在していることを特徴とする。
このシール構造では、第1当接部と第2当接部との間を周方向に沿ってシールすることができる。なお、油溜まり部が周方向に沿って延在しているとは、油溜まり部の周方向長さが、他の方向の長さよりも長い状態のことをいう。
第5の発明に係るシール構造は、第1〜第4のいずれかの発明に係るシール構造において、前記吐出孔は、前記冷媒とともに潤滑油を吐出するものであることを特徴とする。
このシール構造では、吐出孔から冷媒とともに吐出された潤滑油を、油溜まり部に溜めることができる。
第6の発明に係るシール構造は、第1〜第5のいずれかの発明に係るシール構造において、前記ヘッド部材は、回転可能な軸部材が挿通されるとともに、前記軸部材の外周面との隙間に潤滑油が供給される軸受け孔と、前記軸受け孔と前記油溜まり部とを連通させる油供給路とを有していることを特徴とする。
このシール構造では、軸受け孔の内周面と軸部材の外周面との間に供給される潤滑油の一部を、油供給路を介して油溜まり部に供給することができるため、油溜まり部は確実に油を溜めることができる。
第7の発明に係るシール構造は、第1〜第6のいずれかの発明に係るシール構造において、前記第1当接部と前記第2当接部とは複数の締結部材によって固定されており、前記油溜まり部は、周方向に隣接する2つの前記締結部材の間に配置されることを特徴とする。
このシール構造では、密着性が低くなりやすい2つの締結部材の間の当接部分を、油溜まり部によってシールすることができる。
第8の発明に係るシール構造は、第7の発明に係るシール構造において、前記油溜まり部は、周方向に隣接する2つの前記締結部材の間の中央に対応した位置に配置されることを特徴とする。
このシール構造では、締結力がかかることによって隙間の生じやすい2つの締結部材の間の中央の当接部分を、油溜まり部によってシールすることができる。
第9の発明に係るシール構造は、第1〜第8のいずれかの発明に係るシール構造において、前記ヘッド部材は、前記第1当接部の径方向内側に配置され、前記吐出孔が形成された凹部を有し、前記油溜まり部は、前記ヘッド部材の前記凹部の径方向外側に配置されることを特徴とする。
このシール構造では、冷媒の圧力脈動が大きいために冷媒の漏れが生じやすい凹部の径方向外側の当接部分を、油溜まり部によってシールすることができる。
第10の発明に係るシール構造は、第9の発明に係るシール構造において、前記油溜まり部は、前記ヘッド部材の前記吐出孔の径方向外側に配置されることを特徴とする。
このシール構造では、多量の冷媒が漏れやすい吐出孔の径方向外側の当接部分を、油溜まり部によってシールすることができる。
第11の発明に係るシール構造は、第1〜第10のいずれかの発明に係るシール構造において、前記冷媒が、COであることを特徴とする。
このシール構造では、冷媒として、吐出圧力脈動が大きく漏れが生じやすいCO冷媒を用いているため、特に有効である。
第12の発明に係る圧縮機は、第1〜第10のいずれかの発明に係るシール構造を備えることを特徴とする。
この圧縮機では、第1〜第10の発明に係るシール構造と同様の効果が得られる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、第1当接部と第2当接部との間に隙間が生じていても、油溜まり部に溜められた潤滑油によって、第1当接部と第2当接部との間をシールすることができ、第1当接部と第2当接部との間から冷媒が漏れ出るのを抑制することができる。
第2の発明では、第1当接部の第1凹部に溜められた潤滑油の表面が第2当接部に接することにより、第1当接部と第2当接部との間をシールすることができる。また、第1凹部は、ヘッド部材の第1当接部に形成されているので、容易に形成することができる。
第3の発明では、第2当接部の第2凹部に溜められた潤滑油の表面が第1当接部に接することにより、第1当接部と第2当接部との間をシールすることができる。
第4の発明では、第1当接部と第2当接部との間を周方向に沿ってシールすることができる。なお、油溜まり部が周方向に沿って延在しているとは、油溜まり部の周方向長さが、他の方向の長さよりも長い状態のことをいう。
第5の発明では、吐出孔から冷媒とともに吐出された潤滑油を、油溜まり部に溜めることができる。
第6の発明では、軸受け孔の内周面と軸部材の外周面との間に供給される潤滑油の一部を、油供給路を介して油溜まり部に供給することができるため、油溜まり部は確実に油を溜めることができる。
第7の発明では、密着性が低くなりやすい2つの締結部材の間の当接部分を、油溜まり部によってシールすることができる。
第8の発明では、締結力がかかることによって隙間の生じやすい2つの締結部材の間の中央の当接部分を、油溜まり部によってシールすることができる。
第9の発明では、冷媒の圧力脈動が大きいために冷媒の漏れが生じやすい凹部の径方向外側の当接部分を、油溜まり部によってシールすることができる。
第10の発明では、多量の冷媒が漏れやすい吐出孔の径方向外側の当接部分を、油溜まり部によってシールすることができる。
第11の発明では、冷媒として、吐出圧力脈動が大きく漏れが生じやすいCO冷媒を用いているため、特に有効である。
第12の発明の圧縮機では、第1〜第10の発明に係るシール構造と同様の効果が得られる。
本発明の第1実施形態に係る圧縮機の断面である。 図1のII−II線断面図である。 図2III−III線におけるヘッド部材とマフラー部材の断面図である。 マフラー部材の平面図である。 ヘッド部材の平面図である。 本発明の第2実施形態に係る圧縮機が備えるヘッド部材の平面図である。 図6のVII−VII線におけるヘッド部材とマフラー部材の断面図である。 本発明の他の実施形態に係るヘッド部材の平面図である。 本発明の他の実施形態に係るヘッド部材の平面図である。 本発明の他の実施形態に係るヘッド部材の平面図である。 本発明の他の実施形態に係るヘッド部材の側面図である。 (a)は本発明の他の実施形態に係るマフラー部材の平面図であって、(b)はこのマフラー部材とヘッド部材の断面図である。 本発明の他の実施形態に係るマフラー部材とヘッド部材の断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の圧縮機1は、密閉ケーシング10と、密閉ケーシング10内に配置される駆動機構20及び圧縮機構30とを備えている。なお、図1の断面図は、ハッチングの一部を省略して表示している。この圧縮機1は、例えば、空調装置などの冷凍サイクルに組み込まれて使用され、導入管11から導入された冷媒(本実施形態では、CO2)を圧縮して、排出管12から排出する。
密閉ケーシング10の上部には、圧縮された冷媒を排出するための排出管12と、駆動機構20の後述する固定子21bのコイルに電流を供給するためのターミナル端子13が設けられている。密閉ケーシング10の側部には、冷媒を圧縮機1に導入するための導入管11が設けられている。また、密閉ケーシング10の下部には、圧縮機構30の摺動部の動作を滑らかにするための潤滑油が貯留されている。この潤滑油が溜められている部分を、油貯留部14とする。
駆動機構20は、圧縮機構30を駆動するために設けられており、駆動源となるモータ21と、モータ21に取り付けられるシャフト22とを備えている。
モータ21は、密閉ケーシング10の内面に固定されている略円筒状の固定子21bと、この固定子21bの径方向内側にエアギャップを介して配置される回転子21aとを備えている。回転子21aは磁石を有し、固定子21bはコイルを有している。ターミナル端子13からケーブル(図示省略)を介して固定子21bのコイルに電流が供給されると、電磁力が発生し、この電磁力によって回転子21aは回転する。また、固定子21bの外周面は、全周にわたって密閉ケーシング10の内周面に密着しておらず、固定子21bと密閉ケーシング10との間には、上下方向に貫通した隙間(図示省略)が形成されている。
シャフト22は、駆動機構20の駆動力を圧縮機構30に伝達するために設けられている。シャフト22は、回転子21aの内周面に固定されており、回転子21aと一体的に回転する。また、シャフト22には、後述するシリンダ60のシリンダ室60a内に位置するように、偏心部22aが設けられている。偏心部22aは、略円柱形状であって、その軸心がシャフト22の回転中心から偏心している。偏心部22aの外周面には、後述するローラ61aが装着されており、シャフト22を回転させることにより、偏心部22aおよびローラ61aが偏心回転運動する。
また、シャフト22の下側略半分の内部には、上下方向に延在する給油路22bが形成されている。給油路22bは、シャフト22(偏心部22aを含む)の側面に形成された複数の排出口22c〜22fと連通している。給油路22b内の下側部分には、螺旋羽根形状のポンプ部材(図示省略)が配置されている。ポンプ部材は、シャフト22の回転に伴って、油貯留部14の潤滑油を給油路22b内に吸い上げる機能を有している。吸い上げられた潤滑油は、排出口22c〜22fから排出されて、シャフト22(偏心部22aを含む)の外周面に供給される。
圧縮機構30は、導入管11から導入された冷媒を圧縮するために設けられている。圧縮機構30は、シャフト22の回転軸方向に沿って上から下に向かって、マフラー部材40と、フロントヘッド(ヘッド部材)50と、シリンダ60及びピストン61と、リアヘッド70とを備えている。
マフラー部材40は、フロントヘッド50の上側に取り付けられており、フロントヘッド50との間にマフラー空間Aを形成している。この構成により、冷媒の吐出に伴う騒音の低減を図っている。マフラー部材40は、フロントヘッド50との間にマフラー空間Aを形成する突出部41と、フロントヘッド50の後述する本体部51の上面に当接する当接部(第2当接部)42とから構成されている。マフラー部材40は、板金(金属平板)を絞り加工等することで製造されているが、絞り加工以外の方法で製造されていてもよい。
図2〜図4に示すように、突出部41には、フロントヘッド50の後述するボス部52が貫通する開口41aと、マフラー空間Aから冷媒を外部に吐出するための2つの吐出口41b、41cが形成されている。2つの吐出口41b、41cは、シャフト22を中心とした対称な位置(180°ずれた位置)に形成されている。なお、図2ではシャフト22を省略している。
図3および図4に示すように、当接部42は、環状であって、突出部41の下端から水平方向外側に延びている。また、図4に示すように、当接部42には、ボルト孔42c、42dがそれぞれ形成された締結部42a、42bが設けられている。図2および図3に示すように、このボルト孔42c、42dに挿通されるボルト43によって、マフラー部材40はフロントヘッド50に取り付けられている。
フロントヘッド(ヘッド部材)50は、シリンダ60の上面に固定され、シリンダ60のシリンダ室60aの上方の開口を閉塞する。フロントヘッド50は、シャフト22が回転可能に内挿される軸受け孔51aが形成された環状円盤状の本体部51と、軸受け孔51aを囲むように当該本体部51から上方に突出する円筒状のボス部52とから構成されている。フロントヘッド50は、金属粉を焼結することで製造されているが、鋳造や削り出し加工等の焼結以外の方法で製造されていてもよい。
図3および図5に示すように、本体部51の上面には、凹部53が形成されている。この凹部53は、平面視が扇状の扇状凹部53aと、扇状凹部53aの径方向の一辺から延在する弁収容凹部53bとから構成されている。扇状凹部53aの外周縁は、後述する当接部51bの内周縁に近接している。扇状凹部53aの底面には、後述するシリンダ室60aと連通し、シリンダ室60aにおいて圧縮された冷媒が吐出される吐出孔53cが形成されている。
また、凹部53内には、吐出孔53cの出口を開閉する吐出弁54(図5参照、図3では図示省略)と、この吐出弁54の上面に配置され、吐出弁の開放を規制する押さえ部材(図示省略)とが配置されている。この吐出弁54と押さえ部材の基端部は、弁収容凹部53bの底面に形成されたピン嵌合孔53dに嵌め込まれたピン(図示省略)によって固定されている。シリンダ室60aから吐出孔53cに送られた冷媒の圧力により、吐出弁54の先端部(図5中右端部)が上方に押し上げられて、吐出孔53cから冷媒が吐出される。このとき、吐出孔53cから吐出される冷媒は、吐出弁54によって誘導されて、主に図4中の左方向以外に噴出する。
本体部51のうち、マフラー部材40の当接部42と当接する環状の部分を当接部(第1当接部)51b(図5中、破線のハッチングで表示した部分)とする。当接部51bには、マフラー部材40のボルト孔42c、42dに対応する位置に、ボルト孔51c、51dが形成されている。ボルト43はこのボルト孔51c、51dに螺合されている。なお、シリンダ60のボルト孔51c、51dに対応する位置にボルト孔が形成されている場合には、ボルト43はこのボルト孔に螺合されてもよい。
また、本実施形態では、当接部51bの上面に、当接部51の周方向に沿って延在する溝部(第1凹部)51f、51gが形成されている。溝部51fは、2つのボルト孔51c、51dの間(本実施形態では、約150°の範囲)であって、凹部53の径方向外側に形成されている。溝部51gは、2つのボルト孔51c、51dの間(本実施形態では、約120°の範囲)であって、溝部51fと反対側の領域に形成されている。また、溝部51f、51gは、当接部51bの外周縁と内周縁とのほぼ中央部に形成されている。
この溝部51f、51g内には、吐出孔53cから冷媒と共に吐出された潤滑油Lが溜められている。なお、圧縮機1の組み立て時には、溝部51f、51g内には何も入れられていないが、圧縮機1の運転を開始することによって、吐出孔53cから冷媒と共に吐出された潤滑油が溝部51f、51g内に溜められる。溝部51f、51g内に溜められた潤滑油Lが当接部42の下面と接触することによって、マフラー部材40の当接部42とフロントヘッド50の当接部51bとの間がシールされている。溝部51f、51gと、この溝部51f、51gに溜められた潤滑油Lとによって、本発明の油溜まり部が構成される。
図1および図2に示すように、シリンダ60は、略円筒形状の部材であって、その外周面が密閉ケーシング10の内周面に固定されている。シリンダ60には、水平断面が略円形状のシリンダ室60aと、このシリンダ室60aに連通し、導入管11が内嵌される導入路60bとが形成されている。シリンダ室60a内には、ピストン61が配置されている。上述したように、シリンダ室60aは吐出孔53cを介してマフラー空間Aと連通している。また、図2に示すように、シリンダ60には、シリンダ室60aの径方向外側に、上下方向に貫通する複数の油戻し通路60cが形成されている。
ピストン61は、偏心部22aの外周面に回転可能に装着された円筒状のローラ61aと、このローラ61aの外周面からに径方向外側に延在し、先端がシリンダ60に揺動可能かつ前記延在方向に進退可能に支持されたブレード(図示省略)とから構成されている。シャフト22の回転により、ローラ61aはシリンダ室60aの内周面に接しつつ偏心回転運動する。これにより、ローラ61aの外周面とブレードとシリンダ室60aとによって囲まれる空間の容積が変化するため、シリンダ室60a内に導入された冷媒が圧縮される。
リアヘッド70は、シリンダ60の下面に固定され、シリンダ60のシリンダ室60aの下方の開口を閉塞している。また、リアヘッド70には、シャフト22が回転可能に内挿されている。
次に、圧縮機1の動作について説明する。
この圧縮機1では、導入管11および導入路60bを介してシリンダ室60aに冷媒を導入してから、モータ21の駆動によりローラ61aを偏心回転させることによって、シリンダ室60a内において冷媒を圧縮する。シリンダ室60aで圧縮された冷媒は、フロントヘッド50の吐出孔53cからマフラー空間A内に吐出された後、マフラー部材40の吐出口41b、41cを介して圧縮機構30の外部に吐出される。圧縮機構30から吐出された冷媒は、固定子21bと回転子21aとの間のエアギャップを通過した後、排出管12から排出される。
このとき、油貯留部14から給油路22b内に吸い上げられて排出口22c〜22fから排出された潤滑油の一部が、冷媒と共に吐出孔53cからマフラー空間A内に吐出される。上述したように、圧縮機1の組み立て時には、溝部51f、51g内には潤滑油が溜められていない。そのため、マフラー部材40の当接部42とフロントヘッド50の当接部51bとの間に微小な隙間が生じていると、圧縮機1の運転開始後、吐出孔53cから吐出された潤滑油の一部は、当接部42と当接部51bとの間に流れ込み、溝部51f、51g内に流入する。そして、溝部51f、51g内に溜められた潤滑油Lが当接部42の下面と接触した時点で、当接部42と当接部51bとの間がシールされる。
また、マフラー部材40の吐出口41b、41cから冷媒と共に吐出された潤滑油の一部は、シリンダ60の油戻し通路60cを通って油貯留部14に戻される。また、吐出口41b、41cから冷媒と共に吐出された潤滑油の他の一部は、冷媒と共に固定子21bと回転子21aとの間のエアギャップを通過した後、固定子21bの外周面と密閉ケーシング10の内周面との間に形成された隙間(図示省略)と、シリンダ60の油戻し通路60cとを通過して、油貯留部14に戻される。
以上説明した本実施形態の圧縮機1では、マフラー部材40の絞り加工時に当接部42に生じるうねりや、当接部42に締結力が作用することによる締結部以外の部分の密着性の低下が原因で、マフラー部材40の当接部42とフロントヘッド50の当接部51bとの間に微小な隙間が生じていても、溝部51f、51g内に溜められた潤滑油が当接部42の下面と接触することによって、当接部42と当接部51bとの間をシールすることができる。したがって、当接部42と当接部51bとの間から冷媒が漏れ出るのを抑制することができる。
また、溝部51f、51gが、周方向に沿って延在しているため、当接部42と当接部51bとの間を周方向に沿ってシールすることができる。
さらに、溝部51f、51gは、周方向に比較的広い範囲(120°以上)に形成されているため、当接部42と当接部51bとの間を、広範囲にシールすることができる。
また、溝部51f、51gが、フロントヘッド50の2つのボルト孔51c、51dの間(マフラー部材40における2つの締結部42a、42bの間)に配置されているため、密着性が低くなりやすいボルト締結部の間の当接部分をシールすることができる。
さらに、溝部51f、51gが、2つのボルト孔51c、51dの間の中央の位置に配置されているため、締結力がかかることによって隙間の生じやすいボルト締結部の間の中央の部分をシールすることができる。
また、溝部51fが、凹部53の径方向外側に配置されているため、冷媒の圧力脈動が大きいために冷媒の漏れが生じやすい凹部53aの径方向外側の部分をシールすることができる。
また、上述したように、フロントヘッド50の扇状凹部53aの外縁部が当接部51bの内周縁に近接していること、および、吐出孔53cから吐出された冷媒の吐出方向が図5中の左方向以外の方向であることから、扇状凹部53aの径方向外側において特に冷媒の漏れが生じやすくなっている。溝部51fは、扇状凹部53aの径方向外側に配置されているため、特に多量の冷媒が漏れやすい扇状凹部53cの径方向外側の部分をシールすることができる。
さらに、溝部51fは、吐出孔53cの径方向外側に配置されているため、当接部42と当接部51bとの当接部分のうち、多量の冷媒が漏れやすい吐出孔53cの径方向外側の部分をシールすることができる。
また、本実施形態の圧縮機1は、冷媒として、吐出圧力脈動が大きく漏れが生じやすいCO冷媒を使用しているため、上述したようなマフラー部材40とフロントヘッド50とのシール構造は、特に有効である。
なお、本実施形態では、圧縮機1の組み立て時には、溝部51f、51g内に潤滑油を溜めていないが、圧縮機1を組み立てる際に、溝部51f、51g内に潤滑油を溜めてもよい。この場合、圧縮機1の運転開始直後から、当接部42と当接部51bとの間をシールすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。但し、上記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
本実施形態の圧縮機は、フロントヘッドの構成が上記第1実施形態と異なり、その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
図6および図7に示すように、本実施形態の圧縮機のフロントヘッド150には、溝部51fと軸受け孔51aとを連通させる油供給路151hと、溝部51gと軸受け孔51aとを連通させる油供給路151iとが形成されている。油供給路151h、151iは、ともに径方向に延在している。また、油供給路151h、151iは、本実施形態では水平に延在しているが、溝部51f、51gの深さによっては、径方向内側に向かって上向きに傾斜していてもよいし、径方向内側に向かって下向きに傾斜していてもよい。
本実施形態の圧縮機の運転を開始すると、油貯留部14から給油路22b内に潤滑油が吸い上げられて、排出口22c〜22fからシャフト22と軸受け孔51aとの間に排出される。この排出された潤滑油の一部が、油供給路151h、151i内に導入されて、溝部51f、51gに供給される。
したがって、本実施形態の圧縮機では、圧縮機1の組み立て時に、溝部51f、51g内に潤滑油を溜めていなくても、シャフト22と軸受け孔51aとの運転開始後、シャフト22と軸受け孔51aとの間に供給された潤滑油の一部を、溝部51f、51g内に供給することができるため、溝部51f、51g内に潤滑油を確実に溜めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、具体的な構成は、上記第1および第2実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記第1および第2実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態の溝部51f、51gの径方向長さ(幅)は一定であるが、一定でなくてもよい。例えば、周方向両端部に向かって幅が細くなる形状でもよい。また、例えば、幅が太い部分と幅が細い部分とが周方向に交互に形成されていてもよい。
また、溝部51f、51gの周方向長さおよび形成される範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図8に示すフロントヘッド250の溝部251fのように、扇状凹部53aの径方向外側に対応する範囲のみに形成されていてもよい。なお、溝部51fの周方向長さを上記実施形態よりも短くする場合、溝部51fは、少なくとも吐出孔53cの径方向外側の位置、または、2つのボルト孔51c、51dの中央の位置を含むように形成することが好ましい。
また、上記実施形態では、2つの溝部51f、51gを設けているが、溝部51gを設けずに、溝部51fだけを設けてもよい。
また、例えば、図9に示すフロントヘッド350の溝部(第1凹部)351fのように、環状に形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、溝部51f、51gは、当接部51bの径方向中央部に1つだけ形成されているが、図10に示すフロントヘッド450の溝部451f、溝部451gのように、径方向に複数(図10では2つ)並んで形成されていてもよい。
また、上記実施形態のフロントヘッド50の本体部51は、上面が略水平であるが、図11に示すフロントヘッド550のように、本体部551の上面が、ボス部52から当接部51bに向かって(径方向外側に向かって)低くなるように傾斜していてもよい。この構成によると、吐出孔53cから吐出された潤滑油が、溝部51f、51g内に集まりやすくなる。
また、上記実施形態の圧縮機構30は、マフラー部材40とフロントヘッド50とが、2つのボルト43によって固定されているが、3つ以上のボルト43で固定されていてもよい。この場合、潤滑油が溜められる溝部は、周方向に隣接する2つのボルト締結部の間に形成されることが好ましい。
また、上記実施形態では、マフラー部材40とフロントヘッド50とをボルト43によって取り付けているが、マフラー部材40とフロントヘッド50とを取り付ける手段は、ボルトに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、フロントヘッド50の当接部51bに形成された溝部51f、51gに潤滑油が溜められているが、本発明の油溜まり部はこの構成に限定されない。例えば、図12に示すように、マフラー部材640の当接部(第2当接部)42に環状の溝部(第2凹部)642fが形成され、この溝部642fと、溝部が設けられていないフロントヘッド650の当接部651bとの間に潤滑油が溜められる構成でもよい。
また、図13に示すように、フロントヘッド50の当接部51bに形成された溝部51f、51gと、この溝部51f、51gに対向するように、マフラー部材640の当接部42に形成された環状の溝部642fとの間に潤滑油が溜められる構成でもよい。
また、マフラー部材640の当接部42に形成された環状の溝部642fと、フロントヘッド50の当接部51bに形成された溝部51f、51gとが対向しない位置に形成され、溝部642fと当接部51bとの間、および、溝部51f、51gと当接部42との間にそれぞれ潤滑油が溜められる構成であってもよい。
また、上記実施形態の圧縮機は、冷媒としてCO2を用いているが、CO2冷媒以外の冷媒を用いてもよい。
また、上記実施形態では、フロントヘッド50の上に1枚のマフラー部材40が配置された1重マフラ構造の圧縮機に本発明を適用した例について説明したが、フロントヘッド50の上に2枚のマフラー部材が配置され、上下2つのマフラ空間が形成された2重マフラ構造の圧縮機にも本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、1シリンダ型の圧縮機に本発明を適用した例について説明したが、例えば、2シリンダ型の圧縮機にも本発明は適用可能である。この場合、リア側のマフラ部材とリアヘッドとのシール構造にも本発明を適用することができる。
本発明を利用すれば、マフラー部材とヘッド部材との間から冷媒が漏れ出るのを抑制することができる。
1 圧縮機
22 シャフト(軸部材)
30 圧縮機構
40、640 マフラー部材
42 当接部(第2当接部)
43 ボルト(締結部材)
50、150、250、350、450、550、650 フロントヘッド(ヘッド部材)
51a 軸受け孔
51b 当接部(第1当接部)
51f、51g、251f、251g、351f、451f、451g 溝部(第1凹部)
53 凹部
53c 吐出孔
151h、151i 油供給路
642f 溝部(第2凹部)

Claims (12)

  1. 圧縮された冷媒を吐出する吐出孔が形成されたヘッド部材と、前記ヘッド部材に取り付けられるマフラー部材とのシール構造であって、
    前記ヘッド部材は、前記マフラー部材に当接する環状の第1当接部を有し、
    前記マフラー部材は、前記第1当接部に当接する環状の第2当接部を有し、
    前記第1当接部と前記第2当接部との間の少なくとも一部に、潤滑油が溜められた油溜まり部が設けられていることを特徴とするシール構造。
  2. 前記油溜まり部は、前記第1当接部に形成された第1凹部に前記潤滑油が溜められたものであることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
  3. 前記油溜まり部は、前記第2当接部に形成された第2凹部に前記潤滑油が溜められたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のシール構造。
  4. 前記油溜まり部は、周方向に沿って延在していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシール構造。
  5. 前記吐出孔は、前記冷媒とともに潤滑油を吐出するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシール構造。
  6. 前記ヘッド部材は、
    回転可能な軸部材が挿通されるとともに、前記軸部材の外周面との隙間に潤滑油が供給される軸受け孔と、
    前記軸受け孔と前記油溜まり部とを連通させる油供給路とを有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシール構造。
  7. 前記第1当接部と前記第2当接部とは複数の締結部材によって固定されており、
    前記油溜まり部は、周方向に隣接する2つの前記締結部材の間に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシール構造。
  8. 前記油溜まり部は、周方向に隣接する2つの前記締結部材の間の中央に対応した位置に配置されることを特徴とする請求項7に記載のシール構造。
  9. 前記ヘッド部材は、前記第1当接部の径方向内側に配置され、前記吐出孔が形成された凹部を有し、
    前記油溜まり部は、前記ヘッド部材の前記凹部の径方向外側に配置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のシール構造。
  10. 前記油溜まり部は、前記ヘッド部材の前記吐出孔の径方向外側に配置されることを特徴とする請求項9に記載のシール構造。
  11. 前記冷媒が、COであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のシール構造。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のシール構造を備えることを特徴とする圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109312748A (zh) * 2016-06-14 2019-02-05 三菱电机株式会社 旋转式压缩机

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