JP2014118445A - 樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形時に所望の機械的特性を満足する樹脂組成物であって、優れた成形性を有し、かつ、低コストで製造できる樹脂組成物及びその成形品を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、液晶性ポリエステル樹脂と、タルクと、ガラス繊維と、を有する混合物を含む。そして、混合物中におけるタルクの含有量が1〜24.2重量%であり、かつ、ガラス繊維の含有量が10〜50重量%である。さらに、混合物を射出成形に供した際に測定される射出ピーク圧が、当該混合物よりタルクのみを除いた混合物の射出ピーク圧以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、良流動化された樹脂組成物に関する。さらに、本発明は、当該樹脂組成物から製造される成形品に関する。
自動車用部品の成形においては、様々な樹脂組成物が成形材料として用いられている。そして、当該樹脂組成物の成形品に要求される性能は、それら成形品が適用される部品により異なるものである。特に、当該成形品が自動車用のコネクタ等に用いられる場合、少なくとも十分な靭性及び強度が要求される。
液晶ポリマー(LCP)は、固化するにつれて分子が剛直に繋がる性質を有し、耐熱性及び流動性に優れた材料である。そのような性質から、LCPは精密成形品等の用途として好適であることが知られており、流動性ないし成形性の向上といった観点から種々の改良がなされてきた(例えば、特許文献1)。
特開2003−246923号公報
ところが、従来のLCP材料では十分な靭性が確保できているとはいえず、例えば、ロックやランスを備える自動車用コネクタ等への適応は難しかった。LCPの靭性が不十分となる原因としては、例えばタルク、マイカ又はグラスファイバー等の無機フィラーを、LCPに多量に添加することによるものが考えられる。
一般的に、無機フィラー添加量を低減することによって靭性は向上するものの、LCP自体が非常に高価な樹脂であるため、無機フィラーを低減することにより樹脂組成物のコストが増加する問題が生ずる。さらに、無機フィラーについては、その添加量が増加するに応じて樹脂の流動抵抗を増加させることが知られている。流動性が悪くなると、射出成形時のピーク圧が高くなり、結果として充填不足(ショート)や反り等、成形不良の原因となる。なお、流動性確保のために成形温度を上げることも考えられるが、その場合材料の劣化が進行し易く、耐久性に悪影響を及ぼす可能性がある。このように、自動車用のコネクタ等の用途として相応しい靭性と強度を確保しつつ、低コストで製造できる材料の開発が望まれていた。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、優れた成形性を有し、かつ、低コストで製造できると同時に、成形時において所望の機械的特性を発揮する樹脂組成物及びその成形品を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る樹脂組成物は、液晶性ポリエステル樹脂と、タルクと、ガラス繊維と、を有する混合物を含む。そして、混合物中におけるタルクの含有量が1重量%以上24.2重量%以下であり、かつ、ガラス繊維の含有量が10重量%以上50重量%以下である。さらに、混合物を射出成形に供した際に測定される射出ピーク圧が、当該混合物よりタルクのみを除いた混合物の射出ピーク圧以下であることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る樹脂組成物は、第1の態様に係る樹脂組成物における混合物の溶融粘度が20〜24.6Pa・sであり、上記射出ピーク圧が52.6MPa未満であることを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る樹脂組成物の成形品は、第1又は第2の態様に係る樹脂組成物を射出成形して製造されることを特徴とする。
本発明の第4の態様に係る樹脂組成物の成形品は、第3の態様に係る樹脂組成物の成形品が、自動車用コネクタであることを特徴とする。
本発明に係る樹脂組成物は、液晶性ポリエステル樹脂と、タルクと、ガラス繊維と、を所望の割合で含有する混合物を含むため、液晶性ポリエステル樹脂の使用量を低減しつつ、優れた流動性を有する。その結果、低コストで製造でき、かつ、優れた成形性を有すると共に、成形後において優れた機械的特性を満足する。
また、本発明に係る樹脂組成物の成形品は、本発明に係る樹脂組成物を射出成形して製造されるため、低コストで製造できると同時に、所望の機械的特性を発揮する。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の射出成形に用いられる金型の一例を説明するための二面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
[樹脂組成物]
本発明の実施形態に係る樹脂組成物について詳細に説明する。
本形態に係る樹脂組成物は、液晶性ポリエステル樹脂と、タルクと、ガラス繊維と、を有する混合物を含むものである。本形態に係る樹脂組成物は、熱可塑性樹脂材料としての液晶性ポリエステル樹脂に対して、無機フィラーとしてのタルク及びガラス繊維を添加して製造されるものである。
上記液晶ポリエステル樹脂は、溶融状態において液晶性を示す液晶ポリマーの一種であり、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルである。一般に、液晶性を示すための分子構造上の条件として、分子鎖内に剛直鎖(メソーゲン基)を有すること、細長い棒状分子であること、固有の双極子モーメントを有することが挙げられる。なお、本形態に係る樹脂組成物に含まれる液晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、市販品等、従来公知のものを用いることができる。このような液晶性ポリエステル樹脂は、他の樹脂材料に比べて高価である。しかしながら、適量の液晶性ポリエステル樹脂を配合することにより、本形態に係る樹脂組成物は優れた流動性を発揮することができる。
本形態に係る樹脂組成物に添加されるタルク(含水珪酸マグネシウム[MgSi10(OH)])は、無機フィラーとして機能し、上記樹脂組成物中におけるタルクの含有率は、1重量%以上24.2重量%以下である。本形態に係る樹脂組成物においては、このような含有量でタルクを添加しているため、流動抵抗の増大による影響が顕在化せず、優れた流動性を確保することができる。その結果、上記樹脂組成物の成形後における成形品の十分な機械強度を確保することができる。同様の観点から、タルクの含有量を10質量%以上20重量%以下とすることがより好ましい。なお、本形態において用いられるタルクとしては、特に限定されるものではなく、市販品等を用いることできる。
本形態に係る樹脂組成物に添加されるガラス繊維も、タルク同様、無機フィラーとして機能する。そして、上記樹脂組成物中におけるガラス繊維の含有率は、10重量%以上50重量%以下である。本形態に係る樹脂組成物においては、このような含有量でガラス繊維を添加しているため、流動抵抗の増大による影響が顕在化せず、優れた流動性を確保することができる。その結果、上記樹脂組成物の成形後における成形品の十分な機械強度を確保することができる。同様の観点から、ガラス繊維の含有量を10質量%以上20重量%以下とすることがより好ましい。なお、本形態において用いられるガラス繊維としては、特に限定されるものではなく、市販品等、従来公知のガラス繊維を用いることできる。また、取り扱い上、ガラス繊維の繊維径は10μm程度が好ましく、長さとしては500μm程度が好ましい。
なお、本形態に係る樹脂組成物においては、上記混合物を射出成形に供した際に測定される射出ピーク圧が、上記混合物よりタルクのみを除いた混合物の射出ピーク圧以下となっている。そのため、当該樹脂組成物が、高価な液晶ポリエステル樹脂の使用量を低減しつつ、優れた流動性ないし成形性を発揮できることがより明確になる。なお、射出ピーク圧に関しては後に詳述する。
本形態に係る樹脂組成物は、20Pa・s以上24.6Pa・s以下の溶融粘度を有することが好ましい。ここで、本明細書における「溶融粘度」とは、国際標準化機構規格ISO 11443(methods for determining the fluidity of plastics melts subjected to shear stresses at rates and temperatures approximating to those arising in plastics processing)に規定の測定法により求められる値である。なお、さらに詳細な条件としては、温度条件が350℃であり、せん断速度が2900s−1である。このようにして測定された値は、溶融状態における樹脂の粘性を評価する際の指標となる。本形態に係る樹脂組成物が、20Pa・s以上24.6Pa・s以下の溶融粘度を有する場合は、より優れた流動性を発揮することが示唆される。つまり、上記のような溶融粘度を有することにより、当該樹脂組成物は優れた成形性を有するものと評価することができる。
また、本形態に係る樹脂組成物は、上記混合物を射出成形に供した際に測定される射出ピーク圧が52.6MPa未満となることが好ましい。ここで、本明細書における「射出成形」とは、図1に示す成形金型1において、以下に示す条件で行うものをいう。なお、図1は、成形金型1を上面から見た平面図及び側方から見た側面図の2面図である。成形金型1は、本形態に係る樹脂組成物を、縦幅12.7mm、横幅127mm、厚さ1.6mm(1.6mmt)である略直方体形状に成形するための金型である。ゲート部2は、幅3.0mm、高さ1.0mmの形状に形成されており、本形態に係る樹脂組成物の注入口となる部分である。このような成形金型1を用い、成形機としてはFUNUC社製の50i 2000αを用いて射出成形が行われる。さらに詳細な成形条件としては、シリンダー温度を350℃とし、成形金型1の温度を80℃に設定し、かつ、射出速度100mm/sで行われる。なお、射出成形において、樹脂を注入し始めた段階から圧力の上昇が始まり、当該樹脂が金型の端末まで到達した段階で瞬間的な若干の圧力上昇を示すことが知られており、この瞬間の圧力を射出ピーク圧という。ここで、本明細書における「射出ピーク圧」とは、上記成形工程において、冷却時間を8秒として測定される射出ピーク圧を、ショット数50回分の平均値として得られるものである。本形態に係る樹脂組成物が、上記のような射出ピーク圧を示す場合は、より優れた流動性を発揮することが示唆される。つまり、上記のような射出ピーク圧を有することにより、当該樹脂組成物は優れた成形性を有するものと評価することができる。同様の観点から、上記射出ピーク圧が46.6MPa未満であることがより好ましく、43.8MPa以下であることがさらに好ましく、41.2MPa以下であることが最も好ましい。
このように、本形態に係る樹脂組成物は、液晶ポリエステル樹脂に対して、無機フィラーとしてのタルク及びガラス繊維を所望の組成となるように添加しているため、優れた流動性が発現し、優れた成形性を有する。本形態に係る樹脂組成物における所定の物性値を測定すると、本発明所望の値を有することが認められるため、上記効果が明確に示唆されることになる。
[樹脂組成物の成形品]
本形態に係る樹脂組成物の成形品は、本発明の樹脂組成物を射出成形して製造される。そのため、本形態に係る樹脂組成物の成形品は、低コストで製造できると同時に、所望の機械的特性を発揮するものである。なお、射出成形された本形態に係る樹脂組成物の成形品は、120MPa以上の曲げ強度及び6000MPa以上の曲げ弾性率を有することが好ましい。ここで、本明細書における「曲げ強度」及び「曲げ弾性率」は、米国材料試験協会規格ASTM D790(Standard Test Methods for Flexural Properties of Unreinforced and Reinforced Plastics and Electrical Insulating Materials)に規定の曲げ試験に準拠して測定される値である。本形態に係る樹脂組成物の成形品が、上記のような曲げ強度及び曲げ弾性率を有する場合は、特に自動車用のコネクタ等の用途としても相応しい靭性と強度を発揮することができる。つまり、本発明の樹脂組成物を原料とし、上記のような所望の物性値を有するため、本形態に係る樹脂組成物の成形品は、靭性と機械強度のバランスが良好である。さらに、高価な液晶ポリエステル樹脂の使用量を低減し、低コストで製造することが可能である。同様の観点から、170MPa以上の曲げ強度及び9000MPa以上の曲げ弾性率を有することがより好ましい。
さらに、本形態に係る樹脂組成物の成形品は、上記曲げ試験において測定される曲げ破断点たわみが1.9%以上であることが好ましい。また、より好ましくは、2.0%以上であり、さらに好ましくは2.4%以上であり、最も好ましくは3.2%以上である。本形態に係る樹脂組成物の成形品は、上記のような破断点たわみを有する場合、自動車用のコネクタ等の用途として自動車用のコネクタ等の用途としてより好ましい靭性と強度のバランスを有するものとなる。なお、本明細書における「曲げ破断点たわみ」とは、上記曲げ試験において、試験片に変位を与え、やがて当該試験片が破壊に至ったときの「たわみ率」を表す。すなわち、変位に対する破壊までの許容量を示す指標である。曲げ破断点たわみの算出方法は、以下の式による。
Figure 2014118445
(γは曲げたわみ率(%)、Dは試験片の破断たわみ(mm)、tは試験片の厚み(mm)、Lsは支点間距離を表す。なお、試験片の厚みtが1.6mmであるとき、Lsは40mmである。)
なお、本形態に係る樹脂組成物の成形品は、自動車用のコネクタとすることが好ましい。このように適用することで、靭性と強度に優れ、低コストで製造できる自動車用のコネクタとすることができる。もちろん、本形態に係る樹脂組成物の成形品は、上記用途に限定されるものではなく、種々の電気部品又は電子部品とすることができる。例えば、コネクタ、スイッチ、コンデンサ、集積回路、リレー、抵抗器、発光ダイオード、コイルボビン及びこれらの周辺機器とすることができる。そのように適用することで、低コストで製造できると同時に、所望の機械的特性を発揮する電気部品ないし電子部品とすることができる。
このように、本形態に係る樹脂組成物の成形品は、液晶ポリエステル樹脂に対して、無機フィラーとしてのタルク及びガラス繊維の双方を所望の組成となるように添加した樹脂組成物を射出成形に供して得られるものである。そのため、低コストで製造できる上に強度と靭性のバランスに優れている。本形態に係る樹脂組成物の成形品における所定の物性値を測定すると、本発明所望の値を有することが認められるため、上記効果が明確に示唆されることになる。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜2]
実施例1においては、まず、樹脂組成物として表1に示すものを準備した。すなわち、市販されている液晶性ポリエステル樹脂(LCP)と、10重量%のタルクと、10重量%のガラス繊維と、を含む樹脂組成物を準備した。なお、ガラス繊維の繊維径は10μm程度であり、長さは500μm程度であった。この樹脂組成物を前述した成形機及び図1に示す成形金型1を用いて射出成形に供し、実施例1に対応する試験片(樹脂組成物の成形品)を作成した。なお、この試験片は、縦幅12.7mm、横幅127mm、厚さ1.6mmである略直方体形状を有するものである。実施例2においては、タルク含有量が20重量%となるように樹脂組成物を準備したことを除いて、実施例1と同様にして実施例2に対応する試験片を作成した。
[比較例1〜5]
比較例1〜5では、上記樹脂組成物における無機フィラーの含有比率を、それぞれ表1に示すものとした以外は、実施例1と同様にして各比較例に対応する試験片を作成した。
[参考例1〜2]
参考例1〜2では、液晶ポリエステル樹脂の代わりにポリフェニルスルフィド(PPS)を樹脂材料として使用した。上記樹脂組成物における無機フィラーの含有比率については、表1に示すとおりとした。それ以外は実施例1と同様にして、各参考例に対応する試験片を得た。なお、PPSは、小型コネクタの材料として従来使用されてきた樹脂材料である。そこで、PPSを主成分として含有する樹脂組成物及び樹脂組成物の成形品を参考例とし、参考例が有する所定の物性値を、コネクタへの適用に耐えうる材料物性の基準値とみなして参照することとした。さらに、PPSを主成分とする樹脂組成物にガラス繊維のみを添加した場合と、ガラス繊維及びタルクの双方を添加した場合とを比較するべく、参考例1と参考例2とを対比させることとした。
実施例1〜2、比較例1〜5及び参考例1〜2に対応する樹脂組成物を、溶融粘度測定に供した。なお、温度条件を350℃、せん断速度を2900s−1として測定した。また、実施例1〜2及び比較例1〜5は、シリンダー温度を350℃、成形金型1の温度を80℃に設定し、かつ、射出速度を100mm/sとした。また、参考例1〜2については、シリンダー温度を310℃、成形金型1の温度を140℃に設定し、かつ、射出速度を50mm/sとした。このようにして測定された射出ピーク圧及び溶融粘度を表1に併せて示す。
[曲げ試験]
上記のようにして得られた実施例1〜2、比較例1〜5及び参考例1〜2に対応する試験片を曲げ試験に供した。なお、当該試験については、試験機としてオートグラフAG−20KNI(島津製作所社製)を使用し、2点支持1点加重による3点曲げによって測定を行うこととした。さらに詳細には、23℃、50%RHの雰囲気で行うこととし、試験速度は10mm/min、曲げ弾性率測定範囲を5〜10Nとした。また、曲げ破断点たわみは、試験片の厚みtの値1.6mm、Lsの値40mmを用いて算出した。その結果、測定・算出された曲げ強度、曲げ弾性率及び曲げ破断点たわみを、表1に併せて示す。
Figure 2014118445
表1に示すように、実施例1〜2に対応する樹脂組成物の溶融粘度は、参考例1〜2に対応する樹脂組成物の溶融粘度を大きく下回ることがわかる。すなわち、実施例1〜2は、従来の材料たるPPSを用いた場合に比して、十分に優れた流動性を有するものと認められる。さらに、実施例1〜2に係る樹脂組成物は、射出ピーク圧においても、参考例1〜2に係る樹脂組成物の値を大きく下回ることがわかる。すなわち、実施例1〜2に係る樹脂組成物は、従来のコネクタ材料たるPPSを用いた場合に比して、十分に優れた成形性を発揮するものと認められる。
また、表1より、実施例1〜2に対応する樹脂組成物の成形品の曲げ強度、曲げ弾性率及び曲げ破断点たわみは、全て、参考例1〜2を上回っていることがわかる。すなわち、実施例1〜2は、従来の材料たるPPSを用いた場合に比して、十分に優れた強度及び靭性を有することがわかる。
一方で、比較例1に対応する樹脂組成物は、溶融粘度及び射出ピークにおいて実施例1〜2と同程度に低い値が得られ、成形性がよいといえる。さらに、比較例1に対応する樹脂組成物の成形品も、曲げ強度、曲げ弾性率及び曲げ破断点たわみにおいて、実施例1〜2と同程度の高い値を有しており、靭性及び強度の面からも優れているといえる。しかしながら、比較例1では無機フィラーの添加量が10重量%のみであり、LCPが多く含有されているため、コスト面で実施例1〜2に劣っているといえる。
次いで、比較例2に対応する樹脂組成物は、射出ピーク圧が実施例1〜2に対して劣っている。すなわち、比較例2は、流動性ないし成形性の面で実施例に劣るものと認められる。さらに、破断点たわみも実施例より低く、靭性にも劣っている。このように、比較例2は、実施例に比して発揮される物性のバランスが劣るものと評価される。
次いで、比較例3〜5に対応する樹脂組成物は、溶融粘度及び射出ピーク圧が実施例1〜2に劣っており、したがって、流動性ないし成形性の面で実施例に劣るものと認められる。破断点たわみも低く、実施例と比較して靭性にも劣っている。比較例5については、曲げ強度についても実施例に劣っており、強度面からも不十分であるものと認められる。このように、比較例3〜5は、実施例に比して発揮される物性のバランスが劣るものと評価される。
なお、比較例2〜5及び参考例1〜2については、実施例1〜2において測定される曲げ破断点たわみの値において明らかに劣っている。高価なLCPを最も多く使用した比較例1は、曲げ破断点たわみの値において実施例1〜2と同程度である。これらのことからも、実施例に係る樹脂組成物及び樹脂組成物の成形品が、低コストで十分優れた靭性を実現していることがわかる。なお、PPSを主成分とする参考例1と参考例2を比較すると、参考例2の混合物からタルクのみを除いた参考例1の方が、射出ピーク圧、溶融粘度において参考例2よりも低いことがわかる。すなわち、PPSを主成分とし、さらにタルク及びガラス繊維を有する混合物と、この混合物からタルクのみを除いた混合物を比較すると、タルクを除いた混合物の方が流動性に優れるものと認められた。このように、PPSを主成分とする参考例では、LCPを主成分とする実施例の場合とは異なる傾向が認められた。
以上のように、本発明に係る樹脂組成物及び樹脂組成物の成形品は、所望の組成及び物性値を有することにより、優れた成形性を有し、かつ、低コストで製造できるものと認められる。
以上、本発明を実施例及び比較例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 成形金型
2 ゲート部

Claims (4)

  1. 液晶性ポリエステル樹脂と、タルクと、ガラス繊維と、を有する混合物を含み、
    前記混合物中における前記タルクの含有量が1重量%以上24.2重量%以下であり、かつ、前記ガラス繊維の含有量が10重量%以上50重量%以下であり、
    前記混合物を射出成形に供した際に測定される射出ピーク圧が、前記混合物より前記タルクのみを除いた混合物の射出ピーク圧以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記混合物の溶融粘度が、20〜24.6Pa・sであり、
    前記射出ピーク圧が52.6MPa未満であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物を射出成形して製造されることを特徴とする樹脂組成物の成形品。
  4. 自動車用コネクタであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物の成形品。
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