JP2014118188A - フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体、フランジ付き耐熱性ガラス容器及びそれらの製造方法 - Google Patents

フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体、フランジ付き耐熱性ガラス容器及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた寸法精度を有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体、及びフランジ付き耐熱性ガラス容器、特に大型のフランジ付き耐熱性ガラス容器、及びそれらの製造方法並びに耐熱性ガラス部材接着構造体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】(A)耐熱性ガラスフランジ部10a,10bの対向面14a,14bとなる全て又は一部のフランジ面に溝部18a,18bを有する複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a,12bを用意する工程と、(B)互いに相対向するフランジ面のうちの少なくとも一方が溝部18a,18bを有するように前記複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a,12bを相対向するように設定する工程と、(C)前記溝部18a,18bに充填された接着剤で接合し接合体を形成する工程と、(D)前記接合体を100℃以上の温度で加熱し、フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16とする工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体、及びフランジ付き耐熱性ガラス容器、特に大型のフランジ付き耐熱性ガラス容器、及びそれらの製造方法、並びに耐熱性ガラス部材接着構造体及びその製造方法に関し、特に、太陽電池や有機ELなどの大型基板を加熱処理するときに用いられる大型の耐熱性ガラス容器として好適に用いられるフランジ付き耐熱性ガラス容器およびその製造方法に関する。
従来の大型耐熱性ガラス容器は、石英ガラスなどが主に使用されてきたが(特許文献1)、フランジ付きの大型耐熱性ガラス容器の場合には、フランジ部で石英ガラス部材を重ね合わせることで、長さを任意に調整することが可能であった。しかしながら、このフランジ同士を積み重ねて溶接する場合には、フランジが厚く、火炎加工による溶接が非常に難しく、加工中に割れてしまうことが多く、手間隙がかかって生産性が悪かった。また、溶接後にはアニールをする必要があり、大きな大型耐熱性ガラス容器を製造するためには、大きなアニール炉も必要となり、大型のアニール炉を導入するといったところでは、生産設備にも限界があった。
さらに、最近は太陽電池や有機ELの基板がますます大型化が加速され、加熱処理するための大型耐熱性ガラス容器もさらに大型化が求められることになっている。残念ながら前述したように大型耐熱性ガラス容器、例えば大型の石英ガラス容器を製造することは限界を迎えている。
また、大口径になると外形や肉厚の公差が悪くなる一方であり、現状の火炎加工による溶接では大きさが500mm以上では、長さの公差は±50mm程度、平面度は±5mm程度となり、また溶接面で十分ガスシール性を確保することができない状況であった。
こうした寸法公差が悪いと、雰囲気中の酸素濃度をコントロールすることができなくなり、特に大口径の有機ELのTVを製造するプロセスでは、有機ELが酸素によって劣化してしまったり、有機EL基板と背面キャッププレートを張り合わせるエポキシ樹脂の品質が劣化してしまい貼りあわせ時に隙間が生じてしまう問題が発生している。
さらに、最近ではプロセスの低温化が進み、石英ガラス以外のガラス、例えば高珪酸ガラス、パイレックス(登録商標)、バイコール(登録商標)、テンパックス(登録商標)、ネオセラム(登録商標)、ネオレックス、ファイアライト(登録商標)が使用されることが検討されている、または一部使用が開始している。
実公平7−14194号公報 特表2008−511527号公報
本発明は、優れた寸法精度を有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体、及びフランジ付き耐熱性ガラス容器、特に大型のフランジ付き耐熱性ガラス容器、及びそれらの製造方法並びに耐熱性ガラス部材接着構造体及びその製造方法を提供することを目的とし、特に、太陽電池や有機ELなどの大型基板を加熱処理するときに用いられる大型の耐熱性ガラス容器として好適に用いられるフランジ付き耐熱性ガラス容器およびその製造方法を提供することを目的とする。さらに、大型化が可能なフランジ付き耐熱性ガラス容器を簡単に製造することができるフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法および大型化が可能なフランジ付き耐熱性ガラス容器を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明者らは、フランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、溝部を有するフランジ部をSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤で接着することで、大型の耐熱性ガラス容器を簡単に製造することが可能であることを見出し、本発明を完成したものである。また、本発明の製造方法で得られた大型の耐熱性ガラス容器は優れた寸法精度を有していることも確認した。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造方法は、少なくとも一端部にフランジ部を有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体の複数個を互いに相対向する一対のフランジ付き耐熱性ガラス筒体の対向するフランジ部の対向面を当接接合し接着することによって製造するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造方法であって、
(A)前記フランジ部の対向面となる全て又は一部のフランジ面に溝部を有する複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を用意する工程と、
(B)互いに相対向するフランジ面のうちの少なくとも一方が溝部を有するように前記複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を相対向するように設定する工程と、
(C)前記設定された複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を相対向するそれぞれのフランジ面の少なくとも一方が溝部を有するように相対向して当接させた状態で該溝部に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤で接合しフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体を形成する工程と、
(D)前記接合体を100℃以上の温度で加熱し、前記接合されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体のフランジ部同士を接着してフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体とする工程と、
を含むことを特徴とする。
上記(A)〜(D)の工程を繰り返すことにより3個以上のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねた構造体を製造することができ、また上記(A)〜(C)の工程を繰り返して3個以上のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねた接合体を最初に形成し、この接合体を加熱して、即ち上記(D)工程を行うことにより一度の加熱処理により3個以上のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねた構造体を製造することもできる。
前記(C)工程において、前記設定された複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を相対向するそれぞれのフランジ面の少なくとも一方が溝部を有するように相対向して挟持状態で当接させた後、該相対向するフランジ部の側面に開口する溝部開口部から該溝部内にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を注入することによって接合しフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体を形成するように構成するのが好適である。
また、前記(C)工程において、前記設定された複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を上下方向に相対向せしめ、下方に位置するフランジ面は溝部を有するとともに上方に位置するフランジ面は溝部を有することなく平坦面であり、該下方側のフランジ面の溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を注入し、その後、上方側のフランジ面を該下方側のフランジ面に当接接合しフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体を形成するように構成することも可能である。
前記SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤としては、B型粘度計で30rpm、23℃の条件下で測定したときに、該スラリー状の接着剤の粘度が、3000mPa・s以上であるものが好ましい。
前記(C)工程を室温で行い、また前記(D)工程を500℃以上で行うのが好適である。
前記フランジ付き耐熱性ガラスとしては、石英ガラスが好適に用いられる。また、前記フランジ面に形成した溝部の幅がフランジ面の半分以下で、個数が2ケ以上とするのが好ましい。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第1の態様は、本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造方法において製造されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は中間形成物として形成されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体からフランジ付き耐熱性ガラス容器を製造する方法であって、
(a)前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体と、該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体の開放口を閉塞する形状を有しかつ該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体の開放口に対向する面に溝部を形成し又は溝部を形成することなく平坦面とした耐熱性ガラス蓋体とを用意する工程と、
(b)互いに対向する前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体のフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面のうち少なくとも一方が溝部を有するように両者を相対向するように設定する工程と、
(c)前記設定されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体のフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面とを相対向するフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面及び蓋体対向面のそれぞれの少なくとも一方が溝部を有するように相対向して当接させた状態で該溝部に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤で接合しフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体を形成する工程と、
(d)前記フランジ付き耐熱性ガラス容器接合体を100℃以上の温度で加熱し、前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体と耐熱性ガラス蓋体を接着してフランジ付き耐熱性ガラス容器とする工程と、
を含むことを特徴とする。
上記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体を用いる場合には、前記した(A)〜(D)の工程を繰り返して3個以上のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねた構造体を製造し、この積み重ね構造体に対して上記(a)〜(d)の工程を行うことにより3個以上のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねた構造を有する耐熱性ガラス容器を製造することができる。
また、上記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体を用いる場合には、前記した(A)〜(C)の工程を繰り返して3個以上のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねた接合体を最初に形成し、この積み重ね接合体に対して上記(a)〜(d)の工程を行うことにより3個以上のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねた構造を有する耐熱性ガラス容器を製造することができる。
前記(c)工程において、前記設定されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体のフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面とを相対向するフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面及び蓋体対向面のそれぞれの少なくとも一方が溝部を有するように相対向して挟持状態で当接させた後、該相対向するフランジ部と蓋体の側面に開口する溝部開放口から該溝部内にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を注入することによって接合しフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体を形成するように構成するのが好適である。
また、前記(c)工程において、前記設定されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体と耐熱性ガラス蓋体を上下方向に相対向せしめ、下方に位置するフランジ面(又はフランジ部の存在しない端部面)又は蓋体対向面は溝部を有するとともに上方に位置する蓋体対向面又はフランジ面(又はフランジ部の存在しない端部面)は溝部を有することなく平坦面であり、該下方側のフランジ面(又はフランジ部の存在しない端部面)又は蓋体対向面の溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を注入し、その後、上方側の蓋体対向面又はフランジ面(又はフランジ部の存在しない端部面)を該下方側のフランジ面(又はフランジ部の存在しない端部面)又は蓋体対向面に当接接合しフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体を形成するように構成することもできる。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第2の態様は、本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体からフランジ付き耐熱性ガラス容器を製造する方法であって、
(i)前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体と該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の開口部を閉塞する形状を有する耐熱性ガラス蓋体とを用意する工程と、
(ii)互いに対向する前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体のフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面とが相対向するように設定する工程と、
(iii)前記設定されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体のフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面とを溶接してフランジ付き耐熱性ガラス容器とする工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第3の態様は、一端側開放口を蓋体で閉塞しかつ他端側開放口にフランジ部を設けてなるフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と少なくとも一端部にフランジ部を有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体の1個又は複数個とを互いに相対向するフランジ部の対向面を当接接合し接着することによって製造するフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法であって、
(1)前記フランジ部の対向面となる全て又は一部のフランジ面に溝部を有するように前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体及び1個又は複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を用意する工程と、
(2)互いに相対向するフランジ面のうちの少なくとも一方が溝部を有するように前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と前記1個又は複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体とを相対向するように設定する工程と、
(3)前記設定されたフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と1個または複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体とが相対向するそれぞれのフランジ面の少なくとも一方が溝部を有するように相対向して当接させた状態で該溝部に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤で接合しフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体を形成する工程と、
(4)前記接合体を100℃以上の温度で加熱し、前記接合されたフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体のフランジ部同士を接着してフランジ付き耐熱性ガラス容器とする工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体は、本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造方法によって製造されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体であって、
少なくとも一端部にフランジ部を有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体の複数個を互いに相対向する一対のフランジ付き耐熱性ガラス筒体の対向するフランジ部の対向面部分に形成された溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を充填し、該接着剤を介してフランジ付き耐熱性ガラス筒体同士が当接接合されかつ加熱接着された構造を有することを特徴とする。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の第1の態様は、本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第1の態様によって製造されるフランジ付き耐熱性ガラス容器であって、
端部側にフランジ部を有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体と、該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体の開放口を閉塞する形状を有する耐熱性ガラス蓋体とを有し、互いに相対向するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体の端部側のフランジ部の対向面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面の少なくとも一方に形成された溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を充填し、該接着剤を介してフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体と耐熱性ガラス蓋体が当接接合されかつ加熱接着された構造を有することを特徴とする。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の第2の態様は、本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第2の態様によって製造されるフランジ付き耐熱性ガラス容器であって、
前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体と、該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の開放口を閉塞する形状を有する耐熱性ガラス蓋体とを有し、互いに相対向するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体のフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面とが溶接された構造を有することを特徴とする。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の第3の態様は、本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第3の態様によって製造されるフランジ付き耐熱性ガラス容器であって、
一端側開放口を耐熱性ガラス蓋体で閉塞しかつ他端側開放口にフランジ部を設けてなるフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と、1個又は複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体とを有し、前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と1個または複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体とが相対向するそれぞれのフランジ面の少なくとも一方が溝部を有するように相対向して当接させた状態で該溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を充填し、該接着剤を介して前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と1個または複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体とが当接接合されかつ加熱接着された構造を有することを特徴とする。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器及びその製造方法において、耐熱性ガラス蓋体によって閉塞されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体の開放口側のフランジ部は必須の構成ではなく、フランジ部の設置がなくても開放口側の端部面に耐熱性ガラス蓋体を直接的に接合接着又は溶接する構成を採用することもできる。なお、後述する実施の形態の説明や図示例ではフランジ部を介して耐熱性ガラス蓋体を設けた構成について説明し、開放口側の端部面に耐熱性ガラス蓋体を直接取り付ける構成についての説明は冗長を避けるために省略する。
本発明の耐熱性ガラス部材接着構造体の製造方法は、一対の耐熱性ガラス部材の対向面を当接接合し接着する耐熱性ガラス部材接着構造体の製造方法であって、
(イ)前記耐熱性ガラス部材の対向面となる双方又は一方の面に溝部を有する一対の耐熱性ガラス部材を用意する工程と、
(ロ)互いに相対向する耐熱性ガラス部材の面のうちの少なくとも一方が溝部を有するように前記一対の耐熱性ガラス部材を相対向するように設定する工程と、
(ハ)前記設定された一対の耐熱性ガラス部材を相対向するそれぞれの面の少なくとも一方が溝部を有するように相対向して当接させた状態で該溝部に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤で接合し耐熱性ガラス部材接合体を形成する工程と、
(ニ)前記耐熱性ガラス部材接合体を100℃以上の温度で加熱し、前記一対の耐熱性ガラス部材同士を接着して耐熱性ガラス部材接着構造体とする工程と、
を含むことを特徴とする。
前記(ハ)工程において、前記設定された一対の耐熱性ガラス部材を相対向するそれぞれの面の少なくとも一方が溝部を有するように相対向して挟持状態で当接させた後、該相対向する耐熱性ガラス部材の側面に開口する溝部開口部から該溝部内にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を注入することによって接合し耐熱性ガラス部材接合体を形成するようにするのが好ましい。
前記(ハ)工程において、前記設定された一対の耐熱性ガラス部材を上下方向に相対向せしめ、下方に位置する耐熱性ガラス部材の対向面は溝部を有するとともに上方に位置する耐熱性ガラス部材の対向面は溝部を有することなく平坦面であり、該下方側の耐熱性ガラス部材の対向面の溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を注入し、その後、上方側の耐熱性ガラス部材の対向面を該下方側の耐熱性ガラス部材の対向面に当接接合し耐熱性ガラス部材接合体を形成するようにすることもできる。
本発明の耐熱性ガラス部材接着構造体は、本発明の耐熱性ガラス部材接着構造体の製造方法によって製造される耐熱性ガラス部材接着構造体であって、
相対向する一対の耐熱性ガラス部材の対向する面部分に形成された溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を充填し、該接着剤を介して耐熱性ガラス部材同士が当接接合されかつ接着された構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、優れた寸法精度を有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体、及びフランジ付き耐熱性ガラス容器、特に大型のフランジ付き耐熱性ガラス容器、及びそれらの製造方法、並びに耐熱性ガラス部材接着構造体及びその製造方法を提供することでき、特に、太陽電池や有機ELなどの大型基板を加熱処理するときに用いられる大型の耐熱性ガラス容器として好適に用いられるフランジ付き耐熱性ガラス容器およびその製造方法を提供することができる。また、優れた寸法精度を有し、大型化が可能なフランジ付き耐熱性ガラス容器、特に石英ガラス容器を提供できるという著大な効果を奏する。さらに、本発明によれば、大型の場合も優れた寸法精度と優れたガスシール性を有する大型耐熱性ガラス容器、例えば耐熱性ガラス角型容器を簡単に製造することができる製造方法を提供することができるという著大な効果を奏する。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の一つの実施形態を示す側面的説明図である。 図1の要部の摘示斜視説明図である。 本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の他の実施形態を示す側面的説明図である。 図3の要部の摘示斜視説明図である。 (a)(b)(c)は溝部の形状の3つの例を示す上面的説明図である。 本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の一つの実施形態を示す側面的説明図である。 本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の他の実施形態を示す側面的説明図である。 本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の別の実施形態を示す側面的説明図である。 本発明のフランジ付き耐熱性ガラス角形容器の一例を示す斜視説明図である。 本発明のフランジ付き耐熱性ガラス丸形容器の一例を示す斜視説明図である。 本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造方法の工程順を示すフローチャートである。 本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第1の態様の工程順の一例を示すフローチャートである。 本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第2の態様の工程順の一例を示すフローチャートである。 本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第3の態様の工程順の一例を示すフローチャートである。 本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器のさらに別の実施形態を示す側面的説明図である。 本発明の耐熱性ガラス部材接着構造体の一例を示す斜視説明図である。 本発明の耐熱性ガラス部材接着構造体の他の例を示す斜視説明図である。 本発明の耐熱性ガラス部材接着構造体の製造方法の工程順の一例を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16は、図1〜図2に示したように、少なくとも一端部(図示例では両端部)にフランジ部10a、10bを有する複数個(図示例では2個)のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12bの互いに相対向するフランジ部10a、10bの対向面14a,14bの双方又は一方(図示例では双方)に溝部18a、18bを形成し、該溝部18a、18bにSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を充填し、該接着剤20を介してフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12bを当接接合し接着することによって製造されるものである。なお、フランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12bは複数個(2個以上)を積み重ねて製造されるが、説明の都合上、図示例では2個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12bを積み重ねる場合について示してある。
さらに、図11に示したフローチャートによってフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造方法について説明する。まず、前記フランジ部10a、10bの対向面となる全て又は一部のフランジ面14a、14bに溝部18a、18bを有する複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12bを用意する(工程100)。前記フランジ部10a、10bは耐熱性ガラス筒体基体部11a、11bに接着(例えば、特許文献2に記載されたような方法により接着)もしくは溶接されている。前記溝部18a、18bはマシニング等の公知手段で形成される。
ついで、互いに相対向するフランジ面14a、14bのうちの少なくとも一方が溝部を有するように(図1の例ではフランジ面14a、14bのそれぞれに3個の溝部18a、18bが形成されている)前記複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12bを相対向するように設定する(工程102)。
前記設定された複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12bを相対向するそれぞれのフランジ面14a、14bの少なくとも一方が溝部を有するように(図1の例ではフランジ面14a、14bのそれぞれに3個の溝部18a、18bが形成されている)相対向して当接させた状態で該溝部18a、18bに充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20で接合し積み重ね接合体16aを形成する(工程104)。この状態で、SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤が乾燥するまで、一晩程度放置し乾燥させる。
この接合工程は室温で行うのが好適である。フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体16aとフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16とは前者が加熱前の状態で、後述するように後者が加熱処理を受けた後の状態を意味するものであるが、図面上は同一の形状で示されるので、図1においてはフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体16aの引き出し線を仮想線とし、フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16の引き出し線を実線で示して両者を区別してある。
前記工程104において、SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を溝部18a、18bに充填する手法としては、種々の手法が考えられるが、例えば、図1〜図2に示されるように、前記設定された複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12bを相対向するそれぞれのフランジ面14a、14bの少なくとも一方が溝部を有するように相対向して挟持状態で当接(例えば、フランジ部をクランプなどで当接固定)させた後、該相対向するフランジ部10a、10bの側面に開口する溝部開口部19a,19bから該溝部18a、18b内にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を注入することによって接合し積み重ね接合体16aを形成するように構成するのが好適である。
また、前記工程104において、SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を溝部18a、18bに充填するその他の手法としては、例えば、図3〜図4に示されるように、前記設定された複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12bを上下方向に相対向せしめ、下方に位置するフランジ面14aは溝部18aを有するとともに上方に位置するフランジ面14bは溝部を有することなく平坦面であり、該下方側のフランジ面14aの溝部18aにSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を注入し、その後、上方側のフランジ面14bを該下方側のフランジ面14aに当接接合し積み重ね接合体16aを形成するように構成することも可能である。なお、図3〜図4においては、フランジ面14bには溝部を形成することなく平坦面のままとした構成を示したが、その他の構成は図1〜図2と同様であるので、同一部材には同一の符号を用いて図示してある。図3〜図4の構成では、前記溝部開口部19a,19bを介することなく接着剤を充填注入することができる利点がある。
最後に、前記接合体16aを一晩程度放置して乾燥させた後に(クランプ等が取り付けられている場合はそれを外して)、前記接合体16aを焼成炉にセットし、100℃以上の温度で加熱し、前記一対のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12bのフランジ部同士10a、10bを接着して積み重ね構造体16とする(工程106)。
前記耐熱性ガラス筒体12a、12bの材質としては石英ガラスが好ましいが、石英ガラスの場合には、焼成炉で500℃以上、好ましくは1000℃以上1400℃以下で加熱する。前記耐熱性ガラス筒体12a、12bの材質が、高珪酸ガラス、パイレックス(登録商標)、バイコール(登録商標)、テンパックス(登録商標)、ネオセラム(登録商標)、ファイアライト(登録商標)の場合には200℃以上、好ましくは400℃以上500℃以下で加熱することが好適である。
図1及び図2によって、本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16の構造の一例について説明する。図1において、耐熱性ガラスフランジ10a、10bに形成した溝部18a、18bにSiOを主成分とするスラリー状の接着剤20を充填し(具体的には流し込み)、当接状態のフランジ部10a、10bは当初は接合されてフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体16aになり、この接合体16aはさらに加熱されることによって当該接着剤20を介して耐熱性ガラスフランジ部10a、10bが強固に接着されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16となる。
また、図3及び図4によって、本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16の構造の他の例について説明する。図3において、耐熱性ガラスフランジ10aに形成した溝部18aにSiOを主成分とするスラリー状の接着剤20を充填し(具体的には流し込み)、当接状態のフランジ部10a、10bは当初は接合されてフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体16aになり、この接合体16aはさらに加熱されることによって当該接着剤20を介して耐熱性ガラスフランジ部10a、10bが強固に接着されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16となる。
前記SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤において、SiO微粒子としては、非晶質SiO微粒子が好ましく、具体的には、高珪酸もしくは石英ガラスの微粒子が好適である。
前記SiO微粒子の粒径は500μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、粒径をコントロールして最密充填になる粒度分布で溶媒に溶かすことが特に好適である。高珪酸もしくは石英ガラス微粒子は、ガラス材料を粉砕し、粒度を揃えるなどして調整することも可能である。
前記接着剤に用いられる溶媒としては、SiO微粒子を溶解しスラリー状の接着剤が得られるものであれば特に制限はないが、例えば純水やアルコール、その他高純度な化学薬品(例えばSiのアルコキシド)などから選択すればよい。例えば純水に高珪酸もしくは石英ガラス微粒子を溶かし込んだ場合には、接着剤は白濁した粘性をもったスラリーとなる。
前記接着剤の特性に関しては、特に制限はないが、粘性が小さすぎる場合には接着するときに乾燥までに接着剤が流れてしまい工業的に使用できない。また、粘性が大きすぎると、接着剤を取り扱うことが難しくなる。
こうしたことから、当該接着剤の粘性は、B型粘度計で30rpm、23℃の条件下で測定したときの接着剤の粘度が3000mPa・s以上であることが好ましく、4000から15000mPa・s程度が好ましい。
該SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤の固形分は65%以上が好ましく、80%以上がより好ましいく、83%以上がさらに好ましい。
前記SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤としては、例えば、特許文献2に記載される非晶質SiO粒子を含有する水性スラリーが好適である。
また、フランジ同士の接着強度を上げるには、フランジ面に形成される溝部の個数を多くすればよい。また溝部の形状は特に規制されることはなく、任意に形状を決めれば構わない。基本的には、SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤が流し込めて、フランジ面を接着できる形状であれば構わない。また溝部の加工は、通常のマシニングセンターでプログラムを組んで研削すればよく、プログラムによって溝部の形状は任意にデザインできる。
前記フランジ面に形成される溝部の形状に関しては、特に限定されるものではないが、SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤が溝部内に充填又は注入できる形状であればどんな形状でも構わない。使用可能な溝部形状の例示として、図5(a)(b)(c)に前記フランジ面14aに形成される溝部18aの形状の3つの例を示した。また、SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を乾燥焼成する過程でスラリー状の接着剤から溶媒が効率よく蒸発できるように、石英ガラスプレート等の耐熱性ガラスプレートのフランジ部の端面に形成される溝部開口部はなるべく多くなるように溝部の形状を設計することが好ましい。
前記耐熱性ガラス筒体及び後述するフランジ付き耐熱性ガラス容器に使用される耐熱性ガラス材料の材質としては、公知の耐熱性ガラスが使用可能であり、特に制限はないが、20℃〜700℃の範囲における熱膨張係数が1×10−7〜1×10−5(K−1)のガラスが好ましく、具体的には、85質量%以上のSiOを含有するドープ又はノンドープの珪酸塩ガラスが好適である。該珪酸塩ガラスとしては、例えば、高珪酸ガラス、パイレックス(登録商標)、バイコール(登録商標)、テンパックス(登録商標)、ネオセラム(登録商標)、ネオレックス、ファイライト(登録商標)および石英ガラスなどの高耐熱性ガラスが挙げられ、石英ガラスがより好ましい。
前記耐熱性ガラス材料の形状は特に制限はなく、フランジ付き耐熱性ガラス筒体の形状及び後述するフランジ付き耐熱性ガラス容器の形状に合わせて適宜選択すればよい。前記耐熱性ガラス材料の製造法については特に制限はなく、公知の方法により入手可能である。例えば、耐熱性ガラス板を使用する場合は、例えばブロック形状の塊からスライスしたり、高温で加熱して成型する方法で入手できる。
図1及び図3に示した本発明において用いられるフランジ付き耐熱性ガラス筒体の形状寸法について述べる。該フランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12bのフランジ部10a、10bは、幅20mm×肉厚20mm×長さ50cm以上で、このフランジ部10a、10bに幅5〜10mm、深さ5〜10mmの溝部18a、18bを片面2本以上形成し、フランジ同士を合わせた場合に、この溝部18a、18bにスラリー状接着剤20を流し込む構成とするのが好適である。このとき、溝部18a、18bの形状は直線でも、曲線でも構わない。
続いて、本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第1の態様について説明する。本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第1の態様は、本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造方法において製造されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は中間形成物として形成されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体から、図6又は図7に示したようなフランジ付き耐熱性ガラス容器30を製造する方法である。なお、フランジ付き耐熱性ガラス容器30は角型耐熱性ガラス容器及び丸型耐熱性ガラス容器に分類されるので、理解を助けるために図9及び図10の斜視説明図によって角型耐熱性ガラス容器30及び丸型耐熱性ガラス容器30の形状を示した。
図9は角型耐熱性ガラス容器30を示す斜視説明図である。該角型耐熱性ガラス容器30は、フランジ部10a、10aを有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、フランジ部10b、10bを有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体12b、フランジ部10c、10cを有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体12cの3個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ね、さらにその最上部のフランジ部12cの上面に耐熱性ガラス蓋体22を載置し、それぞれの溝部18a、18b、18c、34、36に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を介してそれぞれのフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a〜12c、耐熱性ガラス蓋体22を互いに接合及び接着してなるものである。
図10は丸型耐熱性ガラス容器30を示す斜視説明図である。該丸型耐熱性ガラス容器30は、フランジ部10a、10aを有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、フランジ部10b、10bを有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体12b、フランジ部10c、10cを有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体12cの3個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ね、さらにその最上部のフランジ部10cの上面に耐熱性ガラス蓋体22を載置し、それぞれの溝部18a、18b、18c、34、36に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を介してそれぞれのフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a〜12c、耐熱性ガラス蓋体22を互いに接合及び接着してなるものである。なお、図10において図9における部材と同様の部材は同一の符号を用いて図示してある。
さらに、図6に示した耐熱性ガラス容器30の側面的説明図及び図12に示したフローチャートによって本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第1の態様について説明する。本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法においては、前記した本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造方法において製造されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は中間形成物として形成されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体を用いてフランジ付き耐熱性ガラス容器30を製造するものであるが、フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16及びフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体16aを同等の手順で共に利用することができるので、冗長を避けるために別手順とならない限り、並列的に表示して説明する。
まず、前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16a(図示したように上下の両方向に開口している)と耐熱性ガラス蓋体22を用意する(工程200)。該蓋体22は、該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16aの一方の開放口(図6の例では上部側の開放口)24を閉塞する形状を有しかつ該開放口24側の最上端部のフランジ部26のフランジ面28に対向する蓋体対向面32に溝部を形成し又は溝部を形成することなく平坦面とした(図6の例ではフランジ面28には溝部34が形成され、蓋体面32には溝部36を形成)ものを用いる。
次に、互いに対向する前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16aのフランジ面28と耐熱性ガラス蓋体22の対向面32のうち少なくとも一方が溝部を有するように(図6の例では両者に溝部が形成されている)両者を相対向するように設定する(工程202)。
前記設定されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16aの最上端部のフランジ面28と耐熱性ガラス蓋体22の対向面32とを相対向するフランジ面28及び蓋体対向面32のそれぞれの少なくとも一方が溝部(図6の例では両者に溝部34,36が形成されている)を有するように相対向して当接させた状態で該溝部34,36に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20で接合しフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体30aを形成する(工程204)。
最後に、前記接合体30aを100℃以上の温度で加熱し、前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16aと耐熱性ガラス蓋体22を接着してフランジ付き耐熱性ガラス容器30とする(工程206)。なお、図6の図示例では、フランジ付き耐熱性ガラス容器接合体30aとフランジ付き耐熱性ガラス容器30は同一形状で示されるので、前者の引出線を仮想線とし、後者の引出線を実線として区別してある。
前記工程204において、図6に示したように、前記設定されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16aのフランジ面28と耐熱性ガラス蓋体22の対向面32とを相対向するフランジ面28及び蓋体対向面32のそれぞれの少なくとも一方が溝部(図6の例では溝部34,36が形成されている)を有するように相対向して挟持状態で当接させた後、該相対向するフランジ部26と蓋体22の側面に開口する溝部開口部34a、36aから該溝部内にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を注入することによって接合しフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体30aを形成するように構成するのが好適である。
また、前記工程204において、図7に示したように、前記設定されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16aと耐熱性ガラス蓋体22を上下方向に相対向せしめ、下方に位置するフランジ面28又は蓋体対向面32は溝部(図7の例ではフランジ面28に溝部34を有する)を有するとともに上方に位置する蓋体対向面又はフランジ面は溝部を有することなく平坦面のまま(図7の例では蓋体対向面32には溝部を形成せず平坦面のまま)とし、該下方側のフランジ面又は蓋体対向面の溝部(図7の例ではフランジ面28の溝部34)にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を注入し、その後、上方側の蓋体対向面又はフランジ面(図7の例では蓋体22)を該下方側のフランジ面又は蓋体対向面(図7の例ではフランジ面28)に当接接合しフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体を形成するように構成することもできる。図7において図6と同一の部材は同一の符号で示されている。
上記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16を用いる場合には、図11に示した工程100〜106を繰り返して3個以上のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねた構造体を製造し、この積み重ね構造体に対して図12の工程200〜206を行うことにより3個以上のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねた構造を有する耐熱性ガラス容器を製造することができる。
また、上記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体16aを用いる場合には、図11に示した工程100〜104を繰り返して3個以上のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねた接合体を最初に形成し、この積み重ね接合体に対して図12の工程200〜206を行うことにより3個以上のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねた構造を有する耐熱性ガラス容器を製造することができる。
なお、フランジ付き耐熱性ガラス容器30に使用される耐熱性ガラス材料の材質やSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤については、前述したフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造において使用されるものが同様に使用可能であるので、再度の説明は省略する。
さらに、図8に示した耐熱性ガラス容器30の側面的説明図及び図13に示したフローチャートによって本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第2の態様について説明する。本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法においては、前記した本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造方法において製造されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16を用いて耐熱性ガラス蓋体22を溶接することによってフランジ付き耐熱性ガラス容器30を製造するものである。
まず、前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16と該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16の開口部24を閉塞する形状を有する耐熱性ガラス蓋体22とを用意する(工程210)。
次に、互いに対向する前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16のフランジ面28と耐熱性ガラス蓋体22の対向面32とが相対向するように設定する(工程212)。
最後に、前記設定されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16のフランジ面28と耐熱性ガラス蓋体22の対向面32とを溶接してフランジ付き耐熱性ガラス容器30とする(工程214)。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16は、図1及び図3に示したように、少なくとも一端部にフランジ部10a,10bを有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a,12bの複数個を互いに相対向する一対のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a,12bの対向するフランジ部10a、10bの対向面部分14a、14bに形成された溝部18a、18bにSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を充填し、該接着剤20を介してフランジ付き耐熱性ガラス筒体12a、12b同士が当接接合されかつ加熱接着された構造を有するものである。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器30の第1の態様は、図6及び図7に示したように、端部側にフランジ部10bを有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16aと、該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16aの開放口24を閉塞する形状を有する耐熱性ガラス蓋体22とを有し、互いに相対向するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16aの端部側のフランジ部10bの対向面と耐熱性ガラス蓋体22の対向面の少なくとも一方に形成された溝部(図6では双方に溝部34、36を形成し、図7ではフランジ部10bのみに溝部34を形成した例を示してある)にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を充填し、該接着剤20を介してフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16aと耐熱性ガラス蓋体22が当接接合されかつ加熱接着された構造を有するものである。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器30の第2の態様は、図8に示したように、前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16と、該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16の開放口24を閉塞する形状を有する耐熱性ガラス蓋体22とを有し、互いに相対向するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16のフランジ面28と耐熱性ガラス蓋体22の対向面32とが溶接Wされた構造を有するものである。
上記した本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器及びその製造方法の実施の形態についての説明では、耐熱性ガラス蓋体22によって閉塞されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体16又は接合体16aの開放口24側のフランジ部は必須の構成ではなく、フランジ部の設置がなくても開放口側の端部面に耐熱性ガラス蓋体を直接的に接合接着又は溶接する構成を採用することもできる。なお、上記した実施の形態の説明や図示例ではフランジ部を介して耐熱性ガラス蓋体を設けた構成について説明し、開放口側の端部面に耐熱性ガラス蓋体を直接取り付ける構成についての説明は煩雑をさけるために省略してある。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造にあたっては、フランジ付き耐熱性ガラス筒体の一端側開放口を蓋体で閉塞しかつ他端側開放口にフランジ部を設けてなるフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体を予め製造しておき、このフランジ付き耐熱性ガラス容器本体を用いてフランジ付き耐熱性ガラス容器を製造することもでき、以下に図14及び図15によって説明する。図14は本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第3の態様の工程順の一例を示すフローチャートであり、図15は本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器のさらに別の実施形態を示す側面的説明図である。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第3の態様は、図14に示すように、一端側開放口24aを耐熱性ガラス蓋体22で閉塞しかつ他端側開放口24bにフランジ部10aを設けてなるフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体13と少なくとも一端部にフランジ部10bを有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体12bの1個又は複数個とを互いに相対向するフランジ部10a、10bの対向面14a、14bを当接接合し接着することによって製造するフランジ付き耐熱性ガラス容器30の製造方法である。図14ではフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体13にフランジ付き耐熱性ガラス筒体12bを取り付ける場合が図示されているが、フランジ付き耐熱性ガラス筒体12bにさらにフランジ付き耐熱性ガラス筒体を順次取り付けることも可能である。なお、耐熱性ガラス蓋体22をフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体13の一端側開放口の端部面に耐熱性ガラス蓋体22は接合接着又は溶接することによって予め取り付ければよい。なお、図14においては図1と同様の構成は同一の符号によって図示し、再度の説明は省略してある。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法の第3の態様について、図14及び図15によって説明する。
まず、前記フランジ部10a、10bの対向面となる全て又は一部のフランジ面14a、14bに溝部18a、18bを有するように前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体13及び1個又は複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12bを用意する(工程220)。
次いで、互いに相対向するフランジ面14a、14bのうちの少なくとも一方が溝部18a、18bを有するように前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体13と前記1個又は複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12bとを相対向するように設定する(工程222)。
さらに、前記設定されたフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体13と1個または複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12bとが相対向するそれぞれのフランジ面14a、14bの少なくとも一方が溝部18a、18bを有するように相対向して当接させた状態で該溝部18a、18bに充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20で接合しフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体30aを形成する(工程224)。
最後に、前記接合体30aを100℃以上の温度で加熱し、前記接合されたフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体30aのフランジ部10a、10b同士を接着してフランジ付き耐熱性ガラス容器30とする(工程226)。
本発明のフランジ付き耐熱性ガラス容器の第3の態様30は、図14に示したように、フランジ付き耐熱性ガラス筒体12aの一端側開放口24aを耐熱性ガラス蓋体22で閉塞しかつ他端側開放口24bにフランジ部10aを設けてなるフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体13と、1個又は複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12bとを有している。前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体13と1個または複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12bとが相対向するそれぞれのフランジ面14a、14bの少なくとも一方が溝部18a、18bを有するように相対向して当接させた状態で該溝部18a、18bにSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を充填する。該接着剤20を介して前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体13と1個または複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体12bとが当接接合されかつ加熱接着されてフランジ付き耐熱性ガラス容器30となるものである。
本発明において使用される溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を充填することによって耐熱性ガラス部材同士を接着する方法は種々の応用が可能なものであり、以下に耐熱性ガラス部材同士の接着方法について図16〜図18によって説明する。
図16は本発明の耐熱性ガラス部材接着構造体の一例を示す側面説明図である。図16に示すように一対の耐熱性ガラス部材42,44のそれぞれの対向面46,48の一方又は双方(図示例では双方)に形成された溝部50,52に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20によって当該一対の耐熱性ガラス部材42,44が接着されて耐熱性ガラス部材接着構造体40が形成される。図17は本発明の耐熱性ガラス部材接着構造体の他の例を示す側面説明図であるが、図17では耐熱性ガラス部材42のみに溝部50を形成した例が示されている。
図18は本発明の耐熱性ガラス部材接着構造体の製造方法の工程順を示すフローチャートである。前記耐熱性ガラス部材42,44の対向面46,48となる双方又は一方(図16の図示例では双方)の面に溝部50,52を有する一対の耐熱性ガラス部材42,42を用意する(工程300)。
次に、互いに相対向する耐熱性ガラス部材42,44の面46,48のうちの少なくとも一方(図16の図示例では双方)が溝部50,52を有するように前記一対の耐熱性ガラス部材42,44を相対向するように設定する(工程302)。
前記設定された一対の耐熱性ガラス部材42,44を相対向するそれぞれの面46,48の少なくとも一方(図16の図示例では双方)が溝部50,52を有するように相対向して当接させた状態で該溝部50,52に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20で接合し耐熱性ガラス部材接合体40a(図16では耐熱性ガラス部材接着構造体40と同様の形状を有するので、符号40aで示し、その引出線を仮想線とした。)を形成する(工程304)。
最後に、前記耐熱性ガラス部材接合体40aを100℃以上の温度で加熱し、前記一対の耐熱性ガラス部材同士を接着して耐熱性ガラス部材接着構造体40とする(工程306)。
上記したSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20の充填方法の具体的手法としては、次のような方法を適用すればよい。前記工程304において、前記設定された一対の耐熱性ガラス部材42,44を相対向するそれぞれの面の少なくとも一方(図16の図示例では双方)が溝部50,52を有するように相対向して挟持状態で当接させた後、該相対向する耐熱性ガラス部材42,44の側面に開口する溝部開口部50a、52aから該溝部50、52内にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を注入することによって接合し耐熱性ガラス部材接合体40aを形成するようにするのが好ましい。
また、前記工程304において、図17に示したように、前記設定された一対の耐熱性ガラス部材42,44を上下方向に相対向せしめ、下方に位置する耐熱性ガラス部材42の対向面46は溝部50を有するとともに上方に位置する耐熱性ガラス部材の対向面48は溝部を有することなく平坦面であり、該下方側の耐熱性ガラス部材42の対向面46の溝部50にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤20を注入し、その後、上方側の耐熱性ガラス部材44の対向面48を該下方側の耐熱性ガラス部材42の対向面46に当接接合し耐熱性ガラス部材接合体40aを形成するようにすることもできる。
なお、耐熱性ガラス部材接着構造体40に使用される耐熱性ガラス材料の材質やSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤については、前述したフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造において使用されるものが同様に使用可能であるので、再度の説明は省略する。
本発明では、SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を用いて耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体、耐熱性ガラス容器及び耐熱性ガラス部材接着構造体を製作することで、これらの耐熱性ガラス構造体や耐熱性ガラス容器の熱膨張などによる伸び縮みを小さくすることができる。また、本発明の耐熱性ガラス容器では、分割したフランジ付き耐熱性ガラス筒体をフランジ部を介して接着して組み立てることができるので、コンパクトに耐熱性ガラス容器を製造できる利点がある。
また、分割したフランジ付き耐熱性ガラス筒体をフランジ部を介して組み立てることができるので、寸法精度、垂直度なども、フランジ部で調整することができるという有利さがある。
さらに、大きな耐熱性ガラス容器を運搬するには、非常に手間が必要であるが、分割したフランジ付き耐熱性ガラス筒体を利用して実際に使用する場所でこのフランジ付き耐熱性ガラス筒体を積み重ねて組み立て、その場所でフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体から作られた耐熱性ガラス容器接合体を焼成して耐熱性ガラス容器とすれば、運搬にかかるコストも低減することができるという大きな効果が達成される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
石英ガラスの微粉を調整し、1μm以下の細かい粒子、5−10μmの中間粒子、50−100μmの大きな粒子を準備し、最密充填になる比率で混合し、これを純水に溶かしこんで、SiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を調製した。水分量としては約10%程度で、B型粘度計での30rpmでの回転条件、室温(23℃)での上記接着剤の粘度は6500mPa・secとなった。
また、幅50mm、長さ150mm、肉厚20mmの石英ガラス板に、図2のような幅5mm、深さ5mmの溝部を2ケを形成した。この溝部が互いに同じ位置にならないように、セットして、この溝部に上記の調製したスラリー状の接着剤を注入した。この石英ガラス板2枚を張り合わせた状態で一晩乾燥させて石英ガラス板接合体とし、この接合体を1200℃で1時間加熱した。この石英ガラス板2枚の張り合わせた状態の石英ガラス板接着体の端部を厚さ5mmにカットして、JAS1級試験 単板積層試験に準拠し、三点曲げ試験を行った。
支点間距離30mmで置いた2本の支持棒の上にサンプルを載せ、サンプルの表面を上面として、スパン中央に直交するように置いた。加重棒の有効長さの上に荷重速度0.5mm/分の条件で荷重を加え、室温で耐荷重を測定した。その結果、得られた接着剤で接着された石英ガラス板接着体は十分なる耐加重性能を有することを確認した。
(実施例2〜4)
実施例1と同様の3枚の石英ガラス板に図5(a)(b)(c)で示した幾何学模様で溝部をそれぞれ形成し(図5(a):実施例2、図5(b):実施例3、図5(c):実施例4)、実施例1と同様のSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤をそれぞれの溝部に注入した後、溝部を有さない石英ガラス板を接合し、石英ガラス板2枚を張り合わせた状態で一晩乾燥させて石英ガラス板接合体とした。その後これらを600℃で加熱した。実施例1と同じように端部を5mmカットした。これらのサンプルに対して実施例1と同じように3点曲げ試験行った。その結果、得られた接着剤で接着された石英ガラス板接着体のそれぞれは十分なる耐加重性能を有することを確認した。
(実施例5)
1000mm×500mm×肉厚7mmの石英ガラス板を8枚準備し、この板を各4枚ずつ使用して角筒状の石英ガラス筒体を2個作成した。この角筒状の石英ガラス筒体の下部4辺に幅50mm×肉厚20mm×長さ1000mmのフランジ部をあわせて溶接した。このフランジ部に幅10mm×深さ5mm×長さ40mmの溝部をピッチ50mmで20個形成した。
これらの溝部が上下のフランジで交互になるように形成し、このフランジ部を重ね合わせた。4辺フランジ部のうち一辺のフランジ部の溝部に、実施例1と同様のSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を流し込み、一晩乾燥した。その後、上記角筒状の石英ガラス筒体を90度回転させて、次のフランジ部の溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を流し込み、一晩乾燥した。これを繰り返して、2個の石英ガラス筒体の対向するすべてのフランジ部の溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を流し込み、フランジ部同士を接合させ、2個の石英ガラス筒体の積み重ね接合体を作製した。
その後、この石英ガラス筒体積み重ね接合体を1200℃で加熱して、接着剤の焼成を行い、石英ガラス筒体積み重ね構造体を作製した。この石英ガラス筒体積み重ね構造体の上端部に1000mm×1000mm×肉厚7mmの石英ガラス板(蓋体)を溶接して、フランジ付き角型石英ガラス容器を作製した。
この角型石英ガラス容器内で、有機EL照明の基板の熱処理プロセスを行ったが、水分を低減できた雰囲気であったので、有機EL成分の劣化が発生することなく、有機EL照明の照度を維持することが可能であった。
(実施例6)
幅50mm、長さ150mm、肉厚8mmのネオセラム(登録商標)2枚を準備し、このネオセラム(登録商標)の表面に幅10mm、深さ3mm、長さ150mmの溝部を10mm間隔で上下の板に重ならないように形成し、この溝部の中にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を注入し、一晩乾燥後、500℃で加熱した。この板2枚は、十分な強度で接着されていた。
(実施例7)
外径700mm、肉厚8mm、長さ500mmの石英ガラス管を5本準備した。各石英ガラス管の上下には、外径800mm、内径700mm、肉厚20mmの石英ガラスフランジをガラス管外周部に石英ガラス部材を肉もり後研削して形成した。このフランジ部に、直径方向に20度間隔で、円の中心に向かって、幅10mm、深さ10mm、長さ30mmの溝部を形成し、溝部が重ならないように、2本のガラス管を上下に重ねて、このフランジ部をクランプで固定した。この溝部に、注射器で奥の方からSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を充填し、一晩乾燥させた。その後、フランジ部分だけを温度600℃で加熱した。その後さらに、この接着した石英ガラス管のフランジ部に、次の石英ガラス管をフランジ部で重ねて、フランジ部に形成された溝部に、注射器で石英ガラススラリーを注入した。
この操作を繰り返し、5本の石英ガラス管を全てつなぎ合わせて、外径700mm、長さ2500mmの石英ガラス管積み重ね接合体を形成した。最後にこの石英ガラス管積み重ね接合体の最上端部のフランジ部の上面の溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を注入し、その最上端部のフランジ部に肉厚10mmの石英ガラス板を載置し接合し、フランジ付き丸型石英ガラス容器接合体を作製した。この丸型石英ガラス容器接合体を1200℃で加熱して、接着剤の焼成を行い、接着構造体となった丸型石英ガラス容器を作製した。
(比較例1)
幅50mm、長さ150mm、肉厚20mmの石英ガラス板を2枚溶接しようとしたが、肉厚が厚く、溶接時にクラックが入ってしまった。クラックが入らなかった部分から、サンプルを切り出して実施例1と同じように3点曲げ試験を行ったが、溶接がしっかりされていなかったために、簡単に溶接面から、板同士が剥離してしまった。
(比較例2)
幅50mm、長さ150mm、肉厚20mmの石英ガラス2枚を準備し、この石英ガラスの板2枚を幅3mmの隙間を形成し、この隙間にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を注入した。この石英ガラス板の張り合わせたものを1200℃まで加熱したが、途中で石英ガラス板が外れてしまった。
10a、10b、10c、26:耐熱性ガラスフランジ部、11a、11b:耐熱性ガラス筒体基体部、12a、12b、12c:耐熱性ガラス筒体、13:フランジ付き耐熱性ガラス容器本体、14a、14b、28:フランジ対向面、16:フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体、16a:フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体、18a、18b、18c:溝部、19a、19b:溝部開口部、20:接着剤、22:耐熱性ガラス蓋体、24,24a、24b:開放口、30:耐熱性ガラス容器、30a:耐熱性ガラス容器接合体、32:蓋体対向面、34、36:溝部、34a、36a:溝部開口部、40:耐熱性ガラス部材接着構造体、40a:耐熱性ガラス部材接合体、42、44:耐熱性ガラス部材、46、48:対向面、50a、52a:溝部開口部、50、52:溝部、W:溶接。

Claims (10)

  1. 少なくとも一端部にフランジ部を有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体の複数個を互いに相対向する一対のフランジ付き耐熱性ガラス筒体の対向するフランジ部の対向面を当接接合し接着することによって製造するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造方法であって、
    (A)前記フランジ部の対向面となる全て又は一部のフランジ面に溝部を有する複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を用意する工程と、
    (B)互いに相対向するフランジ面のうちの少なくとも一方が溝部を有するように前記複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を相対向するように設定する工程と、
    (C)前記設定された複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を相対向するそれぞれのフランジ面の少なくとも一方が溝部を有するように相対向して当接させた状態で該溝部に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤で接合しフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体を形成する工程と、
    (D)前記接合体を100℃以上の温度で加熱し、前記接合されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体のフランジ部同士を接着してフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体とする工程と、
    を含むことを特徴とするフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において製造されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は中間形成物として形成されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね接合体からフランジ付き耐熱性ガラス容器を製造する方法であって、
    (a)前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体と、該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体の開口部を閉塞する形状を有しかつ該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体の開口部に対向する面に溝部を形成し又は溝部を形成することなく平坦面とした耐熱性ガラス蓋体とを用意する工程と、
    (b)互いに対向する前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体のフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面のうち少なくとも一方が溝部を有するように両者を相対向するように設定する工程と、
    (c)前記設定されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体のフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面とを相対向するフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面及び蓋体対向面のそれぞれの少なくとも一方が溝部を有するように相対向して当接させた状態で該溝部に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤で接合しフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体を形成する工程と、
    (d)前記フランジ付き耐熱性ガラス容器接合体を100℃以上の温度で加熱し、前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体と耐熱性ガラス蓋体を接着してフランジ付き耐熱性ガラス容器とする工程と、
    を含むことを特徴とするフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法。
  3. 請求項1記載の製造方法により製造されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体からフランジ付き耐熱性ガラス容器を製造する方法であって、
    (i)前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体と該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の開口部を閉塞する形状を有する耐熱性ガラス蓋体とを用意する工程と、
    (ii)互いに対向する前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体のフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面とが相対向するように設定する工程と、
    (iii)前記設定されたフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体のフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面とを溶接してフランジ付き耐熱性ガラス容器とする工程と、
    を含むことを特徴とするフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法。
  4. 請求項1記載の製造方法によって製造されるフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体であって、
    少なくとも一端部にフランジ部を有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体の複数個を互いに相対向する一対のフランジ付き耐熱性ガラス筒体の対向するフランジ部の対向面部分に形成された溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を充填し、該接着剤を介してフランジ付き耐熱性ガラス筒体同士が当接接合されかつ加熱接着された構造を有することを特徴とするフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体。
  5. 請求項2記載の製造方法によって製造されるフランジ付き耐熱性ガラス容器であって、
    端部側にフランジ部を有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体と、該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体の開放口を閉塞する形状を有する耐熱性ガラス蓋体とを有し、互いに相対向するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体の端部側のフランジ部の対向面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面の少なくとも一方に形成された溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を充填し、該接着剤を介してフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体又は接合体と耐熱性ガラス蓋体が当接接合されかつ加熱接着された構造を有することを特徴とするフランジ付き耐熱性ガラス容器。
  6. 請求項3記載の製造方法によって製造されるフランジ付き耐熱性ガラス容器であって、
    前記フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体と、該フランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体の開放口を閉塞する形状を有する耐熱性ガラス蓋体とを有し、互いに相対向するフランジ付き耐熱性ガラス筒体積み重ね構造体のフランジ面又はフランジ部の存在しない端部面と耐熱性ガラス蓋体の対向面とが溶接された構造を有することを特徴とするフランジ付き耐熱性ガラス容器。
  7. 一端側開放口を蓋体で閉塞しかつ他端側開放口にフランジ部を設けてなるフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と少なくとも一端部にフランジ部を有するフランジ付き耐熱性ガラス筒体の1個又は複数個とを互いに相対向するフランジ部の対向面を当接接合し接着することによって製造するフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法であって、
    (1)前記フランジ部の対向面となる全て又は一部のフランジ面に溝部を有するように前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体及び1個又は複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体を用意する工程と、
    (2)互いに相対向するフランジ面のうちの少なくとも一方が溝部を有するように前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と前記1個又は複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体とを相対向するように設定する工程と、
    (3)前記設定されたフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と1個または複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体とが相対向するそれぞれのフランジ面の少なくとも一方が溝部を有するように相対向して当接させた状態で該溝部に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤で接合しフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体を形成する工程と、
    (4)前記接合体を100℃以上の温度で加熱し、前記接合されたフランジ付き耐熱性ガラス容器接合体のフランジ部同士を接着してフランジ付き耐熱性ガラス容器とする工程と、
    を含むことを特徴とするフランジ付き耐熱性ガラス容器の製造方法。
  8. 請求項7記載の製造方法によって製造されるフランジ付き耐熱性ガラス容器であって、
    一端側開放口を蓋体で閉塞しかつ他端側開放口にフランジ部を設けてなるフランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と、1個又は複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体とを有し、前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と1個または複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体とが相対向するそれぞれのフランジ面の少なくとも一方が溝部を有するように相対向して当接させた状態で該溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を充填し、該接着剤を介して前記フランジ部付き耐熱性ガラス容器本体と1個または複数個のフランジ付き耐熱性ガラス筒体とが当接接合されかつ加熱接着された構造を有することを特徴とするフランジ付き耐熱性ガラス容器。
  9. 一対の耐熱性ガラス部材の対向面を当接接合し接着する耐熱性ガラス部材接着構造体の製造方法であって、
    (イ)前記耐熱性ガラス部材の対向面となる双方又は一方の面に溝部を有する一対の耐熱性ガラス部材を用意する工程と、
    (ロ)互いに相対向する耐熱性ガラス部材の面のうちの少なくとも一方が溝部を有するように前記一対の耐熱性ガラス部材を相対向するように設定する工程と、
    (ハ)前記設定された一対の耐熱性ガラス部材を相対向するそれぞれの面の少なくとも一方が溝部を有するように相対向して当接させた状態で該溝部に充填されたSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤で接合し耐熱性ガラス部材接合体を形成する工程と、
    (ニ)前記耐熱性ガラス部材接合体を100℃以上の温度で加熱し、前記一対の耐熱性ガラス部材同士を接着して耐熱性ガラス部材接着構造体とする工程と、
    を含むことを特徴とする耐熱性ガラス部材接着構造体の製造方法。
  10. 請求項9記載の製造方法によって製造される耐熱性ガラス部材接着構造体であって、
    相対向する一対の耐熱性ガラス部材の対向する面部分に形成された溝部にSiO微粒子を主成分とするスラリー状の接着剤を充填し、該接着剤を介して耐熱性ガラス部材同士が当接接合されかつ接着された構造を有することを特徴とする耐熱性ガラス部材接着構造体。
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