JP2014118059A - 二軸船の舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二基の固定ピッチ推進プロペラを備える船において、二軸可変ピッチプロペラ船と同等の性能を保ち、かつ二軸可変ピッチプロペラ船の欠点を取り除くことができる二軸船の舵装置を提供する。
【解決手段】二基の固定ピッチ推進プロペラ2p、2sのそれぞれの後方に各一枚ずつの左舷舵3pまたは右舷舵3sを配設し、左舷舵3pと右舷舵3sの間であって船体長手方向中心線を含む垂直面内に縦回転軸心5aを持つ中央舵5を配設する。また、左舷舵を左舷側に約105°の舵角の位置に、右舷舵を右舷側に約105°の舵角の位置にそれぞれ置いたときに、中央舵の舵ブレード6の縦回転軸心が左舷舵と右舷舵のそれぞれの前縁部を結ぶ線上にあることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は二軸船の舵装置に関し、二軸固定ピッチプロペラ船の舵装置に係るものである。
フェリー、浅喫水で大出力を必要とする船、巡視船、艦船、一軸より二軸にする方が最適と考えられる大型船などにおいては、図10に示すように、推進システムとして、左右舷の二つの推進軸51p、51sと、それぞれの推進軸51p、51sに対する2基の推進プロペラ52p、52sとを設けることが多い。その場合、推進プロペラ52p、52sとして、しばしば、可変ピッチプロペラが用いられている。
その理由は以下のものである。主機関の回転数と回転方向は一定のままで、可変ピッチプロペラである推進プロペラ52p、52sのピッチの大きさを変えることによって船の速力を自在に制御することができ、また、可変ピッチプロペラである推進プロペラ52p、52sのピッチの方向を切換えることによって船の前後進を容易に制御することができるからである。
なお、上記の可変ピッチプロペラである推進プロペラ52p、52sによる二軸船においては、各プロペラ52p、52sの背後に舵53p、53sがそれぞれ1枚ずつ配置されている。各舵53p、53sは、舵ブレード54p、54sの断面形状が流線形状の普通舵であって、その最大作動角度は、左右舷方向に各35°とすることが多い。また、2枚の舵53p、53sの制御は、並行連動制御とすることが多い。
ただし、シリング舵のような特殊高揚力断面舵を装備する場合には、舵角は左右舷方向に各70°の大舵角とすることがある。また、二枚の舵を個々にそれぞれ独立して個別制御することがある。
また、上記の可変ピッチプロペラである推進プロペラ52、52sと、各プロペラに対応する普通舵からなる二枚の舵53、53sとを備え、舵53、53sの最大作動角度が左右舷方向に各35°とする二軸船においては、離着岸時に船尾を横移動させる性能を持たせるために、船尾スラスター(図示省略)を設けることがある。
特許第3751260号 特許第4363795号
上述の二軸船において、可変ピッチプロペラである推進プロペラ52p、52sは、ボス比が大きくならざるを得ないので、固定ピッチプロペラに比べてプロペラ効率がやや低い。
また、推進プロペラ52p、52sとして可変ピッチプロペラを備えた船は、船の出入港時および狭水路航行時に船速を下げるために可変ピッチプロペラのピッチの大きさを減らすと、プロペラ後流が弱くなって、プロペラ後流によって発生する舵53p、53sの舵力が小さくなる。すなわち、船速を小さくすると舵効きが低下することがあるので、安全上、操船に注意が必要である。
また、推進プロペラ52p、52sとして可変ピッチプロペラを設けた船においては、可変ピッチプロペラのピッチを中立(ゼロ)にすることによって、主機関は前進回転のままで船をその場静止させる(いわゆるホバーリング)ことができるのが一つの特長である。しかし、この場合、推進プロペラ52p、52sは後流を発生していないので、ホバーリング中に船体に風、波などの外乱が作用すると、舵によって船体位置を保持することができない。
従って、この場合には、一時的に可変ピッチプロペラのピッチを大きくして、外乱に対抗して船位を調整し、元の位置に戻すというような操作が必要となる。
また、可変ピッチプロペラは、構造が極めて複雑であり、設備費およびメンテナンス費ともに極めて高価であるという問題がある。さらに、離着岸時に船尾を横移動させる性能を船に持たせるためには、船尾スラスター装置を設けなければならず、設置スペースの問題のほか、高い設備費およびメンテナンス費を要するという問題がある。
また、推進プロペラ52、52sとして可変ピッチプロペラを設けた船においては、可変ピッチプロペラのピッチを変えるための機構が水中にあるため、河川など泥水の多い水域や、汚濁水域を航行すると、可変ピッチ機構が損傷あるいは摩耗する恐れがあって、好ましくないという問題があった。
本発明は、二基の推進プロペラを備える二軸船において、推進プロペラは固定ピッチでありながら、二軸可変ピッチプロペラ船と同等の性能を保ち、かつ二軸可変ピッチプロペラ船の欠点を取り除くことができる二軸船の舵装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の二軸船の舵装置は、二基の固定ピッチ推進プロペラのそれぞれの後方に各一枚ずつの左舷舵または右舷舵を配設し、左舷舵と右舷舵の間であって船体長手方向中心線を含む垂直面内に縦回転軸心を持つ中央舵を配設したことを特徴とする。
また、本発明の二軸船の舵装置において、左舷舵および右舷舵のそれぞれの舵ブレードは、その水平断面形状において前縁部と前縁部に連続する中間部と中間部に連続する魚尾後縁部を有し、前縁部は半円形状をなし、中間部は流線形状をなして船首尾方向後方に向けて断面幅が徐々に増大して最大幅部に達し、その後に断面幅が徐々に減少して最小幅部に達し、魚尾後縁部は後方端に向けて断面幅が徐々に増大する形状を有し、中央舵の舵ブレードは、その水平断面形状において流線形状をなし、前方端から船首尾方向後方に向かって断面幅が徐々に増大して最大幅部に達し、その後に後方端に向けて断面幅が徐々に減少する形状を有し、中央舵の縦回転軸心は、舵ブレードの水平断面における前方端と後方端との間の中央位置に設けたことを特徴とする。
また、本発明の二軸船の舵装置において、左舷舵を左舷側に約105°の舵角の位置に、右舷舵を右舷側に約105°の舵角の位置にそれぞれ置いたときに、中央舵の舵ブレードの縦回転軸心が左舷舵と右舷舵のそれぞれの前縁部を結ぶ線上にあることを特徴とする。
また、本発明の二軸船の舵装置において、左舷舵を左舷側に約105°の舵角の位置に、右舷舵を右舷側に約105°の舵角の位置にそれぞれ置くとともに、中央舵を90°回転させた位置に置いたときに、左舷舵と右舷舵のそれぞれの前縁部と各前縁部のそれぞれに対応する中央舵の前方端あるいは後方端との間のクリアランスがそれぞれ最小になるように、左舷舵、右舷舵および中央舵の関係寸法を定めたことを特徴とする。
また、本発明の二軸船の舵装置において、左舷舵、右舷舵および中央舵のそれぞれには、各舵ブレードの上部で推進プロペラのプロペラ円のほぼ上端に相当する位置に、両舷側に張り出した平板状の頂端板をそれぞれ設け、各舵ブレードの下部で推進プロペラのプロペラ円のほぼ下端に相当する位置に、両舷側に張り出した平板状の底端板をそれぞれ設けたことを特徴とする。
また、本発明の二軸船の舵装置において、各推進プロペラが前進方向回転する状態で、左舷舵と右舷舵と中央舵の三枚の舵の舵力の合力によって発生せしめる船尾への作用力で船を操縦することを特徴とする。
また、本発明の二軸船の舵装置において、左舷舵と右舷舵と中央舵の舵角を制御する操舵制御装置を備え、操舵制御装置は、各推進プロペラが前進方向回転して発生する所定の推進プロペラ後流強さのもとで、左舷舵と右舷舵と中央舵の舵力の合力による船尾への作用力で船を意図する運動方向に操縦するのに必要な操縦必要舵角を左舷舵と右舷舵と中央舵に与える制御回路およびジョイスティック・レバーを有し、ジョイスティック・レバーを、意図する船の運動方向に対応する方向に倒すことでもって、左舷舵、右舷舵、中央舵を前記操縦必要舵角に制御することを特徴とする。
また、本発明の二軸船の舵装置において、操舵制御装置は、船をホバーリングに至るまで任意の微速で前進させられる前記操作舵角に、左舷舵と右舷舵と中央舵を制御する制御回路を有することを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、二基の固定ピッチ推進プロペラを備える二軸船において、各推進プロペラの後流のエネルギーは、左舷舵、右舷舵および中央舵の各頂端板および各底端板の間の舵ブレード面内に閉じ込められて各舵ブレードに集中して作用し、この集中した後流エネルギーが、左舷舵と右舷舵の流線形状部に舵力を発生させることに加えて、魚尾後縁部にも水流屈折による舵力を発生させ、合計して大きな舵力を発生させることができる。このため、各推進プロペラが前進方向回転して所定の推進プロペラ後流強さを保つ状態で、左舷舵と右舷舵と中央舵の三枚の舵角を組み合わせることにより、三枚の舵の各舵力(揚力、抗力)の合力を360°全周方向の任意の方向に向けさせることができ、三枚の舵の舵力の合力によって発生する船尾への作用力を任意の方向に向けることで、推進プロペラの推力と合わせて、船を意図する運動方向に操縦し、あるいはその場静止させることができ、二軸船をして多様な操縦パターンを発揮させることが可能になる。
また、従来の推進プロペラとして可変ピッチプロペラを備えた船では、船の出入港時および狭水路航行時に船速を下げるために可変ピッチプロペラのピッチの大きさを減らすことで、プロペラ後流が弱くなって舵効きが低下することがあったが、本発明では減速しつつも安定した舵効きを実現できる。
また、従来の推進プロペラとして可変ピッチプロペラを設けた船においては、可変ピッチプロペラのピッチを中立(ゼロ)にしてプロペラ後流を発生させないことによって、主機関を前進回転させた状態で船をその場静止、いわゆるホバーリングさせるので、ホバーリング中に船体に風、波などの外乱が作用すると、舵の操作だけでは船体位置を保持することができない。しかし、本発明では各推進プロペラが前進方向回転して所定の推進プロペラ後流強さを保つ状態で各舵の舵角を操作してその揚静止を実現するので、ホバーリング中に船体に風、波などの外乱が作用する場合には、この外乱に対向する作用力を舵の操作だけで船体に与えて船体位置を保持することができる。
しかも、本発明の二軸船の舵装置は、可変ピッチ機構のごとき水中に可動部分を有さないので、河川など泥水の多い水域や、汚濁水域での航行に対しても、損傷あるいは摩耗する恐れがない。さらに、従来、船尾を横移動させる性能を船に持たせるために設けていた船尾スラスターの設置も不要となる。
また、ジョイスティック・レバーを、操船者の望む船の運動方向に倒すだけで、あるいはホバーリングに至るまでの任意の微速前進位置に置くだけで、左舷舵、右舷舵、中央舵の各舵力の合力、すなわち舵により船尾に与える推力を360°全周方向の任意の方向に向けさせて、船に多様な操縦パターンを実現するので、容易な操船ができる。
以上のように、本発明では、二軸船において固定ピッチ推進プロペラと高揚力舵装置を組み合わせることにより、従来の可変ピッチプロペラ船に匹敵する、あるいはそれ以上の利得が得られるばかりでなく、可変ピッチプロペラ船において問題であった操船性能を改善することができ、設備費、運航費、メンテナンス費を節減することができる。
本発明の実施の形態における二軸船の舵装置の側面図 同、二軸船の舵装置の背面図(各舵が中立位置にある状態) 同、二軸船の舵装置の水平断面図(各舵が中立位置にある状態) 同、二軸船の舵装置の水平断面図(左右舷舵および中央舵を後進操縦モードにおける舵角位置に置いた状態) 同、二軸船の舵装置における左舷舵および右舷舵の転舵時の作用を示す説明図 同、二軸船の舵装置における左舷舵および右舷舵の直進時の作用を示す説明図 同、二軸船の舵装置の操舵制御装置の系統図 同、二軸船の舵装置の操舵制御において、出入港または狭水路航行時の各操縦モードと、その各操縦モードにおける左舷舵、右舷舵および中央舵の角度位置を示す説明図 同、二軸船の舵装置の操舵制御装置におけるジョイスティック・パネルのジョイスティック・レバーおよびジョイスティック・ユニットを示す外形図 従来の二軸船における、可変ピッチ推進プロペラと、それぞれの推進プロペラに対応して設けられる二枚の流線形状断面形状の舵との配置を示す上面断面図
以下、本発明の実施の形態における二軸船の舵装置の形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、本実施の形態に係る二軸船は、船尾1の左舷側と右舷側とにそれぞれ、左舷推進プロペラ2pと右舷推進プロペラ2sとを設けており、各推進プロペラ2p、2sは、固定ピッチ式のプロペラである。左右舷の推進プロペラ2p、2sのそれぞれの後方に、各一枚ずつの左舷舵3pおよび右舷舵3sを配設してなる。
左舷舵3pおよび右舷舵3sのそれぞれの舵ブレード4p、4sは、双方の水平断面輪郭が、図5、図6に示すように、船体長手方向中心線に対して対称であり、その水平断面形状において前縁部4aと前縁部4aに連続する中間部4bと中間部4bに連続する魚尾後縁部4eを有しており、前縁部4aは半円形状をなし、中間部4bは流線形状をなして船首尾方向後方に向けて断面幅が徐々に増大して最大幅部4cに達し、その後に断面幅が徐々に減少して最小幅部4dに達し、魚尾後縁部4eは後方端4fに向けて断面幅が徐々に増大する形状を有している。
図2〜図4に示すように、左舷舵3pと右舷舵3sの間で、船体長手方向中心線を含む垂直面内に縦回転軸心5aを持つ中央舵5を配設している。
図3に示すように、中央舵5の舵ブレード6は、その水平断面形状において流線形状をなし、断面幅が徐々に増大して最大幅部6bに達し、その後に後方端6cに向けて徐々に断面幅が減少する形状を有しており、中央舵5の回転軸心5aは、舵ブレード6の水平断面における前方端6aと後方端6cとの問の中央位置に設けている。
また、図4に示すように、左舷舵3pを左舷側に約105°の舵角の位置に、右舷舵3sを右舷側に約105°の舵角の位置にそれぞれ置いたときに、中央舵5の回転軸心5aが左舷舵3pと右舷舵3sのそれぞれの前縁部4aを結ぶ線上にあり、かつ左舷舵3pを左舷側に約105°の舵角の位置に、右舷舵3sを右舷側に約105°の舵角の位置にそれぞれ置くとともに、中央舵5を90°回転させた位置に置いたときに、左舷舵3pの前縁部4aと中央舵5の前方端6a(あるいは後方端6c)との間のクリアランス、および、右舷舵3sの前縁部4aと中央舵5の後方端6c(あるいは前方端6a)との間のクリアランスがそれぞれ可能な限りにおいて小さくなるように、左舷舵3pと右舷舵3sと中央舵5の関係寸法を定めている。
左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5のそれぞれには、各舵ブレード4p、4s、6の上部で推進プロペラ2p、2sのプロペラ円のほぼ上端に相当する位置に、両舷側に張り出した平板状の頂端板4g、6dをそれぞれ設け、各舵ブレード4p、4s、6の下部で推進プロペラ2p、2sのプロペラ円のほぼ下端に相当する位置に、両舷側に張り出した平板状の底端板4h、6eをそれぞれ設けている。
なお、針路安定性の良くない船においては、図1、図3、図4において仮想線で示すように、船体の船尾船殻の中心において後方に突出した付加物5bを設け、中央舵5の中立位置において、舵ブレード6の前方端6aが付加物5bの後端と連続するように構成することもでき、この構成により付加物5bと、中立位置における中央舵5とで、船の針路安定性を改善することができる。
本発明の実施の形態における二軸船の舵装置を含む操舵制御装置の形態を図7に基づいて説明する。
図7に示すように、本発明の実施の形態における二軸船の操舵制御装置7は、操舵命令系統8と制御装置系統9とを有している。
操舵命令系統8は、オートパイロット装置8aとジョイスティック・パネル8bと操舵輪8cと非追従操舵レバー8dとから構成されている。オートパイロット装置8aは、針路設定装置8a1とジャイロコンパス8a2とからなる。ジョイスティック・パネル8bは、ジョイスティック・レバー8b1と舵角設定装置8b2と緊急停止押釦8b3とを有している。
制御装置系統9は、自動演算装置9aとジョイスティック・ユニット(制御回路)9bと緊急停止制御ユニット9cとを有し、緊急停止制御ユニット9cは舵角設定器9dを含んでいる。
また、左舷舵3pと右舷舵3sと中央舵5とを個々に作動させる装置として、左舷舵3pに対応する左舷舵取機10pと左舷舵取機油圧制御ユニット11pと左舷舵取機舵角制御サーボアンプ12pを設け、右舷舵3sに対応する右舷舵取機10sと右舷舵取機油圧制御ユニット11sと右舷舵取機舵角制御サーボアンプ12sを設け、中央舵5に対応する中央舵取機10cと中央舵取機油圧制御ユニット11cと中央舵取機舵角制御サーボアンプ12cを設けている。
なお、左舷舵取機油圧制御ユニット11p、右舷舵取機油圧制御ユニット11sおよび中央舵取機油圧制御ユニット11cは、それぞれに対応する左舷舵取機10p、右舷舵取機10sおよび中央舵取機10cに作動油圧を供給する油圧ポンプ(図示省略)と、作動油圧の供給方向を切換える方向切換弁(図示省略)とを備えている。
制御装置系統9の自動演算装置9aは、自動操舵のために針路設定装置8a1で設定された設定針路とジャイロコンパス8a2の信号とを比較して、設定針路からのずれを演算し、そのずれ信号を出力するものであり、そのずれ信号によって、左舷舵3pおよび右舷舵3sに対して自動的に当て舵を行わしめ、設定針路に復帰させる。なお、自動操舵においては、中央舵5は中立位置に保持される。
制御装置系統9のジョイスティック・ユニット(制御回路)9bは、船の出入港あるいは狭水路航行時の操船に使用するものであり、三枚の舵3p、3s、5のそれぞれの舵角の組合せによって得られる船の複数の操縦パターンを具現するもので、各推進プロペラ2p、2sが前進方向回転する状態で、左舷舵3pと右舷舵3sと中央舵5の三枚の舵の舵力の合力によって発生せしめる船尾への作用力で船を操縦する機能が組み込まれている。
この機能は以下によって実現される。まず、算定あるいは実験によって、推進プロペラ2p、2sが前進方向回転して所定の推進プロペラ後流強さが発生する条件のもとで、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5のそれぞれについて、各舵角において発生する各舵単独の舵力(揚力・抗力)の大きさを求める。
同様に、算定あるいは実験によって、推進プロペラ2p、2sが前進方向回転して所定の推進プロペラ後流強さが発生する条件のもとで、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5の三枚の舵の舵力の合力によって発生せしめ得る船尾への作用力で船を意図する運動方向に操縦するのに必要な各舵の操縦必要舵角を求める。
そして、この運動方向と各舵の操縦必要舵角との関係がジョイスティック・ユニット(制御回路)9bに設定してある。
操縦時には、図9の(b)に示すように、ジョイスティック・パネル8bにある一つのジョイスティック・レバー8b1を、意図する船の運動方向に対応する方向に倒すことでもって、ジョイスティック・ユニット(制御回路)9bが各舵の操縦必要舵角を演算するとともに、左舷舵3p、右舷舵3s、中央舵5がそれぞれの操縦必要舵角に達するように、左右舷および中央舵取機10p、10s、10cに対してそれぞれ転舵信号を発信する。
舵角設定器9dを含む緊急停止制御ユニット9cは、緊急時に、ジョイスティック・パネル8bにある緊急停止押釦8b3が押されることにより、船がいかなる操船状態にあろうとも、それをキャンセルして、左舷舵3pを取舵方向(上から見て時計回りの方向)に、右舷舵3sを面舵方向(上から見て反時計回りの方向)に、それぞれハードオーバー(舵いっぱい)まで転舵せしめるとともに、中央舵5を90°転舵せしめ、船に制動力を与えて停止させるものである。なお、船に与え得る制動力の大きさは船の状態によって変化するので、左舷舵3pと右舷舵3sとについて、最大の制動力を得る転舵角度を舵角設定器9dによって設定する。
操舵輪8cによる操舵は、自動操舵あるいはジョイスティック・レバー8b1による操舵に依らず、手動にて操舵するものであり、左舷舵取機舵角制御サーボアンプ12pと右舷舵取機舵角制御サーボアンプ12sおよび中央舵取機舵角制御サーボアンプ12cに対して、同時に同じ操舵命令信号を与え、左舷舵3pと右舷舵3sおよび中央舵5を同時に同じ方向の舵角に作動させる。
以上の全ての操舵制御において、左舷舵取機10pが与えられた転舵命令で作動するときに、左舷舵取機10pが作動した舵角量は左舷舵取機舵角制御サーボアンプ12pにフィードバックされて、左舷舵取機l0pに与えられた転舵命令の命令舵角と比較され、実際の転舵量が命令舵角と等しくなれば、左舷舵取機舵角制御サーボアンプ12pは左舷舵取機油圧制御ユニット11pの作動を停止させ、左舷舵3pは命令された舵角に保持される。
また、右舷舵取機10sが与えられた転舵命令によって作動するときも同様であり、右舷舵取機舵角制御サーボアンプ12sにフィードバックされる実際の転舵量が命令舵角と比較され、実際の転舵量が命令舵角と等しくなれば、右舷舵取機舵角制御サーボアンプ12sは右舷舵取機油圧制御ユニット11sの作動を停止させ、右舷舵3sは命令された舵角に保持される。
また、中央舵取機10cが中央舵取機10cに与えられた転舵命令によって作動するときも同様であり、中央舵取機舵角制御サーボアンプ12cにフィードバックされる実際の転舵量が命令舵角と比較され、実際の転舵量が命令舵角と等しくなれば、中央舵取機舵角制御サーボアンプ12cは中央舵取機油圧制御ユニット11cの作動を停止させ、中央舵5は命令された舵角に保持される。
また、非常用の予備として、左舷舵取機油圧制御ユニット11pと右舷舵取機油圧制御ユニット11sを、上記フィードバック制御を伴うことなく、それぞれ独立に、直接に操作する非追従操舵レバー8dが設けられている。
なお、図7において、Aは自動操舵端子、Hは操舵輪操舵端子、Jはジョイスティック操舵端子、X1およびX2はリレーをそれぞれ示している。
以下、上記した舵装置および操舵制御装置の構成における作用を説明する。先ず、本発明の実施の形態における二軸船の舵装置の舵の作用を説明する。
船の出入港時、および狭水路航行時に船を操縦する場合
左舷舵3pおよび右舷舵3sについては、それぞれ舵角を与えると、図2、図5に示すように、推進プロペラ2p、2sの後流は、舵ブレード4p、4sの頂端板4gと底端板4hとの問に封じ込められて、舵ブレード4p、4sの表面に沿って流れ、流線形状部において舵力Rsを発生させるとともに、魚尾後縁部4eにおいて、水流の屈折による力として舵力Rdを発生させる。
普通の流線形状断面舵53p、53sの場合は、舵力Rsが発生するのみであるのに対して、本発明の実施の形態における舵3p、3sは、上記のごとく、舵力Rsに加えて舵力Rdが発生するので、大きな合計舵力が発生する。
また、中央舵5は、舵角が与えられると、舵ブレード6の表面に沿って流れる船尾1の軸間水流によって、流線形状断面に基づく舵力Rc(図示省略)が発生する。
これら舵力Rs、Rd、Rcの値は、先に述べたように、計算によって、あるいは実験によって求めることができる。そして、これらの舵力Rs、Rd、Rcの合力ベクトルと、推進プロペラ2p、2sの各推力Tとの合力によって船尾が押されることにより、船が操船される。
従って、左舷舵3p、右舷舵3s、中央舵5の各舵角位置を組み合せて、それによって発生する上記の各舵力Rs、Rd、Rcの合力ベクトルと、推進プロペラ2p、2sの各推力Tとの合力によって、船を望む方向に運動せしめることができ、船に複数の多様な操縦パターンを与えることができる。
その多様な操縦パターンの一例を図8に示す。これは、左舷舵3p、右舷舵3s、中央舵5をそれぞれ図示の舵角位置に置いたときの、船のそれぞれの運動方向を示したものである。
この操縦パターン、つまり運動方向の選択は、図9の(a)に示すように、ジョイスティック・パネル8bにおいて、一本のジョイスティック・レバー8b1を、船の実際の運動方向に対応する方向に倒すことによって、容易に達成される。
船の大洋航行時は、左舷舵3p、右舷舵3s、中央舵5の各舵は中立位置に置かれ、そして、船の設定針路からのずれが生じたときには、左舷舵3pと右舷舵3sとの当て舵によって、針路を修正する。このとき、中央舵5は、当て舵が小舵角のときは、中央位置のままとし、船の針路安定性の向上に寄与させるが、大舵角の変針のときは、左舷舵と右舷舵3p、3sと共に転舵され、舵効きを助ける。
また、中央舵5は、左舷推進プロペラ2pの後流と右舷推進プロペラ2sの後流との干渉を防ぐ作用も行なうので、推進性能の向上に寄与する。特に、荒天航行時、横波等を受ける場合などにおいて効果が大きい。
なお、大洋航行中、図6に示すように、中立位置に置かれた左舷舵3p、右舷舵3sの舵ブレード4p、4sの表面に沿って流れる推進プロペラ2p、2sの後流が、魚尾後縁部4eにおいて水流の屈折をすることにより、粘性圧力抵抗の増加をもたらすが、他方において、魚尾後縁部4eは、旋回する推進プロペラ2p、2sの各後流の流束から前進方向の推力を発生するので、これにより、粘性圧力抵抗の増加は相殺されて、推進抵抗の増加をもたらさない。
次に、本発明の実施の形態における二軸船の舵装置の操舵制御装置の作用について、図7に基づいて説明する。
第一に、船が自動操舵モードにより航行するときは、針路設定装置8a1で設定された設定針路とジャイロコンパス8a2による実際の針路の信号とが比較され、自動演算装置9aにおいて船の設定針路からのずれを演算する。そして、そのずれを修正して設定針路に戻すために、左舷舵3pと右舷舵3sにそれぞれ当て舵を命令する信号を自動演算装置9aから左舷舵取機舵角制御サーボアンプ12pと右舷舵取機舵角制御サーボアンプ12sにそれぞれ送って当て舵の制御を行う。
次に、船が自動操舵モードに依らずして手動の操舵輪8cにより航行するときは、操舵輪8cからの転舵命令信号は、左舷舵3pと右舷舵3sが並行して作動するように、左舷舵3pの左舷舵取機舵角制御サーボアンプ12pと右舷舵3sの右舷舵取機舵角制御サーボアンプ12sとに対して与えられる。
なお、この場合、最大作動舵角は、左舷舵3pと右舷舵3sとも左右舷に35°とする作動モードとするか、或いは、左舷舵3pに対しては取舵方向に例えば65°、面舵方向に例えば45°、そして右舷舵3sに対しては取舵方向に例えば45°、面舵方向に例えば65°とする作動モードとするか、或いは、最大舵角切換スイッチを設けて、操船状況により、その両者を切換使用できるようにするか、自由に選択することができる。
第二に、船の操縦モードによる出入港または狭水路航行のときは、ジョイスティック・パネル8bに設けたジョイスティック・レバー8b1により、ジョイスティック・ユニット9bを制御し、ジョイスティック・ユニット9bから左舷舵取機舵角制御サーボアンプ12p、右舷舵取機舵角制御サーボアンプ12sおよび中央舵取機舵角制御サーボアンプ12cに対して、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5がそれぞれ所定の舵角位置にくるように制御する信号を発信する。
左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5の上記所定の舵角位置の組合せにより、船に複数の多様な操縦パターンを与えることができる。その一例として、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5をそれぞれ、図8に示すような組合わせ舵角位置に置いたときに可能となる船の操縦パターンとして、前進、前進左右旋回、左右回頭、後進、後進左右旋回、船尾左右寄せ、ホバーリングについて、また、図示は省略するが、制動(停止)、微速航行について以下に説明する。
前進に対しては、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5はそれぞれ中立位置に置く。
前進左右旋回に対しては、例えば左旋回の場合、ジョイスティック・レバー8b1を、図9の(a)に示すように、前進左旋回の方向に倒すと、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5は取舵方向にそれぞれ、35°、25°および35°に転舵される。
これにより、船尾には、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5のそれぞれの舵力ベクトルを合力した舵力ベクトルRと推進プロペラ2p、2sの合計推力Tとが作用する。その結果、船尾には、揚力として合力舵力ベクトルRによる右舷方向の揚力が作用して、船を左旋回させる。
なお、このとき、船の前進推力は、推進プロペラ2p、2sの合計推力Tから合力舵力ベクトルRによる抗力を減じた大きさとなる。右旋回の場合は、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5をそれぞれ上記と対称に転舵する。なお、各舵3p、3s、5が干渉しない範囲で、上記よりも大きな舵角にすることもでき、その場合は、旋回性がさらに良くなる。
左右回頭に対しては、例えば左回頭の場合、ジョイスティック・レバー8b1を、図9の(a)に示すように、左回頭の方向に倒すと、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5は取舵方向にそれぞれ、70°、25°および50°に転舵される。
これにより、船尾には、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5のそれぞれの舵力ベクトルを合力した舵力ベクトルRと推進プロペラ2p、2sの合計推力Tとが作用する。その結果、合力舵力ベクトルRによる抗力が推進プロペラ2p、2sの合計推力Tに近くなるほど大きくなって、船を大きく減速するとともに、合力舵力ベクトルRによる揚力によって船尾は右舷方向に押されて、船は僅かな前進を伴って左回頭する。右回頭の場合は、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5をそれぞれ上記と対称に転舵する。
後進に対しては、ジョイスティック・レバー8b1を、図9の(a)に示すように、後進の方向に倒すと、左舷舵3pは取舵方向に105°、右舷舵3sは面舵方向に105°および中央舵5は面舵方向あるいは取舵方向に90°転舵される。これにより、推進プロペラ2p、2sの後流および船尾の軸間水流は舵3p、3s、5によって反転させられる。その結果、合力舵力ベクトルRによる抗力が推進プロペラ2p、2sの推力Tよりも大きくなって、船は後進させられる。なお、左舷舵3pと右舷舵3sにより発生する揚力は、左右でバランスするため、合力舵力ベクトルRによる揚力はゼロになる。
後進左右旋回に対しては、例えば左旋回の場合、ジョイスティック・レバー8b1を、図9の(a)に示すように、後進左旋回の方向に倒すと、左舷舵3pは後進時のまま取舵方向に105°に保たれ、右舷舵3sは後進時の105°から面舵方向75°に戻され、また、中央舵5は面舵方向に50°転舵される。
その結果、合力舵力ベクトルRによる抗力が推進プロペラ2p、2sの合計推力Tを上回る大きさとなる状態、すなわち、船の後進を維持しながら、合力舵力ベクトルRによる左舷方向の揚力によって、船尾は左舷方向に押されて、船は後進、左旋回する。後進右旋回の場合は、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5をそれぞれ上記と対称に転舵する。
船尾左右寄せに対しては、例えば左寄せの場合、ジョイスティック・レバー8b1を、図9の(a)に示すように、船尾左寄せの方向に倒すと、左舷舵3pは後進時のまま取舵方向に105°に保たれ、右舷舵3sは後進左旋回時の75°から面舵方向に45°に戻され、また、中央舵5は面舵方向に45°〜50°転舵される。
その結果、合力舵力ベクトルRによる抗力が推進プロペラ2p、2sの合計推力Tにほぼ近い状態となって船の後進を止めると同時に、合力舵力ベクトルRによる左舷方向の揚力が発生することによって、船尾は左舷方向に押されて、左寄せされる。船尾右寄せの場合は、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5をそれぞれ上記と対称に転舵する。
ホバーリングに対しては、ジョイスティック・レバー8blを、図9の(a)に示すように、中央位置に置くと、左舷舵3pは取舵方向に約75°、右舷舵3sは面舵方向に約75°および中央舵5は面舵方向あるいは取舵方向に90°転舵される。
これにより、推進プロペラ2p、2sの後流により左舷舵3pと右舷舵3sに発生する合力舵力ベクトルRによる抗力が推進プロペラ2p、2sの合計推力Tとバランスするとともに、左舷舵3pと右舷舵3sにより発生する揚力は、左右でバランスするため、合力舵力ベクトルRによる揚力はゼロになる。かくて、推進プロペラ2p、2sは前進方向に回転したままで、船はホバーリング状態になる。
図8、図9に示したもの以外
制動(停止)操船に対しては、図8、図9におけるホバーリング位置(すなわち、左舷舵3pを取舵方向に約75°、右舷舵3sを面舵方向に約75°および中央舵5を面舵方向あるいは取舵方向に90°)に転舵する。あるいは、図8、図9における後進位置(すなわち、左舷舵3pを取舵方向に105°、右舷舵3sを面舵方向に105°および中央舵5を面舵方向あるいは取舵方向に90°)に転舵する。これにより、船の前進に対する大きな制動力が発生して、船を急速に、かつ短い走行距離で、停止に至らしめることができる。さらに、制動走行中に回避操船が必要となった場合には、左舷舵3pあるいは右舷舵3sの舵角を若干調整することにより、制動操船中の旋回(衝突回避操縦)が可能になる。
船の微速航行の場合、とくに、ディーゼル主機関の許容最低回転数に相当する速力よりも小さい速力で船を航行させる場合に対しては、図8、図9におけるホバーリング位置(すなわち、左舷舵3pを取舵方向に約75°、右舷舵3sを面舵方向に約75°および中央舵5を面舵方向あるいは取舵方向に90°)に転舵した状態で、左舷舵3pを取舵方向の約75°から、また、右舷舵3sを面舵方向の約75°から、それぞれ同じ角度量だけ、中立位置の方向、すなわち、前進の方向に移す。
これにより、左舷舵3p、右舷舵3sおよび中央舵5の合力舵力ベクトルRによる抗力は推進プロペラ2p、2sの合計推力Tを僅かに下回ることになり、船は微速で航行する。また、左舷舵3pを取舵方向の約75°から、右舷舵3sを面舵方向の約75°からそれぞれ中立位置の方向(すなわち、前進の方向)に戻す角度量を調節することによって、船の速力の大きさを制御することができる。また、微速での航行中に船を旋回させる必要が生じた場合は、左舷舵3pと右舷舵3sとを、上記したそれぞれ中立位置の方向に戻す角度量を調節する過程において、左舷舵3pあるいは右舷舵3sのどちらかの転舵量を調節することによって、左舷舵3pと右舷舵3sとに発生する揚力のバランスが崩れて、合力舵力ベクトルRにおける、左舷方向あるいは右舷方向の揚力が発生する。そして、この揚力により、船を微速航行中に旋回させることができる。
1 船尾
2p 左舷推進プロペラ
2s 右舷推進プロペラ
3p 左舷舵
3s 右舷舵
4p 左舷舵の舵ブレード
4s 右舷舵の舵ブレード
4a 舵ブレードの前縁部
4b 同、中間部
4c 同、最大幅部
4d 同、最小幅部
4e 同、魚尾後縁部
4f 同、後方端
4g 頂端板
4h 底端板
5 中央舵
5a 中央舵の回転軸心
5b 船体付加物
6 中央舵の舵ブレード
6a 舵ブレードの前方端
6b 同、最大幅部
6c 同、後方端
6d 頂端板
6e 底端板
7 操舵制御装置'
8 操舵命令系統
8a オートパイロット装置
8a1 針路設定装置
8a2 ジャイロコンパス
8b ジョイスティック・パネル
8b1 ジョイスティック・レバー
8b2 舵角設定装置
8b3 緊急停止押釦
8c 操舵輪
8d 非追従操舵レバー
9 制御装置系統
9a 自動演算装置
9b ジョイスティック・ユニット
9c 緊急停止制御ユニット
9d 舵角設定器
10p 左舷舵取機
l0s 右舷舵取機
10c 中央舵取機
11p 左舷舵取機油圧制御ユニット
11s 右舷舵取機油圧制御ユニット
11c 中央舵取機油圧制御ユニット
12p 左舷舵取機舵角制御サーボアンプ
12s 右舷舵取機舵角制御サーボアンプ
12c 中央舵取機舵角制御サーボアンプ
51p 推進軸(左舷)
51s 推進軸(右舷)
52p 推進プロペラ(左舷)
52s 推進プロペラ(右舷)
53p 舵(左舷)
53s 舵(右舷)
54p 舵ブレード(左舷)
54s 舵ブレード(右舷)

Claims (8)

  1. 二基の固定ピッチ推進プロペラのそれぞれの後方に各一枚ずつの左舷舵または右舷舵を配設し、左舷舵と右舷舵の間であって船体長手方向中心線を含む垂直面内に縦回転軸心を持つ中央舵を配設したことを特徴とする二軸船の舵装置。
  2. 左舷舵および右舷舵のそれぞれの舵ブレードは、その水平断面形状において前縁部と前縁部に連続する中間部と中間部に連続する魚尾後縁部を有し、
    前縁部は半円形状をなし、中間部は流線形状をなして船首尾方向後方に向けて断面幅が徐々に増大して最大幅部に達し、その後に断面幅が徐々に減少して最小幅部に達し、魚尾後縁部は後方端に向けて断面幅が徐々に増大する形状を有し、
    中央舵の舵ブレードは、その水平断面形状において流線形状をなし、前方端から船首尾方向後方に向かって断面幅が徐々に増大して最大幅部に達し、その後に後方端に向けて断面幅が徐々に減少する形状を有し、中央舵の縦回転軸心は、舵ブレードの水平断面における前方端と後方端との間の中央位置に設けたことを特徴とする請求項1に記載の二軸船の舵装置。
  3. 左舷舵を左舷側に約105°の舵角の位置に、右舷舵を右舷側に約105°の舵角の位置にそれぞれ置いたときに、中央舵の舵ブレードの縦回転軸心が左舷舵と右舷舵のそれぞれの前縁部を結ぶ線上にあることを特徴とする請求項2に記載の二軸船の舵装置。
  4. 左舷舵を左舷側に約105°の舵角の位置に、右舷舵を右舷側に約105°の舵角の位置にそれぞれ置くとともに、中央舵を90°回転させた位置に置いたときに、左舷舵と右舷舵のそれぞれの前縁部と各前縁部のそれぞれに対応する中央舵の前方端あるいは後方端との間のクリアランスがそれぞれ最小になるように、左舷舵、右舷舵および中央舵の関係寸法を定めたことを特徴とする請求項3に記載の二軸船の舵装置。
  5. 左舷舵、右舷舵および中央舵のそれぞれには、各舵ブレードの上部で推進プロペラのプロペラ円のほぼ上端に相当する位置に、両舷側に張り出した平板状の頂端板をそれぞれ設け、各舵ブレードの下部で推進プロペラのプロペラ円のほぼ下端に相当する位置に、両舷側に張り出した平板状の底端板をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の二軸船の舵装置。
  6. 各推進プロペラが前進方向回転する状態で、左舷舵と右舷舵と中央舵の三枚の舵の舵力の合力によって発生せしめる船尾への作用力で船を操縦することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の二軸船の舵装置。
  7. 左舷舵と右舷舵と中央舵の舵角を制御する操舵制御装置を備え、
    操舵制御装置は、各推進プロペラが前進方向回転して発生する所定の推進プロペラ後流強さのもとで、左舷舵と右舷舵と中央舵の舵力の合力による船尾への作用力で船を意図する運動方向に操縦するのに必要な操縦必要舵角を左舷舵と右舷舵と中央舵に与える制御回路およびジョイスティック・レバーを有し、
    ジョイスティック・レバーを、意図する船の運動方向に対応する方向に倒すことでもって、左舷舵、右舷舵、中央舵を前記操縦必要舵角に制御することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の二軸船の舵装置。
  8. 操舵制御装置は、船をホバーリングに至るまで任意の微速で前進させられる前記操作舵角に、左舷舵と右舷舵と中央舵を制御する制御回路を有することを特徴とする請求項7に記載の二軸船の舵装置。
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