JP6505066B2 - 二枚舵操舵システム - Google Patents

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本発明は二枚舵操舵システムに関し、船舶の操船を行う技術に係るものである。
従来、総トン数が100,000トン以上の全てのタンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船には、海上における人命の安全のための国際条約、SOLAS条約(The International Convention for the Safety of Life at Sea)に規定する以下の要旨の規則が適用される。
1.主操舵装置は、一の動力駆動系統の故障による操舵能力の喪失に際し、他の動力駆動系統により操舵能力を回復できること。
2.主操舵装置は、舵板を片舷35度から反対舷35度まで操作でき、二つの独立し、かつ分離した動力駆動系統を有する。
ただし、載貨重量100,000トン未満の船舶においては条件を満たすことで、単一のアクチュエーターのみとすることが可能。
たとえば、図8に示すように、1基1軸の推進器(プロペラ)の後方に1枚の舵1を配した場合には、この舵1を独立して操作可能な2機の舵取機2、3を設置し、双方の舵取機2、3に作動油の圧油を供給する2つの動力駆動系統4、5を設置する。
動力駆動系統4、5はそれぞれが油圧ポンプ6、7を備えるとともに、油圧ポンプ6、7から双方の舵取機2、3に至る油圧配管を備えており、双方の動力駆動系統4、5の油圧ポンプ6、7のそれぞれが二つの舵取機2、3に作動油を供給可能である。
双方の動力駆動系統4、5の油圧配管には複数のバルブ11から18を設けており、油圧配管は、破損、油の漏洩が起こった場合に、バルブ11から18を操作することで、一方の故障した動力駆動系統4もしくは5を切り離して他方の正常な動力駆動系統5もしくは4のみで運転できる構成を有している。
この構成において通常運転時には、バルブ11、12、13、14、15、16は常時開とし、バルブ17、18は常時閉とする。
そして、例えば、一方の舵取機2および動力駆動系統4が損傷し、操舵持続不能状態となった場合には、他方の舵取機3および動力駆動系統5で舵1を操舵する。すなわち、一方の動力駆動系統4の油圧配管において破損が生じ、油圧ポンプ6から舵取機3に至る油圧配管で作動油が流出した場合、バルブ13、14、15、16を閉じる。この結果、油圧ポンプ6および舵取機3を含む一方の動力駆動系統4が他方の動力駆動系統5から切り離される。そして、他方の動力駆動系統5の油圧ポンプ7および舵取機2だけで舵1を操作する。
このとき、バルブ18は開とし、舵取機3の各油室をバイパスさせて舵取機3がロックされることを回避し、舵取機2の作動に伴って舵取機3が回転することを可能にする。
また、特許文献1には、1基1軸のプロペラからなるプロペラ推進器と、プロペラの後方に配置した2枚の高揚力舵を備えた船舶およびその操船スタンドが開示されている。この操船スタンドに、ジャイロコンパスのジャイロ方位を表示するジャイロ方位表示部と、オートパイロットによる操縦モードで操船するオート操船部と、ジョイスティックレバーによる操縦モードで操船するジョイスティック操船部と、手動操舵輪による操縦モードで操船する手動操船部と、ノンフォローアップ操舵レバーによる操縦モードで操船するノンフォローアップ操船部と、各操船部の切替を行うモード切替部を備えている。
実用新案登録第3201225号
しかし、1つの舵に2つの舵取機および2つの動力駆動系統を設け、通常は2つの動力駆動系統が圧油をそれぞれ2つの舵取機に常に供給する必要があり、油圧配管の構造が複雑化し、エネルギーロスが増加化する問題がある。
本発明は上記した課題を解決するものであり、一軸二舵の船舶において常用している2つの舵取機の何れか一方の舵取機により非常事態に対処することができる二枚舵操舵システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の二枚舵操舵システムは、1基1軸のプロペラからなるプロペラ推進器と、プロペラの後方に配置した2枚の高揚力舵と、各高揚力舵毎に設けたロータリーベーン舵取機と、各ロータリーベーン舵取機毎に設けた油圧回路と、各ロータリーベーン舵取機で操作する各高揚力舵の舵角を制御する操舵制御装置を備え、操舵制御装置は、ジョイスティックレバーによる操縦モードで操船するジョイスティック操船部と、何れか一方のロータリーベーン舵取機が制御不能となった時に、他方の制御可能なロータリーベーン舵取機を手動操舵輪による操縦モードで操船する非常手動操船部と、ジョイスティック操船部の操縦モードから非常手動操船部の操縦モードへ切り替える非常操縦モード切替部を有し、ジョイスティック操船部は、両舷の高揚力舵の舵角をそれぞれジョイスティックレバーの傾倒方向に応じて設定した舵角に制御し、かつ両舷の高揚力舵の舵角を組合せることで、プロペラ後流の推力を目的方向に向けて変向し、非常手動操船部は、高揚力舵の舵角を手動操舵輪で指示する舵角と等しく制御することを特徴とする。
本発明の二枚舵操舵システムにおいて、ジョイスティック操船部は、双方のロータリーベーン舵取機により両舷の高揚力舵のそれぞれの舵角を外舷側へ105°、内舷側へ35°の範囲で制御し、非常手動操船部は、一方の制御可能なロータリーベーン舵取機により一方の高揚力舵の舵角を外舷側へ35°、内舷側へ35°の範囲で制御することを特徴とする。
本発明の二枚舵操舵システムにおいて、非常操縦モード切替部は、操舵制御装置に設けた警報部が発するステアリングシステムフェイルの警報信号を受けて、ジョイスティック操船部の操縦モードから非常手動操船部の操縦モードへ切り替えることを特徴とする。
本発明の二枚舵操舵システムにおいて、非常操縦モード切替部は、操舵制御装置に設けた操舵停止押釦の操作を受けて、ジョイスティック操船部の操縦モードから非常手動操船部の操縦モードへ切り替えることを特徴とする。
上記した構成により、一軸二舵で、舵が高揚力舵である二枚舵操舵システムでは、二枚の高揚力舵を常用し、両舷の高揚力舵の舵角を組合せることで、プロペラ後流の推力を目的方向に向けて変向し、操船を行っている。この場合、ジョイスティック操船部は、双方のロータリーベーン舵取機により両舷の高揚力舵のそれぞれの舵角を外舷側へ105°、内舷側へ35°の範囲で制御し、両舷の高揚力舵を異なる舵角に制御する。
そして、非常時には、非常手動操船部が高揚力舵の舵角を手動操舵輪で指示する舵角と等しく制御する。この場合、非常手動操船部は、一方の高揚力舵の舵角を外舷側へ35°、内舷側へ35°の範囲で制御する。
よって、異なる舵角で組み合わせて常用している2つの舵取機を、非常時にその何れか一方の舵取機を手動操舵輪で指示する舵角と等しく制御することで、非常事態に適切に対処することができる。
本発明の実施の形態における操船スタンドの構成を示す模式図 同実施の形態における船舶操縦装置の構成を示す模式図であり、プロペラ推進器101を省略した図 同実施の形態における推進器および高揚力舵を示す平面図であり、推力システム100の船尾部の構成を示す図 同実施の形態におけるジョイスティックを示す正面図 舵の組み合せ舵角と旋回方向を示す模式図であり、推力システム100の船尾部の構成を示す図 二枚舵の斜視図 本発明の他の実施の形態の構成を示す模式図 SOLAS条約を満たす一軸一舵の構成を示す模式図
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態における二枚舵操舵システムは、図1から図4に示すように、推力システム100と推力システム100を制御する操船システム(操舵制御装置)200からなる。
推力システム100は、船体110の船尾に配置した1基1軸のプロペラからなるプロペラ推進器101と、プロペラの後方に配置した2枚の高揚力舵102、103を配したもので、ここではベクツイン舵と称する。
ベクツイン舵は、各舵がそれぞれ、アウトボード(外舷側)へ105°、インボード(内舷側)へ35゜転舵可能に構成されており、1基1軸の推進器(プロペラ)をプロペラ前進回転のままで、1対2枚の高揚力舵をそれぞれ独立して種々の角度に作動させ、両舷の舵の舵角の組合せを変えることによって、プロペラ後流を目的とする望ましい方向に分配し、それぞれの方向の推力を自在に変えることができ、従ってそれぞれの方向の推力の合成推力を自在に変えることができ、プロペラ後流を制御して船尾回りの推力を360゜全方向にわたって制御し、船の前後進、停止、前進旋回、後進旋回等の操船を行わせ、船の運動を自由に制御することができる。
さらに、推力システム100は、高揚力舵102、103を駆動するロータリーベーン舵取機104、105と、ロータリーベーン舵取機104、105を制御する舵制御装置(サーボアンプ)106、107と、船体110の船首側に配置した船首スラスター108および船首スラスター108を制御するスラスター制御装置109を有している。
また、ロータリーベーン舵取機104、105のそれぞれには、ポンプユニット151、152と舵角発信器153、154とフィードバックユニット155、156が接続しており、フィードバックユニット155、156が舵制御装置106、107に接続している。
操船システム(操舵制御装置)200は、操船スタンド250に格納されており、ジャイロコンパス251のジャイロ方位を表示するジャイロ方位表示部252と、GPSコンパスを用いたオートパイロットによる操縦モードで操船するオート操船部253と、ジョイスティックレバー254による操縦モードで操船するジョイスティック操船部255と、手動操舵輪256による操縦モードで操船する手動操船部257と、ノンフォローアップ操舵レバー258による操縦モードで操船するノンフォローアップ操船部259と、モード切替スイッチ260により各操船部の切替を行うモード切替部261と、画面にタッチパネルを配したモニター262と、モニター262に映す画像を制御する画像制御部263と、緊急停船押釦264を操作することにより全ての操縦モードに優先して船舶を緊急に停船させる操縦モードで操船する緊急停船部265と、何れか一方のロータリーベーン舵取機104もしくは105が制御不能となった時に、他方の制御可能なロータリーベーン舵取機105もしくは104を手動操舵輪256による操縦モードで操船する非常手動操船部301と、ジョイスティック操船部255の操縦モードから非常手動操船部301の操縦モードへ切り替える非常操縦モード切替部302と、操舵持続不能状態が生じたときに、ステアリングシステムフェイルの警報信号を発する警報部303と、右舷のロータリーベーン舵取機104の制御を停止する右舷操舵停止押釦304と、左舷のロータリーベーン舵取機105の制御を停止する左舷操舵停止押釦305とをスタンド筺体306に一体的に備えている。右舷操舵停止押釦304および左舷操舵停止押釦305は、後述するように、選択的に設けるものであり、本実施の形態を説明するうえで便宜的に、警報部303と併記している。
画像制御部263は、ジャイロ方位を映すジャイロ方位表示画像267と、ジャイロ方位表示部252をモニター画面上でタッチ操作するための方位表示部操作画像268と、オート操船部253をモニター画面上でタッチ操作するためのオート操船操作画像269を選択的に表示し、あるいは同時に表示する。
ジョイスティック操作部255は、ジョイスティックレバー254がX−Y方向の何れの方向へも操作可能に構成されており、ジョイスティックレバー254の傾倒方向で船体の指令運動方向を制御し、傾倒方向における傾倒角度で船首尾方向指令速度および船体横方向指令速度を制御するものである。
ジョイスティック操船部255は、両舷の高揚力舵102、103の舵角をそれぞれジョイスティックレバー254の傾倒方向に応じて設定した舵角に制御し、かつ両舷の高揚力舵102、103の舵角を組合せることで、プロペラ後流の推力を目的方向に向けて変向し、双方のロータリーベーン舵取機104、105により両舷の高揚力舵102、103のそれぞれの舵角を外舷側へ105°、内舷側へ35°の範囲で制御する。
オート操船部253は、GPSコンパス、電子海図システムにより自船の現在位置情報、誘導経路情報、停船保持位置情報に基づいて自船を予め定めた設定針路に誘導制御するものである。
緊急停船部265は、緊急時に緊急停止押釦264を押すと、ジョイスティックレバー254でいかなる操船状態を指示していようとも、あるいは他の操縦モードで操船していても、現在の操船に係る舵角をキャンセルして、左舷舵103を取舵方向(上から見て時計回りの方向)に、右舷舵102を面舵方向(上から見て反時計回りの方向)に、それぞれハードオーバー(舵いっぱい)まで転舵させ、船に制動力を与えて停止させる。
手動操船部257は、手動操舵輪256の回転操作により二枚の高揚力舵102、103の舵角を制御して操船するものである。
ノンフォローアップ操船部259は、ノンフォローアップ操舵レバー258を左右に操作している時間に応じて右舷もしくは左舷に舵を切る。
非常操縦モード切替部302は、本実施の形態では、警報部303が発するステアリングシステムフェイルの警報信号を受けて、ジョイスティック操船部255の操縦モードから非常手動操船部301の操縦モードへ切り替える構成を有している。
また、非常操縦モード切替部302は、右舷操舵停止押釦304あるいは左舷操舵停止押釦305の操作を受けて、ジョイスティック操船部255の操縦モードから非常手動操船部301の操縦モードへ切り替える構成とすることも可能である。
非常手動操船部301は、制御可能な一方の高揚力舵102もしくは103の舵角を手動操舵輪256で指示する舵角と等しく制御するものであり、高揚力舵102もしくは103の舵角を外舷側へ35°、内舷側へ35°の範囲で制御する。
以下、上記構成における作用を説明する。
1.ジョイスティックによる操縦モード
モード切替スイッチ260を操作してジョイスティックによる操縦モードを選択する。ジョイスティックレバー254によって船体の指令運動方向、船首尾方向指令推力、船体横方向指令推力を指令する。この操船においては、プロペラ推進器101をプロペラ前進回転のままで、それぞれの高揚力舵102、103をそれぞれ独立に種々の角度に作動させてプロペラ後流を制御し、船尾回りの推力を360゜全方向にわたって制御する。この制御によって船の前後進、停止、前進旋回、後進旋回等を行わせることにより操船における機動性を向上させることができる。
高揚力舵102、103の基本的な舵角の組合せ、およびジョイスティックレバー254の状態と、その呼称及びプロペラ後流線と運動方向を、図6において説明する。
図6中で、舵は水平断面で示してあり、その横あるいは下方に各々の舵の舵角を示している。舵角は右に取るのが正(+)、左に取るのが負(−)として表示し、これらの舵角の組み合わせに対する呼称を掲げている。プロペラ後流は、細い矢印線で、又、それによる船の推進方向を太い中抜き矢印線で画いている。
ちなみに、「TURN TO PORT」(前進左旋回)は左舷舵−35°、右舷舵−25°であり、「ROTATE TO PORT」(船首左回頭)は左舷舵−70°、右舷舵−25°であり、「STERN TO PORT」(船尾左旋回)は左舷舵−105°、右舷舵+45°から+75°であり、「ASTERN TO PORT」(後進左旋回)は左舷舵−105°、右舷舵+75°から+105°であり、「AHEAD」(前進)は左舷舵0°、右舷舵0°であり、「HOVERING」(その場停止)は左舷舵−75°、右舷舵+75°であり、「ASTERN」(後進)は左舷舵−105°、右舷舵+105°であり、「TURN TO STARD」(前進右旋回)は左舷舵+25°、右舷舵+35°であり、「ROTATE TO STARD」(船首右回頭)は左舷舵+25°、右舷舵+70°であり、「STERN TO STARD」(船尾右旋回)は左舷舵−45°から−75°、右舷舵+105°であり、「ASTERN TO STARD」(後進右旋回)は左舷舵−75°から−105°、右舷舵+105°である。
このように、両舷の舵の舵角の組合せを変えることによって、プロペラ後流を目的とする望ましい方向に向けてその方向に推力を変えることができる。ここに挙げた舵角の組み合わせは一例であり、目的とする推進方向及び推力を得るように、舵角の組み合わせを任意に変えることができる。
このように、操船においては推進器推力の反転(プロペラ逆転)が不要であり、主機関は常に前進回転のままであらゆる操船制御が行え、主機関の回転数を加減せずとも、両舵の舵角を加減して、そのときのプロペラ回転数に対応した前進最大速度から後進最大速度まで無段階にきめ細かく船速を制御することができる。
2.緊急停船部による操縦モード
緊急停船押釦264を押すことの一挙動で、緊急停船部265を起動し、全ての操縦モードに優先して船舶を緊急に停船させることができる。すなわち、ジョイスティックレバー254の操舵モードにかかわらず、あるいは他の操縦モードにかかわらず、緊急停船部265によってクラッシュアスターンモード(左舷舵は左般105°、右舷舵は右舷105゜に舵を取る)に切換えて、両舵により非常に大きな制動力と後進力を発生させるので、プロペラ逆転による操船よりもはるかに短い時間、短い距離で船体を停止させることができる。
また、クラッシュアスターンにおいても、主機関を止めて後進再始動をする必要がないため、操船中にいわゆる無制御状態となることがないので、航行における事態ヘのすばやい対応が可能である。
尚、緊急停船部265による操船中に、船の特性、外乱等により旋回を起した場合や、または必要によって船首方位を含めて進行力向を変えたい場合には、そのままジョイスティツクレバー254を操作すれば通常のジョイスティック操作と同様に、ジョイスティックレバー254によって自在に操船して避行航行することができる。
3.オートパイロットによる操縦モード
通常航行操船では、モード切替スイッチ260を操作してオートパイロットによる操縦モードを選択する。
モニター262のモニター画面上にオート操船操作画像269を表示し、モニター画面上のタッチ操作によりオート操船部253に自船の位置、進みたい方位、到達したい位置ないし船首尾線方位を入力し、設定した針路で船を自動誘導操船する。オート操船部253は、自船の現在位置情報、誘導経路情報、停船保持位置情報に基づいて適宜に舵角を制御する。
4.手動による操縦モード
モード切替スイッチ260を操作して手動操舵輪256による操縦モードを選択する。この操縦モードでは、手動操舵輪256の回転操作により二枚の高揚力舵102、103の舵角を手動操船部257に指示し、二枚の高揚力舵102、103の舵角を制御して操船する。
5.ノンフォローアップの操縦モード
モード切替スイッチ260を操作してノンフォローアップ操縦レバー258による操縦モードを選択する。この操縦モードでは、ノンフォローアップ操船部259により、ノンフォローアップ操舵レバー258を左右に操作している時間に応じて右舷もしくは左舷に舵を切る。
6.非常手動操船部301の操縦モード
非常操縦モード切替部302は、警報部303が発するステアリングシステムフェイルの警報信号を受けて、ジョイスティック操船部255の操縦モードから非常手動操船部301の操縦モードへ切り替える。
あるいは、右舷操舵停止押釦304もしくは左舷操舵停止押釦305の操作を受けて、ジョイスティック操船部255の操縦モードから非常手動操船部301の操縦モードへ切り替える。
この操縦モードでは、一方のロータリーベーン舵取機104もしくは105の油圧配管等に破損、油の漏洩が起こった場合、故障側の油圧ポンプユニット151もしくは152を停止させることで、残った油圧ポンプユニット152もしくは151によって他方の健全なロータリーベーン舵取機105もしくは104を駆動し、操舵機能を維持することができる。
すなわち、手動操舵輪256の回転操作により非常手動操船部301に、制御可能な一方の高揚力舵102もしくは103の舵角を指示し、非常手動操船部301が一枚の高揚力舵102もしくは103の舵角を外舷側へ35°、内舷側へ35°の範囲内で手動操舵輪256で指示する舵角に等しく制御して操船する。
よって、一軸二舵の船舶において異なる舵角で組み合わせて常用している2つのロータリーベーン舵取機104、105を、非常時にその何れか一方のロータリーベーン舵取機104もしくは105を手動操舵輪256で指示する舵角と等しく制御することで、非常事態に適切に対処することができる。
また、一方の油圧ポンプユニット151と舵取機104の間の油圧配管と、他方の油圧ポンプユニット152と舵取機105の間の油圧配管とが相互に完全に独立しているので、バルブ等を配して複雑な油圧配管を構成する必要がない。
図7は本発明の他の実施の形態を示し、載貨重量100,000トン以上の船舶に設置する場合を示すものである。
図7において、各ロータリーベーン舵取機104、105には、それぞれ一対のポンプユニット401、402、403、404が接続して油圧回路が多重化されており、各ロータリーベーン舵取機104、105において一方のポンプユニット402、404が非常電源ESBから給電される。
この場合には、右舷のロータリーベーン舵取機104に接続する一方のポンプユニット401もしくは402が制御不能となっても他方のポンプユニット402もしくは401でロータリーベーン舵取機104を制御できる。また、左舷のロータリーベーン舵取機105に接続する一方のポンプユニット403もしくは404が制御不能となっても他方のポンプユニット404もしくは403でロータリーベーン舵取機105を制御できる。
さらに、右舷のロータリーベーン舵取機104に接続する両方のポンプユニット401、402が制御不能となった場合には、あるいは左舷のロータリーベーン舵取機105に接続する両方のポンプユニット403、404が制御不能となった場合には、非常操縦モード切替部302により、ジョイスティック操船部255の操縦モードから非常手動操船部301の操縦モードへ切り替える。
そして、この操縦モードにおいて、手動操舵輪256の回転操作により非常手動操船部301に、制御可能な一方の高揚力舵102もしくは103の舵角を指示し、非常手動操船部301が一枚の高揚力舵102もしくは103の舵角を外舷側へ35°、内舷側へ35°の範囲内で手動操舵輪256で指示する舵角に等しく制御して操船する。
100 推力システム
110 船体
101 プロペラ推進器
102、103 高揚力舵
104、105 舵取機
106、107 舵制御装置
108 船首スラスター
109 スラスター制御装置
151、152 ポンプユニット
153、154 舵角発信器
155、156 フィードバックユニット
200 操船システム
250 操船スタンド
251 ジャイロコンパス
252 ジャイロ方位表示部
253 オート操船部
254 ジョイスティックレバー
255 ジョイスティック操船部
256 手動操舵輪
257 手動操船部
258 ノンフォローアップ操舵レバー
259 ノンフォローアップ操船部
260 モード切替スイッチ
261 モード切替部
262 モニター
263 画像制御部
264 緊急停船押釦
265 緊急停船部
267 ジャイロ方位表示画像
268 方位表示部操作画像
269 オート操船操作画像
301 非常手動操船部
302 非常操縦モード切替部
303 警報部
304 右舷操舵停止押釦
305 左舷操舵停止押釦
306 スタンド筺体

Claims (4)

  1. 1基1軸のプロペラからなるプロペラ推進器と、プロペラの後方に配置した2枚の高揚力舵と、各高揚力舵毎に設けたロータリーベーン舵取機と、各ロータリーベーン舵取機毎に設けた油圧回路と、各ロータリーベーン舵取機で操作する各高揚力舵の舵角を制御する操舵制御装置を備え、
    操舵制御装置は、ジョイスティックレバーによる操縦モードで操船するジョイスティック操船部と、何れか一方のロータリーベーン舵取機が制御不能となった時に、他方の制御可能なロータリーベーン舵取機を手動操舵輪による操縦モードで操船する非常手動操船部と、ジョイスティック操船部の操縦モードから非常手動操船部の操縦モードへ切り替える非常操縦モード切替部を有し、
    ジョイスティック操船部は、両舷の高揚力舵の舵角をそれぞれジョイスティックレバーの傾倒方向に応じて設定した舵角に制御し、かつ両舷の高揚力舵の舵角を組合せることで、プロペラ後流の推力を目的方向に向けて変向し、
    非常手動操船部は、高揚力舵の舵角を手動操舵輪で指示する舵角と等しく制御することを特徴とする二枚舵操舵システム。
  2. ジョイスティック操船部は、双方のロータリーベーン舵取機により両舷の高揚力舵のそれぞれの舵角を外舷側へ105°、内舷側へ35°の範囲で制御し、
    非常手動操船部は、一方の制御可能なロータリーベーン舵取機により一方の高揚力舵の舵角を外舷側へ35°、内舷側へ35°の範囲で制御することを特徴とする請求項1に記載の二枚舵操舵システム。
  3. 非常操縦モード切替部は、操舵制御装置に設けた警報部が発するステアリングシステムフェイルの警報信号を受けて、ジョイスティック操船部の操縦モードから非常手動操船部の操縦モードへ切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の二枚舵操舵システム。
  4. 非常操縦モード切替部は、操舵制御装置に設けた操舵停止押釦の操作を受けて、ジョイスティック操船部の操縦モードから非常手動操船部の操縦モードへ切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の二枚舵操舵システム。
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