JP2014118051A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの性能への影響を低減しつつ、タイヤの空気圧の状態を目視で把握することができる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】地面と接地するタイヤトレッド部と、タイヤトレッド部よりもタイヤ幅方向外側に配置されたタイヤサイド部を有し、タイヤサイド部は、タイヤ周方向が長手方向となる形状であり、表面の少なくとも一部が周囲とは色が異なる識別部が形成されているスリット部が形成され、スリット部は、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置からタイヤ最大外径位置までの間の範囲のうち、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向外側に60[%]の位置までの範囲に配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤは、空気圧が低下すると走行性能の低下や故障の原因となる。しかしながら、空気圧を測定するためには、測定装置が必要となり、かつ、手間がかかる。これに対して、特許文献1及び特許文献2には、タイヤサイド部(タイヤサイド部)にタイヤ異常形態報知具またはスリットを形成した突出部を設け、タイヤの空気圧が低下した場合、タイヤ異常形態報知具またはスリットを形成した突起部が所定の状態となることで、タイヤの空気圧の異常を報知できる空気入りタイヤが記載されている。
また、特許文献3には、空気入りタイヤのタイヤサイド部にトレッド幅方向内側に向けて凹んだ周方向サイプを設けることが記載されている。
特開2004−352035号公報 特開2010−76474号公報 特開2011−143844号公報
特許文献1及び2に記載の空気入りタイヤのように、空気圧の異常を通知するための突起をタイヤサイド部に設けることで、タイヤの空気圧の低下を目視で確認しやすくできる。しかしながら、タイヤサイド部の突起部は、車両走行時のタイヤの周囲に乱流を生じさせ、タイヤ自身の空気抵抗を増大させることになる。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤ性能への影響を低減しつつ、タイヤの空気圧の状態を目視で把握することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、空気入りタイヤは、地面と接地するタイヤトレッド部と、前記タイヤトレッド部よりもタイヤ幅方向外側に配置されたタイヤサイド部を有し、前記タイヤサイド部は、タイヤ周方向が長手方向となる形状であり、表面の少なくとも一部が周囲とは色が異なる識別部が形成されているスリット部が形成され、前記スリット部は、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置からタイヤ最大外径位置までの間の範囲のうち、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向外側に60[%]の位置までの範囲に配置されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、スリット部を設けることで、タイヤの空気圧の状態を目視で把握することができる。また、状態を確認する部分形状をスリットとすることで、当該部分が空気抵抗となることを抑制でき、タイヤの性能への影響を低減することができる。
また、前記スリット部は、正規内圧を充填された場合、前記タイヤ幅方向外側の端部が前記識別部を塞ぎ、内圧がしきい値圧力以下となった場合、前記識別部が露出することが好ましい。このように、スリット部は、空気入りタイヤに充填された内圧がしきい値圧力以下となった場合、他の異なる色である識別部が露出することで、タイヤの空気圧の状態をより確実に目視で把握することができる。
また、前記スリット部は、幅が0.2mm以上1.0m以下であり、深さが0.5mm以上1.5mm以下であることが好ましい。スリット部を上記形状とすることで、正規内圧が充填されている場合、識別部が目視で確認しにくく、内圧がしきい値圧力以下となった場合、識別部が目視で確認しやすい形状とすることができる。
また、前記スリット部は、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向外側に60[%]の位置までの範囲のうち、タイヤ径方向の中点よりもタイヤ径方向外側に形成されていることが好ましい。スリット部を上記位置に形成することで、内圧がしきい値圧力以下となった場合に識別部を目視でより確認しやすい状態とすることができる。
また、前記タイヤサイド部は、前記スリット部が文字列や図形の少なくとも一部となることが好ましい。これにより、内圧がしきい値圧力以下となった場合に識別部を目視でより確認しやすい状態とすることができる。
また、前記タイヤサイド部は、前記スリット部が形成される領域のゴムの破断伸びが500以上800以下であることが好ましい。これにより、スリット部を起因とした故障が発生することを抑制でき、タイヤの耐久性が低下することを抑制することができる。
また、前記タイヤサイド部は、複数の前記スリット部が、前記タイヤ周方向に分散して形成されていることが好ましい。これにより、内圧がしきい値圧力以下となった場合に識別部を目視でより確認しやすい状態とすることができる。
また、前記タイヤサイド部は、前記スリット部が、前記タイヤ周方向の全周に形成されていることが好ましい。これにより、内圧がしきい値圧力以下となった場合に識別部を目視でより確認しやすい状態とすることができる。
また、前記識別部は、周囲とは色が異なる色の部材が前記タイヤサイド部に挿入されていることが好ましい。これにより、識別部を簡単に作成することができる。
また、前記識別部は、前記スリット部の表面に塗布された着色部であることが好ましい。これにより、識別部を簡単に作成することができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤの性能への影響を低減しつつ、タイヤの空気圧の状態を目視で把握することができる。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。 図2は、図1に示す空気入りタイヤの接地状態の形状の一例を示す子午断面図である。 図3は、図2に示す状態の空気入りタイヤのスリット部の状態を示す拡大断面図である。 図4は、図2に示す状態の空気入りタイヤのスリット部の状態を示す側面図である。 図5は、図1に示す空気入りタイヤの内圧が一定圧力以下で接地した状態の形状を示す子午断面図である。 図6は、図5示す状態の空気入りタイヤのスリット部の状態を示す拡大断面図である。 図7は、図5に示す状態の空気入りタイヤのスリット部の状態を示す側面図である。 図8は、他の例のスリット部の状態を示す断面図である。 図9は、図8に示す他の例のスリット部を備える空気入りタイヤの内圧が一定圧力以下で接地した状態の形状を示す断面図である。 図10は、空気入りタイヤの他の例を示す側面図である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
本実施形態の空気入りタイヤ1は、図1に示すようにトレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4およびビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8とを備えている。
トレッド部2は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面には、トレッド面21が形成されている。トレッド面21は、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行なストレート主溝である複数(本実施形態では4本)の主溝22が設けられている。そして、トレッド面21は、これら複数の主溝22により、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行なリブ状の陸部23が複数形成されている。また、図には明示しないが、トレッド面21は、各陸部23において、主溝22に交差するラグ溝24が設けられている。陸部23は、ラグ溝24によってタイヤ周方向で複数に分割されている。また、トレッド部2のタイヤ幅方向最外側の陸部23に設けられたラグ溝24は、タイヤ幅方向外側に開口して形成されている。なお、ラグ溝24は、主溝22に連通している形態、または主溝22に連通していない形態の何れであってもよい。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト71,72を積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト71,72は、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20度〜30度)で複数並設されたコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。また、重なり合うベルト71,72は、互いのコードが交差するように配置されている。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に略平行(±5度)でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示せず)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。図1で示すベルト補強層8は、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うように配置されている。ベルト補強層8の構成は、上記に限らず、図には明示しないが、ベルト層7全体を覆うように配置された構成、または、例えば2層の補強層を有し、タイヤ径方向内側の補強層がベルト層7よりもタイヤ幅方向で大きく形成されてベルト層7全体を覆うように配置され、タイヤ径方向外側の補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成、あるいは、例えば2層の補強層を有し、各補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成であってもよい。すなわち、ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なるものである。また、ベルト補強層8は、帯状(例えば幅10[mm])のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けて設けられている。
空気入りタイヤ1は、タイヤサイド部Sにおいて、当該タイヤサイド部Sの面にタイヤ周方向に延在するスリット部40が形成されている。ここで、タイヤサイド部Sとは、図1において、トレッド部2の接地端Tからタイヤ幅方向外側であってリムチェックラインLからタイヤ径方向外側の範囲で一様に連続する面をいう。また、接地端Tとは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、かつ正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたとき、この空気入りタイヤ1のトレッド部2のトレッド面21が路面と接地する領域において、タイヤ幅方向の両最外端をいい、タイヤ周方向に連続する。また、リムチェックラインLとは、タイヤのリム組みが正常に行われているか否かを確認するためのラインであり、一般には、ビード部5の表側面において、リムフランジよりもタイヤ径方向外側であってリムフランジ近傍となる部分に沿ってタイヤ周方向に連続する環状の凸線として示されている。
なお、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
以下、図1に加え、図2から図7を用いて、スリット部40について説明する。図2は、図1に示す空気入りタイヤの接地状態の形状の一例を示す子午断面図である。図3は、図2に示す状態の空気入りタイヤのスリット部の状態を示す拡大断面図である。図4は、図2に示す状態の空気入りタイヤのスリット部の状態を示す側面図である。図5は、図1に示す空気入りタイヤの内圧が一定圧力以下で接地した状態の形状を示す子午断面図である。図6は、図5示す状態の空気入りタイヤのスリット部の状態を示す拡大断面図である。図7は、図5に示す状態の空気入りタイヤのスリット部の状態を示す側面図である。ここで、図2から図4は、正規内圧が充填されている状態の空気入りタイヤ1を示している。また、図5から図7は、しきい値圧力以下の内圧が充填されている状態の空気入りタイヤ1を示している。ここでしきい値圧力以下の内圧とは、しきい値圧力以下の圧力であり、例えば、当該空気入りタイヤ1の走行性能が低下し、メンテナンスが必要となる圧力、推奨される圧力の下限近傍の圧力である。
空気入りタイヤ1は、図2に示すように正規内圧が充填されている状態では、接地位置からタイヤ径方向内側の端部までの距離がh1となり、図5に示すようにしきい値圧力以下の内圧が充填されている状態では、接地位置からタイヤ径方向内側の端部までの距離がh2となる。このとき、距離h1と距離h2との関係は距離h1>距離h2となる。つまり、図5に示す空気入りタイヤ1は、内圧が低下した状態であるため、正規内圧が充填されている状態よりもタイヤ径方向に撓んだ状態となる。
スリット部40は、図1に示すように、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Hからタイヤ最大外径位置Dまでの間の範囲SDHのうち、タイヤ最大幅位置Hからタイヤ径方向外側に60[%]の位置(0.6×SDH)までの範囲GSDHに配置されている。ここで、タイヤ最大幅位置Hとは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、かつ正規内圧を充填した無負荷状態のときに、最もタイヤ幅方向の大きい位置である。範囲GSDHは、タイヤ最大幅位置Hと、タイヤ最大幅位置Hからタイヤ径方向外側に60[%]の位置(0.6×SDH)とに挟まれる領域である。つまり、スリット部40は、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Hとバットレス部BLとの間のタイヤサイド部Sに形成されている。なお、バットレス部BLとは、タイヤ接地端とタイヤ最大幅位置との間にある側壁部であり、タイヤ最大幅位置Hからタイヤ径方向外側に60[%]の位置(0.6×SDH)よりも径方向外側の位置である。
また、スリット部40は、図4及び図7に示すように、タイヤ周方向の全周に形成されており、円となる。スリット部40は、タイヤサイド部Sに形成された溝であり、タイヤ幅方向内側に窪んでいる。また、空気入りタイヤ1は、タイヤサイド部Sのスリット部40の奥側、つまり溝の底面41を含む範囲に着色部材42が配置されている。着色部材42は、タイヤサイド部Sの他の領域とは異なる色の材料で形成されている。具体的には、タイヤサイド部Sが黒等のゴムで形成されている場合、着色部材42は、白、黄色等のゴムで形成されている。着色部材42は、スリット部40の内面の一部、本実施形態では、底面41に露出している。着色部材42は、例えば厚さ2mm程度の板状の部材である。本実施形態の着色部材42は、スリット部40に沿って、リング状に配置されている。
次に、スリット部40の機能について説明する。スリット部40は、図2から図4に示すように、正規内圧が充填されている状態では、タイヤ径方向外側の端部40aと、タイヤ径方向内側の端部40bとが近接または接触し、端部40aと端部40bとの間隔40cが狭くなるまたはなくなる。このように、スリット部40は、正規内圧が充填されている状態では、間隔40cが狭くなるため、図3及び図4に示すように着色部材42が外側から見えないまたは見えにくい状態となる。
これに対して、スリット部40は、図5から図7に示すように、しきい値圧力以下の内圧が充填されている状態では、タイヤサイド部Sの形状が変形し、タイヤ径方向外側の端部40aとタイヤ径方向内側の端部40bとが離れて、端部40aと端部40bとの間隔40cが広がる。このように、スリット部40は、しきい値圧力以下の内圧が充填されている状態では、間隔40cが広くなるため、図6及び図7に示すように着色部材42が外側から見えるまたは見えやすい状態となる。
このように、空気入りタイヤ1は、底面41に着色部材42が露出したスリット部40をタイヤサイド部Sの範囲GSDHに設けることで、スリット部40でタイヤの空気圧の状態を認識することができる。つまり、空気入りタイヤ1は、スリット部40から着色部材42が見えている、つまり、タイヤサイド部Sの所定位置の色が変化したかを見るだけで、内圧がしきい値圧力以下まで低下したか否かを識別することができる。これによりタイヤの空気圧の状態を目視で把握することができる。
また、空気入りタイヤ1は、スリット部40をタイヤ最大幅位置Hとバットレス部BLの間に設けることで、正規内圧(規定空気圧)時と低圧時とを比較すると大きな歪エネルギーが生じる領域にスリット部40を設けることができる。これにより、スリット部40を効果的に変形させることができ、空気圧の変化をより的確に認識することができる。また、空気入りタイヤ1は、目視で空気圧の状態を確認できるため、圧力を検出する素子等を設ける必要がなく、構成を簡単にすることができる。
また、空気入りタイヤ1は、空気圧の状態を確認する部分の形状をスリットとすることで、当該部分が空気抵抗となることを抑制できる。これにより、タイヤの性能への影響を低減することができる。
ここで、本実施形態では、スリット部40をタイヤ周方向に繋がった1つのリング形状とすることで、つまり、スリット部40をタイヤ周方向の全周に設けることで、空気入りタイヤ1の周方向位置がどの角度であっても、空気圧の状態を確認することができる。このため、空気入りタイヤ1は、スリット部40をタイヤ周方向の全周に設けることが好ましいが、種々の形状とすることができる。例えば、空気入りタイヤ1は、スリット部40をタイヤ周方向で複数に分割した形状としてもよい。つまり、繋がっていなくてもよい。また、空気入りタイヤ1は、スリット部40を、タイヤ周方向の一部の角度範囲のみに設けてもよい。
また、スリット部40は、タイヤサイド部Sの表面における形状を直線形状、つまりタイヤ側面を回転軸回りの展開面としたときの形状がタイヤ径方向の位置が一定となる形状以外の形状とすることもできる。スリット部40は、タイヤサイド部Sの表面における形状を波線形状、つまり、タイヤ径方向の位置がタイヤ周方向の位置によって変化する形状としてもよい。
なお、スリット部40は、タイヤ周方向が長手方向となる形状であればよい。つまり、タイヤ径方向の長さとタイヤ周方向の長さとを比較した場合、タイヤ周方向の長さが長い形状であればよい。これにより、空気圧が変化した場合に、スリット部40の間隔を広がりやすくすることができる。また、スリット部40は、タイヤ周方向の距離を、内圧の低下時に着色部材42を認識できる距離より広くすることが好ましい。
また、スリット部40は、内部に着色部材42を露出させることで、スリット部40の形状の変化をより好適に識別させることができる。ここで、着色部材42は、タイヤサイド部Sより具体的には、端部40a、40bの周囲と異なる色であればよく、端部40a、40bの周囲とコントラストが生じる色であることが好ましい。タイヤサイド部Sが黒となる場合が多いため、着色部材42は、白とすることが好ましい。
なお、本実施形態では、スリット部40の内部に着色部材42を露出させたが、これに限定されない。つまり、空気入りタイヤ1は、周囲とは色が異なる色の部材である着色部材42をタイヤサイド部Sに挿入することで、識別部としたがこれに限定されない。空気入りタイヤ1は、スリット部40の内面に他の領域の色と違う色の領域を設けることで、スリット部40の状態を正確に把握することができる。例えば、スリット部40の内面に他の色の着色料を塗布してもよい。空気入りタイヤ1は、識別部として、スリット部の表面に塗布された着色領域を設けてもよい。これにより、識別部を簡単に作成することができる。なお、スリット部40は、底面41の色を端部40a、40bの周囲と異なる色をすることが好ましい。これにより、スリット部40の状態を正確に把握することができる。
図8は、他の例のスリット部の状態を示す断面図である。図9は、図8に示す他の例のスリット部を備える空気入りタイヤの内圧が一定圧力以下で接地した状態の形状を示す断面図である。スリット部の断面形状(子午断面の形状)は、種々の形状とすることができる。図8及び図9に示すスリット部60は、無負荷時にタイヤサイド部Sの表面側に向かうにしたがって幅が広くなる台形形状となる。このような形状のスリット部60も正規内圧が充填されている状態では、図8に示すように、端部60aと端部60bが近づいた状態で、底面61が見えにくい状態となる。また、スリット部60は、しきい値圧力以下の内圧が充填されている状態では、図9に示すように、端部60aと端部60bが広がった状態で、底面61が見えやすい状態となる。また、スリット部60は、断面をタイヤサイド部Sの表面側に向かうにしたがって幅が広くなる台形形状であるため、内圧低下時に着色部材がより見えやすい状態となる。
また、スリット部40は、正規内圧を充填された場合、タイヤ幅方向外側の端部が着色部材42を塞ぎ、内圧がしきい値圧力以下となった場合、着色部材42が露出することで、タイヤの空気圧の状態をより確実に目視で把握することができる。なお、空気入りタイヤ1は、スリット部40の形状の変化を認識できればよいため、着色部材42が配置されている領域をスリット部40のタイヤ幅方向外側の端部で塞いでいなくてもよい。
また、スリット部40は、幅が0.2mm以上1.0m以下であり、深さが0.5mm以上1.5mm以下であることが好ましい。スリット部40を上記形状とすることで、正規内圧が充填されている場合、識別部が目視で確認しにくく、内圧がしきい値圧力以下となった場合、識別部が目視で確認しやすい形状とすることができる。スリット幅が0.2mm以上とすることで、低圧になった場合に好適にスリットを開口させることができる。また、1.0mm以下することで、正規内圧時に着色部材42を的確に隠すことができる。また、深さを0.5mm以上とすることで、低圧になった場合に好適にスリット部を開口させることができる。また、1.5mm以下とすることで、スリット部を起点としてクラックの発生を抑制できる。
また、スリット部40は、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Hからタイヤ径方向外側に60[%]の位置までの範囲のうち、タイヤ径方向の中点つまり、タイヤ最大幅位置Hからタイヤ径方向外側に30[%]の位置よりもタイヤ径方向外側に形成されていることが好ましい。スリット部40を上記位置に形成することで、内圧がしきい値圧力以下となった場合に識別部を目視でより確認しやすい状態とすることができる。
図10は、空気入りタイヤの他の例を示す側面図である。図10に示す空気入りタイヤ80は、文字82の一部がスリット部となる。文字82は、「WARNING」である。具体的には、文字82の少なくともタイヤ周方向の線がスリット部となる。文字82の一部をスリット部とすることで、内圧の低下時に、文字82が表示されるようにすることができる。これにより、内圧がしきい値圧力以下となった場合に識別部を目視でより確認しやすい状態とすることができる。なお、文字に限定されず、図形でもよい。また、空気圧が低下していることを示唆する意味を含む形状とすることが好ましい。
また、タイヤサイド部Sは、スリット部40が形成される領域のゴムの破断強度を500以上800以下であることが好ましい。ここで、ゴムの破断伸びEは、JIS K6250にて定められた試験片を100℃に調整された恒温槽中で、JIS K6727にて定めされた試験装置にて、よって引張試験を実施した時の下記式にて規定される値である。
=(L−L)/L×100
ここで、破断時の標線間距離(mm)、Lは、標線間距離(mm)である。これにより、スリット部を起因とした故障が発生することを抑制でき、タイヤの耐久性が低下することを抑制することができる。
また、スリット部40は、タイヤ幅方向において、両側のタイヤサイド部Sに設けられていても、一方のタイヤサイド部Sに設けられていてもよい。なお、本実施形態の空気入りタイヤ1は、車両装着時での車両内外の向きが指定されており、車両外側となるタイヤサイド部Sにスリット部40を設けることが好ましい。空気入りタイヤ1は、車両外側となるタイヤサイド部Sにスリット部40を設けることで、利用者がタイヤの空気圧の状態を目視で確認しやすい状態とすることができる。
車両内側および車両外側に対する向きの指定は、図には明示しないが、例えば、サイドウォール部4に設けられた指標により示される。なお、車両内側および車両外側の指定は、車両に装着した場合に限らない。例えば、リム組みした場合に、タイヤ幅方向において、車両の内側および外側に対するリムの向きが決まっている。このため、空気入りタイヤ1は、リム組みした場合、タイヤ幅方向において、車両内側および車両外側に対する向きが指定される。
本実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、空気圧の低下の視認性に関する性能試験及び走行性能に関する性能試験を行った。
空気圧の低下の視認性に関する性能試験では、タイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤを、JATMA正規リムにリム組みし、内圧を230kPaに保持した状態で車両に装着し、タイヤサイド部を目視により観察する。その後、内圧を140kPaに減少させ再度目視にてサイド部を観察してタイヤの空気圧の低下を認識できるか否かで評価した。この観察により、95%以上の観察者によって、空気圧の低下を認識できた場合は評価を110、90%以上の観察者によって、空気圧の低下を認識できた場合は評価を108、80%以上の観察者によって、空気圧の低下を認識できた場合は評価を106、70%以上の観察者によって、空気圧の低下を認識できた場合は評価を104、60%以上の観察者によって、空気圧の低下を認識できた場合は評価を102、50%以上の観察者によって、空気圧の低下を認識できた場合は評価を100、50%未満の観察者によって、空気圧の低下を認識できた場合は評価を97とした。したがって、この指数評価は、数値が大きいほど視認性が向上されている、つまり、空気圧低下を目視で確認しやすくなっていることを示している。
また、走行性能に関する性能試験では、タイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤを、JATMA正規リムにリム組みし、内圧を230kPaに保持した状態で排気量2000ccのFF車輌に装着し、速度80km/hで500km走行した際の燃費を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど、燃費性能が優れていることを意味する。
また、比較のために、従来例の空気入りタイヤについての測定も行った、従来例の空気入りタイヤは、スリット部を設けていない形状とした。また、比較例1として、タイヤ異常形態報知具またはスリットを形成した突起部を設けた空気入りタイヤについての計測も行った。比較例2として、内面(識別部)の色を黒、つまり、周囲と同じ色とした空気入りタイヤについての計測も行った。また、比較例3として、スリット部を形成した位置を本実施例の範囲の位置よりも径方向外側、つまりバッドレス部に設けた空気入りタイヤについての計測も行った。また、比較例4として、スリット部を径方向に延在する形状、つまり長手方向が径方向となる向きのみで形成した空気入りタイヤについての計測も行った。実施例、従来例及び比較例の計測した結果を下記表1から表2に示す。
Figure 2014118051
Figure 2014118051
表1及び表2の試験結果に示すように、実施例1から10の空気入りタイヤは、従来例、比較例1から4の空気入りタイヤに比べて、タイヤの性能への影響を低減しつつ、タイヤの空気圧の状態の視認性を向上できていることがわかる。
1 空気入りタイヤ
40 スリット部
42 着色部材

Claims (10)

  1. 地面と接地するタイヤトレッド部と、
    前記タイヤトレッド部よりもタイヤ幅方向外側に配置されたタイヤサイド部を有し、
    前記タイヤサイド部は、タイヤ周方向が長手方向となる形状であり、表面の少なくとも一部が周囲とは色が異なる識別部が形成されているスリット部が形成され、
    前記スリット部は、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置からタイヤ最大外径位置までの間の範囲のうち、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向外側に60[%]の位置までの範囲に配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記スリット部は、正規内圧を充填された場合、前記タイヤ幅方向外側の端部が前記識別部を塞ぎ、内圧がしきい値圧力以下となった場合、前記識別部が露出することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記スリット部は、幅が0.2mm以上1.0m以下であり、深さが0.5mm以上1.5mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記スリット部は、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向外側に60[%]の位置までの範囲のうち、タイヤ径方向の中点よりもタイヤ径方向外側に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記タイヤサイド部は、前記スリット部が文字列や図形の少なくとも一部となることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記タイヤサイド部は、前記スリット部が形成される領域のゴムの破断伸びが500以上800以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記タイヤサイド部は、複数の前記スリット部が、前記タイヤ周方向に分散して形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記タイヤサイド部は、前記スリット部が、前記タイヤ周方向の全周に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記識別部は、周囲とは色が異なる色の着色部材が前記タイヤサイド部に挿入されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記識別部は、前記スリット部の表面に塗布された着色部であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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