JP2014116521A - ユニット増幅器 - Google Patents

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徹 来島
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【課題】軽量小型、増幅回路が容器に収容されたユニット構造の高周波増幅器(ユニット増幅器)および回路部品収容方法を提供する。
【解決手段】バイアス回路部4の回路基板43の下部にRF回路部5が動作する周波数でハイインピーダンスとなるEBG構造部2を組み合わせることにより蓋3とし、ケース1に収容されるRF回路部5の上に蓋3を取り付けて、ケース1と蓋3とによりRF回路部5をケース1に収容することによりシールドする。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、ユニット化されたマイクロ波等用のユニット増幅器に関する。
移動通信やレーダ等マイクロ波以上の高い周波数を利用する通信機や測定機器の高性能
化が進むとともに小型化が進んでいる。これらの増幅器は、周波数帯も多様でかつ、利得
や出力も受信機用の低レベル信号の増幅器から送信機の電力増幅器に至るまで様々である
。また、増幅器は、高速で動作する信号処理回路と共通な回路基板上に隣接して配置され
ることが多い。この様な場合、増幅器の構造を同一にし、周波数等を仕様毎に分けたユニ
ットアンプ化して共通仕様の回路基板(主基板)に取り付けることにより装置としては多
様な仕様を共用性の高い設計製造で対応することが図られている。
これらの増幅回路は、増幅回路とそれ以外の周辺回路との間の電磁干渉を防ぎ、かつ小
型な増幅器ユニットを実現することが要求され、従来は、シールドケースを兼ねた筐体に
増幅回路を収容している。しかし近年、数GHz以上の高い周波数を増幅するものでは、
導体であるシールドケース自体が導波管のように作用する問題の対策が重要となっている
図3は、従来のユニット式の高周波増幅器(以下、ユニットRFアンプと呼ぶ。)の構
造の一例で、図3(a)は平面図、図3(b)は側面図、図3(c)は、筐体の壁構造を
示す平面図である。
図3において、マイクロ波帯のユニットRFアンプの増幅回路(RF回路部51)は、
他への不要輻射を防止、他からの不要波の入力を防止するため金属製のシールドケースの
筐体10内に回路基板20を実装し、蓋30で覆うのが一般的な実装方法である。回路基
板20には大別するとRF回路部51とそれに給電するバイアス回路部41が搭載され、
この両者は仕切り版70で区切られる。
増幅回路や信号が伝送されるシールドケースの幅Aは、ケース内部の導波管モードによ
る出力から入力への増幅波の回り込みによる特性劣化を防ぐために、導波管としてのカッ
トオフ周波数の半波長(λ/2)以下にする必要がある。増幅する周波数が低い場合は、
このようなシールドケースは内部に金属性の仕切り板70を実装することにより、容易に
実現できる。
しかしながら、例えば、増幅する周波数が6GHz以上であると、導波管のカットオフ
となる周波数は内部に実装する基板の影響を無視すると、RF回路部の幅が約2.5cm
以下にしなければならない。
この寸法は、増幅に使用するFET素子の外形寸法程度か、またはそれ以下となる。こ
のため、簡単な金属製の仕切り板等では実現できなくなる。その結果、図3(c)筐体壁
11の点線部で示される様に、部品を実装する部分や基板表面線路部のみ、所要寸法にな
るように金属ブロックを切削するか、又は電波吸収体を整形して取付けるかなどの処理を
施した筐体となるのでその構造が複雑になりコストが高価になりかつ、質量も増加すると
いう問題があった。また、発熱する回路をケース内に密閉するので放熱対策も面倒であっ
た。
一方、無線通信のためのRF回路、または、RF回路と隣接するデジタル信号処理回路
等が混在する通信装置の回路基板での電磁干渉を防ぐ技術としてEBG(Electromagneti
c Band Gap)構造を回路基板上に設ける技術が開発されている(例えば、特許文献1、非
特許文献1。)。しかし、この場合、ベースバンド処理が共通であっても、無線周波数の
増幅回路に対応してベースバンド処理を含む回路基板を多種設計、製造しなければならず
、ユニットRFアンプを搭載する様な汎用性に欠ける問題が生じる。
国際公開第2009−082003号公報
上谷他,メタマテリアル技術を応用したEBG構造の検討,OKIテクニカルレビュー,2012年4月号Vol.79 No.1 P46
従来のユニット高周波増幅器は、シールドケースの金属ブロックを切削したり、電波吸
収体を整形して取付けた筐体となるため、その構造が複雑になりコストが高価かつ、質量
も増加するという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、軽量小型で増幅回路が容器に収容されたユニット構
造の高周波増幅器(ユニット増幅器)を提供することである。
上記目的を達成するために、本実施形態のユニット増幅器は、底面と側面が金属である
電磁シールド用のケースと、前記ケースに収容され、高周波信号を増幅する増幅回路基板
と、前記増幅される高周波信号に対してハイインピーダンスとなる寸法形状に調整された
EGP構造の遮蔽板と、前記増幅回路基板へのバイアス電源を供給するバイアス回路基板
とを備え、前記EGP構造の遮蔽板を前記バイアス回路の部品取付けの反対側の面に配置
して前記ケースの蓋となる様に取付けて前記増幅回路基板が前記ケースに収容されている
ことを特徴とする。
本実施形態に係わるユニット増幅器の構造図である。 EGB構造部の構造の一例を示す図である。 従来のユニット式の高周波増幅器の一例の構造図である。
以下実施形態のユニット増幅器を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係わるユニット増幅器の構造図である。図1において、ユニット
増幅器UAは、ケース1と蓋3とによりRF回路部5をケース1に収容し、シールド効果
を得ている。蓋3は、従来の金属製の板に代わるシールド部材である。
ケース1は、図3に示される従来のユニット増幅器おける仕切り版70と筐体10とで
RF回路部51を収容している部分と同様の外形構造、寸法であるが、内部が従来の様な
アルミブロックの筐体壁11を切削した構造ではなく、単に周囲を板金等で囲んだ構造で
ある。
ケース1の底部には高周波増幅を行う基板状のRF回路部5が配置され、ケース1の底
面は導体、金属によって外部の電磁界と遮蔽が図られている。RF回路部5の上面は部品
面であり、信号路として分布定数回路が構成されていることもある。ケース1に収容され
るRF回路部5は、ケース1の上方に取り付けられる蓋3によって外部から遮蔽される。
シールド用の蓋は、従来は図3の蓋30の様な金属板であったが、本実施携帯のユニッ
ト増幅器の蓋3はバイアス回路部4の回路基板43にとEBG(Electromagnetic Band G
ap)構造部2との組み合わせで構成される。
図2は、EBG構造部の一例である。このほかEBG構造は、代表的なマッスルーム構
造、ピアレス構造等各種のものが考案されており、基板材料と導体パターンの組み合わせ
からその精度の高い伝送特性の計算、シミュレーションが可能な特徴がある。
EBG構造部2は、基本構造として誘電体プレート25とその上に生成される導体パタ
ーン24との組合せで、誘電体材料とパターン形状からインピーダンスが決定される。こ
れらのEBG構造は、調整の詳細については説明を省略するがパターンの形状を調整する
ことにより、特定の周波数帯に対して、EBG構造面を高インピーダンスにすることがで
きるため、RF回路部5の上部にEGP構造物を実装することにより、導波管モードの伝
搬を抑圧する効果がある。この実装(部品収容)方法によれば、従来の図3に示されるよ
うに、RF回路部51を収容するシールドケースの内幅を導波管モードのカットオフ以下
となるように設計していたのと同様の抑圧効果が期待できる。
EBG構造部2は、従来の金属製の蓋30に代わって機能する為のRF回路部5が扱う
周波数に対してハイインピーダンスとなる様に導体と誘電体とで構成するパターン構造に
される。
この結果、従来のアルミブロックの筐体壁11を切削せずに板金構造のケース1を用い
て電磁干渉を避けることが可能になり、ユニット増幅器UAの重量及び、加工作業数を少
なく抑えられる。
バイアス回路部4は、従来のRF回路部5に供給する電源や信号処理のリファレンスと
なるバイアス電圧を供給する回路である。バイアス回路部4は、外部からのバイアス供給
用1次電源入力やモニタ信号の入出力を行うためのバイアス用コネクタ42と、貫通コネ
クタ6や電子部品等とを搭載した回路基板43であり、回路基板43の部品面と反対側下
部、すなわち裏面にはEBG構造部2が装着される。EBG構造部2は、独立した印刷基
板の様な誘電体と導体パターンから構成される板状のものか、または回路基板43と一体
になった多層プリント基板の一部になっているもののいずれかの方法で構成される。
結果回路基板とEBG構造部2とを組み合わせることにより、ケース1内部のRF回路
部5をシールドする蓋3が構成される。
貫通コネクタ6は、ここでは、回路基板42とRF回路部5との間でバイアス電源やモ
ニタ信号をケース1内で接続するコネクタであるが、コネクタに限らず、導線により回路
基板43とRF回路部5とを接続するものであっても良い。
従来、バイアス回路部4は、RF回路部51と同じ回路基板20上に配置されシールド
ケース内に収容されたが、バイアス回路部4はシールドが不要でかつ、シールドケース外
部に置く方が放熱が良い。そのため本実施形態のユニット増幅器UAでは、回路基板43
は、RF回路部5の上にEBG構造部2をはさんで配置される。
バイアス供給回路自体はRF回路部5が扱う周波数等が異なっても変化はさほど大きく
なく、共通回路で対応できることが多い。その結果、ユニット増幅器UAが装着される主
基板上での占有面積を小さくする効果が得られる。このため、MIMO(Multiple Input
Multiple Output)などアンテナを複数使用して無線通信を行うマルチチャネル対応の無線
送受信機の小型化に有効である。
増幅周波数が異なるとEBG構造部2は、それに応じて導体の形状等を変更して所要の
インピーダンスを持たせることが必要であるが、EBG構造部2の特性シミュレーション
も容易であり予め、収容箱の形状、寸法とそのRF増腹部5の増幅周波数に対応した標準
的なEBGパターンを持つものを準備しておけばよい。
蓋3の構成方法としては、このEBG構造部2と、回路基板43とを独立したパーツと
して準備し、ケース1に取り付ける際、部品面を外側にして回路基板43をビス留めして
、回路基板4とケース1との間にEBG構造部2を挟んで固定する方法がある。この方法
では、回路基板43を共通化して各種仕様のユニット増幅器UAを構成することが容易に
なる。また、EGB構造部2を回路基板43の部品面の反対側(裏側)に貼り付ける構造
としても良い。
他の方法として、多層構造のプリント基板(印刷基板)を用いた回路基板43の最下面
にEBGパターンを一体化して構成しても良い。この方法は、組み立て時の作業が不要な
のでユニット増幅器の量産に適している。
また、バイアス回路は、電圧調整に伴う電力消費を生じるので発熱するが、本実施形態
によれば、遮蔽が不要で、発熱するバイアス回路を外部に置くことで放熱も良く、小型化
に一層の寄与された構造になっている。
以上述べた少なくともひとつの実施形態のユニット増幅器および回路部品収容方法によ
れば、バイアス回路の下部にEBG構造部を組み合わせてシールドケースとなる収容部の
蓋とすることにより、シールドケースにRF増幅部を収容する構造のユニット増幅器を小
型で提供することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したも
のであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様
々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、
置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に
含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるもので
ある。
1 ケース
2 EBG構造部
3 蓋
4 バイアス回路部
42 バイアス用コネクタ
43 回路基板
5 RF回路部
55 信号入力コネクタ
50 信号出力コネクタ
6 貫通コネクタ

Claims (2)

  1. 底面と側面とが金属製の電気シールド用のケースと、
    前記ケースに収容され、高周波信号を増幅する増幅回路基板と、
    前記増幅される高周波信号に対してハイインピーダンスとなる寸法形状に調整されたE
    GP構造の遮蔽板と、
    前記増幅回路基板へのバイアス電源を供給するバイアス回路基板とを備え、
    前記EGP構造の遮蔽板を前記バイアス回路基板の部品取付面の反対側の面に組み合わ
    せて配置し、前記部品取付面を外側を向けて前記ケースの蓋となる様に取付けることによ
    り前記増幅回路基板が前記ケースに収容されている
    ことを特徴とするユニット増幅器。
  2. 前記遮蔽板は、前記バイアス回路基板に一体となる様に貼り付け、または印刷基板状に
    構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のユニット増幅器。
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