JP2014116045A - 情報再生性能の評価方法、情報再生装置及び情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスク装置の再生性能を容易に評価でき、光ディスク媒体の信号品質も正確に評価可能となる評価方法を提供する。
【解決手段】特定パターン記録信号を再生して再生信号ノイズを測定し、測定した再生信号ノイズの周波数特性に基づいて再生性能の評価値を算出する、再生性能の評価方法とする。
【選択図】図12
【解決手段】特定パターン記録信号を再生して再生信号ノイズを測定し、測定した再生信号ノイズの周波数特性に基づいて再生性能の評価値を算出する、再生性能の評価方法とする。
【選択図】図12
Description
本発明は、光情報記録媒体に光照射することによって情報を再生する光情報再生装置おける、再生性能の評価方法、情報再生装置及び情報記録媒体に関する。
現在、光情報記録媒体である光ディスクとして、CD(compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、 BD(Blu-ray Disc)、 BDXLTMなどが商品化され、広く普及している。これら光ディスク媒体には再生専用型であるROM(Read Only Memory)型、追記型であるR(Recordable)型、書き換え型であるRE(Rewritable)型等、様々な種類がある。
光ディスクにおける情報の記録再生は、光ディスク媒体に対してレーザ光を照射することによって行われる。情報の記録は、レーザ光の熱により記録膜材料の状態が変化した領域を形成することで行われる。この状態が変化した領域はマークと呼ばれ、状態を変化させなかった領域はスペースと呼ばれる。これらマークとスペースの組合せによって記録層に信号を記録する。このような記録を実現するため、光ディスク媒体の記録膜には相変化材料や有機色素、無機材料による合金や酸化物等が用いられている。情報の再生では、信号が記録されている記録層に記録よりも低いパワーのレーザ光を照射し、マークとスペースでの反射光量の違いに基づき記録信号を読出す。
光ディスクは媒体可換なストレージであるため、光ディスク媒体と光ディスク装置の組み合せは頻繁に変化する。そのため、現在の組み合せに応じて光ディスク装置は記録再生の調整を行う。例えば、記録においては媒体に応じて記録パワーや記録に用いる発光波形を調整する。また、記録再生時の光スポットを最適な状態にするため、対物レンズ、コリメータレンズ、レンズチルト等の調整も行われる。
光ディスクでは、これら調整を実施するため、再生信号品質を評価する様々な指標が提案されている。一般的な指標としては、SER(Symbol Error Rate)、BER(Byte Error Rate)、bER(bit Error Rate)などがあり、これらは光通信などでも使用されているデコード結果におけるSymbol、Byte、bitのエラー確率である。また、再生クロックに対する信号の時間的揺らぎ量を評価する指標であるJitter等も存在する。上記一般的な指標とは異なり、光ディスクの再生信号処理システムに基づく評価指標も数多く提案されている。BDに対しては、非特許文献1ではLimit Equalizer Jitter、非特許文献2ではSAM(Sequenced amplitude margin)が開示されている。Limit Equalizer Jitterは再生信号処理で使用されるLimit Equalizerで再生信号を処理した結果におけるJitterである。SAMはBDにPRML(Partial Response Maximum Likelihood)の再生信号処理を適用した場合における、目標信号波形と誤り信号波形に基づき再生信号波形の誤り難さを評価する指標である。また、BDXLTMに対しては、特許文献1ではi-MLSE(integrated-Maximum Likelihood Sequence Error Estimation)、特許文献2ではL-SEAT(run-length-Limited Sequence Error for Adaptive Target)が開示されている。i-MLSE、L-SEATはPRMLの再生信号処理における、目標信号波形に対する再生信号波形の誤差量の分布を標準偏差で定量化した指標である。光ディスクではこれらの指標を用いて再生信号品質を評価し、記録再生時の調整を実施している。
Japanese Journal of Applied Physics Vol. 39、 2000、 pp. 819-823
Japanese Journal of Applied Physics Vol. 45、 No. 2B、 2006、 pp. 1061-1065
光ディスクのユーザデータを確実に保証するためには、再生信号品質を常に良好に保つことが必須である。
しかし、光ディスク媒体と光ディスク装置の組み合せ変更により、媒体の信号品質と装置の再生性能の両方が悪い場合、再生信号品質は劣化する。また、組み合せ変更が無い場合でも、媒体の信号品質や装置の再生性能が経時劣化することで再生信号品質は劣化する。
これら再生信号品質の劣化によるユーザデータの読み出し不良を避けるためには、まず、装置の再生性能の評価により、想定される信号品質が再生可能な装置であることを保証することが必要である。さらに、媒体の信号品質を評価することで、信号品質が想定する品質であるかを保証することが必要である。特に信号品質が経時劣化する場合には、媒体のデータが装置の再生性能に依らず読み出し不可能となる前にデータを移動する必要があるため、当該時点での信号品質を正確に評価する必要がある。
再生性能の評価は、同一の評価用媒体に対する再生信号品質を用いて実施することが可能である。しかし、同一評価用媒体を全ての装置で再生させることは困難である。また、再生性能の経時劣化を評価する場合にも当該評価用媒体が必要となるため、本評価方法を実施することは不可能である。一方、信号品質は同一装置に対する再生信号品質で評価可能であるが、評価に用いる装置は同一である必要は無く、同じ再生性能であることが必要である。そのため、装置の再生性能が評価可能であれば、同等な再生性能の装置は複数準備できるため、信号品質の評価は実現可能となる。
以上から、再生信号品質を常に良好に保つための光ディスク装置の再生性能及び光ディスク媒体の信号品質の保証には、再生性能の評価が必須である。
上記課題は、特定パターンの、記録信号を再生して再生信号ノイズを測定し、測定した再生信号ノイズの周波数特性に基づいて再生性能の評価値を算出する、再生性能の評価方法を用いることで解決される。
本再生性能の評価方法において、特定パターンの信号には信号強度を測定する信号と再生時のノイズを再現する信号を用いる。例えば、信号強度の測定用信号としてランダムパターン、再生時のノイズを再現する信号として再生トラックにピュアトーン(同一信号長のマークとスペースの繰り返しパターン)信号、隣接トラックにランダム信号が存在するパターンを用いる。ここで、ピュアトーンで用いる信号長は光学分解能未満であることが望ましい。また、再生トラックの信号はピュアトーンだけでなく、線状の信号(DC記録信号)でもよい。この場合、DC記録信号を再生した場合とランダム信号を再生した場合の平均反射光量が等しくなるようにDC記録信号は調整して記録する。
評価値の算出において、ノイズは信号強度で規格化して計算に用いる。具体的には、ノイズと信号強度の比の周波数特性を算出し、評価値の算出に用いる。使用する信号強度はランダム信号の最大振幅や最大信号長の振幅など任意でよいが、信号振幅が飽和する信号長の振幅を用いることが望ましい。また、評価値の算出はノイズの周波数特性を積分することで算出する。特に、使用する信号処理系のノイズフィルタが決定されている場合は、ノイズの周波数特性に当該ノイズフィルタを付加した結果の周波数特性を積分することで評価値を算出する。ここで、ノイズフィルタとは再生信号に含まれるノイズの周波数及び強度に対する再生信号品質の劣化量を示す応答関数である。従って、ノイズの周波数特性にノイズフィルタを付加することで、再生信号品質の劣化量の周波数特性が算出されることになり、この積分値として算出される評価値は再生信号品質の劣化量に相当する。
本発明の再生性能の評価方法を用いることで、光ディスク装置の再生性能を容易に評価でき、光ディスク媒体の信号品質も正確に評価可能となる。
以下、本発明の実施例として再生性能の評価方法について図面を用いて説明する。
本発明の実施例を説明するに先立ち、本評価方法の詳細を説明する。
先ず、信号品質が良い信号と悪い信号を同じ光ディスク装置で再生した場合のアイパターン(重ね合わせ信号)を図1(a)、(b)に示す。また、図1(a)の信号を再生性能の悪い装置で再生した場合のアイパターンを図1(c)に示す。これらはBDXLTMにおける8Tピュアトーン信号である。(a)に比べ、(b)ではマークとスペースのサイズが非対象となっているため信号品質が悪く、(c)では信号の揺らぎ量が増加しているため再生性能が悪いことが確認できる。これら信号のノイズ量を信号強度で規格化した値であるNSR(Noise to Signal Ratio)を測定した結果、(a)及び(b)では-26.6dBであるのに対し、(c)では-23.8dBとNSRが大きいことが確認された。ここから、光ディスク装置の再生性能はピュアトーン信号に対するNSRで評価できることが分かる。これは、信号品質の劣化は主に信号の歪み(図1(b))として現れるが、この歪み量は通常の再生信号品質の評価指標では検出されるがノイズ量としては検出されないためである。この原理を利用して本再生性能の評価ではピュアトーン信号のNSRを用いて再生性能を評価する。
評価に使用する信号としては、図1の8Tピュアトーン信号でも良いが、この信号を用いた場合、図1のように重ね合わせ信号を計算し、その平均波形に対する揺らぎ量としてノイズ量を計算する必要がある。そこで、簡易にNSRを測定する為にはノイズ量と信号強度を別々に測定することが望ましい。例えば、信号強度はランダムパターンの信号振幅として取得する。また、BDXLTMの変調符合が1-7RLLであり、その最大信号長である8T信号の信号振幅は飽和するためランダム信号と同等な振幅を持つことを考慮すると、信号強度は8Tピュアトーン信号の信号振幅として取得してもよい。一方、ノイズ量は図2(a)または(b)のパターンを用いて測定する。これらの信号は再生時のノイズを再現するパターンであり、隣接トラックにランダム信号が存在することでクロストークノイズを再現している。また、再生トラックにはランダム信号を再生した場合と同等な平均信号レベルを与えるパターンが記録してあり、これにより再生時のレーザノイズやディスクノイズを再現する。ここで、(a)の再生トラックの信号は光学分解能未満の信号長のピュアトーン信号である。ピュアトーン信号としては、例えば、BDXLTMにおいて光学分解能未満である最短信号長の2T信号を用いればよい。これにより、測定したノイズには信号強度が含まれないため、重ね合わせ信号を計算することなくノイズ量が算出可能となる。また、(b)の再生トラックには線状のマーク(DC記録信号)が記録されており、この場合も(a)と同様にノイズ量の算出が容易である。(a)、(b)どちらの信号を用いるかは、評価に用いる装置での記録容易性やサーボ安定性に基づき決定すれば良い。なお、図2(a)(b)には、再生トラックの両隣のトラックにランダム信号が記録された例を示したが、片方でも構わない。 再生性能は測定したNSRに基づいて評価する。最も単純には、算出したNSRを評価値として再生性能を評価すればよい。しかし、より正確な再生性能評価を行うためには、各周波数のノイズが再生信号に与える影響を考慮して評価値を算出することが望ましい。この場合、各周波数のノイズによる再生信号品質の劣化量を示す応答関数(ノイズフィルタ)を用いて評価値は算出する。具体的には、NSRの周波数特性にノイズフィルタを付加し、結果として得られる再生信号品質の劣化量の周波数特性を積分することで評価値を算出する。ここで、ノイズフィルタの算出は、特定周波数に局在したノイズを理想信号に加算した場合の再生信号品質の劣化量を計算することで行う。図3には例として、-50dBのノイズ強度で20、40、60MHzに局在したノイズ、及び22、24MHzにノイズ強度が-40dB及び-30dBのノイズを示してある。図3では加算するノイズは1MHz幅に局在させているが、この周波数の幅や強度の振り幅、振り間隔は算出するノイズフィルタの精度に応じて決定すれば良い。ノイズフィルタの算出で使用するBDXLTM、BD、DVDにおける理想信号の例を図4の(a-1)、(b-1)、(c-1)に示す。また、各理想信号に対して局在したノイズを加算した結果が(a-2)、(b-2)、(c-2)である。これら信号の再生信号品質を算出することで、加算したノイズの周波数、強度に対する指標値の劣化量を算出する。
ノイズフィルタの算出例として、BDXLTMを対象とし、再生信号品質の評価指標にi-MLSEを用いた場合の結果を図5に示す。図5(a)はノイズ周波数(1MHz幅)及び強度に対するi-MLSEの増加量を計算した結果である。図中において、発生するi-MLSE量は紙面垂直方向に軸を取ってある。計算は2x再生を前提に行った。ここで、i-MLSE増加量は次式から算出した。
図5(b)はノイズ強度-38dBにおけるi-MLSEの周波数特性を示している。ここから、BDXLTMの再生信号は20~30MHzのノイズに対して顕著に劣化することが確認できる。これは、3T~2Tの周波数(繰り返し信号)のノイズ管理が再生性能を劣化させないために重要であることを示唆している。図5のi-MLSEのノイズフィルタを用いた場合、評価値の計算は次式となる。
ここで、fは周波数であり、Δi-MLSE(f)は各周波数におけるi-MLSE増加量である。このようにして算出される評価値を用いて、再生性能と信号品質の評価を行った例を図6(a)、(b)に示す。再生性能の評価は、同一信号(信号品質が一定)に対して再生パワーを変化させて再生を行い、その際の再生信号品質(i-MLSE)と評価値を比較することで行った。図6(a)から、再生パワーが減少するに従い、再生信号のNSRは増加するため再生信号品質は劣化しており、それに付随して評価値も増加していることが確認できる。ここから、本評価指標を用いることで再生性能を正確に定量評価できることがわかる。信号品質の評価は、同一装置(再生性能が一定)で各種記録パワーの記録信号(信号品質が変化)を再生した際の再生信号品質と評価値を比較することで行った。図6(b)横軸の記録パワーは最適記録パワーとの比で表記してある。記録パワーが100%からずれることによって再生信号品質は劣化しているが、評価値はほぼ一定であることが分かる。ここから、本評価指標を用いることで、信号品質に影響されずに再生性能を定量評価できることが確認できる。
上記とは異なり、ノイズフィルタとして再生処理系の伝送特性を使用する方法もある。例えば、BDXLTMの再生処理系におけるLPF(Low Pass Filter)、HPF(High Pass Filter)、Equalizer等の伝送特性を測定した結果を図7(a)に示す。伝送特性としては、40MHz付近のノイズが増幅されており、カットオフ周波数は70MHz程度であることが分かる。この伝送特性は入力するノイズ強度に依らないため、ノイズフィルタは図7(b)のように周波数に対するGainとして与えられる。このノイズフィルタを用いた場合の評価値の算出は次式で与えられる。
ここで、fは周波数、NSR(f)は入力ノイズ、g(f)はノイズフィルタのGainであり、数3は各周波数のノイズのパワー加算に相当する。この評価値を用いて図6と同様に再生性能と信号品質の評価を行った結果を図8(a)、(b)に示す。図8(a)(b)と図6(a)(b)で評価値の値は異なるが、評価値と再生信号品質の関係はほぼ同じであることから、ノイズの伝送特性をノイズフィルタとした場合でも、再生性能が正確に定量評価できることが確認できる。
以上から、本発明は、当該光ディスク装置のノイズフィルタを算出し、再生時のノイズを再現する信号パターン及び信号強度を測定する信号パターンを記録し、記録した信号を再生してNSRを計算し、NSRの周波数特性とノイズフィルタを用いて再生信号品質の劣化量の周波数特性を計算し、計算した周波数特性を積分して再生性能の評価値を算出する、再生性能の評価方法である。
ここで、本発明はノイズ強度と信号強度の相関から再生性能を評価する手法であるため、NSR以外の指標を測定することによっても上述と同様な再生性能の評価が可能である。例えば、図1の(a)と(c)における再生性能の違いは、ノイズ強度を図1(a)(c)の重ね合わせ信号で囲まれた領域の面積で規格化した指標でも評価可能である。この場合、かかる指標に対するノイズフィルタを決定することで、ノイズ強度を重ね合わせ信号で囲まれた領域の面積で規格化した指標から再生性能の評価値が算出される。また、ノイズ強度と信号強度の相関を時間方向軸で規定する場合、チャネルクロックで規格化した時間方向のジッタのヒストグラムを用いて再生性能を評価することも可能である。この場合、かかる指標のヒストグラムに対してノイズフィルタを決定することで、チャネルクロックで規格化した時間方向のジッタのヒストグラムから再生性能の評価値が算出される。
以下では先ず本発明の再生性能の評価に用いる光ディスク装置について説明し、次いで本発明の再生性能の評価方法を説明する。
図9には本発明の実施例で使用する光ディスク装置の構成を示す。光ディスク装置は要部構成として、スピンドルモータ12、光ピックアップ部14、エンコーダ18、LD駆動部20、制御部22、信号処理部24、デコーダ26を備えている。スピンドルモータ12は、光ディスク10をCLV(Constant Linear Velocity)あるいはCAV(Constant Angular Velocity)で制御する。光ディスク10に対向して光ピックアップ部14が設けられ、レーザダイオード(LD) から記録パワーのレーザ光16を射出することにより光ディスク10に信号を記録し、LDから再生パワーのレーザ光16を射出することにより記録された信号を読み取る。さらに、光ディスク10が書き換え可能な場合には、LDから消去パワー(再生パワー<消去パワー<記録パワー)のレーザ光16を射出して記録された信号を消去する。
信号を記録する場合、記録データはエンコーダ18にてエンコードされ、LD駆動部20に供給される。LD駆動部20は、エンコードされた記録波形に基づき駆動信号を決定し、光ピックアップ部14内のLDに供給して信号を記録する。LD駆動部20における記録パワー値は制御部22からの制御信号により決定される。制御部22は、信号を記録するのに先立ち、光ディスク10の試し書き領域において複数種類の記録パワーを用いて試し書きを行い、かかる試し書きの信号に基づいて最適な記録パワーを決定する。さらに、複数種類の記録波形を用いて試し書きを行い、かかる試し書きの信号に基づいて最適な記録波形の決定も行う。
一方、データ再生時には、光ピックアップ部14から出力された再生信号は信号処理部24に供給される。信号処理部24は、RFアンプやイコライザ、二値化部、PLL部等を有し、再生信号をこれらで処理してデコーダ26に供給する。デコーダ26では2値化された再生信号とPLL部にて再生された同期クロックに基づき信号をデコードし再生データとして出力する。信号処理部24ではSER、BER、bER、Jitter、Limit Equalizer Jitter、i-MLSE、L-SEAT等の再生信号品質の計算も行う。信号処理部24での処理結果の再生信号、再生信号品質指標値は再生信号評価用として制御部22にも供給される。また、制御部22には光ピックアップ部14からの再生信号も供給され、再生信号の上部包括線、下部包括線の計測、信号振幅計測、ノイズ計測等が行われ、これらの数値にもとづき再生性能評価等が行われる。また、制御部22には、記録再生時におけるフォーカスサーボ用信号、トラッキング制御用信号、スピンドルモータ制御用信号、LD駆動制御用信号等も生成する。これら信号に基づき、光ピックアップやスピンドルモータは制御されるが、これらについては従来技術と同様であるのでその説明は省略する。
制御部22は、具体的にはCPUやメモリ(ROM、RAM)などから構成され、これらの組合せにより各種機能を実現している。例えば、再生信号から信号振幅やノイズを算出し、算出結果に基づいて再生性能を評価する機能を有している。図9における制御部22の機能ブロックを図10に示す。
制御部22は、信号振幅算出部、ノイズ算出部、ノイズフィルタ算出部、再生性能評価部、ノイズ生成部、評価用信号生成部、記憶部等を有して構成される。これらの機能を用い、入力されるスピンドルモータ、LD駆動部、光ピックアップ部、信号処理部からの信号から再生性能評価、評価用信号等の信号を生成し、出力する。信号振幅算出部は再生信号の信号振幅を計測し、記憶部に記憶する。ノイズ算出部は再生信号にFFT(Fast Fourier Transfer)等を行うことでノイズの周波数特性を算出し、記憶部に記憶する。ノイズ周波数特性の算出方法はFFTに限らず、Spectrum Analyzerと同等な機能を有している場合には、その機能を使用して算出する。ノイズ生成部は図3と同様な任意の周波数、強度のノイズを発生し、評価用信号生成部に供給する。ノイズはホワイトノイズに任意のバンドパスフィルターを付加することで生成する場合や所定の周波数の正弦波信号の重ね合わせにより生成する場合がある。この際、生成したノイズの周波数、強度は記憶部に記憶する。評価用信号生成部では記憶部の情報及びノイズ生成部からのノイズに基づき理想信号にノイズが加算された評価用信号を生成し、出力する。理想波形は対象とする規格のデコードシステムに基づく目標波形である場合や、再生信号品質が良好な再生信号である場合がある。何れの理想信号を用いた場合も、ノイズフィルタの算出は理想信号とノイズが加算された信号の再生信号品質の差分として算出するため、結果はほぼ同等となる。制御部22で生成された評価用信号は信号処理部24に供給され、再び制御部22に入力され、ノイズフィルタ算出部にて評価される。ノイズフィルタ算出部では、ノイズを付加する前後での再生信号品質指標の変化量を算出し、当該評価用信号に加算したノイズの周波数、強度と関連付けて記憶部に保管する。信号処理部24におけるノイズの伝送特性をノイズフィルタとして算出する場合は、評価用信号生成部で理想波形は生成せず、ノイズ生成部のノイズを直接出力し、信号処理部24に供給する。供給された信号は再生信号処理に用いられる各種フィルタを経過した後、制御部22に入力される。入力された再生信号はノイズ算出部にてノイズ周波数特性が算出され、ノイズフィルタ算出部ではノイズ生成部で生成したノイズの強度とノイズ算出部で算出された当該周波数のノイズの変化量を周波数とともに記憶部に記憶する。以上では、当該信号処理部24を用いたノイズフィルタ算出方法を述べたが、制御部22の記憶部にノイズフィルタが記憶されている場合にはノイズ生成部、評価用信号生成部、ノイズフィルタ算出部でノイズフィルタを生成する必要はない。再生性能の評価においては、測定したノイズをノイズ算出部で処理することによってノイズ周波数特性を記憶部に記憶し、再生性能評価部では測定したノイズと信号強度の比(NSR)の周波数特性と算出したノイズフィルタを用いて、例えば数2、3を用いて評価指標を算出し、再生性能を評価及び出力する。
次に、上述した構成の光ディスク装置を複数台準備し、各装置の再生性能評価を実施した結果について述べる。
本実施例及び以降の実施例では図11に示す装置を使用した。図11(a)は本実施例で評価を行ったBDXLTM対応の装置であり、 (b)及び(c)は以降の実施例で使用したBD及びDVD対応の装置である。(a)、(b)、(c)の各装置は同一信号を再生することで予め再生性能を評価してあり、それぞれの再生信号品質を記載してある。ここで、各装置は再生性能の良い順番で並べてある。
図11(a)の各装置における再生性能評価は図12の手順に従って行った。ステップS1001では各装置のノイズフィルタの算出を行う。今回、各装置の記憶部には予めシミュレーションによって算出した図5(a)及び図7(b)のノイズフィルタを記憶させておいたため、本ステップは省略した。ステップS1002では特定パターンの信号を記録する。今回、信号強度測定用のパターンとしてランダムパターンを、ノイズ測定用信号としては図2(a)のパターンを記録した。本評価ではBDXLTMを対象としているため、測定するトラックの2Tピュアトーン信号は光学分解能未満であり、その信号振幅は発生しない。これら信号は試し書き領域に記録したが、データ領域での評価が可能な場合はデータ領域で行っても良い。あるいは、媒体の所定領域に、評価用パターンとして予め記録しておいても良い。なお、試し書き領域に記録することによって、データ領域はユーザデータを記録する領域として、有効に用いることができる効果がある。信号強度測定用の信号は1クラスタ、ノイズ測定用の信号は光ディスクの約半周分記録した。ノイズ測定用の信号の記録する長さは長い程測定するノイズが安定するが、2mm程度と短い場合でも評価は可能である。続くステップS1003においては信号強度及びノイズ量を測定する。信号強度はランダム信号の最大振幅として取得し、ノイズ量は図2(a)のパターンを再生し、再生信号を制御部22のノイズ算出部で処理することによって取得した。装置BD-1及びBD-12において取得したノイズ量を信号強度で規格化した結果を図13(a)に示す。BD-12はBD-1よりもNSRが高いことが確認できる。この測定結果とノイズフィルタを用い、ステップS1004では再生性能の評価値を算出する。今回ノイズフィルタとして図5(a)のi-MLSE応答を使用した。ノイズと信号強度の比(NSR)の周波数特性にi-MLSE応答のノイズフィルタを付加した結果を図13(b)に示す。ノイズフィルタを付加することによって、50MHz以上のノイズはほぼ完全に無視できることが分かる。また、10~30MHzのノイズが強調されることによって、発生する i-MLSE量に大きな差が生じていることが確認できる。数2を用いてi-MLSEの周波数特性から再生性能の評価値を算出した結果、BD-1とBD-12はそれぞれ7.7%と9.6%であった。全ての装置について評価値を算出し、評価値とSERの関係をプロットした結果を図14に示す。全ての装置に関し、予め測定した再生性能(SER)と本評価での評価値は一意に対応していることから、本発明の再生性能の評価方法を用いることで、各装置の再生性能を正確に評価できることが確認できた。
ここで、BD-1~BD-4に関しては再生性能が変化しているにも関わらずSERがほぼ同等である。これは、装置の再生性能がBD-4以上となると、再生信号品質は信号品質のみでほぼ決定され、再生性能の影響を受けないことを意味している。つまり、図11(a)の装置のSER測定に用いた信号品質は5.6E-6程度であり、5.6E-6以下の信号品質は評価値8.4%以下の再生性能の装置で正確に評価できることを示している。以上から、本発明の再生性能の評価方法を用いることで、任意に決定した信号品質の範囲において、信号品質を正確に評価可能な装置を選別できることも確認できた。
以上の結果に基づき、例えば、光ディスク装置製造元における装置の選別は次のように実施する。装置の再生性能の基準を図11(a)の再生性能の評価媒体をSER≦1.0E-4で再生できることと設定する場合、評価値≦9.3%の装置を仕様達成、評価値>9.3%の装置を仕様未達と決定する。この結果に基づき、仕様達成装置のみを出荷することで、製造元は設定した再生性能を保証する装置のみを出荷することが可能となる。
また、装置を記録性能に基づき選別する場合は次のように実施する。装置の記録信号品質をSER≦5.6E-6と設定する場合、対象とする装置で記録した信号を評価値≦8.4%の装置で再生する。再生信号品質がSER≦5.6E-6の場合に記録に用いた装置は仕様達成とし、SER>5.6E-6の場合は仕様未達と決定する。この結果に基づき、仕様達成装置のみを出荷することで、製造元は設定した記録性能を保証する装置のみを出荷することが可能となる。
上記再生性能及び記録性能による装置の選別は出荷前のみならず、装置の定期チェックとして実施することで、装置の経時劣化による不慮のデータ消失を抑制することが可能となる。例えば、データが保存されている媒体を再生するに先立ち装置の評価値を算出する。データの信号品質としてSER≦5.6E-6を想定している場合、再生ミスが発生する可能性のある装置を排除することを考えると、評価値≦9.5%の装置は再生可能、評価値>9.5%の装置は再生不可と決定すれば良い。これにより、装置の再生性能が経時劣化していた場合も想定される信号品質が再生可能な装置を適切に選別でき、再生ミスを無くすことが可能となる。ここで、装置が再生不可と判断された場合、当該データは他の装置で再生することとなる。また、記録性能についても同様なことが実施でき、記録に先立ち想定される記録性能を持つ装置を決定し、記録に用いることで、常に記録ミスを無くすことが可能となる。これら定期チェックは記録再生を行う際に実施すれば良いが、記録再生動作の時間短縮を考慮すると、装置の劣化速度に基づき実施時期は決定すればよい。例えば、装置の記録再生性能が仕様未達になるまで平均的に10年かかるのであれば、チェックは1年毎に実施しすればよい。また、チェックは定期的に実施しなくても良く、装置で記録再生を実施し、再生ミスが発生した際にチェックは行っても良い。これにより、再生ミスが装置の劣化によるものか、偶発的に発生したものかを確認することができ、装置を交換すべきかを判断することが可能となる。
さらに、例えば、データが保存された媒体の信号品質の経時劣化を確認し、データ消失を防ぐ場合は以下のように実施する。媒体の信号品質の基準をSER≦5.6E-6と設定し、この品質よりも劣化した場合にデータを新規媒体に移動するとした場合、先ず評価値≦8.4%の装置を準備する。かかる装置を用いて信号品質を定期的にチェックし、SER>5.6E-6の場合に媒体の信号は劣化したと決定し、当該媒体のデータを新規媒体に複製する。これにより、データの信号品質は常に良好な状態を維持することが可能となり、データ消失は無くなる。かかるチェックは媒体を再生する際に実施すればよいが、毎回実施すると再生動作に時間がかかる場合や、再生する間隔が数年など長い場合には信号品質が劣化し過ぎてしまいデータが消失してしまう場合もある。そこで、チェックする時期は予め決めておいても良い。例えば、媒体の寿命が予め平均10年と分かっている場合には、1年毎にチェックすれば良い。上述では、データの信号品質を確認し、データ移動時期を決定する方法について述べたが、上記評価により媒体寿命の推定を行っても良い。例えば、評価値≦8.4%以下の装置を用いて保存データをチェックする毎にその信号品質と経過時間を記憶する。記憶した経過時間に対する信号品質を変化に基づきデータの寿命を推定する。例えば、経過時間とSERの対数値との関係を直線近似し、信号品質の閾値(SER≦5.6E-6)に到達する時間を決定する。これにより、媒体が後何年使用可能できるかを特定することができ、媒体が寿命に達する前にデータを新規媒体に移行することで、データ消失を無くすことが可能となる。また、本手法では媒体寿命が明確となるため、チェック間隔は媒体寿命に基づき決定することが可能となる。つまり、媒体寿命に比べ経過時間が短場合には定期チェックは実施せず、経過時間が寿命に近い場合には頻繁に定期チェックを実施し、定期チェックによる再生動作時間を短縮することが可能となる。
本実施例では、実施例1の再生性能の評価値を算出する際に用いるノイズフィルタを変更した場合について述べる。変更していない部分に関しては実施例1と同様であるため、本実施例では省略する。
再生性能の評価値の算出に用いるノイズフィルタはi-MLSE応答に限ったものではなく、例えば、ノイズの伝送特性を用いることも可能である。
例えば、ノイズの伝送特性をノイズフィルタに用いる場合、BD-1及びBD-12におけるNSRの周波数特性とNSRの周波数特性にノイズフィルタを付加した結果の関係は図15の(a)及び(b)となる。i-MLSE応答のノイズフィルタを用いた場合の図13(b)と周波数特性は異なっているが、高周波のノイズが減衰してほぼ無視できる点、及び10~30MHzのノイズ差が強調されている点は同様である。数3を用いて評価値を算出した結果、BD-1及びBD-12ではそれぞれ-25.8dBと-23.8 dBであった。全ての装置について評価値を算出し、評価値とSERの関係をプロットした結果を図16に示す。図14の場合と同様に、全ての装置に関し、予め測定した再生性能(SER)と本評価での評価値は一意に対応していることから、本発明の再生性能の評価方法でノイズの伝送特性をノイズフィルタに使用した場合も、各装置の再生性能を正確に評価できることが確認できた。
また、BD-1~BD-4に関しては実施例1と同様に再生性能が変化しているにも関わらずSERがほぼ同等である。ここから、5.6E-6以下の信号品質は評価値-25.2dB以下の再生性能の装置で正確に評価できることが分かる。以上から、本発明の再生性能の評価方法を用いることでも、任意に決定した信号品質の範囲において、信号品質を正確に評価可能な装置を選別できることが確認できた。
ここで、BD-11及びBD-12に着目すると、これらの評価値はほぼ等しいにも関わらず、再生信号品質が異なっていることが分かる。これは、ノイズの伝送特性だけでは再生信号処理系によるノイズが再生信号品質に与える影響を正確に表現できておらず、再生性能の評価精度が若干低下することを示している。しかし、本実施例の手法では図7(b)のようにノイズフィルタが簡略となるため、図12のステップS1001におけるノイズフィルタの算出が容易である。また、記憶部に記憶するノイズフィルタのデータ量が少なく、評価値を算出する際の計算量も少量で済む利点がある。従って、ノイズフィルタに伝送特性を使用するか、より再生信号品質と相関のあるi-MLSEのような指標を使用するかは装置の性能及び要求される評価精度に応じて決定すればよい。
以上の結果に基づき、例えば、光ディスク装置製造元における装置の選別は次のように実施する。装置の再生性能の基準を図11(a)の再生性能の評価媒体をSER≦1.0E-4で再生できることと設定する場合、評価値≦-24.8dBの装置を仕様達成、評価値>-24.8dBの装置を仕様未達と決定する。この結果に基づき、仕様達成装置のみを出荷することで、製造元は設定した再生性能を保証する装置のみを出荷することが可能となる。
また、装置を記録性能に基づき選別する場合は次のように実施する。装置の記録信号品質をSER≦5.6E-6と設定する場合、対象とする装置で記録した信号を評価値≦-25.2dBの装置で再生する。再生信号品質がSER≦5.6E-6の場合に記録に用いた装置は仕様達成とし、SER>5.6E-6の場合は仕様未達と決定する。この結果に基づき、仕様達成装置のみを出荷することで、製造元は設定した記録性能を保証する装置のみを出荷することが可能となる。
上記再生性能及び記録性能による装置の選別は出荷前のみならず、装置の定期チェックとして実施することで、装置の経時劣化による不慮のデータ消失を抑制することが可能となる。例えば、データが保存されている媒体を再生するに先立ち装置の評価値を算出する。データの信号品質としてSER≦5.6E-6を想定している場合、再生ミスが発生する可能性のある装置を排除することを考えると、評価値≦-25.2dB装置は再生可能、評価値>-25.2dBの装置は再生不可と決定すれば良い。これにより、装置の再生性能が経時劣化していた場合も想定される信号品質が再生可能な装置を適切に選別でき、再生ミスを無くすことが可能となる。ここで、装置が再生不可と判断された場合、当該データは他の装置で再生することとなる。また、記録性能についても同様なことが実施でき、記録に先立ち想定される記録性能を持つ装置を決定し、記録に用いることで、常に記録ミスを無くすことが可能となる。これら定期チェックは記録再生を行う際に実施すれば良いが、記録再生動作の時間短縮を考慮すると、装置の劣化速度に基づき実施時期は決定すればよい。例えば、装置の記録再生性能が仕様未達になるまで平均的に10年かかるのであれば、チェックは1年毎に実施しすればよい。また、チェックは定期的に実施しなくても良く、装置で記録再生を実施し、再生ミスが発生した際にチェックは行っても良い。これにより、再生ミスが装置の劣化によるものか、偶発的に発生したものかを確認することができ、装置を交換すべきかを判断することが可能となる。
さらに、例えば、データが保存された媒体の信号品質の経時劣化を確認し、データ消失を防ぐ場合は以下のように実施する。媒体の信号品質の基準をSER≦5.6E-6と設定し、この品質よりも劣化した場合にデータを新規媒体に移動するとした場合、先ず評価値≦-25.2dBの装置を準備する。かかる装置を用いて信号品質を定期的にチェックし、SER>5.6E-6の場合に媒体の信号は劣化したと決定し、当該媒体のデータを新規媒体に複製する。これにより、データの信号品質は常に良好な状態を維持することが可能となり、データ消失は無くなる。かかるチェックは媒体を再生する際に実施すればよいが、毎回実施すると再生動作に時間がかかる場合や、再生する間隔が数年など長い場合には信号品質が劣化し過ぎてしまいデータが消失してしまう場合もある。そこで、チェックする時期は予め決めておいても良い。例えば、媒体の寿命が予め平均10年と分かっている場合には、1年毎にチェックすれば良い。上述では、データの信号品質を確認し、データ移動時期を決定する方法について述べたが、上記評価により媒体寿命の推定を行っても良い。例えば、評価値≦-25.2dB以下の装置を用いて保存データをチェックする毎にその信号品質と経過時間を記憶する。記憶した経過時間に対する信号品質を変化に基づきデータの寿命を推定する。例えば、経過時間とSERの対数値との関係を直線近似し、信号品質の閾値(SER≦5.6E-6)に到達する時間を決定する。これにより、媒体が後何年使用可能できるかを特定することができ、媒体が寿命に達する前にデータを新規媒体に移行することで、データ消失を無くすことが可能となる。また、本手法では媒体寿命が明確となるため、チェック間隔は媒体寿命に基づき決定することが可能となる。つまり、媒体寿命に比べ経過時間が短場合には定期チェックは実施せず、経過時間が寿命に近い場合には頻繁に定期チェックを実施し、定期チェックによる再生動作時間を短縮することが可能となる。
本実施例では、BDを対象とし、図11(b)の装置BD-21~32について再生性能の評価を実施した結果を示す。実施例1と共通する手順に関しては本実施例では詳細は省略する。
図11(b)の各装置における再生性能評価は図12の手順に従って行った。ステップS1001では各装置のノイズフィルタの算出を行う。今回、ノイズの伝送特性をノイズフィルタとして使用した。ノイズフィルタを算出するため、各種周波数、強度のノイズが加算された評価用信号を制御部22から出力し、信号処理部24で再生信号処理に使用される各種フィルタで評価用信号を処理し、制御部22のノイズ算出部及びノイズフィルタ算出部によってノイズフィルタの算出を行った。その結果を図17(a)に示し、Gainの周波数特性を計算した結果を図17(b)に示す。BDにおける伝送特性はBDXLTMとは異なり、2T Pure-tone信号の周波数よりも高周波側で高いGainを持つ。これは、BDの再生処理においてはLimit Equalizerが使用されており、高周波信号を極端に増幅するためである。図12のステップS1002においては、信号強度測定用の信号及びノイズ測定用の信号を記録した。信号強度測定用の信号としては、8Tピュアトーン信号を使用した。一方、ノイズ測定用の信号に関しては、BDの2T信号が光学分解能以上であることから、図2(a)における再生トラックに1T相当のピュアトーン信号を用いたパターンを使用した。記録の際、正確に1T信号が記録されているかは問題とせず、再生信号に信号振幅が観測されない点、及び平均レベルがランダム信号における平均レベルと一致する点に注意して記録は行った。続くステップS1003においては記録した信号から信号強度及びノイズ量を測定する。信号強度は8Tピュアトーン信号の振幅から測定した。ノイズ量は図2(a)のパターンを再生し、再生信号を制御部22のノイズ算出部で処理することによって測定した。装置BD-21及びBD-32において取得したノイズ量を信号強度で規格化した結果を図18(a)に示す。BD-32は10MHz以上の領域でBD-21よりもNSRが高いことが確認できる。この測定結果とノイズフィルタを用い、ステップS1004では再生性能評価値の算出を行う。NSRの周波数特性に伝送特性のノイズフィルタを付加した結果を図18(b)に示す。ノイズフィルタを付加することによって、70MHz以上のノイズはほぼ無視され、30~60MHzのノイズが強調されることが分かる。数3を用いて再生性能の評価値を算出した結果、BD-21とBD-32はそれぞれ-18.9dB及び-16.0dBであった。全ての装置について評価値を算出し、評価値とSERの関係をプロットした結果が図19である。全ての装置に関し、予め測定した再生性能(SER)と本評価での評価値は一意に対応していることが分かる。以上の結果から、BDを対象として本発明の再生性能の評価方法を用いた場合も、各装置の再生性能を正確に評価できることが確認できた。
また、BD-21~BD-24に関しては再生性能が変化しているにも関わらずSERがほぼ同等である。これは、装置の再生性能がBD-24以上となると、再生信号品質は信号品質のみでほぼ決定され、再生性能の影響を受けないことを意味している。つまり、図11(b)の装置のSER測定に用いた信号品質は6.2E-6程度であり、6.2E-6以下の信号品質は評価値-18.2dB以下の再生性能の装置で正確に評価できることを示している。以上から、本発明の再生性能の評価方法を用いることで、任意に決定した信号品質の範囲において、信号品質を正確に評価可能な装置を選別できることも確認できた。
ここで、実施例2と本実施例では共にノイズフィルタとしてノイズの伝送特性を使用したが、本実施例の結果からは再生性能の評価精度の低下が確認されない。これは、図11(a)のSER算出にはPRMLを用いていたが、図11(b)のSER算出ではLimit Equalizerを使用した為である。ここから、本発明の再生性能の評価方法では、当該再生処理系に合わせたノイズフィルタを用いることで、再生性能の評価精度は向上することが確認できた。
以上の結果に基づき、例えば、光ディスク装置製造元における装置の選別は次のように実施する。装置の再生性能の基準を図11(b)の再生性能の評価媒体をSER≦1.0E-3で再生できることと設定する場合、評価値≦-16.5dBの装置を仕様達成、評価値>-16.5dBの装置を仕様未達と決定する。この結果に基づき、仕様達成装置のみを出荷することで、製造元は設定した再生性能を保証する装置のみを出荷することが可能となる。
また、装置を記録性能に基づき選別する場合は次のように実施する。装置の記録信号品質をSER≦6.2E-6と設定する場合、対象とする装置で記録した信号を評価値≦-18.2dBの装置で再生する。再生信号品質がSER≦6.2E-6の場合に記録に用いた装置は仕様達成とし、SER>6.2E-6の場合は仕様未達と決定する。この結果に基づき、仕様達成装置のみを出荷することで、製造元は設定した記録性能を保証する装置のみを出荷することが可能となる。
上記再生性能及び記録性能による装置の選別は出荷前のみならず、装置の定期チェックとして実施することで、装置の経時劣化による不慮のデータ消失を抑制することが可能となる。例えば、データが保存されている媒体を再生するに先立ち装置の評価値を算出する。データの信号品質としてSER≦6.2E-6を想定している場合、再生ミスが発生する可能性のある装置を排除することを考えると、評価値≦-18.2dB装置は再生可能、評価値>-18.2dBの装置は再生不可と決定すれば良い。これにより、装置の再生性能が経時劣化していた場合も想定される信号品質が再生可能な装置を適切に選別でき、再生ミスを無くすことが可能となる。ここで、装置が再生不可と判断された場合、当該データは他の装置で再生することとなる。また、記録性能についても同様なことが実施でき、記録に先立ち想定される記録性能を持つ装置を決定し、記録に用いることで、常に記録ミスを無くすことが可能となる。これら定期チェックは記録再生を行う際に実施すれば良いが、記録再生動作の時間短縮を考慮すると、装置の劣化速度に基づき実施時期は決定すればよい。例えば、装置の記録再生性能が仕様未達になるまで平均的に10年かかるのであれば、チェックは1年毎に実施しすればよい。また、チェックは定期的に実施しなくても良く、装置で記録再生を実施し、再生ミスが発生した際にチェックは行っても良い。これにより、再生ミスが装置の劣化によるものか、偶発的に発生したものかを確認することができ、装置を交換すべきかを判断することが可能となる。
さらに、例えば、データが保存された媒体の信号品質の経時劣化を確認し、データ消失を防ぐ場合は以下のように実施する。媒体の信号品質の基準をSER≦6.2E-6と設定し、この品質よりも劣化した場合にデータを新規媒体に移動するとした場合、先ず評価値≦-18.2dBの装置を準備する。かかる装置を用いて信号品質を定期的にチェックし、SER>6.2E-6の場合に媒体の信号は劣化したと決定し、当該媒体のデータを新規媒体に複製する。これにより、データの信号品質は常に良好な状態を維持することが可能となり、データ消失は無くなる。かかるチェックは媒体を再生する際に実施すればよいが、毎回実施すると再生動作に時間がかかる場合や、再生する間隔が数年など長い場合には信号品質が劣化し過ぎてしまいデータが消失してしまう場合もある。そこで、チェックする時期は予め決めておいても良い。例えば、媒体の寿命が予め平均10年と分かっている場合には、1年毎にチェックすれば良い。上述では、データの信号品質を確認し、データ移動時期を決定する方法について述べたが、上記評価により媒体寿命の推定を行っても良い。例えば、評価値≦-18.2dB以下の装置を用いて保存データをチェックする毎にその信号品質と経過時間を記憶する。記憶した経過時間に対する信号品質を変化に基づきデータの寿命を推定する。例えば、経過時間とSERの対数値との関係を直線近似し、信号品質の閾値(SER≦6.2E-6)に到達する時間を決定する。これにより、媒体が後何年使用可能できるかを特定することができ、媒体が寿命に達する前にデータを新規媒体に移行することで、データ消失を無くすことが可能となる。また、本手法では媒体寿命が明確となるため、チェック間隔は媒体寿命に基づき決定することが可能となる。つまり、媒体寿命に比べ経過時間が短場合には定期チェックは実施せず、経過時間が寿命に近い場合には頻繁に定期チェックを実施し、定期チェックによる再生動作時間を短縮することが可能となる。
本実施例では、DVDを対象とし、図11(c)の装置DVD-1~12について再生性能の評価を実施した結果を示す。実施例1と共通する手順に関しては本実施例では詳細は省略する。
図11(c)の各装置における再生性能評価は図12の手順に従って行った。ステップS1001では各装置のノイズフィルタの算出を行う。今回、ノイズの伝送特性をノイズフィルタとして使用した。ノイズフィルタを算出するため、ホワイトノイズを制御部22から出力し、信号処理部24で再生信号処理に使用される各種フィルタで入力信号を処理し、制御部22のノイズ算出部及びノイズフィルタ算出部によってノイズフィルタの算出を行った。その結果を図20(a)に示し、Gainの周波数特性を計算した結果を図20(b)に示す。図12のステップS1002においては、信号強度測定用及びノイズ測定用の信号を記録した。信号強度測定用の信号としては、実施例1と同様にランダムパターンを記録した。一方、ノイズ測定用の信号としては図2(b)に示されるパターンを使用した。記録の際、再生信号の信号レベルがランダム信号における平均レベルと一致するように再生トラックのDC記録信号は調整した。続くステップS1003においては記録した信号から信号強度及びノイズ量を測定する。信号強度はランダム信号の最大振幅として取得し、ノイズ量は記録した図3(b)のパターンを再生し、再生信号を制御部22のノイズ算出部で処理することによって取得した。DVD-1及びDVD-12において取得したノイズ量と信号強度で規格化した結果を図21(a)に示す。DVD-12はDVD-1よりも10~20MHzのNSRが高いことが確認できる。この測定結果とノイズフィルタを用い、ステップS1004では再生性能の評価値の算出を行う。NSRの周波数特性に伝送特性のノイズフィルタを付加した結果を図21(b)に示す。ノイズフィルタを付加することによって、60MHz以上のノイズはほぼ無視できることが分かる。数3を用いて再生性能の評価値を算出した結果、DVD-1とDVD-12はそれぞれ-25.8dB及び-23.8.0dBであった。全ての装置について評価値を算出し、評価値とBERの関係をプロットした結果が図22である。全ての装置に関し、予め測定した再生性能(BER)と本評価での評価値は一意に対応していることが分かる。以上の結果から、DVDを対象として本発明の再生性能の評価方法を用いた場合も、各装置の再生性能を正確に評価できることが確認できた。
また、DVD-1~DVD-4に関しては再生性能が変化しているにも関わらずBERがほぼ同等である。これは、装置の再生性能がDVD-4以上となると、再生信号品質は信号品質のみでほぼ決定され、再生性能の影響を受けないことを意味している。つまり、図11(c)の装置のBER測定に用いた信号品質は5.1E-7程度であり、5.7E-7以下の信号品質は評価値-25.5dB以下の再生性能の装置で正確に評価できることを示している。以上から、本発明の再生性能の評価方法を用いることで、任意に決定した信号品質の範囲において、信号品質を正確に評価可能な装置を選別できることも確認できた。
以上の結果に基づき、例えば、光ディスク装置製造元における装置の選別は次のように実施する。装置の再生性能の基準を図11(b)の再生性能の評価媒体をBER≦5.0E-3で再生できることと設定する場合、評価値≦-24.0dBの装置を仕様達成、評価値>-24.0dBの装置を仕様未達と決定する。この結果に基づき、仕様達成装置のみを出荷することで、製造元は設定した再生性能を保証する装置のみを出荷することが可能となる。
また、装置を記録性能に基づき選別する場合は次のように実施する。装置の記録信号品質をBER≦5.7E-7と設定する場合、対象とする装置で記録した信号を評価値≦-25.5dBの装置で再生する。再生信号品質がBER≦5.7E-7の場合に記録に用いた装置は仕様達成とし、BER>5.7E-7の場合は仕様未達と決定する。この結果に基づき、仕様達成装置のみを出荷することで、製造元は設定した記録性能を保証する装置のみを出荷することが可能となる。
上記再生性能及び記録性能による装置の選別は出荷前のみならず、装置の定期チェックとして実施することで、装置の経時劣化による不慮のデータ消失を抑制することが可能となる。例えば、データが保存されている媒体を再生するに先立ち装置の評価値を算出する。データの信号品質としてBER≦5.7E-7を想定している場合、再生ミスが発生する可能性のある装置を排除することを考えると、評価値≦-25.5dB装置は再生可能、評価値>-25.5dBの装置は再生不可と決定すれば良い。これにより、装置の再生性能が経時劣化していた場合も想定される信号品質が再生可能な装置を適切に選別でき、再生ミスを無くすことが可能となる。ここで、装置が再生不可と判断された場合、当該データは他の装置で再生することとなる。また、記録性能についても同様なことが実施でき、記録に先立ち想定される記録性能を持つ装置を決定し、記録に用いることで、常に記録ミスを無くすことが可能となる。これら定期チェックは記録再生を行う際に実施すれば良いが、記録再生動作の時間短縮を考慮すると、装置の劣化速度に基づき実施時期は決定すればよい。例えば、装置の記録再生性能が仕様未達になるまで平均的に10年かかるのであれば、チェックは1年毎に実施しすればよい。また、チェックは定期的に実施しなくても良く、装置で記録再生を実施し、再生ミスが発生した際にチェックは行っても良い。これにより、再生ミスが装置の劣化によるものか、偶発的に発生したものかを確認することができ、装置を交換すべきかを判断することが可能となる。
さらに、例えば、データが保存された媒体の信号品質の経時劣化を確認し、データ消失を防ぐ場合は以下のように実施する。媒体の信号品質の基準をBER≦6.2E-6と設定し、この品質よりも劣化した場合にデータを新規媒体に移動するとした場合、先ず評価値≦-25.5dBの装置を準備する。かかる装置を用いて信号品質を定期的にチェックし、BER>5.7E-7の場合に媒体の信号は劣化したと決定し、当該媒体のデータを新規媒体に複製する。これにより、データの信号品質は常に良好な状態を維持することが可能となり、データ消失は無くなる。かかるチェックは媒体を再生する際に実施すればよいが、毎回実施すると再生動作に時間がかかる場合や、再生する間隔が数年など長い場合には信号品質が劣化し過ぎてしまいデータが消失してしまう場合もある。そこで、チェックする時期は予め決めておいても良い。例えば、媒体の寿命が予め平均10年と分かっている場合には、1年毎にチェックすれば良い。上述では、データの信号品質を確認し、データ移動時期を決定する方法について述べたが、上記評価により媒体寿命の推定を行っても良い。例えば、評価値≦-25.5dB以下の装置を用いて保存データをチェックする毎にその信号品質と経過時間を記憶する。記憶した経過時間に対する信号品質を変化に基づきデータの寿命を推定する。例えば、経過時間とBERの対数値との関係を直線近似し、信号品質の閾値(BER≦5.7E-7)に到達する時間を決定する。これにより、媒体が後何年使用可能できるかを特定することができ、媒体が寿命に達する前にデータを新規媒体に移行することで、データ消失を無くすことが可能となる。また、本手法では媒体寿命が明確となるため、チェック間隔は媒体寿命に基づき決定することが可能となる。つまり、媒体寿命に比べ経過時間が短場合には定期チェックは実施せず、経過時間が寿命に近い場合には頻繁に定期チェックを実施し、定期チェックによる再生動作時間を短縮することが可能となる。
本実施例では、BDを対象とし、図11(a)の装置BD-1に対して再生性能の評価を行い、評価結果に基づき再生を実施した結果を示す。また、媒体の信号品質の評価も行い、評価結果に基づきデータ移動の判定を行った結果についても示す。実施例1と共通する手順に関しては本実施例では詳細は省略する。再生性能の評価において、再生性能の閾値はSER≦5.0E-4の信号品質を正しく評価できることとし、評価値の基準を8.7%以下とした。また、媒体のデータ移動の基準は信号品質≧1.0E-3とした。媒体としては、他の装置でデータを記録し、2年経過した媒体を使用した。
媒体の再生に先立ち、装置BD-1の再生性能の評価を実施した。評価は図12の手順に従って行い、ステップS1001ではノイズフィルタの算出を行った。今回、ノイズフィルタとしてi-MLSEの応答関数を使用した。i-MLSE応答関数を算出するため、各種周波数、強度のノイズが加算された評価用信号を制御部22から出力し、信号処理部24で再生信号処理を実施し、制御部22のノイズフィルタ算出部によってノイズフィルタの算出を行った。その結果図5と同様なノイズフィルタが取得された。ステップS1002では特定パターンの信号を記録する。今回、信号強度測定用のパターンとしてランダムパターンを、ノイズ測定用信号としては図2(a)のパターンを記録した。本評価ではBDXLTMを対象としているため、測定するトラックの2Tピュアトーン信号は光学分解能以下であり、その信号振幅は発生しない。これら信号は試し書き領域に記録した。信号強度測定用の信号は1クラスタ、ノイズ測定用の信号は光ディスクの約半周分記録した。これら信号の記録する長さは長い程測定するノイズが安定するが、短い場合でも評価は可能である。続くステップS1003においては信号強度及びノイズ量を測定する。信号強度はランダム信号の最大振幅として取得し、ノイズ量は図3(a)のパターンを再生し、再生信号を制御部22のノイズ算出部で処理することによって取得した。ノイズと信号強度の比の周波数特性とノイズフィルタを用い、ステップS1004では再生性能の評価値を算出する。ノイズと信号強度の比の周波数特性にi-MLSE応答のノイズフィルタを付加し、発生するi-MLSE量の周波数特性を式2で積分することによって評価値を算出した結果、評価値は7.7%であった。この結果に基づき、本装置が再生に使用可能か判定した結果、7.7%≦再生性能の基準値(8.7%)であることから、本装置は再生に使用可能であると判断された。そこで、本装置を用いて当該媒体のデータの再生を行った結果、その信号品質は媒体全面でのSERは2.4E-3以下であり、正常にデータを読み出すことができた。以上により、本再生性能の評価方法を用いることで、再生信号品質を良好に保つことができ、データの読出しが可能となることを確認できた。
次いで、当該媒体のデータを移動させるかの判定を行った。まず、当該再生装置が評価可能な信号品質の範囲を確認したところ、評価値が7.7%であるため、実施例1の結果から当該装置は少なくともSER≦5.6E-6の信号品質が正確に評価可能である。今回、データ移動判定における信号品質の基準はSER≧1.0E-3であるため、当該装置を用いて判定基準となる信号品質は正確に評価可能である。ここで、上述の通り当該装置を用いて媒体を再生した結果、媒体全面でのSERは2.4E-3以下であった。従って、当該媒体の信号品質はSER≦2.4E-3と決定された。この結果に基づき、データ移動を行うかの判定を行った結果、当該媒体の信号品質であるSERは2.4E-3≧データ移動判定の閾値(1.0E-3)であり、当該媒体のデータは直ちに新規媒体に移動させる必要があると判定された。そこで、当該装置を用いてデータを新規媒体に記録し直した。データを移動させた結果、新規媒体の信号品質は媒体全面でSER≦1.0E-5となり、データは当該新規媒体で保存可能と判断された。以上により、本再生性能の評価方法を用いることで、媒体の信号品質の劣化を適切に検出することが可能であり、検出結果に基づきデータを移動させることで、ユーザデータの消失を防ぐことが可能であることが確認できた。
10:光ディスク
12:スピンドルモータ
14:光ピックアップ部
16:レーザ光
18:エンコーダ
20:LD駆動部
22:制御部
24:信号処理部
26:デコーダ
12:スピンドルモータ
14:光ピックアップ部
16:レーザ光
18:エンコーダ
20:LD駆動部
22:制御部
24:信号処理部
26:デコーダ
Claims (15)
- 記録媒体に光照射することによって、所定パターンの記録信号を再生し、再生信号ノイズを測定するステップと、
前記再生信号ノイズに関する周波数特性を算出するステップと、
前記周波数特性に基づいて、評価値を算出するステップと、
前記評価値を用いて再生性能を評価するステップとを、
有することを特徴とする情報再生性能の評価方法。 - 前記周波数特性は、前記再生信号ノイズを信号強度で規格化した値を用いて算出されることを特徴とする請求項1記載の評価方法
- 前記所定パターンが記録された領域は、前記記録媒体の試し書き領域であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- 前記所定パターンは、隣接トラックにランダム信号が記録された、光学分解能未満の信号長の繰り返しパターンであることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- 前記所定パターンは、隣接トラックにランダム信号が記録された、線状の記録マークが記録されたパターンであることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- 前記所定パターンの記録信号には、前記信号強度測定用のランダム信号が含まれることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- 前記所定パターンの記録信号には、8T信号長のマークとスペースの繰り返しパターン信号が含まれることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- 前記評価値を算出するステップは、
前記周波数特性に所定のフィルタを作用させることで各周波数において生じるi-MLSE量を計算するステップと、
前記各周波数のi-MLSE量の二乗値の和の平方根を算出するステップとを、
含むことを特徴とする請求項1記載の評価方法。 - 前記評価値を算出するステップは、
前記周波数特性に所定のフィルタを作用させることで各周波数のノイズを計算するステップと、
前記各周波数のノイズの強度の和を算出するステップとを、
含むことを特徴とする請求項1記載の評価方法。 - 前記所定のフィルタは、
再生信号に各周波数及び強度のノイズを加算して評価用信号を生成し、
前記再生信号と前記評価用信号のi-MLSEの二乗値の差分の平方根として算出される各周波数及び強度のノイズによって生じるi-MLSE量である
ことを特徴とする請求項8記載の評価方法。 - 前記所定のフィルタは、
再生信号処理系の伝送特性による各周波数の強度の変化量である
ことを特徴とする請求項9記載の評価方法。 - 記録媒体に光照射するための光学系を有する光ピックアップ部と、
前記光ピックアップ部から出力された再生信号を処理する信号処理部と、
前記信号処理部からの信号に基づき、再生信号ノイズに関する周波数特性を算出するノイズ算出部と、前記周波数特性に基づいて評価指標を算出する再生性能評価部とを有する制御部とを
有することを特徴とする情報再生装置。 - 前記制御部は、更に、
再生信号に各周波数及び強度のノイズを加算して評価用信号を生成し、前記再生信号と前記評価用信号の変化量を算出するノイズフィルタ算出部
を有することを特徴とする請求項12記載の情報再生装置。 - 前記ノイズ算出部は、前記信号処理部におけるノイズの伝送特性から、前記周波数特性を算出する
ことを特徴とする請求項12記載の情報再生装置。 - 光照射によって得た再生信号から再生性能を評価するための情報記録媒体であって、
トラック方向に2mm以上の長さに渡って、光学分解能未満の長さのマーク長とスペース長の繰り返しパターン、または、線状の記録マークが記録された第1のトラックと、
前記第1のトラックに隣接し、トラック方向に2mm以上の長さに渡って、ランダムパターンが記録された第2のトラックと
を有することを特徴とする情報記録媒体。
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