JP2014115114A - 電流センサ機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号処理を簡素としつつ、電流の検出精度の低下が抑制された電流センサ機構を提供する。
【解決手段】交流電流の流れる導体(40)と、磁電変換素子(20)と、処理部(30)と、を有する電流センサ機構。導体は、交流電流の流れ方向に延び、流れ方向に直交する断面形状が縦方向よりも横方向に長い形状を成し、横方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第1磁電変換素子(21)と、縦方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第2磁電変換素子(22)と、を有し、導体の幾何学的中心(CG)から横方向に沿って離れる方向に、第1磁電変換素子と第2磁電変換素子が順に並んでおり、処理部は、表皮効果による第1磁電変換素子と第2磁電変換素子それぞれの出力信号の振る舞いの違いを補正するための補正係数(α)が乗算された第2磁電変換素子の出力信号でもって、第1磁電変換素子の出力信号を減算する。
【選択図】図3

Description

本発明は、被測定対象である交流電流の流れる導体と、交流電流の流動によって生じる磁界を電気信号に変換する磁電変換素子と、磁電変換素子の電気信号を処理する処理部と、を有する電流センサ機構に関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されるように、電流導体を流れる電流を測定する電流センサが記載されている。この電流センサは、電流が発生する磁界を検出する磁気センサと、磁気センサの出力値をデジタル値に変換するAD変換部と、電流導体に直流電流を流したときの磁気センサの出力値、及び、電流導体に交流電流を流したときの磁気センサの出力値に基づいて算出した補正係数を予め記憶する記憶部と、デジタル値、及び、補正係数に基づいて、電流導体に流れる電流の電流値を算出する演算部と、を備える。
電流導体を流れる電流の周波数が高くなると、表皮効果のために、電流導体内部の電流密度分布が変わり、磁気センサ位置での磁束密度値と位相とが変化する。そこで、特許文献1に記載の電流センサでは、デジタル値、及び、補正係数に基づくことで、表皮効果の影響を考慮して、電流導体を流れる電流を測定している。
特開2010−2277号公報
上記したように、特許文献1に示される電流センサでは、デジタル値、及び、補正係数に基づくことで、表皮効果の影響を考慮して、電流導体を流れる電流を測定している。そのため、信号処理が複雑だった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、信号処理を簡素としつつ、電流の検出精度の低下が抑制された電流センサ機構を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被測定対象である交流電流の流れる導体(40)と、交流電流の流動によって生じる磁界を電気信号に変換する磁電変換素子(20)と、磁電変換素子の電気信号を処理する処理部(30)と、を有する電流センサ機構であって、導体は、交流電流の流れ方向に延び、流れ方向に直交する横方向と縦方向とによって規定される規定平面の断面形状が、縦方向よりも横方向に長い形状を成し、磁電変換素子として、横方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第1磁電変換素子(21)と、縦方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第2磁電変換素子(22)と、を有し、規定平面における導体の幾何学的中心(CG)を縦方向に貫く基準線(BL)から、横方向に沿って離れる方向に、第1磁電変換素子と第2磁電変換素子が順に並んで、導体に搭載されており、処理部は、交流電流の周波数の増大によって導体に表皮効果が生じた場合における、第1磁電変換素子の出力信号と第2磁電変換素子の出力信号の振る舞いの違いを補正するための補正係数(α)を第2磁電変換素子の出力信号に乗算する乗算部(31)と、補正係数が乗算された第2磁電変換素子の出力信号でもって、第1磁電変換素子の出力信号を減算する減算部(32)と、を有することを特徴とする。
交流電流の周波数が、導体(40)に表皮効果が生じない程度である場合、交流電流の流動によって生じる磁界は、周波数に対して変動しない。そのため、第1磁電変換素子(21)と第2磁電変換素子(22)それぞれを貫く磁束は一定であり、それぞれの出力信号も一定である。ちなみに、右ねじの法則により、交流電流のために生じる磁界は、第1磁電変換素子(21)と第2磁電変換素子(22)それぞれを横方向に貫く。そのため、横方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第1磁電変換素子(21)の出力信号(以下、第1信号と示す)は、縦方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第2磁電変換素子(22)の出力信号(以下、第2信号と示す)よりも高くなる。
しかしながら、交流電流の周波数が、導体(40)に表皮効果が生じるほどに高まると、交流電流のために生じる磁界は、周波数に対して変動する。本発明では、導体(40)は、交流電流の流れ方向に直交する規定平面の断面形状が、縦方向よりも横方向に長い形状を成している。したがって、交流電流の周波数が高まり、導体(40)に表皮効果が生じると、導体(40)の幾何学的中心(CG)から横方向に離れた部位(以下、単に端部と示す)の電流密度の方が、導体(40)の幾何学的中心(CG)を流れ方向に含む部位(以下、単に中心と示す)の電流密度よりも高くなる。また、本発明では、導体(40)の幾何学的中心(CG)を縦方向に貫く基準線(BL)から、横方向に沿って離れる方向に、第1磁電変換素子(21)と第2磁電変換素子(22)が順に並んでいる。そのため、第1磁電変換素子(21)を横方向に貫く磁束密度が低下し、第2磁電変換素子(22)を横方向に貫く磁束密度が増大する。そして、詳しくは実施形態で述べるが、第1磁電変換素子(21)を横方向に貫く磁束密度(第1信号)の周波数に対する傾きと、第2磁電変換素子(22)を縦方向に貫く磁束密度(第2信号)の周波数に対する傾きとが共に直線状で負となることが、本発明者の研究によって明らかになっている。
そこで、本発明では、交流電流の周波数の増大によって導体(40)に表皮効果が生じた場合における、第1信号と第2信号の振る舞いの違いを補正するための補正係数(α)を第2信号に乗算する。これにより、第1信号の周波数に対する傾きと、第2信号の周波数に対する傾きとを同一にする。また、本発明では、補正係数(α)が乗算された第2信号でもって、第1信号を減算する。これにより、表皮効果に起因する第1信号と第2信号それぞれの周波数に対する傾きが一定とされた、表皮効果に依存しない信号が算出される。このように、本発明によれば、1つの補正係数(α)を第2信号に乗算し、補正係数(α)が乗算された第2信号でもって、第1信号を減算するだけで、表皮効果の影響が軽減され、電流の検出精度の低下が抑制される。以上、示したように、本発明に記載の電流センサ機構(100)によれば、信号処理が簡素であるにも関わらず、電流の検出精度の低下が抑制される。
上記発明において、補正係数は、一定値であり、乗算部は、第2磁電変換素子(22)の出力信号を補正係数だけ増幅するものである構成が好適である。これによれば、乗算部(31)が、AD変換部と、記憶部と、演算部と、を有する構成と比べて、部品点数が少なくなり、電流センサ機構(100)の体格の増大が抑制される。また、安価に電流センサ機構(100)を製造することができる。
また、乗算部は、減算部の出力信号の周波数に応じた補正係数を、第2磁電変換素子(22)の出力信号に乗算する構成も好適である。これによれば、減算部(32)の出力信号の周波数、すなわち、交流電流の周波数に応じた補正係数(α)を第2信号に乗算することができる。そのため、補正係数(α)が一定値である構成と比べて、より表皮効果に依存しない信号が算出される。そのため、電流の検出精度の低下が、より効果的に抑制される。
なお、上記した構成を実現する具体的な構成としては、乗算部は、減算部の出力信号の周波数を電圧に変換するFV変換回路(33)と、FV変換回路によって電圧に変換された減算部の出力信号の周波数と補正係数との対応関係が記憶された記憶部(34)と、FV変換回路の出力信号に対応する補正係数を記憶部から読み出し、読み出した補正係数を第2磁電変換素子の出力信号に乗算するCPU(35)と、を有する構成を採用することができる。
第1実施形態に係る電流センサ機構の概略構成を示す斜視図である。 半導体チップの概略構成を示す上面図である。 磁電変換素子と導体との位置を示す断面図である。 磁電変換素子と処理部を説明するためのブロック図である。 電流密度のx方向依存性を示すグラフ図である。 第1信号と第2信号それぞれの周波数依存性を示すグラフである。 検出信号の周波数依存性を示すグラフである。 規格化された検出信号の周波数依存性を示すグラフである。 電流センサ機構の変形例を示す斜視図である。 半導体チップの変形例を示す上面図である。 磁電変換素子と処理部の変形例を説明するためのブロック図である。 補正係数と電圧の関係を示すグラフ図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図8に基づいて、第1実施形態に係る電流センサ機構を説明する。以下においては、互いに直交する3方向をx方向、y方向、z方向と示す。また、x方向とy方向とによって規定される平面をx−y平面、x方向とz方向とによって規定される平面をx−z平面と示す。ちなみに、x方向、y方向、z方向が、特許請求の範囲に記載の横方向、流れ方向、縦方向に相当し、x−z平面が、特許請求の範囲に記載の規定平面に相当する。
図1及び図2に示すように、電流センサ機構100は、要部として、被測定対象である交流電流の流れる導体40と、交流電流の流動によって生じる磁界(以下、被測定磁界と示す)を電気信号に変換する磁電変換素子20と、磁電変換素子20の電気信号を処理する処理部30と、を有する。本実施形態では、磁電変換素子20と処理部30それぞれは1つの半導体チップ10に形成されており、半導体チップ10は、導体40に搭載されている。
半導体チップ10は、シリコン基板であり、その一面10aに、磁電変換素子20と処理部30それぞれが形成されている(以下、一面10aを形成面10aと示す)。そして、図3に示すように、形成面10aの裏面10bが、導体40におけるx−y平面に沿う搭載面40aに搭載され、形成面10aが、x−y平面に沿っている。
磁電変換素子20は、ホール素子であり、x方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第1磁電変換素子21と、z方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第2磁電変換素子22と、を有する。第1磁電変換素子21は、形成面10aをx方向に沿う磁界を検出する横型ホール素子であり、第2磁電変換素子22は、形成面10aをz方向に直交する磁界を検出する縦型ホール素子である。図3に示すように、第1磁電変換素子21と第2磁電変換素子22は、x−z平面における導体40の幾何学的中心CGをz方向に貫く基準線BLから、x方向に沿って離れる方向に順に並んで、導体40に搭載されている。本実施形態では、x方向において、第1磁電変換素子21が基準線BLと同位置にあり、第2磁電変換素子22が基準線BLよりもx方向に所定距離離れている。
処理部30は、図4に示すように、交流電流の周波数の増大によって導体40に表皮効果が生じた場合における、第1磁電変換素子21の出力信号(以下、単に第1信号と示す)と第2磁電変換素子22の出力信号(以下、単に第2信号と示す)の振る舞いの違いを補正するための補正係数αを第2信号に乗算する乗算部31と、補正係数αが乗算された第2信号(以下、補正信号と示す)でもって、第1信号を減算する減算部32と、を有する。減算部32からは、補正信号によって第1信号が減算された検出信号が出力され、この検出信号が、出力端子50を介して、外部に出力される。
本実施形態において、補正係数αは、一定値であり、乗算部31は、第2磁電変換素子22の出力信号を補正係数αだけ増幅するアンプである。また、減算部32は、差動増幅回路であり、その増幅率は、用途に応じて決定される。図4に示すように、第1磁電変換素子21が、減算部32の非反転入力端子に接続され、第2磁電変換素子22が、乗算部31を介して、減算部32の反転入力端子に接続されている。これにより、減算部32の出力端子から、補正信号によって第1信号が減算された検出信号が出力される。
ちなみに、補正係数αの値は、電流センサ機構100の製造段階において、減算部32の出力信号(検出信号)の周波数依存性を観測し、その観測値に基づいて、検出信号が周波数に依存しなくなるように、決定される。
導体40は、図1に示すように、y方向に延びた形状を成し、y方向に交流電流が流れるものである。図3に示すように、導体40におけるx−z平面の断面形状は、z方向よりもx方向に長い形状を成している。より詳しく言えば、本実施形態に係る導体40は、x−z平面の断面形状が、z方向よりもx方向に長い長方形となっている。なお、図1に示す一点鎖線は、導体40の幾何学的中心CGをy方向に貫く中心線CLである。
次に、交流電流の周波数に対する第1信号と第2信号それぞれの振る舞いを図5、及び、図6に基づいて説明する。ちなみに、図5に示す一点鎖線は、幾何学的中心CGのx方向での位置を示し、図6に示す一点鎖線は、導体40に表皮効果が生じ始める交流電流の周波数を示している。交流電流の周波数が、導体40に表皮効果が生じない程度である場合、交流電流のために生じる磁界(被測定磁界)は、周波数に対して変動しない。そのため、磁電変換素子21,22それぞれを貫く磁束は一定であり、第1信号と第2信号も一定である。しかしながら、交流電流の周波数が、導体40に表皮効果が生じるほどに高まると、被測定磁界は、周波数に対して変動する。
上記したように、第1磁電変換素子21と第2磁電変換素子22は、基準線BLからx方向に沿って離れる方向に順に並んで、導体40に搭載されている。そのため、右ねじの法則により、被測定磁界は、磁電変換素子21,22それぞれをx方向に貫く。上記したように、第1磁電変換素子21は、x方向に沿う磁界のみを電気信号に変換し、第2磁電変換素子22は、z方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する。そのため、図6に示すように、第1信号は、第2信号よりも高くなっている。
磁電変換素子21,22をx方向に貫く被測定磁界の強さは、導体40をy方向に流れる交流電流の電流密度に依存する。交流電流の周波数が導体40に表皮効果が生じない程度の場合、図5に実線で示すように、導体40の幾何学的中心CGをy方向に含む部位(以下、単に中心と示す)の電流密度、及び、導体40の幾何学的中心CGからx方向に離れた部位(以下、単に端部と示す)の電流密度それぞれは、一定である。これに対して、交流電流の周波数が導体40に表皮効果が生じる程度の場合、図5に破線で示すように、導体40の中心の電流密度は低下し、導体40の端部の電流密度が増大する。したがって、導体40に表皮効果が生じない場合、第1磁電変換素子21をx方向に貫く磁束は、一定であるが、導体40に表皮効果が生じる場合、第1磁電変換素子21をx方向に貫く磁束は、低減する。このため、x方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第1磁電変換素子21の出力信号(第1信号)は、図6に示すように、導体40に表皮効果が生じない場合、一定であるが、導体40に表皮効果が生じる場合、周波数に依存して低減する。
これに対して、第2磁電変換素子22は、z方向に沿う磁界のみを電気信号に変換するものである。そのため、y方向の電流密度変化には、依存しない。しかしながら、図示しないが、導体40に表皮効果が生じない場合、第2磁電変換素子22をz方向に貫く磁束は、一定であるが、導体40に表皮効果が生じる場合、第2磁電変換素子22をz方向に貫く磁束は、低減する。したがって、z方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第2磁電変換素子22の出力信号(第2信号)は、図6に示すように、導体40に表皮効果が生じない場合、一定であるが、導体40に表皮効果が生じる場合、周波数に依存して低減する。このように、第1信号と第2信号とは、表皮効果(交流電流の周波数)に対して、同様の振る舞いを示す。具体的に言えば、図6に示すように、表皮効果が生じた場合における、第1信号の交流電流の周波数に対する傾きと、第2信号の交流電流の周波数に対する傾きとが共に直線状で負の振る舞いを示す。
なお、上記では、導体40をy方向に流れる交流電流の電流密度、及び、第1信号と第2信号それぞれは、交流電流の周波数が導体40に表皮効果が生じない程度の場合、一定である旨を記した。しかしながら、導体40に表皮効果が生じない場合であっても、導体40に渦電流が生じる。そのため、図6に示すように、厳密に言えば、導体40をy方向に流れる交流電流の電流密度、及び、第1信号と第2信号それぞれは、交流電流の周波数が導体40に表皮効果が生じない程度の場合であっても、一定ではない。
次に、本実施形態に係る電流センサ機構100の作用効果を図7、及び、図8に基づいて説明する。なお、図7、及び、図8それぞれに示す一点鎖線は、導体40に表皮効果が生じる交流電流の周波数を示している。
上記したように、第1信号と第2信号それぞれは、交流電流の周波数が表皮効果を生じない程度である場合、一定であり、交流電流の周波数が表皮効果を生じる程度に高まると、周波数に対する傾きが共に直線状に負となる。そこで、本実施形態では、処理部30の乗算部31にて、交流電流の周波数の増大によって導体40に表皮効果が生じた場合における、第1信号と第2信号の振る舞いの違いを補正するための補正係数αを第2信号に乗算する。これにより、第1信号の周波数に対する傾きと、第2信号の周波数に対する傾きとを同一にする。また、減算部32にて、補正係数αが乗算された第2信号(補正信号)でもって、第1信号を減算する。これにより、表皮効果に起因する第1信号と第2信号それぞれの周波数に対する傾きが一定とされた、表皮効果に依存しない検出信号が算出される(図7参照)。
図8に、交流電流の周波数が1Hzの時の検出信号の値を1として規格化した検出信号を示す。これによれば、表皮効果が生じる程度に交流電流の周波数が高まったとしても、表皮効果による誤差が、10%程度に抑えられることが分かる。
このように、1つの補正係数αを第2信号に乗算し、補正係数が乗算された第2信号(補正信号)でもって、第1信号を減算するだけで、表皮効果の影響が軽減され、電流の検出精度の低下が抑制される。以上、示したように、本実施形態に係る電流センサ機構100によれば、信号処理が簡素であるにも関わらず、電流の検出精度の低下が抑制される。
乗算部31は、第2磁電変換素子22の出力信号を補正係数αだけ増幅するアンプである。これによれば、乗算部31が、AD変換部と、記憶部と、演算部と、を有する構成と比べて、部品点数が少なくなり、電流センサ機構100の体格の増大が抑制される。また、安価に電流センサ機構100を製造することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態では、磁電変換素子20がホール素子である例を示した。しかしながら、磁電変換素子20としては、上記例に限定されず、トンネル磁気抵抗効果素子、巨大磁気抵抗効果素子(GMR)、若しくは、AMRを採用することもできる。
本実施形態では、第2磁電変換素子22が縦型ホール素子である例を示した。しかしながら、第2磁電変換素子22としては、横型ホール素子を採用することもできる。この場合、図9、及び、図10に示すように、半導体チップ10における形成面10aとその裏面10bとを連結する側面10cが、導体40に搭載される。
本実施形態では、補正係数αが一定値である例を示した。しかしながら、補正係数αとしては、上記例に限定されず、検出信号の周波数(交流電流の周波数)に応じた補正係数αを採用することもできる。この場合、乗算部31は、交流電流の周波数に応じた補正係数αを、第2信号に乗算する。これによれば、補正係数αが一定値である構成と比べて、検出信号が、より表皮効果に依存しなくなる。そのため、電流の検出精度の低下が、より効果的に抑制される。
なお、上記構成を実現する具体的な構成としては、図11に示す構成を採用することができる。すなわち、乗算部31が、FV変換回路33と、記憶部34と、CPU35と、を有する構成を採用することができる。FV変換回路33は、減算部32の出力信号の周波数(検出信号の周波数)を電圧に変換し、その電圧をCPU35に出力する。記憶部34には、FV変換回路33によって電圧に変換された検出信号の周波数と補正係数αとの対応関係が記憶されている。CPU35は、FV変換回路33の出力信号に対応する補正係数αを記憶部34から読み出し、読み出した補正係数αを第2磁電変換素子22の出力信号に乗算し、補正信号を生成する。そして、CPU35は、生成した補正信号を、減算部32に出力する。
参考として、記憶部34に記憶された、補正係数αとFV変換回路33によって電圧に変換された検出信号の周波数(交流電流の周波数)との関係を、図12に示す。図12に示すように、補正係数αは、交流電流の周波数が低い場合、一定であり、交流電流の周波数が、導体40に表皮効果が生じるほどに大きくなると、それに応じて増大する値となっている。
本実施形態では、x方向において、第1磁電変換素子21が基準線BLと同位置にあり、第2磁電変換素子22が基準線BLよりもx方向に所定距離離れている例を示した。しかしながら、第1磁電変換素子21と第2磁電変換素子22は、x−z平面における導体40の幾何学的中心CGをz方向に貫く基準線BLから、x方向に沿って離れる方向に順に並んでいればよく、x方向において、第1磁電変換素子21が基準線BLと同位置になくとも良い。
本実施形態では、導体40におけるx−z平面の断面形状が長方形である例を示した。しかしながら、導体40におけるx−z平面の断面形状としては、上記例に限定されず、z方向よりもx方向に長い形状であればよい。例えば、表皮効果を緩和するために、導体40の角部にRが設けられた構成を採用することもできる。
20・・・磁電変換素子
21・・・第1磁電変換素子
22・・・第2磁電変換素子
30・・・処理部
31・・・乗算部
32・・・減算部
40・・・導体
100・・・電流センサ機構

Claims (7)

  1. 被測定対象である交流電流の流れる導体(40)と、
    前記交流電流の流動によって生じる磁界を電気信号に変換する磁電変換素子(20)と、
    前記磁電変換素子の電気信号を処理する処理部(30)と、を有する電流センサ機構であって、
    前記導体は、前記交流電流の流れ方向に延び、前記流れ方向に直交する横方向と縦方向とによって規定される規定平面の断面形状が、前記縦方向よりも前記横方向に長い形状を成し、
    前記磁電変換素子として、前記横方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第1磁電変換素子(21)と、前記縦方向に沿う磁界のみを電気信号に変換する第2磁電変換素子(22)と、を有し、
    前記規定平面における前記導体の幾何学的中心(CG)を前記縦方向に貫く基準線(BL)から、前記横方向に沿って離れる方向に、前記第1磁電変換素子と前記第2磁電変換素子が順に並んで、前記導体に搭載されており、
    前記処理部は、前記交流電流の周波数の増大によって前記導体に表皮効果が生じた場合における、前記第1磁電変換素子の出力信号と前記第2磁電変換素子の出力信号の振る舞いの違いを補正するための補正係数(α)を前記第2磁電変換素子の出力信号に乗算する乗算部(31)と、前記補正係数が乗算された前記第2磁電変換素子の出力信号でもって、前記第1磁電変換素子の出力信号を減算する減算部(32)と、を有することを特徴とする電流センサ機構。
  2. 前記補正係数は、一定値であり、
    前記乗算部は、前記第2磁電変換素子の出力信号を前記補正係数だけ増幅するものであることを特徴とする請求項1に記載の電流センサ機構。
  3. 前記乗算部は、前記減算部の出力信号の周波数に応じた補正係数を、前記第2磁電変換素子の出力信号に乗算することを特徴とする請求項1に記載の電流センサ機構。
  4. 前記乗算部は、前記減算部の出力信号の周波数を電圧に変換するFV変換回路(33)と、前記FV変換回路によって電圧に変換された前記減算部の出力信号の周波数と前記補正係数との対応関係が記憶された記憶部(34)と、前記FV変換回路の出力信号に対応する補正係数を前記記憶部から読み出し、読み出した前記補正係数を前記第2磁電変換素子の出力信号に乗算するCPU(35)と、を有することを特徴とする請求項3に記載の電流センサ機構。
  5. 前記磁電変換素子と前記処理部は、1つの半導体チップ(10)に形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の電流センサ機構。
  6. 前記半導体チップにおける前記磁電変換素子と前記処理部それぞれが形成された形成面(10a)の裏面(10b)が、前記導体に搭載されていることを特徴とする請求項5に記載の電流センサ機構。
  7. 前記半導体チップにおける前記磁電変換素子と前記処理部それぞれが形成された形成面とその裏面とを連結する側面(10c)が、前記導体に搭載されていることを特徴とする請求項5に記載の電流センサ機構。
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