JP2014115081A - 物理量センサ - Google Patents

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尚信 大川
Hisayuki Yazawa
久幸 矢澤
Katsuya Kikuiri
勝也 菊入
Toru Takahashi
亨 高橋
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Abstract

【目的】 特に可動部の構成を改良することで可動部の変形を抑制した物理量センサを提供することを目的としている。
【解決手段】 高さ方向に変位可能な可動部2と、可動部2の変位を検知するためのZ方向検知部と、可動部2内に設けられたZ方向検知部50,51とを有し、可動部2の左右方向(X1−X2)の両端部22,23は、可動部2に作用するモーメントの支点を構成しており、可動部2には両端部22,23を左右方向に繋ぐ梁部24が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン基板から切り出すなどして形成された可動部の高さ方向への変位量を検知し、これにより、外部から作用する加速度などの物理量の測定を可能とした物理量センサに関する。
例えば、物理量センサは、シリコン基板をエッチング処理して、高さ方向に変位可能に支持された可動部と、可動部の変位を検知するためのZ方向検知部とを備える。
本出願人は、この種の物理量センサを過去において出願している(特許文献1〜3)。これら特許文献では、可動部が高さ方向に平行移動可能に支持されている。
国際公開第2010/140468号のパンフレット 国際公開第2010/140574号のパンフレット 国際公開第2010/001947号のパンフレット
Z軸方向検知部とともに、可動部内にX軸検知部(X軸センサ)を備えた構成(後述する比較例を参照)では、可動部の剛性が低下し物理量の作用により変形しやすい問題があった。例えば、特許文献1に示すように可動部の高さ方向への変位を規制する脚部を設けた構成では、高ダイナミックレンジに対応するため脚部の長さ寸法を長くするには可動部の長さ寸法を長くすることが必要となり、その結果、可動部の剛性がますます低下して可動部がさらに変形しやすくなっていた。
このように可動部が変形することで感度に影響を与え、検出精度が低下する問題が生じた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであって、特に可動部の構成を改良することで可動部の変形を抑制した物理量センサを提供することを目的としている。
本発明における物理量センサは、
変位可能な可動部と、前記可動部の高さ方向への変位を検知するための第1の検知部と、前記高さ方向に対して直交する前後方向あるいは左右方向への少なくともいずれか一方への変位を検知するための前記可動部内に設けられた第2の検知部と、を有し、
前記可動部の前記左右方向の両端部は、前記可動部に作用するモーメントの支点を構成しており、
前記可動部には前記両端部間を左右方向と平行な方向に繋ぐ梁部が設けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、左右方向に梁部を設けることで、モーメントの支点となる両端部間を繋ぐ左右方向に可動部の質量を適切に分配でき、これにより可動部の変形を適切に抑制することが可能になる。
本発明では、前記梁部の幅は、前記梁部の左右方向における中央部のほうが、前記中央部の両端部よりも細いことが好ましい。このように、支点から遠い中央部における梁部を細くして梁部の両端部よりも質量を小さくすることで、より効果的に可動部の変形を抑制することが可能になる。
また本発明では、前記可動部の前記高さ方向への変位に対して逆方向に変位して前記可動部の高さ方向への変位を規制する規制部を備え、前記可動部が前記規制部により規制された状態で前記可動部の両端部が前記支点として機能する構成にでき、この構成に対して特に可動部の変形を適切に抑制することができる。
また本発明では、前記可動部の前後方向の両側に固定支持されたアンカ部が設けられ、前記アンカ部と前記可動部との間に回動自在に連結した前記規制部としての脚部が前記左右方向に向けて設けられており、前記脚部は、前記可動部が高さ方向に変位したときに前記可動部の変位方向に対し逆方向に変位することが好ましい。本発明では高ダイナミックレンジに対応すべく、左右方向に向けて設けられた脚部の長さ寸法を長くすべく、可動部の中心(重心)から両端部までの長さ寸法を長く形成しても、梁部を左右方向に設けることで可動部の剛性を高めることができ、可動部の変形を抑制することが可能である。
また本発明では、前記第2の検知部は、前記左右方向への変位を検知するための左右方向検知部であり、前記左右方向検知部が前記梁部の前後方向の両側に配置されている構成にできる。
本発明の構成によれば、モーメントの支点となる両端部間を繋ぐ左右方向に可動部の質量を適切に分配でき、これにより可動部の変形を抑制することが可能になる。
図1は、本発明の第1の実施形態における物理量センサの平面図である。 図2は、本実施形態の物理量センサが静止している状態を示す斜視図である。 図3は、本実施形態の物理量センサが動作している状態を示す斜視図である。 図4は、本実施形態の物理量センサが図3とは逆向きに動作している状態を示す。 図5は、本実施形態における物理量センサの正面図である。 図6は、比較例における物理量センサの平面図である。 図7(a)は、比較例の物理量センサにおける支点及びモーメントを示す模式図であり、図7(b)は、実施例の物理量センサにおける支点及びモーメントを示す模式図である。 図8は、実施例及び比較例における可動部(錘)の変形量を示すグラフである。 図9は、本発明の第2の実施形態における物理量センサの平面図である。
各図に示す物理量センサに関しては、X方向が左右方向であり、X1方向が左方向でX2方向が右方向、Y方向が前後方向であり、Y1方向が後方でY2方向が前方である。また、Y方向とX方向の双方に直交する方向が上下方向(Z方向;高さ方向)である。
図1に示す物理量センサ1は、長方形の平板状のシリコン基板8から形成されている。すなわち、シリコン基板8に、各部材の形状に対応する平面形状のレジスト層を形成し、レジスト層が存在していない部分で、シリコン基板をディープRIE(ディープ・リアクティブ・イオン・エッチング)などのエッチング工程で切断することで、各部材を分離している。したがって、物理量センサ1を構成する各部材は、シリコン基板の表面と裏面の厚みの範囲内で構成されている。
図1に示すように、物理量センサ1には、シリコン基板8の中央領域に可動部2が形成されている。
図1に示すように可動部2の前後方向(Y1−Y2)の両側に第1のアンカ部6,6が配置されている。一対の第1のアンカ部6,6は前後方向で対向している(前後方向の線上に一致している)。また各第1のアンカ部6,6の左側(X1)には夫々、第2のアンカ部7,7が配置されている。一対の第2のアンカ部7,7は前後方向で対向している(前後方向の線上に一致している)。
図1に示すように、一対の第1のアンカ部6,6には夫々、左右方向(X1−X2)に延出する第1の支持部3,4が第1のばね部11,11を介して回動自在に連結されている。ここで「左右方向に延出する」とは支持部3,4の基本的な延出方向を指し、第1の支持部3のように前後方向等に折り曲がる部分があってもよい。第1のアンカ部6,6には第1のばね部11の形成領域に切欠部が形成され、その切欠部内に前後方向(Y1−Y2)に直線状に延びる第1のばね部11が、第1のアンカ部6,6と第1の支持部3,4との間を連結している。第1のばね部11は、第1のアンカ部6,6及び第1の支持部3,4と一体で形成される。第1のばね部11は、第1の支持部3,4に比べて十分に狭い幅寸法で形成され、弾性変形可能な部分となっている。一方、第1の支持部3,4の剛性は高くなっている。
図1に示すように第1の支持部3,4の第1のアンカ部6よりも左方(X1)に第1の脚部3a,4aが設けられている。第1の脚部3a,4aは可動部2の高さ方向への変位を抑制する規制部として機能する。
図1に示すように、前方(Y2)に位置する第1の支持部3は、第1のアンカ部6と可動部2との間を通るように折れ曲がりながら左右方向に延びて形成されている。また後方(Y1)に位置する第1の支持部4は、第1のアンカ部6の外側を通って左右方向に直線状(帯状)に形成される。
図1に示すように一対の第1の支持部3,4は、可動部2の前方及び後方の各側方にて延在し、さらに可動部2の右側方(X2)にて前後方向(Y1−Y2)に延びる第1の連結部5に連結されて一体化している。
また図1に示すように一対の第1の支持部3,4は夫々、可動部2と第2のばね部9,9を介して連結されている。第2のばね部9,9は、可動部2の前方側面の右側、及び後方側面の右側に夫々設けられている。
第2のばね部9は、可動部2に設けられた前後方向に細長い溝内に配置され、可動部2と第1の支持部3との間を連結している。第2のばね部9は、前記溝内で前後方向(Y1−Y2)に直線状に長く形成され、また折り返されて、可動部2と第1の支持部3との間を連結している。第2のばね部9は、第1の支持部3に比べて幅寸法が十分小さく、第2のばね部9は、弾性変形可能とされている。第2のばね部9は、可動部2及び第1の支持部3と一体に形成される。
このように第1の支持部3,4は、可動部2と第1のアンカ部6とに夫々、ばね部9,11を介して連結されている。ばね部9,11は捩れ変形可能とされており、これにより第1の支持部3,3を高さ方向に回動させることが可能となっている。
また、図1に示すように、一対の第2のアンカ部7,7には夫々、左右方向(X1−X2)に延びる第2の支持部13,14が第3のばね部15,15を介して回動自在に連結されている。第2のアンカ部7,7には第3のばね部15の形成領域に切欠部が形成され、その切欠部内に前後方向(Y1−Y2)に直線状に延びる第3のばね部15が、第2のアンカ部7と第2の支持部13,14との間を連結している。第3のばね部15は、第2のアンカ部7と第2の支持部13,14と一体で形成される。第3のばね部15は、第2の支持部13,14に比べて十分に狭い幅寸法で形成され、弾性変形可能な部分となっている。一方、第2の支持部13,14の剛性は高くなっている。
図1に示すように第2の支持部13,14には第2のアンカ部7,7よりも右方(X2)に第2の脚部13a,14aが設けられている。第2の脚部13a,14aは可動部2の高さ方向への変位を抑制する機能を備える。
図1に示すように、可動部2の前方(Y2)に位置する第2の支持部13は、第2のアンカ部7の外側を通って左右方向(X1−X2)に直線状(帯状)に延出している。
また、可動部2の後方(Y1)に位置する第2の支持部14は、第2のアンカ部7と可動部2との間を通るように折れ曲がりながら左右方向に延びて形成されている。
可動部2の前方(Y2)及び後方(Y1)の夫々に形成された第1の支持部3,4と第2の支持部13,14は、第1のアンカ部6及び第2のアンカ部7が介在する領域を除き、微小隙間を介して相対向した状態で左右方向に延びている。
可動部2の前方(Y2)に配置された第1の支持部3及び第2の支持部13と、可動部2の後方(Y1)に配置された第1の支持部4及び第2の支持部14とは互いに、可動部2(シリコン基板8)の中心(重心)Oを中心軸として180度回転させた形態と同じとなっている。このため図1に示すように、第1の支持部3は、第2の支持部14と可動部2(シリコン基板8)の中心Oを中心軸として180度回転させた形態と同じとなっており、また、第1の支持部4は、第2の支持部13と可動部2(シリコン基板8)の中心Oを中心軸として180度回転させた形態と同じとなっている。
図1に示すように一対の第2の支持部13,14は、可動部2の前方及び後方の各側方にて左右方向に延在し、さらに可動部2の左側方(X1)にて前後方向(Y1−Y2)に延びる第2の連結部16に連結されて一体化している。
また図1に示すように一対の第2の支持部13,14は夫々、可動部2と第4のばね部17,17を介して連結されている。第4のばね部17,17の形態は第2のばね部9,9と同様である。 第4のばね部17,17は、可動部2の前方側面の左側、及び後方側面の左側に夫々設けられている。
このように第2の支持部13,14は、可動部2と第2のアンカ部7とに夫々ばね部15,17を介して連結されている。ばね部15,17は捩れ変形可能とされており、これにより第2の支持部13,14を高さ方向に回動させることが可能となっている。
図1に示すように、第1のアンカ部6と第2のアンカ部7との間には左右方向(X1−X2)に間隔を空けて前後方向(Y1−Y2)に延びる隙間が形成され、この隙間内に、第1の支持部3と第2の支持部13との間を連結する連結ばね21が設けられている。また、同様に第1の支持部4と第2の支持部14との間を連結する連結ばね21が設けられている。
図1に示すように、連結ばね21は、可動部2(シリコン基板8)の中心(重心)Oを通る前後方向(Y1−Y2)の線上に位置している。また、図1に示すように連結ばね21と第1のばね部11との間の左右方向(X1−X2)の距離、及び連結ばね21と第3のばね部15との間の左右方向(X1−X2)の距離は同じとなっている。
第1のアンカ部6及び第2のアンカ部7は、図5に示す固定部(支持基板)30に固定支持される。この固定部30は例えばシリコン基板であり、各アンカ部6、7と固定部30との間には図示しない酸化絶縁層(SiO層)が介在している。固定部30、酸化絶縁層、及び図1に示す可動部2、支持部3,4,13,14、アンカ部6,7及び各ばねを構成するシリコン基板8は、例えばSOI基板である。
図1に示す可動部2、各支持部3,4,13,14及び各アンカ部6,7は夫々分離して形成されている。このうち、各アンカ部6,7と固定部30との間には上記した酸化絶縁層が介在し、各アンカ部6,7が固定部30に固定支持された状態になっているが、可動部2及び各支持部3,4,13,14と、固定部30との間には酸化絶縁層は存在せず、可動部2及び各支持部3,4,13,14と固定部30との間は空間となっている。
図5に示すように、物理量センサ1には、可動部2と高さ方向にて離れた一方に固定部30と他方に対向部40が設けられる。対向部40の表面には固定電極41が設けられる。固定電極41と可動部2とは高さ方向(Z)にて相対向している。可動部2と固定電極41とでZ方向検知部(第1の検知部)を構成している。
対向部40は例えばシリコン基板であり、固定電極41は、対向部40の表面40aに絶縁層を介して導電性金属材料をスパッタしまたはメッキすることで形成されている。
また、可動部2の表面(下面)2aには、固定電極41に対面する可動電極(図示しない)が絶縁層を介してスパッタやメッキ工程で形成されている。あるいは、可動部2が、低抵抗シリコン基板などの導電性材料で形成されている場合には、可動部2それ自体を可動電極として使用することが可能である。
可動部2の構成について説明する。
可動部2は、図1に示すように、左右方向(X1−X2)の両側に位置する左端部22及び右端部23と、両端部22,23間を左右方向(X1−X2)と平行な方向に繋ぐ梁部24と、梁部24の前後方向(Y1−Y2)の両側に設けられたX方向検知部(第2の検知部)50の可動電極52と、を有して構成される。両端部22,23では、前後方向(Y1−Y2)に延出して第2のばね部9あるいは第4のばね部17に連結する連結部22a,23aが設けられている。
図1に示すように梁部24は、前後方向(Y1−Y2)に所定の幅寸法を有して左右方向(X1−X2)に帯状に形成される。図1では梁部24は、中央部24aでT1の幅寸法を有し、中央部24aの両側の両側部24b,24bで、T1よりも大きい幅寸法T2を有している。梁部24は可動部2の中で一番、幅寸法が広い部分となっている。梁部24の幅寸法T1,T2は、50〜200μm程度であり、梁部24の左右方向への長さ寸法は、200〜750μm程度である。
図1に示すように梁部24の中央部24aの前後方向(Y1−Y2)の両側にX方向検知部50,51が形成されている。梁部24の両側部24b,24bの前後方向(Y1−Y2)の両側には検査部25〜28が設けられている。
X方向検知部50,51は、複数本の可動電極52と複数本の固定電極53とで構成される。各可動電極52は、梁部24と一体となって形成されている。なお図1に示す全ての可動電極52及び固定電極53に対して符号を付していない。以下に説明する符号56、57、60〜63,65〜68についても同様である。
一方、各固定電極53は、固定支持されたアンカ部54、及びアンカ部54から左右方向(X1−X2)に延出する延出部55に一体となって形成されている。
図1に示すように各可動電極52及び各固定電極53は、前後方向(Y1−Y2)に延出する支持部56,60と、各支持部56,60から左方向(X1)あるいは右方向(X2)に短く突出する複数の櫛歯状電極子57,61とを有して構成される。可動電極52を構成する櫛歯状電極子57と、固定電極53を構成する櫛歯状電極子61とは、前後方向(Y1−Y2)に交互に配置されている。
なおX方向検知部50,51の構成は図1に限定されるものでなく、対向平板型として櫛歯状電極子がない構成等とすることも可能である。
可動部2が左右方向(X1−X2)に移動することで、X方向検知部50,51の可動電極52も左右方向(X1−X2)に移動する。これにより可動電極52と固定電極53との間の静電容量が変化し、静電容量変化に基づいて左右方向に生じた加速度等を検出することができる。
図1に示すように、可動部2に設けられた検査部25〜28もまた、X方向検知部50,51と同様に、複数本の可動電極62と複数本の固定電極63とを有して構成される。各固定電極63はアンカ部64に支持されている。また検査部25〜28を構成する各可動電極62及び各固定電極63は、前後方向(Y1−Y2)に延出する支持部65,66と、各支持部65,66から左方向(X1)あるいは右方向(X2)に短く突出する櫛歯状電極子67,68を有して構成される。可動電極62を構成する櫛歯状電極子67と、固定電極63を構成する櫛歯状電極子68とは、前後方向(Y1−Y2)に交互に配置されている。
ただし検査部25〜28における可動電極62及び固定電極63の配置は、X方向検知部50,51における可動電極52及び固定電極53の配置と逆になっており、X方向検知部50,51における可動電極52と固定電極53とが近づく方向に移動した場合、検査部25〜28における可動電極62と固定電極63とは離れる方向に移動するようになっている。
検査部25〜28は、X方向検知部50,51に対するダイナミックレンジ及び感度を確認するための検査領域である。X方向検知部50,51における可動電極52及び固定電極53の配置は、差動出力型ではなく、すべてが同じ配置とされた単相型とされている。すなわち、すべての可動電極52と固定電極53とが離れる方向か、近づく方向に移動できるようになっている。よって、図1に示す構成では、検査電圧を印加してX方向検知部50,51におけるすべての可動電極52と固定電極53とをクーロン力で引っ張ることはできるが、可動電極と固定電極とを離す方向に移動させることはできないので、X方向検知部50,51における可動電極52と固定電極53との配置に対して逆の配置となる検査部25〜28を設けた。これにより、ダイナミックレンジ及び感度を確認する検査時、X方向検知部50,51にて可動電極52と固定電極53とが近づく方向への検査と、検査部25〜28にて可動電極62と固定電極63とが離れる方向への検査とを行うことができる。
図2は図1に示す物理量センサの静止状態における斜視図である。
図3、図4は物理量センサ1に高さ方向への加速度が作用した際の動作状態における斜視図である。
なお図2ないし図4において、各ばね部や各櫛歯状電極子については図面から省略した。
図2に示すように、物理量センサが静止状態のときに、表面全体と裏面全体が夫々、同一面上に位置しており、表面及び裏面から突出する部分がない。図2に示す静止状態において可動部2と固定部30(図5参照)との間の間隔は、例えば、1〜5μm程度である。また、可動部2と対向部40との間の間隔は、可動部2と固定部30との間の間隔と同程度かあるいはそれよりも狭く設定される。
本実施形態の物理量センサ1は、外部から力(加速度等)が作用していないときに、ばね部の弾性復元力により、図2に示すように、全ての部分の表面が同一平面となった状態を維持している。
物理量センサ1に外部から例えば加速度が高さ方向に与えられると、加速度は、可動部2及び各アンカ部6,7に作用する。このとき、可動部2は慣性力によって絶対空間内で留まろうとし、その結果、各アンカ部6,7に対して可動部2が加速度の作用方向と逆の方向へ相対的に移動する。
図3は、アンカ部6,7、固定部30及び対向部40に対して下向きの加速度が作用したときの動作を示している。このとき、可動部2は慣性力により図2の静止状態の位置から上方向へ向けて変位すべく、第1支持部3,4及び第2支持部13,14が高さ方向に回動する。この回動動作時、各ばね部が捩れ変形する。
図3に示すように、各支持部3,4,13,14の脚部3a,4a,13a,14aは下方に変位し、各脚部3a,4a,13a,14aの先端は可動部2よりも下方に突出する。なお図3には脚部3a,13aが図示され、脚部4a,14aは見えていない。
脚部3a,4a,13a,14aの突出量が大きくなると、図5に示すように、可動部2が固定部30の表面30aに当接するよりも先に、脚部3a,4a,13a,14aの先端部が対向部40の表面(ストッパ面)40aに当接し、可動部2が図5の状態よりもさらに上方に変位できなくなり、可動部2の変位が抑制される。このように各脚部3a,4a,13a,14aと対向部40の表面(ストッパ面)40aとで可動部2の変位を抑制するストッパ機構が構成されている。
図4は、アンカ部6,7、固定部30及び対向部40に対して上向きの加速度が作用したときの動作を示している。このとき、可動部2は慣性力により図2の静止状態の位置から下方向へ向けて変位すべく、第1支持部3,4及び第2支持部13,14が高さ方向に回動する。この回動動作時、各ばね部が捩れ変形する。
図4に示すように、各支持部3,4,13,14の脚部3a,4a,13a,14aは上方に変位し、各脚部3a,4a,13a,14aの先端は、可動部2よりも上方に突出する。
本実施形態では、可動部2と、対向部40に設けられた固定電極41との間の静電容量変化により、高さ方向に生じた加速度等の物理量を検出することが可能となっている。
本実施形態の可動部2の支持機構により可動部2を高さ方向(Z)に効果的に平行移動させることが出来る。
図6は比較例の物理量センサ100を示している。図1と同じ部分については同じ符号を付した。
図6と図1とを比較すると両者は可動部2の形態が異なっている。すなわち図1では可動部2を構成する梁部24が左右方向(X1−X2)に設けられていたが、図6の比較例では梁部101が前後方向(Y1−Y2)に設けられている。そして図6に示すように、梁部101の左右両側にX方向検知部50,51が設けられている。
今、図5に示すように、脚部3a,4a,13a,14aの先端部が対向部40の表面(ストッパ面)40aに当接し、可動部2の高さ方向(Z)への変位が抑制された状態について考察すると、図7(a)(b)の模式図に示すように、可動部2の左右方向(X1−X2)の両端部22,23が可動部2に作用するモーメントFの支点Sとなっている。モーメントFは支点Sから離れれば離れるほど及び、質量が大きくなるほど大きくなる。
図7(a)は、図6に示す比較例の模式図を示している。図7(a)に示すように可動部2は中央部2aにおいて梁部101が存在するため質量が両側部2bに比べて大きくなっており、したがって図7(a)では可動部2の中央部2aを両側部2bよりも厚く図示した。図7(a)に示した可動部2の厚さは、各位置における質量の大きさを示していると考えてよい。すなわち図7(a)に示すように比較例における物理量センサ100では、可動部2の中央部2aの質量が非常に大きくなってしまい、両側部2bに比べて中央部2aに作用するモーメントFは大きくなっている。
一方、図7(b)は、図1に示す実施例の模式図を示している。図1に示す実施例では梁部24を左右方向(X1−X2)に設けた。このため、図7(a)に示すように可動部2の質量を左右方向(X1−X2)に適切に(略均一に)分配でき、図7(a)の実施例では、図7(b)の比較例に比べて、可動部2の中央部2aに作用するモーメントFを弱めることができる。換言すれば可動部2に作用するモーメントFを左右方向に適切に分散させることができる。
図8の実験は、図1の実施例と図6の比較例とで可動部2を同じ質量とし、各物理量センサ1,100に高さ方向への加速度を作用させた状態にて可動部に生じた最大変形量を測定した実験結果である。実験では、各物理量センサを図5の状態の状態からさらに700Gの加速度を作用させたときに、可動部2に生じた最大変形量を測定した。
図8に示すように、実施例の物理量センサにて生じた可動部の変形量は、比較例の物理量センサにて生じた可動部の変形量の約半分に低減できることがわかった。
図1や図6に示す物理量センサは高さ方向(Z)への検知部(第1の検知部)を備えた構成であるが、その可動部2内にX方向検知部(第2の検知部)を有しており、そのため、可動部2の形状全体を板状で形成できず、X方向検知部50,51の部分において空間(切欠部分)が多くなっており、そのため、可動部2の剛性は低下しやすい。特に後述のように高ダイナミックレンジに対応させるとますます剛性は低下することになる。Z方向検知部のみならずX方向検知部を有する構成において可動部2の梁部101を図6のように、前後方向(Y1−Y2)に形成すると、可動部2の質量が左右方向(X1−X2)に対して中央部分に集中し、可動部2の作用するモーメントの支点となる両端部22,23から離れた梁部101の部分にモーメントが集中的に作用する。その結果、可動部2が変形しやすくなっていた。そこで、Z方向検知部のみならずX方向検知部を有する構成において可動部2の梁部24を図1のように、モーメントの支点となる両端部22,23の間を繋ぐように左右方向(X1−X2)に向けて形成することで、左右方向に可動部2の質量を適切に分配でき、その結果、図6の比較例に比べて可動部2の変形を抑制することができる。
高ダイナミックレンジに対応するには、脚部3a,4a,13a,14aの左右方向(X1−X2)における長さ寸法を長くすることが必要になり、そのため、図1に示す可動部2の中心(重心)Oから各端部までの長さ寸法L(両端部間の長さ寸法は2L)を長くすることが必要になる。図6に示す比較例の構造では、長さ寸法Lを長く延ばすと可動部2の剛性がますます低下して、可動部2の変形がさらに大きくなる。これに対し、本実施形態のように、左右方向に梁部24を設けることで可動部2の剛性を図6に比べて向上させることができ、可動部2の変形を抑制できる。したがって、良好な感度を維持しつつ高ダイナミックレンジに適切に対応することができる。
図9は、第2の実施形態の物理量センサの正面図である。図9において図1と同じ部分については同じ符号を付した。
図9に示す実施形態は、図1と違って検査部25〜28が形成されていない。また、図1では、梁部24は、中央部24aの幅寸法T1よりも両側部24bの幅寸法T2のほうが大きくなっていたが、図6では、梁部24の幅寸法T3が一定とされている。
ただし梁部24の幅寸法については図1のように中央部24aの幅寸法T1を両側部24bの幅寸法T2よりも小さくすることが好ましい。このように、支点から遠い中央部24aにおける梁部24を細くして梁部24の両側部24bよりも質量を小さくすることで、より効果的に可動部の変形を抑制することが可能になる。よって2段階以上の段差を有して、あるいは傾斜面にして、漸次的に、両側部24bから中央部24aにかけて幅寸法が小さくなる梁部を構成してもよい。
また、図1、図9の実施形態では、第2の検知部としてX方向検知部50,51を構成したが、Y方向検知部としてもよい。
また図1、図9と異なって、可動部2の高さ方向に対して逆方向に変位して可動部2の高さ方向への変位を規制する規制部(脚部3a,4a,13a,14a)が形成されていなくてもよい。可動部2の左右方向に向けて梁部24を設けることで、可動部2の剛性を高め、両端部22,23を支点として可動部2に作用するモーメントを左右方向に適切に分散でき、高さ方向に移動する可動部2の変形を適切に抑制することが可能になる。
本実施形態における物理量センサは、加速度センサ、角速度センサ、衝撃センサ等、物理量センサ全般に適用可能であるが、本実施形態は、2軸の物理量を検出でき、例えば、Tire Pressure Monitoring System(タイヤ空気圧監視システム)における加速度センサとして用いることができる。
1 物理量センサ
2 可動部
3、4、13、14 支持部
3a、4a、13a、14a 脚部
6、7、54 アンカ部
8 シリコン基板
9、11,15、17 ばね部
21 連結ばね
22、23 端部
24 梁部
25〜28 検査部
30 固定部
40 対向部
41、53 固定電極
50、51 X方向検知部
52、62 可動電極
57、61 櫛歯状電極子

Claims (5)

  1. 変位可能な可動部と、前記可動部の高さ方向への変位を検知するための第1の検知部と、前記高さ方向に対して直交する前後方向あるいは左右方向への少なくともいずれか一方への変位を検知するための前記可動部内に設けられた第2の検知部と、を有し、
    前記可動部の前記左右方向の両端部は、前記可動部に作用するモーメントの支点を構成しており、
    前記可動部には前記両端部間を左右方向と平行な方向に繋ぐ梁部が設けられていることを特徴とする物理量センサ。
  2. 前記梁部の幅は、前記梁部の左右方向における中央部のほうが、前記中央部の両側部よりも細い請求項1記載の物理量センサ。
  3. 前記可動部の前記高さ方向への変位に対して逆方向に変位して前記可動部の高さ方向への変位を規制する規制部を備え、前記可動部が前記規制部により規制された状態で前記可動部の両端部が前記支点として機能する請求項1又は2に記載の物理量センサ。
  4. 前記可動部の前後方向の両側に固定支持されたアンカ部が設けられ、前記アンカ部と前記可動部との間に回動自在に連結した前記規制部としての脚部が前記左右方向に向けて設けられており、前記脚部は、前記可動部が高さ方向に変位したときに前記可動部の変位方向に対し逆方向に変位する請求項1又は2に記載の物理量センサ。
  5. 前記第2の検知部は、前記左右方向への変位を検知するための左右方向検知部であり、前記左右方向検知部が前記梁部の前後方向の両側に配置されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の物理量センサ。
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