JP2014115031A - 給湯機 - Google Patents

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正夫 大山
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Abstract

【課題】本発明は、リモコンで生じる電力損失を抑制することができ、リモコンにより電力を効率よく使用することを目的とする。
【解決手段】給湯機は、タンクユニット1、台所リモコン2、浴室リモコン3、タンク基板12を備える。タンク基板12は、リモコン電線4を介して台所リモコン2及び浴室リモコン3と接続する。タンク基板12に搭載されたCPU回路16は、消費電流検出回路15によりリモコン2,3の消費電流を検出し、この検出結果に基いて電圧切換スイッチ14によりリモコン2,3への供給電圧を切換える。これにより、リモコン電線4での電圧降下を考慮しつつ、最低限必要な電圧をリモコン2,3に過不足なく供給することができる。従って、リモコン2,3を安定的に作動させながら、リモコン2,3で生じる余分な電力損失を削減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気的に作動する給湯用リモコン(リモートコントローラ)を備えた給湯機に関する。
一般に、給湯用リモコンとしては、台所に設置される台所リモコン、浴室に設置される浴室リモコン等が知られている。これらのリモコンは、給湯機の本体を構成するタンクユニットに対して、例えば2極のリモコン電線を用いて接続される。リモコンの内部には、CPU、表示デバイス等を含む電子機器と、電源回路とが搭載されている。各リモコンの電力は、タンクユニットよりリモコン電線を通じて供給される。また、タンクユニットと各リモコンとは、双方向通信によりデータ転送を行うように構成されている。これにより、給湯機のユーザは、各リモコンを操作することにより給湯温度の設定等を行うことができ、また、リモコンの表示に基いて給湯温度の設定値、給湯機の運転状態等を確認することができる。
タンクユニットと各リモコンとを接続するリモコン電線は、屋内の間取り等により長尺な配線となることがある。そこで、タンクユニットは、リモコンに規定の電源電圧を供給するために、配線での電圧降下分だけ規定の電源電圧よりも高い電圧をリモコンに供給する。リモコンには、電源電圧を処理するためのレギュレータが搭載されており、このレギュレータは、タンクユニットから入力された電圧を規定の電圧に変換してリモコン内の各機器に出力する。このとき、入力電圧と出力電圧の差分は、レギュレータの発熱等により損失電力として消費される。このような損失電力を抑えるためには、例えば特許文献1に記載されているような構成が考えられる。特許文献1に記載された従来技術では、入力電圧がレギュレータに入力される手前の位置で、当該入力電圧の値をレギュレータの負荷状態に適した電圧値に切換える構成としている。
特開2005−295635号公報
上述した従来技術において、タンクユニットは、リモコン電線の長さ及び電気抵抗に応じて生じる電圧降下を考慮して、電圧降下分だけ高い電圧をリモコンに供給する必要がある。しかも、電圧降下はリモコンの消費電流に比例するので、リモコンへの供給電圧は、消費電流が最大となっても規定の電源電圧が確保されるように設定する必要がある。また、レギュレータを安定的に作動させるためには、入力電圧を出力電圧よりも大きくする必要があるが、入力電圧が大きすぎると損失電力が増加する。このため、従来技術では、例えば配線が短い設置環境下において、リモコンの消費電流が最小状態である場合等に、タンクユニットから出力された電圧が殆ど電圧降下せずにリモコンに入力され、入力電圧と出力電圧の差分が大きくなることで不要な電力消費が増加するという問題がある。
また、特許文献1の従来技術では、レギュレータの負荷状態に応じて入力電圧を切換える構成としている。しかし、この構成は、レギュレータの手前に電圧切換回路を設けるものである。このため、特許文献1の構成を給湯機に適用した場合には、リモコン電線の電圧降下を考慮した制御を実現することにならない。即ち、この場合には、タンクユニットからリモコンに高い電圧を供給することになって電力損失の抑制が困難となるか、リモコンに対して高い電圧及び低い電圧をそれぞれ供給する必要が生じて配線が複雑化するという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、リモコンで生じる電力損失を抑制することができ、リモコンにより電力を効率よく使用することが可能な給湯機を提供することを目的とする。
本発明に係る給湯機は、外部に給湯する機能とリモコン給電回路とを備えたタンクユニットと、タンクユニットのリモコン給電回路から給電されることにより作動し、タンクユニットの作動に関連する情報の設定及び表示を行うことが可能なリモコンと、リモコン給電回路からリモコンに供給される電圧を切換えることが可能な電圧切換手段と、リモコンの消費電流を検出する消費電流検出手段と、リモコンの消費電流に基いて電圧切換手段によりリモコンへの供給電圧を切換える電圧制御手段と、を備えている。
本発明によれば、リモコンの消費電流を検出することにより、リモコン用の配線での電圧降下を考慮しつつ、最低限必要な電圧をリモコンに過不足なく供給することができる。これにより、リモコンを安定的に作動させながら、リモコンで生じる余分な電力損失を削減することができ、リモコンにより電力を効率よく使用することができる。
本発明の実施の形態1による貯湯式の給湯機を示す構成図である。 タンク基板の回路構成を示す構成図である。 台所リモコン及び浴室リモコンの構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1において、タンク基板により実行される電圧切換制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において、タンク基板により実行される制御の他の一例を示すフローチャートである。
実施の形態1.
以下、図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。なお、本明細書で使用する各図においては、共通する要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略するものとする。図1は、本発明の実施の形態1による貯湯式の給湯機を示す構成図である。この図に示すように、本実施の形態の給湯機は、タンクユニット1と、台所に設置される台所リモコン2と、浴室に設置される浴室リモコン3とを備えている。台所リモコン2及び浴室リモコン3は、例えば2極のリモコン電線4を介してタンク基板12に接続されている。リモコン電線4の長さは、給湯機の設置環境に応じて最長で50mに達する場合もある。リモコン2,3は、タンク基板12からリモコン電線4を介して給電されることにより作動し、タンクユニット1の作動に関連する情報の設定及び表示を行うものである。なお、リモコン2,3とタンク基板12の詳細については後述する。
タンクユニット1は、給湯機の本体部分を構成するもので、温水を貯湯する貯湯タンク11と、タンク基板12と、加熱装置、循環回路及び給湯回路とを備えている。なお、本実施の形態の図面では、加熱装置、循環回路及び給湯回路の図示と、給湯機のセンサ系統、アクチュエータ及びこれらの機器に接続された配線の図示とを省略している。加熱装置は、例えばヒートポンプ式の熱源機により構成され、タンクユニット1に貯湯する温水を加熱するものである。循環回路は、貯湯タンク11内の温水を加熱装置との間で循環させるもので、加熱装置と貯湯タンク11との間を接続する配管及び弁類と、この配管に設けられたポンプとを備えている。給湯回路は、加熱装置により加熱された温水及び貯湯タンク11に貯湯された温水を外部の給湯対象に供給するもので、貯湯タンク11と給湯対象との間を接続する配管及び弁類と、この配管に設けられたポンプとを備えている。
タンク基板12は、給湯機の運転状態を制御する制御装置を構成するもので、給湯機の各部に設けられたセンサ系統の出力に基いて、前記加熱装置、循環回路及び給湯回路に搭載された圧縮機、ポンプ、弁類等を含む各種のアクチュエータを駆動する。これにより、タンク基板12は、例えばリモコン2,3の設定及び操作に応じて、沸き上げ運転制御、給湯運転制御を実行する。沸き上げ運転制御は、加熱装置及び加熱回路を用いてタンクユニット1内の温水を沸き上げるもので、給湯運転制御は、例えば給湯回路を作動させることにより、貯湯タンク11内の温水を外部の給湯対象に供給するものである。
次に、図2を参照して、タンクユニット1に搭載されたリモコン給電回路としてのタンク基板12について説明する。図2は、タンク基板の回路構成を示す構成図である。タンク基板12は、スイッチング電源回路13、電圧切換スイッチ14、消費電流検出回路15、CPU回路16及び通信IF回路17を備えており、リモコン電線4を介して後述のリモコン2,3に給電する機能を有している。
スイッチング電源回路13は、例えば交流200Vの商用電源である外部のタンクユニット電源に接続されており、この電源電圧を利用して、例えば12V、7V、5Vからなる3種類の直流電圧を発生させるものである。スイッチング電源回路13の出力側は、電圧切換スイッチ14及び消費電流検出回路15を介してタンク基板12の出力端子12Aに接続されている。なお、図2では、タンク基板12の電源電圧として用いられる5Vの電圧端子の記載を省略している。
電圧切換スイッチ14は、スイッチング電源回路13からリモコン2,3に供給される電圧を、例えば高い電圧である12Vと低い電圧である7Vの何れかに切換えることが可能な電圧切換手段を構成している。また、消費電流検出回路15は、リモコン2,3に供給される電流、即ち、リモコン2,3の消費電流を検出する消費電流検出手段を構成しており、消費電流の検出結果をCPU回路16に出力する。
CPU回路16は、前述の沸き上げ運転制御及び給湯運転制御を含めて給湯機の運転状態を制御すると共に、通信IF回路17を介してリモコン2,3とデータ通信するデータ通信制御と、後述の電圧切換制御とを実行するものである。なお、CPU回路16は電圧制御手段を構成している。一方、通信IF回路17は、リモコン2,3と双方向のデータ通信を行うための回路である。このデータ通信は、例えば通信信号を電源電圧に重畳させることにより、リモコン電線4を介して実行される。
次に、図3を参照して、台所リモコン2と浴室リモコン3の構成及び機能について説明する。図3は、台所リモコン及び浴室リモコンの構成を示す構成図である。これらのリモコン2,3はほぼ同様に構成され、ユーザインターフェースとして表示機能、操作機能及びインターホン機能を有している。以下の説明では、台所リモコン2を例に挙げて説明する。台所リモコン2は、表示部21、操作スイッチ22、インターホン回路23、マイク24、スピーカ25、CPU回路26、通信IF回路27、レギュレータ回路28及びバックアップコンデンサ29を備えている。
表示部21は、ユーザにより台所リモコン2の操作スイッチ22が操作されたときに点灯し、給湯機の運転状態と、ユーザにより設定された各種の設定情報とを表示する。操作スイッチ22は、ユーザが各種の設定を行うために操作するものである。インターホン回路23は、ユーザが台所リモコン2と浴室リモコン3との間で会話するための回路であり、音を入力するマイク24及び音を出力するスピーカ25と接続されている。CPU回路26は、操作スイッチ22の操作内容及びタンク基板12から受信したデータ内容を表示部21に表示させる表示制御と、通信IF回路27を介してタンク基板12とデータ通信するデータ通信制御とを実行する。通信IF回路27は、リモコン電線4を介してタンク基板12と双方向のデータ通信を行うための回路である。
レギュレータ回路28は、リモコン電線4を介してタンク基板12の出力端子12Aに接続されている。そして、レギュレータ回路28は、タンク基板12から供給される電圧を規定の直流電圧(例えば5V)に変換し、当該直流電圧を台所リモコン2に搭載される各電子部品にそれぞれ供給する。この電子部品には、表示部21、インターホン回路23、CPU回路26及び通信IF回路27が含まれている。
バックアップコンデンサ29は、レギュレータ回路28の出力側に接続され、レギュレータ回路28から出力される電圧により充電状態に保持されている。そして、バックアップコンデンサ29は、例えば台所リモコン2への供給電圧が不足した場合に放電し、前記供給電圧の不足を補償するように構成されている。即ち、レギュレータ回路28の出力電圧が低下した場合には、バックアップコンデンサ29が放電することにより、レギュレータ回路28の出力側の電圧が前記規定の直流電圧に維持される。
なお、浴室リモコン3も、台所リモコン2と同様に、上述の表示部21、操作スイッチ22、インターホン回路23、マイク24、スピーカ25、CPU回路26、通信IF回路27、レギュレータ回路28及びバックアップコンデンサ29を備えている。
次に、CPU回路16により実行される電圧切換制御について説明する。まず、リモコンの作動状態について述べると、リモコン2,3は、通常の作動状態と、高負荷作動状態と、待機状態とからなる3つの作動状態を有している。通常の作動状態とは、表示部21が消灯しており、かつ、待機状態に移行していない状態であり、このときの消費電流は、予め規定された値となっている。高負荷作動状態とは、リモコンを操作することにより表示部21が点灯し、消費電流が通常の作動状態よりも増加した状態である。待機状態とは、例えばリモコンを操作しない状態が一定期間継続したときに移行する状態であり、このときの消費電流は通常の作動状態よりも減少している。
電圧切換制御では、まず、消費電流検出回路15により台所リモコン2及び浴室リモコン3の消費電流を検出する。そして、検出した消費電流に基いて電圧切換スイッチ14を作動させることにより、リモコン2,3への供給電圧を切換える。このとき、供給電圧は、リモコン2,3の消費電流が大きいほど増加するように切換えられる。
ここで、台所リモコン2を例に挙げて説明すると、ユーザにより台所リモコン2が操作されたときには、その表示部21が点灯して高負荷運転状態となる。この状態では、消費電流が非操作時(通常の作動状態及び待機状態)と比較して増加するので、これに伴ってリモコン電線4での電圧降下も増加する。そこで、CPU回路16は、台所リモコン2への供給電圧を非操作時に対応する電圧から増加させる。この場合には、例えば非操作時の供給電圧を7Vに設定しておき、高負荷運転状態への移行時に供給電圧を12Vに切換える構成としてもよい。
この制御によれば、台所リモコン2の消費電流が増加した場合には、これに伴って増加する電圧降下の作用を考慮して、リモコンへの供給電圧を高くすることができる。これにより、高い供給電圧が必要となる高負荷運転状態等のように、必要最低限の場合にのみ供給電圧を高く設定し、それ以外の状況では供給電圧を低く保持することができる。従って、台所リモコン2の機能に影響を与えることなく、その消費電力を可能な限り抑制することができる。
なお、例えば台所リモコン2が操作されたときには、表示部21が点灯することにより、台所リモコン2の消費電流が非操作時から急に増加し、CPU回路16により台所リモコン2への供給電圧が高電圧側に切換えられる。しかし、消費電流が増加してから供給電圧が実際に高くなるまでの期間中には、供給電圧が一時的に不足する可能性がある。このとき、台所リモコン2では、バックアップコンデンサ29が放電することにより、供給電圧の不足を補償することができる。これと同様に、浴室リモコン3が操作されたときにも、浴室リモコン3のバックアップコンデンサ29が供給電圧を補償することがきる。従って、前記期間中に供給電圧が一時的に不足するのを防止し、この期間中でもリモコン2,3に搭載された各電子機器に電圧を安定的に供給することができる。
一方、ユーザにより台所リモコン2が操作されない状態が一定期間継続すると、台所リモコン2が通常の作動状態から待機状態に移行する。この結果、台所リモコン2の消費電流は減少し、リモコン電線4での電圧降下も減少する。そこで、CPU回路16は、台所リモコン2が待機状態となることにより消費電流が通常の作動時と比較して減少したときに、台所リモコン2への供給電圧を通常の作動時に対応する電圧から減少させる。この場合には、例えば通常の作動状態における供給電圧を12Vに設定しておき、待機状態への移行時に供給電圧を7Vに切換える構成としてもよい。
この制御によれば、台所リモコン2が待機状態となったときには、その供給電圧を低下させて消費電流を更に減少させることができる。これにより、台所リモコン2の機能に影響を与えることなく、レギュレータ回路28での無用な電力損失を削減し、電力消費を抑制することができる。ここで、具体的な効果を例示すると、従来の技術において、リモコンが待機状態を維持するときの損失電力は、(12V−5V)×待機時消費電流20mA=140mWとなる。これに対し、本実施の形態による待機状態での損失電力は、(7V−5V)×待機時消費電流20mA=40mWとなり、消費電力を100mW削減することができる。さらに、台所リモコン2と浴室リモコン3とを合わせて考えると、消費電力を200mW削減することができる。
なお、本実施の形態では、図1に示すように、例えばタンク基板12の出力端子12Aに対してリモコン2,3を互いに並列に接続し、リモコン2,3に同一の電圧が供給される構成としている。このため、消費電流検出回路15は、台所リモコン2の消費電流と浴室リモコン3の消費電流とを合計した総消費電流を検出する。そして、CPU回路16は、リモコン2,3の両方に供給される共通の供給電圧を総消費電流に基いて切換える。この構成によれば、電圧切換制御を複数個のリモコン2,3に対してまとめて実行することができ、給湯機全体として供給電圧の抑制効果を得ることができる。これにより、タンク基板12の構成及びリモコン電線4の配線を簡略化することができ、コストダウンを図ることができる。
これに対し、本発明では、リモコンの設置個数(本実施の形態では、2個)に対応する複数個の出力端子12Aをタンク基板12に設け、各出力端子12Aにリモコン2,3を個別に接続することにより、リモコン2,3にそれぞれ異なる電圧を供給することが可能な構成としてもよい。この場合には、各出力端子12Aにそれぞれ異なるスイッチング電源回路13、電圧切換スイッチ14、消費電流検出回路15を接続する。そして、各消費電流検出回路15によりリモコン2,3の消費電流を個別に検出し、CPU回路16は、リモコン2,3のそれぞれの消費電流に基いて、当該リモコン2,3への供給電圧を個別に切換える構成とすればよい。この構成によれば、電圧切換制御を複数個のリモコン2,3に対してそれぞれ個別に実行することができる。従って、個々のリモコンに対する電圧切換制御の精度を向上し、制御の効果を最大限に発揮することができる。
次に、図4を参照して、本実施の形態による電圧切換制御の一例について説明する。図4は、本発明の実施の形態1において、タンク基板により実行される電圧切換制御の一例を示すフローチャートである。この図に示すルーチンは、給湯機の作動中に繰り返し実行されるものとする。図4に示すルーチンにおいて、まず、ステップS1では、消費電流検出回路15の出力に基いてリモコンの消費電流を検出し、ステップS2では、検出した消費電流に基いてリモコンの負荷が大きいか否かを判定する。具体例を挙げると、例えばユーザが台所リモコン2の操作スイッチ22を操作した場合には、このリモコン操作により音声ガイダンス機能が作動して台所リモコン2の消費電流が増加するので、ステップS2の判定が成立する。
ステップS2の判定が成立した場合には、リモコンの消費電流が大きくてリモコン電線4での電圧降下が増加すると判断し、ステップS3に移行する。ステップS3では、電圧切換スイッチ14に対して台所リモコン2への供給電圧を増加させる指令を出力する。これにより、電圧切換スイッチ14は、スイッチング電源回路13の出力を直流12Vに切換えて、台所リモコン2への供給電圧を増加させ、供給電圧として直流12Vを出力する。一方、ステップS2の判定が不成立の場合には、消費電流に基いて負荷が小さいと判断されるので、ステップS4に移行する。ステップS4では、供給電圧の切換を実行せず、供給電圧として直流7Vを出力する動作を維持する。
次に、図5を参照して、電圧切換制御の他の一例について説明する。図5は、本発明の実施の形態1において、タンク基板により実行される制御の他の一例を示すフローチャートである。この図に示すルーチンは、給湯機の作動中に繰り返し実行されるもので、必要に応じて図5に示す制御と並列に実行してもよい。図5に示すルーチンにおいて、まず、ステップS11では、消費電流検出回路15の出力に基いて台所リモコン2の消費電流を検出する。また、ステップS12では、台所リモコン2とのデータ通信により、台所リモコン2の作動状態に関する情報を受取る。
次に、ステップS13では、検出した消費電流に基いてリモコンの負荷が大きいか否かを判定する。具体例を挙げると、台所リモコン2の表示部21が消灯して待機状態となっている場合には、その消費電流が減少するので、CPU回路16は、消費電流の検出値と台所リモコン2からの通信データとに基いて、リモコンの負荷が小さいと判定する。一方、台所リモコン2が待機状態でなれば、消費電流はある程度の大きさとなるので、リモコンの負荷が大きいと判定する。
ステップS13の判定が成立した場合には、リモコンの消費電流が大きくてリモコン電線4での電圧降下が増加した状態であると判断し、ステップS14に移行する。ステップS14では、供給電圧の切換を実行せず、供給電圧として直流12Vを出力する動作を維持する。一方、ステップS13の判定が不成立の場合には、消費電流に基いて負荷が減少したと判断されるので、ステップS15に移行する。ステップS15では、台所リモコン2への供給電圧を減少させ、供給電圧として直流7Vを出力する。
なお、上述した電圧切換制御と図4及び図5に示す制御の内容及び効果については、台所リモコン2を例に挙げて説明したが、これらの制御の内容及び効果については、浴室リモコン3にも適用されるものである。
以上詳述した通り、本実施の形態によれば、リモコン2,3の消費電流を検出することにより、リモコン電線4での電圧降下を考慮しつつ、最低限必要な電圧をリモコン2,3に過不足なく供給することができる。これにより、リモコン2,3を安定的に作動させながら、リモコン2,3で生じる余分な電力損失を削減することができ、リモコン2,3により電力を効率よく使用することができる。
なお、前記実施の形態では、リモコン2,3が通常の作動状態、高負荷作動状態及び待機状態からなる3つの作動状態を有し、リモコン2,3への供給電圧を12Vと7Vとの間で2段階に切換える構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、互いに消費電力が異なる2つの作動状態または4つ以上の作動状態を有するリモコンを採用してもよい。また、リモコンへの供給電圧を3段階以上の複数段階に切換える構成としてもよく、更には供給電圧を連続的に変化させて切換える構成としてもよい。また、本発明における供給電圧は、上述した12Vと7Vに限定されるものではなく、任意の電圧値に設定してよいものである。
また、前記実施の形態では、請求項4,5を組合わせることにより、図4に示す制御と図5に示す制御とを並列に実行する構成としてもよい。さらに、実施の形態では、2個のリモコン2,3を備えた給湯機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、1個のリモコンのみを備えた給湯機、または、3個以上のリモコンを備えた給湯機に適用してもよい。また、実施の形態では、貯湯式の給湯機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、貯湯タンク11を持たない給湯機に適用してもよい。
1 タンクユニット,2 台所リモコン(リモコン),3 浴室リモコン(リモコン),4 リモコン電線,11 貯湯タンク,12 タンク基板(リモコン給電回路),12A 出力端子,13 スイッチング電源回路,14 電圧切換スイッチ(電圧切換手段),15 消費電流検出回路(消費電流検出手段),16 CPU回路(電圧制御手段),17,27 通信IF回路,21 表示部,22 操作スイッチ,23 インターホン回路,24 マイク,25 スピーカ,26 CPU回路,28 レギュレータ回路,29 バックアップコンデンサ

Claims (7)

  1. 外部に給湯する機能とリモコン給電回路とを備えたタンクユニットと、
    前記タンクユニットのリモコン給電回路から給電されることにより作動し、前記タンクユニットの作動に関連する情報の設定及び表示を行うことが可能なリモコンと、
    前記リモコン給電回路から前記リモコンに供給される電圧を切換えることが可能な電圧切換手段と、
    前記リモコンの消費電流を検出する消費電流検出手段と、
    前記リモコンの消費電流に基いて前記電圧切換手段により前記リモコンへの供給電圧を切換える電圧制御手段と、
    を備えた給湯機。
  2. 前記リモコンは、前記リモコン給電回路の出力側に対して互いに並列に接続され、同一の電圧が供給される複数個のリモコンであり、
    前記消費電流検出手段は、前記各リモコンの消費電流を合計した総消費電流を検出し、
    前記電圧制御手段は、前記総消費電流に基いて前記各リモコンへの供給電圧を切換える構成としてなる請求項1に記載の給湯機。
  3. 前記リモコンは、前記リモコン給電回路の出力側に個別に接続され、それぞれ異なる電圧を供給することが可能な複数個のリモコンであり、
    前記消費電流検出手段は、前記各リモコンの消費電流を個別に検出し、
    前記電圧制御手段は、前記各リモコンの消費電流に基いて前記各リモコンへの供給電圧を個別に切換える構成としてなる請求項1に記載の給湯機。
  4. 前記リモコンは、互いに消費電力が異なる複数の作動状態を有し、
    前記電圧制御手段は、前記リモコンの消費電流が大きいほど、前記リモコンへの供給電圧を増加させる構成としてなる請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の給湯機。
  5. 前記電圧制御手段は、前記リモコンが操作されることにより当該リモコンの消費電流が非操作時と比較して増加したときに、前記リモコンへの供給電圧を非操作時と比較して増加させる構成としてなる請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の給湯機。
  6. 前記電圧制御手段は、前記リモコンが待機状態となることにより当該リモコンの消費電流が通常の作動時と比較して減少したときに、前記リモコンへの供給電圧を通常の作動時と比較して減少させる構成としてなる請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の給湯機。
  7. 前記リモコンは、
    前記リモコンが操作されたときに点灯して表示を行う表示部と、
    前記表示部が作動することで前記リモコンの消費電流が増加して当該リモコンへの供給電圧が不足した場合に放電し、前記供給電圧の不足を補償するコンデンサと、
    を備えてなる請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の給湯機。
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