JP2014114385A - アリルイソシアヌレート化合物由来の構造単位を有する重合体及びその利用 - Google Patents

アリルイソシアヌレート化合物由来の構造単位を有する重合体及びその利用 Download PDF

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岳 熊野
Noboru Mizobe
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Abstract

【課題】
極性基を含まない環状オレフィン系化合物を用いた場合の他材料に対する低密着性、硬化剤やエポキシ樹脂などの他の化合物との低相溶性や、極性基を含む環状オレフィン系化合物を用いた場合の高吸水率、伝搬遅延時間の長さ、低ガラス転移温度、低耐熱性等という特性を向上させることを目的とするものである。
【解決手段】
環状オレフィン系化合物由来の構造単位および、アリルイソシアヌレート由来の構造単位とを有する重合体及び重合体を含む樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、環状オレフィン系化合物由来の構造単位およびアリルイソシアヌレート化合物由来の構造単位を有する重合体及び該重合体を含む樹脂組成物に関する。
環状オレフィン系化合物を開環メタセシス反応により重合させて得られる重合体は、高い光線透過率と耐熱性を兼ね備えた熱可塑性透明樹脂であり、これらの特性を必要とする光学レンズや光ファイバー、光学フィルムなどの光学材料分野において、その応用が広がっている。
これらの環状オレフィン系化合物のうち、極性基を含まない環状オレフィン系化合物の開環メタセシス重合体およびその水素化物は、耐熱性、電気特性、低吸水性に優れているため、電気絶縁用途に広く使われている。しかしながら、銅やシリコンなどの金属あるいはガラスなどの他材料に対する密着性が低いことや、硬化剤やエポキシ樹脂などの他の化合物との相溶性が低いことが難点であった。
他方、極性基を含む環状オレフィン系化合物(ノルボルネン系モノマー)の重合体が提案されている。具体的には、5,6−ジヒドロキシメチル−ビシクロ−[2.2.1]−ヘプト−2−エンのアセテート等のエステル基またはヒドロキシル基を有するノルボルネン系モノマーをタングステン系触媒の存在下で単独開環重合し、水素化して得られたヒドロキシル基等の極性基を多数有する重合体等が挙げられる(例えば、特許文献1、2等)。
特開平5−155988号公報 特開2010−159404号公報
極性基を含む環状オレフィン系化合物を用いた重合体は、極性基を含まない環状オレフィン系化合物を用いた場合に比べて密着性が若干改善されているものの、吸水率が高く、GHz帯域の高周波信号の伝搬遅延時間が長く、また信号ノイズを拾いやすいという問題があった。また、従来提案されている極性基を含む環状オレフィン系化合物を用いた共重合体では、ガラス転移温度(Tg)が低く、耐熱性も不十分であった。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、極性基を含まない環状オレフィン系化合物を用いた場合の他材料に対する低密着性、硬化剤やエポキシ樹脂などの他の化合物との低相溶性や、極性基を含む環状オレフィン系化合物を用いた場合の高吸水率、伝搬遅延時間の長さ、低ガラス転移温度、低耐熱性等といった特性を向上させることを目的とするものである。
本発明は、前記課題を解決するために、アリルイソシアヌレート化合物由来の構造単位を有する環状オレフィン系化合物の重合体を提供することを目的とする。
即ち、第1の発明は、環状オレフィン系化合物由来の構造単位およびアリルイソシアヌレート化合物由来の構造単位を有することを特徴とする重合体である。
第2の発明は、環状オレフィン系化合物由来の構造単位およびアリルイソシアヌレート化合物由来の構造単位を有する重合体であって、該重合体が環状オレフィン系化合物とアリルイソシアヌレート化合物との重合により得られる共重合体を含むことを特徴とする第1の発明の重合体である。
第3の発明は、環状オレフィン系化合物由来の構造単位およびアリルイソシアヌレート化合物の構造単位を有する重合体であって、該重合体が環状オレフィン系化合物と非環状オレフィン系化合物との重合により得られる共重合体を含み、該共重合体の少なくとも一部がアリルイソシアヌレート化合物により変性されていることを特徴とする第1の発明の重合体である。
第4の発明は、環状オレフィン系化合物が、ノルボルネン系モノマーであることを特徴とする第1の発明〜第3の発明の何れかの重合体である。
第5の発明は、第1の発明〜第4の発明の何れかの重合体を含むことを特徴とする樹脂組成物である。
第6の発明は、第1の発明〜第4の発明の何れかの重合体を含むことを特徴とする光学材料用樹脂組成物である。
本発明によれば、環状オレフィン系化合物の重合体中に、アリルイソシアヌレート化合物由来の構造単位を導入することにより、他材料に対する密着性に優れ、硬化剤やエポキシ樹脂などの他の化合物との相溶性が高く、また、吸水率が低減され、耐熱性を向上した重合体及び樹脂組成物を提供することができる。
本発明の重合体は、環状オレフィン系化合物由来の構造単位およびアリルイソシアヌレート化合物由来の構造単位を有する。
<環状オレフィン系化合物由来の構造単位>
環状オレフィン系化合物は、ノルボルネン系モノマーおよび非ノルボルネン系モノマーに大別できる。
ノルボルネン系モノマーとしては、ノルボルネン環を有するものであれば特に限定されず使用することができ、
ノルボルネン、
ノルボルナジエン等の二環体、
ジシクロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエン等の三環体、
テトラシクロドデセン等の四環体、
トリシクロペンタジエン等の五環体、
テトラシクロペンタジエン等の七環体、これらの誘導体、並びに、
ノルボルネン系モノマー及びこれらの誘導体のアルキル置換体(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル置換体など)、
アルケニル置換体(例えば、ビニル置換体など)、
アルキリデン置換体(例えば、エチリデン置換体など)、
アリール置換体(例えば、フェニル、トリル、ナフチル置換体など)、
エステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子などの極性基を有する置換体等が例示される。
前記置換体の具体例としては、ノルボルネン系誘導体の置換体を例にとると、
5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:5−メチル−2−ノルボルネン)、
5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−デシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のアルキル置換体;
5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−エチリデン−2−ノルボルネン)、
5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキセニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロペンテニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のアルケニル置換体;
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−フェニル−2−ノルボルネン)等の芳香環を有するアリール置換体;
5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン)、
5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エトキシカルボニル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
2−メチルプロピオン酸5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
2−メチルオクタン酸5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシイソプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
6−カルボキシ−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等の酸素原子を含む極性基を有する置換体;
5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
6−カルボキシ−5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等の窒素原子を含む極性基を有する置換体;
等が挙げられる。その他具体例を示していない前記各置換体も前記具体例と同様に使用することができる。
また、本発明においてノルボルネン系モノマーとして、縮合した環を有するノルボルネン化合物、すなわち、分子内にノルボルネン環と、該ノルボルネン環と縮合している1つ以上の環とを有するノルボルネン系モノマーも使用することができる。
前記縮合した環を有するノルボルネン化合物としては、式(1)又は式(2)で示されるモノマーを挙げることができる。
Figure 2014114385
(式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、ケイ素原子、酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含む置換基、又は極性基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の二価の炭化水素基を表す。)
Figure 2014114385
(式(2)中、mは0、1または2であり、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、ケイ素原子、酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含む置換基、又は極性基を表し、RとRとは互いに結合して環を形成していてもよい。)
とRが互いに結合して環を形成した例としては、式(3)に示されるモノマーを挙げることができる。
Figure 2014114385
前記式(1)及び(2)におけるR〜Rで表される原子もしくは基についてさらに説明する。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;
ビニル基、アリル基等のアルケニル基;
エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;
フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族基等が挙げられる。
これらの基中の炭素原子に結合した水素原子は、例えば、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、フェニルスルホニル基、シアノ基等で置換されていてもよい。
前記置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基は、直接環構造に結合していてもよいし、或いは連結基を介して結合していてもよい。該連結基としては、例えば、
炭素数1〜10の2価炭化水素基(例えば、−(CHα−(式中、αは1〜10の整数)で表されるアルキレン基);
酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはケイ素原子を含む連結基(例えば、カルボニル基(−CO−)、カルボニルオキシ基(−COO−)、スルホニル基(−SO−)、スルホニルオキシ基(−SO−O−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−)、シロキサン結合(−Si(R)O−、Rはメチル基、エチル基等のアルキル基である);
或いはこれらの2種以上が組み合わさって連なったものが挙げられる。
極性基としては、例えば、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミド基、イミノ基(=NH)、トリオルガノシロキシ基、トリオルガノシリル基、アミノ基、アシル基、アルコキシシリル基、スルフィノ基(−SOH)、カルボキシル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等;
アルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等;
アリールカルボニルオキシ基としては、例えば、ベンゾイルオキシ基等;
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等;
アリーロキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等;
トリオルガノシロキシ基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等;
トリオルガノシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等;
アミノ基としては、例えば、第1級アミノ基等;
アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
前記式(1)で示されるモノマーとしては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:2−ノルボルネン)、
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、
メチルジシクロペンタジエン、
ジメチルジシクロペンタジエン等を挙げることができる。
また、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンとも言う)、
テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンとも言う)等の芳香環を有するノルボルネン誘導体も挙げることができる。
前記式(2)で示されるモノマーとしては、mが1であるテトラシクロドデセン類、mが2であるヘキサシクロヘプタデセン類を挙げることができる。
前記式(2)において、mが1であるテトラシクロドデセン類としては、
テトラシクロドデセン、
8−メチルテトラシクロドデセン、
8−エチルテトラシクロドデセン、
8−シクロヘキシルテトラシクロドデセン、
8−シクロペンチルテトラシクロドデセン等の無置換又はアルキル基を有するテトラシクロドデセン類;
8−メチリデンテトラシクロドデセン、
8−エチリデンテトラシクロドデセン、
8−ビニルテトラシクロドデセン、
8−プロペニルテトラシクロドデセン、
8−シクロヘキセニルテトラシクロドデセン、
8−シクロペンテニルテトラシクロドデセン等の環外に二重結合を有するテトラシクロドデセン類;
8−フェニルテトラシクロドデセン等の芳香環を有するテトラシクロドデセン類;
8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、
8−ヒドロキシメチルテトラシクロドデセン、
8−カルボキシテトラシクロドデセン、
テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸、
テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸無水物等の酸素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;
8−シアノテトラシクロドデセン、
テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸イミド等の窒素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;
8−クロロテトラシクロドデセン等のハロゲン原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;
8−トリメトキシシリルテトラシクロドデセン等のケイ素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類等が挙げられる。
前記式(2)において、mが2であるヘキサシクロヘプタデセン類としては、
ヘキサシクロヘプタデセン、
12−メチルヘキサシクロヘプタデセン、
12−エチルヘキサシクロヘプタデセン、
12−シクロヘキシルヘキサシクロヘプタデセン、
12−シクロペンチルヘキサシクロヘプタデセン等の無置換又はアルキル基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−メチリデンヘキサシクロヘプタデセン、
12−エチリデンヘキサシクロヘプタデセン、
12−ビニルヘキサシクロヘプタデセン、
12−プロペニルヘキサシクロヘプタデセン、
12−シクロヘキセニルヘキサシクロヘプタデセン、
12−シクロペンテニルヘキサシクロヘプタデセン等の環外に二重結合を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−フェニルヘキサシクロヘプタデセン等の芳香環を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、
12−メチル−12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、
12−ヒドロキシメチルヘキサシクロヘプタデセン、
12−カルボキシヘキサシクロヘプタデセン、
ヘキサシクロヘプタデセン−12,13−ジカルボン酸、
ヘキサシクロヘプタデセン−12,13−ジカルボン酸無水物等の酸素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−シアノヘキサシクロヘプタデセン、
ヘキサシクロヘプタデセン−12,13−ジカルボン酸イミド等の窒素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−クロロヘキサシクロヘプタデセン等のハロゲン原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−トリメトキシシリルヘキサシクロヘプタデセン等のケイ素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類等が挙げられる。
本発明におけるノルボルネン系モノマーとしては、さらに下記式(4)、(5)、(6)及び(7)で表されるモノマーを挙げることができる。
Figure 2014114385
Figure 2014114385
Figure 2014114385
Figure 2014114385
(式(4)〜(7)中、nは0または1を表し、R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、ケイ素原子、酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含む置換基、又は極性基を表す。)
前記R10は、式(1)及び(2)におけるR〜Rの場合と同様のハロゲン原子、炭化水素基、極性基等を表すものである。また、式(4)〜(6)においてR10は、一置換から四置換のいずれか、式(7)においては一置換から六置換のいずれも取りうることができることを表す。
本発明におけるノルボルネン系モノマーとして更に、下式(8)及び(9)に示されるモノマーを挙げることができる。
Figure 2014114385
(式(8)中、aは0または1〜3の整数であり、bは0または正の整数であり、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、ケイ素原子、酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含む置換基、又は極性基を表す。)
前記式(8)において、R11とR12、またはR13とR14とが、互いに結合してアルキリデン基を形成する場合や、R11とR13、R11とR14、R12とR13、またはR12とR14が、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環状構造を形成する場合も本発明の範囲に含まれる。
Figure 2014114385
(式(9)中、aは0または1〜3の整数であり、bは0または正の整数であり、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、ケイ素原子、酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含む置換基、又は極性基を表す)。
非ノルボルネン系モノマーとしては、式(10)に示されるモノマーを挙げることができる。
Figure 2014114385
(式(10)において、cは0または1〜20の整数であり、R17〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、シリル基置換炭化水素基、炭化水素基置換シリル基、酸素含有基、窒素含有基を表す。)
前記ハロゲン原子としては、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素;
炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、シリル基置換炭化水素基、炭化水素基置換シリル基、酸素含有基、窒素含有基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、エイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基;
ベンジル、クミル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ジフェニルエチルなどのアリールアルキル基;
フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリルなどのアリール基;
無置換又は置換シクロペンタジエニル基、無置換又は置換シクロペンタジエニル基含有基などの炭素数1〜30の炭化水素基;
前記炭素数1〜30の炭化水素基にハロゲン原子が置換した炭素数1〜30のハロゲン化炭化水素基;
前記炭素数1〜30の炭化水素基にシリル原子が置換した炭素数1〜30のシリル基置換炭化水素基;
前記炭素数1〜30の炭化水素基がシリル原子に置換した炭素数1〜30の炭化水素基置換シリル基;
前記炭素数1〜30の炭化水素基に酸素原子が置換した炭素数1〜30の酸素含有基;
前記炭素数1〜30の炭化水素基に窒素原子が置換した炭素数1〜30の窒素含有基が挙げられる。
式(10)においてR19〜R24で示される基のうち2個の基が結合して、それらの結合する炭素原子と一緒に脂肪族環または芳香族環を形成してもよい。このような非ノルボルネン系モノマーとしては、式(11)および式(12)で表されるモノマーを挙げることができる。
Figure 2014114385
(式(11)中、dは0又は1から20までの整数であり、R17〜R21は前記式(10)に同一であり、R25〜R31は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、シリル基置換炭化水素基、炭化水素基置換シリル基を表し、R21〜R31で示される基のうち2個の基が結合して、それらの結合する炭素原子と一緒に環を形成してもよく、環は芳香族環であってもよい。)
Figure 2014114385
(式(12)中、eは0又は1から20までの整数であり、R17〜R22は前記式(10)に同一であり、R32〜R39はそれぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、シリル基置換炭化水素基、炭化水素基置換シリル基を表し、R19〜R22、R32〜R39で示される基のうち2個の基が結合して、それらの結合する炭素原子と一緒に環を形成してもよく、環は芳香族環であってもよい。)
本発明における非ノルボルネン系モノマーとしては、更に式(13)〜(16)に示されるモノマーを挙げることができる。
Figure 2014114385
(式(13)中、fは0または1以上の整数であり、R40〜R47は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す。R48〜R51は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、隣接する2つの基は互いに結合し、単環または複環の芳香族環を形成していてもよい。)
前記式(13)で示される環状オレフィン系化合物は、ベンゼン環を2つ以上含有していることにより高屈折率の共重合体が得られる点で好ましい。
前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数3〜15のシクロアルキル基などが挙げられ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アミル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシルなどのアルキル基;
シクロブチル、シクロヘキシル、シクロオクチルなどのシクロアルキル基が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、具体的には、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル、フェニルエチルなどや、これらの水素原子が他の炭化水素基で置換された基が挙げられる。
Figure 2014114385
(式(14)中、gは0または1であり、hは0または正の整数であり、iは0または1であり、R52〜R69は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜15のシクロアルキル基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、R70およびR71はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R68およびR69は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
Figure 2014114385
(式(15)中、gは0または1であり、hは0または正の整数であり、iは0または1であり、R52〜R69は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜15のシクロアルキル基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、R72は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、jは0〜10の正の整数であり、R68およびR69は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
Figure 2014114385
(式(16)中、gは0または1であり、hは0または正の整数であり、iは0または1であり、R52〜R67ならびにR73およびR74は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜15のシクロアルキル基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、R73およびR74は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
これらのノルボルネン系モノマーと非ノルボルネン系モノマーは、各々単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらを組み合わせて使用する場合、光学材料等から要求される特性に応じて、当該モノマーを適宜選択すればよい。
<アリルイソシアヌレート化合物由来の構造単位>
本発明の重合体において、アリルイソシアヌレート化合物としては、式(17)に示されるモノアリルイソシアヌレートおよび式(18)に示されるジアリルイソシアヌレートを挙げることができる。
Figure 2014114385
(式(17)および(18)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基または、式(A)〜(U)で示される有機基を表す。)
Figure 2014114385
(式(C)、(N)、(S)、(T)および(U)中、nは1〜3の整数を表す。)
これらのアリルイソシアヌレート化合物は、単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<共重合体>
本発明の重合体は、前記環状オレフィン系化合物と前記アリルイソシアヌレート化合物との重合により得られる共重合体を含む。また本発明の重合体は、前記環状オレフィン系化合物と非環状オレフィン化合物との重合により得られる共重合体の少なくとも一部が、アリルイソシアヌレート化合物により変性された重合体も含む。
前記各共重合体は、後述の溶媒、共重合触媒を用いた共重合反応により生成される。重合条件としては、環状オレフィン系化合物を用いた従来公知の重合条件を適用することができる。また、共重合反応においては、後述のその他モノマーを使用することもできる。
前記の共重合体については、本発明の効果が奏される範囲において、環状オレフィン系化合物及びアリルイソシアヌレート化合物と共に、その他モノマーとして非環状オレフィン系化合物等を適宜併用して得られる共重合体であってもよい。
<その他モノマー>
前記非環状オレフィン系化合物としては、例えば、炭素数2〜20のオレフィンモノマーを挙げることができ、例えば、炭素原子と水素原子のみからなる、いわゆる炭化水素であってもよいし、炭素原子と水素原子以外に、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有していてもよい。
前記オレフィンモノマーとしては、エチレンや、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ペンテン、3−エチル−4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘプテン、3,4−ジメチル−1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィン化合物;
ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンなどの炭素数4〜30、好ましくは4〜20で二個以上の二重結合を有するジエンまたはポリエン化合物;
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;
ビニルシクロヘキサンなどを挙げることができる。
また、前記各オレフィンモノマーは、酸素、窒素、硫黄等の原子を含んだ官能基を有していてもよい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの不飽和カルボン酸金属塩;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などの不飽和カルボン酸無水物;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−イソブチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−イソブチルなどの不飽和カルボン酸エステル化合物;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジルエステル化合物;
塩化ビニル、フッ化ビニル、フッ化アリルなどのハロゲン化オレフィン化合物;
アクリロニトリル、2−シアノ−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテンなどの不飽和シアノ化合物;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどの不飽和エーテル化合物;
アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等の不飽和アミド化合物;
メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;
N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
<重合溶媒>
環状オレフィン系化合物を使用する開環重合は無溶媒で行うこともできるが、適当な溶媒中で行うことが好ましく、使用する有機溶媒としては、得られる重合体及び重合体水素化物が所定の条件で溶解もしくは分散し、かつ、重合及び水素化反応に影響しないものであれば特に限定されず、工業的に汎用されている溶媒を使用することができる。
前記有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素;
シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等の脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素;
クロロブタン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ヘキサメチレンジブロミド、テトラクロロエチレン等のハロゲン系脂肪族炭化水素;
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系芳香族炭化水素;
ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル等の含窒素炭化水素;
酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸−イソブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類等の溶媒を使用することができる。
これらの有機溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、工業的に汎用されている芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、エーテル類が好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されるものではなく、使用するモノマーや後述するその他添加剤の総量が反応するに充分であればよい。
<重合触媒>
重合触媒としては、ノルボルネン系化合物などの環状オレフィン系化合物を重合する場合に使用される公知の開環重合触媒や付加重合触媒を使用することができる。
開環共重合を行う触媒としては、「Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization, K.J.IVIN, J.C.MOL,
Academic Press 1997」に記載されている触媒が好ましく用いられる。このような触媒としては、例えば、(a)W、Mo、Re、VおよびTiの化合物から選ばれた少なくとも1種の遷移金属化合物触媒成分と、(b)アルカリ金属元素(例えば、Li、Na、K)、アルカリ土類金属元素(例えば、Mg、Ca)、第12族元素(例えば、Zn、Cd、Hg)、第13族元素(例えば、B、Al)、第14族元素(例えば、Si、Sn、Pd)等の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合または当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種の金属化合物助触媒成分との組み合わせからなるメタセシス触媒が挙げられる。
該触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。また、重合触媒として、シュロック型重合触媒やグラブス触媒等のリビング開環メタセシス触媒等を使用することができる。これらの中でも、引張伸びの高い重合体を要する場合は、遷移金属化合物触媒成分と金属化合物助触媒成分からなるメタセシス重合触媒が好ましい。
前記(a)成分の具体例としては、デミングの周期律表第IVB、VB、VIB、VIIB、又はVIII族の遷移金属の化合物である。例えば、これらの遷移金属のハロゲン化物、オキシハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、カルボン酸塩、(オキシ)アセチルアセトネート、カルボニル錯体、アセトニトリル錯体、ヒドリド錯体、これらの誘導体、これら又はこれらの誘導体のP(C等の錯化剤による錯化物が挙げられる。
更に具体的には、例えば、WOCl、WBr、WO、HWO、WCl、MoCl、MoOCl、ReOCl、VOCl、TiCl、TiBr、等の化合物を挙げることができる。また、特開平1−240517号公報に記載の化合物も使用することができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。なかでも、重合活性等の点から、W、Mo、Ti、又はVの化合物が好ましく、特にこれらのハロゲン化物、オキシハロゲン化物、又はアルコキシハロゲン化物が好ましい。
前記(b)成分の具体例としては、デミングの周期律表第IA、IIA、IIIA、IVA、IIB、IIIB族金属の化合物で少なくとも一つの金属元素−炭素結合、又は金属元素−水素結合を有するものである。例えば、Al、Sn、Li、Na、Mg、Zn、Cd、B等の有機化合物等が挙げられる。
更に具体的には、例えば、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド((C1.5AlCl1.5、(C)AlCl)等の有機アルミニウム化合物;
テトラメチルスズ、ジエチルジメチルスズ、テトラブチルスズ、テトラフェニルスズ等の有機スズ化合物;
n−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物;
n−ペンチルナトリウム等の有機ナトリウム化合物;
メチルマグネシウムイオジド等の有機マグネシウム化合物;
ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物;
ジエチルカドミウム等の有機カドミウム化合物;
トリメチルホウ素等の有機ホウ素化合物;などが挙げられる。
また、n−CLi、(CAl、メチルアルモキサン、LiH等の特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
これらの中でも、IIIB族金属の化合物が好ましく、特にアルミニウムの有機化合物が好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
前記(c)成分の添加剤としては、メタセシス重合活性を高めるものであって、例えば、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミンなどのアミン類、分子状酸素、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、含窒素化合物、含ハロゲン化合物、その他のルイス酸等を好適に使用することができ、更に、特開平1−240517号公報に記載の化合物を使用することができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
また、その他の触媒として、周期表第IV族〜第VIII族の遷移金属−カルベン錯体やメタラシクロブタン錯体等からなるメタセシス触媒を使用することができる。
前記触媒の具体例としては、例えば、
W(=N−2,6−Ci−Pr)(=CHt−Bu)(Ot−Bu)
Mo(=N−2,6−Ci−Pr)(=CHt−Bu)(Ot−Bu)
Ru(=CHCH=CPh)(PPhCl
Ru(=CHPh)[P(C11Cl等が挙げられる。
これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
付加共重合を行う触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれた少なくとも一種と、助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いられる。
ここで、チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタンなどを、またジルコニウム化合物としてはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを挙げることができる。
バナジウム化合物としては、式(19)又は同(20)で示されるバナジウム化合物もしくは、これらと電気供与体との付加物が使用される。
Figure 2014114385
(式(19)及び同(20)中において、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。)
前記電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類、アルコキシシラン類などの含酸素電子供与体、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアナート類などの含窒素電子供与体などが挙げられる。
さらに、付加重合の助触媒としての有機アルミニウム化合物としては、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合あるいはアルミニウム−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも一種が用いられる。この場合、例えばバナジウム化合物を使用する場合におけるバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物の比率は、バナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)が2以上であり、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲である。
この他、重合触媒としては、特開2012−92354号公報に記載された触媒を使用することもできる。
<分子量調整剤>
前記開環または付加重合反応においては、分子量を調整するために、分子量調整剤を使用することができる。分子量の調整は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類等によっても行うことができるが、分子量調節剤を共重合の反応系に共存させることにより調節することが好ましい。
分子量調節剤としては、例えば、エチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン類およびスチレンが好ましく、これらのうち、1−ブテンおよび1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
この分子量調節剤の使用量は、モノマーの総量に対して、通常、0.005〜0.6倍モル、好ましくは0.02〜0.5倍モルであるが、これらの範囲に限定されず、得られる重合体の用途に応じて適宜設定することができる。
<水素化>
本発明の重合体は、通常、水素化反応工程へ供される。該水素化反応工程は、開環重合または付加重合を行った反応溶液に水素化触媒を添加して、共重合反応により得られた重合体を単離することなく、連続的に水素化反応を行うこともできる。
重合体の水素化反応は、重合体の主鎖に存在する炭素−炭素二重結合に水素添加する反応である。この水素化反応は、重合体の不活性溶媒溶液に水素化触媒を添加し、反応系内に水素を供給して行う。
使用する水素化触媒としては、オレフィン化合物の水素化に際して一般に使用されているものであれば、均一系触媒、不均一系触媒のいずれも使用することができる。得られる重合体中の残留金属の除去等を考慮すると、不均一系触媒が好ましい。このような触媒としては、例えば、特開2012−140541号公報、特開2010−159404号公報に記載された水素化触媒を使用することができる。
<変性>
本発明の重合体は、例えば、該重合体を用いた樹脂組成物中に含まれる充填剤との界面密着性向上を目的として、極性基を導入したものであってもよい。極性基の導入は、共重合に使用するモノマーとして極性基を有するものを用いたり、得られた重合体を変性することにより達成される。
具体的には、例えば(1)極性基含有不飽和化合物をグラフト変性によって付加する方法、(2)重合体中に炭素−炭素不飽和結合が存在する場合には、該不飽和結合に直接極性基を付加する方法などが挙げられる。
極性基は、樹脂組成物に含まれる有機、無機充填剤との界面密着性が向上するような極性基であれば特に制限はないが、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エステル基、シラノール基、アミノ基、ニトリル基、ハロゲン基、アシル基、スルホン基等が挙げられる。充填剤との界面密着性に優れるとの観点から、エポキシ基、ヒドロキシル基、シラノール基、アミノ基、カルボキシル基などが好ましい。
なお、環状オレフィン系化合物と共重合可能な非環状オレフィン系化合物との共重合により得られる共重合体の少なくとも一部に、アリルイソシアヌレート化合物由来の構造を導入する目的で、極性基を導入する代わりにアリルイソシアヌレート化合物を用いて変性を行うことができる。
<樹脂組成物>
本発明の重合体は、光学材料等に適用する場合、要求される特性に応じて有機または無機の充填剤や、添加剤を含有させた樹脂組成物として使用することができる。この樹脂組成物の耐熱性をさらに向上させ、線膨張係数を低減させる目的で、樹脂組成物を硬化剤を用いて硬化させてもよい。
<充填剤>
充填剤は、特に機械強度(強靭性)の向上と線膨張係数の低減を目的とし配合されるものであって、無機または有機充填剤のいずれでも構わない。
無機充填剤としては、特に制限はないが、例えば、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質ないし微粉化カルシウム、特殊カルシウム系充填剤)、クレー(ケイ酸アルミニウム;霞石閃長石微粉末、焼成クレー、シラン改質クレー)、タルク、シリカ、アルミナ、ケイ藻土、ケイ砂、軽石粉、軽石バルーン、スレート粉、雲母粉、アスベスト(石綿)、アルミナコロイド(アルミナゾル)、アルミナ・ホワイト、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファイト(黒鉛)、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、発泡ガラスビーズ、フライアッシュ球、火山ガラス中空体、合成無機中空体、チタン酸カリウム、カーボン繊維、炭素中空球、無煙炭粉末、人造氷晶石(クリオライト)、酸化チタン、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイト、亜硫酸カルシウム、マイカ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維などが挙げられる。これらの無機充填剤の中でも、耐熱性、低吸水率、誘電特性、低不純物性、放熱性等に優れる理由から、特にシリカ、アルミナなどが好ましい。
有機充填剤としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、フッ素繊維、エボナイト粉末、熱硬化性樹脂中空球、エポキシ樹脂フィラー、シリコン系フィラー、サラン中空球、セラック、木粉、コルク粉末、ポリビニルアルコール繊維、セルロースパウダ、木材パルプ、などが挙げられる。これらの中でも、特に、耐熱性(熱分解温度が高い)、機械特性、などに優れる理由からエポキシ樹脂フィラー、シリコン系フィラー、熱硬化樹脂中空球、フッ素繊維などが好ましい。
これらの充填剤は、樹脂(重合体)と充填剤間の濡れ性向上及び接着性の向上を目的として、エポキシシラン、アミノシラン、チタネート、アルミキレート、ジルコアルミネート等のカップリング剤、あるいはシリコンオイル等で表面処理を行ってもよい。また、これらの充填剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
充填剤の配合量については、発明の効果が損なわれない範囲において特に制限はなく、例えば、電子部品の封止材料として使用する場合には、樹脂組成物中において、50〜99重量%、好ましくは80〜97重量%、より好ましくは85〜95重量%の割合であればよく、絶縁材料として使用する場合には、1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の割合であればよい。
配合量が少ない場合は十分な硬化が発現せず、多すぎる場合は分散性が悪くなって逆効果が生じる場合があるために、充填剤の配合量が前記範囲にあると、耐熱性、機械強度の向上効果と、分散性が高度にバランスされて好ましい。
配合方法については、通常の攪拌羽根による攪拌以外にホモジナイザー、ボールミル、3本ロールミル、1軸または2軸押出し機等により、剪断応力をかけながら配合すると、分散性がより向上して好ましい。
<添加剤>
本発明の樹脂組成物には、用途に応じて、難燃剤、ゴム質重合体やその他の熱可塑性樹脂(以下において、「その他ポリマー成分」ということがある)、耐熱安定剤、耐候安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどのその他の添加剤を適量配合することができる。これらの添加剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
特に電子部品用に使用する場合には、難燃剤を好ましく添加することができる。難燃剤としては、特に制限はないが、硬化剤によって分解、変性、変質しないものが好ましく、通常ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤が用いられる。
ハロゲン系難燃剤としては、塩素系及び臭素系の種々の難燃剤が使用可能であるが、難燃化効果、成形時の耐熱性、樹脂への分散性、樹脂の物性への影響等の面から、
ヘキサブロモベンゼン、
ペンタブロモエチルベンゼン、
ヘキサブロモビフェニル、
デカブロモジフェニル、
ヘキサブロモジフェニルオキサイド、
オクタブロモジフェニルオキサイド、
デカブロモジフェニルオキサイド、
ペンタブロモシクロヘキサン、
テトラブロモビスフェノールA、
及びその誘導体(例えば、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)等)、
テトラブロモビスフェノールS、及びその誘導体(例えば、テトラブロモビスフェノールS−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等)、
テトラブロモ無水フタル酸、及びその誘導体(例えば、テトラブロモフタルイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド等)、
エチレンビス(5,6−ジブロモノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)、
トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、
ヘキサクロロシクロペンタジエンのディールス・アルダー反応の付加物、
トリブロモフェニルグリシジルエーテル、
トリブロモフェニルアクリレート、
エチレンビストリブロモフェニルエーテル、
エチレンビスペンタブロモフェニルエーテル、
テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、
臭素化ポリスチレン、
臭素化ポリフェニレンオキサイド、
臭素化エポキシ樹脂、
臭素化ポリカーボネート、
ポリペンタブロモベンジルアクリレート、
オクタブロモナフタレン、
ヘキサブロモシクロドデカン、
ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、
N−メチルヘキサブロモジフェニルアミン等を使用するのが好ましい。
リン系難燃剤としては、
トリス(クロロエチル)ホスフェート、
トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、
トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、
トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、
トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、
ジ(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、
トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、
トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、
トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル難燃剤;
トリメチルホスフェート、
トリエチルホスフェート、
トリブチルホスフェート、
トリオクチルホスフェート、
トリス(ブトキシエチル)ホスフェートなどの脂肪族リン酸エステル;
トリフェニルホスフェート、
クレジルジフェニルホスフェート、
ジクレジルフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェート、
トリキシレニルホスフェート、
キシレニルジフェニルホスフェート、
トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、
イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、
ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、
トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、
トリス(tert−ブチルフェニル)ホスフェート、
ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、
オクチルジフェニルホスフェートなどの芳香族リン酸エステル等のノンハロゲン系リン酸エステル難燃剤を使用するのが好ましい。
難燃剤の配合量は、重合体100質量部に対して、通常3〜150質量部、好ましくは10〜140質量部、より好ましくは15〜120質量部の割合である。
難燃剤の難燃化効果を更に発揮させるための難燃助剤として、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、三塩化アンチモン等のアンチモン系難燃助剤を使用することができる。これらの難燃助剤は、難燃剤100質量部に対して、通常1〜30質量部、好ましくは2〜20質量部の割合で使用する。
前記その他ポリマー成分は、樹脂組成物に柔軟性等を付与する目的で必要に応じて配合される。ゴム質重合体は、常温(25℃)以下のガラス転移温度を持つ重合体であって、通常のゴム状重合体および熱可塑性エラストマーが含まれる。ゴム質重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、使用目的に応じて適宜選択され、通常5〜200である。
ゴム質重合体としては、例えば、
エチレン−α−オレフィン系ゴム質重合体;
エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体ゴム;
エチレン−メチルメタクリレート、エチレン−エチルアクリレート、エテレン−ブチルアクリレートなどのエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;
エチレン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体;
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸アルキルエステルの重合体;
ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル−スチレン共重合体などのジエン系ゴム;
ブチレン−イソプレン共重合体などが挙げられる。
その他の熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテートなどが挙げられる。
これらのその他ポリマー成分は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができ、その配合量は、発明の効果が損なわれない範囲で適宜設定されるが、重合体100質量部に対して30質量部以下であることが好ましい。
耐熱安定剤、耐候安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス等としては、例えば、
テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、
2,2′−オキザミドビス[エチル−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、
2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドキシフェニル)プロピオネート]、
4,4′−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
3,3′,3″,5,5′,5″−ヘキサ−tert−ブチル−α,α′,α″−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール等のフェノール系、
ヒドロキノン系酸化防止剤;
トリフェニルホスファイト、
トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤;
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2′−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]}等の紫外線吸収剤;
ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム、
12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;
グリセリンモノステアレート、
グリセリンモノラウレート、
グリセリンジステアレート、
ペンタエリスリトールモノステアレート、
ペンタエリスリトールジステアレート、
ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステル;
合成ハイドロタルサイト;
アミン系の帯電防止剤;
フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤など塗料用レベリング剤;
シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等のカップリング剤;
可塑剤;
顔料や染料などの着色剤;
などを挙げることができる。
<樹脂組成物の硬化>
前述のとおり、本発明の樹脂組成物は、組成物の耐熱性をさらに向上させ、線膨張係数を低減させる目的で、硬化剤を使用して硬化させてもよい。使用する硬化剤に特に制限はないが、有機過酸化物や、熱により作用する硬化剤、光により作用する硬化剤などが利用できる。
有機過酸化物としては、例えば、
メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシドなどのケトンパーオキシド類;
1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;
tert−ブチルハイドロパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキシドなどのハイドロパーオキシド類;
ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α′−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルパーオキシド類;
オクタノイルパーオキシド、イソブチリルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド類;
パーオキシジカーボネートなどのパーオキシエステル類;
が挙げられる。これらの中でも、硬化した樹脂の性能の点から、ジアルキルパーオキシドが好ましく、アルキル基の種類は、成形温度によって変えることができる。
熱により作用する硬化剤は、加熱によって架橋反応させうる硬化剤であれば特に制限されないが、ジアミン、トリアミンまたはそれ以上の脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミンビスアジド、酸無水物、ジカルボン酸、多価フェノール、ポリアミドなどが挙げられる。
具体的な例としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、などの脂肪族ポリアミン;
ジアミノシクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン;
1,3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環族ポリアミン;
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、メタフェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン類;
4,4−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、4,4′−ジアジドジフェニルスルホン、4,4′−ジアジドジフェニルメタン、2,2′−ジアジドスチルベンなどのビスアジド;
無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性環状オレフィン樹脂等の酸無水物類;
フマル酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ハイミック酸等のジカルボン酸類;
フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等の多価フェノール類;
トリシクロデカンジオール、ジフェニルシランジオール、エチレングリコール及びその誘導体、ジエチレングリコール及びその誘導体、トリエチレングリコール及びその誘導体などの多価アルコール類;
ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−11、ナイロン−6,12、ナイロン−12、ナイロン−46、メトキシメチル化ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド等のポリアミド類;
等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、硬化物の耐熱性、機械強度、密着性、誘電特性(低誘電率、低誘電正接)に優れるなどの理由により、芳香族ポリアミン類、酸無水物類、多価フェノール類、多価アルコール類が好ましく、中でも4,4−ジアミノジフェニルメタン(芳香族ポリアミン類)、無水マレイン酸変性環状オレフィン樹脂(酸無水物)、多価フェノール類などが特に好ましい。また、必要に応じて硬化促進剤を配合して、架橋反応の効率を高めることも可能である。
前記硬化剤の配合量に、特に制限はないものの、架橋反応の高効率化、かつ、得られる硬化物の物性改善を計ること及び経済性の面などから、本発明の重合体100質量部に対して0.1〜30質量部、好ましくは1〜20質量部の範囲で使用される。
硬化剤の量が少なすぎると架橋が起こりにくく、十分な耐熱性、耐溶剤を得ることができず、また多すぎると架橋した樹脂の吸水性、誘電特性などの特性が低下する。よって配合量が前記範囲にある時に、これらの特性が高度にバランスされて好適である。
また、硬化促進剤としては、ピリジン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、イミダゾール類等のアミン類などが挙げられ、硬化速度の調整を行なったり、架橋反応の効率をさらに良くしたりする目的で添加される。
硬化促進剤の配合量に、特に制限はないものの、本発明の重合体100質量部に対して0.1〜30質量部、好ましくは1〜20質量部の割合で使用され、配合量がこの範囲にあるときに、架橋密度と、誘電特性、吸水率などが高度にバランスされて好適である。また、なかでもイミダゾール類が誘電特性に優れて好適である。
光により作用する硬化剤は、g線、h線、i線等の紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の活性光線の照射により、本発明の重合体と反応し、架橋化合物を生成する光反応性物質であれば特に制限されるものではないが、例えば芳香族ビスアジド化合物、光アミン発生剤、光酸発生剤等が挙げられる。
芳香族ビスアジド化合物の具体例としては、4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)4−メチルシクロヘキサノン、4,4′−ジアジドジフェニルスルフォン、4,4′−ジアジドベンゾフェノン、4,4′−ジアジドジフェニル、2,7−ジアジドフルオレン、4,4′−ジアジドフェニルメタン等が挙げられ、これらを2種類以上組み合わせて使用してもよい。
光アミン発生剤としては、例えば、芳香族アミンや脂肪族アミンのo−ニトロベンジロキシカルボニルカーバメート、2,6−ジニトロベンジロキシカルボニルカーバメートあるいはα,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジロキシカルボニルカーバメート体等が挙げられ、具体的には、アニリン、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、1,3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミンなどのo−ニトロベンジロキシカルボニルカーバメート体等が挙げられ、これらを2種以上組み合わせて使用してもよい。
光酸発生剤とは、活性光線の照射によって、ブレンステッド酸あるいはルイス酸を生成する物質であって、例えばオニウム塩、ハロゲン化有機化合物、キノンジアジド化合物、α,α−ビス(スルホニル)ジアゾメタン系化合物、α−カルボニル−α−スルホニル−ジアゾメタン系化合物、スルホン化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物等が挙げられ、これらを2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの光反応性物質の配合量に、特に制限はないものの、本発明の重合体との反応効率を良好にすること、かつ、得られる硬化物の物性を損なわないことや経済性などの点から、該重合体100質量部に対して0.1〜30質量部、好ましくは1〜20質量部の割合とすればよい。
光反応性物質の添加量が少なすぎると架橋が起こりにくく、十分な耐熱性、耐溶剤性を得ることができず、また多すぎると架橋した硬化物の吸水性、誘電特性などの特性が低下する。よって配合量が前記範囲にある時に、これらの特性が高度にバランスされて好適である。
本発明の重合体及び樹脂組成物は、光学材料として有用であり、光ディスク、光磁気ディスク、光学レンズ(プリンターや複写機用のFθレンズ、CD、MO、MD、LD、DVD、ブルーレイディスク等の光ディスクの読み取り用に用いられる非球面のピックアップレンズ、レーザープリンター用レンズ、デジタルカメラ用レンズ、カメラ付き携帯電話用CCDカメラレンズ、カメラ付き携帯電話用CMOSカメラレンズ、車載用CCDカメラレンズ等のカメラレンズ、読み取り系の円筒レンズ、ダイロックミラー、集光レンズ、結像レンズ等、またはプロジェクションテレビ用のフィールドレンズやカラーレンズ、カメラの撮像系の球面レンズや非球面レンズ、カメラ用ファインダーレンズ、カメラ用ファインダープリズム、望遠鏡用レンズ、光ファイバー用コネクターレンズ、等倍結像素子用レンズアレイ、ルーフミラーアレイレンズ、ポリゴンミラー等)、眼鏡レンズ、光学フィルム/シート(ディスプレイ用フィルム、位相差フィルム、偏光フィルム、偏光板保護フィルム、拡散フィルム、反射防止フィルム、液晶基板、EL基板、電子ペーパー用基板、タッチパネル基板、PDP前面板、液晶用プリズムシート、輝度向上シート、視野角制御フィルム等)、透明導電性フィルム用基板、光ファイバー、導光板、光カード、光ミラー、IC、LSI、LED封止材、さらにフルネルレンズ、シリンドリカルレンズ等、高精度の光学設計が必要とされている光学材料への応用が可能である。

Claims (6)

  1. 環状オレフィン系化合物由来の構造単位およびアリルイソシアヌレート化合物由来の構造単位を有することを特徴とする重合体。
  2. 環状オレフィン系化合物由来の構造単位およびアリルイソシアヌレート化合物由来の構造単位を有する重合体であって、該重合体が環状オレフィン系化合物とアリルイソシアヌレート化合物との重合により得られる共重合体を含むことを特徴とする請求項1記載の重合体。
  3. 環状オレフィン系化合物由来の構造単位およびアリルイソシアヌレート化合物の構造単位を有する重合体であって、該重合体が環状オレフィン系化合物と非環状オレフィン系化合物との重合により得られる共重合体を含み、該共重合体の少なくとも一部がアリルイソシアヌレート化合物により変性されていることを特徴とする請求項1に記載の重合体。
  4. 環状オレフィン系化合物が、ノルボルネン系モノマーであることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の重合体。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の重合体を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  6. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の重合体を含むことを特徴とする光学材料用樹脂組成物。
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