JP2014112658A - 放熱部材 - Google Patents

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高信 福井
Kazuto Hanabusa
和人 花房
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章弘 望月
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Abstract

【課題】放熱部材の厚さ方向への放熱性に優れた放熱部材を提供すること。
【解決手段】本発明は、熱可塑性樹脂と、高熱伝導性フィラーとを含む樹脂組成物を射出成形して得られる放熱部材であって、前記樹脂組成物を10mm×2mmのサイドゲートから射出成形して得られた50mm×2mmの平板状の試験片における面方向の熱伝導率は厚さ方向の熱伝導率より高く、前記放熱部材は前記放熱部材の厚さ方向に肉抜部を有し、前記肉抜部は射出成形によって形成される放熱部材を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放熱部材に関する。
通常、半導体等の発熱する部品には、該部品が有する熱を放熱させて部品を冷却するための放熱部材(ヒートシンク等とも呼ばれる)が取り付けられる。従来、各種の放熱部材が開発されており、熱伝導性の向上や軽量化等の観点で改善が重ねられてきた。
例えば、特許文献1には、孔等を有し、熱を急速に支持体表面全体に放熱させる冷却部材(放熱部材に相当)について開示されている。また、特許文献2には、炭素繊維を一方向に配列させて積層し、これに樹脂を含浸させて得た、平面方向に熱伝導性が高い放熱板(放熱部材に相当)について開示されている。
特表2009−531844号公報 特開2000−12749号公報
しかし、従来の放熱部材は、放熱部材中を伝わる熱の、厚さ方向への放熱についてはほとんど考慮されていなかった。また、熱伝導率の高い充填剤に樹脂を含浸させて放熱部材を製造する場合は、部材の生産性が低く、部材の形状についての加工の自由度にも制約がある。そのため、樹脂組成物を射出成形等することによって簡便に製造できる放熱部材が望まれていた。
また、熱伝導性を向上させるために使用される高熱伝導率の充填剤として、上述の炭素繊維等の異方性が高い充填剤を添加した樹脂組成物を射出成形して得られる放熱部材では、面方向への熱伝導性は向上し得るものの、厚さ方向への熱伝導性の向上が十分ではないため、放熱部材中に熱がこもり、放熱部材からの放熱が十分ではない可能性があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、射出成形により得られる放熱部材の厚さ方向への放熱性に優れた放熱部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、熱可塑性樹脂と、高熱伝導性フィラーとを含む樹脂組成物を射出成形してなり、射出成形によって放熱部材の厚さ方向に形成される肉抜部を有する放熱部材によれば上記課題を解決できる点を見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 熱可塑性樹脂と、高熱伝導性フィラーとを含む樹脂組成物を射出成形して得られる放熱部材であって、
前記樹脂組成物を10mm×2mmのサイドゲートから射出成形して得られた50mm×2mmの平板状の試験片における面方向の熱伝導率は厚さ方向の熱伝導率より高く、
前記放熱部材は前記放熱部材の厚さ方向に肉抜部を有し、
前記肉抜部は射出成形によって形成される放熱部材。
(2) 前記肉抜部に前記樹脂組成物が充填された(1)に記載の放熱部材。
(3) 前記高熱伝導性フィラーは、板状フィラー、繊維状フィラー及びこれらの混合物のうちのいずれかである(1)又は(2)に記載の放熱部材。
本発明によれば、射出成形により得られる放熱部材の厚さ方向への放熱性に優れた放熱部材が提供される。
本発明の放熱部材の2種類の態様を示す図である。 実施例で成形した放熱部材の形状を示す図である。 実施例で行った放熱性試験において使用した装置を示す図である。 実施例で成形した放熱部材の形状を示す図である。 実施例で行った熱伝導率の検討において使用した小片の切り出し方を示す図である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
[樹脂組成物]
本発明の放熱部材は、熱可塑性樹脂と、高熱伝導性フィラーとを含む樹脂組成物を射出成形して得られる。
(熱可塑性樹脂)
本発明における「熱可塑性樹脂」とは、熱可塑性樹脂単独の材料のみならず、熱可塑性樹脂に各種の充填材、及び/又は、各種の添加剤を配合した熱可塑性樹脂組成物を指す。なお、本明細書において使用される「容積%」とは25℃で測定された値である。
本発明において使用する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、放熱部材の材料として通常使用するものを使用できる。具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶性樹脂(LCP)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)が挙げられる。中でも、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶性樹脂(LCP)が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、機械的特性、電気的特性、耐熱性や成形性等が優れているという点で、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドが好ましい。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂含量は、放熱部材を成形できる限り特に限定されないが、樹脂組成物中に20〜70容積%であってもよい。
(高熱伝導性フィラー)
本発明における「高熱伝導性フィラー」とは、高い熱伝導率(例えば、1W/m・K以上、好ましくは3W/m・K以上の熱伝導率)を有する材料を指す。このようなフィラーが樹脂組成物中に配合されるため、樹脂組成物を射出成形して得られる放熱部材は熱伝導性を有する。高熱伝導性フィラーの例としては、タルク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、黒鉛等が挙げられる。
本発明の放熱部材は、従来の放熱部材と比較して、放熱部材に伝わった熱の多くを放熱部材の厚さ方向に流すことができる。従って、本発明の放熱部材は、放熱部材からの放熱性が優れている。その理由を下記に説明する。なお、本発明における放熱部材の「厚さ方向」とは、放熱部材と熱源とが積層する方向である。また、本発明における放熱部材の「面方向」とは、放熱部材の厚さ方向と直交する方向である。例えば、図1の(A)における放熱部材1の厚さ方向は、熱源3から放熱板2に向かう方向(矢印X)である。また、図1の(B)における放熱部材1の厚さ方向は、熱源3から放熱部材1の肉抜部(溝部)4に向かう方向(矢印X’)である。
本発明における樹脂組成物をサイドゲート(10mm×2mm)から射出成形して得られた平板状の試験片(50mm×2mm)における面方向の熱伝導率は、厚さ方向の熱伝導率より高い。例えば、該平板状の試験片における面方向の熱伝導率と、厚さ方向の熱伝導率との比率(面方向の熱伝導率/厚さ方向の熱伝導率)は1.5以上である。これは、樹脂組成物中の高熱伝導性フィラーが、射出成形の工程において、平板状の試験片の面方向に配向するため、面方向への熱伝導性が高くなるからである。
他方、本発明の放熱部材は、厚さ方向に肉抜部を有するように樹脂組成物が射出成形される。樹脂組成物が金型内に射出される際に、高熱伝導性フィラーは、金型中で肉抜部に相当する部分に沿って放熱部材の厚さ方向に配向する。これにより、本発明の放熱部材は、厚さ方向への熱伝導性が高まり、熱源からの熱の多くが、放熱部材を介して、熱源とは逆側の方向に放熱される。従って、本発明の放熱部材によれば、熱源からの熱が効率的に放熱部材から放熱される。例えば、本発明の放熱部材の厚さ方向の熱伝導率と、上記の平板状の試験片の厚さ方向の熱伝導率との比率(放熱部材の厚さ方向の熱伝導率/平板状の試験片の厚さ方向の熱伝導率)は、1より大きい可能性がある。
なお、放熱部材の厚さ方向の肉抜部が、射出成形によって形成されたものではない場合(例えば、樹脂組成物を平板状に射出成形した後に、該平板を機械加工(切削等)することで肉抜部を形成した場合)は、本発明の効果が得られにくい。なぜならば、平板状に射出成形された成形体においては、高熱伝導性フィラーが厚さ方向にほとんど配向していない。そのため、かかる状態の成形体を加工して肉抜部を形成しても、得られる放熱部材中の高熱伝導性フィラーが厚さ方向に配向しておらず、放熱部材の厚さ方向への放熱性が得られにくい。
本発明の効果をより効果的に実現するため、本発明における高熱伝導性フィラーは、アスペクト比が1ではないものが好ましい。なぜならば、上記の通り、本発明の放熱部材中の高熱伝導性フィラーは放熱部材の厚さ方向に配向するが、このような配向性は縦と横の長さが異なるフィラーによって実現しやすいからである。従って、アスペクト比がほぼ1である粒状フィラー又は球状フィラーは、放熱部材の厚さ方向に配向しないため、本発明の効果が得られにくい。ただし、アスペクト比が1ではない高熱伝導性フィラーと、アスペクト比がほぼ1である粒状フィラー又は球状フィラーとの混合物を本発明における高熱伝導性フィラーとして使用することにより、本発明の効果が奏され得る。
アスペクト比が1ではない高熱伝導性フィラーとしては、板状フィラー、繊維状フィラー、鱗片状フィラー、錠剤状フィラー、その他の非粒状フィラーや非球状フィラー及びこれらの混合物が挙げられる。また、本発明における高熱伝導性フィラーのアスペクト比は、2以上、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、特に好ましくは60以上(例えば、80以上)であることが好ましい。高熱伝導性フィラーのアスペクト比の上限は特に限定されないが、500以下であってもよい。
樹脂組成物中の高熱伝導性フィラー含量は、放熱部材に所望の熱伝導性を与えることができる限り特に限定されないが、樹脂組成物中に20〜70容積%であってもよい。
(その他の成分)
本発明における樹脂組成物には、上記の成分のほか、熱可塑性樹脂へ一般的に添加される公知の物質(強化用充填剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、潤滑剤、結晶化促進剤、結晶核剤等)が含まれていてもよい。これらの成分の配合量は、熱可塑性樹脂及び高熱伝導性フィラーの配合量に応じて適宜調整できる。
(樹脂組成物の製造方法)
本発明における樹脂組成物は、従来知られる、樹脂組成物の製造方法によって調製できる。本発明における樹脂組成物の製造方法としては、例えば、1軸又は2軸押出機等の溶融混練装置を使用して、各成分を溶融混練して押出した後、得られた熱可塑性樹脂組成物を粉末、フレーク、ペレット等の所望の形態に加工する方法が挙げられる。
[放熱部材]
本発明の放熱部材は、放熱部材の厚さ方向に肉抜部が形成されるように上記の樹脂組成物を射出成形することで得られる。
本発明における「肉抜部」は、放熱部材を厚さ方向に貫通する孔であってもよく、放熱部材を貫通しない凹部であってもよい。凹部の深さは、得ようとする放熱性の程度に応じて適宜調整できる。放熱部材と熱源との接触面積が広く、熱源からの熱を効率的に放熱させることができる点で、肉抜部は放熱部材を貫通しない凹部であることが好ましい。図1には、肉抜部が細長い方形(溝)の形状であり、放熱部材を貫通しない凹部を有する放熱部材の例が示されている。なお、図1において、厚さ方向とは上下方向に対応し、面方向とは前後左右方向に対応する。また、図1における「溝部」とは、肉抜部に相当する。
肉抜部の形状は問わないが、例えば、方形、円形、波状、渦巻状、格子状等の任意の形状が挙げられる。また、肉抜部の数は問わないが、1又は2以上であってもよい。高熱伝導性フィラーの配向性を高めるために、方形の肉抜部を、肉抜部同士が平行に並ぶように複数設けることが好ましい。図1には、断面が方形である複数の肉抜部(溝部)が設けられた放熱部材の例が示されている。また、肉抜部が円形である場合は、図4に示すように、放熱部材の厚さ方向に円柱状の肉抜部を複数設けてもよい。
肉抜部を複数設ける場合、肉抜部間の幅を変えることにより、高熱伝導性フィラーの厚さ方向への配向性を調整できるため、放熱部材の放熱性を調整できる。例えば、肉抜部間の幅を狭くすることで、高熱伝導性フィラーの厚さ方向への配向性が厚さ方向に揃いやすくなり、放熱部材の厚さ方向への放熱性がより高まる。
樹脂組成物が金型内に射出される際に、高熱伝導性フィラーは、金型の形状に沿って配向し、金型面に近いほど高熱伝導性フィラーの配向度が高くなる。また、金型面(特に、放熱部材の厚さ方向の金型面)に接する高熱伝導性フィラーの量が多いほど、高熱伝導性フィラーは、放熱部材の厚さ方向に配向しやすくなり、放熱性に優れた放熱部材が得られやすい。従って、肉抜部は、金型と樹脂組成物とが接する金型表面積が大きくなるように設けることが好ましい。
図1に例示するように、本発明の放熱部材1は、内部に熱源3を格納できるように空洞が設けられていてもよい。また、本発明の放熱部材1は、図1の(A)に示す通り、放熱部材1の下部に放熱板2が設けられていてもよい。このように、本発明の放熱部材を放熱板と併用することで、熱源からの熱を効率よく放熱板に伝熱しつつ、放熱板によって空気等の冷媒に放熱できる。他方、図1の(B)のように、放熱板を設けず、本発明の放熱部材1のみを使用してもよい。かかる場合は、本発明の放熱部材1が放熱板の役割を兼ね、熱源3からの熱が放熱部材1の表面に伝熱しつつ、放熱部材1の表面から放熱する。
本発明の放熱部材を得る射出成形方法としては特に限定されないが、得られる放熱部材の変形を防ぐために、残留内部応力のない成形条件を選ぶことが好ましい。充填圧力を低くし、得られる放熱部材の残留内部応力を低下させるために、成形機のシリンダー温度は、熱可塑性樹脂の融点以上の温度が好ましい。
成形時の金型温度は、結晶性樹脂のガラス転移点以上の温度が好ましい。金型温度が低いと、金型に充填された複合樹脂組成物が流動不良を起こす可能性があるため好ましくない。また、金型温度が高いと、バリ発生等の問題が生じる可能性があるため好ましくない。射出速度については、成形機の仕様等に応じて適宜調整でき、高速(例えば10mm/秒以上)で成形してもよい。射出速度の調整により、高熱伝導性フィラーの厚さ方向への配向性を適宜調整できる。
本発明の放熱部材の射出成形時においては、樹脂組成物を、肉抜部が方形等である場合、肉抜部の長手方向と同方向から金型に射出すると、高熱伝導性フィラーの配向性が高まるため好ましい。また、本発明の放熱部材の射出成形時において、樹脂組成物を金型に充填して肉抜部を一旦形成した後に、金型の一部又は全面を後退させ(いわゆるコアバック)、形成された肉抜部に樹脂組成物を充填することで、放熱部材の厚さ方向への放熱性が高く、かつ、熱源との接触面積の広い放熱部材を得ることもできる。つまり、本発明の放熱部材は肉抜部を有するが、形成された肉抜部には樹脂組成物が充填されていてもよい。
本発明の放熱部材は優れた熱伝導性を有し、例えば、1W/m・K以上の熱伝導率を有する。そのため、本発明の放熱部材は半導体、コンデンサ、モーター等の各種部品の冷却等のために使用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂(ポリブチレンテレフタレート)と、高熱伝導性フィラー(2種類の板状タルク、粒状酸化マグネシウム、板状窒化ホウ素、又は板状グラファイト)とを含む樹脂組成物を試験片(放熱部材に相当する)に射出成形した。一部の試験片(下記の「形状4」及び「形状5」)は、成形時にコアバックを行った。
実施例において使用した材料は下記の通りである。
熱可塑性樹脂:60容積%、製品名「ジュラネックス(登録商標) 2000」、ウィンテックポリマー社製
板状タルク1:40容積%、製品名「MISTRON 950−JSA」、日本ミストロン社製、密度:2.6g/cm、平均粒径(d50):5.6μm、BET比表面積:13m/g(なお、該板状タルクのアスペクト比は98である)
板状タルク2:40容積%、製品名「クラウンタルクPP」、松村産業社製、密度:2.75g/cm、平均粒径(d50):9.7μm、BET比表面積:7m/g(なお、該板状タルクのアスペクト比は86である)
粒状酸化マグネシウム:40容積%、製品名「RF−50−SC」、宇部マテリアルズ社製(なお、該粒状酸化マグネシウムのアスペクト比はほぼ1である)
板状窒化ホウ素:40容積%、製品名「KBN−20」、Chang Sung Corporation製、平均粒径(d50):20μm、BET比表面積:3m/g(なお、該板状窒化ホウ素のアスペクト比は66である)
板状グラファイト:製品名「SGS250」、SECカーボン社製、密度:2.24g/cm、平均粒径(d50):250μm、BET比表面積:1.6m/g(なお、該板状グラファイトのアスペクト比は446である)
上記の材料の平均粒径は、堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920)を使用して測定した。上記の材料のBET比表面積はJIS 8830(ISO 9277)に準拠して測定した。上記の材料のアスペクト比は、高熱伝導性フィラーの形状を直径d、高さh、表面積S、体積Vの円板状であると仮定し、下式から求めた。
アスペクト比(d/h)={(d×S)/2V}−2
射出成形された試験片の形状は下記のうちのいずれかである。
[形状1]射出成形で形成された肉抜部(溝部)を有する平板(図2参照)
[形状2]平板を射出成形した後に機械加工(切削)で肉抜部(溝部)を形成したもの(形状は形状1における平板と同様である)
[形状3]射出成形された平板(肉抜部を有さず、全体の寸法は形状1における平板と同様である)
[形状4]形状1の平板の肉抜部に、コアバックによって樹脂組成物を充填した平板
[形状5]射出成形で形成された肉抜部(円形の穴)に、コアバックによって樹脂組成物を充填した平板(図4参照)
なお、図2及び4中の矢印は、10mm×2mmのサイドゲートの位置を示しており、該サイドゲートから樹脂組成物を金型に充填した。
[放熱性試験]
得られた各試験片を、図3に示す装置を用いて、ヒータ温度(T1)及び放熱板温度(T2)を測定した。次いで、T1とT2の温度差ΔT(T1−T2)を求めた。その結果を表1及び2に示す。なお、ΔTの値が小さいことは、熱源であるヒータからの熱が、試験片のヒータ側の表面にこもらずに放熱板へ伝熱しており、放熱部材の熱伝導性が高いことを示す。
なお、図3の試験片の上下にあるアルミ板は、本試験において、ヒータと放熱板の温度とを平均化して測定するための部材であり、本発明の放熱部材とともに適宜使用できるものであるが、その使用は必須ではない。
Figure 2014112658
Figure 2014112658
表1に示される通り、アスペクト比が1ではない高熱伝導性フィラーである板状タルクを含む樹脂組成物を使用して、射出成形で形成された溝部を有する平板はΔTが低く、厚さ方向への熱伝導性が高いことが分かる。
一方、アスペクト比がほぼ1である粒状酸化マグネシウムを含む樹脂組成物を使用した場合におけるΔTは、溝部が射出成形によって形成されたものであるか、切削によって形成されたものであるかに関わらず、差が認められず、試験片とヒータとの接触面積のみがΔTに影響していることが分かる。
表2に示される通り、放熱部材の成形時にコアバックを行うことで得られた平板(形状4)は、コアバックを行わずに得られた平板(形状1)よりもさらにΔTが低く、厚さ方向への熱伝導性が高いことが分かる。表1の形状3は、形状4と外見上は同一であるにもかかわらず、形状4のΔTの方が低いことを踏まえると、形状4におけるΔTの低下は、単に放熱部材の表面積が増えたことによる影響だけではなく、高熱伝導性フィラーの配向度が厚さ方向に高まったことによる影響も寄与していると推察できる。
また、形状4及び形状5は、外見上は同一であるにもかかわらず、表2に示される通り、形状5のΔTの方が低く、厚さ方向への熱伝導性が高かった。ここで、形状4の放熱部材の厚さ方向の金型面の表面積は、720mm((長さ33mm×深さ2mm)×10面+(幅3mm×深さ2mm)×10面)である。他方、形状5の放熱部材の厚さ方向の金型面の表面積は、880mm2((直径4mm×π×深さ2mm)×35面)である。つまり、形状4よりも形状5の方が、樹脂組成物が金型内に射出される際に、放熱部材の厚さ方向の金型面に接する高熱伝導性フィラーの量が多い。そのため、形状5においては、形状4と比較して、高熱伝導性フィラーが、放熱部材の厚さ方向に、より配向しているものと推察された。
また、表2に示される通り、「板状タルク2」を使用した場合と比較して、アスペクト比がより高い「板状タルク1」を使用すると、ΔTが低かった。これは、高いアスペクト比を有する高熱伝導性フィラーの方が配向しやすく、熱伝導性を高めやすいためであると推察された。
[熱伝導率]
上記の各樹脂組成物から得られる平板状の試験片における、面方向の熱伝導率及び厚さ方向の熱伝導率を下記の方法で検討した。
各樹脂組成物を10mm×2mmのサイドゲートから射出成形して50mm×2mmの平板状の試験片を得た。各試験片から、面方向及び厚さ方向のそれぞれで、図5のように2mm×0.5mmの小片を切り出した。次いで、各小片について、図5に示すそれぞれの矢印の方向における熱拡散率を、TWA(Temperature Wave Analysis:アイフェイズ社製アイフェイズ・モバイル)によって測定した。また、各小片について比熱(パーキンエルマー社製、「DSC−7」を使用して測定した)及び比重(水中置換法で測定した)も測定し、得られた数値に基づき、下式によって熱伝導率を求めた。その結果を表3に示す。
熱伝導率=熱拡散率×比熱×比重
Figure 2014112658
表3に示される通り、アスペクト比がほぼ1である粒状酸化マグネシウムを使用すると、得られた平板状の試験片の面方向及び厚さ方向の熱伝導率は同等であった。他方、アスペクト比が1ではない他の高熱伝導性フィラーを使用すると、得られた平板状の試験片の面方向の熱伝導率は、厚さ方向の熱伝導率よりも高かった。
1 放熱部材
2 放熱板
3 熱源
4 溝部

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂と、高熱伝導性フィラーとを含む樹脂組成物を射出成形して得られる放熱部材であって、
    前記樹脂組成物を10mm×2mmのサイドゲートから射出成形して得られた50mm×2mmの平板状の試験片における面方向の熱伝導率は厚さ方向の熱伝導率より高く、
    前記放熱部材は前記放熱部材の厚さ方向に肉抜部を有し、
    前記肉抜部は射出成形によって形成される放熱部材。
  2. 前記肉抜部に前記樹脂組成物が充填された請求項1に記載の放熱部材。
  3. 前記高熱伝導性フィラーは、板状フィラー、繊維状フィラー及びこれらの混合物のうちのいずれかである請求項1又は2に記載の放熱部材。
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JP2022502866A (ja) * 2018-10-11 2022-01-11 ヴィテスコ テクノロジーズ ジャーマニー ゲー・エム・ベー・ハーVitesco Technologies Germany GmbH 電子的な制御装置および電子的な制御装置を製造するための方法

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