JP2014112292A - 人流調査支援システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大規模な人流分布推定処理をより効率的に実行すること。
【解決手段】 人流分布配信システム102は、分散プラットフォーム101を利用し、人流の変化を表現する人流モデルにもとづき仮説を大量生成し、人流計測器103による計測データとの適合性を評価することにより計測データと矛盾しない人流分布が算出できる。この際、人流モデルにもとづく人流分布の時間発展処理を類似する人流モデルごとに計算することにより重複計算を排除すると共に、時空間索引によって実測値との評価を高速化する。このように、数少ないリアルタイム計測データと、特定時点でしか調査できていない全数調査結果を組み合わせて、リアルタイムの全数調査結果に近い人流分布を得る。
【選択図】 図7

Description

本発明は、人流調査支援システム及び方法に係り、特に、人物の位置に関する情報を配信するための人流調査支援システム及び方法に関する。
従来、道路などに設置された交通量計測器(トラフィックカウンタ)などを用いて交通量や渋滞度を計測して収集するシステムが一般的に用いられている。近年になって、携帯電話に搭載されたGPS(全球測位システム)を利用して現在位置を計測して人の位置情報を収集したり、交通料金精算のためのICカードの記録を用いたりして、人の流れ(人流)を計測する試みが検討されはじめてきている。
しかしながら、従来の計測システムには以下の課題がある。第1の課題は、計測可能なデータの偏りである。たとえば携帯電話による計測システムでは携帯電話を保有している人のデータしか得られない。結果として、携帯電話を保有していない人物の動きは把握することができない。また、トラフィックカウンタを用いた計測では、道路を走行する車両に関してのみ計測可能であり、歩行時の移動を加味することができない。第2の課題は、データの密度である。たとえば、トラフィックカウンタを用いた計測では、すべての道路にトラフィックカウンタを設置することは費用が大きくかかるため、主要道路のみに設置されることになる。携帯電話による計測では、すべての人の携帯電話から位置情報を収集できるわけではなく、現実的にはごく少数のサンプルから全体を推定することになる。
上記の課題に対応するため、従来はアンケート調査などによる全数調査の結果を併用し、人口分布に補正をかけることが行われてきた。たとえば、調査対象地域居住者の性別年齢の構成をアンケートにて調査しておき、携帯電話でデータ収集できた人物に関して性別年齢構成が合うようにそれぞれ係数をかけることにより、網羅的なアンケートとサンプル調査との整合性をとることがなされている。
特開2012−108748号公報
Efficient Parallel kNN Joins for Large Data in MapReduce, Proceeding of International Conference on Extending Database Technology(EDBT’12), pp.38−49 (March 2012)
特許文献1では、リアルタイムに取得される現在地のデータの欠落に対して、過去の移動履歴データを用いて学習されたモデルを用いることにより、欠落部分を推定する技術が開示されている。しかし、当該発明は本願の想定するような都市域規模での人流分布推定処理を想定していない。大規模な位置情報に対する処理としては、分散処理プラットフォームを用いた検索方式が非特許文献2に開示されている。本文献は分散処理方法として公知のMapReduceアルゴリズムを利用し、位置情報の集合に対する検索を実施することに関する文献である。この技術は、集合内で近い順にk点分の位置情報データを検索してくるk近傍検索と呼ばれる検索を集合に含まれる全点に対して相互に実行することを目的としている。
非特許文献2に示されたとおり、大規模な時空間データ、特に位置情報に関して高速に処理を行うためには分散処理を利用することが有効である。実際、特許文献1に示されている統計モデルは個人の行動に関するモデルであり、特定人物の移動履歴の一部の欠損を補間する目的で用いられているため、各個人の処理を並列的に実行することは容易である。しかし、ごく一部の計測結果から全体の挙動を補間することを想定すると、対象領域にいる人物すべての動きが実測と調和するように補間を行わなければならない。たとえば、全数調査の結果と実測データを合わせる必要がある。すると、人単位に処理を分割することができなくなるため、処理を並列化することが困難である。
また、全数調査結果と各種リアルタイムの計測データを融合させ、リアルタイムかつ広域の人流分布を得るためには、汎用的かつ高精度な人流分布推定結果の推定が必要となる。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、大規模な人流分布推定処理をより効率的に実行することを、目的のひとつとする。
また、本発明は、数少ないリアルタイム計測データと、特定時点でしか調査できていない全数調査結果を組み合わせて、リアルタイムの全数調査結果に近い人流分布を得ることを、他の目的とする。
本発明の第1の解決手段によると、
人流調査支援システムであって、
複数のコンピュータに計算を分散する分散処理プラットフォームと、
人流分布の仮説データから人流分布を推定した人流分布データを配信する機能を持った人流分布配信システムと、
人流のリアルタイムの計測データを計測する人流計測器と
を備え、
前記人流分布配信システムは、前記分散プラットフォームを用いて、
人流の変化を表現する人流モデルにもとづき前記仮説データを複数生成し、
前記人流モデルに基づくひとつ又は複数の前記仮説データの時間発展処理を、時空間索引を付与しながら計算し、
前記人流計測器から前記計測データを入力し、
前記計測データを含む一つまたは複数の時空間索引を算出し、当該時空間索引と合致する前記仮説データを参照し、計測データと比較することにより前記仮説データの適合性を評価し、当該適合性にもとづき前記人流分布データを推定することにより、リアルタイムの前記人流分布データを得て、
前記人流分布データを人流分布推定結果保存部に保存する
ことを特徴とする人流調査支援システムが提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
人流調査支援システムを用いた人流調査支援方法であって、
前記人流調査支援システムは、
複数のコンピュータに計算を分散する分散処理プラットフォームと、
人流分布の仮説データから人流分布を推定した人流分布データを配信する機能を持った人流分布配信システムと、
人流のリアルタイムの計測データを計測する人流計測器と
を備え、
前記人流分布配信システムは、前記分散プラットフォームを用いて、
人流の変化を表現する人流モデルにもとづき前記仮説データを複数生成し、
前記人流モデルに基づくひとつ又は複数の前記仮説データの時間発展処理を、時空間索引を付与しながら計算し、
前記人流計測器から前記計測データを入力し、
前記計測データを含む一つまたは複数の時空間索引を算出し、当該時空間索引と合致する前記仮説データを参照し、計測データと比較することにより前記仮説データの適合性を評価し、当該適合性にもとづき前記人流分布データを推定することにより、リアルタイムの前記人流分布データを得て、
前記人流分布データを人流分布推定結果保存部に保存する
ことを特徴とする人流調査支援方法が提供される。
本発明によると、大規模な人流分布推定処理をより効率的に実行することができる。
また、本発明によると、数少ないリアルタイム計測データと、特定時点でしか調査できていない全数調査結果を組み合わせて、リアルタイムの全数調査結果に近い人流分布を得ることができる。
実施例1のシステム構成図。 ハードウェア構成図。 実施例1の利用手順についての説明図。 人流モデル生成処理(事前バッチ処理)のフローチャート。 人流モデルデータ構造についての説明図。 人流モデルの例についての説明図。 リアルタイム処理フローについての説明図。 計測データの構造についての説明図。 人流分布推定(700)の流れについての説明図。 仮説更新処理についての説明図。 人流仮説生成処理(1001)についての説明図。 人流仮説生成処理における分散プラットフォームとの通信内容についての説明図。 分散処理プラットフォームへ委譲される処理についての説明図。 人流仮説データについての説明図。 人流仮説時間発展処理についての説明図。 時空間索引についての説明図。 人流仮説時間発展処理における分散プラットフォームとの通信内容についての説明図。 分散プラットフォームへ委譲される人流仮説時間発展処理のフローチャート。 分布推定処理についての説明図。 人流仮説評価処理における分散プラットフォームとの通信内容についての説明図。 人流仮説評価処理のフローチャート。 評価対象時空間領域再構成処理概念図。 人流分布データについての説明図。 人流分布配信の通信用データについての説明図。 人流推定の原理についての説明図。 実施例2の計測データについての説明図。 実施例2の評価対象領域再構成概念図。 実施例2の人流分布データについての説明図。 実施例3の人流仮説生成処理(1001)についての説明図。 実施例3の人流仮説生成処理における分散プラットフォームとの通信内容についての説明図。 実施例3の分散プラットフォームへ委譲される処理のフローチャート。 実施例3の時空間索引についての説明図。 実施例4時空間索引についての説明図。 モデルパラメータ初期化処理(401)のフローチャート。 所属モデル推定処理(402)のフローチャート。 モデルパラメータ最適化処理(403)のフローチャート。 仮説選択処理(1101)のフローチャート。 人流仮説複製処理(1301)のフローチャート。 人流仮説削除処理(1302)のフローチャート。 次回位置推定処理(1802)のフローチャート。 仮説更新手続きの一例のフローチャート。 時空間索引領域判定処理のフローチャート。 評価対象領域再構成処理のフローチャート。 評価演算処理のフローチャート。 人流仮説評価処理の計算機配分概念図。 人流分布算出処理のフローチャート。 人流仮説時間発展要求発行処理のフローチャート。 分散処理プラットフォーム起動時の仮説初期化処理のフローチャート。 計測データ時空間領域算定処理のフローチャート。 人流分布配信の手順についての説明図。 人流仮説件数集計処理のフローチャート。 アプリケーションの利用イメージについての説明図。 人流モデル分類処理(1801)のフローチャート。 実施例3の時空間索引更新処理のフローチャート。 仮説評価保存部(113)の仮説評価データ(2002)についての説明図。
1.概要

本実施例では、分散処理プラットフォームを利用して人流の変化を表現する人流モデルにもとづく人流分布の仮説を大量生成する。これらの各仮説と計測データとの適合性を評価することにより計測データと矛盾しない人流分布が算出できる。この際、本実施例では、人流モデルにもとづく人流分布の時間発展処理を類似する人流モデルごとに計算することにより計算を並列化しかつ重複計算を排除することができる。この人流モデル毎の処理並列化によって計測データとの時空間索引によって実測値との評価を高速化することができる。
2.システム
図1に、実施例1のシステム構成図の一例を示す。本実施例は分散処理プラットフォーム(101)、人流分布配信システム(102)、人流計測器(103)を備え、アプリケーション(104)の求めに応じて人流分布データを配信する機能を持つ。
分散処理プラットフォーム(101)は、多数のコンピュータによって構成される計算プラットフォームであり、当該多数のコンピュータの記憶領域や演算器(プロセッサ)を並列的に動作させることにより高速に処理をすることができる。分散処理プラットフォーム(101)には、人流の変化に関するルールを記録した人流モデルDB(105)と、人流分布の仮説を記録する仮説DB(106)が含まれている。人流モデルDB(105)には、予め取得した全数調査の結果が含まれていてもよく、その場合は全数調査の結果から人流の変化に関するルールを抽出するようにできる。これらのDBからデータを読み出して処理を実行するために分散処理実行部(107)があり、ネットワークを経由して人流分布配信システム(102)から要求があれば、並列的な演算を行うことができる。
人流分布配信システム(102)は、人流計測器(103)から送られてくる計測結果を用いて人流分布を推定し、その結果をアプリケーション(104)に向けて配信するためのシステムである。人流計測器(103)としては、道路の通行量を計測するカウンタや公共交通機関の決済に用いられるカードの利用履歴、携帯電話などに搭載されたGPSによって計測された人の位置情報などを用いることができる。人流分布配信システムは、人流計測器(103)から送られてきた情報を計測データ受信部(115)にて受けつけ、計測結果に適合する人流分布仮説を構成する。計測結果に適合する人流分布を推定するため、人流分布配信システム(102)は、人流の変化に関するルールを全数調査の結果から推定するモデル生成部(111)、現況の人流分布の仮説を構築する仮説生成処理部(109)、構築された仮説と人流計測器(103)から送られてきた情報の適合性を見積もるための仮説評価部(112)をもつ。この仮説評価の結果は仮説評価保存部(113)に保存される。人流推定部(114)はそれを用いて人流分布の推定を行い、人流分布推定結果保存部(116)に保存する。アプリケーション(104)からの求めがあると、人流分布配信部(117)は人流分布推定結果保存部(116)から推定結果を読み出して配信する。これらの手順は各部から発行される要求に従って分散処理プラットフォーム(101)によって実行されるため、複数の処理が並列に実行される。結果として大量の処理が高速に行えるという利点がある。
本実施例の特徴の一つは、仮説生成処理部(109)が仮説生成の要求を発行する際、時空間索引管理部(110)に問い合わせて得られる索引情報を用意することにある。索引情報を用いることにより、分散処理プラットフォーム(101)での計算において、仮説上の人の位置に時空間索引を付与することができる。一般的には、仮説を人ごとに分割し、同一のモデルに従う人物に関する計算を一つのコンピュータに割り当てて仮説生成処理部(109)により処理を実行することにより、多数の仮説間で重複する計算を排除して高速化することができると考えられる。その反面、仮説を人ごとに分割したことに伴い仮説評価部(112)による評価の際には同一仮説下の人の動きを集約して一つの仮説を再構成して評価を行う必要がある。本実施例ではこの再構成を行わずに仮説評価を実現するために時空間索引を使用する。
図2に、本発明の実施例にかかるハードウェア構成の例を示す。本実施例を構成する分散処理プラットフォーム(101)は前述の通り複数のクラスタ構成コンピュータ(201)を備える。各コンピュータは、演算性能を持ったプロセッサ(204)、高速に読み書きが可能な揮発性一時記憶領域であるDRAM(205)、HDDやフラッシュメモリなどを利用した永続的な記憶領域である記憶装置(206)、通信を行うためのネットワークインタフェースカードであるNIC(207)を備える。各クラスタ構成コンピュータ(201)はNIC(207)を用いスイッチングハブ(200)を経由して情報交換が可能である。クラスタ構成コンピュータのうち一つ(203)は各コンピュータを統括する機能を持っており、各コンピュータのプロセッサ(204)に対してどのような処理をすべきかを指示する機能と、各コンピュータの記憶装置(206)にどのような情報を記録すべきかを支持する機能とを実現する分散処理実行部(107)をもっている。人流分布配信システムも同様のコンピュータで構成することができ、演算性能を持ったプロセッサ(208)、高速に読み書きが可能な揮発性一時記憶領域であるDRAM(209)、HDDやフラッシュメモリなどを利用した永続的な記憶領域である記憶装置(210)、通信を行うためのネットワークインタフェースカードであるNIC(211)を備える。なお、この構成は一例であり、例えば人流分布配信システム(102)が分散処理プラットフォーム(101)を構成するクラスタ構成コンピュータ(201)のいずれか一つにて実現される形態をとるなどしてコンピュータの台数を節減したり、逆に人流分布配信システム(102)を複数のコンピュータから成るようにして1台当たりの処理量を低減したりもできる。
3.動作
図3に、本実施例の動作手順を示す。本実施例には事前バッチ処理(301)とリアルタイム処理(302)の2つの動作状況がある。事前バッチ処理(301)は、十分な時間をかけて人流モデルを算出する処理であり、例えば数ヶ月に一度人流モデルを更新するなどの目的で実行される処理である。リアルタイム処理(302)は人流計測器から随時送付されてくる計測結果をもとに、現況の人流分布をリアルタイムに推定する処理である。リアルタイム処理にて推定された現況の人流分布はアプリケーションが随時必要に応じて取得することができるようになっている。
3−1.事前バッチ処理
以下では、事前バッチ処理について詳しく説明する。事前バッチ処理では、人流分布配信システム(102)が分散処理プラットフォーム(101)に対し、全数調査データから人流モデルを生成するように要求を発行する。
図4に、この人流モデルの生成処理手順(事前バッチ処理)の一例を、図5に、生成される人流モデルのデータ構造を、それぞれ示す。本例は人流モデルの生成処理としては公知のEMアルゴリズムなどに分類される方法を用いた例であるが、ある時刻までの人の動きを用いて次の時刻の人の動きを算定できるモデルとその生成方法であればどのような方法でもよい。
まず、人流分布配信システム(102)は、モデルパラメータ初期化(401)により各モデルのパラメータを初期化する。ここでは人流モデルとしては、人流モデルデータ(501)を用いることとする。
図34に、初期化手順を示す。モデルパラメータ初期化(401)では、人流分布配信システム(102)は、モデル種別をランダムに決定する(S3401)。つぎに、人流分布配信システム(102)は、各モデルのパラメータをモデル種別にあわせてランダムに初期化する(S3403)。また、人流分布配信システム(102)は、ランダムに混合率(502)を設定する(S3405)。図に示すとおりモデルの初期値として乱数を用いても良いし、ある程度動作の確認できる固定値を用いてもよい。
次に、人流分布配信システム(102)は、所属モデル推定(402)の処理により全数調査データ(502)に含まれる各人物の所属モデルを推定する。
図35に、この所属モデル推定処理を示す。この処理では、モデルへの適合性をあらわす比率である負担率と呼ばれる量γ(503)を計算する。各モデルの番号をk、モデルへの当てはまり度合い(尤度)をP、混合比をπとすると、以下の式によってγが計算される。

γ=π÷Σπk’

所属モデル推定(402)では、人流分布配信システム(102)は、人流全数調査データより、人物IDごとに時刻、位置をまとめて軌跡データxとする(S3501)。つぎに、人流分布配信システム(102)は、各軌跡データxを人流モデルデータ(501)の各モデルに代入しPkを算出し(S3503)、上式により、各軌跡データの負担率γkを算出する(S3505)。
次に、人流分布配信システム(102)は、γの値を用いて各モデルのパラメータを最適化(403)する。
図36に、モデルパラメータ最適化処理を示す。モデルパラメータ最適化(403)では、人流分布配信システム(102)は、各軌跡データの負担率γkと位置、時刻の列を用い、モデル種別毎に定められた更新式に従いパラメータを更新する(S3601)。γは各人物がそのモデルに関係する度合いを表すので、モデルパラメータの最適化の際にその比率分だけの寄与を与えることになる。すなわち、ある人物についてゾーンAからBへの移動が検出されたとき、各モデルにはγずつの寄与が与えられるとみなせるので、これを全人物に対して和をとった結果S(A,B)が、ゾーンAからBの移動の頻度に相当する。同様にしてゾーンAからC、ゾーンAからD・・・と繰り返す。その和S=ΣS(A,X)がゾーンAに人がいた頻度に相当するので、S(A,B)÷SがゾーンAからBへの移動確率となる。また、γの平均値を計算することにより、混合比(502)が算出できる。なお、ここで用いたモデルとしては任意の公知の人物行動モデルを用いることができ、モデルパラメータの更新の手順などはモデル種別に異なっても良い。
次に、人流分布配信システム(102)は、ステップS402とステップS403の計算の結果、モデルが更新されたかを評価し収束判定とする(404)。モデルが更新されたなら再度402に戻って実行を繰り返す。更新されなくなったときがモデルパラメータの最適値であるので計算を終了する。
図6に、この人流モデルの概念図とパラメータの一例を示す。本実施例の人流モデルとしては、エリア間の遷移モデルを扱う。対象となる空間全体(601)を地域の特性を加味した適切な地区単位に分割しておき、各地区間の移動確率を表現する。移動確率はモデルパラメータ(602)のように表現される。このモデルパラメータは出発地(現在地ゾーン)と目的地(行き先ゾーン)に関する確率をあらわす表であり、この確率値をもって人物行動が表現される。
3−2.リアルタイム処理
つぎに、リアルタイム処理について詳しく説明する。
図7に、リアルタイム処理(302)の動作手順を示す。人流計測器(103)は定期的に人流を計測し、その結果を計測データ(701)として人流分布配信システム(102)に送信する。
図8に、計測データのデータ構造の一例として交通量計測器の計測データ(801)を示す。この計測データ(801)は道路に設置されたトラフィックカウンタや建物入り口に設置された人感センサなどの装置から送付されるデータを想定しており、計測器の設置場所とその場所を通過した人や車の数を送付することができる。なお、このデータ形式は一例であり、様々な形態が考えられる。位置と時間に関連付いている計測データであればどのようなものでもよい。
人流分布配信システムは、現状の人流に適合しうる人流分布の仮説を多数保持しており、計測器から送られてきた計測データに適合する仮説ほど真の人流分布に近いとみなして人流分布を推定する。ここで人流データは大規模なデータセットであるため各処理は基本的に分散処理プラットフォーム(101)に委譲される。この委譲のための通信フローは、仮説生成要求(702)を送付し仮説生成終了信号を受け取る手続きと、仮説更新要求(704)を送付して仮説更新終了信号(705)を受ける手続きと、仮説評価要求(706)を送付して仮説評価データ(707)を受け取る手続きの3つを含む。これに仮説評価データを元に人流分布を推定するために分散処理プラットフォームへ仮説要求(710)を送信して人流仮説データ(711)を受け取る手続きを含め、本実施例では4つをまとめて人流分布推定(700)と呼ぶ。また、この人流分布推定(700)を実行している間にも又はそれを実行していない間にもアプリケーション(104)から推定結果の人流分布要求(708)が送付されてくるので、その場合、人流分布配信システム(102)は最後に受け取った仮説評価データ(707)から推定された人流分布データを返送する。このとき、仮説生成処理を一時停止して返答もよいし、停止せず分散処理プラットフォームに処理を委譲したときなど計算負荷に余裕があるときに返答してもよい。
3−3.人流分布推定(700)
つぎに、リアルタイム処理における人流分布推定(700)ついて詳しく説明する。

3−3−1.仮説初期化処理(901)
図9に、人流分布推定(700)の動作手順を示す。本システムは起動時したとき、分散処理プラットフォームにて仮説初期化処理(901)が動作し、仮説群が初期化される。
図48に、分散処理プラットフォーム起動時の仮説初期化処理の流れを示す。分散プラットフォーム起動時の初期化処理では、分散処理プラットフォーム(101)は、人流全数調査データのうち現在時刻と一致するもの全体を所定の仮説数分複製し、それぞれに仮説番号を付与する(S4801)。つぎに、分散処理プラットフォーム(101)は、各仮説の各人物に混合比(502)に比例する確率で従属モデル番号を与える(S4805)。そして分散処理プラットフォーム(101)は、各仮説の各人物の位置をランダムに少しずらし、人流仮説データ(1404)とする(S4807)。
初期化の方法はランダムに初期化しても良いし、全数調査の結果を利用して初期値としてもよい。例えば、図5に示したような混合比(502)の比率に比例する確率で所属モデルを決定し、人の数や初期位置は全数調査の値をそのまま用いることができる。人流分布配信システム(102)は、人流計測器(103)から計測データが送付されてくると、計測データ受信処理(902)にて計測データを受け取り、次に仮説更新処理(903)にて分散処理プラットフォーム(101)に格納された仮説を更新する。この仮説の更新では、これまでの経過と整合しない仮説を消去し、その分整合する仮説を追加し、現在受け取った計測データの時刻に合わせて各仮説を時間発展させる。その後、分布推定処理において各仮説と計測データとの整合性を評価し、それにもとづいて推定結果を算定する。
以降では図9に示された処理についてそれぞれ詳細に説明する。
3−3−2.仮説更新処理(903)
まず、図10を用いて仮説更新処理(903)について述べる。仮説更新処理(903)は人流仮説生成処理(1001)と人流仮説時間発展処理(1002)を含む。人流仮説生成処理(1001)は人流仮説の削除や生成を行う処理である。
図11に、この人流仮説生成処理(1001)の流れを示す。人流仮説生成処理(1101)は、主に、仮説の中から計測データとの適合性が低い仮説を削除し、代わりに適合性が高い仮説の複製を作る処理に該当する(後述の図25及びその説明箇所参照)。
まず、仮説生成処理部(109)は、仮説選択処理(1101)において、次のステップで使用する仮説の選択を行う。仮説生成処理部(109)は、この選択には、分布推定処理(904)にて算定され仮説評価保存部(113)に保存されている計測データとの整合性を示す評価指標を用いて行う。
図37に、仮説選択処理(1101)の流れを示す。仮説選択処理(1101)では、仮説生成処理部(109)は、仮説評価保存部(113)の仮説評価データから仮説番号と評価指標を取得する(S3701)。そして、仮説生成処理部(109)は、新仮説番号として1を設定し(S3703)、仮説生成処理部(109)は、評価指標の値に比例する確率で仮説番号を取得し、元仮説番号とする(S3705)。つぎに、仮説生成処理部(109)は、新仮説番号、元仮説番号、および既定の仮説複製プログラムを組み合わせて仮説生成要求(702)の一つとする(S3707)。仮説生成処理部(109)は、新仮説番号は予め決められた仮説数に達したか判断し(S3709)、noの場合は、仮説生成処理部(109)は、新仮説番号を1増加させてステップS3705に戻り(S3711)、一方yesの場合は、終了する。
図55に、仮説評価保存部(113)の仮説評価データ(2002)についての説明図を示す。仮説評価データ(2002)は、仮説番号、評価指標を含む。
ステップS3705にて評価指標の値に比例する確率の元での仮説番号選定について述べられているが、この選定方法は整合性指標の比率P=w/Σwに比例する確率により選定されれば、どのような方法でもよい(iは仮説番号する)。たとえば、最初に公知の疑似乱数生成方法により0〜1の範囲の値xを生成しておき、iが小さい仮説から順にxからPを引き算していく。xが最初に負の値になるiを生成対象とする。生成対象となった仮説を生成対象となった件数分複製し、生成対象とならなかった仮説を削除する。仮説数は一定にしてもよいし、精度が必要な場合に限り仮説数を増やすようにしてもよい。
次のステップで使用すべき仮説が選定できたら、仮説生成処理部(109)は、仮説複製削除処理(1102)において、実際にデータを格納している分散処理プラットフォーム(101)に対し、仮説の削除複製を要請する。この際に仮説の生成を要求する信号が仮説生成要求(702)であり、その結果の返答が仮説生成終了信号(703)である。
図12に、人流仮説生成処理における分散プラットフォームとの通信内容を示す。仮説生成要求(702)には生成される仮説の番号(新仮説番号)とその複製元(元仮説番号)を指定し、仮説生成終了信号(703)ではその結果(新仮説番号)を指定している。仮説生成要求(702)には分散処理プラットフォームで実行するべき内容である仮説生成手続き(1201)が含まれており、分散処理プラットフォームはここに記載されたプラグラムに基づき並列して処理を実行する。
図13に、分散プラットフォームへ委譲される処理について示す。分散処理プラットフォームは、仮説生成要求を受け取り、その要求に基づき仮説の複製(1301)、削除(1302)を実行し、人流仮説データとして格納する。
図14に、本処理にて生成される人流仮説データの構造の一例を示す。本データの1レコードは各仮説中の各人物に対して特定時刻における位置を表すようになっている。分散処理プラットフォームでは、このうち従属モデル番号(1402)を基準として処理を実行したりデータを保持したりするコンピュータが決定される。この従属モデル番号は人流モデルデータ(501)のモデル番号と対応付いており、各仮説における各人物がどのモデルに従って行動しているかを表している。これにより、次に説明する人流仮説時間発展処理(1002)における処理が効率化される。
図38に、人流仮説複製処理(1301)の流れを示す。この処理では、分散処理プラットフォーム(101)は、仮説生成要求(702)を受け付けると(S3801)、人流仮説データの仮説番号の最大値を検索し、仮説番号オフセットとする(S3805)。そして、分散処理プラットフォーム(101)は、人流仮説データの仮説番号が仮説生成要求(702)の元仮説番号と一致するデータを探す(S3807)。分散処理プラットフォーム(101)は、前処理で得られたデータを複製し、仮説番号を仮説番号+仮説番号オフセットと設定し人流仮説データに格納する(S3809)。
図39に、人流仮説削除処理(1302)の流れを示す。この処理では、分散処理プラットフォーム(101)は、仮説番号オフセットより小さい仮説番号をもつ人流仮説データを削除する(S3901)。そして、分散処理プラットフォーム(101)は、人流仮説データの仮説番号を仮説番号−仮説番号オフセットの値に更新する(S3903)。分散処理プラットフォーム(101)は、人流仮説データの仮説番号一覧を生成し、仮説生成終了信号(703)として送付する(S3905)。
次に、図15を用いて人流仮説時間発展処理(1002)について述べる。仮説生成処理部(109)は、人流仮説時間発展処理(1002)では、まず時空間索引の構成を時空間索引管理部(110)より取得する(1501)。次に、仮説生成処理部(109)は、この時空間索引の構成情報を用いて人流仮説時間発展要求発行処理(1502)を実行する。
まず、図16を用いて、時空間索引について説明する。図16の上図は、空間領域がx軸とy軸からなる二次元平面で、時間軸(t軸)が存在する時空間領域を示す。点線は時空間領域の分割線である。本実施例では、処理高速化のため、時空間領域を分割し、各分割領域と人流データを対応付ける。その際、分割領域に一意の番号を付与する。分割領域の番号付与に必要な情報が、図16下図で示す時空間索引情報(1603)である。時空間索引情報(1603)は、どの分割領域がどの番号に対応するのか計算で求めるために用いる。時空間索引情報の領域番号付与ルールには、例えば、分割領域の範囲情報から整数値に変換する関数情報が入る。
次に、図47を用い、人流仮説時間発展要求発行処理(1502)について説明する。
この処理では、仮説生成処理部(109)は、時空間索引情報を付加した更新要求を分散処理プラットフォームに送付し、それぞれの仮説を時間発展させる。人流仮説時間発展要求発行処理(1502)では、仮説生成処理部(109)は、計測データ(701)の時間帯のうち最も新しい時刻を新時刻とし(S4701)、計測データ時空間領域算定処理(4701)を実行する(S4703)。
図17に、仮説更新要求(1701)及び仮説更新終了信号(1702)の内容を示す。仮説更新要求(1701)は、計測データの最新時刻に合わせた新時刻(1703)を送付し、各仮説を新時刻(1703)に合わせるように分散処理プラットフォームに求める。
また、図49に、計測データ時空間領域算定処理の流れを示す。仮説更新要求(1701)の時空間索引情報は図49に示す手順によって生成される。この手順は、図16の格子状領域のどれに計測データが含まれるかを判定する処理である。分散処理プラットフォームにて実行される時間発展処理は仮説更新手続き(1704)に沿って実行されることになっており、処理内容は図6にて示した人流モデルの確率に基づいて実行される。
図49に示された計測データ時空間領域算定処理(4701)では、仮説生成処理部(109)は、計測データの時間帯の時刻から時空間索引情報1603の時間開始時刻を引いて時間分割幅で割り時間領域番号とする(S4901)。そして、仮説生成処理部(109)は、計測データの位置から時空間索引情報(1603)の空間原点を引いてX軸単位分割幅、y軸単位分割幅でそれぞれ割りX軸領域番号、y軸領域番号とする(S4903)。つぎに、仮説生成処理部(109)は、時間領域番号とX軸領域番号、y軸領域番号を領域番号付与ルールに当てはめて得られる領域番号を仮説更新要求(1701)の時空間索引コードとする(S4905)。
図18に、この分散処理プラットフォームに委譲された人流仮説時間発展処理(1002)の内容について示す。まず、分散処理プラットフォーム(101)は、人流モデル分類処理(1801)にて、人流仮説データ(1401)の各レコードに対し、従属モデル番号(1402)をごとに計算を実行するコンピュータを割り当てる。
図53に、人流モデル分類処理(1801)の手順を示した。人流モデル分類処理(1801)では、分散処理プラットフォーム(101)は、仮説更新要求を受け取ると(S5301)、分散処理プラットフォーム(101)は、公知の方法によりどの計算機がどのモデルを担当するかを割り振る(S5305)。そして、分散処理プラットフォーム(101)は、各計算機の保有している人流仮説データ(1401)について従属モデル番号(1402)が担当と異なる番号である場合、その番号を担当計算機に送付する(S5307)。また、この方法としては、公知のMapReduceアルゴリズムにおけるMap処理を利用することもできる。次に、次回位置推定処理(1802)にて、仮説内の各人物の位置を人流モデルしたがって時間発展させる。
図40に、次回位置推定処理(1802)の手順を示す。次回位置推定処理(1802)では、分散処理プラットフォーム(101)は、各人流仮説データに対し仮説更新手続き(1704)を実行し、新時刻(1703)の位置、状態を算出する(S4001)。つぎに、分散処理プラットフォーム(101)は、人流仮説データの時刻を新時刻に、位置と状態を前ステップの結果に置き換える(S4003)。そして、分散処理プラットフォーム(101)は、ある条件にて定まる確率により従属モデル番号(1402)を変更する(S4005)。ここでは、分散処理プラットフォーム(101)は、ステップS4001により最初に各人流仮説データの次の位置、状態を算出している。本実施例の場合、分散処理プラットフォーム(101)は、モデルパラメータ(602)の内容を参照する。
図41に、仮説更新手続き(1704)の手順を示す。仮説更新手続きでは、例えば、まず、分散処理プラットフォーム(101)は、人流仮説データ(1401)の状態が滞留中か移動中か判断する(S4101)。移動中の場合、分散処理プラットフォーム(101)は、公知の方法で目的地へ交通手段を加味した経路探索を行い、もし過去に計算結果があればそれを流用する(S4103)。つぎに、分散処理プラットフォーム(101)は、交通手段ごとに適切な速度で目的地方向へ移動させ(S4105)、目的地に着いたか判断する(S4107)。目的地に着いていなければ、分散処理プラットフォーム(101)は、交通手段を変更すべき地点に到達したか判断し(S4109)、その地点に到達していれば、交通手段を変更し(S4111)、一方、その地点に到達していなければ処理を終了する。ステップS4107で目的地に着いていなければ、滞留に変更する(S4115)。一方、ステップS4101で滞留中の場合、分散処理プラットフォーム(101)は、人流モデルパラメータ(602)の確率で行き先ゾーンを判定する(S4113)。現在ゾーンが目的ゾーンと同じであれば、処理を終了し、一方、現在ゾーン以外が目的ゾーンであれば、分散処理プラットフォーム(101)は、目的地のゾーン内でランダムに行き先を決定し(S4117)、人流仮説データ(1401)の状態を「上記目的地に徒歩で移動中」と変更する(S4119)。
このように、現在、人物が移動中でないならばモデルパラメータ(602)の確率に基づき仮説内の人の移動を開始するか、エリア内に滞留を継続するかを判定する。この際、行き先についてはエリア内のランダムに選定された地点を目的地としてもよい。もし移動中であるならば、目的地へ向かう経路に沿って、当該経路に適切な速度で人を移動させる。例えば、道路ネットワーク上で公知の経路探索を行い、当該道路の制限速度に合わせて人が移動するとして、現在地を更新することができる。このモデルは一例であって、より精度を高めるために、より複雑な条件にもとづき次の地点を決定する移動モデルを用いることもできる。この人流モデルに関しては人の次の行き先が確率的に定まるモデルであればよい。この移動の計算において、同一の人流モデルに従う人は同様の計算にもとづいて次の位置が定まるという特徴を利用し、重複計算を排除することができる。本実施例では、経路探索の処理について、同一の出発地から目的地への経路探索は同一の処理にて求まるので、同じ出発地、目的地間の経路探索を省略することができる。この重複計算の排除は一例であり、同一の計算を排除する方法ならば、どのような方法を用いてもよい。
次に、分散処理プラットフォーム(101)は、時空間索引領域判定処理(1803)にて人流仮説データ(1401)を更新した後の時空間索引コードを求める。この手順は、前述の計測データの時空間索引コードを算出する手順と同様である。
図42に、時空間索引領域算定処理の流れを示す。時空間索引領域算定処理では、分散処理プラットフォーム(101)は、人流仮説データの時刻から時空間索引情報(1603)の時間開始時刻を引いて時間分割幅で割り時間領域番号とする(S4201)。つぎに、分散処理プラットフォーム(101)は、人流仮説データの位置から時空間索引情報(1603)の空間原点を引いてX軸単位分割幅、y軸単位分割幅でそれぞれ割りX軸領域番号、y軸領域番号とする(S4203)。分散処理プラットフォーム(101)は、時間領域番号とX軸領域番号、y軸領域番号を領域番号付与ルールに当てはめて得られる領域番号を人流データ1401の時空間索引コードと置き換える(S4205)。そして、分散処理プラットフォーム(101)は、人流仮説データの時刻を仮説終了信号の新時刻として仮説更新終了信号を生成送付する(S4207)。
以上により、図10の仮説更新処理(903)は終了となる。
3−3−3.分布推定処理(904)
ここで図9に戻り、図19を用いて、仮説更新処理(903)の次の分布推定処理(904)について説明する。分布推定処理(904)では、仮説評価部(112)は、まず仮説評価処理(1901)にて仮説の集合に対し、計測結果と照合をして適合度指標を算出することを分散処理プラットフォームに実行させ、返ってきた仮説評価データを仮説評価保存部(113)に保存する。次に、仮説評価部(112)は、この評価結果を用いて人流分布を推定する人流分布算出処理(1902)によって人流データを生成し、人流分布推定結果保存部に格納する。
図20に、分散処理プラットフォームとの通信内容について説明する。仮説評価要求(2001)は分散処理プラットフォーム(101)に保管されているすべての仮説に対する適合性の評価要求であり、計測データ(801)とそれを用いた仮説評価手続き(2002)を含んでいる。この仮説評価要求(2001)には計測データに対応する時空間索引コード(2001)が付与されており、分散処理プラットフォーム(101)ではこの時空間索引コード(2001)にて規定された領域のみ、部分的に仮説を再現することにより計測データとの適合性を評価することができる。
図21に、分散処理プラットフォームにて実行される人流仮説の評価処理手順を示す。人流仮説の評価は評価対象時空間領域再構成処理(2101)と評価演算処理(2102)を含む。
図22に、この評価処理の概念図を示す。対象領域(2201)は時空間的な格子状に分割されており、それぞれの領域(2202)は時空間索引コードに対応している。評価対象時空間領域再構成処理(2101)では、仮説評価要求(2001)に含まれている時空間索引コード(2001)をもとに人流仮説データ(1401)を検索してくることにより、計測データ(801)に関連する時空間領域(2203、2204)を再現する。
図43に、この評価対象領域再構成処理(2101)を示す。評価対象時空間領域再構成処理では、分散処理プラットフォーム(101)は、仮説評価要求の時空間索引コードの集合を再構成対象領域とし(S4301)、計算機に対しどの仮説番号を担当するかを割り振り(S4305)、各計算機が以下の処理を行う。すなわち、分散処理プラットフォーム(101)は、「人流仮説データの仮説番号」=「前記担当する番号」、かつ、時空間索引コードが再構成対象領域に含まれている人流仮説データを集める(S4307)。
このように、分散処理プラットフォーム(101)を構成する各計算機には、それぞれ従属モデル番号が同じ人流仮説データが格納されている。そこで、分散処理プラットフォーム(101)は、計測データ(801)の計測対象となる領域を含んでいる時空間索引コードを用い、計測データの計測対象となる時空間領域の時空間領域コードと等しい時空間索引コードをもつ人流仮説データのみを仮説番号ごとに集める。この結果、分散処理プラットフォーム(101)は、各仮説において計測データ(801)を計測した時空間領域(2205)を通過した人数を算定することができる。
図21に戻り、つぎの評価演算処理(2102)はこの評価演算を行う処理であり、たとえば以下のような数式によって仮説iの評価指標Lが算出される。

=Πexp[−(nki−N/2σ

ここでNはk番目の計測データに記述された通過人数、nkiは仮説iにおいてk番目の計測データに対応する時空間領域を通過した人数をさし、Πはkに関する積を意味する。またσは計測データと仮説との誤差の許容度合いを意味する定数であり、適当に決めることができる。
図44に、この評価演算の算出手順を示した。この結果は、仮説評価データ(2002)として返送される。評価演算処理では、分散処理プラットフォーム(101)は、各計算機において、評価対象時空間領域再構成処理にて集められた人流仮説データを時空間索引コードごとに分類する(S4401)。そして、分散処理プラットフォーム(101)は、各計算機において仮説評価要求に含まれる時空間索引コードに対応する前処理の分類結果を計測データと対応づける(S4403)。つぎに、分散処理プラットフォーム(101)は、各計算機において、前処理にて対応づけられた計測データと人流仮説データの組を仮説評価手続きに与えて評価指標を得る(S4405)。分散処理プラットフォーム(101)は、各計算機において、前処理の評価指標の積を求め対応する仮説番号と対応づけて仮説評価データとする(S4407)。分散処理プラットフォーム(101)は、各計算機の仮説評価データを集約して返送する(S4409)。
図45に、上述の人流仮説評価処理の計算機配分の概念図を示す。最初は従属モデル番号が同じ人流仮説データが同じ計算機に配分されるようになっており、これによって重複計算を排除した時間発展を算出することができている。それが、評価対象時空間領域再構築処理によって、計測データと関連のある人流仮説データに限り、仮説番号毎に集約される。これにより、各仮説の評価指標が計算できるため、最後に集約して仮説評価データ(2002)としている。
図19に戻り、仮説評価部(112)は、人流分布算出処理(1902)では、この仮説評価データ(2002)を用いて人流分布データ(709)を生成する。
図46に、人流分布算出処理の流れを示す。人流分布算出処理では、仮説評価部(112)は、仮説評価保存部から仮説評価データを読み出し(S4601)、最も評価指標の大きな仮説の仮説番号を用いて仮説要求を作成して分散処理プラットフォーム(101)へ送付する(S4605)。仮説評価部(112)は、分散処理プラットフォーム(101)から送付されてきた仮説データの仮説番号を除いたものを人流分布データとして人流分布推定結果保存部(116)に保存する(S4613)。
人流分布データ(709)の生成の方法としては、図46に示すように最も評価指標の高い仮説の人流分布をそのまま用いても良いし、評価指標にもとづいて重みを付与した人物位置の平均値を用いても良い。また、ここで算出された重みを用いて人流モデルのパラメータ(602)の内容を更新することもできる。なお、この過程において、分散処理プラットフォーム(101)に対して人流仮説データを要求する仮説要求(710)を送付することにより、人流仮説データ(7111)を受け取るようにすることもできる。
3−4.人流分布データ

図23に、生成される人流分布データの構成の一例を示す。この人流分布データは対象領域のすべての人物の位置が記録されているデータであり、アプリケーション(104)からの要求に応じて配信されて様々な用途に用いることができる。人流分布データは特定時刻の人の位置情報を列挙したデータであり、この例のように時空間索引コードを付与するようにしてもよい。
図52に、アプリケーションの利用イメージについての説明図を示す。本データのアプリケーションとしては、たとえば、図52に示すような、警備などの目的により予め決められた領域の人の密度が閾値を超えた場合に通知する例が考えられる。図では推定された人流分布が5分ごとに地図上に表示され、予め定められた条件を満たした地域を表示するようになっている。また、過去の時刻における状況も確認ができる。この例のみならず、様々なアプリケーションにおいて、範囲や時間帯を限定した人流分布を利用することがあるため、アプリケーションからの人流分布要求に要求領域の情報を含められるようにできる。
図24に、人流分布要求のデータ構造を示す。人流分布要求(708)は、領域と時刻(時間帯)を含む。
図50に人流分布配信の手順を示す。人流分布配信の手順としては、人流分布配信部(117)は、アプリケーション(104)から受けた人流分布要求の領域、時間内にある人流分布データを人流分布推定結果保存部(116)から取得する(S5003)。人流分布配信部(117)は、取得した人流分布データをアプリケーション(104)に送信する(S5007)。
データを取得する前にこの人物分布要求に対応する時空間領域索引コードを算出しておき、人流分布データの時空間索引コードと照合して必要な範囲に限定することにより、高速に必要な時空間領域だけのデータ取得をできるという利点もある。
以上の手続きにより、リアルタイム人流分布データを生成し、利用することが可能となる。
図25に、上記手続きにてリアルタイム人流分布データが得られる原理の説明についての概念図を示す。図中の矩形はそれぞれ仮説と当該仮説における人流を表しており、矩形中の曲線は人物の移動軌跡を意味する。図中の点線矩形(2201、2202)は計測データの対応領域を意味する。人流仮説生成処理は、仮説の中から計測データとの適合性が低い仮説を削除し、代わりに適合性が高い仮説の複製を作る処理に該当する。図25では左側計測データ(2202)は2人の人物が通過し、右側計測データ(2201)では誰も通過しなかった状態を想定しており、仮説3はどちらの計測データに関しても適合しないため、絵適合度が低くなっている。そのため、仮説3は削除され、代わりに最も適合度の高い仮説1の複製が作成されている。次に、各仮説について人流仮説の時間発展処理が実行される。時間発展処理では人流モデルに規定された確率に従って人物が移動する。図中では各仮説がそれぞれのモデルに従って、時空間索引の構成情報を用いて時間発展する。この時刻に対応する計測データを得ることにより、再び仮説の削除、複製が実行される。このようにして、計測データに適合する仮説から派生した仮説が仮説として残り続けることにより、全数調査によって構築された人流モデルと、計測データとして送られてくるリアルタイムな情報とが融合した人流分布を得ることができる。これらの仮説は必然的に類似する仮説が多くなるため、時間発展の計算を行う際に重複する部分が現れる。本実施例では、その計算を省略しやすくするように人流モデルごとに分散処理の処理配分を決定している。一方で、仮説と計測データの適合性評価のためには、本例で言えば左側計測データ(2202)と右側計測データ(2201)のみしか利用しないことに着目し、対象領域付近の人流データのみを効率よく取得できるように時空間的索引を作成している。このようにして、仮説の時間発展と計測データとの照合を両立できるようにした点は、本実施例の利点の一つである。
4.他の実施例

4−1.実施例2
実施例2として、実施例1とは異なる計測データを用いて、実施例1とは異なる形式の人流分布を配信するシステムの例を示す。
図26に、実施例2で用いる計測データの概念図(2601)とデータ構造(2602)を示す。実施例2で用いる人流計測器はGPSなど測位機能を搭載した移動体端末であり、たとえばカーナビゲーションシステムや携帯電話などである。人流調査の協力者が移動体端末の測位機能を動作させることにより、現在地が随時送付される。概念図(2601)上の黒円は移動体端末の位置であり、図中に折れ線で表記された道路などの交通網との対応できるようになっている。計測データ(2602)はこの情報を保有するレコードになっており、各移動体端末の特定時刻委おける位置が格納されている。これにともない、実施例2では実施例1と異なる人流仮説評価処理(1901)が必要となる。
図27に、実施例2における人流仮説評価処理のための評価対象領域再構成の概念図を示す。評価対象領域(2701)は時空間索引にあわせて格子状に分割されている。実施例1では固定された人流計測器を通過する人数によって評価を行っていたが、実施例2では得られるのは移動体端末を保有している人の位置である。実施例2では計測データ(2702)の周囲のみ再構成すればよいので、対象となる領域は計測データ(2601)に応じて変化することになる。仮説評価指標としては、例えば計測データの周囲にいる人の数や軌跡の類似度の和などを用いることができる。
図28は、実施例2の人流分布データの配信形式である。実施例1では人流分布データ(2301)に示されるように、人流仮説データ(1401)と同じデータ形式であったが、実施例2では人流仮説データ(1401)とは異なる形式での配信となる。実施例2の人流分布データ(2801)は対象エリア全域を等間隔の格子状に区切って人数を集計した結果であり、概念図(2802)のような可視化が行えるようなデータである。なお、この可視化では色が濃いほど人の数が多いことを意味しており、人口密度(2803)の値を用いている。この実施例のように集計を行うことにより、把握しやすい可視化が可能である。本実施例の人流推定に用いられる仮説データ(1401)には時空間索引コードが付与されているため、同じグリッド内にある人流仮説データの数を算定するのが非常に容易であるという利点がある。
4−2.実施例3
実施例3は、各仮説内での人流分布の変化に合わせて時空間索引の構造を変更させることが特徴である。この時空間索引の変化は、仮説の時間発展と共に変化させることができる。
図29に、実施例3の人流仮説生成処理を示す。実施例3では時空間索引更新処理(3102)が追加された点が実施例1とは異なる。この時空間索引更新処理では仮説複製削除処理(1102)の結果をもとに時空間索引の生成規則を変化させる。仮説複製削除処理(1102)の結果は、分散処理プラットフォーム(101)による返答である仮説生成終了信号に追加されている。
図30に、実施例3の仮説生成終了信号(3001)を示す。この仮説生成終了信号では、各時空間索引(3002)ごとのデータ数(3003)が付与されていることが実施例1とは異なる。このデータ数にもとづき、時空間索引の単位となる格子の大きさを変更することができる。一般に、格子の中に含まれるデータの数が多いほど性能は低下する。なぜなら、格子内のデータすべてに対し計測データと関連するか否かを判定するためである。実施例3はこの点に鑑みた実施例であり、例えばデータ数(3003)が閾値より大きい場合は時空間索引の格子を分割したり、閾値より小さい格子が連続している場合には併合したりして格子の大きさを調整することができる。データ数(3003)は仮説複製削除処理(1102)から送付される仮説生成要求にもとづき分散プラットフォームで実行される処理にて生成される。
図31に、分散プラットフォームへ委譲される処理の流れを示す。このフローにおいて実施例1と異なっているのは、人流仮説件数集計処理(3101)である。人流仮説件数集計処理(3101)では時空間索引の格子内にある人流仮説の件数を足し合わせる処理を行う。
図51に、人流仮説件数集計処理(3101)の手順を示す。人流仮説数集計処理(3101)では、分散処理プラットフォーム(101)は、各計算機において人流仮説データ(1401)のデータ数を仮説番号・時空間索引コードごとに集計する(S5101)。つぎに、分散処理プラットフォーム(101)は、すべての計算機の集計結果を集めて時空間索引コード毎に和をとりデータ数(3003)とする(S5103)。
本実施例における人流仮説は各人が従属する人流モデル番号にもとづきどのコンピュータに人流データが格納されるかが定まる。そのため、この人流仮説件数集計処理(3101)では、一つのコンピュータ内では一部の人流モデルに従属する人数しかもとめることができない。しかし、各コンピュータ内での時空間索引格子内の人数をそれぞれ並列に計算し、その結果を集約して足し合わせることにより、全仮説・全人流モデルにわたる時空間索引格子内の人数を計算できる。
図32に、本実施例により構築された時空間索引格子の空間方向の分割の例を模式的に示す。対象領域(3201)全体が格子状に分割されているが、一部(3204)がさらに細かく分割されている。
図54に、このような領域分割を行う手順の例を示す。時空間索引更新処理(3102)では、分散処理プラットフォーム(101)は、仮説生成終了信号のデータ数について時空間索引コード毎に和をとる(S5401)。つぎに、分散処理プラットフォーム(101)は、前計算の和が所定の閾値を超えていたら、当該領域を4分割し時空間索引情報(1603)に反映する(S5403)。つぎに、分散処理プラットフォーム(101)は、仮説生成終了信号のデータ数を用い過去に分割されて生成された4つの隣接領域のデータ数の和を算出する(S5405)。そして、分散処理プラットフォーム(101)は、前計算の和が所定の閾値を下回っていたら、当該領域を併合し時空間索引情報(1603)に反映する(S5407)。
この例では、データ数が閾値を超えたとき領域分割を行い、データ数が閾値を下回ったとき領域統合を行っている。この例は空間的な分割の例であるが、人流仮説における速度の情報を用いることにより、時間方向の分割幅を変更することもでき、その結果としてより高速に評価データとの照合が行える。
4−3.実施例4
実施例4として人流計測器が一切移動しない場合における高速化を施した例について示す。人流計測器が移動しない場合、時空間検索の範囲は予め決まっていることになる。時空間索引をそれにあわせて設計することにより、より高速な処理が可能となる。
図33に、実施例4の時空間索引を示す。時空間索引情報(3301)は実施例4で利用される時空間索引情報の構造である。予め計測器の計測対象領域が定まっているため、その領域が時空間索引となっており、どの計測器にも関係しない領域と関係する領域とが区別できるように割り振られる。また、時間方向の大きさは計測が行われる時間間隔とする。つまり、実施例1、2、3では格子状であった時空間索引が人流計測器の計測対象となる時空間領域(3303,3304)となったことになる。これによって、仮説評価対象領域再構成が実行される領域が最小限の範囲となるため、処理時間がさらに高速化される。
5.実施例の効果
以上の構成により、以下のような効果が得られる。第1に、人流分布のリアルタイムな推定結果が高精度に得られる。リアルタイムな推定の精度を高めるにはその分大規模なデータ処理が必要となるので、処理性能を向上させることが高精度化に直結する。本実施例では仮説数がそれに相当しており、処理性能の向上により仮説数を増やすことができ、結果として精度が向上すると考えられる。したがって本願発明の人流モデルごとに処理を分散しつつ、時空間索引によって実測値との評価を高速化する方式は精度向上にも寄与すると考えられる。第2に、アプリケーションが必要とする範囲の取得や集計が高速に行える利点がある。このように、本実施例は人流分布の調査を支援するシステムとして効果的であるといえる。
6.付記

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれている。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明の人流調査支援方法又は人流調査支援装置・システムは、その各手順をコンピュータに実行させるための人流調査支援プログラム、人流調査支援プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、人流調査支援プログラムを含みコンピュータの内部メモリにロード可能なプログラム製品、そのプログラムを含むサーバ等のコンピュータ、等により提供されることができる。
101 多数のコンピュータによって構成される分散処理プラットフォーム
102 分散処理プラットフォームを利用して人流分布を推定する人流分布配信システム
103 人流分布計測器
1601 人物位置の検索を高速化するための時空間索引

Claims (15)

  1. 人流調査支援システムであって、
    複数のコンピュータに計算を分散する分散処理プラットフォームと、
    人流分布の仮説データから人流分布を推定した人流分布データを配信する機能を持った人流分布配信システムと、
    人流のリアルタイムの計測データを計測する人流計測器と
    を備え、
    前記人流分布配信システムは、前記分散プラットフォームを用いて、
    人流の変化を表現する人流モデルにもとづき前記仮説データを複数生成し、
    前記人流モデルに基づくひとつ又は複数の前記仮説データの時間発展処理を、時空間索引を付与しながら計算し、
    前記人流計測器から前記計測データを入力し、
    前記計測データを含む一つまたは複数の時空間索引を算出し、当該時空間索引と合致する前記仮説データを参照し、計測データと比較することにより前記仮説データの適合性を評価し、当該適合性にもとづき前記人流分布データを推定することにより、リアルタイムの前記人流分布データを得て、
    前記人流分布データを人流分布推定結果保存部に保存する
    ことを特徴とする人流調査支援システム。
  2. 請求項1に記載の人流調査支援システムであって、
    前記人流分布配信システムは、
    アプリケーションから要求された人流分布の領域及び時間の範囲に基づき、時空間索引を求め、
    前記人流分布推定結果保存部から、前記時空間索引で特定された時空間領域に関する前記人流分布データを取得し、
    取得した前記人流分布データを前記アプリケーションに配信する
    ことを特徴とする人流調査支援システム。
  3. 請求項2に記載の人流調査支援システムであって、
    前記アプリケーションは、前記人流分布配信システムから配信された前記人流分布データを、表示部に表示及び/又は記憶部に記憶することを特徴とする人流調査支援システム。
  4. 請求項1に記載の人流調査支援システムであって、
    前記人流分布配信システムは、
    前記分散処理プラットフォームに対して、
    人流分布の前記仮説データを生成させる指令と、
    時空間索引の情報を含み、前記仮説データの時間発展を事前に定められた前記人流モデルに従って算定させる指令と、
    前記仮説データと、前記計測データとの照合により、両データの適合性を評価させる指令と、
    を送ることを特徴とする人流調査支援システム。
  5. 請求項1に記載の人流調査支援システムであって、
    前記人流分布配信システムが用いる前記時空間索引は、時空間領域を格子状に分割したものであることを特徴とする人流調査支援システム。
  6. 請求項1に記載の人流調査支援システムであって、
    前記人流分布配信システムは、仮説生成処理部を備え、
    前記仮説生成処理部は、
    時空間索引の情報を用いることにより、前記分散処理プラットフォームでの計算において、複数の前記仮説データ上の人の位置に前記時空間索引を付与し、
    複数の前記仮説データを人ごとに分割し、同一の前記人流モデルに従う人に関する人流分布の推定計算処理を同一のコンピュータに割り当てて、前記時空間索引を使用することで実行することを特徴とする人流調査支援システム。
  7. 請求項1に記載の人流調査支援システムであって、
    前記人流分布配信システムは、仮説生成処理部を備え、
    前記仮説生成処理部は、前記仮説データの中から前記計測データとの適合性が低い仮説データを削除し、適合性が高い仮説データの複製を作る人流仮説生成処理を実行することを特徴とする人流調査支援システム。
  8. 請求項7に記載の人流調査支援システムであって、
    前記仮説生成処理部は、さらに、
    人流モデルに規定された確率に従って人を移動する処理を行うことにより、各仮説データがそれぞれの人流モデルに従って時間発展させ、時間発展した時刻に対応する前記計測データを得て、
    適合性により再び仮説データの削除又は複製を実行して、前記計測データに適合する仮説データから派生した仮説データを残し続けること
    により、全数調査によって構築された人流モデルと、リアルタイムな計測データとが融合した人流分布データを得るための人流仮説時間発展処理を実行することを特徴とする人流調査支援システム。
  9. 請求項1に記載の人流調査支援システムであって、
    前記人流分布配信システムは、仮説評価部を備え、
    前記仮説評価部は、
    複数の前記仮説データの集合に対し、計測データと照合をして適合度指標を算出し、適合度指標を含む仮説評価データを生成することを前記分散処理プラットフォームに実行させ、前記分散処理プラットフォームから返送された前記仮説評価データを仮説評価保存部に保存する人流仮説評価処理と、
    前記仮説評価保存部に記憶された前記仮説評価データを用いて人流分布を推定して前記人流分布データを生成し、前記人流分布データを前記人流分布推定結果保存部に格納する人流分布算出処理
    を実行することを特徴とする人流調査支援システム。
  10. 請求項1に記載の人流調査支援システムであって、
    前記人流分布配信システムは、
    アプリケーションから要求された人流分布の領域及び時間の範囲に基づき、時空間索引を求め、
    前記時空間索引で定められる時空間領域に限定して格子状領域内の人口密度を計算して、人流分布データを作成し、
    前記格子状領域内の人口密度として、前記時空間索引毎に人流分布データを前記アプリケーションに表示する及び/又は記憶する
    ことを特徴とする人流調査支援システム。
  11. 請求項1に記載の人流調査支援システムであって、
    前記人流計測器は、測位機能を搭載した移動体端末であり、
    前記人流分布配信システムは、時空間索引を用いて、評価対象領域を前記人流計測器の位置の周囲に限定することを特徴とする人流調査支援システム。
  12. 請求項1に記載の人流調査支援システムであって、
    前記人流分布配信システムは、
    人流分布の仮説における人口密度に応じて、前記時空間索引で定められる時空間領域の広さを増減することを特徴とする人流調査支援システム。
  13. 請求項12に記載の人流調査支援システムであって、
    前記人流分布配信システムは、データ数が閾値を超えたとき領域分割を行い、データ数が閾値を下回ったとき領域統合を行うことを特徴とする人流調査支援システム。
  14. 請求項1に記載の人流調査支援システムであって、
    前記人流計測器は、位置が予め定められており、
    前記人流分布配信システムは、前記人流計測器の位置により予め定められた計測対象領域に基づく前記時空間索引で限定された時空間領域に関する人流分布データを作成することを特徴とする人流調査支援システム。
  15. 人流調査支援システムを用いた人流調査支援方法であって、
    前記人流調査支援システムは、
    複数のコンピュータに計算を分散する分散処理プラットフォームと、
    人流分布の仮説データから人流分布を推定した人流分布データを配信する機能を持った人流分布配信システムと、
    人流のリアルタイムの計測データを計測する人流計測器と
    を備え、
    前記人流分布配信システムは、前記分散プラットフォームを用いて、
    人流の変化を表現する人流モデルにもとづき前記仮説データを複数生成し、
    前記人流モデルに基づくひとつ又は複数の前記仮説データの時間発展処理を、時空間索引を付与しながら計算し、
    前記人流計測器から前記計測データを入力し、
    前記計測データを含む一つまたは複数の時空間索引を算出し、当該時空間索引と合致する前記仮説データを参照し、計測データと比較することにより前記仮説データの適合性を評価し、当該適合性にもとづき前記人流分布データを推定することにより、リアルタイムの前記人流分布データを得て、
    前記人流分布データを人流分布推定結果保存部に保存する
    ことを特徴とする人流調査支援方法。
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