JP2014111850A - 溶融電界紡糸方式およびこれを使用して生成したナノ繊維構造体。 - Google Patents

溶融電界紡糸方式およびこれを使用して生成したナノ繊維構造体。 Download PDF

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Abstract

【課題】大量生産が可能であり、また、有機溶媒を使用することなく爆発の危険性を排除した、ナノ繊維構造体の製造方法を提供し、この製造方法によって製造されるナノ繊維構造体を提供する。
【解決手段】熱可塑性ポリマーに熱を加えて膨潤状態にして溶融ポリマーとし、この溶融ポリマーから高速エアーと電荷を使ってナノ繊維を生成するMelt ESD方式を提供する。さらに、このMelt ESD方式で断熱材、吸音材、油水分離フィルタや除染フィルタの機能を有するナノ繊維構造体を形成する。
【選択図】図1

Description

ナノ繊維を含んだナノ繊維構造体は、衣料分野、電気分野などの様々な分野で用いられており、近年、繊維や繊維構造体の用途の多様化により、より繊維径の小さいナノ繊維が求められている。
特に、繊維径の小さいナノ繊維を用いたナノ繊維構造体は、表面積が大きいこと、空間率が高いこと、孔径が小さいこと、通気性が高いこと、且つ流体透過速度が速いことなどの特徴を持つため、フィルタ分野、衣料分野、医療材料分野、バイオテクノロジー分野などの特殊分野への開発が盛んに行われている。
そして、ナノ繊維を含んだナノ繊維構造体を製造する方法としては、主にメルトブローン(Melt Blown)方式と電界紡糸(ESD)方式が用いられている。
Melt Blown方式法一例を示すと、図8に示すように、気体吹出ノズル11を備えた熱可塑性樹脂吐出ノズル12と、熱可塑性樹脂吐出ノズル12に対向するように設置された捕集部(図示せず)とから構成されている。熱可塑性樹脂吐出ノズル12は、基端側が略円柱状であり、先端側が略円錐状であり、中心軸に沿って基端側から先端側に延びている、そして熱可塑性樹脂吐出ノズル12の基端側から先端側に縮径するテーパー状の円錐孔が形成され、熱可塑性樹脂吐出ノズル12外周には気体吹出ノズル11が嵌め合わされた形状になっている。さらに、熱可塑性樹脂吐出ノズル12の外周面と気体吹出ノズル11の内周面との間に高温高圧気体流路13が形成されている。
そして、その製造は次のようにして行われる。
まず、26から熱可塑性樹脂が加熱溶融した状態で送られ、熱可塑性樹脂吐出ノズル12を通って先端部から吐出される。同時に、気体吹出ノズル11から高温気体を吹き出し、吐出ノズル12先端から吐出されたポリマーの吐出方向に対して略並行な気流を発生させる。
これにより、高温気体がぶつかり圧縮され気圧の低い吐出ノズル11の先端を通って下方に噴出していく。吐出ノズル12先端から吐出された溶融ポリマーはこの高温気体の流れに乗って引き伸ばされ繊維が形成される。この繊維が吸引装置によって捕集部に次第に堆積され繊維構造体が形成される。
しかしながら、Melt Blown方式は、熱風を左右から吐出ノズル12先端でぶつかり圧縮するような形状になっているため、機械的な圧縮膨張の振動が発生し、繊維が短繊維となる。また、高温気体の速度を増していくと機械振動の周期が速くなり最後には溶融ポリマーが微細の粒子に破砕し繊維化ができない。このため、高温気体の速度を高くすることができない。そして、高温気体の高速化ができないことから、Melt Blown方式では1μm以下のナノ繊維化が難しい上、1ノズル当たりの繊維が大量生産できない問題があった。
さらに、Melt Blown方式でナノ繊維が生産できない理由としては、エアーの吐出部が大きく開口しているために高速気体の速度を上げることができないことが上げられる。
次に、ESD(電界紡糸)法の一例を示すと、図9のように、溶剤で希釈したポリマーが充填される吐出ノズル21、吐出ノズル21の先端22に対向するように設置され且つ回転自在の捕集部23と、先端22と捕集部23との間に高電圧を印加する高電圧電源24、一定の流量で溶剤で希釈したポリマーを吐出ノズル21先端から吐出させるシリンジポンプ(図示せず)とを具備する。
そして、その製造は次のようにして行われる。
まず、吹出ノズル21内に溶剤で膨潤したポリマー溶液を充填し、高電圧電源24によって先端22と捕集部23との間に高電圧を印加する。また、同時に、シリンジポンプを作動させ、先端22シリンジから溶剤で膨潤したポリマー溶液を一定の速度で吐出させる。先端において円錐状に変形し、押し出される。押し出された溶剤で膨潤されたポリマー溶液は、同極に帯電しているため静電反発により延伸する。延伸した溶剤で膨潤したポリマー溶液から溶剤が蒸発し電荷密度が上がり更に延伸し、極細の繊維が形成される。帯電した繊維は、異極に帯電した捕集部に付着される。そして、この繊維が捕集部23上に堆積されナノ繊維構造体が形成される。
しかしながら、ESD法は1本のキャピラリの先からは、微量のナノ繊維しか製造されない。そのため、キャピラリを大量装備して、多数のキャピラリから静電噴霧するという単純な構成で大量生産を目出すといった方法がこれまで実施されているが、このような多数のキャピラリを使用する方法は電界干渉を避けるために広大なスプレー面積を必要としメンテナンスが非常に難しい。また、引火性有機溶剤と高電圧を使用する場合は爆発を引き起こし易い。その結果、溶剤が水もしくは引火しないまたは引火しにくい溶剤を使うポリマーだけが製造されることで、ESD法の利点である常温常圧で生産ができるといった優位性が損なわれてきた。これらの問題があるため、ナノ繊維の製造コストが非常に高くなってしまった。
また、ESD法で生成したナノ繊維の品質の問題では、狭空間でESD法を使用してナノ繊維を大量生成する場合、ポリマー溶液が繊維化せずに、液滴や玉状の物質が基盤上に付着する。そして、液滴や玉状の物質は材料利用効率を著しく下げ、出来上がったナノ繊維層の目詰まりを起こしたりする原因となるため、ナノ繊維層の機械的特性を大きく損ないかねなかった。例えば、フィルタのろ材として使用した場合などはフィルタの性能を低下するといった問題が生じた。
そこで本発明はこれらの問題を解決しょうとしたもので、本発明の第1の目的は、溶融電界紡糸方式(以下Melt ESD方式という。)を提供するものである。
本発明の第2の目的は、Melt ESD方式によりナノ繊維構造体を形成したことである。
本発明の第3の目的は、液滴やビーズを発生することなく最適なナノ繊維の大量生産を可能にしたものである。
本発明の第4の目的は、電界干渉やイオン風の現象を防止し、均一の層厚のナノ繊維構造体を形成したものである。
本発明の第5の目的は、クーロン力を押さえノズルや電極球にナノ繊維の付着を防止することで長時間のスプレーを可能にしたものである。
本発明の第6の目的は、爆発、感電、被爆の恐れをなくしたものである。
本発明の第7の目的は、Melt ESD方式により、油と微小物質(プラント、塵、菌類、ウイルス)などを効率良く除去することができる汚染水処理用フィルタを形成したことである。
本発明の第8の目的は、Melt ESD方式により、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137などの放射性物質除去ナノ繊維構造体を形成したことである。
本発明の第9の目的は、ナノ繊維構造体を安価に提供しょうとしたものである。
本発明の第1の解決手段は、熱可塑性ポリマーに熱を加えて膨潤状態にし、高速エアーと電荷を使ってナノ繊維を生成するMelt ESD方式を設けたことである。
すなわち、Melt ESD方式は風と電荷を共用した溶融方式のナノ繊維製造方法である。
本発明の第2の解決手段は、Melt ESD方式は熱可塑性ポリマーを溶融する機構と溶融ポリマーを吐出するノズル、ノズルから吐出する溶融ポリマーを延伸するために使用される高速エアーを発生するエアーノズル、溶融したポリマーを吐出するノズルの先端に電荷を発生させる電極および荷電ナノ繊維からの静電誘導による電界干渉を遮断するための絶縁板とから構成され、加えて放熱を防ぎ絶縁を兼ねた断熱材でノズルを覆う構造となっている。
本発明の第3の解決手段は、Melt ESD方式を使用する際、異種熱可塑性ポリマー例えば、撥水性材料と親水性材料あるいは融点の違う異種ポリマーをペレット状態で混合し、ナノ繊維化することで異種熱可塑性ポリマーの各ポリマー特性を損なわず、各ポリマーの特性を併せ持つナノ繊維構造体からなる油と微小物質(プラント、塵、菌類、ウイルス)などを効率良く除去することができる汚染水処理用フィルタを作り出すことである。
本発明の第4の解決手段は、Melt ESD方式を使用する際、異種熱可塑性ポリマーにゼオライトや多孔性ビーズ混合して、ナノ繊維に含浸して放射性物質のセシウムを除去できる除染フィルタを作り出すことである。
Melt ESD方式に使用するナノ繊維の素材である熱可塑性ポリマーは、ポリエステルやポリアミド、ポリオレフイン、ポリウレタン(PU)などが挙げられる。ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。また、ポリアミドとしてはナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン11(N11)などが挙げられる。ポリオレフインとしてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。
上述したように、本発明のMelt ESD方式により製造されたナノ繊維構造体は次のような効果が得られる。
(1)ノズル側をGNDに接続することで高電圧電源の消費電力をゼロにし、GNDから電荷を供給することができるようにしたので、漏電による液滴やビーズを発生することなく大量生産を可能にしたこと。
(2)高電圧電源は静電誘導を起こすだけであるため、電流がまったく必要なく、ノズル数を無限に接続可能にしたこと。
(3)有機溶剤を使用せず、熱可塑性ポリマーに熱を加えて膨潤状態にし、高速エアーと電荷を使ってナノ繊維を生成するようにしたので、溶媒を使用しないため爆発の危険がなく、作業者の被爆危険が全くない。
(4)電界干渉やイオン風の現象を防止し、均一の層圧のナノ繊維層を形成したこと。
(5)ノズル先端での電荷量の減少を防止し、長時間のスプレーを可能にしたこと。
(6)ポリマー溶液側がGNDであるため漏電を無くすようにしたこと。さらにこの漏電により、作業者の安全を可能にしたこと。
(7)ポリマー溶液供給関連装置などを絶縁しなくて良いため装置が非常に安全で簡単な構成であること。
(8)ノズル先端に電気力線を集中できるようにしたので、一本のノズルから大量のナノ繊維を作り出すことができ、多数のノズルを装備する必要がないこと。
(9)大量のナノ繊維を作り出すことができ、多数のノズルを装備する必要がないこと。
(10)単純な構成で大量生産を可能にしたので、生産コストも低減できる上、消費電力やメンテナンスコストもかからずコストの面で多大な効果があること。
(11)単純な装置であるので、扱い易く、保守に手間がかからないといった効果があること。
(12)ナノ繊維の生成と捕集を分離できるため、ナノ繊維の生成量が自由に増やすことが可能であり捕集部も製品に応じて対応できるようになったこと。
(13)油を含んだ汚染水から油と水を分離し、油を完全に回収できる。
(14)塩分を含んだ海水をそのまま排出できる。放射性物質が付着した微小なゴミを分離回収できる。
(15)セシウムを回収できる。
(16)放射性廃棄物の量が極めて少ない。
Melt ESD方式の基本構成図。 Melt ESD方式の高速エアーの流れを示す図。 従来の方式の高速エアーの流れを示す図。 ラバーズノズルを使用した場合の高速エアーの流れを示す図。 荷電ナノ繊維の捕集方式を示す図。 移動式汚水処理装置を示す図。 移動式汚染土洗浄装置を示す図。
以下、本発明のMelt ESD方式およびMelt ESD方式により製造されたナノ繊維構造体を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
Melt ESD方式について説明する。
1は熱可塑性ポリマーを溶融する機構、2は溶融ポリマーを吐出するノズル、3はノズルから吐出する溶融ポリマーを延伸するために使用される高速エアーを発生するエアーノズル、4は溶融したポリマーを吐出するノズル2の先端に電荷を発生させる電極、5は荷電ナノ繊維からの静電誘導による電界干渉を遮断するための絶縁板である。さらに、ノズル2は放熱を防ぎ絶縁を兼ねた断熱材6で覆われている。
そして、ナノ繊維生成過程は、まず、熱可塑性ポリマーを溶融する機構1で熱可塑性ポリマーの粘度が十分下がるまで加熱して溶融する。次に、溶融ポリマーをノズル2から吐出すると同時にエアーノズル3から高速高温エアーを噴出し溶融ポリマーを延伸する。さらに同時に電極4とノズル2間に高電圧を印加することによって電荷が発生し、溶融ポリマーを同極に帯電させる。この同極の電荷が互いにクーロン力で反発することで溶融ポリマーを更に延伸する。これによって、ナノ繊維が生成される。
この際、溶融ポリマーを延伸する力は高速高温エアーが支配的である。高速高温エアーは、周りのエアーを巻き込むことで高速高温エアーを中心に緩やかな気圧差の流れを構成する。図2の位置にノズルを配置することで、溶融ポリマーが高速高温エアーによって巻き込まれた緩やかな気圧差が少ないエアーに乗って中心部の高速エアーに向かって延伸をしながら進み中心の高速高温エアーで高速に引き伸ばされ繊維化される。このようにしてナノ繊維は生成されるので、単純な構成で大量生産が可能となるのである。
この際、重要なことは、溶融ポリマーを吐出するノズル2の先端から高速高温エアーが離れていなければならない。それは、溶融ポリマーが延伸するためには、高速高温エアーが巻き込む緩やかなエアーが必要である。ノズルを高速高温エアーに近づけると図3で示すように、気圧差が大きくスムーズな延伸動作がなされず溶融ポリマーが微小粒子となる。
ここで、高速高温エアーとノズルの位置関係で重要なことは、距離を離すことでスムーズな延伸動作となるが離しすぎると、
1.高速高温エアーで巻き込む力がなくなる。
2.溶融ポリマーの温度が下がり粘度が高くなる。
などの問題がある。また、溶融ポリマーが延伸動作中に高速高温エアーと凝固熱の放出によって急速に冷却していく。そのため図4に示すようにエアーノズル8の前段にヒーター7を使用する。これによって
1.圧縮エアーを急激に加熱し、熱膨張を起こすことで圧縮エアーが発生する高速エアーを更に加速することができる。
2.ヒーター7によって加熱した高速エアーにより溶融ポリマーの温度以上に加熱することで溶融ポリマ−が冷却するのを遅らせることができる。
3.ノズル2から吐出した溶融ポリマーが高速エアーにまで達する間に冷却したものを再度加熱することができる。
などの改善をすることができる。
ポリマーが一定の粘度を下回ると以下のように風速v(m/s)と吐出量U(g),繊維径φ(nm)の関係が成り立つようになる。
ポリマーの比重をkとすると
U=kφ・v
吐出量を減らし、風速を上げることで繊維径を100〜200nmとなることが実験で検証できた。つまり、更に細いナノ繊維を生成する場合は、風速を上げるか吐出量を下げることでナノ繊維を生成することができる。これらの実験からエアー速度を高速化したエアーを用いることでナノ繊維生産量を減らすことなく、ナノ繊維が生成できることがわかった。そのために、図4で示すようにラバーズノズル7を使用して超音波の風を生成し高速エアーとすることで安定したナノ繊維を生成することができる。
次に、荷電ナノ繊維の捕集方式は図5に示すように、熱可塑性ポリマーを溶融する機構1で溶融された溶融ポリマーに高電圧を印加したノズル2から吐出する際、溶融ポリマーは帯電される。それによって、帯電したポリマー溶液の同極電荷による反発力(クーロン力)によって高速エアーの延伸力と相まって更に細線化する。この時、帯電した荷電繊維は電極4によって捕集ドラム9に荷電ナノ繊維の異極の電荷を発生させることで荷電ナノ繊維を捕集ドラム(逆電極)9に向かって引き寄せ、捕集ドラム9に堆積して薄いナノ繊維の層を形成する。このように形成されたナノ繊維はナノ繊維構造体として形成される。
(第2実施形態)
撥水性材料と親水性材料あるいは融点の違う異種ポリマーを使用してMelt ESD方式で汚染水処理用フィルタを形成したナノ繊維構造体について説明する。
Melt ESD方式で異動ポリマーをペレット状態で分散すると、異種ポリマーは互いに混ざり合わないため、独立した状態でナノ繊維となる。これによって、異種ポリマーがナノ繊維状態で分散状態となる。その結果、各ポリマーの特性を併せ持つ状態となる。
具体的に述べると
例1:ポリプロピレン(90%)+ポリ乳酸(10%)の場合
ポリプロピレンは、撥水性でありナノ繊維化することで超撥水性となり水を全く通さなくなる。一方 ポリプロピレンは親油性があり、表面積が大きいため油を大量に吸着する。ポリ乳酸のナノ繊維は、親水性であるため水を吸着する。そのため、ポリプロピレンとポリ乳酸の分散したナノ繊維を用いた水用フィルタは、油を含んだ汚水を通すと油とコンタミを除去し、水を通すことができるようになる。
例2:ポリプロピレン(80%)+ポリエステル(20%)の場合
ポリプロピレンの融点は180度で、ポリエステルの融点は240度である。これらを混合して適度な温度で溶融することで繊維径が大きく違うナノ繊維を分散することができる。これによって復元力を持つ素材を作ることができる。
例3:ポリプロピレン(90%)+ポリウレタン(10%)の場合
生成したナノ繊維に加熱すると融点の低いポリウレタンが溶融してポリプロピレンの繊維を接着する。これによって、強いポリプロピレンのシートを作成することができる。
(第3実施形態)
汚染水から放射性物質を除去する方法としてMelt ESD方式で除染フィルタを形成したナノ繊維構造体について説明する。
2011年3月11日に東日本大震災によって東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質漏洩事故によって、放射性物質が放出された。これらの放射性物質は、主にヨウ素131、セシウム134、セシウム137である。この場合、ヨウ素131の半減期は8日であるため問題にならないが、セシウム137は半減期が30年と長く問題になっている。またセシウムは揮発性であり、水によく溶ける性質を持っている。そのため、セシウムを含む水が蒸発することでセシウムも飛散する。
そこで、汚染水から放射性物質を除去するナノ繊維構造体に必要な条件としては、▲1▼セシウムが回収できる事、▲2▼放射性廃棄物が少ない事、▲3▼安価である事、▲4▼大量に処理ができる事、▲5▼油が回収できる事、▲6▼海水から塩分を吸収しない事。
これらの条件を満足する方法として、従来ポリプロピレンとポリエステルの異種ポリマーを使用してMelt ESD方式で1時間当たり1Kg/ノズルのナノ繊維を生成することができるが、ポリプロピレンとポリエステルが撥水性でありナノ繊維とすることで表面積が増大して超撥水性となり水を通さない。このためアルコールを使用して水の表面張力を小さくして使用しているが、除染処理をするには費用が掛かる。そこで、ポリプロピレン、ポリエステルをナノ繊維化してポリプロピレン、ポリエステルのナノ繊維状態で分散することでアルコールを使用することなく水を通すことができるようになる。また、リサイクル品などを使用する場合、10円〜20円/Kgであり一回に使用する量は10gでこの金額で100回分使用することが可能である。
さらに、セシウムを吸着するには、ゼオライトや多孔性ビーズをポリプロピレン、ポリエステルのナノ繊維に担持して回収を行う。ゼオライトや多孔性ビーズを径が0.1〜0.05μmにするとポリプロピレン、ポリエステルに担持することができる。ナノ繊維の特徴は非常に表面積が大きく、セシウムを効率良く除去することができる。ゼオライトや多孔性ビーズをそのまま使用する場合は、ゼオライトや多孔性ビーズのセシウムが付着して飛散したものを吸引すると容易に肺に到達し内部被膜が続く。これらはN95やN100の防塵マスクでも阻止できない。しかし、ナノ繊維がゼオライトや多孔性ビーズを含浸する場合、長繊維(10cm以上)であるため肺に入ることなく安全である。さらに、ゼオライトや多孔性ビーズも安価であり、ナノ繊維に含浸するため使用量も少量である。
また、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ゼオライトや多孔性ビーズは、海水の塩分は吸着しない。そのため、福島原発の事故初期に冷却に使用した海水を含む汚染水8万7500トンを処理する場合など塩分を素通しできるようになっている。
(第4実施形態)
前記汚染水処理用フィルタの機能を有するナノ繊維構造体は、小型でありながら油と微小物質(プランクトン、塵、菌類、ウイルス)などを効率良く除去することができる。そのため、図6に示すような移動式汚水処理装置に装備することで移動しながら下記のような機能を発揮する。
1.水処理場(プラント)を建設する必要がなく、短期間で汚染水処理を開始 できる。
2.コンテナ数を調整することで、汚水量に応じて汚水処理能力を変更できる。
3.河川や海岸の汚れた場所をピンポイント処理できる。
4.移動式汚水処理装置は、工場で大量生産できるため安価に汚水処理装置を生産することができる。
5.基礎工事をする必要がなく、汚水処理後は自然の美観を損なうことがなく元の状態に戻すことができる。
さらに、前記除染フィルタの機能を有するナノ繊維構造体は、小型でありながらセシウムなどの放射性物質を効率良く除去することができる。そのため、図7に示すような移動式汚染土洗浄装置に装備することで移動しながら下記のような機能を発揮する。
セシウムは揮発性が高く、水に良く溶ける性質を持っている。そのため、水で洗浄することでセシウムを水に溶け込ますことができる。このセシウムを含んだ水を除染フィルタに通すことでセシウムを回収することが可能となる。したがって、移動式汚染土洗浄装置は、放射性物質で汚染された土や瓦礫を洗浄する機能を有している。この特徴は
1.現場で汚染された土や瓦礫を水で洗浄してセシウムの除去ができる。
2.水は循環再利用するため、最小の量で処理が可能である。
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の変更が可能である。
ナノ繊維を含んだナノ繊維構造体を製造する方法としては、主にMelt Blown法とESD法が用いられてきた。しかし、それぞれ十分満足するものでなく改善されたナノ繊維構造体の製法が望まれていた。そこで、種々の研究の末従来のMelt Blown法とESD法の長所のみを兼ね備えたMelt ESD法を開発し、油水分離フィルタや除染フィルタの機能を有するナノ繊維構造体を形成したもので本発明は産業上極めて利用価値の高いものである。
1・・・熱可塑性ポリマーを溶融する機構 2・・・ノズル
3・・・エアーノズル 4・・・電極 5・・・絶縁板
6・・・断熱材 7・・・ヒーター 9・・・捕集ドラム
8・・・ラバーズノズル 11・・・気体吹出ノズル
12・・・吐出ノズル 13・・・加熱気体流路
14・・・ヒーター 21・・・吐出ノズル 22・・・先端
23・・・捕集部 24・・・高電圧電源
Melt ESD方式の基本構成図。 Melt ESD方式の高速エアーの流れを示す図。 従来の方式の高速エアーの流れを示す図。 ラバーズノズルを使用した場合の高速エアーの流れを示す図。 荷電ナノ繊維の捕集方式を示す図。 移動式汚水処理装置を示す図。 移動式汚染土洗浄装置を示す図。 Melt Blown方式の一例を示す図。 ESD方式の一例を示す図。
Melt Blown方式の一例を示すと、図8に示すように、気体吹出ノズル11を備えた熱可塑性樹脂吐出ノズル12と、熱可塑性樹脂吐出ノズル12に対向するように設置された捕集部(図示せず)とから構成されている。熱可塑性樹脂吐出ノズル12は、基端側が略円柱状であり、先端側が略円錐状であり、中心軸に沿って基端側から先端側に延びている、そして熱可塑性樹脂吐出ノズル12の基端側から先端側に縮径するテーパー状の円錐孔が形成され、熱可塑性樹脂吐出ノズル12外周には気体吹出ノズル11が嵌め合わされた形状になっている。さらに、熱可塑性樹脂吐出ノズル12の外周面と気体吹出ノズル11の内周面との間に高温高圧気体流路13が形成されている。
次に、ESD(電界紡糸)方式の一例を示すと、図9のように、溶剤で希釈したポリマーが充填される吐出ノズル21、吐出ノズル21の先端22に対向するように設置され且つ回転自在の捕集部23と、先端22と捕集部23との間に高電圧を印加する高電圧電源24、一定の流量で溶剤で希釈したポリマーを吐出ノズル21先端から吐出させるシリンジポンプ(図示せず)とを具備する。
本発明は新規な溶融電界紡糸方式およびこれを用いて生成したナノ繊維構造体に関するものである。
ナノ繊維を含んだナノ繊維構造体は、衣料、電気、自動車、医療、建材などの様々な分野で用いられており、近年、繊維や繊維構造体の用途の多様化により、より繊維径の小さいナノ繊維が求められている。
特に、繊維径の小さいナノ繊維を用いたナノ繊維構造体は、表面積が大きいこと、空間率が高いこと、孔径が小さいこと、通気性が高いこと、且つ流体透過速度が速いことなどの特徴を持つため、フィルタ分野、衣料分野、医療材料分野、バイオテクノロジー分野、自動車分野、建材分野などの特殊分野への開発が盛んに行われている。
そして、ナノ繊維を含んだナノ繊維構造体を製造する方法としては、主にメルトブローン(Melt Blown)方式と電界紡糸(ESD)方式が用いられている。
Melt Blown方式の一例を示すと、図8に示すように、気体吹出ノズル11を備えた熱可塑性樹脂吐出ノズル12と、熱可塑性樹脂吐出ノズル12に対向するように設置された捕集部(図示せず)とから構成されている。熱可塑性樹脂吐出ノズル12は、基端側が略円柱状であり、先端側が略円錐状であり、中心軸に沿って基端側から先端側に延びている、そして熱可塑性樹脂吐出ノズル12の基端側から先端側に縮径するテーパー状の円錐孔が形成され、熱可塑性樹脂吐出ノズル12外周には気体吹出ノズル11が嵌め合わされた形状になっている。さらに、熱可塑性樹脂吐出ノズル12の外周面と気体吹出ノズル11の内周面との間に高温高圧気体流路13が形成されている。
そして、その製造は次のようにして行われる。
まず、26から熱可塑性樹脂が加熱溶融した状態で送られ、熱可塑性樹脂吐出ノズル12を通って先端部から突出される。同時に、気体吹出ノズル11から高温気体を吹き出し、吐出ノズル12先端から吐出されたポリマーの吐出方向に対して略並行な気流を発生させる。
これにより、高温気体がぶつかり圧縮され気圧の低い吐出ノズル12の先端を通って下方に噴出していく。吐出ノズル12先端から吐出された溶融ポリマーはこの高温気体の流れに乗って引き伸ばされ繊維が形成される。この繊維が吸引装置によって捕集部に次第に堆積され繊維構造体が形成される。
しかしながら、Melt Blown方式は、熱風を左右から吐出ノズル12先端でぶつかり圧縮するような形状になっているため、機械的な圧縮膨張の振動が発生し、繊維が短繊維となる。また、高温気体の速度を増していくと機械振動の周期が速くなり最後には溶融ポリマーが微細の粒子に破砕し繊維化ができない。このため、高温気体の速度を高くすることができない。そして、高温気体の高速化ができないことから、Melt Blown方式では1mμ以下のナノ繊維化が難しい上、1ノズル当たりの繊維が大量生産できない問題があった。
さらに、Melt Blown方式でナノ繊維が生産できない理由としては、エアーの吐出部が大きく開口しているために高速気体の速度を上げることができないことが上げられる。
次に、ESD(電界紡糸)法の一例を示すと、図9のように、溶剤で希釈したポリマーが充填される吐出ノズル21、吐出ノズル21の先端22に対向するように設置され且つ回転自在の捕集部23と、先端22と捕集部23との間に高電圧を印加する高電圧電源24、一定の流量で溶剤で希釈したポリマーを吐出ノズル21先端から吐出させるシリンジポンプ(図示せず)とを具備する。
そして、その製造は次のようにして行われる。
まず、吹出ノズル21内に溶剤で膨潤したポリマー溶液を充填し、高電圧電源24によって先端22と捕集部23との間に高電圧を印加する。また、同時に、シリンジポンプを作動させ、先端22シリンジから溶剤で膨潤したポリマー溶液を一定の速度で吐出させる。先端において円錐状に変形し、押し出される。押し出された溶剤で膨潤されたポリマー溶液は、同極に帯電しているため静電反発により延伸する。延伸した溶剤で膨潤したポリマー溶液から溶剤が蒸発し電荷密度が上がり更に延伸し、極細の繊維が形成される。帯電した繊維は、異極に帯電した捕集部に付着される。そして、この繊維捕集部23上に堆積されナノ繊維構造体が形成される。
しかしながら、ESD法は1本のキャピラリの先からは、微量のナノ繊維しか製造されない。そのため、キャピラリを大量装備して、多数のキャピラリから静電噴霧するという単純な構成で大量生産を目出すといった方法がこれまで実施されているが、このような多数のキャピラリを使用する方法は電界干渉を避けるために広大なスプレー面積を必要としメンテナンスが非常に難しい。また、引火性有機溶剤と高電圧を使用する場合は爆発を引き起こし易い。その結果、溶剤が水もしくは引火しないまたは引火しにくい溶剤を使うポリマーだけが製造されることで、ESD法の利点である常温常圧で生産ができるといった優位性が損なわれてきた。これらの問題があるため、ナノ繊維の製造コストが非常に高くなってしまった。
また、ESD法で生成したナノ繊維の品質の問題では、狭空間でESD法を使用してナノ繊維を大量生成する場合、ポリマー溶液が繊維化せずに、液滴や玉状の物質が基盤上に付着する。そして、液滴や玉状の物質は材料利用効率を著しく下げ、出来上がったナノ繊維層の目詰まりを起こしたりする原因となるため、ナノ繊維層の機械的特性を大きく損ないかねなかった。例えば、フィルタのろ材として使用した場合などはフィルタの性能を低下するといった問題が生じた。
そこで本発明はこれらの問題を解決しょうとしたもので、本発明の第1の目的は、溶融電界紡糸方式(以下Melt ESD方式という。)を提供するものである。
本発明の第2の目的は、Melt ESD方式によりナノ繊維構造体を形成したことである。
本発明の第3の目的は、液滴やビーズを発生することなく最適なナノ繊維の大量生産を可能にしたものである。
本発明の第4の目的は、電界干渉やイオン風の現象を防止し、均一の層厚のナノ繊維構造体を形成したものである。
本発明の第5の目的は、クーロン力を押さえノズルや電極球にナノファイバーの付着を防止することで長時間のスプレーを可能にしたものである。
本発明の第6の目的は、爆発、感電、被爆の恐れをなくしたものである。
本発明の第7の目的は、Melt ESD方式により、断熱材の機能を併せ持たせたことを特徴としたナノ繊維構造体を形成したことである。
本発明の第8の目的は、Melt ESD方式により、吸音材の機能を併せ持たせたことを特徴としたナノ繊維構造体を形成したことである。
本発明の第9の目的は、Melt ESD方式により、油と微小物質(プラント、塵、菌類、ウイルス)などを効率良く除去することができる汚染水処理用フィルタを形成したことである。
本発明の第10の目的は、Melt ESD方式により、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137などの放射性物質除去ナノ繊維構造体を形成したことである。
本発明の第11の目的は、ナノ繊維構造体を安価に提供しょうとしたものである。
本発明の第1の解決手段は、熱可塑性ポリマーに熱を加えて膨潤状態にし、高速エアーと電荷を使ってナノ繊維を生成するMelt ESD方式を設けたことである。
すなわち、Melt ESD方式は風と電荷を共用した溶融方式のナノ繊維製造方法である。
本発明の第2の解決手段は、Melt ESD方式は熱可塑性ポリマーを溶融する機構と溶融ポリマーを吐出するノズル、ノズルから吐出する溶融ポリマーを延伸するために使用される高速エアーを発生するエアーノズル、溶融したポリマーを吐出するノズルの先端に電荷を発生させる電極および荷電ナノ繊維からの静電誘導による電界干渉を遮断するための絶縁板とから構成され、加えて放熱を防ぎ絶縁を兼ねた断熱材でノズルを覆う構造となっている。
本発明の第3の解決手段は、Melt ESD方式を使用する際、異種熱可塑性ポリマーまたは単独熱可塑性ポリマーをペレット状態で混合または単独で使用し、ナノ繊維化することで異種熱可塑性ポリマーの各ポリマー特性を損なわず、各ポリマーの特性を併せ持つナノ繊維構造体からなる断熱材を作り出すことである。
本発明の第4の解決手段は、Melt ESD方式を使用する際、異種熱可塑性ポリマーまたは単独熱可塑性ポリマーをペレット状態で混合または単独で使用し、ナノ繊維化することで異種熱可塑性ポリマーの各ポリマー特性を損なわず、各ポリマーの特性を併せ持つナノ繊維構造体からなる吸音材を作り出すことである。
本発明の第5の解決手段は、Melt ESD方式を使用する際、異種熱可塑性ポリマーをペレット状態で混合し、ナノ繊維化することで異種熱可塑性ポリマーの各ポリマー特性を損なわず、各ポリマーの特性を併せ持つナノ繊維構造体からなる油と微小物質(プラント、塵、菌類、ウイルス)などを効率良く除去することができる汚染水処理用フィルタを作り出すことである。
本発明の第6の解決手段は、Melt ESD方式を使用する際、異種熱可塑性ポリマーにブルシアンブルーを混合して、ナノ繊維に含浸して放射性物質のセシウムを除去できる除染フィルタを作り出すことである。
Melt ESD方式に使用するナノ繊維の素材である熱可塑性ポリマーは、ポリエステルやポリアミド、ポリオレフイン、ポリウレタン(PU)などが挙げられる。ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。また、ポリアミドとしてはナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン11(N11)などが挙げられる。ポリオレフインとしてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。
上述したように、本発明のMelt ESD方式により製造されたナノ繊維構造体は次のような効果が得られる。
(1)ノズル側をGNDに接続することで高電圧電源の電源をゼロにし、GNDからプラス電荷を供給することができるようにしたので、漏電による液滴やビーズを発生することなく大量生産を可能にしたこと。
(2)高電圧電源は静電誘導を起こすだけであるため、電流がまったく必要なく、ノズル数を無限に接続可能にしたこと。
(3)有機溶剤を使用せず、熱可塑性ポリマーに熱を加えて膨潤状態にし、高速エアーと電荷を使ってナノ繊維を生成するようにしたので、溶媒を使用しないため爆発の危険がなく、作業者の被爆危険が全くない。
(4)電界干渉やイオン風の現象を防止し、均一の層圧の層厚のナノ繊維層を形成したこと。
(5)ノズル先端での電荷量の減少を防止し、長時間のスプレーを可能にしたこと。
(6)ポリマー溶液側がGNDであるため漏電を無くすようにしたこと。さらにこの漏電により、作業者の安全を可能にしたこと。
(7)ポリマー溶液供給関連装置などを絶縁しなくて良いため装置が非常に安全で簡単な構成であること。
(8)ノズル先端に電気力線を集中できるようにしたので、一本のノズルから大量のナノ繊維を作り出すことができ、多数のノズルを装備する必要がないこと。
(9)単純な構成で大量生産を可能にしたので、生産コストも低減できる上、消費電力やメンテナンスコストもかからずコストの面で多大な効果があること。
(10)単純な装置であるので、扱い易く、保守に手間がかからないといった効果があること。
(11)ナノ繊維の生成と捕集を分離できるため、ナノ繊維の生成量が自由に増やすことが可能であり捕集部も製品に応じて対応できるようになったこと。
(12)本発明のMelt ESD方式により製造されたナノ繊維構造体は、断熱材、吸着材の機能を持っていること。
(13)油を含んだ汚染水から油と水を分離し、油を完全に回収できる。
(14)塩分を含んだ海水をそのまま排出できる。放射性物質が付着した微小なゴミを分離回収できる。
(15)セシウムを回収できる。
(16)放射性廃棄物の量が極めて少ない。
Melt ESD方式の基本構成図。 Melt ESD方式の高速エアーの流れを示す図。 従来の方式の高速エアーの流れを示す図。 ラバーズノズルを使用した場合の高速エアーの流れを示す図。 荷電ナノ繊維の捕集方式を示す図。 移動式汚水処理装置を示す図。 移動式汚染土洗浄装置を示す図。 Melt Blown方式の一例を示す図。 ESD方式の一例を示す図。
以下、本発明のMelt ESD方式およびMelt ESD方式により製造されたナノ繊維構造体を添付図面に基づいて説明する。
Melt ESD方式について説明する。
1は熱可塑性ポリマーを溶融する機構、2は溶融ポリマーを吐出するノズル、3はノズルから吐出する溶融ポリマーを延伸するために使用される高速エアーを発生するエアーノズル、4は溶融したポリマーを吐出するノズル2の先端に電荷を発生させる電極、5は荷電ナノ繊維からの静電誘導による電界干渉を遮断するための絶縁板である。さらに、ノズル2は放熱を防ぎ絶縁を兼ねた断熱材6で覆われている。
そして、ナノ繊維生成過程は、まず、熱可塑性ポリマーを溶融する機構1で熱可塑性ポリマーの粘土が十分下がるまで加熱して溶融する。次に、溶融ポリマーをノズル2から吐出すると同時にエアーノズル3から高温高速エアーを噴出し溶融ポリマーを延伸する。さらに同時に電極4とノズル2間に高電圧を印加することによって電荷が発生し、溶融ポリマーを同極に帯電させる。この同極の電荷が互いにクーロン力で反発することで溶融ポリマーを更に延伸する。これによって、ナノ繊維が生成される。
この際、溶融ポリマーを延伸する力は高速高温エアーが支配的である。高速高温エアーは、周りのエアーを巻き込むことで高速高温エアーを中心に緩やかな気圧差の流れを構成する。図2の位置にノズルを配置することで、溶融ポリマーが高速高温エアーによって巻き込まれた緩やかな気圧差が少ないエアーに乗って中心部の高速高温エアーに向かって延伸をしながら進み中心の高速高温エアーで高速に引き伸ばされ繊維化される。このようにしてナノ繊維は生成されるので、単純な構成で大量生産が可能となるのである。
この際、重要なことは、溶融ポリマーを吐出するノズル2の先端から高速高温エアーが離れていなければならない。それは、溶融ポリマーが延伸するためには、高速高温エアーが巻き込む緩やかなエアーが必要である。ノズルを高速高温エアーに近づけると図3で示すように、気圧差が大きくスムーズな延伸動作がなされず溶融ポリマーが微小粒子となる。
ここで、高速高温エアーとノズルの位置関係で重要なことは、距離を離すことでスムーズな延伸動作となるが離しすぎると、
1.高速エアーで巻き込む力がなくなる。
2.溶融ポリマーの温度が下がり粘度が高くなる。
などの問題がある。また、溶融ポリマーが延伸動作中に高速高温エアーと凝固熱の放出によって急速に冷却していく。そのため図4に示すようにエアーノズル8の前段にヒーター7を使用する。これによって
1.圧縮エアーを急激に加熱し、熱膨張を起こすことで圧縮エアーが発生する高速高温エアーを更に加速することができる。
2.ヒーター7によって加熱した高速高温エアーにより溶融ポリマーの温度以上に加熱することで溶融ポリマ−が冷却するのを遅らせることができる。
3.ノズル2から吐出した溶融ポリマーが高速高温エアーにまで達する間に冷却したものを再度加熱することができる。
などの改善をすることができる。
また、ポリマーが一定の粘度を下回ると以下のように風速v(m/s)と吐出量U(g)、繊維径φ(nm)の関係が成り立つようになる。
ポリマーの比重をkとすると
U=kφ・v
吐出量を減らし、風速を上げることで繊維径を100〜200nmとなることが実験で検証できた。つまり、更に細いナノ繊維を生成する場合は、風速を上げるか吐出量を下げることでナノ繊維を生成することができる。これらの実験からエアー速度を高速化したエアーを用いることでナノ繊維生産量を減らすことなく、ナノ繊維が生成できることがわかった。そのために、図4で示すようにラバーズノズル8を使用して超音波の風を生成し高速高温エアーとすることで安定したナノ繊維を生成することができる。
次に、荷電ナノ繊維の捕集方式は図5に示すように、熱可塑性ポリマーを溶融する機構1で溶融された溶融ポリマーに高電圧を印加したノズル2から吐出する際、溶融ポリマーは帯電される。それによって、帯電したポリマー溶液の同極電荷による反発力(クーロン力)によって高速高温エアーの延伸力と相まって更に細線化する。この時、帯電した荷電繊維は電極4によって捕集ドラム9に荷電ナノ繊維の異極の電荷を発生させることで荷電ナノ繊維を捕集ドラム(逆電極)9に向かって引き寄せ、捕集ドラム9に堆積して薄いナノ繊維の層を形成する。このように形成されたナノ繊維はナノ繊維構造体として形成され、断熱材や吸音材として利用される。
廃水性材料と親水性材料あるいは融点の違う異種ポリマーを使用してMelt ESD方式で汚染水処理用フィルタを形成したナノ繊維構造体について説明する。
Melt ESD方式で異動ポリマーをペレット状態で混合すると、異種ポリマーは互いに混ざり合わないため、独立した状態でナノ繊維となる。これによって、異種ポリマーがナノ繊維状態で分散状態となる。その結果、各ポリマーの特性を併せ持つ状態となる。
具体的に述べると
例1:ポリプロピレン(90%)+ポリ乳酸(10%)の場合
ポリプロピレンは、廃水性でありナノ繊維化することで超撥水性となり水を全く通さなくなる。一方 ポリプロピレンは親油性があり、表面積が大きいため油を大量に吸着する。ポリ乳酸のナノ繊維は、親水性であるため水を吸着する。そのため、ポリプロピレンとポリ乳酸の分散したナノ繊維を用いた水用フィルタは、油を含んだ汚水を通すと油とコンタミを除去し、水を通すことができるようになる。
例2:ポリプロピレン(80%)+ポリエステル(20%)の場合
ポリプロピレンの融点は180度で、ポリエステルの融点は240度である。これらを混合して適度な温度で溶融することで繊維径が大きく違うナノ繊維を分散することができる。これによって、復元力を持つ素材を作ることができる。
例3:ポリプロピレン(90%)+ポリウレタン(10%)の場合
生成したナノ繊維に加熱すると融点の低いポリウレタンが溶融してポリプロピレンの繊維を接着する。これによって、強いポリプロピレンのシートを作成することができる。
汚染水から放射性物質を除去する方法としてMelt ESD方式で除染フィルタを形成したナノ繊維構造体について説明する。
2011年3月11日に東日本大震災によって東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質漏洩事故によって、放射性物質が放出された。これらの放射性物質は、主にヨウ素131、セシウム134、セシウム137である。この場合、ヨウ素131の半減期は8日であるため問題にならないが、セシウム137は半減期が30年と長く問題になっている。またセシウムは揮発性であり、水によく溶ける性質を持っている。そのため、セシウムを含む水が蒸発することでセシウムも飛散する。
そこで、汚染水から放射性物質を除去するナノ繊維構造体に必要な条件としては、▲1▼セシウムが回収できる事、▲2▼放射性廃棄物が少ない事、▲3▼安価である事、▲4▼大量に処理ができる事、▲5▼油が回収できる事、▲6▼海水から塩分を吸収しない事。
これらの条件を満足する方法として、従来ポリプロピレンとポリエステルの異種ポリマーを使用してMelt ESD方式で1時間当たり1Kg/ノズルのナノ繊維を生成することができるが、ポリプロピレンとポリエステルが撥水性でありナノ繊維とすることで表面積が増大して超撥水性となり水を通さない。このためアルコールを使用して水の表面張力を小さくして使用しているが、除染処理をするには費用が掛かる。そこで、ポリプロピレン、ポリエステルをナノ繊維化してポリプロピレン、ポリエステルのナノ繊維で分散することでアルコールを使用することなく水を通すことができるようになる。また、リサイクル品などを使用する場合、10円〜20円/Kgであり一回に使用する量は10gでこの金額で100回分使用することが可能である。
さらに、セシウムを吸着するには、ゼオライトや多孔性ビーズをポリプロピレン、ポリエステルのナノ繊維に担持して回収を行う。ゼオライトや多孔性ビーズを径が0.1〜0.05μmにするとポリプロピレン、ポリエステルに担持することができる。ナノ繊維の特徴は非常に表面積が大きく、セシウムを効率良く除去することができる。ゼオライトや多孔性ビーズをそのまま使用する場合は、ゼオライトや多孔性ビーズのセシウムが付着して飛散したものを吸引すると容易に肺に到達し内部被膜が続く。これらはN95やN100の防塵マスクでも阻止できない。しかし、ナノ繊維がゼオライトや多孔性ビーズを含浸する場合、長繊維(10cm以上)であるため肺に入ることなく安全である。さらに、ゼオライトや多孔性ビーズも安価であり、ナノ繊維に含浸するため使用量も少量である。
また、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ゼオライトや多孔性ビーズは、海水の塩分は吸着しない。そのため、福島原発の事故初期に冷却に使用した海水を含む汚染水8万7500トンを処理する場合など塩分を素通しできるようになっている。
前記汚染水処理用フィルタの機能を有するナノ繊維構造体は、小型でありながら油と微小物質(プランクトン、塵、菌類、ウイルス)などを効率良く除去することができる。そのため、図6に示すような移動式汚水処理装置に装備することで移動しながら下記のような機能を発揮する。
1.汚水処理場(プラント)を建設する必要がなく、短期間で汚染水処理を開始できる。
2.コンテナ数を調整することで、汚水量に応じて汚水処理能力を変更できる。
3.河川や海岸の汚れた場所をピンポイント処理できる。
4.移動式汚水処理装置は、工場で大量生産できるため安価に汚水処理装置を生産することができる。
5.基礎工事をする必要がなく、汚水処理後は自然の美観を損なうことがなく元の状態に戻すことができる。
さらに、前記除染フィルタの機能を有するナノ繊維構造体は、小型でありながらセシウムなどの放射性物質を効率良く除去することができる。そのため、図7に示すような移動式汚染土洗浄装置に装備することで移動しながら下記のような機能を発揮する。
セシウムは揮発性が高く、水に良く溶ける性質を持っている。そのため、水で洗浄することでセシウムを水に溶け込ますことができる。このセシウムを含んだ水を除染フィルタに通すことでセシウムを回収することが可能となる。したがって、移動式汚染土洗浄装置は、放射性物質で汚染された土や瓦礫を洗浄する機能を有している。この特徴は
1.現場で汚染された土や瓦礫を水で洗浄してセシウムの除去ができる。
2.水は循環再利用するため、最小の量で処理が可能である。
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の変更が可能である。
ナノ繊維を含んだナノ繊維構造体を製造する方法としては、主にMeltBlown法とESD法が用いられてきた。しかし、それぞれ十分満足するものでなく改善されたナノ繊維構造体の製法が望まれていた。そこで、種々の研究の末従来のMelt Blown法とESD法の長所のみを兼ね備えたMelt ESD法を開発し、断熱材、吸音材、油水分離フィルタや除染フィルタの機能を有するナノ繊維構造体を形成したもので本発明は産業上極めて利用価値の高いものである。
1・・・熱可塑性ポリマーを溶融する機構 2・・・ノズル
3・・・エアーノズル 4・・・電極 5・・・絶縁板
6・・・断熱材 7・・・ヒーター
8・・・ラバーズノズル 11・・・気体吹出ノズル
12・・・吐出ノズル 13・・・加熱気体流路
14・・・ヒーター 21・・・吐出ノズル 22・・・先端
23・・・捕集ドラム 24・・・高電圧電源
上述したように、本発明のMelt ESD方式により製造されたナノ繊維構造体は次のような効果が得られる。
(1)ノズル側をGNDに接続することで高電圧電源の電源をゼロにし、GNDからプラス電荷を供給することができるようにしたので、漏電による液滴やビーズを発生することなく大量生産を可能にしたこと。
(2)高電圧電源は静電誘導を起こすだけであるため、電流がまったく必要なく、ノズル数を無限に接続可能にしたこと。
(3)有機溶剤を使用せず、熱可塑性ポリマーに熱を加えて膨潤状態にし、高速エアーと電荷を使ってナノ繊維を生成するようにしたので、溶媒を使用しないため爆発の危険がなく、作業者の被爆危険が全くない。
(4)電界干渉やイオン風の現象を防止し、均一の層圧の層厚のナノ繊維層を形成したこと。
(5)ノズル先端での電荷量の減少を防止し、長時間のスプレーを可能にしたこと。
(6)ポリマー溶液側がGNDであるため漏電を無くすようにしたこと。さらにこの漏電により、作業者の安全を可能にしたこと。
(7)ポリマー溶液供給関連装置などを絶縁しなくて良いため装置が非常に安全で簡単な構成であること。
(8)ノズル先端に電気力線を集中できるようにしたので、一本のノズルから大量のナノ繊維を作り出すことができ、多数のノズルを装備する必要がないこと。
(9)単純な構成で大量生産を可能にしたので、生産コストも低減できる上、消費電力やメンテナンスコストもかからずコストの面で多大な効果があること。
(10)単純な装置であるので、扱い易く、保守に手間がかからないといった効果があること。
(11)ナノ繊維の生成と捕集を分離できるため、ナノ繊維の生成量が自由に増やすことが可能であり捕集部も製品に応じて対応できるようになったこと。
(12)本発明のMelt ESD方式により製造されたナノ繊維構造体は、断熱材、吸材の機能を持っていること。
(13)油を含んだ汚染水から油と水を分離し、油を完全に回収できる。
(14)塩分を含んだ海水をそのまま排出できる。放射性物質が付着した微小なゴミを分離回収できる。
(15)セシウムを回収できる。
(16)放射性廃棄物の量が極めて少ない。
水性材料と親水性材料あるいは融点の違う異種ポリマーを使用してMelt ESD方式で汚染水処理用フィルタを形成したナノ繊維構造体について説明する。
Melt ESD方式で異動ポリマーをペレット状態で混合すると、異種ポリマーは互いに混ざり合わないため、独立した状態でナノ繊維となる。これによって、異種ポリマーがナノ繊維状態で分散状態となる。その結果、各ポリマーの特性
を併せ持つ状態となる。
具体的に述べると
例1:ポリプロピレン(90%)+ポリ乳酸(10%)の場合
ポリプロピレンは、水性でありナノ繊維化することで超撥水性となり水を全く通さなくなる。一方 ポリプロピレンは親油性があり、表面積が大きいため油を大量に吸着する。ポリ乳酸のナノ繊維は、親水性であるため水を吸着する。そのため、ポリプロピレンとポリ乳酸の分散したナノ繊維を用いた水用フィルタは、油を含んだ汚水を通すと油とコンタミを除去し、水を通すことができるようになる。
例2:ポリプロピレン(80%)+ポリエステル(20%)の場合
ポリプロピレンの融点は180度で、ポリエステルの融点は240度である。これらを混合して適度な温度で溶融することで繊維径が大きく違うナノ繊維を分散することができる。これによって、復元力を持つ素材を作ることができる。
例3:ポリプロピレン(90%)+ポリウレタン(10%)の場合
生成したナノ繊維に加熱すると融点の低いポリウレタンが溶融してポリプロピレンの繊維を接着する。これによって、強いポリプロピレンのシートを作成することができる。

Claims (5)

  1. 熱可塑性ポリマーを溶融する機構と溶融ポリマーを吐出するノズルと、ノズルから吐出する溶融ポリマーを延伸するために使用される高速エアーを発生するエアーノズルと、溶融したポリマーを吐出するノズルの先端に電荷を発生させる電極および荷電ナノ繊維からの静電誘導による電界干渉を遮断するための絶縁板とから構成し、熱可塑性ポリマーに熱を加えて膨潤状態にし、高速エアーと電荷を使ってナノ繊維を生成するようにしたことを特徴とした溶融電界紡糸方式。
  2. 異種熱可塑性ポリマーをペレット状態で混合し、溶融電界紡糸方式を使用してナノ繊維化することで異種熱可塑性ポリマーの各ポリマー特性を損なわず、各ポリマーの特性を併せ持たせたことを特徴としたナノ繊維構造体。
  3. 異種熱可塑性ポリマーを撥水性材料と親水性材料から構成し、溶融電界紡糸方式を使用して油と微小物質(プラント、塵、菌類、ウイルス)などを効率良く除去することができる汚染水処理用フィルタに形成したことを特徴とした請求項1のナノ繊維構造体。
  4. 異種熱可塑性ポリマーを融点の違う異種ポリマーから構成し、溶融電界紡糸方式を使用して各種フィルタに形成したことを特徴としたナノ繊維構造体。
  5. 異種熱可塑性ポリマーにゼオライトや多孔性ビーズを混合して、放射性物質のセシウムを除去できる除染フィルタに形成したことを特徴としたナノ繊維構造体。
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