JP2014111315A - セラミックハニカム構造体の製造方法、及びセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置 - Google Patents

セラミックハニカム構造体の製造方法、及びセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】直角度が優れたセラミックハニカム構造体を製造することが可能なセラミックハニカム構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面における、第一可動受け台68aと第二可動受け台68b、及び第三可動受け台68cと第四可動受け台68dにて支持される部分のコンツァーC1,C2,C3,C4を測定し、コンツァーC1に対応する距離だけ、第一受け部69aの第一可動受け台68aを可動させ、コンツァーC2に対応する距離だけ、第一受け部69aの第二可動受け台68bを可動させ、コンツァーC3に対応する距離だけ、第二受け部69bの第三可動受け台68cを可動させ、コンツァーC4に対応する距離だけ、第二受け部69bの第四可動受け台68dを可動させてから仕上げ加工を行う。
【選択図】図2C

Description

本発明は、セラミックハニカム構造体の製造方法、及びセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置に関する。更に詳しくは、生産性に優れ、且つ、端面の直角度が優れたセラミックハニカム構造体を製造することが可能なセラミックハニカム構造体の製造方法に関する。また、本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法に好適に用いられるセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置に関する。
化学、電力、鉄鋼等の様々な分野において、環境対策や特定物資の回収等のために使用される触媒装置用の担体として、セラミック製のハニカム構造体(セラミックハニカム構造体)が採用されている。また、セラミック製のハニカム構造体は、排ガス浄化用のフィルタとしても用いられている。このようなセラミック製のハニカム構造体は、耐熱性、耐食性に優れたものであり、上述したような種々の用途に採用されている。ハニカム構造体は、流体の流路となる一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を有する構造体である。
従来、外径寸法が150mm未満のハニカム構造体は、以下の方法によって製造されている。まず、成形原料を含む坏土をハニカム状に成形して、ハニカム成形体を得る。ハニカム成形体は、一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルが隔壁によって区画形成された円筒状のものである。このハニカム成形体を、一方の端面から他方の端面に向かう方向の長さが、仕上げ寸法の長さよりも長くなるように切断し、更に、ハニカム成形体を乾燥して、ハニカム乾燥体を得る。次に、ハニカム乾燥体の一方の端面から他方の端面に向かう方向の長さを、仕上げ寸法となるように仕上げ加工して仕上げハニカム乾燥体を得る。次に、仕上げハニカム乾燥体を焼成して、ハニカム構造体を得る(例えば、特許文献1参照)。また、このような方法よって製造されたハニカム構造体については、その外径寸法が、基準となる外径寸法公差を満たしているか否かの検査が行われ、検査に合格したものが製品として出荷される。
一方、外径寸法が150mm以上のハニカム構造体を製造する際には、外壁を別途作製する工程が追加されることがある(例えば、特許文献2参照)。外壁を別途作製する工程としては、例えば、仕上げハニカム乾燥体を焼成した後、得られた焼成体の外周を研削加工し、研削加工した外周部分に、外周コートを行って外壁を別途作製する工程を挙げることができる。外径寸法が150mm以上となるようなハニカム構造体を、「大型のハニカム構造体」ということがある。
先に挙げられた、ハニカム成形体を乾燥し、仕上げ加工し、焼成することによってハニカム構造体を製造する製造方法を、以下、「一体成形による製造方法」ということがある。また、外壁を別途作製する工程が追加された製造方法を、以下、「外周コートによる製造方法」ということがある。また、ハニカム構造体の端面を仕上げ加工する方法として、ハニカム構造体の姿勢を補正し、この状態で仕上げ加工を行う方法等が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−046856号公報 特開平3−275309号公報 特開2006−231475号公報
しかしながら、従来のハニカム構造体の製造方法においては、得られるハニカム構造体の一方の端面及び他方の端面の直角度(以下、「一方の端面及び他方の端面の直角度」を、単に「直角度」ということがある)が不十分という問題があった。特に、上述した一体成形による製造方法では、上記直角度の低下が顕著となる。また、近年、ハニカム構造体の直角度に対する許容範囲が厳しくなっており、ハニカム構造体の直角度の向上が求められている。直角度の許容範囲とは、製品としてのセラミックハニカム構造体に要求される直角度の基準値を満たす範囲のことを意味する。例えば、特許文献3に記載の加工方法においては、ハニカム構造体をクランプによって把持した後、当該ハニカム構造体の形状を測定し、ハニカム構造体の姿勢を補正して仕上げ加工が行われるものである。しかしながら、ハニカム構造体は、その外壁に凹凸等を有していることから、上述したクランプが安定しないことがある。
また、外周コートによる製造方法は、製造工程が煩雑であるという問題もあった。例えば、大型のハニカム構造体は、成形体の歪み等が大きいため、外周コートによる製造方法が主として用いられている。しかし、製造コストの低下等の観点から、一体成形による製造方法によって、大型のハニカム構造体を製造することが検討されている。但し、大型のハニカム構造体を一体成形による製造方法によって製造すると、ハニカム構造体の直角度の低下がより顕著となる。このようなことから、従来、一体成形による製造方法によって大型のハニカム構造体を製造することは、極めて困難と考えられていた。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものである。本発明は、生産性に優れ、且つ、端面の直角度が優れたセラミックハニカム構造体を製造することが可能なセラミックハニカム構造体の製造方法を提供する。また、本発明は、端面の直角度が優れたセラミックハニカム構造体を効率よく製造することが可能なセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置を提供する。
本発明によれば、以下のセラミックハニカム構造体の製造方法、及びセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置が提供される。
[1] 一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルが隔壁によって区画形成された円筒状のセラミックハニカム乾燥体の前記一方の端面から前記他方の端面に向かう方向の長さを、仕上げ寸法となるように仕上げ加工して、仕上げセラミックハニカム乾燥体を得る仕上げ工程を備え、前記仕上げ工程が、前記セラミックハニカム乾燥体の外壁表面を、第一可動受け台と第二可動受け台を有する第一受け部、及び、第三可動受け台と第四可動受け台を有する第二受け部にて支持し、前記第一受け部及び前記第二受け部上に支持された前記セラミックハニカム乾燥体の前記一方の端面側の端部及び前記他方の端面側の端部における仕上げ寸法からの各余剰部分をそれぞれ切断除去するものであり、前記第一受け部の前記第一可動受け台と前記第二可動受け台、及び前記第二受け部の前記第三可動受け台と前記第四可動受け台は、それぞれ相互に独立して可動可能に構成されたものであり、前記セラミックハニカム乾燥体を前記第一受け部及び前記第二受け部上に支持する前に、前記セラミックハニカム乾燥体の外壁表面における、前記第一受け部の前記第一可動受け台にて支持される部分の、コンツァーC1、前記第一受け部の前記第二可動受け台にて支持される部分の、コンツァーC2、前記第二受け部の前記第三可動受け台にて支持される部分の、コンツァーC3、及び前記第二受け部の前記第四可動受け台にて支持される部分の、コンツァーC4を測定し、前記コンツァーC1、前記コンツァーC2、前記コンツァーC3、前記コンツァーC4に対応する距離だけ、前記第一受け部の前記第一可動受け台、前記第一受け部の前記第二可動受け台、前記第二受け部の前記第三可動受け台、前記第二受け部の前記第四可動受け台をそれぞれ独立に可動させるセラミックハニカム構造体の製造方法。
[2] 前記第一受け部の前記第一可動受け台と前記第二可動受け台とが、逆ハの字状に構成されたものであり、且つ、前記第二受け部の前記第三可動受け台と前記第四可動受け台とが、逆ハの字状に構成されたものである前記[1]に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
[3] 前記セラミックハニカム乾燥体を、前記一方の端面が底面となるように測定台に載置して前記コンツァーC1,C2,C3,C4を測定する前記[1]又は[2]に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
[4] 前記セラミックハニカム乾燥体と前記測定台との間の少なくとも3箇所に、スペーサーを配置する前記[3]に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
[5] 前記セラミックハニカム乾燥体を前記測定台に載置した際の、水平面に対する前記セラミックハニカム乾燥体の底面の傾きの高低差が4mm以下である前記[3]又は[4]に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
[6] 前記コンツァーC1,C2,C3,C4を、反射式の非接触レーザー変位計によって測定する前記[1]〜[5]のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
[7] 前記コンツァーC1,C2,C3,C4を測定する際の前記セラミックハニカム乾燥体の温度が、20〜150℃である前記[1]〜[6]のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
[8] 前記セラミックハニカム乾燥体が、外周に凹凸を有する前記[1]〜[7]のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
[9] 前記セラミックハニカム乾燥体の外径寸法が、100mm以上である前記[1]〜[8]のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
[10] 前記セラミックハニカム乾燥体が、焼成してコージェライトとなる成形原料からなる前記[1]〜[9]のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
[11] 一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルが隔壁によって区画形成された円筒状のセラミックハニカム乾燥体の前記一方の端面から前記他方の端面に向かう方向の長さを、仕上げ寸法となるように仕上げ加工するためのセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置であって、前記セラミックハニカム乾燥体を載置した際に、前記セラミックハニカム乾燥の外壁表面の前記一方の端面から前記他方の端面に向かう方向に離間した2箇所をそれぞれ2点で支持する、第一可動受け台と第二可動受け台を有する第一受け部、及び、第三可動受け台と第四可動受け台を有する第二受け部、を備え、前記第一受け部及び前記第二受け部上に支持された前記セラミックハニカム乾燥体の前記一方の端面側の端部及び前記他方の端面側の端部における、前記仕上げ寸法からの各余剰部分をそれぞれ切断除去する加工装置であり、前記第一可動受け台、前記第二可動受け台、前記第三可動受け台、及び前記第四可動受け台が、それぞれ独立に可動する、セラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置。
本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法によれば、端面の直角度が優れたセラミックハニカム構造体を製造することができる。また、上述した外周コートによる製造方法のような煩雑な工程を行う必要がないため、生産性にも優れている。特に、本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法によれば、セラミックハニカム構造体の周方向の長さの長短に関わらず、端面の直角度が優れたセラミックハニカム構造体を製造することができる。
本発明のセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置によれば、端面の直角度が優れたセラミックハニカム構造体を効率よく製造することができる。
本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法の一の実施形態において、セラミックハニカム構造体が形成される過程を模式的に示した斜視図である。 セラミックハニカム乾燥体を第一受け部及び第二受け部上に支持した状態を模式的に示す側面図である。 図2Aをセラミックハニカム乾燥体の一方の端面側から見た平面図である。 図2Aをセラミックハニカム乾燥体の上面側から見た平面図である。 仕上げ工程における仕上げ加工の一例を模式的に示す側面図である。 第一受け部及び第二受け部の第一〜第四可動受け台を可動させた状態を模式的に示す側面図である。 図3Aをセラミックハニカム乾燥体の一方の端面側から見た平面図である。 仕上げ工程におけるコンツァーの測定方法の一例を模式的に示す斜視図である。 コンツァーを測定した結果の一例を示すグラフである。 セラミックハニカム乾燥体を固定冶具にて固定する前の状態を示す側面図である。 図6AのA−A’断面を示す断面図である。 直角度を説明するための模式図であり、セラミックハニカム構造体を側面から見た側面図である。 第一受け部の第一可動受け台及び第二可動受け台を鉛直方向に可動させる方法を説明するための模式図である。
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1)セラミックハニカム構造体の製造方法:
本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法の一の実施形態は、図1に示すように、仕上げ工程Aを備えたセラミックハニカム構造体の製造方法である。図1は、本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法の一の実施形態において、セラミックハニカム構造体が形成される過程を模式的に示した斜視図である。仕上げ工程Aは、一方の端面61及び他方の端面62を有する円筒状のセラミックハニカム乾燥体50の一方の端面61及び他方の端面62を仕上げ加工して、仕上げセラミックハニカム乾燥体70を得る工程である。セラミックハニカム乾燥体50は、一方の端面61から他方の端面62まで延びる複数のセル52が隔壁51によって区画形成された円筒状のものである。なお、本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法は、以下の焼成工程Bを更に備えていてもよい。焼成工程Bは、仕上げ工程Aにて得られた仕上げセラミックハニカム乾燥体70を焼成して、セラミックハニカム構造体100を得る工程である。以下、セラミックハニカム乾燥体50を、単に「ハニカム乾燥体50」ということがある。仕上げセラミックハニカム乾燥体70を、単に「仕上げハニカム乾燥体70」ということがある。セラミックハニカム構造体100を、単に「ハニカム構造体100」ということがある。
本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法においては、仕上げ工程Aが、例えば、図2A〜図2Dに示すような方法で行われる。ここで、図2Aは、セラミックハニカム乾燥体を第一受け部及び第二受け部上に支持した状態を模式的に示す側面図である。図2Bは、図2Aをセラミックハニカム乾燥体の一方の端面側から見た平面図である。図2Cは、図2Aをセラミックハニカム乾燥体の上面側から見た平面図である。図2Dは、仕上げ工程における仕上げ加工の一例を模式的に示す側面図である。
仕上げ工程Aは、第一受け部69a及び第二受け部69b上に支持されたセラミックハニカム乾燥体50の一方の端面61側の端部及び他方の端面62側の端部における仕上げ寸法mからの各余剰部分50a,50bをそれぞれ切断除去するものである。第一受け部69aは、例えば、逆ハの字状に傾斜した状態で設けられた第一可動受け台68aと第二可動受け台68bを有するものである。また、第二受け部69bは、例えば、逆ハの字状に傾斜した状態で設けられた第三可動受け台68cと第四可動受け台68dを有するものである。この第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dによって、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面が支持される。このように、本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法は、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dを備えた仕上げ加工装置300を用いて仕上げ加工を行うものである。第一受け部69aの第一可動受け台68aと第二可動受け台68b、及び第二受け部69bの第三可動受け台68cと第四可動受け台68dは、それぞれ相互に独立して可動可能に構成されたものである。また、図2A〜図2Dにおいては、第一可動受け台68aと第二可動受け台68bとは、逆ハの字状に傾斜した状態で設けられた例を示しているが、第一可動受け台68aと第二可動受け台68bとが相互に独立して可動可能に構成されたものであれば、逆ハの字状に傾斜した状態で設けられたものに限定されることはない。また、第三可動受け台68cと第四可動受け台68dとについても、逆ハの字状に傾斜した状態で設けられたものに限定されることはない。以下の実施形態においては、第一可動受け台68aと第二可動受け台68bとが、逆ハの字状に構成されたものであり、且つ、第三可動受け台68cと第四可動受け台68dとが、逆ハの字状に構成されたものである場合の例について説明する。
図3A及び図3Bに示すように、第一受け部69aの第一可動受け台68aと第二可動受け台68b、及び第二受け部69bの第三可動受け台68cと第四可動受け台68dは、例えば、それぞれ相互に独立して鉛直方向に可動可能に構成されたものを挙げることができる。図3A及び図3Bに示す矢印Uの可動方向(鉛直方向)に、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dが、相互に独立して可動する。図3Aは、第一受け部及び第二受け部の第一〜第四可動受け台を可動させた状態を模式的に示す側面図であり、図3Bは、図3Aをセラミックハニカム乾燥体の一方の端面側から見た平面図である。
本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法においては、セラミックハニカム乾燥体50を、このような第一受け部69a及び第二受け部69b上に支持する前に、以下のような測定を行う。そして、その測定結果に基づき、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dのそれぞれを、例えば、鉛直方向に可動させて、直角度が良好となるような仕上げ加工を実現するものである。
具体的には、図4に示すように、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面における、コンツァーC1、コンツァーC2、コンツァーC3、及びコンツァーC4を測定する。「コンツァーC1」とは、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面における、第一受け部69aの第一可動受け台68a(図2A〜図2C参照)にて支持される部分P1のコンツァーのことである。同様に、「コンツァーC2」とは、第一受け部69aの第二可動受け台68b(図2A〜図2C参照)にて支持される部分P2のコンツァーのことである。「コンツァーC3」とは、第二受け部69bの第三可動受け台68c(図2A〜図2C参照)にて支持される部分P3のコンツァーのことである。「コンツァーC4」とは、第二受け部69bの第四可動受け台68d(図2A〜図2C参照)にて支持される部分P4のコンツァーのことである。ここで、図4は、仕上げ工程におけるコンツァーの測定方法の一例を模式的に示す斜視図である。図4においては、測定対象物を水平に載置可能な測定台65上に、セラミックハニカム乾燥体50を載置して、コンツァーを測定した場合の例を示す。また、図4においては、測定台65上に載置したセラミックハニカム乾燥体50を、符号80に示す回転方向に回転させて、コンツァーを測定している。
ここで、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面の周方向を一周するコンツァーの測定結果の一例を図5に示す。図5においては、第一受け部にて支持される部分を含む周方向全周のコンツァー、及び第二受け部にて支持される部分を含む周方向全周のコンツァーの測定結果を示す。図5に示す測定結果から分かるように、セラミックハニカム乾燥体50は、外周形状が変形を生じていたり、一方の端面61から他方の端面62に向かう方向に曲がりを生じていたりする。即ち、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面の周方向を一周するコンツァーは一定ではない。このようなセラミックハニカム乾燥体50を、受け台を可動せずに載置すると、セラミックハニカム乾燥体50が受け台上で動いてしまうことが考えられる。即ち、セラミックハニカム乾燥体50の外周形状が変形していると、安定した状態で受け台上に載置できず、セラミックハニカム乾燥体50が動いてしまい傾くことがある。
例えば、セラミックハニカム乾燥体50の仕上げ加工を行う際には、図2A〜図2Cに示すように、第一受け部69a及び第二受け部69b上に支持されたセラミックハニカム乾燥体50を、固定冶具76によって固定する。この固定冶具76は、図6A及び図6Bに示すように、セラミックハニカム乾燥体50の外周形状に対応した円弧状の固定部76aと、この固定部76aを上下動させるための上下可動部76bと、を有している。セラミックハニカム乾燥体50が第一受け部69a及び第二受け部69b上に支持された状態にて、円弧状の固定部76aが、上下可動部76bによって下方に引き下げられて、セラミックハニカム乾燥体50が固定される。上述したように、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面の周方向を一周するコンツァーは一定でない。即ち、周方向を一周するコンツァーに差がある。そのため、このような固定冶具76によってセラミックハニカム乾燥体50を固定すると、セラミックハニカム乾燥体50が受け台上で動いてしまうことが考えられる。このため、可動しない受け台で仕上げ加工する従来の製造方法のように、コンツァーの差がある状態で、受け台を可動せずにセラミックハニカム乾燥体を切断すると、得られるセラミックハニカム構造体の直角度が悪化してしまうという問題があった。ここで、図6Aは、セラミックハニカム乾燥体を固定冶具にて固定する前の状態を示す側面図である。図6Bは、図6AのA−A’断面を示す断面図である。なお、円弧状の固定部76aには、セラミックハニカム乾燥体50を保護するための保護カバーが配設されていることが好ましい。また、固定部76aと上下可動部76bとの接続部分には、スプリングなどの弾性部材を配設することが好ましい。
また、セラミックハニカム乾燥体のコンツァーの値は、セラミックハニカム乾燥体ごとに異なっているため、製造する全てのセラミックハニカム乾燥体に対して、直角度が良好となるように仕上げ加工を行うことは、極めて困難と考えられていた。従来の製造方法では、セラミックハニカム構造体を製造した後、直角度等についての検査を行い、基準値を満たさないものについては、廃棄等の処置がとられていた。
本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法においては、コンツァーC1,C2,C3,C4の測定結果から、図2A〜図2Dに示すように、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dのそれぞれを、可動させることにより、直角度が良好となるような仕上げ加工を実現する。具体的には、コンツァーC1に対応する距離だけ、第一受け部69aの第一可動受け台68aを可動させる。また、コンツァーC2に対応する距離だけ、第一受け部69aの第二可動受け台68bを可動させる。また、コンツァーC3に対応する距離だけ、第二受け部69bの第三可動受け台68cを可動させる。更に、コンツァーC4に対応する距離だけ、第二受け部69bの第四可動受け台68dを可動させる。上述したように、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dのそれぞれを、コンツァーC1,C2,C3,C4の差分を補完する(打ち消す)ように可動させることにより、より直角度が良好となる仕上げ加工が可能となる。このように、本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法においては、各セラミックハニカム乾燥体ごとに、直角度が最も良くなるように、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dの高さを調節して仕上げ加工が行われる。このため、外径寸法の大きなセラミックハニカム構造体であっても、直角度が優れたものとなる。大型のセラミックハニカム構造体は、セラミックハニカム乾燥体のコンツァーのバラツキが大きいため、従来の製造方法のような仕上げ加工を行うと、直角度が著しく悪化してしまうことがある。また、本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法は、外周コートによる製造方法のような煩雑な工程を行う必要がないため、生産性にも優れている。
「コンツァー」とは、理論的に正確な寸法によって定められた幾何学的輪郭からの、実際の輪郭のずれの大きさのことを意味する。従って、本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法において測定されたコンツァーは、基準の外径寸法(図5の縦軸の「0」に相当する寸法)からの、セラミックハニカム乾燥体のずれの大きさということになる。このようなコンツァーを測定することにより、曲面を構成する線要素のバラツキを、2次元の平面的な公差域で規定することができる。即ち、セラミックハニカム乾燥体の外周面を構成する線要素のバラツキを、2次元の平面的な公差域で規定することができる。
「直角度」について、図7を例に説明する。図7は、直角度を説明するための模式図であり、セラミックハニカム構造体200を側面から見た側面図である。セラミックハニカム構造体200の直角度を求める際には、まず、セラミックハニカム構造体200の一方の端面111の周縁の任意の一の点111aから、一方の端面111に垂直な仮想線115を引く。この仮想線115と他方の端面112の仮想面116との交点118を求める。そして、この交点118と、他方の端面112の周縁の端点112aとを結ぶ長さY1を求める。上記「長さY1」が、任意の一つの点の直角度である。このセラミックハニカム構造体200の直角度とは、「長さY1」を全周に渡り測定した最大値のことである。
「セラミックハニカム乾燥体の仕上げ寸法」とは、仕上げセラミックハニカム乾燥体に要求される一方の端面から他方の端面までの長さのことをいう。仕上げセラミックハニカム乾燥体に要求される一方の端面から他方の端面までの長さについては、最終製品であるセラミックハニカム構造体の一方の端面から他方の端面までの規格の長さから、焼成時の収縮量等を考慮して、適宜決定される。
以下、本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法について、更に詳細に説明する。
(1−1)セラミックハニカム乾燥体の作製:
まず、本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法に用いられるセラミックハニカム乾燥体の作製方法について説明する。セラミックハニカム乾燥体の作製方法については、以下の作製方法に限定されることはない。即ち、セラミックハニカム乾燥体は、一方の端面から他方の端面に向かう方向の長さが、仕上げ寸法となるように仕上げ加工される前のものであれば、その作製方法等については、特に制限はない。
セラミックハニカム乾燥体の作製方法としては、一般的な、押出成形法を用いる。例えば、セラミック材料と成形助剤を含有する成形原料を混練して、真空土練機等により坏土を形成する、間欠成形(ラム成形)方法を挙げることができる。また、別法として、混合粉末を直接坏土化し、成形する、連続成形法を挙げることができる。成形原料に含まれるセラミック材料としては、特に制限はなく、従来公知のセラミックハニカム構造体の製造方法において、成形原料として用いられるセラミック材料を用いることができる。例えば、セラミック材料としては、コージェライト、コージェライト化原料、炭化珪素、アルミナ等を挙げることができる。なお、コージェライト化原料とは、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミック原料である。コージェライト化原料は、焼成されてコージェライトになるものである。
また、成形原料には、分散媒となる水を含有させる。更に、成形原料には、必要に応じて、造孔材、バインダ、分散剤、界面活性剤等を含有させてもよい。造孔材、バインダ、分散剤、界面活性剤等は、従来公知のセラミックハニカム構造体の製造方法に用いられるものを好適に用いることができる。
次に、例えば、押出成形により、ハニカム状に成形して、一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルが隔壁によって区画形成された円筒状のハニカム成形体を得る。成形方法としては、間欠押出成形、又は連続押出成形を挙げることができる。押出成形に際しては、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚さ、セル密度等を有する口金を用いる。
次に、得られたハニカム成形体を、ハニカム成形体のセルの延びる方向に対して直交するように切断する。なお、ハニカム成形体を切断する際には、切断された各ハニカム成形体の一方の端面から他方の端面に向かう方向の長さが、ハニカム構造体の仕上げ寸法よりも長くなるようにする。各ハニカム成形体の仕上げ寸法よりも長い部分は、仕上げ工程において切断除去される。
次に、切断されたハニカム成形体を乾燥して、ハニカム乾燥体を得る。乾燥の方法は特に限定されず、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができる。なかでも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組み合わせて行うことが好ましい。
(1−2)仕上げ工程:
次に、図1、図2A〜図2D、図3A〜図3B、及び図4に示すように、セラミックハニカム乾燥体50の一方の端面61及び他方の端面62を仕上げ加工して、仕上げセラミックハニカム乾燥体70を得る。この仕上げ工程Aにより、セラミックハニカム乾燥体50の一方の端面61から他方の端面62までの長さが、仕上げ寸法mとなるように加工される。この際、これまでに説明したように、コンツァーC1,C2,C3,C4の測定を行い、その測定結果から、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dの高さを調節して仕上げ加工を行う。
コンツァーの測定方法については、特に制限はない。例えば、図4に示すように、レーザー変位計67によってコンツァーを測定することができる。レーザー変位計67としては、反射式の非接触レーザー変位計、を好適に用いることができる。このようなレーザー変位計は、セラミックハニカム乾燥体50のコンツァーをより正確に測定することができる。
セラミックハニカム乾燥体50のコンツァーを測定する際には、第一可動受け台にて支持される部分P1のコンツァーC1、第二可動受け台にて支持される部分P2のコンツァーC2、第三可動受け台にて支持される部分P3のコンツァーC3、及び第四可動受け台にて支持される部分P4のコンツァーC4を測定する。但し、図4に示すように、第一可動受け台及び第二可動受け台にて支持される部分を含む周方向全周(即ち、第一測定部分Q1)に渡って、コンツァーを測定してもよい。同様に、第三可動受け台及び第四可動受け台にて支持される部分を含む周方向全周(即ち、第二測定部分Q2)に渡って、コンツァーを測定してもよい。例えば、第一測定部分Q1については、コンツァー測定開始点P01から、コンツァー測定開始点P01を含む周方向全周に渡って、この周方向に測定位置をずらしながら、第一測定部分Q1の複数の測定点においてコンツァーを測定する。同様に、第二測定部分Q2については、コンツァー測定開始点P02から、コンツァー測定開始点P02を含む周方向全周に渡って、この周方向に測定位置をずらしながら、第二測定部分Q2の複数の測定点においてコンツァーを測定する。
コンツァーの測定時における、セラミックハニカム乾燥体の温度については、特に制限はないが、セラミックハニカム乾燥体の温度が、20〜150℃であることが好ましい。セラミックハニカム乾燥体の温度は、可能であれば、室温であることがより好ましい。セラミックハニカム成形体を乾燥した後のセラミックハニカム乾燥体は、50〜150℃程度となっており、このセラミックハニカム乾燥体を一旦室温まで冷却した後にコンツァーを測定することも可能である。但し、室温まで冷却すると、熱効率、及び作業効率が悪くなる。逆に、セラミックハニカム成形体を乾燥した後のセラミックハニカム乾燥体を、速やかにコンツァーの測定に供することができれば、作業効率をより向上させることができる。コンツァーの測定においては、測定結果に対して温度補正を行うことが好ましい。温度補正を行う際には、セラミックハニカム成形体の「基準の外径寸法」を、セラミック材料、成形助剤の熱膨張係数を予め測定して、「温度に対応した基準の外径寸法」に補正する。
コンツァーの測定は、図4に示すように、測定対象物を水平に載置可能な測定台65上に、セラミックハニカム乾燥体50を載置して行われることが好ましい。このような測定台65を用いると、第一可動受け台、第二可動受け台、第三可動受け台、及び第四可動受け台にて支持される部分のコンツァーC1,C2,C3,C4を簡便に測定することができる。例えば、レーザー変位計67が固定式の場合は、レーザー変位計67を2個配置して、上述した第一測定部分Q1及び第二測定部分Q2のコンツァーの測定を同時に行うことが好ましい。セラミックハニカム乾燥体50を載置した測定台65を水平面内で1回転させることにより、第一測定部分Q1及び第二測定部分Q2のコンツァーを連続的に測定することができる。レーザー変位計67は、可動式のものであってもよい。また、測定台65と、セラミックハニカム乾燥体50の一方の端面61との間には、スペーサー66を配置することが好ましい。セラミックハニカム乾燥体50は、成形時の切断、乾燥工程により、一方の端面61の平面性が悪化しており、測定台65が回転する際、ハニカム乾燥体50が遠心力で移動する可能性がある。コンツァーの測定精度を確保するため、スペーサー66を3箇所配置することが好ましい。
測定台65上に載置されたセラミックハニカム乾燥体50の一方の端面61から他方の端面62に向かう方向Lは、鉛直方向から多少傾いていたとしても、コンツァーの値への影響が極めて少ない。従って、測定台65に載置されたセラミックハニカム乾燥体50の底面が、測定台65の表面に対して傾いていたとしても、上記底面の傾きによる影響が極めて小さい。即ち、測定台65にセラミックハニカム乾燥体50を載置する際には、セラミックハニカム乾燥体50の端面が、水平面に対して多少傾いていてもよい。但し、測定台65が回転中に、セラミックハニカム乾燥体50が移動しないことが前提である。セラミックハニカム乾燥体50を測定台65に載置した際の、水平面に対するセラミックハニカム乾燥体50の底面の傾きの高低差が4mm以下であることが好ましい。ここで、上記「底面の傾きの高低差」とは、ハニカム乾燥体50の底面と測定台65表面との距離の差が最も大きくなる距離である。ハニカム乾燥体50は、「一方の端面61から他方の端面62に向かう方向L」が鉛直方向を向くように測定台65の上に配置されているものとする。
次に、図2A〜図2C、図3A及び図3Bに示すように、コンツァーC1に対応する距離だけ、第一受け部69aの第一可動受け台68aを可動させる。また、コンツァーC2に対応する距離だけ、第一受け部69aの第二可動受け台68bを可動させる。また、コンツァーC3に対応する距離だけ、第二受け部69bの第三可動受け台68cを可動させる。更に、コンツァーC4に対応する距離だけ、第二受け部69bの第四可動受け台68dを可動させる。そして、セラミックハニカム乾燥体50を、搬送チャックによってチャックして、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dまで搬送する。このようにして、コンツァーC1の測定箇所が、第一可動受け台68aに支持され、コンツァーC2の測定箇所が、第二可動受け台68bに支持され、コンツァーC3の測定箇所が、第三可動受け台68cに支持され、コンツァーC4の測定箇所が、第四可動受け台68dに支持される。
ここで、コンツァーの測定結果が図5に示す場合を例に更に具体的に説明する。図5においては、横軸がコンツァー測定角度(°)を示し、縦軸がコンツァー(mm)を示す。横軸のコンツァー測定角度(°)は、コンツァー測定開始点(P01、P02)を0°とし、セラミックハニカム乾燥体の外壁表面を一周測定した場合を360°とした際の、各コンツァーの測定点における角度のことである。図5に示す例では、コンツァー測定角度が45°の部位が、第一可動受け台68a及び第三可動受け台68cによって支持され、コンツァー測定角度が135°の部位が、第二可動受け台68b及び第四可動受け台68dによって支持される。即ち、逆ハの字状に傾斜した第一可動受け台68aと第二可動受け台68bの角度、及び逆ハの字状に傾斜した第三可動受け台68cと第四可動受け台68dの角度が、上記例では90°(=135°−45°)である。図5において、コンツァーC1は、1.4mmであり、コンツァーC2は、−0.2mmであり、コンツァーC3は、−0.8mmであり、コンツァーC4は、0.8mmである。
ここで、図8に示す模式図にて、コンツァーC1に対応する距離だけ、第一受け部69aの第一可動受け台68aを可動させ、且つ、コンツァーC2に対応する距離だけ、第一受け部69aの第二可動受け台68bを可動させる場合の例について説明する。図8は、第一受け部69aの第一可動受け台68a及び第二可動受け台68bを鉛直方向に可動させる方法を説明するための模式図である。また、以下の例では、コンツァーC1は正の値であり、コンツァーC2は負の値である。まず、第一可動受け台68aを鉛直方向に可動させる際には、コンツァーC1の鉛直方向成分の距離だけ、第一可動受け台68aを下降させる(図8における「鉛直方向の距離補正」)。図8に示す例では、鉛直方向の距離補正における第一可動受け台68aの可動距離は、「−コンツァーC1×(1/√2)」となる。また、第一可動受け台68aとセラミックハニカム乾燥体50との接点のずれを補正(以下、「ずれ補正」という)するように、第一可動受け台68aを下降させる(図8における「第一可動受け台とセラミックハニカム乾燥体との接点のずれ補正」)。図8に示す例では、ずれ補正の可動距離は、「−コンツァーC1×(1/√2)」となる。従って、第一可動受け台68aの総可動距離は、「−コンツァーC1×(1/√2)×2」となる。この場合には、図8における第一可動受け台68aの受け位置は、基準距離から「−コンツァーC1×(1/√2)×2」移動した位置となる。上記基準距離は、例えば、図8に示した受台基準面から、ボールネジ71aの高さである。また、図示は省略するが、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dのボールネジの高さは、同じである。従って、このように、受台68aを基準距離から総可動距離分可動させることにより、コンツァーC1に対応した距離補正が可能となる。
また、図8に示すように、第二可動受け台68bを鉛直方向に可動させる際には、まず、コンツァーC2の鉛直方向成分の距離だけ、第二可動受け台68bを上昇させる(図8における「鉛直方向の距離補正」)。図8に示す例では、鉛直方向の距離補正における第二可動受け台68bの可動距離は、「+コンツァーC2×(1/√2)」となる。また、第二可動受け台68bとセラミックハニカム乾燥体50との接点のずれを補正するように、第二可動受け台68bを上昇させる(図8における「第二可動受け台とセラミックハニカム乾燥体との接点のずれ補正」)。図8に示す例では、ずれ補正の可動距離は、「+コンツァーC2×(1/√2)」となる。従って、第二可動受け台68bの総可動距離は、「+コンツァーC1×(1/√2)×2」となる。第二可動受け台68bの受け位置は、基準距離から「コンツァーC2×(1/√2)×2」移動した位置となる。また、図示は省略するが、第三可動受け台、及び第四可動受け台についても、コンツァーC3,C4を補完する(打ち消す)ように可動させる。また、上述した例では、鉛直方向の可動により、コンツァーC1,C2,C3,C4を補完する場合の例について説明したが、例えば、図示は省略するが、第一可動受け台、第二可動受け台、第三可動受け台、及び第四可動受け台の可動により、コンツァーC1,C2,C3,C4の差分を補完することが可能な方法であれば、各可動受け台を鉛直方向以外の方向に可動させてもよい。
図2A〜図2Cに示すように、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dは、例えば、ボールネジ71a,71b,71c,71dを、モーター72a,72b,72c,72dによって上下動させることにより可動させることができる。第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dの可動方法については、上述したボールネジ71a,71b,71c,71d、及びモーター72a,72b,72c,72dに限定されることはない。
次に、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63を第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dにて支持した状態で、図2Dに示すようにして仕上げ加工を行う。仕上げ加工を行うための切断具75a,75bは、水平面に対して垂直になるように配置されている。仕上げ加工は、セラミックハニカム乾燥体50の一方の端面61側の余剰部分50aと他方の端面62側の余剰部分50bとを、切断具75a,75bによって切断することによって行うことができる。切断具75a,75bとしては、砥石等を挙げることができる。
以上のようにして、直角度が優れた仕上げセラミックハニカム乾燥体を得ることができる。本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法においては、セラミックハニカム乾燥体の外径寸法の大小に関わらず、得られる仕上げセラミックハニカム乾燥体の直角度を向上させることができる。このため、本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法は、セラミックハニカム乾燥体の外径寸法が、100mm以上である場合に好適であり、セラミックハニカム乾燥体の外径寸法が、150mm以上である場合に更に好適である。セラミックハニカム乾燥体の外径寸法が、100mm以上のセラミックハニカム乾燥体は、外壁表面のコンツァーが大きく、従来の製造方法における仕上げ加工では、直角度が著しく低下してしまう。また、本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法は、セラミックハニカム乾燥体の外径寸法公差の片側寸法差が、直角度よりも大である場合に、より好適である。即ち、直角度に対する許容範囲がより厳しいものであっても、本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法によれば、良好な直角度を実現することができる。外径寸法公差は、外径寸法の製品規格のことであり、各製造段階において許容される誤差の最大寸法と最小寸法との差のことである。
本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法においては、これまでに説明したコンツァーの測定結果を元に、セラミックハニカム乾燥体の形状測定を併せて行うこともできる。即ち、コンツァーの測定時において、セラミックハニカム乾燥体の外壁表面の周方向全周に渡ってコンツァーを測定し、その測定結果から、そのセラミックハニカム乾燥体の外周形状が、規定された条件を満たすものか否かについての判定を行うことができる。例えば、周方向全周に渡って測定されたコンツァーの最大値及び最小値が、規定された数値範囲内である場合、「規定された条件を満たす」とする。そして、周方向全周に渡って測定されたコンツァーの最大値及び最小値が、規定された数値範囲外である場合、「規定された条件を満たさない」とする。規定された条件を満たさないセラミックハニカム乾燥体については、仕上げ加工を行わないようにしてもよい。例えば、コンツァーの最大値と最小値の差があまりにも大きくなるようなセラミックハニカム乾燥体については、仮に直角度がより良くなるような仕上げ加工が行われたとしても、直角度の許容範囲を満たさないことがある。
上述したセラミックハニカム乾燥体の形状測定を行うことにより、直角度の優れた端面の仕上げ加工を行うとともに、外周形状が、規定された条件を満たさないセラミックハニカム乾燥体を、仕上げ加工前に取り除くことができる。外周形状が、規定された条件を満たさないセラミックハニカム乾燥体は、最終の検査によって不良と判断されるため、そのようなセラミックハニカム乾燥体を仕上げ加工前に取り除くことで、不要な仕上げ工程、焼成工程及び検査工程を省略することができる。上述した形状測定においては、例えば、以下の方法で、コンツァーを測定してもよい。まず、一方の端面から他方の端面に向かう方向Lの3つの位置にコンツァー測定開始点を設け、3つのコンツァー測定開始点から、各コンツァー測定開始点を含むそれぞれの周方向全周に渡ってコンツァーを測定する。そして、この3つの周方向全周に渡って測定されたコンツァーの測定結果から、セラミックハニカム乾燥体の外周形状が、規定された条件を満たすものか否かについての判定を行う。このように構成することによって、より正確な形状測定を行うことができる。
(1−3)焼成工程:
本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法においては、このようにして得られた仕上げセラミックハニカム乾燥体を焼成して、セラミックハニカム構造体を得る。これにより、仕上げセラミックハニカム乾燥体の端面の良好な直角度が反映された、セラミックハニカム構造体を得ることができる。
焼成を行うときは、まず、成形助剤等を除去するため、脱脂を行い、更に、引き続き温度を上げて、本焼成してセラミックハニカム構造体を形成する。脱脂及び本焼成の条件については特に制限はない。セラミックハニカム乾燥体の成形原料に適した条件にて、脱脂及び本焼成を行うことが好ましい。例えば、脱脂は、成形原料中の成形助剤等である有機物の種類及びその添加量に応じて行われることが好ましい。上記有機物としては、有機バインダ、分散剤、造孔材等を挙げることができる。焼成条件(温度・時間)は、成形原料の種類により異なるため、その種類に応じて適切な条件を選択すればよい。例えば、焼成温度は一般的には、約1400〜1600℃前後程度であるが、これに限定されるものではない。脱脂と本焼成とは、別工程としてもよい。脱脂及び本焼成は、電気炉、ガス炉等を用いて行うことができる。
(2)セラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置:
次に、本発明のセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置の一の実施形態について説明する。本実施形態のセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置は、これまでに説明した本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法に用いられる仕上げ加工装置である。以下、本実施形態のセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置を、単に「仕上げ加工装置」ということがある。
本実施形態の仕上げ加工装置は、円筒状のセラミックハニカム乾燥体の一方の端面から他方の端面に向かう方向の長さを、仕上げ寸法となるように仕上げ加工するための仕上げ加工装置である。セラミックハニカム乾燥体は、一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルが隔壁によって区画形成されたものである。
図2A〜図2Dに示すように、本実施形態の仕上げ加工装置300は、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面の一方の端面61から他方の端面62に向かう方向に離間した2箇所をそれぞれ2点で支持する、第一受け部69a、及び第二受け部69bを備えたものである。即ち、第一受け部69aは、第一可動受け台68aと第二可動受け台68bを有し、セラミックハニカム乾燥体50を載置した際に、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面を2点で支持する。また、第二受け部69bは、第三可動受け台68cと第四可動受け台68dを有し、セラミックハニカム乾燥体50を載置した際に、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面を2点で支持する。
仕上げ加工装置300は、第一受け部69a及び第二受け部69b上に支持されたセラミックハニカム乾燥体50の一方の端面61側の端部及び他方の端面62側の端部における、仕上げ寸法mからの各余剰部分50a,50bをそれぞれ切断除去する加工装置である。各余剰部分50a,50bを切断する切断具75a,75bとしては、砥石等を挙げることができる。
本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法にて説明したように、本実施形態の仕上げ加工装置300は、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dが、それぞれ独立に可動するように構成されている。可動機構については特に制限はないが、ボールネジ71a,71b,71c,71dを、モーター72a,72b,72c,72dによって上下動させる可動機構を挙げることができる。
また、第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dの可動は、本実施形態のセラミックハニカム構造体の製造方法にて説明した方法に基づき行われることが好ましい。即ち、図4に示すような方法にて、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面における、コンツァーC1、コンツァーC2、コンツァーC3、及びコンツァーC4を測定する。なお、コンツァーC1は、第一可動受け台68a(図2A〜図2C参照)にて支持される部分P1のコンツァーである。コンツァーC2は、第二可動受け台68b(図2A〜図2C参照)にて支持される部分P2のコンツァーである。コンツァーC3は、第三可動受け台68c(図2A〜図2C参照)にて支持される部分P3のコンツァーである。コンツァーC4は、第四可動受け台68d(図2A〜図2C参照)にて支持される部分P4のコンツァーである。次に、図2A〜図2Dに示すように、コンツァーC1に対応する距離だけ、第一受け部69aの第一可動受け台68aを可動させる。また、コンツァーC2に対応する距離だけ、第一受け部69aの第二可動受け台68bを可動させる。また、コンツァーC3に対応する距離だけ、第二受け部69bの第三可動受け台68cを可動させる。更に、コンツァーC4に対応する距離だけ、第二受け部69bの第四可動受け台68dを可動させる。これにより、仕上げ加工時において、コンツァーのばらつきが打ち消され、より直角度の仕上げ加工が可能となる。
本実施形態の仕上げ加工装置300によって仕上げ加工された仕上げセラミックハニカム乾燥体を、焼成工程によって焼成することにより、端面の直角度が優れたセラミックハニカム構造体を製造することができる。本実施形態の仕上げ加工装置300によれば、セラミックハニカム乾燥体の周方向の長さの長短に関わらず、得られる仕上げセラミックハニカム乾燥体の端面の直角度を向上させることができる。このため、本実施形態の仕上げ加工装置300は、外径寸法が100mm以上であるセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置として好適であり、外径寸法が150mm以上であるセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置として更に好適である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、仕上げ工程を行うためのセラミックハニカム乾燥体を作製した。セラミックハニカム乾燥体を作製するため、セラミック原料としてコージェライト化原料を用いた。コージェライト化原料に、成形助剤を所定量添加するとともに、水を添加して、混合粉末を調製した。
次に、得られた混合粉末を、セラミックハニカム成形体を成形するための金型を用いて押出成形した。押出成形は、連続成形によって行い、一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルが区画形成された円筒状のセラミックハニカム成形体を作製した。次に、セラミックハニカム成形体を、一方の端面から他方の端面に向かう方向の長さが、仕上げ寸法よりも長くなるように切断した。
次に、セラミックハニカム成形体を乾燥して、セラミックハニカム乾燥体を作製した。乾燥は、誘電乾燥と熱風乾燥とを組み合わせて行った。セラミックハニカム乾燥体の一方の端面から他方の端面までの長さは、240mmであった。なお、セラミックハニカム乾燥体の仕上げ寸法は、200mmとした。セラミックハニカム乾燥体は略円錐台の形状であって、一方の端面における直径が301.2mmであり、他方の端面における直径が298.8mmであった。
実施例1においては、図2A〜図2Dに示すような、仕上げ加工装置300を用いて仕上げ加工を行った。仕上げ加工装置300は、セラミックハニカム乾燥体50を載置した際に、セラミックハニカム乾燥体50の外壁63表面の一方の端面61から他方の端面62に向かう方向に離間した2箇所をそれぞれ2点で支持する、第一受け部69a及び第二受け部69bを備えたものである。第一受け部69aは、逆ハの字状に傾斜した状態で設けられた第一可動受け台68aと第二可動受け台68bを有する。第二受け部69bは、逆ハの字状に傾斜した状態で設けられた第三可動受け台68cと第四可動受け台68dを有する。第一可動受け台68a、第二可動受け台68b、第三可動受け台68c、及び第四可動受け台68dは、それぞれ独立に可動可能に構成されている。
次に、セラミックハニカム乾燥体の外壁表面における、コンツァーC1、コンツァーC2、コンツァーC3、及びコンツァーC4を測定した。コンツァーC1は、第一可動受け台にて支持される部分のコンツァーであり、コンツァーC2は、第二可動受け台にて支持される部分のコンツァーであり、コンツァーC3は、第三可動受け台にて支持される部分のコンツァーであり、コンツァーC4は、第四可動受け台にて支持される部分のコンツァーである。コンツァーの測定は、図4に示すように、セラミックハニカム乾燥体50を、水平面内で回転可能な測定台65上に載置して、レーザー変位計67によって行った。レーザー変位計67は、反射式の非接触レーザー変位計を用いた。
次に、コンツァーC1に対応する距離だけ、第一受け部の第一可動受け台を可動させ、コンツァーC2に対応する距離だけ、第一受け部の第二可動受け台を可動させた。また、コンツァーC3に対応する距離だけ、第二受け部の第三可動受け台を可動させ、コンツァーC4に対応する距離だけ、第二受け部の第四可動受け台を可動させた。その後、セラミックハニカム乾燥体を、搬送チャックによってチャックして、第一可動受け台、第二可動受け台、第三可動受け台、及び第四可動受け台まで搬送した。
次に、図2Dに示すように、仕上げ加工装置300に載置されたセラミックハニカム乾燥体50の端面を、切断具75a,75bによって仕上げ加工して、仕上げセラミックハニカム乾燥体70を得た。切断具75a,75bとしては、円盤状の砥石を用いた。仕上げ加工は、セラミックハニカム乾燥体50の一方の端面61から他方の端面62までの長さを、仕上げ寸法となるように加工するものである。
得られた仕上げセラミックハニカム乾燥体を脱脂し、更に焼成して、セラミックハニカム構造体を製造した。脱脂及び焼成は、酸化雰囲気で行った。焼成時における最高温度は、1430℃とした。実施例1のセラミックハニカム構造体は、セル密度が62セル/cmであり、隔壁の厚さが150μmである。また、直角度の許容範囲が1.6mmである。このような方法により、10個のセラミックハニカム構造体を製造した。表1に、セル密度、隔壁の厚さを示す。
Figure 2014111315
得られたセラミックハニカム構造体の直角度(mm)を求めた。そして、製造された10個のセラミックハニカム構造体における直角度の平均値(相加平均)を求めた。表1に、製造された10個のセラミックハニカム構造体における直角度の平均値を示す。表1においては、製造された10個のセラミックハニカム構造体における直角度の平均値を、「仕上げ加工後の平均直角度(mm)」と記す。
(比較例1)
焼成後のセル密度、及び焼成後の隔壁の厚さが表1に示す値となるようなセラミックハニカム乾燥体を作製し、仕上げ加工を以下の方法により行ったこと以外は、実施例1と同様の方法でセラミックハニカム構造体を製造した。比較例1においては、セラミックハニカム乾燥体のコンツァーの測定を行うことなく、鉛直方向に可動しない受け台に載置して仕上げ加工を行った。このような方法により、10個のセラミックハニカム構造体を製造した。表1に、セル密度、隔壁の厚さを示す。また、実施例1と同様の方法で、得られたセラミックハニカム構造体の直角度(mm)を求めた。仕上げ加工後の平均直角度(mm)を表1に示す。
(結果)
実施例1の製造方法によれば、比較例1の製造方法に比して、直角度の優れたセラミックハニカム構造体を製造することができた。比較例1においては、略円錐台の形状のセラミックハニカム乾燥体を、そのまま仕上げ加工用の受け台上に支持して仕上げ加工を行ったため、仕上げ加工によって、得られるセラミックハニカム構造体の端面の直角度が悪化してしまった。即ち、得られるセラミックハニカム構造体の中心軸に対して、セラミックハニカム構造体の各端面が垂直な面とならず、仕上げ加工によって、逆に直角度を悪化させる結果となった。
本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法は、端面の直角度が優れたセラミックハニカム構造体を製造する方法に利用することができる。本発明のセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置は、上述した本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法の仕上げ工程に用いることができる。
50:セラミックハニカム乾燥体、50a,50b:余剰部分、51:隔壁、52:セル、61:一方の端面、62:他方の端面、63:外壁、65:測定台、66:スペーサー、67:レーザー変位計、68a:第一可動受け台、68b:第二可動受け台、68c:第三可動受け台、68d:第四可動受け台、69a:第一受け部、69b:第二受け部、70:仕上げセラミックハニカム乾燥体、71a,71b,71c,71d:ボールネジ、72a,72b,72c,72d:モーター、75a,75b:切断具、76:固定冶具、76a:固定部、76b:上下可動部、80:回転方向、100,200:セラミックハニカム構造体、111:一方の端面、111a:点(一方の端面の周縁の一の点)、112:他方の端面、112a:端点(他方の端面の周縁の端点)、115:仮想線、116:仮想面、118:交点、300:仕上げ加工装置、A:仕上げ工程、B:焼成工程、C1、C2、C3、C4:コンツァー、L:一方の端面から他方の端面に向かう方向、m:仕上げ寸法、P01,P02:コンツァー測定開始点、P1:第一可動受け台にて支持される部分、P2:第二可動受け台にて支持される部分、P3:第三可動受け台にて支持される部分、P4:第四可動受け台にて支持される部分、R:周方向、Q1:第一測定部分、Q2:第二測定部分、U:可動方向(鉛直方向)、Y1:長さ(直角度)。

Claims (11)

  1. 一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルが隔壁によって区画形成された円筒状のセラミックハニカム乾燥体の前記一方の端面から前記他方の端面に向かう方向の長さを、仕上げ寸法となるように仕上げ加工して、仕上げセラミックハニカム乾燥体を得る仕上げ工程を備え、
    前記仕上げ工程が、前記セラミックハニカム乾燥体の外壁表面を、第一可動受け台と第二可動受け台を有する第一受け部、及び、第三可動受け台と第四可動受け台を有する第二受け部にて支持し、前記第一受け部及び前記第二受け部上に支持された前記セラミックハニカム乾燥体の前記一方の端面側の端部及び前記他方の端面側の端部における仕上げ寸法からの各余剰部分をそれぞれ切断除去するものであり、
    前記第一受け部の前記第一可動受け台と前記第二可動受け台、及び前記第二受け部の前記第三可動受け台と前記第四可動受け台は、それぞれ相互に独立して可動可能に構成されたものであり、
    前記セラミックハニカム乾燥体を前記第一受け部及び前記第二受け部上に支持する前に、前記セラミックハニカム乾燥体の外壁表面における、前記第一受け部の前記第一可動受け台にて支持される部分の、コンツァーC1、前記第一受け部の前記第二可動受け台にて支持される部分の、コンツァーC2、前記第二受け部の前記第三可動受け台にて支持される部分の、コンツァーC3、及び前記第二受け部の前記第四可動受け台にて支持される部分の、コンツァーC4を測定し、前記コンツァーC1、前記コンツァーC2、前記コンツァーC3、前記コンツァーC4に対応する距離だけ、前記第一受け部の前記第一可動受け台、前記第一受け部の前記第二可動受け台、前記第二受け部の前記第三可動受け台、前記第二受け部の前記第四可動受け台をそれぞれ独立に可動させるセラミックハニカム構造体の製造方法。
  2. 前記第一受け部の前記第一可動受け台と前記第二可動受け台とが、逆ハの字状に構成されたものであり、且つ、前記第二受け部の前記第三可動受け台と前記第四可動受け台とが、逆ハの字状に構成されたものである請求項1に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  3. 前記セラミックハニカム乾燥体を、前記一方の端面が底面となるように測定台に載置して前記コンツァーC1,C2,C3,C4を測定する請求項1又は2に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  4. 前記セラミックハニカム乾燥体と前記測定台との間の少なくとも3箇所に、スペーサーを配置する請求項3に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  5. 前記セラミックハニカム乾燥体を前記測定台に載置した際の、水平面に対する前記セラミックハニカム乾燥体の底面の傾きの高低差が4mm以下である請求項3又は4に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  6. 前記コンツァーC1,C2,C3,C4を、反射式の非接触レーザー変位計によって測定する請求項1〜5のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  7. 前記コンツァーC1,C2,C3,C4を測定する際の前記セラミックハニカム乾燥体の温度が、20〜150℃である請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  8. 前記セラミックハニカム乾燥体が、外周に凹凸を有する請求項1〜7のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  9. 前記セラミックハニカム乾燥体の外径寸法が、100mm以上である請求項1〜8のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  10. 前記セラミックハニカム乾燥体が、焼成してコージェライトとなる成形原料からなる請求項1〜9のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  11. 一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルが隔壁によって区画形成された円筒状のセラミックハニカム乾燥体の前記一方の端面から前記他方の端面に向かう方向の長さを、仕上げ寸法となるように仕上げ加工するためのセラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置であって、
    前記セラミックハニカム乾燥体を載置した際に、前記セラミックハニカム乾燥の外壁表面の前記一方の端面から前記他方の端面に向かう方向に離間した2箇所をそれぞれ2点で支持する、第一可動受け台と第二可動受け台を有する第一受け部、及び、第三可動受け台と第四可動受け台を有する第二受け部、を備え、
    前記第一受け部及び前記第二受け部上に支持された前記セラミックハニカム乾燥体の前記一方の端面側の端部及び前記他方の端面側の端部における、前記仕上げ寸法からの各余剰部分をそれぞれ切断除去する加工装置であり、前記第一可動受け台、前記第二可動受け台、前記第三可動受け台、及び前記第四可動受け台が、それぞれ独立に可動する、セラミックハニカム乾燥体の仕上げ加工装置。
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