JP2014110216A - 電気絶縁材料及び集塵装置 - Google Patents

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【課題】集塵装置の性能を安定化させる。
【解決手段】空気通路(21)に配置される一対の電極(15,16)を備え、一対の電極(15,16)の間に空気中の帯電した塵埃を捕集するための電界を形成する集塵装置であって、一対の電極(15,16)のうち、陽極側の電極(15)は、導電部材(13)と、導電部材(13)を被覆するように設けられた絶縁フィルム(11,12)とを備え、絶縁フィルム(11,12)は、吸収電流が生じないようにポリ塩化ビニル樹脂に導電性を有する樹脂が配合された電気絶縁材料により構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気絶縁材料及び集塵装置に関し、特に、電気式の集塵装置を構成する集塵電極に用いる電気絶縁材料、及びその電気絶縁材料を用いた集塵電極を備えた集塵装置に関するものである。
電気式の集塵装置は、例えば、互いに対向するように設けられた集塵電極及び対向電極を備え、それらの集塵電極及び対向電極の間に電圧を印加することにより、予め帯電させた塵埃を捕集するように構成されている。
例えば、特許文献1には、導電材が接着剤を介して絶縁樹脂フィルムにより被覆された(空気清浄機用集塵電極に用いる)電気絶縁材において、絶縁樹脂フィルムが、ポリ塩化ビニル樹脂に少なくともエチレン酢酸ビニル共重合体及び/又は酢酸ビニルが配合されたポリ塩化ビニル系樹脂材料からなり、絶縁樹脂フィルムの体積抵抗値(体積抵抗率)が3.0×1011〜9.0×1015Ω・cmの範囲にある電気絶縁材が開示されている。
特許第3346926号公報
ところで、上記特許文献1に開示された電気絶縁材及びそれを用いた空気清浄機用集塵電極では、絶縁樹脂フィルムに起因して発生する吸収電流について考慮されていないので、改善の余地がある。
具体的には、対向電極と絶縁樹脂フィルムにより被覆された集塵電極との間に電圧を印加した場合、絶縁樹脂フィルムに瞬間的に充電電流が流れた後に、絶縁樹脂フィルムの内部に存在する電気双極子モーメントが乱雑な状態から電界の方向に配列することにより生じる吸収電流がしばらくの間、漸減しながら流れることになる。そうなると、絶縁樹脂フィルムの絶縁抵抗が経時的に高くなっていくので、集塵電極の表面電位が保持され難くなり、集塵装置の性能が不安定になってしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、集塵装置の性能を安定化させることにある。
第1の発明は、電気絶縁材料において、吸収電流が生じないようにポリ塩化ビニル樹脂に導電性を有する樹脂が配合されていることを特徴とするものである。
上記第1の発明では、ポリ塩化ビニル樹脂に導電性を有する樹脂を配合することにより、吸収電流が生じないように電気絶縁材料が構成されているので、電気絶縁性を有するポリ塩化ビニル樹脂の中に、導電性を有する樹脂が電気回路網を形成するように分散されることになる。そのため、例えば、空気通路(21)に配置される一対の電極(15,16)を備え、一対の電極(15,16)間に空気中の帯電した塵埃を捕集するように構成された集塵装置において、陽極側の電極(15)が、導電部材(13)と、その導電部材(13)を被覆するように設けられた絶縁フィルム(11,12)とを備え、絶縁フィルム(11,12)に上記構成の電気絶縁材料を用い、一対の電極(15,16)の間に電圧を印加した場合には、絶縁フィルム(11,12)にトンネル効果でなく上記形成された電気回路網により電流が流れるので、電圧印加1分後の電極(15)の体積抵抗率と電圧印加30分後の電極(15)の体積抵抗率とがほぼ等しくなり、電極(15)の体積抵抗率の経時的な増加を抑制することができる。これにより、電極(15)の表面電位を経時的に保持することができるので、集塵装置の性能を安定化させることができる。
また、上記第1の発明では、吸収電流が生じないように電気絶縁材料が構成されているので、例えば、空気通路(21)に配置される一対の電極(15,16)を備えた上述した集塵装置において、一対の電極(15,16)の間への電圧の印加を止めて、運転を停止した場合には、陽極側の電極(15)に電荷が溜まり難くなる。これにより、一対の電極(15,16)に起因する感電を抑制することができるので、一対の電極(15,16)の間を短絡して電荷を中和する内部アーススイッチなどを省略することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、助剤以外の樹脂成分は、上記ポリ塩化ビニル樹脂と上記導電性を有する樹脂との2成分からなり、上記導電性を有する樹脂は、上記樹脂成分の総量に対して40質量%よりも多く配合されていることを特徴とするものである。
上記第2の発明では、例えば、滑剤などの助剤以外の樹脂成分が、ポリ塩化ビニル樹脂と導電性を有する樹脂との2成分からなり、導電性を有する樹脂が、助剤以外の樹脂成分の総量に対して40質量%よりも多く配合されているので、電気絶縁性を有するポリ塩化ビニル樹脂の中に、導電性を有する樹脂が高密度に分散され、ポリ塩化ビニル樹脂の中に電気回路網を確実に形成することができる。
また、上記第2の発明では、例えば、滑剤などの助剤以外の樹脂成分が、ポリ塩化ビニル樹脂と導電性を有する樹脂との2成分からなり、上記特許文献1に開示された電気絶縁材のように、ポリメチルメタアクリレートが配合されていないので、電気絶縁材料及びそれを用いた絶縁フィルムにおいて、アクリル臭が発生しないことになり、例えば、空気清浄機などの集塵装置に好適に用いることができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記導電性を有する樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合体を主鎖とし、ポリ塩化ビニルの側鎖とするグラフト共重合体であることを特徴とするものである。
上記第3の発明では、導電性を有する樹脂がエチレン酢酸ビニル共重合体を主鎖とし、ポリ塩化ビニルの側鎖とするグラフト共重合体であるので、電気絶縁性を有するポリ塩化ビニル樹脂の中に、導電性を有するエチレン酢酸ビニル共重合体を容易に混ぜ合わせることができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記グラフト共重合体は、上記エチレン酢酸ビニル共重合体の含有率が40質量%であり、該エチレン酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルの含有率が28質量%であることを特徴とするものである。
上記第4の発明では、グラフト共重合体におけるエチレン酢酸ビニル共重合体の含有率が40質量%であり、そのエチレン酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルの含有率が28質量%であるので、グラフト共重合体として、例えば、積水化学工業株式会社製のPVC−TG−40を好適に用いることができる。
第5の発明は、空気通路(21)に配置される一対の電極(15,16)を備え、該一対の電極(15,16)の間に空気中の帯電した塵埃を捕集するための電界を形成する集塵装置であって、上記一対の電極(15,16)のうち、陽極側の電極(15)は、導電部材(13)と、該導電部材(13)を被覆するように設けられた絶縁フィルム(11,12)とを備え、上記絶縁フィルム(11,12)は、吸収電流が生じないようにポリ塩化ビニル樹脂に導電性を有する樹脂が配合された電気絶縁材料により構成されていることを特徴とするものである。
上記第5の発明では、空気通路(21)に配置される一対の電極(15,16)のうち、陽極側の電極(15)が、導電部材(13)と、その導電部材(13)を被覆するように設けられた絶縁フィルム(11,12)とを備え、絶縁フィルム(11,12)を構成する電気絶縁材料では、ポリ塩化ビニル樹脂に導電性を有する樹脂を配合することにより、吸収電流が生じないようになっているので、電気絶縁性を有するポリ塩化ビニル樹脂の中に、導電性を有する樹脂が電気回路網を形成するように分散されることになる。そのため、例えば、一対の電極(15,16)の間に電圧を印加した場合には、上記構成の電気絶縁材料を用いた絶縁フィルム(11,12)にトンネル効果でなく上記形成された電気回路網により電流が流れるので、電圧印加1分後の電極(15)の体積抵抗率と電圧印加30分後の電極(15)の体積抵抗率とがほぼ等しくなり、電極(15)の体積抵抗率の経時的な増加を抑制することができる。これにより、電極(15)の表面電位を経時的に保持することができるので、集塵装置の性能を安定化させることができる。
また、上記第5の発明では、絶縁フィルム(11,12)を構成する電気絶縁材料において、ポリ塩化ビニル樹脂に導電性を有する樹脂を配合することにより、吸収電流が生じないようになっているので、例えば、一対の電極(15,16)の間への電圧の印加を止めて、運転を停止した場合には、電極(15)に電荷が溜まり難くなる。これにより、一対の電極(15,16)に起因する感電を抑制することができるので、一対の電極(15,16)の間を短絡して電荷を中和する内部アーススイッチなどを省略することができる。
本発明によれば、ポリ塩化ビニル樹脂に導電性を有する樹脂を配合することにより、吸収電流が生じないように電気絶縁材料が構成されているので、集塵装置の性能を安定化させることができる。
本発明の実施形態に係る集塵装置の内部構成を概略的に示す側面図である。 本発明の実施形態に係る集塵装置の集塵部を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る集塵装置の集塵部における集塵電極を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る集塵装置の集塵部における集塵電極を示す側面図である。 図3中のV−V線に沿った集塵電極を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る集塵装置の集塵部における集塵電極に用いる絶縁フィルムの特性を示す第1のグラフである。 本発明の実施形態に係る集塵装置の集塵部における集塵電極に用いる絶縁フィルムの特性を示す第2のグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1〜図6は、本発明に係る電気絶縁材料及び集塵装置の1つの実施形態を示している。具体的に、図1は、本実施形態の集塵装置(50)の内部構成を概略的に示す側面図である。また、図2は、集塵装置(50)の集塵部(20)を示す側面図である。また、図3は、集塵部(20)における集塵電極(15)を示す平面図である。また、図4は、集塵電極(15)を示す側面図である。また、図5は、図3中のV−V線に沿った集塵電極(15)を示す断面図である。
集塵装置(50)は、図1に示すように、筐体の内部に設けられた空気通路(21)と、空気通路(21)に図中左側の吸込口側から図中右側の吹出口に向けて順に設けられたプレフィルタ(5)、荷電部(10)、集塵部(20)、触媒フィルタ(25)及び送風部(30)とを備えている。
プレフィルタ(5)は、空気通路(21)の吸込口側から吸い込まれた空気中の比較的大きな塵埃を捕集するように構成されている。
荷電部(10)は、プレフィルタ(5)を通過した空気中の比較的小さな塵埃(D)を、例えば、正の電荷に帯電させるように構成されている。また、荷電部(10)は、例えば、空気の流れる方向に沿って互いに平行に延びるように線状に設けられた複数のイオン化線(不図示)と、隣り合う一対のイオン化線の間に配置され、空気の流れる方向に沿って互いに対向するように設けられた複数の対向電極(不図示)とを備え、隣り合うイオン化線及び対向電極の間に直流電圧を印加するように構成されている。
集塵部(20)は、図2に示すように、空気の流れる方向に沿って互いに対向するように設けられた陽極側の複数の集塵電極(15)と、隣り合う一対の集塵電極(15)の間に配置され、空気の流れる方向に沿って互いに対向するように設けられた陰極側の複数の対向電極(16)と、各集塵電極(15)に電気的に接続された高圧電源(17)とを備えている。また、集塵部(20)は、図2に示すように、隣り合う集塵電極(15)及び対向電極(16)の間に直流電圧を印加することにより、荷電部(10)で帯電させた塵埃(D)を捕集するための電界を形成して、各対向電極(16)の表面に塵埃(D)を捕集するように構成されている。ここで、図2に示すように、各集塵電極(15)には、高圧電源(17)により、高電圧(例えば、2.5kV程度)が印加されていると共に、各対向電極(16)には、接地されることにより、0Vが印加されている。
集塵電極(15)は、図3〜図5に示すように、厚さ300μm程度の絶縁フィルム(11)と、絶縁フィルム(11)上に印刷された導電部材(13)と、導電部材(13)を覆うように設けられた接着層(14)と、接着層(14)上に設けられた厚さ300μm程度の絶縁フィルム(12)とを備え、絶縁フィルム(11,12)が導電部材(13)を被覆するように構成されている。ここで、絶縁フィルム(11)及び導電部材(13)の端部には、図3に示すように、取り付け用の貫通孔が形成されている。
絶縁フィルム(11,12)は、吸収電流が生じないようにポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、以下、「PVC」と称する)樹脂に、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(ethylene vinyl acetate copolymer、以下、「EVA」と称する)を主鎖とし、ポリ塩化ビニル(PVC)を側鎖とするグラフト共重合体(EVA−g−PVC)などの導電性を有する樹脂がPVCとの総和に対して40質量%よりも多く(例えば、42質量%で)配合された電気絶縁材料により構成されている。ここで、グラフト共重合体(EVA−g−PVC)におけるエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)の含有率は、例えば、40質量%であり、そのエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)における酢酸ビニル(VA)の含有率は、例えば、28質量%である。そして、グラフト共重合体(EVA−g−PVC)としては、積水化学工業株式会社製のPVC−TG−40を好適に用いることができる。なお、本明細書において、電気絶縁性(を有する)とは、体積抵抗率が1×1012Ω・cm以上のことである。
導電部材(13)は、例えば、金属粉末やカーボン粉末などが配合された導電塗料により構成され、図3及び図5に示すように、その端部が絶縁フィルム(12)から露出するように設けられている。
接着層(14)は、例えば、ポリオレフィン系の接着剤により構成されている。
対向電極(16)は、例えば、ステンレスバネ鋼製の導電性を有する金属薄板により構成されている。
触媒フィルタ(25)は、例えば、マンガン系や貴金属系などの触媒が表面に担持されたハニカム構造の基材(不図示)を備え、集塵部(20)を通過した空気中の有害成分や臭気成分などを分解するように構成されている。
送風部(30)は、触媒フィルタ(25)で有害成分や臭気成分などが分解された空気を空気通路(21)の吹出口側に吹き出すように構成されている。
上記構成の集塵装置(50)は、送風部(30)を駆動させることにより、外部の空気が吸込口側から空気通路(21)に吸い込まれ、まず、プレフィルタ(5)において、空気通路(21)に吸い込まれた空気中に含まれる比較的大きな塵埃が捕集され、続いて、荷電部(10)において、プレフィルタ(5)を通過した空気中に含まれる比較的小さな塵埃(D)を帯電させた後に、集塵部(20)において、その比較的小さな塵埃(D)が捕集され、さらに、触媒フィルタ(25)において、集塵部(20)を通過した空気中に含まれる有害成分や臭気成分などが分解されることにより、空気通路(21)の吹出口側から清浄な空気を外部に吹き出すように構成されている。
次に、絶縁フィルム(11,12)を構成する電気絶縁材料の配合を検討するために、具体的に行った実験について説明する。ここで、図6及び図7は、集塵電極(15)に用いる絶縁フィルムの特性を示すグラフである。
具体的には、下記の表1及び表2に示す配合に基づいて、実験例1〜12及び実験例13〜18の絶縁フィルムをカレンダー法やT−ダイ押出法などにより作製し、その絶縁フィルムの体積抵抗率(1分値/30分値)を測定した。なお、実験例1〜12では、(PVCとの総和に対する)EVA−g−PVCの配合率を大きく変えて、その配合率と体積抵抗率との関係の検討を行い、また、実験例13〜18では、PVCの重合度を少し変えて、EVA−g−PVCの配合率の再検討を行った。
表1及び表2において、PVC(1)は、新第一塩ビ株式会社製のZEST700L(平均重合度:680)であり、PVC(2)は、大洋塩ビ株式会社製のTH700(平均重合度:710)であり、EVA−g−PVCは、積水化学工業株式会社製のPVC−TG−40であり、タルクは、日本ミストロン株式会社製のミストロンベーパーであり、顔料(1)は、石原産業株式会社製のA−220であり、顔料(2)は、大日精化工業株式会社製のPMP1400であり、顔料(3)は、大日精化工業株式会社製のPMP1820であり、安定剤は、日東化成株式会社製のジオクチル錫であり、滑剤(1)は、クラリアントジャパン株式会社製のLICOWAX(登録商標)OPであり、滑剤(2)は、三菱レイヨン株式会社製のメタブレンL−1000であり、滑剤(3)は、花王ケミカル株式会社製のカルコール8098である。
体積抵抗率の測定については、実験例1〜18で作製した各絶縁フィルムに対して、直径100mm及び厚さ2mm程度の円板状の試験片を準備し、JISK6911 に基づいて、株式会社エーディーシー製のデジタル超高抵抗/微少電流計8340A及びレジスティビティ・チェンバ 12704Aを用いて、試験片の表面に密着させた表面電極と試験片の裏面に密着させた裏面電極との間に500Vの電圧を印加し、その印加後の電流変化をデータロガーで測定及び記録して、電圧印加1分後の体積抵抗率(1分値)及び電圧印加30分後の体積抵抗率(30分値)を算出した。
Figure 2014110216
Figure 2014110216
実験例1〜12の結果としては、表1及び図6に示すように、EVA−g−PVCの配合率を高めていくと、1分値及び30分値の各体積抵抗率が徐々に低下していき、配合率50質量%を境にして、1分値に対応する線La及び3分値に対応する線Lbの傾斜が異なることが分かった。これによれば、配合率50質量%以上の範囲と配合率50質量%未満の範囲とでは、電流の流れるメカニズムが異なることが推察された。具体的には、配合率50質量%以上の範囲では、絶縁体(PVC)中で導電体粒子(EVA−g−PVC)が絡み合って、電気回路網が形成されることにより、絶縁体(PVC)中で電流が流れ、導電体粒子(EVA−g−PVC)の濃度に対して抵抗率が反比例して低下するので、傾斜が緩くなっていると考えられる。また、配合率50質量%未満の範囲では、導電体粒子(EVA−g−PVC)間の絶縁体(PVC)をトンネル効果による電子が波として移動することにより、絶縁体(PVC)中で電流が流れ、導電体粒子(EVA−g−PVC)の濃度に対して抵抗率が指数関数的に低下するので、傾斜が急になっていると考えられる。さらに、配合率40質量%よりも低くなると、1分値及び30分値の間に差が生じるようになり、例えば、配合率30質量%では、30分値が1分値の10倍の体積抵抗率となることが分かった。したがって、PVCとの総和に対する(滑剤以外の樹脂成分の総量に対する)EVA−g−PVCの配合率を40質量%よりも高くすることにより、1分値及び30分値の間の差がなくなり、吸収電流が生じなくなることが分かった。
実験例13〜18の結果としては、表2及び図7に示すように、PVCの平均重合度が680から710に少し変わっても、実験例5〜実験例9と同様な結果が得られ、この配合系でも、PVCとの総和に対する(滑剤以外の樹脂成分の総量に対する)EVA−g−PVCの配合率を40質量%よりも高くする、好ましくは42質量%とすることにより、安定的に吸収電流が生じなくなることが分かった。
以上説明したように、本実施形態の電気絶縁材料及びそれを用いた集塵電極(15)を備えた集塵装置(50)によれば、空気通路(21)に配置される集塵電極(15)及び対向電極(16)のうち、陽極側の集塵電極(15)が、導電部材(13)と、その導電部材(13)を被覆するように設けられた絶縁フィルム(11,12)とを備え、絶縁フィルム(11,12)を構成する電気絶縁材料では、ポリ塩化ビニル樹脂に導電性を有する樹脂を配合することにより、吸収電流が生じないようになっているので、電気絶縁性を有するポリ塩化ビニル樹脂の中に、導電性を有する樹脂が電気回路網を形成するように分散されることになる。そのため、集塵電極(15)及び対向電極(16)の間に電圧を印加した場合には、上記構成の電気絶縁材料を用いた絶縁フィルム(11,12)にトンネル効果でなく上記形成された電気回路網により電流が流れるので、電圧印加1分後の集塵電極(15)の体積抵抗率と電圧印加30分後の集塵電極(15)の体積抵抗率とがほぼ等しくなり、集塵電極(15)の体積抵抗率の経時的な増加を抑制することができる。これにより、集塵電極(15)の表面電位を経時的に保持することができるので、集塵装置(50)の性能を安定化させることができる。
また、本実施形態の電気絶縁材料及びそれを用いた集塵電極(15)を備えた集塵装置(50)によれば、絶縁フィルム(11,12)を構成する電気絶縁材料において、ポリ塩化ビニル樹脂に導電性を有する樹脂を配合することにより、吸収電流が生じないようになっているので、集塵電極(15)及び対向電極(16)の間への電圧の印加を止めて、運転を停止した場合には、集塵電極(15)に電荷が溜まり難くなる。これにより、集塵電極(15)及び対向電極(16)に起因する感電を抑制することができるので、集塵電極(15)及び対向電極(16)の間を短絡して電荷を中和する内部アーススイッチなどを省略することができる。
また、本実施形態の電気絶縁材料によれば、例えば、滑剤などの助剤以外の樹脂成分が、ポリ塩化ビニル樹脂と導電性を有する樹脂との2成分からなり、導電性を有する樹脂が、助剤以外の樹脂成分の総量に対して40質量%よりも多く配合されているので、電気絶縁性を有するポリ塩化ビニル樹脂の中に、導電性を有する樹脂が高密度に分散され、ポリ塩化ビニル樹脂の中に電気回路網を確実に形成することができる。
また、本実施形態の電気絶縁材料によれば、滑剤などの助剤以外の樹脂成分が、ポリ塩化ビニル樹脂と導電性を有する樹脂との2成分からなり、上記特許文献1に開示された電気絶縁材のように、ポリメチルメタアクリレートが配合されていないので、電気絶縁材料及びそれを用いた絶縁フィルムにおいて、アクリル臭が発生しないことになり、空気清浄機などの集塵装置(50)に好適に用いることができる。
また、本実施形態の電気絶縁材料によれば、導電性を有する樹脂がエチレン酢酸ビニル共重合体を主鎖とし、ポリ塩化ビニルの側鎖とするグラフト共重合体であるので、電気絶縁性を有するポリ塩化ビニル樹脂の中に、導電性を有するエチレン酢酸ビニル共重合体を容易に混ぜ合わせることができる。
なお、本実施形態では、空気中の塵埃(D)を荷電部(10)で正の電荷に帯電させて集塵部(20)で捕集する集塵装置(50)を例示したが、本発明は、空気中の塵埃を荷電部で負の電荷に帯電させて集塵部で捕集する集塵装置にも適用することができる。
以上説明したように、本発明は、集塵装置の性能を安定化させることができるので、空気清浄機などの集塵装置について有用である。
11,12 絶縁フィルム
13 導電部材
15 集塵電極(一対の電極における陽極側の電極)
16 対向電極(一対の電極における陰極側の電極)
21 空気通路
50 集塵装置

Claims (5)

  1. 吸収電流が生じないようにポリ塩化ビニル樹脂に導電性を有する樹脂が配合されていることを特徴とする電気絶縁材料。
  2. 請求項1において、
    助剤以外の樹脂成分は、上記ポリ塩化ビニル樹脂と上記導電性を有する樹脂との2成分からなり、
    上記導電性を有する樹脂は、上記樹脂成分の総量に対して40質量%よりも多く配合されていることを特徴とする電気絶縁材料。
  3. 請求項2において、
    上記導電性を有する樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合体を主鎖とし、ポリ塩化ビニルの側鎖とするグラフト共重合体であることを特徴とする電気絶縁材料。
  4. 請求項3において、
    上記グラフト共重合体は、上記エチレン酢酸ビニル共重合体の含有率が40質量%であり、該エチレン酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルの含有率が28質量%であることを特徴とする電気絶縁材料。
  5. 空気通路(21)に配置される一対の電極(15,16)を備え、該一対の電極(15,16)の間に空気中の帯電した塵埃を捕集するための電界を形成する集塵装置であって、
    上記一対の電極(15,16)のうち、陽極側の電極(15)は、導電部材(13)と、該導電部材(13)を被覆するように設けられた絶縁フィルム(11,12)とを備え、
    上記絶縁フィルム(11,12)は、吸収電流が生じないようにポリ塩化ビニル樹脂に導電性を有する樹脂が配合された電気絶縁材料により構成されていることを特徴とする集塵装置。
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