JP2001190983A - 電気集塵機用集塵シート及び電気集塵機 - Google Patents

電気集塵機用集塵シート及び電気集塵機

Info

Publication number
JP2001190983A
JP2001190983A JP2000001238A JP2000001238A JP2001190983A JP 2001190983 A JP2001190983 A JP 2001190983A JP 2000001238 A JP2000001238 A JP 2000001238A JP 2000001238 A JP2000001238 A JP 2000001238A JP 2001190983 A JP2001190983 A JP 2001190983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
conductive
conductive layer
dust
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000001238A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Tezuka
弘 手塚
Yoshiyuki Nakamura
善幸 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP2000001238A priority Critical patent/JP2001190983A/ja
Publication of JP2001190983A publication Critical patent/JP2001190983A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Separation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパーク放電などの危険性がなく、しかも集
塵性能の優れる電気集塵機用集塵シート及び電気集塵機
を提供すること。 【解決手段】 本発明の電気集塵機用集塵シートは、導
電性の層と非導電性の層とを有するシートからなり、前
記非導電性の層は粗密構造を有しており、非導電性の層
の密層、非導電性の層の粗層、導電性の層の順に配列し
たものである。また、本発明の電気集塵機は筐体内に荷
電部と集塵部とを備えた電気集塵機において、前記集塵
部は流体流路の上流側から、非導電性の密層、非導電性
の粗層、導電性の層の順となるように配置されており、
かつ前記導電性の層がアースされたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気集塵機用集塵シ
ート及び電気集塵機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気集塵機は低圧力損失であ
るにも関わらず、集塵効率に優れているため、広く利用
されている。この電気集塵機としては、例えば、図2に
模式的断面図を示すように、空気の流路を形成する筐体
1と、空気の流路の上流側から順に、粗い塵埃を捕集す
るプレフィルタ2、塵埃をプラス又はマイナスに荷電さ
せる荷電部3、荷電された塵埃を捕集する集塵部4、主
として集塵部4から剥離する塵埃を捕集するアフターフ
ィルタ5、空気の流れを誘発するファン6、が配置され
ていた。このような電気集塵機においては、ファン6の
作用により誘発された空気流が筐体1の吸引口1aから
筐体内に侵入して、まず、粗い塵埃がプレフィルタ2に
よって除去される。次いで、空気流は荷電部3に到達
し、プレフィルタ2によって除去されなかった塵埃はプ
ラス又はマイナスに荷電される。その後、この荷電され
た塵埃は集塵部4において電気的に集塵される。そし
て、塵埃の除去された空気流はアフターフィルタ5を通
過し、排出口1bから排出される。このような集塵過程
において、アフターフィルタ5は集塵部4から剥離する
塵埃を主として捕集する。
【0003】このような電気集塵機において使用される集塵
部4としては、多数枚の電極を一定間隔おいて配置し、
交互に異極性の電圧を印加するものが一般的である。し
かしながら、このような集塵部4においては、塵埃の集
塵効率を高めるために電極間の間隔を短くすると、捕集
した塵埃によってスパーク放電が生じる場合があり、非
常に危険な場合があった。そのため、単に電極間の間隔
を長くすると集塵効率が低下し、電極間の間隔を長くす
ると同時に印加電圧を高くすると、少量の塵埃によって
もスパーク放電しやすくなる、という問題があった。
【0004】他方、集塵部4として、永久分極した短繊維を
多数不規則に積層したものや、ポリエステル系糸を不規
則に立体的に交絡した繊維構造物を使用したもの(例え
ば、特開昭54−11572号公報)が知られている。
これらは前述の集塵部とは異なり、電圧を印加して集塵
するものではないため、集塵部でのスパーク放電の危険
性はない。しかしながら、前者の永久分極した短繊維を
積層したものは、塵埃の捕集によって集塵性能が急激に
低下するため、実用に耐えないものであり、後者のポリ
エステル系糸からなる繊維構造物も十分な集塵性能がな
いため、実用に耐えないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、スパーク放電な
どの危険性がなく、しかも集塵性能の優れる電気集塵機
用集塵シート及び電気集塵機を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電気集塵機用集
塵シート(以下、「集塵シート」という)は、導電性の
層と非導電性の層とを有するシートからなり、前記非導
電性の層は粗密構造を有しており、非導電性の層の密
層、非導電性の層の粗層、導電性の層の順に配列したも
のである。この集塵シートを電気集塵機の集塵部とし
て、集塵シートの導電性の層が流体流路において下流側
になるように配置し、かつ前記導電性の層をアースして
使用すると、荷電部によって発生したイオンや荷電され
た塵埃が物理的に集塵シートの密層に付着し、この付着
したイオンや荷電された塵埃と導電性の層との間に電界
が形成される。その結果、集塵シートの粗層を構成する
樹脂の分極が促進されるため、集塵性能が長期間にわた
って優れている。また、集塵部においては印加の必要が
なく、スパーク放電などの危険がないため、安全性にも
優れている。
【0007】本発明の第1の電気集塵機は、筐体内に荷電部
と集塵部とを備えた電気集塵機において、前記集塵部は
前述の集塵シートを含み、前記集塵シートの導電性の層
が流体流路において下流側になるように配置されてお
り、かつ前記導電性の層がアースされたものである。そ
のため、荷電部によって発生したイオンや荷電された塵
埃が物理的に集塵シートの密層に付着し、この付着した
イオンや荷電された塵埃と導電性の層との間に電界が形
成される。その結果、集塵シートの粗層を構成する樹脂
の分極が促進されるため、集塵性能が長期間にわたって
優れている。また、集塵部においては印加の必要がな
く、スパーク放電などの危険がないため、安全性にも優
れている。
【0008】本発明の第2の電気集塵機は、筐体内に荷電部
と集塵部とを備えた電気集塵機において、前記集塵部は
粗密構造を有するシート及び導電性シートを含み、流体
流路において上流側から、粗密構造を有するシートの密
層、粗密構造を有するシートの粗層、導電性シートの順
に配置されており、かつ前記導電性シートがアースされ
たものである。そのため、荷電部によって発生したイオ
ンや荷電された塵埃が物理的に粗密構造を有するシート
の密層に付着し、この付着したイオンや荷電された塵埃
と導電性シートとの間に電界が形成される。その結果、
粗密構造を有するシートの粗層を構成する樹脂の分極が
促進されるため、集塵性能が長期間にわたって優れてい
る。また、集塵部においては印加の必要がなく、スパー
ク放電などの危険がないため、安全性にも優れている。
【0009】本発明の第3の電気集塵機は、筐体内に荷電部
と集塵部とを備えた電気集塵機において、前記集塵部は
見掛密度の点で異なる2枚以上のシートと導電性シート
とを含み、流体流路において上流側から、上流側に存在
するシートよりも見掛密度の低いシート、導電性シート
の順に配置されており、かつ前記導電性シートがアース
されたものである。そのため、荷電部によって発生した
イオンや荷電された塵埃が物理的に上流側に存在するシ
ートに付着し、この付着したイオンや荷電された塵埃と
導電性シートとの間に電界が形成される。その結果、上
流側に存在するシートよりも見掛密度の低いシートを構
成する樹脂の分極が促進されるため、集塵性能が長期間
にわたって優れている。また、集塵部においては印加の
必要がなく、スパーク放電などの危険がないため、安全
性にも優れている。
【0010】本発明の第4の電気集塵機は、筐体内に荷電部
と集塵部とを備えた電気集塵機において、前記集塵部は
導電性の層と非導電性の層とを含む複合シートと、前記
複合シートの非導電性の層よりも見掛密度の高いシート
とを含み、流体流路において上流側から、前記複合シー
トの非導電性の層よりも見掛密度の高いシート、複合シ
ートの非導電性の層、複合シートの導電性の層の順に配
置されており、かつ前記複合シートの導電性の層がアー
スされたものである。そのため、荷電部によって発生し
たイオンや荷電された塵埃が物理的に上流側に存在する
複合シートの非導電性の層よりも見掛密度の高いシート
に付着し、この付着したイオンや荷電された塵埃と複合
シートの導電性の層との間に電界が形成される。その結
果、複合シートの非導電性の層を構成する樹脂の分極が
促進されるため、集塵性能が長期間にわたって優れてい
る。また、集塵部においては印加の必要がなく、スパー
ク放電などの危険がないため、安全性にも優れている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の集塵シートは、導電性の
層と非導電性の層とを有するシートからなり、前記非導
電性の層は粗密構造を有しており、非導電性の層の密
層、非導電性の層の粗層、導電性の層の順に配列したも
のである。このような本発明における「導電性の層」は
集塵シートを使用する際にアースすることにより、非導
電性の層の密層との間に電界を形成する働きをする。本
発明における「導電性」とは、電気抵抗が106Ω以下
であることをいい、電気抵抗が104Ω以下であるのが
好ましい。このような導電性の層は、例えば、金属、炭
素、電子共役系ポリマー(例えば、ピロール)を含んで
いることによって、上記のような電気抵抗であることが
できる。なお、本発明の「電気抵抗」は、例えば、電気
抵抗測定器(テスター)により測定することができる。
【0012】他方、非導電性の層は粗密構造を有しており、
非導電性の層の密層はイオンや荷電された塵埃を物理的
に捕捉し、この捕捉したイオンや荷電された塵埃と導電
性の層との間に電界を形成させることにより、非導電性
の層の粗層を構成する樹脂を分極させて、粗層における
集塵性能を向上させる。なお、本発明における「密層」
とは非導電性の層の中で最も見掛密度の高い層をいい、
「粗層」とは密層以外の層をいう。また、本発明におけ
る「見掛密度」は面密度(g/cm2)を厚さ(cm)
で除した値をいい、本発明における「厚さ」は1cm2
あたり20gf荷重時の値をいう。更に、本発明におけ
る「非導電性」とは、電気抵抗が106Ωを越えること
をいう。
【0013】この非導電性の層(特に粗層)は非導電性の層
(特に粗層)が分極しやすいように、誘電率が3以上
(好ましくは3.5〜10)の樹脂(以下、「高誘電樹
脂」という)を含んでいるのが好ましい。この誘電率は
周波数が103Hz(ヘルツ)の時の値をいい、誘電率
測定装置により樹脂のコンダクタンスを測定(温度20
℃、湿度65%で測定)するとともに、マイクロメータ
ーにより樹脂の厚さを測定した後、コンダクタンスと厚
さとを乗じることにより、誘電率を算出することができ
る。なお、樹脂が空気を含んでいる態様の場合(例え
ば、不織布などの多孔性シート)には、樹脂中に空気が
介在しないようにフィルム化した後、前記測定を実施し
て誘電率を算出する。
【0014】より具体的には、高誘電樹脂として、例えば、
アクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポ
リイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミンサルホン、
ポリアリルアミン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、
ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば、ポリ
塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、アクリロ
ニトリル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−ポバール
共重合体、エチレン酢酸ビニル塩化ビニルグラフトポリ
マー、塩素化ポリ塩化ビニルなど)、アクリロニトリル
−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体、塩素化ポリ
エチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリクロロトリフル
オロエチレン、ポリ塩化ビニリデンなどを使用できる。
これらの中でも、塩素を含む高誘電樹脂はより容易に分
極しやすく、しかも難燃性にも優れているため好適であ
り、特にポリ塩化ビニル系樹脂を好適に使用できる。
【0015】本発明の非導電性の層(密層及び粗層)は上述
のような高誘電樹脂を含有しているのが好ましく、その
態様としては、例えば、(1)織物、編物、不織布、ネ
ット、スポンジ、或いはこれらの複合体を構成する材料
(例えば、繊維、糸など)の一部又は全部が、上述のよ
うな高誘電樹脂を含む(好ましくは高誘電樹脂からな
る)態様、(2)織物、編物、不織布、ネット、スポン
ジ、或いはこれらの複合体に、上述のような高誘電樹脂
が付着した態様などがある。前者のように、非導電性の
層(特に粗層)を構成する材料(例えば、繊維や糸な
ど)全部が、上述のような高誘電樹脂を含んでいる(好
ましくは高誘電樹脂からなる)と、効率的に集塵するこ
とができるため、好適な態様である。また、非導電性の
層による集塵が分極による静電気力以外に、物理的な作
用(例えば、遮りなど)によっても効率的に集塵できる
ように、非導電性の層として不織布層を含んでいるのが
好ましい。したがって、非導電性の層は上述のような高
誘電樹脂を含む繊維(好ましくは高誘電樹脂のみからな
る繊維)を含有する不織布層を含んでいるのが好まし
く、高誘電樹脂を含む繊維(好ましくは高誘電樹脂のみ
からなる繊維)のみからなる不織布層を含んでいるのが
より好ましい。
【0016】このような高誘電樹脂は非導電性の層全体の、
30mass%以上含まれているのが好ましく、50m
ass%以上含まれているのがより好ましく、70ma
ss%以上含まれているのが更に好ましい。
【0017】本発明の非導電性の層(非導電性の層の粗層と
密層の和)は、厚さが0.5〜5mmであるのが好まし
い。非導電性の層(非導電性の層の粗層と密層の和)の
厚さが0.5mm未満であると、非導電性の層の密層に
付着したイオンや荷電された塵埃と導電性の層(アース
層)との距離が短くなり過ぎて、電界強度が高くなり過
ぎる結果、逆電離現象が発生して集塵効率が低下する場
合があり、他方、非導電性の層(非導電性の層の粗層と
密層の和)の厚さが5mmを越えると、非導電性の層の
密層に付着したイオンや荷電された塵埃と導電性の層
(アース層)との距離が長くなり過ぎて、電界強度が低
くなり、集塵効率が低下する傾向があるためである。よ
り好ましい非導電性の層(非導電性の層の粗層と密層の
和)の厚さは、0.5〜3mmであり、1〜2mmであ
るのが更に好ましい。
【0018】本発明の集塵シートは前述のような導電性の層
と非導電性の層とを有するシートからなるが、非導電性
の層の密層、非導電性の層の粗層、導電性の層の順に配
列している。そのため、この集塵シートを電気集塵機の
集塵部として、集塵シートの導電性の層が流体流路にお
いて下流側になるように配置し、かつ前記導電性の層を
アースして使用すると、荷電部によって発生したイオン
や荷電された塵埃が物理的に非導電性の層の密層に付着
し、この付着したイオンや荷電された塵埃と導電性の層
との間に電界が形成される。その結果、非導電性の層の
粗層を構成する樹脂の分極が促進され、集塵性能が長期
間にわたって優れている。なお、非導電性の層の密層の
上流側に(流体流路において)更に粗層が積層されてい
ても良い。
【0019】本発明の集塵シートは、例えば次のようにして
製造することができる。まず、繊維、糸(好ましくは高
誘電樹脂からなる)などを使用して、見掛密度の異なる
2枚以上のシート(例えば、織物、編物、繊維ウエブ、
不織布、ネット、スポンジシート、或いはこれらの複合
シートなど)を常法により製造する。なお、見掛密度差
を設ける方法としては、例えば、シートを構成する繊維
や糸などの直径を変える方法、織り密度、編み密度、絡
合の程度、接着の程度或いは融着の程度を変える方法な
どがある。このようにして製造した見掛密度の異なる同
種又は異種のシートを2枚以上積層し、この積層したシ
ートを流体流(例えば、水流)やニードルによって絡合
一体化したり、シートを構成する樹脂の融着性を利用し
て融着一体化したり、バインダー(高誘電樹脂からなる
のが好ましい)を利用して接着一体化したり、これらを
組み合わせて、粗密構造を有するシートを製造する。次
いで、粗密構造を有するシートの見掛密度の最も高い密
層以外の表面層に対して、メッキ(例えば、電気メッ
キ、溶融メッキ、金属浸透法、メタリコン、無電解メッ
キ法など)したり、金属蒸着したり、スパッタリングし
たり、電子共役系モノマーを重合させたり、炭素粉末及
び/又は金属粉をバインダーにより固定したり、これら
を組み合わせて導電性の層を形成し、本発明の集塵シー
トを製造することができる。
【0020】本発明の集塵シートとして好適である不織布か
らなる集塵シートの製造方法について、以下に簡単に説
明する。まず、非導電性の層の密層及び粗層を構成する
繊維を準備する。この非導電性の層の密層を構成する繊
維の繊度は、特に限定するものではないが、物理的な作
用によりイオンや荷電された塵埃が付着しやすいよう
に、0.0001〜25dtex程度が適当である。ま
た、非導電性の層の粗層を構成する繊維の繊度も特に限
定するものではなく、0.01〜35dtex程度が適
当である。なお、非導電性の層の密層及び粗層を構成す
る繊維の長さは繊維ウエブの製造方法によって異なり、
乾式法により製造する場合には25mm以上が適当であ
り、湿式法により製造する場合には1〜25mm程度が
適当である。
【0021】この非導電性の層の密層及び粗層を構成する繊
維として、例えば、前述のような高誘電樹脂からなる繊
維、絹、羊毛、綿、麻などの天然繊維、レーヨン繊維な
どの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、ポリ
ビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維などの合成繊維を使用でき
る。また、各種特性を付与するために機能性繊維を混合
することもできる。例えば、非導電性の各層の形態安定
性を向上させるための接着性繊維、塵埃等による雑菌の
繁殖を抑えるための抗菌性繊維、集塵性能を向上させる
ことのできる極細繊維(繊度0.55dtex以下)を
発生可能な分割性繊維(例えば、水流により分割して極
細繊維を発生可能な分割性繊維)を、1種類以上混合す
ることができる。
【0022】次いで、前述のような繊維を含む繊維ウエブ
を、例えば、カード法、エアレイ法、メルトブロー法、
スパンボンド法などの乾式法や、湿式法により形成す
る。この繊維ウエブを形成する方法として、繊維配合
(特に、平均繊維径の点において)の異なる繊維ウエブ
を形成したり、乾式法と湿式法というように、異なる方
法により繊維ウエブを形成することにより、見掛密度の
異なる繊維ウエブを形成することができる。なお、「平
均繊維径」は無作為に選んだ100本の繊維の繊維径の
平均値をいい、繊維の断面形状が非円形である場合に
は、円形断面に換算した時の直径をその繊維の繊維径と
みなす。
【0023】次いで、前述のように見掛密度の異なる繊維ウ
エブを2枚以上積層した後、例えば、ニードルや流体流
(例えば、水流など)により絡合したり、バインダー
(高誘電樹脂からなるのが好ましい)により接着した
り、繊維ウエブ構成繊維を融着させたり、或いはこれら
を併用して結合し、粗密構造を有する不織布を製造する
ことができる。なお、見掛密度が同じ又は異なる繊維ウ
エブを、それぞれニードルや流体流(例えば、水流な
ど)により絡合したり、バインダー(高誘電樹脂からな
るのが好ましい)により接着したり、繊維ウエブ構成繊
維を融着させたり、或いはこれらを併用する際の、結合
条件を変えることにより、見掛密度の異なる不織布をそ
れぞれ形成し、その後、これら見掛密度の異なる不織布
を積層し、ニードルや流体流(例えば、水流など)によ
り絡合したり、バインダー(高誘電樹脂からなるのが好
ましい)により接着したり、繊維ウエブ構成繊維を融着
させたり、或いはこれらを併用して、粗密構造を有する
不織布を製造することもできる。
【0024】次いで、この粗密構造を有する不織布の見掛密
度の最も高い密層以外の表面層に対して、メッキ(例え
ば、電気メッキ、溶融メッキ、金属浸透法、メタリコ
ン、無電解メッキ法など)したり、金属蒸着したり、ス
パッタリングしたり、電子共役系モノマーを重合させた
り、炭素粉末及び/又は金属粉をバインダーにより固定
して、導電性の層を形成して本発明の集塵シートを製造
することができる。
【0025】本発明の集塵シートの別の製造方法は、まず、
導電性の層を構成する材料(例えば、繊維)に対して、
メッキする方法(例えば、電気メッキ、溶融メッキ、金
属浸透法、メタリコン、無電解メッキ法など)、金属蒸
着する方法、スパッタリング法、電子共役系モノマーを
重合させる方法により、或いは導電性の層を構成する材
料に金属や炭素粉末を混在させて、導電性の材料を製造
した後、電気抵抗が106Ω以下の導電性シート(例え
ば、織物、編物、繊維ウエブ、不織布、ネット、スポン
ジシート、或いはこれらの複合シートなど)を、常法に
より製造する。他方、前述と同様にして、電気抵抗が1
6Ωを越えるように導電性の材料を含み(導電性の材
料を含まない場合もある)、かつ見掛密度の異なる2枚
以上のシート(例えば、織物、編物、繊維ウエブ、不織
布、ネット、スポンジシート、或いはこれらの複合シー
トなど)、又は前述と同様にして粗密構造を有するシー
トを製造する。次いで、この見掛密度の異なる2枚以上
のシートを積層し、この積層したシートの見掛密度が最
も高いシート以外のシートに導電性シートを積層する
か、前述と同様にして製造した粗密構造を有するシート
の見掛密度が最も高い層以外の表面層に導電性シートを
積層した後、これらシートを流体流(例えば、水流)や
ニードルによって絡合一体化したり、シートを構成する
樹脂の融着性を利用して融着一体化したり、バインダー
(高誘電樹脂からなるのが好ましい)を利用して接着一
体化したり、これらを併用して本発明の集塵シートを製
造することができる。
【0026】本発明の集塵シートとして好適である、不織布
からなる集塵シートの製造方法について、以下に簡単に
説明する。まず、導電性の層を構成する繊維に対して、
メッキする方法(例えば、電気メッキ、溶融メッキ、金
属浸透法、メタリコン、無電解メッキ法など)、金属蒸
着する方法、スパッタリング法、電子共役系モノマーを
重合させる方法、或いは導電性の層を構成する繊維とし
て、金属や炭素粉末を練り混んだ繊維を紡糸して、導電
性繊維を製造する。なお、導電性繊維の種類、繊度及び
繊維長などは特に限定されるものではない。次いで、こ
の導電性繊維を使用して電気抵抗が106Ω以下の繊維
ウエブを、例えば、カード法、エアレイ法、メルトブロ
ー法、スパンボンド法などの乾式法や、湿式法により形
成する。なお、場合により、この繊維ウエブを流体流
(例えば、水流)やニードルによって絡合したり、バイ
ンダーを利用して接着して、導電性不織布を製造する。
他方、前述と同様にして、電気抵抗が106Ωを越える
ように導電性繊維を含み(導電性繊維を含まない場合も
ある)、かつ見掛密度の異なる2枚以上の繊維ウエブ又
は不織布、又は前述と同様にして粗密構造を有する繊維
ウエブ又は不織布を製造する。次いで、この見掛密度の
異なる2枚以上の繊維ウエブ又は不織布を積層し、この
積層した繊維ウエブ又は不織布の見掛密度が最も高い繊
維ウエブ又は不織布以外の繊維ウエブ又は不織布に導電
性繊維ウエブ又は導電性不織布を積層するか、前述と同
様にして製造した粗密構造を有する繊維ウエブ又は不織
布の見掛密度が最も高い層以外の表面層に、導電性繊維
ウエブ又は導電性不織布を積層した後、これら繊維ウエ
ブ又は不織布を流体流(例えば、水流)やニードルによ
って絡合一体化したり、繊維ウエブ又は不織布を構成す
る樹脂の融着性を利用して融着一体化したり、バインダ
ー(高誘電樹脂からなるのが好ましい)を利用して接着
一体化したり、これらを併用して本発明の集塵シートを
製造することができる。なお、前述のような導電性を付
与する処理を、導電性繊維ウエブ又は導電性不織布から
なる層に対して更に実施しても良い。
【0027】本発明の第1の電気集塵機は、筐体内に荷電部
と集塵部とを備えており、前記集塵部は上述の集塵シー
トを含み、前記集塵シートの導電性の層が流体流路にお
いて下流側となるように配置されており、かつ前記導電
性の層がアースされたものである。この第1の電気集塵
機の集塵部においては、荷電部によって発生したイオン
や荷電された塵埃が物理的に非導電性の層の密層に付着
し、この付着したイオンや荷電された塵埃と導電性の層
との間に電界が形成される。その結果、非導電性の層の
粗層を構成する樹脂の分極が促進されるため、集塵性能
が長期間にわたって優れている。また、集塵部において
は印加の必要がなく、スパーク放電などの危険がないた
め、安全性にも優れている。
【0028】本発明の第1の電気集塵機について、模式的断
面図である図1をもとに説明する。なお、従来の電気集
塵機と同様の部材については同じ番号を付している。本
発明の第1の電気集塵機は、空気の流路を形成する筐体
1と、空気の流路の上流側から順に、粗い塵埃を捕集す
るプレフィルタ2、塵埃をプラスに荷電させる荷電部
3、荷電させた塵埃を捕集する前述のような集塵シート
7、及び空気の流れを誘発するファン6、が配置されて
いる。なお、集塵シート7の導電性の層7cはアースさ
れている。このような第1の電気集塵機においては、フ
ァン6の作用により誘発された空気流が筐体1の吸引口
1aから筐体内に侵入して、まず、粗い塵埃がプレフィ
ルタ2によって除去される。次いで、空気流は荷電部3
に到達し、プレフィルタ2によって除去されなかった塵
埃はプラス又はマイナスに荷電される。次いで、この荷
電された塵埃及び荷電部3(例えば、コロナ放電装置)
によって発生したイオンは、集塵シート7の非導電性の
層の密層7aに到達して、この密層7aによって物理的
に捕集される。そのため、この密層7aと導電性の層7
cとの間に電位差が生じ、電界を形成する。その結果、
非導電性の層の密層7a及び粗層7bを構成する樹脂の
分極が促進されるため、荷電された塵埃を静電気的に効
率良く集塵することができる。また、導電性の層7cは
アースされており、電荷を逃がすことができるため、ス
パーク放電を防止することができる。そして、塵埃の除
去された空気流は排出口1bから排出される。
【0029】本発明の第1の電気集塵機は上述のような構成
からなるため、次のような効果を奏する。(1)集塵性
能に優れる。(2)集塵シートに対して印加する必要が
ないためスパーク放電することがなく、しかも使用電力
を少なくすることができる。(3)従来のような集塵電
極と比較して、集塵シートの占める体積が小さいため、
電気集塵機をコンパクト化できる。(4)集塵シートは
従来の電気集塵機のアフターフィルタの働きを兼ね備え
ているため、電気集塵機をよりコンパクト化できる。
【0030】プレフィルタ2は集塵シート7に負荷を与えな
いように、髪の毛や綿埃などの粗大な塵埃を捕集できる
ものであれば良く、従来と同様の粗塵フィルタを使用す
ることができる。
【0031】図1においては、荷電部3として、タングステ
ンワイヤーなどからなる放電線と、これら放電線と対向
する板状電極とを例示しているが、本発明の荷電部3は
塵埃をプラス又はマイナスに荷電できればよく、例え
ば、(1)空気の流れに対して直角に配置した複数本の
放電線と、空気流路において、これら放電線よりも上流
側及び/又は下流側に、空気流の流れに対して直角に、
網状の電極を配置した荷電部、(2)蜂の巣状電極を、
空気流の流れ方向と蜂の巣状電極のセルの長さ方向とが
実質的に一致するように配置し、これら各セルの中心部
に、蜂の巣状電極との距離が一定になるように放電線を
各々配置(空気流の流れ方向と実質的に一致するように
配置)した荷電部、なども使用できる。
【0032】図1における集塵部4は前述のような集塵シー
ト7の導電性の層7cが流体流路において下流側になる
ように配置されており、かつ導電性の層7cがアースさ
れている。そのため、荷電部3(例えば、コロナ放電装
置など)によって発生したイオンや荷電された塵埃が非
導電性の層の密層7aに付着することによって、密層7
aと導電性の層7cとの間に電位差が生じ、電界を形成
する。その電界によって密層7a及び粗層7bを構成す
る樹脂が容易に分極するため、荷電された塵埃を効率的
に集塵することができる。なお、図1における集塵シー
ト7は平板状であるが、より低圧力損失としたり、より
塵埃捕集量を多くすることができるように、ジグザグ状
に折り加工したものを好適に使用できる。
【0033】本発明の第2の電気集塵機は、筐体内に荷電部
と集塵部とを備えており、前記集塵部は粗密構造を有す
るシート及び導電性シートを含み、流体流路において上
流側から、粗密構造を有するシートの密層、粗密構造を
有するシートの粗層、導電性シートの順に配置されてお
り、かつ前記導電性シートがアースされたものである。
この第2の電気集塵機においても、荷電部によって発生
したイオンや荷電された塵埃が物理的に粗密構造を有す
るシートの密層に付着し、粗密構造を有するシートの密
層と導電性シートとの間で電位差を生じ、電界を形成で
きるため、粗密構造を有するシートの分極が促進される
ため、集塵性能が長期間にわたって優れている。しか
も、粗密構造を有するシート及び導電性シートに印加す
る必要がないため、スパーク放電が生じることのない、
安全性に優れるものである。
【0034】本発明の第2の電気集塵機は、集塵部が粗密構
造を有するシートと導電性シートとを含む点、つまり粗
密構造を有するシートと導電性シートとが一体化されて
いない点で第1の電気集塵機と相違するが、この集塵部
の状態は第1の電気集塵機における集塵部と全く同じで
あるため、第1の電気集塵機と全く同様の作用効果を奏
する。なお、第2の電気集塵機における粗密構造を有す
るシートとして、前述の集塵シートを製造する際の、メ
ッキなどの導電性を付与する前の粗密構造を有するシー
トと同様のものを使用でき、導電性シートとして、前述
の集塵シートを製造する際に使用する導電性シートと同
様のものを使用できる。また、集塵部を構成する粗密構
造を有するシート及び/又は導電性シートは平板状であ
っても、ジグザグ状に折り加工されたものであっても使
用できる。第2の電気集塵機はこれら以外、第1の電気
集塵機と全く同様の部品から構成することができる。
【0035】本発明の第3の電気集塵機は、筐体内に荷電部
と集塵部とを備えており、前記集塵部は見掛密度の点で
異なる2枚以上のシートと導電性シートとを含み、流体
流路において上流側から、上流側に存在するシートより
も見掛密度の低いシート(以下、「低密度シート」とい
う)、導電性シートの順に配置されており、かつ前記導
電性シートがアースされたものである。この第3の電気
集塵機においても、荷電部によって発生したイオンや荷
電された塵埃が、より上流側に存在する見掛密度の高い
シート(以下、「高密度シート」という)に物理的に付
着し、この高密度シートと導電性シートとの間で電位差
を生じ、電界を形成できるため、高密度シート及び低密
度シートの分極が促進されるため、集塵性能が長期間に
わたって優れている。しかも、低密度シート、高密度シ
ート及び導電性シートに印加する必要がないため、スパ
ーク放電が生じることのない、安全性に優れるものであ
る。
【0036】本発明の第3の電気集塵機は、集塵部が高密度
シート、低密度シート及び導電性シートとを含む点、つ
まり高密度シート、低密度シート及び導電性シートとが
一体化されていない点で第1の電気集塵機と相違する
が、この集塵部の状態は第1の電気集塵機における集塵
部と全く同じであるため、第1の電気集塵機と全く同様
の作用効果を奏する。なお、第3の電気集塵機における
高密度シート及び低密度シートとして、常法により製造
したシートを使用でき、導電性シートとして、前述の集
塵シートを製造する際に使用する導電性シートと同様の
ものを使用できる。また、集塵部を構成する高密度シー
ト、低密度シート或いは導電性シートの中から選ばれる
少なくとも1つのシートは平板状であっても、ジグザグ
状に折り加工されたものであっても使用することができ
る。第3の電気集塵機はこれら以外、第1の電気集塵機
と全く同様の部品から構成することができる。
【0037】本発明の第4の電気集塵機は、筐体内に荷電部
と集塵部とを備えており、前記集塵部は導電性の層と非
導電性の層とを含む複合シートと、前記複合シートの非
導電性の層よりも見掛密度の高いシート(以下、「高見
掛密度シート」という)とを含み、流体流路において上
流側から、前記複合シートの非導電性の層よりも見掛密
度の高いシート、複合シートの非導電性の層、複合シー
トの導電性の層の順に配置されており、かつ前記複合シ
ートの導電性の層がアースされたものである。この第4
の電気集塵機においても、荷電部によって発生したイオ
ンや荷電された塵埃が物理的に高見掛密度シートに付着
し、高見掛密度シートと複合シートの導電性の層との間
で電位差を生じ、電界を形成できるため、高見掛密度シ
ート及び複合シートの非導電性の層を構成する樹脂の分
極が促進されるため、集塵性能が長期間にわたって優れ
ている。しかも、高見掛密度シートと複合シートのいず
れにも印加する必要がないため、スパーク放電が生じる
ことのない、安全性に優れるものである。
【0038】本発明の第4の電気集塵機は、集塵部が複合シ
ートと高見掛密度シートとを含む点、つまり高見掛密度
シートと複合シートとが一体化されていない点で第1の
電気集塵機と相違するが、この集塵部の状態は第1の電
気集塵機における集塵部と全く同じであるため、第1の
電気集塵機と全く同様の作用効果を奏する。なお、第4
の電気集塵機における高見掛密度シートとして、常法に
より製造したシートを使用でき、複合シートとして、常
法により製造したシートの片面のみに対して、メッキす
る方法(例えば、電気メッキ、溶融メッキ、金属浸透
法、メタリコン、無電解メッキ法など)、金属蒸着する
方法、スパッタリング法、電子共役系モノマーを重合さ
せる方法、或いはこれらを併用して導電性の層を形成し
たものや、常法により製造したシートと前述の集塵シー
トを製造する際に使用する導電性シートとを一体化(例
えば、絡合一体化、融着一体化、接着一体化、或いはこ
れらの併用など)したものを使用できる。また、集塵部
を構成する高見掛密度シート及び/又は複合シートは平
板状であっても、ジグザグ状に折り加工されたものであ
っても使用できる。第4の電気集塵機はこれら以外、第
1の電気集塵機と全く同様の部品から構成することがで
きる。
【0039】本発明の第1、第2、第3及び第4の電気集塵
機は、集塵性能に優れる、スパーク放電が生じない、集
塵するために印加の必要がない、低圧力損失であること
からファンへの負荷が小さく電気代も安くあがる、或い
はコンパクト化できる、など様々な効果を奏するため、
各種用途、例えば、家庭用空気清浄器、一般ビル用空気
清浄機として使用することができる。
【0040】以下に、本発明の実施例を記載するが、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0041】
【実施例】(不織布Aの作成)アクリロニトリル−塩化
ビニル共重合体からなる繊維(誘電率:3.9、商品
名:カネカロン、鐘淵化学工業(株)製、繊度:7.7
dtex、繊維長:64mm)100%を、カード機に
より開繊して繊維ウエブを製造した。次いで、この繊維
ウエブを針密度30本/cm2でニードルパンチして、
面密度300g/m2、厚さ4.5mm、見掛密度0.
067g/cm3の不織布Aを製造した。
【0042】(不織布Bの作成)上述のようにして製造した
不織布Aをカレンダー加工して、面密度300g/
2、厚さ2.5mm、見掛密度0.12g/cm3の不
織布Bを製造した。
【0043】(不織布Cの作成)上述のようにして製造した
不織布Aをカレンダー加工して、面密度300g/
2、厚さ1.5mm、見掛密度0.2g/cm3の不織
布Cを製造した。
【0044】(不織布Dの作成)上述のようにして製造した
不織布Aをカレンダー加工して、面密度300g/
2、厚さ1.0mm、見掛密度0.3g/cm3の不織
布Dを製造した。
【0045】(実施例1)空気の流路を形成する筐体1と、
筐体内に、図1に示すようなタングステンワイヤーから
なる複数の放電線と、これら放電線と対向し、30mm
の間隔で配置された板状電極とからなる荷電部3、及び
空気流の上流側から順に、平板状不織布D、平板状不織
布A、カーボン含有導電性バインダーにより結合した平
板状導電性シート7(表面抵抗:103Ω)を互いに接
触させて配置した集塵部4、を備える電気集塵機を製造
した。なお、導電性シート7はアースした。
【0046】(比較例1)集塵部4として、空気流の上流側
から順に、平板状不織布A(粗層)、平板状不織布D
(密層)、カーボン含有導電性バインダーにより結合し
た平板状導電性シート(表面抵抗:103Ω、アースし
た)を配置したこと以外は実施例1と同じ電気集塵機を
製造した。
【0047】(実施例2)集塵部4として、空気流の上流側
から順に、平板状不織布D、平板状不織布B、カーボン
含有導電性バインダーにより結合した平板状導電性シー
ト(表面抵抗:103Ω、アースした)を配置したこと
以外は実施例1と同じ電気集塵機を製造した。
【0048】(比較例2)集塵部4として、空気流の上流側
から順に、平板状不織布B(粗層)、平板状不織布D
(密層)、カーボン含有導電性バインダーにより結合し
た平板状導電性シート(表面抵抗:103Ω、アースし
た)を配置したこと以外は実施例1と同じ電気集塵機を
製造した。
【0049】(実施例3)集塵部4として、空気流の上流側
から順に、平板状不織布D、平板状不織布C、カーボン
含有導電性バインダーにより結合した平板状導電性シー
ト(表面抵抗:103Ω、アースした)を配置したこと
以外は実施例1と同じ電気集塵機を製造した。
【0050】(比較例3)集塵部4として、空気流の上流側
から順に、平板状不織布C(粗層)、平板状不織布D
(密層)、カーボン含有導電性バインダーにより結合し
た平板状導電性シート(表面抵抗:103Ω、アースし
た)を配置したこと以外は実施例1と同じ電気集塵機を
製造した。
【0051】(集塵効率の測定)実施例1〜3及び比較例1
〜3のそれぞれの電気集塵機に、粒径が0.3〜0.5
ミクロンの大気塵を供給すると同時に、荷電部3に8k
Vの電圧を印加し、供給する大気塵の個数と集塵部4を
通過した後の大気塵の個数から、集塵効率を算出した
(測定風速:70cm/s)。この結果は表1に示す通
りであった。この表1から、見掛密度の高いシートを上
流側に配置することにより、集塵効率が向上することが
わかった。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の電気集塵機用集塵シートは集塵
性能が長期間にわたって優れている。また、本発明の電
気集塵機用集塵シートを電気集塵機の集塵部として使用
すると、この集塵部に印加する必要がなく、スパーク放
電などの危険がないため、安全性にも優れている。
【0054】本発明の第1〜4の電気集塵機は集塵性能が長
期間にわたって優れている。また、集塵部においては印
加の必要がなく、スパーク放電などの危険がないため、
安全性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電気集塵機の模式的断面図
【図2】 従来の電気集塵機の模式的断面図
【符号の説明】
1 筐体 1a 吸引口 1b 排出口 2 プレフィルタ 3 荷電部 4 集塵部 5 アフターフィルタ 6 ファン 7 集塵シート 7a 密層 7b 粗層 7c 導電性の層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の層と非導電性の層とを有するシ
    ートからなり、前記非導電性の層は粗密構造を有してお
    り、非導電性の層の密層、非導電性の層の粗層、導電性
    の層の順に配列していることを特徴とする、電気集塵機
    用集塵シート。
  2. 【請求項2】 筐体内に荷電部と集塵部とを備えた電気
    集塵機において、前記集塵部は請求項1記載の電気集塵
    機用集塵シートを含み、前記電気集塵機用集塵シートの
    導電性の層が流体流路において下流側になるように配置
    されており、かつ前記導電性の層がアースされているこ
    とを特徴とする電気集塵機。
  3. 【請求項3】 筐体内に荷電部と集塵部とを備えた電気
    集塵機において、前記集塵部は粗密構造を有するシート
    及び導電性シートを含み、流体流路において上流側か
    ら、粗密構造を有するシートの密層、粗密構造を有する
    シートの粗層、導電性シートの順に配置されており、か
    つ前記導電性シートがアースされていることを特徴とす
    る電気集塵機。
  4. 【請求項4】 筐体内に荷電部と集塵部とを備えた電気
    集塵機において、前記集塵部は見掛密度の点で異なる2
    枚以上のシートと導電性シートとを含み、流体流路にお
    いて上流側から、上流側に存在するシートよりも見掛密
    度の低いシート、導電性シートの順に配置されており、
    かつ前記導電性シートがアースされていることを特徴と
    する電気集塵機。
  5. 【請求項5】 筐体内に荷電部と集塵部とを備えた電気
    集塵機において、前記集塵部は導電性の層と非導電性の
    層とを含む複合シートと、前記複合シートの非導電性の
    層よりも見掛密度の高いシートとを含み、流体流路にお
    いて上流側から、前記複合シートの非導電性の層よりも
    見掛密度の高いシート、複合シートの非導電性の層、複
    合シートの導電性の層の順に配置されており、かつ前記
    複合シートの導電性の層がアースされていることを特徴
    とする電気集塵機。
JP2000001238A 2000-01-07 2000-01-07 電気集塵機用集塵シート及び電気集塵機 Pending JP2001190983A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000001238A JP2001190983A (ja) 2000-01-07 2000-01-07 電気集塵機用集塵シート及び電気集塵機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000001238A JP2001190983A (ja) 2000-01-07 2000-01-07 電気集塵機用集塵シート及び電気集塵機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001190983A true JP2001190983A (ja) 2001-07-17

Family

ID=18530488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000001238A Pending JP2001190983A (ja) 2000-01-07 2000-01-07 電気集塵機用集塵シート及び電気集塵機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001190983A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008221078A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Mitsubishi Electric Corp 空気清浄装置およびフィルタ
JP2008221077A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Mitsubishi Electric Corp 空気清浄装置およびフィルタ
CN103007634A (zh) * 2012-12-12 2013-04-03 无锡幸运环保设备有限公司 花瓣式火星捕集器
JP2014110216A (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 Daikin Ind Ltd 電気絶縁材料及び集塵装置
JP7464551B2 (ja) 2021-02-19 2024-04-09 Necプラットフォームズ株式会社 防塵フィルタ及び電気装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008221078A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Mitsubishi Electric Corp 空気清浄装置およびフィルタ
JP2008221077A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Mitsubishi Electric Corp 空気清浄装置およびフィルタ
JP2014110216A (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 Daikin Ind Ltd 電気絶縁材料及び集塵装置
CN103007634A (zh) * 2012-12-12 2013-04-03 无锡幸运环保设备有限公司 花瓣式火星捕集器
JP7464551B2 (ja) 2021-02-19 2024-04-09 Necプラットフォームズ株式会社 防塵フィルタ及び電気装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7981177B2 (en) Filtration media having a slit-film layer
US6468651B2 (en) Nonwoven fabric containing fine fiber, and a filter material
JP4571504B2 (ja) 改善された繊維不織ウェブ
US4375718A (en) Method of making fibrous electrets
US20110064928A1 (en) Nonwoven material
CN1304672C (zh) 粒子保持特性提高的过滤介质
JP4209734B2 (ja) 不織布及びその製造方法
CA2224857C (en) Synthetic filter media and method for manufacturing same
JP2017057514A (ja) 不織布及びこれを用いたエアフィルター
CN109648958B (zh) 一种复合无纺织物及其制备方法和应用
JP2001190983A (ja) 電気集塵機用集塵シート及び電気集塵機
Lin et al. Preparation of fluffy bimodal conjugated electrospun poly (lactic acid) air filters with low pressure drop
JP3445372B2 (ja) 荷電式フィルタ
JP2001170519A (ja) 電気集塵機用集塵シート及びこの集塵シートを用いた電気集塵機
JPH07163819A (ja) 複合濾材
JP6238806B2 (ja) 極細繊維不織布および不織布の製造装置
KR20220071172A (ko) 공기정화용 필터
JPH02104765A (ja) エレクトレット不織布の製造方法
WO1991019034A1 (en) Insulated collector for production of electrically charged meltblown webs
JPH09225229A (ja) エアフィルター材およびエアフィルターユニット
JP2000189732A (ja) 帯電型エアフィルタ―
JPS61204052A (ja) 新規な濾過特性を有するエア−フイルタ−
KR20200116522A (ko) 필터 매체
JPH08143730A (ja) エレクトレット体
JP4180273B2 (ja) 固体電解質用支持体の製造方法