JP3445372B2 - 荷電式フィルタ - Google Patents

荷電式フィルタ

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JP3445372B2
JP3445372B2 JP19294994A JP19294994A JP3445372B2 JP 3445372 B2 JP3445372 B2 JP 3445372B2 JP 19294994 A JP19294994 A JP 19294994A JP 19294994 A JP19294994 A JP 19294994A JP 3445372 B2 JP3445372 B2 JP 3445372B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は濾材の表面に高圧電極と
接地電極とを設け、両電極間を荷電することにより、電
気的作用と濾材構造による物理的な作用とで塵埃を捕集
する荷電式フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から濾材の表面に金属網、金属蒸着
層などからなる電極を設けて、電極に荷電することによ
り、濾材構造による機械的な作用に加えて電気的な作用
によって塵埃を捕集するフィルタが知られている(実開
昭49−110380号、実開昭53−153282号
など)。しかし、これらのフィルタでは電極が濾材表面
の全体を覆っており、帯電された塵埃が電極の近傍に高
い密度で捕集されるため、目詰りが生じやすく、濾材寿
命が短くなるという問題があった。
【0003】一方、特開昭63−36852号、特開昭
64−58356号には、金属線、炭素繊維を用いるこ
とにより、または導電性ペーストの塗布などにより濾材
表面に線状または帯状の電極を形成した荷電式フィルタ
が開示されている。これらの荷電式フィルタでは、帯電
された塵埃が電極の近傍に集中しても電極が線状または
帯状で電極間に間隔があるため、塵埃が集中する部分と
集中する部分との間に空隙が残り、被処理気体の流路が
確保されているためフィルタが目詰りしにくいという利
点を有する。とくに、このフィルタを表面から垂直方向
に透過して見た場合に、高圧電極と接地電極とが交互に
なるように配置した荷電式フィルタでは、帯電された塵
埃が表裏の電極を結ぶ斜め方向に電気的な作用を受けて
濾材内で分散されて保持されやすくなるため、濾材が目
詰りするまでに捕集できる塵埃の保持容量も増える。
【0004】しかしながら、上記の荷電式フィルタにお
いては実質的に濾材の厚みよりも電極間の距離が遠くな
っており、しかも電極に線状または帯状の金属線や導電
性ペーストを用いているため、十分に塵埃を帯電しよう
とすると電極間に加える電圧をあげねばならず、火花放
電が起きるおそれがあった。このように、火花放電が起
きると電極間にある濾材が発火する危険があった。ま
た、濾材の効率を高めるためにプリーツ加工を施す場合
には、導電性ペーストを塗布した電極では折り曲げ部分
で導電性ペーストが脱落して断線が起きるおそれがあっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術の欠点を解消すべくなされたものであり、低い電圧で
高い捕集効率が得られ、使用中に発火の心配がなく、プ
リーツ加工などの折り加工を施しても断線などのおそれ
がない荷電式フィルタを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、本発明に
よる、濾材の表面に線状または帯状の電極が設けられて
おり、該濾材の一方表面に設けられた電極を高圧電極、
他方表面に設けられた電極を接地電極とした荷電式フィ
ルタにおいて、高圧電極または接地電極の少なくとも一
方を導電性を有する繊維の端面が表面に露出した素材
から形成したことを特徴とする荷電式フィルタによって
解決される。
【0007】すなわち、本発明の荷電式フィルタでは、
導電性を有する繊維の端面が表面に多数露出した素材か
ら形成される線状または帯状の電極を使用することによ
って、低い電圧(印加電圧の絶対値が小さいことを意味
する)で塵埃を効率よく捕集することを可能にすると共
に、電極間の火花放電による濾材の発火を防止してい
る。また、本発明の荷電式フィルタは、電極に上記フィ
ルム又は不織布をベースとする導電性を有する繊維の端
面が表面に多数露出した素材を用いるため、プリーツ加
工が行いやすく、断線のおそれがない。
【0008】以下、図面に沿って本発明を説明する。図
1は本発明の荷電式フィルタの一例を示す斜視図であ
り、図2はその拡大断面模型図、図3は両表面に導電性
を有する繊維の端面が表面に露出した素材から形成さ
れる線状の電極を用いた荷電式フィルタの部分拡大断面
模型図、図4は本発明に使用する導電性を有する繊維
の端面が表面に露出した素材から形成される線状の電極
の一例を示す部分拡大図である。
【0009】本発明の荷電式フィルタに使用する濾材1
としては、レーヨン、コットン、パルプ繊維、ポリエス
テル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
リ塩化ビニル繊維、ポリスチレン繊維、ポリカーボネー
ト繊維、ガラス繊維などからなる不織布、編織布、紙な
どや、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームな
どの樹脂発泡体などからなる誘電性のある濾材が適して
いる。
【0010】本発明の荷電式フィルタにおいては、電極
の少なくとも一方が導電性を有する繊維の端面が表面に
多数露出した素材2から形成されている。このような素
材としては、例えば、導電性を有する短繊維を導電性フ
ィルムに接着したシート、導電性を有する短繊維を導電
性線材に接着した導電性ワイヤー、短繊維を機械的に絡
合した不織布に導電性物質を付着せしめた導電性不織
布、導電性を有する短繊維が機械的に絡合された導電性
不織布などが使用される。
【0011】ここで、導電性を有する短繊維を導電性フ
ィルムに接着したシートとは、例えば図4に示すよう
に、金属箔、合成樹脂フィルムに金属を蒸着またはメッ
キしたもの、合成樹脂フィルムに導電性ペーストまたは
導電性塗料を塗布したものなどの導電性フィルム21
に、金属繊維、金属蒸着した繊維、金属メッキした繊
維、導電性樹脂を被覆した繊維、染色技術により金属イ
オンを含有した繊維などの導電性繊維22を繊維端面が
表面に多数露出するように接着したシートを言う。導電
性繊維22の繊維長は、あまり短いと粉粒体状となって
放電が起きにくく、あまり長いとシート表面に露出する
繊維の端面が相対的に少なくなって電圧を低下させる効
果が期待できなくなるので、0.1〜50mm、より好
ましくは0.3〜10mmの範囲にあることが望まし
い。また、このシートの場合、導電性繊維22を導電性
フィルム21に接着するための接着剤23も、導電性物
質を含む導電性接着剤であることが望ましい。とくに、
静電植毛により導電性を有する短繊維を導電性フィルム
に付着したものは、導電性繊維の端面の多くが、シート
の表面に露出するのでよい。
【0012】また導電性を有する短繊維を導電性線材に
接着した導電性ワイヤーとは、樹脂やガラスの線材に導
電性樹脂、導電性塗料、導電性接着剤をコーティングし
たもの、または金属線などの導電性線材に、繊維長が
0.1〜50mm、より好ましくは0.3〜10mmの
範囲の導電性を有する短繊維を接着したワイヤーを言
う。導電性線材の直径は0.1〜10mm、より好まし
くは0.5〜5mmの範囲にあることが望ましい。また
ワイヤーに付着させる導電性を有する短繊維の付着面積
は、ワイヤーの全表面積の0.5〜80%、より好まし
くは2〜50%であることが望ましく、この範囲より付
着面積が小さいと導電性を有する短繊維を付着させた効
果が期待できず、この範囲より付着面積が大きくてもそ
れ以上に効果は向上しない。導電性線材への導電性を有
する短繊維の接着は導電性接着剤によることが望まし
く、とくに静電植毛により導電性を有する短繊維を導電
性線材に付着したものは、導電性繊維の端面の多くが、
シートの表面に露出するのでよい。
【0013】また短繊維を機械的に絡合した不織布に導
電性物質を付着せしめた導電性不織布とは、繊維長が1
〜100mm、より好ましくは3〜70mmの短繊維か
らなる繊維ウェブを、水流絡合法、ニードルパンチ法な
どにより繊維どうしを機械的に絡合せしめた不織布に、
金属、導電性樹脂などの導電性物質を付着せしめて、導
電性を有する繊維の端面が不織布表面に多数露出するよ
うにしたものをいう。とくに、不織布を構成する繊維に
分割型複合繊維を用いたものは、微細な繊維端面を多数
表面に露出させることができるのでよい。不織布の繊維
ウェブ形成手段としては湿式法、乾式法のいずれであっ
てもよいが、繊維の結合手段としては機械的絡合法を用
いる必要がある。これは、例えば加熱加圧などにより繊
維を接着する製造方法による不織布では、繊維が平面方
向に寝てしまい、不織布表面に露出する繊維の数が著し
く減少するからである。同様の理由から、フィラメント
などの長繊維からなる不織布も望ましくない。不織布へ
の導電性物質の付着方法としては、導電性物質が銅、ニ
ッケルなどの金属であれば蒸着またはメッキによるのが
よく、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性樹脂
であれば、気相あるいは液相中において不織布表面で直
接重合させるのがよい。なお、導電性物質の付着は不織
布の構成繊維の全表面に渡って付着していることが望ま
しい。この導電性不織布の目付は、あまり小さいと製作
が困難であり、あまり大きいとフィルタの圧力損失を上
昇させる傾向があるので5〜200g/m2 、より好ま
しくは10〜100g/m2 の範囲にあるのがよい。ま
た、導電性不織布の厚みも同様の理由から0.02〜2
mmの範囲にあるのがよい。また、付着する導電性物質
の量は金属であれば10〜40g/m2 、導電性樹脂で
あれば2〜10g/m2 の範囲にあるのがよい。
【0014】導電性を有する短繊維が機械的に絡合され
た導電性不織布とは、金属繊維、金属蒸着した繊維、金
属メッキした繊維、導電性樹脂を被覆した繊維、染色技
術により金属イオンを含有した繊維などの導電性繊維で
あって、繊維長が1〜100mm、より好ましくは3〜
70mmの繊維を使用し、これら導電性繊維からなる繊
維ウェブを水流絡合法またはニードルパンチ法などの機
械的絡合法により絡合せしめて、導電性繊維の端面が不
織布表面に多数露出するようにした不織布をいう。この
導電性不織布の目付は、あまり小さいと製作が困難であ
り、あまり大きいとフィルタの圧力損失を上昇させる傾
向があるので5〜200g/m2 、より好ましくは10
〜100g/m2 の範囲にあるのがよい。また、導電性
不織布の厚みも同様の理由から0.02〜2mmの範囲
にあるのがよい。
【0015】本発明の荷電式フィルタは、図2に示すよ
うに濾材1の一方表面に導電性繊維の端面が表面に多数
露出した素材からなる線状または帯状の電極2が、他方
表面に金属箔、導電性フィルム、導電性ペースト、金属
線などからなる線状または帯状の電極3が設けられた構
造からなるか、または図3に示すように濾材1の両表面
に、導電性繊維の端面が表面に露出した素材からなる線
状または帯状の電極2が設けられた構造からなる。電極
間に荷電される電圧を低下させる効果は、少なくとも一
方の電極が導電性繊維の端面が表面に露出した素材から
なる線状または帯状の電極2で構成されていれば得られ
る。
【0016】また、濾材1の気体流入側表面と気体流出
側表面のいずれの側の電極を高圧電極としても接地電極
としてもよいが、上記導電性繊維の端面が表面に露出し
た素材からなる電極2は気体流入側に設けることが望ま
しい。これは、この導電性繊維の端面が表面に露出した
素材からなる電極2が実質的に放電極として働き、塵埃
はこの放電極と同じ極に帯電されるからであり、上流側
で帯電を受けた塵埃は下流側の電極の近傍に電気的な作
用で引き付けられて捕集されるからである。これに対し
て放電極が下流側にある場合、塵埃は気流の流れに沿っ
て上流側から下流側へと移動するが、帯電された塵埃と
下流側の極が同極となって反発するため電気的な作用に
よる塵埃の捕集が十分に寄与しないことがある。
【0017】本発明に使用する電極は、線状または帯状
の電極からなり、所定の間隔をあけて濾材1の表面に設
けられている。このため、電気的な作用で塵埃が電極の
近傍にひきつけられても、濾材の表面方向では塵埃が集
中する部分と集中する部分との間に捕集される塵埃量の
少ない部分が生じて被処理気体の流路が確保され、濾材
の厚み方向では塵埃が蓄積されていくので、濾材の目詰
りが生じにくく、使用寿命が長くなる。
【0018】とくに、濾材の表面に対して垂直な方向か
ら透過して見た場合に、濾材の一方表面に設けた線状ま
たは帯状の高圧電極と他方表面に設けた線状または帯状
の接地電極とが交互になるように配置した場合、荷電時
に、濾材内に表裏の電極を結ぶ斜め方向の長い距離に電
界が形成されるため、局部的な目詰りを起こさずに塵埃
が濾材内部に効果的に分散して捕集されやすく、塵埃の
保持量を多くでき、使用寿命も延びる。
【0019】線状または帯状の電極の長さや幅、電極ど
うしの間隔は、使用する濾材の大きさや厚みなどにより
適宜設定される。しかし、電極の幅があまり狭いと断線
のおそれがあり、あまり広いとフィルタの圧力損失や放
電効果の低下を招くことがあるので電極の幅は0.5〜
10mm、より好ましくは1〜5mmの範囲にあること
が望ましい。また、電極と電極との間隔は、あまり広い
と高電圧を必要とするようになり、あまり狭いと圧力損
失の上昇や短絡が生じるおそれがあるので電極どうしの
間隔は2〜40mm、より好ましくは5〜20mmの範
囲にあることが望ましい。
【0020】また、各電極は、個々に高圧電源などと接
続されて高圧電極とし、アースして接地電極とされてい
てもよいが、例えば図1のように、濾材の同一表面にあ
る電極の一端を連結し、連結した電極を高圧電源と接続
したり、アースしたりしてもよい。
【0021】電極は濾材表面に接着剤により貼着した
り、熱接着により接合したりすることにより、濾材と一
体化してもよく、また、使用時だけ濾材表面に固定して
取り外し可能にしてもよい。後者の場合、濾材のみを交
換するだけで繰り返し荷電式フィルタとして使用でき
る。なお、導電性を有する繊維の端面が表面に露出し
た素材からなる電極を、濾材表面に取り付ける場合に
は、この導電性を有する繊維の端面が濾材に電極を取り
付けた後も表面に露出するようにすることが望ましい。
これは繊維の端面が露出した側を濾材との接着面に持っ
てくると、繊維が押え付けられて放電が起きにくくな
り、より低い電圧で塵埃を帯電させることが困難になる
からである。
【0022】
【実施例】
実施例1 繊度1.5デニールのポリエステル繊維からなる繊維ウ
ェブに水流絡合処理を施し、目付66g/m2 、厚さ
0.45mmの水流絡合不織布を作成した。この水流絡
合不織布に銅−ニッケルメッキ(付着重量28g/m
2 )を施して体積抵抗3.3×10-3Ω・cmの電極素
材を得た。一方、繊度1.5デニールのレーヨン繊維1
00重量%からなる目付70g/m2 の密層と、繊度
1.5デニールのレーヨン繊維70重量%、繊度3デニ
ールのポリエステル繊維20重量%及び繊度5デニール
のポリエステル繊維10重量%とからなる目付65g/
2 の中間層と、繊度1.5デニールのレーヨン繊維4
0重量%、繊度3デニールのポリエステル繊維40重量
%及び繊度5デニールのポリエステル繊維20重量%と
からなる目付50g/m2 の粗層とを積層し、ニードル
パンチ処理した後、アクリル樹脂系エマルジョン(固形
分付着量90g/m2 )を付着し、乾燥して、3層構造
で目付275g/m2 、厚さ3mmの不織布からなる濾
材を作成した。上記の濾材の表裏面に、上記電極素材を
図1のようにくし型に裁断したものを、アクリル樹脂系
接着剤により貼着して荷電式フィルタを得た。なお、線
状の電極の幅は2mmで隣り合う線状電極と線状電極と
の間隔は約19mmとした。また、図1のように表裏面
の線状電極は、濾材の表面に対して垂直な方向から見た
場合に交互の位置となるようにした。この場合、最も近
い位置にある表面の線状電極と裏面の線状電極との距離
は約9mmであった。得られた荷電式フィルタの気体流
出面側の電極をアースして接地電極とし、気体流入面側
の電極を高圧電源と接続して高圧電極とし、荷電する電
圧を変えて、各印加電圧における荷電式フィルタの捕集
効率を測定した。測定には大気塵を使用し、風速5cm
/秒の条件でフィルタに通過させ、通過前後での粒径
0.3〜0.5μmの塵埃の粒子数をパーティクルカウ
ンターによって測定して捕集効率を求めた。その結果を
表1に示す。
【0023】実施例2 ポリエステル/ポリアミド分割型繊維(鐘紡株式会社製
ベリーマX、分割後の繊維径0.18デニール/0.
6デニール)からなる繊維ウェブを水流絡合処理するこ
とによって、繊維の分割と共に繊維を絡合して、目付9
0g/m2 、厚さ0.5mmの水流絡合不織布を作成し
た。この水流絡合不織布の表面に気相中でピロール重合
体を直接重合させることにより付着(付着重量5g/m
2 )させ、体積抵抗1.0×101 Ω・cmの電極素材
を得た。実施例1で用いた電極素材に変えて、この電極
素材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして荷電式
フィルタを得た。得られた荷電式フィルタの各印加電圧
下における捕集効率を実施例1と同様にして測定し、表
1に示した。
【0024】比較例1 実施例1の電極素材に変えて、厚さ20μmのアルミニ
ウム箔を電極素材として用いたこと以外は、実施例1と
同様にして荷電式フィルタを得た。得られた荷電式フィ
ルタの各印加電圧下における捕集効率を実施例1と同様
にして測定し、表1に示した。
【0025】比較例2 実施例1で用いた濾材に、固形分としてカーボン60重
量%とアクリル系樹脂40重量%とを含むカーボンペー
ストを、図1のようにくし型に塗布して荷電式フィルタ
を得た。なお、塗布により形成した線状の電極の幅は2
mmで隣り合う線状電極と線状電極との間隔は約19m
mとした。また、図1のように表裏面の線状電極は、濾
材の表面に対して垂直な方向から見た場合に交互の位置
となるようにした。この場合、最も近い位置にある表面
の線状電極と裏面の線状電極との距離は約9mmであっ
た。得られた荷電式フィルタの各印加電圧下における捕
集効率を実施例1と同様にして測定し、表1に示した。
【0026】比較例3 繊度1.5デニールのポリエステル繊維からなる繊維ウ
ェブをカレンダーロールにより加熱加圧処理して、目付
60g/m2 、厚さ0.075mmの熱接着不織布を作
成した。この熱接着不織布に銅−ニッケルメッキ(付着
量12.5g/m2 )を施して体積抵抗1.3×10-4
Ω・cmの電極素材を得た。実施例1で用いた電極素材
に変えて、この電極素材を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして荷電式フィルタを得た。得られた荷電式フ
ィルタの各印加電圧下における捕集効率を実施例1と同
様にして測定し、表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、処理風速5cm
/秒の条件下では、実施例1、2の荷電式フィルタでは
印加電圧が−3KVで90%を超える高い捕集効率を示
すのに対して、比較例1〜3の荷電式フィルタでは印加
電圧を−4KVにしても捕集効率は80%未満であっ
た。
【0029】実施例3 厚さ20μmのアルミニウム箔に、固形分35重量%の
カーボンペースト(固形分中、カーボン約60重量%、
アクリル樹脂約40重量%を含む)からなる導電性接着
剤を塗布した後、繊度2デニール、繊維長0.5mmの
染色技術により金属イオンを含有した導電性繊維(日本
蚕毛染色株式会社 サンダーロンSS−N)をふりかけ
て乾燥し、余分な導電性繊維を払い落として体積抵抗1
×102Ω・cmの電極素材を得た。なお、付着した導
電性繊維の量は10g/m2 であった。 一方、繊度
1.5デニールのレーヨン繊維100重量%からなる目
付70g/m2 の密層と、繊度1.5デニールのレーヨ
ン繊維70重量%、繊度3デニールのポリエステル繊維
20重量%及び繊度5デニールのポリエステル繊維10
重量%とからなる目付65g/m2 の中間層と、繊度
1.5デニールのレーヨン繊維40重量%、繊度3デニ
ールのポリエステル繊維40重量%及び繊度5デニール
のポリエステル繊維20重量%とからなる目付50g/
2 の粗層とを積層し、ニードルパンチ処理した後、ア
クリル樹脂系エマルジョン(固形分付着量90g/m
2 )を付着し、乾燥して、3層構造で目付275g/m
2 、厚さ3mmの不織布からなる濾材を作成した。上記
の濾材の表裏面に、上記電極素材を図1のようにくし型
に裁断したものを、アクリル系接着剤により貼着して荷
電式フィルタを得た。なお、線状の電極の幅は2mmで
隣り合う線状電極と線状電極との間隔は約19mmとし
た。また、図1のように表裏面の線状電極は、濾材の表
面に対して垂直な方向から見た場合に交互の位置となる
ようにした。この場合、最も近い位置にある表面の線状
電極と裏面の線状電極との距離は約9mmであった。得
られた荷電式フィルタの気体流出面側の電極をアースし
て接地電極とし、気体流入面側の電極を高圧電源と接続
して高圧電極とし、荷電する電圧を変えて、各印加電圧
における荷電式フィルタの捕集効率を測定した。測定に
は大気塵を使用し、風速10cm/秒の条件でフィルタ
に通過させ、通過前後での粒径0.3〜0.5μmの塵
埃の粒子数をパーティクルカウンターによって測定して
捕集効率を求めた。その結果を表2に示す。
【0030】実施例4 繊度2デニール、繊維長51mmの導電性繊維(日本蚕
毛染色株式会社 サンダーロンSS−N)からなる繊維
ウェブを水流絡合処理して、目付80g/m2、厚さ
1.3mm、体積抵抗1×100 Ω・cmの水流絡合不
織布からなる電極素材を得た。実施例3で用いた電極素
材に変えて、この電極素材を用いたこと以外は、実施例
3と同様にして荷電式フィルタを得た。得られた荷電式
フィルタの各印加電圧下における捕集効率を実施例3と
同様にして測定し、表2に示した。
【0031】実施例5 直径2mmの銅線にカーボンペースト(固形分:カーボ
ン約60重量%、アクリル樹脂約40重量%)をコーテ
ィングした後、繊度2デニール、繊維長0.5mmの導
電性短繊維(日本蚕毛染色株式会社 サンダーロンSS
−N)を植毛して導電性ワイヤーからなる電極素材を得
た。銅線の全表面積に対する導電性短繊維の付着面積の
割合は4%であった。上記電極素材を実施例3で用いた
のと同じ濾材の表裏面に、図1のようにくし型に成形し
たものを配置して荷電式フィルタを得た。なお、導電性
ワイヤーからなる線状電極と線状電極との間隔は約19
mmとした。また、図1のように表裏面の線状電極は、
濾材の表面に対して垂直な方向から見た場合に交互の位
置となるようにした。この場合、最も近い位置にある表
面の線状電極と裏面の線状電極との距離は約9mmであ
った。得られた荷電式フィルタの各印加電圧下における
捕集効率を実施例3と同様にして測定し、表2に示し
た。
【0032】比較例4 実施例3の電極素材に変えて、厚さ20μmのアルミニ
ウム箔を電極素材として用いたこと以外は、実施例3と
同様にして荷電式フィルタを得た。得られた荷電式フィ
ルタの各印加電圧下における捕集効率を実施例3と同様
にして測定し、表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】表2から明らかなように、処理風速10c
m/秒の条件下において、実施例3〜5では印加電圧−
5KVにおいて90%を超える高い捕集効率を示した
が、比較例4では印加電圧を−6KVにしても捕集効率
は80%未満であった。
【0035】実施例6 繊度1.5デニールのポリエステル繊維からなる繊維ウ
ェブに水流絡合処理を施し、目付66g/m2 、厚さ
0.45mmの水流絡合不織布を作成した。この水流絡
合不織布に銅−ニッケルメッキ(付着重量28g/m
2 )を施して体積抵抗3×10-3 Ω・cmの電極素材
を得た。一方、繊度1.5デニールのレーヨン繊維10
0重量%からなる目付70g/m2 の密層と、繊度1.
5デニールのレーヨン繊維70重量%、繊度3デニール
のポリエステル繊維20重量%及び繊度5デニールのポ
リエステル繊維10重量%とからなる目付65g/m2
の中間層と、繊度1.5デニールのレーヨン繊維40重
量%、繊度3デニールのポリエステル繊維40重量%及
び繊度5デニールのポリエステル繊維20重量%とから
なる目付50g/m2 の粗層とを積層し、ニードルパン
チ処理した後、アクリル樹脂系エマルジョン(固形分付
着量90g/m2 )を付着し、乾燥して、3層構造で目
付275g/m2 、厚さ3mmの不織布からなる濾材を
作成した。上記の濾材の気体流入側となる表面に、上記
の水流絡合不織布に銅−ニッケルメッキした電極素材を
図1のようにくし型に裁断したものを、アクリル樹脂系
接着剤により貼着し、気体流出側となる表面に、厚さ2
0μmのアルミニウム箔からなる電極素材を図1のよう
にくし型に裁断したものをアクリル樹脂系接着剤により
貼着して荷電式フィルタを得た。なお、線状の電極の幅
は2mmで隣り合う線状電極と線状電極との間隔は約1
9mmとした。また、図1のように表裏面の線状電極
は、濾材の表面に対して垂直な方向から見た場合に交互
の位置となるようにした。この場合、最も近い位置にあ
る表面の線状電極と裏面の線状電極との距離は約9mm
であった。得られた荷電式フィルタの気体流出面側の電
極をアースして接地電極とし、気体流入面側の電極を高
圧電源と接続して高圧電極とし、荷電する電圧を変え
て、各印加電圧における荷電式フィルタの捕集効率を測
定した。測定には大気塵を使用し、風速10cm/秒の
条件でフィルタに通過させ、通過前後での粒径0.3〜
0.5μmの塵埃の粒子数をパーティクルカウンターに
よって測定して捕集効率を求めた。その結果を表3に示
す。
【0036】実施例7 実施例6で用いた水流絡合不織布に銅−ニッケルメッキ
した電極素材を両表面に用いたこと以外は、実施例6と
同様にして荷電式フィルタを得た。得られた荷電式フィ
ルタの各印加電圧下における捕集効率を実施例6と同様
にして測定し、表3に示した。
【0037】
【表3】
【0038】表3から明らかなように、処理風速10c
m/秒の条件下において、実施例6、7の荷電式フィル
タはいずれも印加電圧−5KVにおいて90%を超える
高い捕集効率を示した。とくに、実施例6の荷電式フィ
ルタでは印加電圧−4KVにおいて既に捕集効率が90
%を超えており、より絶対値の小さな印加電圧で優れた
捕集効率を示した。
【0039】
【発明の効果】本発明の荷電式フィルタでは、導電性を
有する繊維の端面が多数表面に露出した素材から形成さ
れる線状または帯状の電極を濾材表面に間隔をあけて配
置しているので、低い電圧で塵埃を効率よく捕集するこ
とを可能にすると共に、電極間の火花放電による濾材の
発火を防止できる。また、本発明の荷電式フィルタは、
電極に上記フィルム又は不織布をベースとする素材を用
いるため、プリーツ加工が行いやすく、断線のおそれが
ない。
【0040】とくに、濾材の気体流入側の表面に、導電
性を有する繊維の端面が表面に露出した電極素材から
なる線状または帯状の電極を配置した場合、より低い電
圧で高い捕集効率を期待できる。
【0041】また、濾材表面に設けられた線状または帯
状の電極からなる接地電極と高圧電極とを、濾材表面に
対して垂直な方向から見た場合に交互となるように配置
すれば、塵埃を濾材全体に分散して捕集することが可能
となるため濾材の寿命をより長くすることができる。
【0042】なお、電極素材として導電性繊維を有する
短繊維を導電性フィルムに接着したシートを用いる場
合、導電性フィルムに単に導電性繊維を有する短繊維を
付着させるだけで製作できるので製造が簡便であり、し
かも、導電性短繊維の両端面が多数表面に露出するた
め、低い印加電圧で高い捕集効率を得ることが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の荷電式フィルタの一例を示す斜視図。
【図2】本発明の荷電式フィルタの一例の部分拡大断面
模型図。
【図3】本発明の荷電式フィルタの他の例の部分拡大断
面模型図。
【図4】本発明の荷電式フィルタに使用する導電性を有
する繊維の端面が表面に露出した素材から形成される
電極の一例を示す部分拡大図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−36852(JP,A) 特開 昭64−58356(JP,A) 特開 昭47−17994(JP,A) 特開 平1−188542(JP,A) 特開 平6−123051(JP,A) 実開 平5−49049(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B03C 3/00 - 3/88

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾材の表面に線状または帯状の電極が設
    けられており、該濾材の一方表面に設けられた電極を接
    地電極とした荷電式フィルタにおいて、高圧電極または
    接地電極の少なくとも一方を導電性を有する繊維の端
    面が表面に露出した素材から形成したことを特徴とする
    荷電式フィルタ。
  2. 【請求項2】 濾材の気体流入側表面に導電性を有する
    繊維の端面が表面に露出した素材からなる電極を配置
    したことを特徴とする請求項1に記載の荷電式フィル
    タ。
  3. 【請求項3】 高圧電極と接地電極とが濾材表面に対し
    て垂直な方向から透過して見た場合に交互に配置されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の荷電式フィル
    タ。
  4. 【請求項4】 導電性を有する繊維の端面が表面に露
    出した素材が、導電性を有する短繊維を導電性フィルム
    に接着したシートであることを特徴とする請求項1に記
    載の荷電式フィルタ。
  5. 【請求項5】 導電性を有する繊維の端面が表面に露
    出した素材が、導電性を有する短繊維を導電性線材に接
    着した導電性ワイヤーであることを特徴とする請求項1
    に記載の荷電式フィルタ。
  6. 【請求項6】 導電性を有する繊維の端面が表面に露
    出した素材が、短繊維を機械的に絡合した不織布に導電
    性物質を付着せしめた導電性不織布であることを特徴と
    する請求項1に記載の荷電式フィルタ。
  7. 【請求項7】 導電性を有する繊維の端面が表面に露
    出した素材が、導電性を有する短繊維が機械的に絡合さ
    れた導電性不織布であることを特徴とする請求項1に記
    載の荷電式フィルタ。
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