JP2014110067A - ディスク積層体及びディスクカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ディスク積層体20は、複数の薄型光ディスク21と複数のスペーサ22とが交互に積層されている。スペーサ22は、中心孔の周囲に薄型光ディスク21と当該スペーサ22との間に空気を流入させるための複数の空気流入孔が設けられている。各空気流入孔は、吸盤接触領域がディスク搬送機構の各吸盤に吸着された際、薄型光ディスク21の円盤状平面とスペーサとの間に空気を流入する。これにより、薄型光ディスクとスペーサとの間の密着が抑制され、ディスク積層体に積層された薄型光ディスクとスペーサは、一枚ずつ搬送される。
【選択図】図3
Description
前記スペーサの前記薄型ディスクに対向する領域のうち前記吸着搬送部材が接触する領域よりも中心側の領域に、前記薄型ディスクと前記スペーサとの間に空気を流入させる空気流入孔を少なくとも1箇所以上に設けたことを特徴とする。
図1は本発明によるディスク積層体及びディスクカートリッジの実施形態1が適用されたディスクチェンジャの概略構成を説明するための斜視図である。図1に示されるように、ディスクチェンジャ10が設置されている床面に直交する方向をZ軸方向とし、床面に平行な面内で互いに直交する2つの方向をX軸方向とY軸方向とする。
A.〔ディスクカートリッジ700のディスク積層体20から薄型光ディスク21を全てのドライブ装置800に搬送し、薄型光ディスク21に対して、記録あるいは再生を行う場合の搬送手順〕
(手順A1)ディスクカートリッジ700からディスクトレイ710を引き出す。
(手順A2)引き出されたディスクトレイ710の上方(+Z軸方向側)にディスク搬送機構100を移動させる。
(手順A3)ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を下降させ、3つの吸盤130でディスク積層体20の最上位にある薄型光ディスク21を吸着する。このように、薄型光ディスク21の吸盤接触領域21c(図7参照)がディスク搬送機構100の各吸盤130に吸着される際、薄型光ディスク21が下方に押圧される。しかし、下側のスペーサ22に設けられた各空気流入孔22cにより、薄型光ディスク21とスペーサ22との間に空気が流入する。そのため、薄型光ディスク21は、各吸盤130により下方に押圧されても下側のスペーサ22に密着せず、スペーサ22から微小隙間を介して浮いた状態となる。
(手順A4)ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を上昇させ、吸着した薄型光ディスク21をディスク積層体20から分離する(図9参照)。
(手順A5)ドライブトレイ810を引き出す。
(手順A6)薄型光ディスク21を吸着したディスク搬送機構100を、引き出されたドライブトレイ810の直上に移動させる(図10参照)。
(手順A7)薄型光ディスク21を吸着しているディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を下降させ、真空を解除する。これにより、薄型光ディスク21はドライブトレイ810に載置される(図11参照)。
(手順A8)ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を上昇させる。
(手順A9)ドライブトレイ810をドライブ装置800の筐体820内に収容する。
(手順A10)引き出されているディスクトレイ710の上方(+Z軸方向側)にディスク搬送機構100を移動させる。
(手順A11)ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を下降させ、3つの吸盤130をディスク積層体20の最上位にあるスペーサ22の吸盤接触領域22d(図8を参照)に接触させ、当該スペーサ22を吸着する。このように、スペーサ22の吸盤接触領域22dがディスク搬送機構100の各吸盤130に吸着される際、各空気流入孔22cにより、薄型光ディスク21の円盤状平面21aとスペーサ22との間に空気が流入する。そのため、スペーサ22は、各吸盤130により下方に押圧されても薄型光ディスク21の円盤状平面21aに密着せず、薄型光ディスク21から微小隙間を介して浮いた状態となる。
(手順A12)ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を上昇させ、吸着したスペーサ22をディスク積層体20から分離する。このとき、スペーサ22が薄型光ディスク21に密着していないため、ディスク搬送機構100の吸盤130によりスペーサ22のみが吸着されて搬送される。
(手順A13)スペーサ22を吸着したディスク搬送機構100をスペーサストッカ400の直上に移動させる(図12参照)。
(手順A14)スペーサ22を吸着しているディスク搬送機構100を下降させ、吸盤130への真空引きを解除する。これにより、スペーサ22はスペーサストッカ400上に載置される(図13参照)。
(手順A15)ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を上昇させる。
(手順A16)次のドライブトレイ810のZ軸方向に関する位置に応じて、アームのZ軸方向に関する位置を調整する。
B.〔記録あるいは再生が終了した薄型光ディスク21をディスクカートリッジ700に戻す場合の搬送手順〕
(手順B1)最も上方(+Z軸方向側)にあるドライブ装置800のドライブトレイ810のZ軸方向に関する位置に応じて、アームのZ軸方向に関する位置を調整する。ここでは、アームのZ軸方向に関する位置を最上位とする。
(手順B2)当該ドライブ装置800のドライブトレイ810を引き出す。
(手順B3)ディスク搬送機構100を当該ドライブトレイ810の上方(+Z軸方向側)に移動させる。
(手順B4)ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を下降させ、3つの吸盤130でドライブトレイ810上の薄型光ディスク21の吸盤接触領域21c(図7を参照)に接触させ、当該薄型光ディスク21を吸着する。このとき、薄型光ディスク21は、吸盤接触領域21cをディスク搬送機構100の各吸盤130に吸着される。
(手順B5)ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を上昇させ、吸着した薄型光ディスク21をドライブトレイ810から分離する。
(手順B6)薄型光ディスク21が取り出されたドライブトレイ810をドライブ装置800の筐体820内に収容する。
(手順B7)薄型光ディスク21を吸着したディスク搬送機構100をディスクトレイ710の直上に移動させる。
(手順B8)薄型光ディスク21を吸着しているディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を下降させる。
(手順B9)薄型光ディスク21を吸着しているディスク搬送機構100の吸盤130の吸着を解除する。これにより、薄型光ディスク21はディスクトレイ710上に載置される。
(手順B10)ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を上昇させる。
(手順B11)ディスク搬送機構100をスペーサストッカ400の直上に移動させる。
(手順B12)吸盤保持部材120を下降させ、3つの吸盤130でスペーサストッカ400上のスペーサ22を吸着する。このとき、各スペーサ22間には、各空気流入孔22cの周縁部分より積層方向に突出するバリにより微小な隙間(空気層)が形成される。よって、各スペーサ22同士は、各空気流入孔22cのバリにより密着することが防止されている。
(手順B13)ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を上昇させ、吸着した最上位のスペーサ22のみをスペーサストッカ400から分離する。
(手順B14)一枚のスペーサ22を吸着したディスク搬送機構100をディスクトレイ710の直上に移動させる。
(手順B15)スペーサ22を吸着しているディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を下降させる。
(手順B16)スペーサ22を吸着しているディスク搬送機構100の吸盤130の真空を解除する。これにより、スペーサ22はディスクトレイ710上に載置されたディスク積層体20の最上位の薄型光ディスク21の上に載置される。
(手順B17)ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を上昇させる。
(手順B18)次のドライブトレイ810のZ軸方向に関する位置に応じて、アームのZ軸方向に関する位置を調整する。
(手順B19)ディスクトレイ710をカートリッジ700に収納する。
まず、薄型光ディスク21の直下に、空気流入孔22cが設けられていない従来のスペーサがある場合について説明する。薄型光ディスク21は極めて平滑な通気性のないフィルム状部材であるため、3つの吸盤130が薄型光ディスク21を吸着すると、前述した吸盤接触領域22d(図8参照)より中心側となる円心部近傍領域22eが密閉され減圧する。そこで、吸盤保持部材120を上昇させると、薄型光ディスク21と直下のスペーサ22との間に負圧が発生し、両者が密着したままとなる。そのため、薄型光ディスク21の上昇に伴って直下のスペーサ22も一緒に上昇して所謂「連れ上がりエラー」と呼ばれる現象が発生する。例えば、ディスク搬送機構100の吸盤保持部材120を1秒以内に3センチ程度の速度で上昇させると、直下のスペーサ22も薄型光ディスク21と一緒に持ち上げられることがある。
上記の各空気流入孔22c、22f、22gは、メカニカルドリリング、型抜き、パンチング、化学エッチング、サンドブラスト、電子線ビーム加工、放電加工、レーザー穿孔など公知の方法にて加工することが可能である。しかしながら、コスト高な特殊な加工法よりも安価な方法が好ましく、とりわけ穿孔後にバリが残りやすい型抜き法やパンチング法による形成方法がより望ましいことがわかった。これはバリの存在により薄型光ディスク21とスペーサ22と間に微小隙間が形成されて吸着時に減圧されにくくなり、両者が互いに密着し難くなるためと推定される。
本実施形態の各スペーサ22(22A、22B)の通気性は、JIS−L−1096A法の通気性定義に定められているフラジールA法の評価に準拠している。すなわち、圧力差が125Paになったときの通過流量を通気性としている。このとき、スペーサ22の直下には薄型光ディスク21がある。スペーサ22の通気性が大きいと、吸盤130による真空吸着が不可能となり、ディスク搬送機構100はスペーサ22を持ち上げることができない。
図14は本発明の実施形態2で作製したスペーサを説明するための平面図である。図14に示されるように、実施形態2のスペーサ22Aは、3つの吸盤130が接触する吸盤接触領域22dより中心側(円心側)に1つの空気流入孔22fを設ける。中心孔22bと空気流入孔22fとの中心間距離L26は、15mmに設定されている。また、空気流入孔22fは、内径がL25=8mmに設定されているので、空気流入孔22fの開口総面積は、50.24mm2であり、薄型光ディスク21の円盤状平面21aの面積に対する空気流入孔22fの面積比は0.446%である。
図15は本発明の実施形態3で作製したスペーサを説明するための平面図である。図15に示されるように、実施形態3のスペーサ22Bは、3つの吸盤130が接触する吸盤接触領域22dより中心側(円心側)に3つの空気流入孔22gが設けられている。各空気流入孔22gは、中心より半径15mm(L28=30mm)の位置に120°間隔で設けられている。また、空気流入孔22gは、内径がL27=6mmに設定されているので、各空気流入孔22gの開口総面積は、84.78mm2であり、薄型光ディスク21の円盤状平面21aの面積に対する空気流入孔22fの面積比は0.756%である。
以上説明したように、本実施形態に係るディスクチェンジャ10においては、ディスク搬送機構100、ディスクカートリッジ700、4台のドライブ装置800、及び制御装置などを備えている。また、ディスクカートリッジ700のディスクトレイ710には、各薄型光ディスク21間にスペーサ22を挿入して複数の薄型光ディスク21が積層されたディスク積層体20が載置され、収納されている。
20 ディスク積層体
21 薄型光ディスク(薄型ディスク)
21a 円盤状平面
21b 中心孔
21c 吸盤接触領域
22、22A、22B スペーサ
22a 円盤状平面
22b 中心孔
22c、22f、22g 空気流入孔
22d 吸盤接触領域
22e 円心部近傍領域
100 ディスク搬送機構
110 昇降軸
120 吸盤保持部材
130 吸盤(吸着搬送部材)
400 スペーサストッカ
700 ディスクカートリッジ
710 ディスクトレイ
712 載置部
800 ドライブ装置
810 ドライブトレイ
Claims (8)
- 吸着搬送部材により吸着搬送される複数の薄型ディスクと複数のスペーサとが一枚ずつ交互に積層されるディスク積層体であって、
前記スペーサの前記薄型ディスクに対向する領域のうち前記吸着搬送部材が接触する領域よりも中心側の領域に、前記薄型ディスクと前記スペーサとの間に空気を流入させる空気流入孔を少なくとも1箇所以上に設けたことを特徴とするディスク積層体。 - 前記空気流入孔は、前記吸着搬送部材が接触する領域より中心側となる中心孔を囲む円心部近傍領域に穿孔することを特徴とする請求項1に記載のディスク積層体。
- 前記空気流入孔は、前記薄型ディスクに対向する前記スペーサの対向面に、穿孔時に形成されたバリが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスク積層体。
- 前記空気流入孔は、開口総面積が前記薄型ディスクの面積に対して0.05%〜15%の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のディスク積層体。
- 前記スペーサの厚さは0.2mm以下であり、当該スペーサにおける前記通気性が、JIS−L−1096A法の通気性定義で、1cm3/cm2/秒以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のディスク積層体。
- 前記スペーサの外径は、前記薄型ディスクの外径以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のディスク積層体。
- 筐体と;
前記筐体に対して出し入れ可能に取り付けられているディスクトレイと;
前記ディスクトレイに載置されている請求項1〜6の何れかに記載のディスク積層体と;を備えるディスクカートリッジ。 - 前記ディスク積層体は、最下位の前記スペーサが前記ディスクトレイの載置部と接していることを特徴とする請求項7に記載のディスクカートリッジ。
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