以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
まず本実施形態の手法について説明する。近年、カメラ等の撮像装置が安価になる、或いはスマートフォン等の撮像機能を有する携帯端末が普及する等の要因により、多くの静止画像や動画像が記録、保存、共有されるようになっている。
特に、インターネット等のネットワーク環境の普及に伴い、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)等の環境を利用し、自身が撮像した画像情報をネットワーク上で共有することも行われるようになっている。SNSとしては、例えばユーザ間のコミュニケーションを目的として、種々のデータを送受信するサービスが考えられ、その場合には所与のユーザが送信した画像情報に対して、他のユーザがアクションを行う(例えばコメントを送信する)という形態で画像情報を記録、共有する。
従来のSNSにおいては、画像情報の撮像処理、及びサーバシステムへの送信処理は、サービス利用者側が自由なタイミングで行うことが通常であった。或いは、所与のユーザが特定の属性を有する(例えば特定に被写体を撮像している等)画像情報のサーバシステムへの送信を、SNS上で呼びかけることで、当該呼びかけを起点に複数のユーザが一斉に画像情報を送信するというケースは従来も行われていた。
しかしどちらにせよ、SNS等のシステム提供側(例えばシステム提供用のサーバシステム)が、明確に撮影イベントの開始通知情報を配信することは想定されていない。そのため、SNS上には画像情報が多く投稿され、また投稿された画像情報はその投稿の起点となったテーマが決まっていたり、当該画像情報に対して他のユーザによる評価等の処理が行われているにもかかわらず、それらの情報を有効に活用するプラットフォームは提供されていない。つまり、有用な付加情報(メタデータ)を有する画像情報があったとしても、それらを画像データベース化する等の手法により有効活用することは考えられていなかった。
そのため、画像データベースの構築等、画像情報の活用を図ろうとした場合に必要となる処理の実現も考えられていない。例えば、画像データベースを構築するに当たっては、画像情報が大量に収集されること、及び収集された画像情報に高精度且つ多様性に富んだメタデータが付加されていることが重要になる。よって、ユーザによる画像情報の取得及び送信を促進することが望ましく、例えば所与のテーマに沿って複数のユーザが画像情報を投稿し、その優劣を競うようなサービスを提供することが効果的である。しかしながら、画像情報に対する評価結果に応じて何らかの特典を用意する、或いは優劣を競う際の評価処理において不正行為を抑止する、といったサービスの提供上有用と考えられるシステムが実装されていない。さらにシステム側(サーバシステム側)でこれらの機能を提供しない以上、セキュリティ等の観点から大きな権限を与えられないことが一般的であるサービス利用者が自らそのような仕組みを用意することは困難である。
そこで本出願人は、サーバシステムからの撮影イベントの開始通知情報の配信を起点として、複数の端末装置から効率的に大量の画像情報を取得する手法を提案する。具体的には、サーバシステムは開始通知情報を配信するとともに、当該開始通知情報の配信に応じて端末装置から送信された画像情報の評価処理等を行う。また、端末装置ではサーバシステムからの開始通知情報に基づいて撮像処理を行う。
ここで撮影イベントの開始通知情報とは、ソーシャルネットワーキングサービス(以下SNS)で送信されるソーシャルデータ(狭義にはそのうちのツイートデータ)であってもよい。ソーシャルデータとは、SNSにおいてユーザにより投稿されるデータ全般を指すものとする。SNSは、複数のユーザ間でのインタラクション、コミュニケーションを行うためのバックグラウンド、及びそのための付随的なサービスを提供するものである。よって本実施形態のソーシャルデータとは、当該ソーシャルデータの発信者が、ソーシャルデータ受信者(特定、不特定を問わない)に対して自身の考え等を提示するデータが想定される。
そのため、ソーシャルデータは典型的にはユーザの思想感情を表現した文章データとなることが想定されるが、必ずしもそれに限定されず写真データや動画データであってもよい。また、ソーシャルデータが文章データである場合、当該ソーシャルデータが1つの単語から構成されることは妨げられないが、コミュニケーション等を目的に発信される情報であることに鑑みれば、基本的には複数の文節からなる文章として構成されることが想定される。また、ソーシャルデータ自身は文字列データであっても、当該文字列データの一部又は全部に、写真データや動画データ等への参照情報(リンク)が含まれてもよい。なお、本実施形態においてソーシャルデータの投稿に用いられるシステム(例えば具体的なサービス)は限定されない。つまり、本実施形態にかかるサーバシステムは、ユーザからのソーシャルデータの受け付け、記憶、配信を行うソーシャルサービスサーバを含むことで、ソーシャルデータ配信に関するSNSを提供するものであってもよい。或いは、本実施形態のサーバーシステムはソーシャルデータ投稿・閲覧用SNSの提供は行わずに、他のSNSにより管理されているソーシャルデータを取得してくるものであってもよい。
また、ツイートデータとは、ソーシャルデータの一種であり、SNS上で投稿された、典型的にはユーザの思想感情を表現した文章データを少なくとも含む、マルチメディアデータのことであり、コミュニケーションサービス「Twitter」で、投稿されたメッセージも含まれる。以下、ソーシャルデータとしてツイートデータを例にとって説明する。ただし、ソーシャルデータはツイートデータ以外のデータ(例えば文章データを含まない画像データ、動画データ等から構成されるデータ)であってもよく、以下の説明におけるツイートデータという用語は、ツイートデータ以外のソーシャルデータに置き換えることが可能である。
本実施形態のツイートデータは、発信者の思想感情の表現等に用いられるものであるため、従来手法のシーンや撮影リストと異なりその内容の自由度が非常に高い。なお、ボットと呼ばれるプログラムによるもののように、時事的な既存の記事を組み合わせる等の手法によりコンピュータが自動的に作成するツイートデータも存在する。この場合、ツイートデータは発信者の思想感情を表すものとはならないが、その内容の自由度が高い点は、ユーザにより投稿されるツイートデータと変わるものではない。
従来においても、事前にシーンや撮影リストを準備し、当該撮影リスト等に合致する画像情報を撮像することで、取得される画像情報の有用性を高める(画像情報に付加されるメタデータの精度を高める)手法等は用いられていた。しかしシーンや撮影リストといった情報は内容の多様性に乏しい、撮影を行うユーザ自身による編集が想定されていない、当該撮影リスト等の利用ユーザが限定されることで取得される画像情報の数が少ない等の問題により、画像情報の有用性向上は限定的であった。
その点、ツイートデータに対応して撮像した画像に対して、ツイートデータから作成したメタデータを付加することで、画像データベースに含まれるメタデータの種類を豊富なものにできる。また、ツイートデータを多くのユーザに対して配信することにより、同一ツイートデータに対して多くの画像情報を紐づけることが可能になる。よって、ツイートデータからメタデータを作成した場合に、1つのメタデータに対して多くの画像情報が対応づけられることになり、画像データベースを利用する有用性が向上する(例えば画像データベースを用いた解析処理の精度が向上する)。
以下、本実施形態に係る端末装置、サーバシステムを含む情報処理システムの構成例を説明した後、開始通知情報の送信から評価処理等までの処理フローを述べる。さらに、評価処理や評価特典情報の詳細について説明する。その後、本実施形態の手法を用いたサービスの一例等について説明する。
なお、以下では説明をわかりやすくするために、撮影イベントの開始通知情報として上述したツイートデータを例にとって述べる。ただし、開始通知情報はツイートデータに限定されるものではなく、以下の説明におけるツイートデータを他の開始通知情報に置き換えることが可能である。
2.システム構成例
図1に本実施形態に係る撮像装置(200−1等)と、サーバシステム300等を含む情報処理システムの構成例を示す。情報処理システムは、ツイートデータ(広義には撮影イベントの開始通知情報、以下同様)を送信する配信側端末装置100と、当該ツイートデータの配信を受ける複数の撮像装置(200−1〜200−N)と、サーバシステム300を含み、それらはネットワーク10を介して接続されている。
配信側端末装置100は、ツイートデータの配信者により操作される端末装置である。配信側端末装置100は、PCであってもよいし、スマートフォン等の携帯通信端末であってもよいし、ツイートデータの入力・送信が可能な他の装置であってもよい。
撮像装置200−1等は、ツイートデータの配信を受けて、当該ツイートデータに対応する画像情報を撮像、送信する装置である。
また、図1では撮像装置200−1等が直接ネットワーク10に接続されているがこれに限定されず、他の装置を介してネットワーク10に接続されてもよい。例えば、撮像装置200−1は通信機能を有さない端末装置であり、当該撮像装置を通信機能を有するPCに接続する利用形態であってもよい。この場合、PCがネットワーク10を介してツイートデータを取得し、取得したツイートデータを有線或いは無線でPCに接続された撮像装置に転送する。そして、撮像装置は転送されたツイートデータに対応する画像情報を撮像する。撮像時は、撮像対象の多様性を確保する(被写体をPC周辺のものに限定しない)こと、及びユーザの利便性を考慮すれば、撮像装置とPCは接続されていないことが想定される。撮像終了後には、再度撮像装置とPCが接続され、撮像装置から画像情報がPCに転送され、PCは当該画像情報をサーバシステム300に送信すればよい。
例えば、図2に示したようにサーバシステム300とネットワーク10を介して接続されるPC30と、撮像装置200とを接続する。PC30と撮像装置200との接続は例えばUSB端子を用いた接続を行えばよく、図2に示したようにPC30のUSB端子と有線接続されたクレードル20を用い、当該クレードル20に撮像装置200を設置すればよい。ただし、PC30と撮像装置200の接続は、図2の手法以外にも種々の形態が考えられる。
サーバシステム300は、ツイートデータの取得・配信、及び当該ツイートデータに対応した画像情報の取得等を行う。サーバシステム300は、例えば図1に示したように、ツイートデータ配信サーバ310と、画像サーバ320と、アプリケーションサーバ330とを含んでもよい。
ツイートデータ配信サーバ310は、配信側端末装置100が送信したツイートデータを取得する。本実施形態のサーバシステム300がツイートデータを共有するためのSNS(画像の共有に限定されず、ツイートデータのやりとりを行うことによるコミュニケーションサービス)の提供を行う場合であれば、配信側端末装置100から直接ツイートデータを取得することが想定される。また、ツイートデータの送受信等を行う他のSNSを利用して、当該SNSにおけるツイートデータを取得する場合も考えられる。この場合、配信側端末装置100は本実施形態のサーバシステム300に含まれない外部サーバに対してツイートデータを送信し、ツイートデータ配信サーバ310は、当該外部サーバからツイートデータを取得することが想定される。そして、ツイートデータ配信サーバ310は、取得したツイートデータを、撮像装置200−1〜200−Nに対して配信する。
画像サーバ320は、撮像装置200−1〜200−Nからの画像情報を取得する。画像データベースの構築等を考慮すれば、画像情報に対してはメタデータが付加されることが想定されるが、メタデータの付加手法等については詳細な説明は省略する。なお、メタデータの付加処理を行う主体は種々考えられ、撮像装置200−1〜200−N側でメタデータが付加されていてもよいが、画像サーバ320において、メタデータの作成と当該メタデータの画像情報への付加等を行ってもよい。また、画像サーバ320は画像情報の保存等も行う。
アプリケーションサーバ330は、撮像装置200−1〜200−Nを操作する各ユーザによる、画像情報の送信等を促進するための種々のアプリケーションを提供する。例えば、アプリケーションサーバ330は、所与の撮像装置から送信された画像情報を、サービス利用者に対して公開するサービスサイト(例えばWebサイト)の提供や、当該サービスサイト等を利用した画像情報の評価システムの提供、評価が高い画像情報を送信したユーザに対する特典情報の作成、送付等の各処理を行う。
図3に配信側端末装置100、撮像装置200(撮像装置200−1〜200−Nのうちの1つ)、サーバシステム300の詳細な構成例を示す。ただし、配信側端末装置100等は図3の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
配信側端末装置100は、ツイートデータ入力部110と、送信処理部120を含む。ツイートデータ入力部110は、ツイートデータ配信者によるツイートデータの入力を受け付ける。送信処理部120は、入力されたツイートデータの送信処理を行う。送信処理部120による送信処理の対象は、サーバシステム300であってもよいし、本実施形態のサーバシステム300には含まれない外部サーバ等であってもよいのは上述したとおりである。
撮像装置200は、通信部210と、撮像部220と、処理部230と、表示部240とを含む。
通信部210は、サーバシステム300との通信処理を行う。具体的には、配信側端末装置100から送信され、サーバシステム300のツイートデータ送信部313により配信されるツイートデータの受信、及び撮像部220で撮像された画像情報(撮像画像)の画像取得部321への送信等を行う。撮像装置200はユーザにより携帯されること、及び外出先等からも撮像画像を送信する要求があり得ることを考慮すれば、通信部210は無線通信を行うことが想定される。ただし、通信部210が有線通信を行うことを妨げるものではない。
撮像部220は、撮像光学系及び撮像素子等を含み、通信部210が受信したツイートデータに対応する撮像画像の撮像を行う。
処理部230は、撮像画像に対する画像処理や、撮像装置200の動作制御処理等の種々の処理を行う。処理部230で行われる具体的な処理については、図5、図6等を用いて後述する。
表示部240は、各種の表示画面を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどにより実現できる。撮像装置200における表示部240の位置や大きさ等は種々考えられるが、一例としては図4に示すように撮像装置200の背面に設けられてもよい。なお、表示部240はファインダーとして用いられることで撮像対象となる被写体を表示してもよいし、撮像画像等の画像情報を表示してもよいし、図4に示すようにツイートデータを表示してもよい。
サーバシステム300は、ツイートデータ取得部311と、ツイートデータ送信部(送信処理部)313と、画像取得部321と、メタデータ付加部323と、記憶部325と、処理部331を含む。
ツイートデータ取得部311は、配信側端末装置100の送信処理部120から送信されたツイートデータを取得する。ツイートデータ送信部313は、ツイートデータ取得部311が取得したツイートデータを撮像装置に対して送信する。図3ではツイートデータの送信対象として撮像装置200を示したが、実際には図1の撮像装置200−1〜200−Nのように複数の送信対象があることが想定される。なお、ツイートデータ取得部311とツイートデータ送信部313は、図1に示したツイートデータ配信サーバ310に含まれてもよい。
画像取得部321は、撮像装置200の通信部210から、撮像画像(画像情報)を取得する。なお、撮像装置200側でメタデータの作成が行われている場合には、作成されたメタデータを撮像画像に合わせて取得してもよい。メタデータ付加部323は、取得した撮像画像にメタデータを付加する。付加されるメタデータは、撮像装置200側で作成されたメタデータであってもよいし、サーバシステム300において作成したメタデータであってもよい。記憶部325は、画像情報(特にメタデータが付加された画像情報)を記憶するもので、その機能はRAM等のメモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現できる。なお、画像取得部321と、メタデータ付加部323と、記憶部325は、図1に示した画像サーバ320に含まれてもよい。
処理部331は、サーバシステム300における種々の処理を行うもので、例えば図1に示したアプリケーションサーバ330に含まれてもよい。処理部331は、評価処理部3311と、特典情報作成部3313と、認証処理部3315を含む。
評価処理部3311は、ツイートデータの配信に対応して撮像装置200−1〜200−Nにおいて撮像、送信された画像情報に対する評価処理を行う。評価処理部3311での評価処理の詳細について後述する。
特典情報作成部3313は、評価処理の結果に基づいて、撮像装置200−1〜200−Nを操作するユーザのうち選択されたユーザに対して送信される評価特典情報を作成する。評価特典情報は、評価処理において高い評価を取得したユーザ(具体的には評価の高い画像情報を送信したユーザ)に対して付与される特典であり、その内容は種々考えられるが、本実施形態の手法により画像情報の送信を行うユーザグループ内において、普遍的に価値の高い情報を選択することが望ましい。
認証処理部3315は、ツイートデータの送信、及び画像情報の取得の際に、対象となる撮像装置の特定及び認証処理を行う。例えば、本実施形態の情報処理システムがSNS等のサービスの一部として提供される場合には、認証処理部3315はサーバシステム300への接続が当該サービスの正規ユーザ(登録ユーザ)によるものか否か等を判定すればよい。認証処理に基づく処理の一例としては、ツイートデータ送信部313は、認証処理部3315が保持する登録ユーザ情報に基づいて、登録ユーザの撮像装置200−1〜200−Nに対してツイートデータを送信することが考えられる。また、画像取得部321は、撮像装置200−1〜200−Nから画像送信のための接続が試行された場合に、登録ユーザからの接続については画像情報の取得を行い、非登録ユーザからの接続については画像情報の取得を拒否してもよい。
3.処理の流れ
次に図5を用いて本実施形態の処理の流れを説明する。本実施形態では、まず配信側端末装置100でツイートデータが入力、送信される(S101)。サーバシステム300は、配信側端末装置100から送信されたツイートデータを直接、或いは他のサーバ等を経由して取得する(S102)。そして、取得したツイートデータを撮像装置200に対して配信する(S103)。この配信処理は、複数の撮像装置(200−1〜200−N)を対象にすることが想定され、例えば上述したように登録ユーザの端末装置にツイートデータを配信する処理となる。つまり、撮像装置200での処理(後述するS104〜S108,S112)は、ツイートデータが配信された各撮像装置で行われるものであるが、図5では便宜上1つの撮像装置での処理として説明する。
撮像装置200は、サーバシステム300から配信されたツイートデータを受信した場合に、撮像部220等における撮像動作をイネーブルに設定する(S104)。この設定処理は、ツイートデータの配信状況に応じて、撮像動作を制限する或いは当該制限を解除することを考えたものである。画像データベースの構築等では、画像情報に付加されるメタデータの精度が求められることは上述したとおりであり、そのためにはツイートデータと撮像画像の関連度合いを高くすることが重要である。しかし、ツイートデータが先にあって、撮像画像をそれに合わせて取得するという本実施形態の手法では、ツイートデータと撮像画像の関連度合いは、撮像画像撮像時における撮像装置200を操作するユーザの意欲等に依存する。例えば、所与のツイートデータの配信からかなり時間が経過した場合には、当該ツイートデータに対するユーザの注目度は低くなると考えられる。そのため、意欲的な撮像を促進するためにも、古いツイートデータに対する撮像を制限するとよい。特に本実施形態では、画像情報に対する他者の評価処理を想定していることから、画像情報を取得するユーザ自身だけでなく、評価を行う他のユーザにとっても(言い換えればSNSのコミュニティ全体にとっても)、新しいツイートデータの注目度が高いことになるため、この制限処理(及び制限解除処理)はより効果的であるといえる。
その後撮像装置200は、ツイートデータを受信した旨をユーザに通知する(S105)。この通知処理は、例えば通知音を発生させたり、LEDを点灯させることで行ってもよい。或いは撮像装置200とは異なる装置において通知処理を行ってもよい。例えば撮像装置200にツイートデータが配信された場合に、同一のユーザの利用するスマートフォン等で通知が行われてもよい。スマートフォン等での通知はアラームを鳴らしたり、バイブレーション機能による通知等、種々の手法をとることができる。なお、この場合のスマートフォン等への通知指示は、サーバシステム300が、登録ユーザの利用するスマートフォンのネットワークアドレス(例えば電子メールアドレス)等の情報を保持しているのであれば、サーバシステム300から行うことが想定されるが、他の手法により指示が行われてもよい。
次に、撮像装置の表示部240に、図4に示したように、配信されたツイートデータを表示する(S106)。なお、S106の表示が、S105でのユーザへの通知処理を兼ねてもよい。この場合、それまでスリープ状態であったり、他の画面を表示していた表示部240が、新たなツイートデータを表示することで、ツイートデータの配信をユーザに通知することになる。
ツイートデータが表示されたら、当該表示に起因して行われたユーザによる撮像操作を受け付け、撮像画像を撮像する(S107)。そして、撮像装置200は、S107で撮像した撮像画像を、サーバシステム300に対して送信する(S108)。この際、撮像画像に対してメタデータ(例えばツイートデータに基づいて作成されたメタデータ)を関連づけて送信してもよい。
サーバシステム300は、撮像装置から送信された撮像画像を取得し(S109)、取得が正常に行われた場合には、その旨を表す受信確認情報を撮像装置200に対して返信する(S110)。また、受信した撮像画像は画像サーバ320(狭義にはその記憶部325)に記憶される(S111)。
撮像装置200は、サーバシステム300から受信確認情報を受信した場合には、
ツイートデータの配信状況に応じて、S104でイネーブルとした撮像動作の実行に対して再度制限処理を行ってもよい(S112)。S112の処理は、例えばS104でのツイートデータに対して撮像画像が送信され、且つ当該ツイートデータの受信から所与の期間、他のツイートデータの受信処理が行われなかった場合に行われることが考えられる。なお、S112での制限処理は、受信確認情報の受信状況によらず、ツイートデータの配信状況に基づいて行ってもよい。
次に、図6を用いて本実施形態の評価処理フェーズの流れを説明する。この評価処理フェーズは例えば、サーバシステム300によるツイートデータの配信後、撮像装置200−1〜200−N等による当該ツイートデータに対応する撮像画像の撮像・送信が終了した後に開始されてもよい。撮像画像の撮像・送信の終了タイミングとは、図5のS112で説明したように、撮像動作が制限されるタイミングであってもよいし、後述するように新たなツイートデータの配信により以前のツイートデータに対する撮像等が制限される場合には、当該新たなツイートデータの配信タイミングであってもよい。
また評価処理フェーズは、所与のツイートデータに対する複数のユーザの撮像が全て終了してから行われるものに限定されず、所与のユーザが撮像画像をサーバシステム300に送信した場合に、他のユーザの送信を待たずに、当該撮像画像に対する評価処理を行ってもよい。この場合、早く送信するほど先に評価処理の対象となるため、撮像画像を送信するユーザにとっては、自身の撮像画像に対する他のユーザの注目度が高まる等の効果が期待でき、本実施形態の撮像装置200−1〜200−N等を利用するユーザの撮像意欲を向上させることが可能である。
評価処理フェーズが開始されると、まずサーバシステム300は評価処理の対象となる撮像画像のサムネイル画像を作成し(S201)、作成したサムネイル画像を評価情報の作成主体である撮像装置等に配信する(S202)。
ここでサムネイル画像としては図7(A)〜図7(C)に示した手法により取得されるサムネイル画像であってもよい。サムネイル画像とは、その元画像である撮像画像に対応する画像であって、当該撮像画像に比べて解像度が低い画像を表し、ここでは図7(A)に示す撮像画像が取得された場合に、図7(B)或いは図7(C)のようなサムネイル画像が作成されるものとする。図7(B)のサムネイル画像は、図7(A)の撮像画像と同程度の画角の被写体範囲を撮像したものであり、例えば撮像画像に対して均一的な画素間引き処理を行うことで作成される。また、図7(C)のサムネイル画像は、所与の被写体(図7(C)の例であれば家)については撮像画像と同程度の解像度を有するものの、撮像画像に比べて狭い画角の被写体範囲を撮像したものであり、例えば撮像画像の一部の領域をトリミングすることで作成される。
なお、サムネイル画像はサーバシステム300において作成されるものに限定されず、図5のS108で撮像装置200が作成したサムネイル画像をネットワーク10を介して取得するものであってもよい。撮像画像そのものではなく、解像度を落としたサムネイル画像を配信するのは、ネットワーク10の通信負荷等を考慮したものである。
また、ここではサーバシステム300から撮像装置200に対してサムネイル画像を送信するものとしたがこれには限定されない。例えば、撮像画像を参照するための参照情報(狭義には撮像画像に対応するURLが記載された情報等)を送信してもよい。或いは、撮像装置200を操作するユーザが、撮像画像閲覧用のWebサイトを知っているという前提であれば、新たな撮像画像が投稿されたという旨を示すテキストデータだけを送信してもよい。つまり本実施形態では、サーバシステム300は撮像画像に関する撮像画像情報を撮像装置200−1〜200−Nに提供できればよく、撮像画像情報としては上述したサムネイル画像、参照情報、テキストデータ等が考えられる。以下の説明ではサムネイル画像の送信を行うものとして説明するが、サムネイル画像を他の撮像画像情報に置き換えることが可能である。
図6では、評価対象である撮像画像は第2の撮像装置において撮像・送信されたものである。よって、S202でのサムネイル画像の配信処理の対象は、複数の撮像装置200−1〜200−Nのうち、第2の撮像装置を除いた他の撮像装置となる。ただし、図6では他の撮像装置のうち、第1の撮像装置での処理を図示している。
第1の端末装置は、サーバシステム300からサムネイル画像を受信し(S203)、受信したサムネイル画像に対する評価を表す評価情報を送信する(S204)。評価情報の内容については種々考えられるが、詳細については後述する。
なお、評価情報の送信は撮像装置において行うものに限定されず、ツイートデータを送信した配信側端末装置100で行われてもよい。つまり、サーバシステム300はサムネイル画像を配信側端末装置100にも送信し、配信側端末装置100がサムネイル画像の受信(S209)、及び評価情報の送信(S210)を行ってもよい。
サーバシステム300は、第1の撮像装置(及び図6に不図示であるがその他の撮像装置)と配信側端末装置100から受信した評価情報に基づいて、評価処理を行う(S205)。評価処理の詳細については後述する。そして、評価処理の結果として、撮像画像に対する評価が高かった場合には、当該撮像画像を送信した第2の撮像装置に対して、評価特典情報を送信する。具体的には、評価特典情報を作成し(S206)、作成した評価特典情報を第2の撮像装置に送信する(S207)。評価特典情報の作成主体、作成タイミング、その具体的内容等は種々考えられるが、詳細は後述する。送信された評価特典情報は、第2の撮像装置により取得される(S208)。
4.本実施形態の手法の具体例及び変形例
次に本実施形態の手法の具体例について説明する。
4.1 評価処理
まず、評価処理の詳細について説明する。具体的には、撮像装置200−1〜200−N等、及び配信側端末装置100から送信される評価情報の内容、及び当該評価情報を用いた評価処理を説明した後、評価処理の公平性を保つためのサーバシステム300における処理を説明する。
4.1.1 評価情報の詳細
撮像装置200からの評価情報の送信処理は、例えば撮像装置200の表示部240及び操作部(図4のボタン等)を用いて行えばよい。評価情報の送信処理を行う際に、撮像装置200の表示部240に表示される画面の例を図8に示す。ここでは、撮像の起点となったツイートデータをC1に表示し、当該ツイートデータに対応して撮像され、且つサーバシステム300により配信された評価対象となる撮像画像(狭義にはそのサムネイル画像)がC2に表示されている。ツイートデータの表示は必須ではないものの、本実施形態の撮像画像はツイートデータの配信を起点として行われ、当該撮像画像の評価にはツイートデータとの関連度合いも考慮されることを考えれば、C1の表示領域が画面上に配置されることが望ましい。なおC1は、ツイートデータの送信者が自身を表すものとして用いているアイコン画像C11と、送信者の用いているユーザ名C12と、複数配信されることが想定されるツイートデータのうち、C2に表示される画像と対応する1つのツイートデータの本文C13とを表示するものとしているが、これに限定されない。
図8の例では、撮像装置200での評価情報はC3の領域を用いてサーバシステム300に送信される。例えば、C31に示したように、C2に表示された画像(狭義にはC2のサムネイル画像に対応する撮像画像)の評価を高めるボタンを設け、当該ボタンが押下された場合に、その旨を表す情報を評価情報としてサーバシステム300に送信する。この場合、図6のS205においてサーバシステム300で行われる評価処理とは、複数の撮像装置200−1〜200−N(狭義にはそのうちC2に対応する撮像画像を送信した撮像装置ではないもの)から、C31のボタンの押下を表す評価情報を受信した回数の総和を求める処理となる。なお、点数を決定する際のインターフェースはこれに限定されるものではない。例えば表示部に表示されている評価対象の画像に対する操作時間(タッチパネルの機能を有する表示部であれば、表示された評価対象画像の領域を押している時間)等を計測し、長いほど点数が高くなる等の手法でもよい。
或いは、図8のC32に示すように、一定の点数を満点とした場合のC2に表示された画像の点数を選択する表示を設け、当該表示を用いて選択された点数を評価情報としてサーバシステム300に送信してもよい。図8の例では、5つの星印を表示し、左からN番目の星印の選択処理(例えば物理ボタンを用いたカーソルの移動処理)が行われた場合に、左からN個の星の色を変更することで、点数としてN点が選択されていることをユーザに通知する。そして、その状態で左からN番目の星印の決定処理(例えば物理ボタンである決定ボタンの押下)が行われた場合に、N点という点数を表す評価情報をサーバシステム300に送信する。この場合、図6のS205においてサーバシステム300で行われる評価処理とは、複数の撮像装置200−1〜200−N(狭義にはそのうちC2に対応する撮像画像を送信した撮像装置ではないもの)から送信された評価情報により表される点数の、総和或いは平均等を求める処理となる。
ただし、評価情報の内容、及び当該評価情報を用いた評価処理はこれに限定されるものではない。例えば評価情報は数値化が容易なものに限定されず、文章データであるコメント情報等であってもよい。或いは、図14に示したように画像の一部に対して評価を行い、その結果を評価情報としてもよい。
4.1.2 メタデータに基づく評価処理
上述したとおり、評価情報とは撮像画像を閲覧したユーザの操作に基づいて作成される情報であり、閲覧ユーザにとっての当該撮像画像の良し悪しを表すものである。ただし、評価処理はそのような評価情報に基づいて行われるものに限定されず、撮像画像に紐づけられたメタデータに基づいて行われてもよい。
メタデータの具体例を図15に示す。メタデータはツイートデータ(広義には撮影イベントの開始通知情報)に基づいて作成されてもよい。具体的には、ツイートデータの作成タイミング、送信タイミング、作成場所、或いは作成に要した時間がメタデータとして考えられる。また、ツイートデータとして文章データを想定した場合には、ツイートデータそのもの(文章全体)、抽出された単語、当該単語に対して統計データから重み付けしたもの(例えば、抽出された単語のうち使用頻度の高低に応じて選択された単語)、先頭・末尾から処理数の文字、アスキーアートや顔文字が含まれる場合には当該文字列等がメタデータとなる。
また、一般的な撮像を行った場合に取得される撮影情報をメタデータとしてもよく、具体的には図15に示したように、ツイートデータの受信タイミングから送信対象となった撮像画像の撮像までに要した時間、撮像画像の送信までに行われた撮像の回数、ボタンやレバー等の操作履歴、或いは撮像画像の撮像から送信処理までに要した時間等がメタデータとなる。その他Exif(Exchangeable image file format)や、その他撮影を行う際に一般的に取得される情報をメタデータとすることもできる。Exifには、撮影機器のメーカー名、モデル名の他、シャッタースピード、絞り、焦点距離等の撮像条件を表す情報等が含まれる。
ただし、メタデータの作成に用いられる撮影情報は、ツイートデータ取得後のものには限定されない。例えば、ツイートデータの取得前においても、撮影回数や操作回数が多いユーザは、撮影スキルの高い熟練者であると見なすことができる。画像情報の撮像がそのような熟練者により行われたのか否かは、当該画像情報を表す情報として用いることができるため、ツイートデータ取得前の撮影情報に基づいてメタデータを作成することは可能である。
また、一般的な撮像時には注視しない情報や、別センサ等を追加することで取得される情報をメタデータとしてもよい。これらはユーザの行動に関する情報となることが想定されるため、ここでは行動情報と表記する。具体的には、図15に示したように、ツイートデータを受信してから、それを表示部で閲覧するまでの時間や、送信対象となった撮像画像の撮像時におけるシャッターを半押し時間をメタデータとする。或いは、GPSや歩数計を用いて、撮像場所、ツイートデータ取得してから撮像までの移動距離、移動の際の歩数等をメタデータとしてもよい。
ただし、メタデータの作成に用いられる行動情報は、ツイートデータ取得後のものには限定されない。例えば、ツイートデータの取得前においても、撮像場所を頻繁に変更して撮像を行っているユーザは、画像情報の撮像に対して意欲的なユーザであるという判定ができるため、そのような行動情報はメタデータの作成に用いることができる。また、本実施形態では、撮像がツイートデータの取得後に行われるものには限定されない。つまり、端末装置200で事前に撮像しておいた画像が、たまたまその後取得されたツイートデータと合致する場合には、その画像情報をサーバシステム300に送信してもよい。その場合、重要となるのはツイートデータ取得後の行動情報ではなく、撮像時の行動情報ということになる。この場合には、ツイートデータ取得前の行動情報が、メタデータの作成において有用である。
次に、各メタデータを用いた具体的な評価手法の例について説明する。なお、全てのメタデータが評価処理に用いられるとは限らず、評価処理には有用ではないメタデータがある場合も考えられる。
例えば、ツイートデータの作成タイミング、送信タイミングについては、それらのタイミングに対してどれだけ早く(タイムリーに)画像が収集されたかという観点から評価処理を行うことができる。例えば、撮影情報に含まれる撮影時刻との比較を行い、より近いタイミングであるほど評価を高くすればよい。
ツイートデータの作成場所については、撮影場所を表すメタデータとの対比で用いることができる。例えば、ツイートデータが日本で作成された場合、ツイートデータの作成ユーザにとっては、撮影場所が日本である画像情報(日本の風景、町並み、動物等を被写体とした画像)はありふれたものと考えられるが、外国で撮影された画像はレアなものとなり、高い評価を与えるようにすることが考えられる。
また、ツイートデータそのものを用いる場合には、当該ツイートデータから抽出された単語の総数が少ないほど評価を高くするとよい。単語数が多い場合には、撮像画像がそれらのうち一部としか合致しないこともあり、それ以外の単語はメタデータとしての精度が低くなる。一方で、単語数が少なければ、各単語は撮像画像の特性を特定するキーワードとしての信頼性が高いと考えられる。
また、ツイートデータから抽出された単語については、時事単語(例えば直近数日〜数ヶ月において新聞等のメディアで多く用いられた単語)である場合、或いはインターネットでの検索サイト等で高頻度で入力される検索ワードである場合等に評価を高くする。また、文章表現、会話表現における使用頻度等の統計データ等に基づいて、単語に重み付けをした場合には、当該重み付け等をスコアとして、スコアの高い単語である場合(或いは複数の単語が連結して一単語を構成する場合には、スコアの高い単語を含む場合)に評価を高くするとよい。
また、ツイートデータの先頭、末尾から所定文字数をメタデータとする場合には、特定のパターンを含んでいるか否かで評価を行うとよい。例えば、文章表現においては感情を顕著に表すパターン(感嘆詞や語尾の変化等)のようにそれが用いられた場合に、発信者の思想感情、或いは発信者が身を置く環境等を推定しうるパターンがある程度定まっている。先頭、末尾から所定文字数を抜き出す場合には、そのパターンに基づいて評価を行う。例えば、感情の動きを重視するのであれば、感情を顕著に表すパターンが含まれる場合に高評価となる。また、「です」、「ます」といった単語を含む文末に典型的に用いられるパターンや、挨拶における締めのパターン等のように、感情表現や情報伝達への寄与が小さいパターンについては、当該パターンが含まれる場合に評価を低くすることも考えられる。
また、ツイートデータの作成に要した時間が長い場合には、当該ツイートデータに含まれる単語等を厳選して用いていることが想定されるため、当該ツイートデータをテーマとした画像の撮像がしやすいことが期待される。よって、作成時間が長いほど評価を高くしてもよい。
また、撮影情報や行動情報のメタデータについては、撮像画像の撮像に際し、ユーザがどれだけ意欲的に取り組んだかを表す指標値として用いることができる。よって、意欲的に取り組んだことが期待される場合に、評価を高くすればよい。
具体的には、ツイートデータの受信後、当該ツイートデータを閲覧するまでの時間、撮像画像を撮像するまでの時間、或いは撮像から送信処理までに要した時間等は、短いほどユーザは意欲的と考えられるため高評価となる。
また、撮影時のシャッター半押し時間、撮影回数、操作回数等の情報は、時間が長い或いは回数が多いほど、構図や撮影条件(焦点距離、絞り、ISO感度等)にこだわりを見せたと言うことであるため、評価を高くする。
同様に、ツイートデータの受信後、撮像画像の撮像までの移動距離や歩数については、移動距離が長いほど、また歩数が多いほど、被写体を探すために労力を払ったと言うことであるため評価が高い。
撮像画像の撮像場所については、上述したようにツイートデータの作成場所との相違が大きいほど高評価としてもよい。或いは、所与のツイートデータに対応して送信された複数の撮像画像の撮影場所を比較してもよい。例えば、あるツイートデータに対して、ほとんどの画像が日本で撮影されている場合に、外国で撮影された画像は、レアなものとなりうるため高評価とする。
また、メタデータに基づく評価では、意欲等とは異なる観点からの評価も可能である。例えば、画像データベースの作成等を考えた場合、収集される画像枚数は多いほど望ましい。つまり、短時間で撮像する、多くの回数撮像する、撮像条件を頻繁に変更する等の行動は大量の画像収集につながりうるものであるため、撮影までの時間、撮影回数、操作回数等はこれらの観点を考慮した場合の評価の指標値としても用いることができる。
その他、メタデータ自体の種類が豊富であったり、同一のメタデータに対して多様な画像情報が紐づけられたりすることも画像データベース等では重要となる。また、ツイートデータの配信に対して、どれだけ早く(タイムリーに)画像を収集できるかということも評価指標となり得るし、ユーザにより厳選された撮像画像であるか否かも当該撮像画像の評価に関係する。上記のメタデータにはこれらの観点での評価にも用いることができるものがあるため、多様なメタデータ、多様な観点から評価処理を行ってもよい。これらの評価観点と、メタデータとの関連性をまとめたものを図15に示す。
以上のように、評価処理は撮像画像に付加されたメタデータからも行うことができる。評価情報を用いた評価処理との差異を考えた場合、評価情報はユーザにより作成される情報であるのに対し、メタデータはシステム側で(例えばサーバシステム300のメタデータ付加部323で)作成される点が異なる。
つまり、評価情報を用いた評価処理は、実際に撮像画像(或いはそのサムネイル画像)を見たユーザからの情報により行われるため、各ユーザの主観が入り込むとはいえ、撮像画像の内容が評価対象となるという利点がある。また、機械的に行われた評価に比べて、人により行われた評価の方が当該評価をされたユーザの意欲向上等が期待できる。
一方で、メタデータに基づく評価処理は、当該メタデータを考慮すれば、メタデータの画像に対する合致度が高いことが期待される、或いはユーザが意欲的に撮像していることが期待される、ということをもって評価が高いとしている。よって、撮像画像の内容をシステムが解析する必要はなく、また他のユーザからの情報も不要であるため、システム内(例えばサーバシステム300内)で評価処理を完結することができるという利点がある。
4.1.3 公平性の担保
次に評価情報を用いた評価処理において公平性を保つための手法について説明する。本実施形態では、各端末装置(200−1〜200−N等)のユーザによる撮像画像の送信等を促進するために、撮像画像に対して高い評価が与えられた場合には、当該撮像画像の送信者に対して評価特典情報を与えるものとしている。よって、複数のユーザが結託することで、特定のユーザの送信した撮像画像に対して意図的に高い評価をする(高い評価を表す評価情報をサーバシステム300に送信する)等の行為が行われうる。しかし、そのような評価特典情報目当ての評価は、実際の撮像画像の良し悪し(例えば撮像画像とツイートデータとの関連度合い)とは無関係に行われうるため、精度の高いメタデータが付加された画像情報を大量に収集し、画像データベースの構築等の処理を行う際には問題となる。
そこで本実施形態では、撮像画像のサムネイル画像を配信する際に、当該撮像画像を撮像したユーザを評価者(他の撮像装置のユーザ)には通知しないものとする。一例を図9に示す。ここでは第1のユーザが、第1の撮像装置を用いて撮像画像を撮像し、サーバシステム300に送信したものとする。サーバシステム300では、後に評価特典情報の送信等の可能性を考慮して、撮像画像と当該画像の撮像主体とを紐づける処理を行うことが想定される。例えば、撮像画像や当該撮像画像のサムネイル画像に対して、第1のユーザ或いは第1の撮像装置を表す情報をメタデータとして付加すればよい。しかし、サムネイル画像の配信先である第2〜第Nの撮像装置において、撮像画像の撮影者を表すメタデータが参照可能であると、第2〜第Nのユーザのうち、第1のユーザと結託したユーザにより不正に高い評価が行われてしまう。そこで本実施形態では、サーバシステム300において、当該メタデータへの第2〜第Nの撮像装置での参照を制限する処理を行う。
つまり、図9に示したように、サムネイル画像と撮影者との紐付けは維持しつつ、その紐付けに用いるメタデータは評価情報の送信者である第2〜第Nのユーザからは見ることができないようにする。このようにすれば、第2〜第Nのユーザからはサムネイル画像に対応する撮像画像の撮影者が特定できなくなるため、不正行為を抑止することが可能になる。
また、所与のユーザが同一ユーザの撮像画像に対して連続して評価を行うことを抑止してもよい。一例を図10(A)、図10(B)に示す。図10(A)に示したように、第1の撮像装置において、第1の撮像画像の撮像・送信が行われ、第1の撮像画像に対応する第1のサムネイル画像が第2〜第Nの撮像装置に送信された場合に、第2の撮像装置から評価情報が送信されたものとする。この場合、図9に示した手法により撮像したユーザの匿名性を高めたとしても、何らかの手法により第2のユーザが第1のユーザの投稿した画像を知ることができる場合等には、第2のユーザにより第1のユーザの撮像画像に対して不正に高い評価が与えられることを抑止できない。
そこで本実施形態では、図10(A)に示した第1の撮像画像の評価後、図10(B)に示したように、第1のユーザから第2の撮像画像が送信された場合には、第2の撮像画像に対する第2のユーザによる評価を制限する。本実施形態の基本的な手法であれば、第2の撮像画像が送信された場合、サーバシステム300は第2の撮像画像に対応する第2のサムネイル画像を第2〜第Nの撮像装置に対して配信する。しかしここでは、図10(A)において第2の撮像装置からは第1の撮像装置からの画像に対する評価が行われていることに基づいて、第2のサムネイル画像の第2の撮像装置への配信処理を行わない。このようにすれば、第2の撮像装置ではそもそも第1の撮像装置で撮像された画像を評価対象とすることができない。よって、第2のユーザにより第1のユーザに対して不正に利益を与える行為が困難となるため、評価処理の公平性を保つことが可能になる。
なお、配信処理がスキップされる期間は、図10(A)の評価情報の送信から所与の期間としてもよい。或いは、第1の撮像装置からの画像に対して評価情報を送信した場合、その後第1の撮像装置から送信されるk枚の撮像画像に対応する配信処理をスキップするものとしてもよい。
4.2 趣向推定処理
評価情報とメタデータ(評価情報も撮像画像に付加されるメタデータとなりうることを考慮すれば、狭義にはツイートデータ、撮影情報、行動情報に基づく情報)に基づいて、評価処理が行われることは上述した。しかしこれらの情報は、撮像画像に対する評価処理には限定されず、他の処理に利用することが可能である。ここでは、メタデータ(狭義にはツイートデータに基づく情報)と評価情報に基づいて、ユーザの趣向を推定する手法について説明する。
本実施形態では、ユーザの用いる撮像装置200に対しては、複数のツイートデータが配信されることが想定される。この場合、全てのツイートデータの配信に対して各ユーザが撮像画像を撮像、送信することは考えにくく、ユーザ毎になんらかの基準に基づいて優先度を設定し、優先度の高い一部のツイートデータに対して撮像画像を送信することが想定される。優先度を決定する基準は種々考えられるが、ユーザの趣味趣向はその1つとなり得る。
例えば、ツイートデータとして、「犬」という単語を含むもの、「猫」という単語を含むもの、「鳥」という単語を含むもの等が繰り返し配信された場合に、「犬」が含まれるツイートデータに対しては撮像画像を高頻度で送信するのに、「猫」や「鳥」については撮像画像があまり送信されないという状況であれば、当該ユーザは犬が好きであると推定することが可能である。
つまり、サーバシステム300において、所与のユーザから送信された複数の撮像画像について、各画像に付加されたメタデータ(ここではツイートデータに基づくもの)を統計的に解析することで、ユーザの嗜好を推定することができる。例えば、メタデータが単語である場合には、各単語について当該単語が付加された撮像画像の枚数をカウントし、その枚数が多いものはユーザの趣向に合致するものと推定すればよい。ただし、単純な枚数のカウントではなく、当該単語が含まれるツイートデータの全配信回数に対する、送信された撮像画像の枚数等の割合を用いてもよい。その他、メタデータが付加された撮像画像から、当該撮像画像を撮像・送信したユーザの趣向を推定する手法は種々の変形実施が可能である。
また、ツイートデータを発信したツイートデータ発信ユーザに関する情報は趣向推定処理において非常に有用である。撮像装置200を用いるユーザが、所与のツイートデータに反応して撮像画像を送信した場合には、当該ユーザはツイートデータの発信ユーザに対して興味を持っていることが想定されるためである。例えば、後述するようにツイートデータ発信ユーザが著名人である場合には、端末装置200を用いるユーザが当該著名人を好んでいるか否かを判定することができる。また、著名人の有する属性(例えば音楽関係者であれば、クラシックミュージックに属する人物か、ポップミュージックに属する人物か等)に応じて、ユーザの趣向を推定可能である。著名人を対象とした場合、趣向推定処理は各ユーザに対するサービス充実(後述するように適切な評価特典情報を送付する等)だけでなく、マーケティングリサーチ等においても有用な情報となり得る。著名人は、その人気の有無により商業的、経済的な影響力が大きく変動するためである。なお、ここでのツイートデータ発信ユーザは人物に限定されない。例えば、近年では企業等の名義でツイートデータが発信されることもあり、この場合は企業自体がツイートデータ発信ユーザとなりうる。
なお、撮影情報や行動情報は、図15からも明らかなようにユーザの趣向の推定には有効ではない情報が多いと考えられる。ただし、撮像装置の操作履歴等のように趣向の推定が可能な情報もある。例えば、近年の撮像装置は夜景モード、スポーツモード、ポートレートモード等の様に、撮像状況に応じてパラメータを自動設定するモード設定が可能なものが増加している。よって夜景モードで撮像した回数が多いユーザは、夜景が好きであるといった推定をすることが可能である。また、絞りやISO感度から画像の明るさについての趣向を推定する、焦点距離等からマクロ撮影が好きか否かを推定するといったこともできる。よって、本実施形態ではツイートデータに基づく情報から趣向推定処理を行う例を想定しているが、それに限定されるものではない。
また、評価情報に基づく趣向推定処理も可能である。この場合、推定対象となるユーザは評価される撮像画像の撮像ユーザではなく、当該撮像画像に対する評価情報を送信する評価ユーザである。この場合も、趣向の内容については「犬」、「猫」等のメタデータを用いて推定する。具体的には、所与のユーザが高い評価を表す評価情報を送信した撮像画像について、当該撮像画像に付加されたメタデータを解析すればよい。例えば、「犬」というメタデータが付加された撮像画像に対して、高い評価をすることが多いのであれば、当該評価ユーザは犬が好きであると推定することができる。
以上の趣向推定処理の結果として得られた情報(以下、ユーザ趣向情報と表記する)の利用形態は種々考えられる。例えば、後述するように評価特典情報の内容を決定する際に用いられてもよい。或いは、ユーザ趣向情報に基づいて、同様の趣向を持つ複数のユーザをユーザグループとしてまとめる処理を行ってもよい。作成したユーザグループは、本実施形態のサーバシステム300において用いてもよい。例えば、図13を用いて後述するような画像セットや他の情報を、サーバシステム300から送信する際に、撮像装置200−1〜200−Nのうち所与のユーザグループに属するユーザの撮像装置のみに送信する等の処理に用いることができる。サーバシステム300からの情報配信は、広告宣伝等の用途であることも想定されるが、情報の内容が配信対象ユーザにとって興味のないものであれば効果が薄く、場合によっては不快感を与えかねない。その点、ユーザ趣向情報に基づいて作成されたユーザグループを用いれば、配信対象ユーザにとって興味があることが推定される情報を配信できるため、このような問題を抑止可能となる。
また、ユーザ趣向情報や、そこから作成されるユーザグループ情報は、外部のサーバシステム等へ送信されてもよい。その場合、送信先のサーバシステムにおけるユーザ趣向情報の利用形態は任意であるが、一例としてはマーケティングリサーチへの応用が考えられる。つまり、市場において何が人気であるか、どのような商品が売れると考えられるか、といった解析を行う際にユーザ趣向情報等を利用可能である。
4.3 評価特典情報の例
次に評価特典情報の具体例について説明する。なお評価特典情報の送信対象となる撮像装置の決定処理は種々の手法により行われてよく、例えば評価処理の結果が点数で表される場合には、点数が一定以上、或いは点数を用いて順位付けをした場合に順位が一定以上の撮像画像を撮像した撮像装置を対象とすることが考えられる。
評価特典情報は、当該評価特典情報を取得できる可能性を提示することで、ユーザの撮像意欲を向上させる情報であれば内容は任意である。よって、評価特典情報は画像情報(静止画像でもよいし動画像でもよい)、音声情報、テキスト情報等種々の情報が考えられる。後述するように、ツイートデータ自体への注目度も高めようとすれば、ツイートデータの送信者が著名人となる場合があり、その際には当該著名人に関する情報を評価特典情報とすればよい。
例えば著名人がアイドルや俳優等であれば、当該著名人を撮像した画像情報や、当該著名人のメッセージを録音した音声情報等は、当該著名人のファンにとっては非常に価値の高いものとなるため、評価特典情報として用いると有用である。また、著名人が小説家等であれば、当該著名人の書き下ろし小説であるテキスト情報等を評価特典情報とすればよい。
なお、評価特典情報の具体的な内容の決定に、上述したユーザ趣向情報を用いてもよい。ユーザの趣味趣向に合致する情報であるほど、それを評価特典情報として取得した場合にユーザの満足度は高くなることが想定されるためである。一例としては、ユーザの趣向を表す単語がユーザ趣向情報として得られているのであれば、評価特典情報のうち当該単語がメタデータとして付加されている情報を、当該ユーザに対する評価特典情報として選択すればよい。
つまり、評価特典情報の送付処理には評価処理の結果と、趣向推定処理の結果(ユーザ趣向情報)の両方を用いてもよい。この場合、評価処理の結果は撮像画像(及びその撮像画像を送信したユーザ)の良し悪しの程度を表す情報であり、評価特典情報の送付対象であるユーザの特定、及び評価特典情報の量や質(画像であれば枚数や解像度)の決定に用いられる。そしてユーザ趣向情報は、特定された送付対象ユーザの趣向に応じて、前記量や質の範囲内で、ユーザの趣向に沿った情報を選択する処理に用いられることになる。
また本実施形態の撮像装置は、図5のS104,S112で説明した撮像動作の制限のように、一般的な撮像装置に比べてその動作が制限される場合がある。これらの制限は、画像情報の有効活用を促進するためのものではあるが、ユーザにとっては利便性に問題を感じることも考えられる。よって、この制限処理を可能な範囲で行わないものとすれば、ユーザは高い評価を得ようと意欲的に撮像を行うと考えられる。そのため、評価特典情報を取得した場合に、制限処理を一部解除するものとしてもよく、その場合評価特典情報としては、撮像装置200を制御する制御情報が考えられる。このようにすれば、容易に評価特典情報を作成することが可能となり、ユーザの意欲維持のためにシステム運営側が多大な負担を強いられることを抑止できる。
4.4 複数のツイートデータを受信する場合の制限処理の例
配信側端末装置100からは、複数のツイートデータが送信されることが想定される。特に、配信側端末装置100が1つに限定されない場合には、複数のツイートデータが送信される可能性はさらに高くなる。そうした場合、撮像装置200での撮像画像の撮像・送信タイミングに所与の制限を加えてもよい。
一例としては、撮像装置200が第1のツイートデータを受信してから、第1のツイートデータとは異なる第2のツイートデータを受信するまでの間だけ、第1のツイートデータについての撮像画像情報の撮像・送信を許可する等の制限である。
図5のS104,S114で説明したように、ツイートデータに対するユーザの注目度が高いことが望ましい。その際、複数のツイートデータが時系列的に配信されれば、サービスを利用するユーザの注目は最新のツイートデータに集まる傾向があると考えられる。つまり、過去の(最新ではない)ツイートデータに対して、いつまでも撮像画像の撮像・送信を許可していても、当該過去のツイートデータに対する注目度は低いはずであり、それに対する撮像画像の撮像において撮影者が意欲的でない可能性が高い。撮影者の意欲等は、撮像される撮像画像とツイートデータとの合致度合い(つまりはツイートデータに基づくメタデータの精度)とも関連しうることから、あえて撮像画像の撮像・取得タイミングを制限することで、画像情報に付加されるメタデータの精度向上を図ることが可能である。
なお、画像情報の取得・送信タイミングの制限手法は上述のものに限定されず、例えば所与のツイートデータに対する画像情報の取得・送信は、後のツイートデータの配信の有無にかかわらず、当該所与のツイートデータの配信後一定期間内に制限する等の手法でもよい。その他、撮像画像の取得・送信タイミングの制限手法は種々の変形実施が可能である。
5.本実施形態の手法を用いたサービスの一例
次に、上述した本実施形態の撮像装置200等を用いたサービスの一例を説明する。ただし、本実施形態の撮像装置200等が、後述するサービスに用いられるものに限定されず、種々の形態での利用が可能であることは言うまでもない。
5.1 ツイートデータ配信者とサービス利用者の設定
本実施形態では、撮影イベントの開始通知情報(ツイートデータの配信)に基づいて、撮像装置において取得された画像情報をサーバシステム300に蓄積することを想定している。この際、ツイートデータと画像情報とがしっかり対応づけられていれば、ツイートデータに基づくメタデータを画像情報に付加することで、種類が豊富で且つ精度の高いメタデータが付加された画像情報を大量に取得することが可能となる。
ツイートデータが上述したようにSNSにおいて送信されるコミュニケーション用データであることを考えれば、それに基づいて作成されたメタデータの多様性は確保できる。しかし、メタデータの精度、及びメタデータが付加された画像情報の量は、撮像を行うユーザの意欲等に依存する。ツイートデータというテーマが与えられた場合に、当該テーマに沿った画像の撮像を行うには、被写体の選択等を行う労力が発生する以上、ユーザの意欲が低くてはテーマに十分合致しない画像が撮像されたり、そもそも撮像自体が行われない可能性があるためである。
よってサービスの形態としては、サービス利用者による撮像意欲を高めさせることを考える。一例としては、ツイートデータの配信者に著名人を選択し、サービスは当該著名人のファン等に対して提供するものとすればよい。著名人のファンであれば、当該著名人に対する関心が高いため、意欲的に撮像に取り組むことが期待できる。
さらに、サーバシステムにアップロードされた画像に対する評価システムを取り入れることで一層の意欲向上が可能である。例えば、撮像した画像の評価が高いユーザには特典を与えることが考えられる。ここでは、著名人に関係する特典を用意するとよい。著名人がアイドルであれば、当該アイドルを撮像した画像、或いはアイドルのメッセージを録音した音声ファイル等はファンにとって価値が高いものであるため、撮像意欲の向上につながる。特に、本サービス以外のメディア(例えば雑誌や、本サービスとは異なるインターネットサイト等)では閲覧することのできない希少価値の高い画像等を特典とすれば、本サービスを利用する必然性が高まるため効果的である。このようにサービス独自の特典が用意できる場合には、サービスを利用する際に制限を設けることも考えられる。制限とは例えば、ユーザ登録を行う、或いは専用の端末装置を購入する等の準備を行ったユーザに限り、サービス利用を認める等の手法である。このようにすれば、特典の希少価値が増すことになり、ユーザのさらなる意欲向上が期待できる。なお、サービス利用を制限することで、意欲の低いユーザが画像をアップロードする可能性を低減できるため、ツイートデータと画像との合致度(メタデータの精度)を高めることもできる。
また、著名人自身による評価(気に入った画像の選択)を行ってもよい。この場合、その評価を求めてサービス利用者の意欲は飛躍的に向上すると考えられる。
なお、評価システムはメタデータの精度判定等にも用いることができる。本サービスでの評価の良し悪しは、ツイートデータに沿っているか否かが1つの判断基準となることが想定されるため、評価の高い画像とはメタデータの信頼性が高いと判定できるためである。
以上のことから、本サービスでは著名人のツイートデータを配信し、当該著名人のファン等であるサービス利用者から画像を取得するものとして説明する。ただし、配信されるツイートデータに対してサービス利用者が積極的に画像を投稿することが期待できるのであれば、ツイートデータ配信者とサービス利用者が他の態様であってもよい。
5.2 画像アップロードフェーズ
画像のアップロードに関する処理までのフェーズについて図11を用いて説明する。図11に示したように、本サービスの処理は著名人によるツイートデータの投稿を起点とする(図11(1))。サーバシステムは著名人が投稿したツイートデータを、各サービス利用者の端末装置に対して配信する(図11(2))。
サービス利用者である一般ユーザは、配信されたツイートデータに合致すると自身が判断した画像情報を撮像し(図11(3))、サーバシステム300にアップロードする。(図11(4))サーバシステム300は、アップロードされた撮像画像に対して、メタデータを関連づけて記憶する(図11(5))。メタデータは、ツイートデータから取得されるものであってもよいし、撮像画像の撮像までに取得された撮像情報(撮影にかかった時間や、操作履歴等)であってもよい。
そしてサーバシステム300は、サービス利用者に対して公開されるサービスサイト(例えばWebサイト)等で、各サービス利用者からアップロードされた画像を公開する(図11(6))。サービスサイトは、サービス利用者の端末装置(200−1等)が通信機能を有するのであれば、当該端末装置から参照されるものであってもよい。或いは端末装置とは異なる装置(例えばPC等)から参照されるものであってもよい。なお、上述したようにサービス利用者を制限するのであれば、サービスサイトに対する登録ユーザ以外によるアクセスを制限するようにしてもよい。
サービスサイトの一例は図11に示したようなものである。ここでは、図8のC1に相当する情報をA1に表示し、当該ツイートデータに対応してサービス利用者から投稿された複数の画像がA2に並べて表示されている。
5.3 評価フェーズ
次に、図11のサービスサイト画面例に示したように、サービス利用者により投稿された画像情報が公開された場合に、当該画像情報に対して評価を行うフェーズについて図12を用いて説明する。
ここでは、画像情報に対して著名人自身による評価(図12(1−a))と、一般ユーザによる評価(図12(1−b))の両方を可能にしている。評価手法の一例としては、図12に示したように、投稿された画像情報から1又は複数の画像情報を選択し(ここではB1に示したように、選択画像が太枠で強調されるものとしている)、その上で選択された画像情報の評価を向上させるボタンB2を押下すればよい。
上述したように、評価情報は画像情報とツイートデータの合致度を判定する指標として用いることが可能であるため、評価情報を画像に付加するメタデータとしてもよい(図12(2))。
そして、評価の高い画像情報を投稿したサービス利用者に対しては、以降の撮像意欲を向上させるために、何らかの特典を与える(図12(3))。
なお、本サービスでは著名人の行為に対するサービス利用者の関心が非常に高いことが想定されるため、著名人自身による評価は重要度の高いものとして扱うとよい。例えば、著名人により高い評価を受けた画像情報を投稿したサービス利用者には、一般ユーザからの評価にかかわらず希少価値の高い特典を与えるようにしてもよい。或いは、著名人により高い評価を受けた画像情報を、当該著名人のコメント等を付加して、サービスサイト上で拡大表示する等、他の画像情報と差別化を図る処理を行ってもよい。
5.4 画像セットの作成・送信フェーズ
また、サービスのエンターテイメント性の向上、或いはサービス利用者の撮像意欲の向上等を目的として、サーバシステム300で作成した画像セットの送信処理を行ってもよい。この処理を図13を用いて説明する。
具体的には、ユーザからスライドショー表示を行う要求情報が送信された場合に(図13(1))、サーバシステム300は画像セットを作成し(図13(2))、作成した画像セットを要求元の端末装置200に送信する(図13(3))。そして端末装置200では、送信された画像セットを用いたスライドショー表示を行う(図13(4))。
ここでの画像セットには、スライドショー表示を行うサービス利用者が所有していない画像を含めることを想定している。通常、サービス利用者は自身で撮像した画像情報(狭義にはそのサムネイル画像)と、取得した特典画像(ただし評価の高いユーザに限る)を保持しているに過ぎず、その画像情報の多様性は低い。そこでサーバシステム300において、サービス利用者の所有している画像情報と、当該サービス利用者の所有していない挿入画像とを組み合わせた画像セットを作成する。このような画像セットが当該サービス利用者によるスライドショー表示の対象となることで、自身の所有しない挿入画像も閲覧可能になり、エンターテイメント性が増す。特に、サービス利用者に対して事前に挿入画像の内容を通知しないことで、サプライズ演出も可能となる。
さらに、挿入画像として著名人に関する希少価値の高い画像(上述した特典である画像に対応)を用いてもよい。このようにすれば、本来画像情報を投稿して高い評価を得なければ参照できない希少価値の高い特典画像を参照可能となる。その際に、挿入画像として希少価値の高い画像が選択される確率や、選択される希少価値の高い画像の内容等を制御することで、より一層サービスのエンターテイメント性を高めることができ、サービス利用意欲の向上、及び撮像意欲の向上が期待され、結果として投稿される画像情報の精度(メタデータの精度)向上や量の増大が可能となる。
なお、挿入画像(サプライズ画像)は著名人自身により提供される画像であってもよい(図13(op))。また、挿入画像として用いられる画像の選択を著名人に委ねることで、挿入画像に対して画像そのものの価値とは異なる付加価値を持たせることも可能である。
図13では、作成された画像セットは端末装置に送信され、当該端末装置、又は当該端末装置に接続される他の装置(高解像度の表示部を有するテレビ等)でスライドショー表示がされるものとしたがこれに限定されない。例えば、サーバシステム300において画像セットの作成まで行い、当該画像セットに対応する画像情報を紙媒体のアルバムに印刷し、当該アルバムを郵送するという形で画像セットを利用してもよい。
6.本実施形態の端末装置等の詳細な例
以上の本実施形態では、サーバシステム300は図3に示したように、撮影イベントの開始通知情報をネットワーク10を介して接続された複数の端末装置(例えば図1の撮像装置200−1〜200−N)に配信する送信処理部(ツイートデータ送信部313)と、開始通知情報が配信された複数の端末装置から、開始通知情報に対応する撮像画像を受信する画像取得部321と、受信した撮像画像を記憶する記憶部325と、撮像画像に対する評価処理を行う処理部331を含む。
また、処理部331は、評価処理の結果に基づいて評価特典情報を作成し、送信処理部は、複数の端末装置のうちのいずれか端末装置に対して、作成した評価特典情報を送信してもよい。
これにより、サーバシステム300から開始通知情報を配信することで撮影イベントを開始し、当該撮影イベントで撮像された撮像画像を取得するとともに、取得した撮像画像に対する評価処理を行うことが可能になる。撮像イベントは、撮像条件を一切設定しないものであってもよいが、システム利用者(端末装置を用いるユーザ)に積極的な撮像画像の送信を促すためにも、何らかのテーマ(例えば撮像する被写体)を特定することが想定される。その場合、開始通知情報はテーマを特定する情報となり、当該開始通知情報に対応する撮像画像とは同一のテーマに沿った画像となる。つまり、開始通知情報の複数の端末装置への配信、及び配信先の端末装置からの撮像画像の取得を行うことで、同一テーマに対応する大量の画像を収集すること等ができ、画像情報の有効活用(例えば画像データベースの構築)等が可能になる。さらに、撮像画像に対する評価処理と評価特典情報の作成(及び送信)を行うことで、ユーザの意欲を向上させ、結果としてテーマによく合致した(テーマからメタデータを作成した場合、その精度が高い)画像を取得することができる。また、評価処理の結果情報、或いは評価処理に用いる情報等も、評価対象となる撮像画像を表す情報となるため、それらを当該撮像画像のメタデータとして用いることもでき、画像情報の有用性を向上させることも可能である。
また、送信処理部は、ソーシャルネットワーキングサービスにおいて配信側端末装置100から送信されたソーシャルデータを、撮影イベントの開始通知情報として、ネットワーク10を介して接続された複数の端末装置に配信してもよい。
なお、ソーシャルデータとは狭義にはツイートデータであってもよい。本実施形態でのソーシャルデータ及びツイートデータの定義については、上述したため詳細な説明は省略する。
これにより、ソーシャルデータを撮影イベントの開始通知情報として用いることが可能になる。上述したように、ソーシャルデータはその内容の自由度が高いため、ソーシャルデータに基づいて作成されたメタデータは非常に多様性の高いものとできる。また、ソーシャルデータはソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で用いられる、主としてコミュニケーション用途のデータであることから、ソーシャルデータの配信を撮像の起点とすることで、自然に画像情報の取得(撮像装置での撮像)が行われることが期待される。例えば、ソーシャルデータ配信者と親しい者やファン等は、当該ソーシャルデータ配信者とコミュニケーションをとる意図で画像情報を取得すると考えられるため、サーバシステム300では大量の画像収集が可能となる。
また、処理部331は、配信側端末装置100から送信された評価情報に基づいて、評価処理を行ってもよい。
これにより、開始通知情報(狭義にはソーシャルデータ)を送信した送信者による評価情報を用いて評価処理を行うことが可能になる。撮像イベントのテーマに相当する情報の送信者による評価であるため、他のユーザによる評価と差別化を図る等の手法を用いることで、より効果的な評価処理が可能になる。特に、図11〜図13を用いて説明したように、ソーシャルデータの送信者が著名人であれば、当該著名人による評価はファンにとって非常に注目度が高い。よって、著名人により評価されうるということだけでも、ユーザの撮像意欲を向上させることが可能である。
また、処理部331は、ソーシャルデータの受信処理前又は後の端末装置での撮影に関する情報である撮影情報、ソーシャルデータの受信処理前又は後の端末装置を用いるユーザの行動に関する情報である行動情報、及びソーシャルデータの少なくとも1つに基づいて、撮像画像に対して付加されるメタデータを作成し、処理部331は、作成したメタデータに基づいて、評価処理を行ってもよい。
或いは、画像取得部321は、ソーシャルデータの受信処理前又は後の端末装置での撮影に関する情報である撮影情報、ソーシャルデータの受信処理前又は後の端末装置を用いるユーザの行動に関する情報である行動情報、及び前記ソーシャルデータの少なくとも1つに基づいて作成されたメタデータが付加された撮像画像を受信し、処理部331は、メタデータに基づいて、評価処理を行ってもよい。
これにより、メタデータに基づく評価処理が可能になる。評価情報を用いた評価処理では、当該評価情報が各ユーザにより作成されるものであるため、解釈が入り込む余地があり、上述した公平性のための処置をとったとしても、客観性等に疑問を感じるユーザが生じる可能性がある。また、各ユーザからの評価情報の送信を待たなくては評価処理を実行できない。それに対して、メタデータを用いた評価処理では、ユーザからの情報送信を必要とせず、客観的な基準に基づいて評価処理を行うことが可能となる。
また、処理部331は、送信処理部からソーシャルデータが送信された送信時間情報、端末装置200においてソーシャルデータが受信された受信時間情報、端末装置200において画像情報が撮像された撮像時間情報、端末装置200から画像情報が送信された画像送信時間情報の少なくとも1つに基づいて、メタデータを作成してもよい。
これにより、ソーシャルデータの送受信に関する時間情報や、画像情報の撮像、送信に関する時間情報をメタデータとすることが可能になる。これらは単体で用いても、1日の中での時刻(早朝、昼間、深夜等)や、1年の中での日付(春夏秋冬、或いは記念日に相当するか否か)という画像情報の属性を表すものとなり得る。また、ソーシャルデータに関する時間情報と、画像情報に関する時間情報の両方を用いることで、ソーシャルデータの配信に対してどれだけ早く行動を起こしたかという判定を行うことができるため、ユーザの意欲等を推定するデータとしても用いることができる。
また、処理部331は、文章データであるソーシャルデータを、メタデータとして作成してもよい。
或いは、処理部331は、文章データであるソーシャルデータに対して構文解析処理を行い、構文解析処理により取得された、ソーシャルデータに含まれる単語又は文節をメタデータとして作成してもよい。その場合、処理部331は、構文解析処理により取得された、ソーシャルデータに含まれる単語又は文節のうち、文章における使用頻度情報に基づいて選択された単語又は文節をメタデータとして作成してもよい。
或いは、処理部331は、文章データであるソーシャルデータのうち、文頭又は文末から所与の文字数を抜き出したデータをメタデータとして作成してもよい。
これにより、ソーシャルデータが文章データである場合に、当該ソーシャルデータから種々のメタデータを作成することが可能になる。また、複数の手法を併用することで、メタデータの多様性を高めることとしてもよい。具体的な手法は上述したとおりであるため、詳細な説明は省略する。
また、処理部331は、端末装置200におけるソーシャルデータの取得処理からソーシャルデータの表示処理までの第1の時間情報と、端末装置200におけるソーシャルデータの取得処理から画像情報の取得処理までの第2の時間情報と、端末装置200におけるソーシャルデータの取得処理から画像情報の送信処理までの第3の時間情報のうちの少なくとも1つの時間情報を撮影情報として取得し、取得した撮影情報に基づいて、メタデータを作成してもよい。
これにより、撮影情報としてソーシャルデータの取得処理のタイミングを起点とした時間情報を取得し、それに基づいてメタデータを作成することが可能になる。なお、時間情報が撮影情報として取得された場合、当該時間情報をそのまま(例えば「h時間m分s秒」という形で)メタデータとしてもよいし、単位変換を行って(例えば上述の形式を「S秒」に変換して)メタデータとしてもよいし、その他の処理(例えば過去の対応する時間情報を用いて平均値を求める処理等)を行った結果をメタデータとしてもよい。この場合、ソーシャルデータの取得から撮像等までの時間が短いほど、端末装置200を用いるユーザは当該ソーシャルデータに対する注目度が高いと考えることができる。よって、そのようなユーザは意欲的に撮像を行うと想定されるため、画像情報とソーシャルデータの関連性が高い(つまりソーシャルデータに基づいて作成されたメタデータの精度が高い)と判定すること等が可能になる。この場合、撮影情報である時間情報から、ソーシャルデータに基づいて作成されたメタデータの信頼性を表す指標値を算出し、算出した指標値を撮影情報に基づくメタデータとしてもよい。
また、処理部300は、評価処理の結果に基づいて、配信側端末装置を用いてソーシャルデータの発信を行ったソーシャルデータ発信ユーザに関する情報を、評価特典情報として作成し、送信処理部は、複数の端末装置のうちのいずれかの端末装置に対して、作成した評価特典情報を送信してもよい。
これにより、ソーシャルデータ発信ユーザに関する情報を評価特典情報として用いることが可能になる。ソーシャルデータ発信ユーザが著名人である場合等、撮影イベントのテーマ設定者が当該撮影イベントにおいて重要な役割を果たすことは十分考えられる。その場合、ソーシャルデータ発信ユーザに関する情報は、撮影イベントの参加者であるユーザにとって価値が高いことが想定されるため、評価特典情報として用いる有用性があると言える。なお、ソーシャルデータ発信ユーザに関する情報は、当該ユーザを対象とした情報(著名人を被写体とした画像情報や、著名人の音声を録音した情報)に限定されず、当該ユーザにより作成された情報であってもよい。例えば被写体に著名人自身が含まれていなくても、当該著名人により撮像された画像というだけで、ファンにとって価値があることも十分考えられる。
また、画像取得部321は、複数の端末装置のうちの第1の端末装置から、開始通知情報に対応して第1の端末装置において撮像された第1の撮像画像を受信し、送信処理部は、複数の端末装置のうち、第1の端末装置とは異なる第2〜第N(Nは2以上の整数)の端末装置に対して、第1の撮像画像に関する情報である第1の撮像画像情報を送信してもよい。そして、処理部331は、第1の撮像画像情報が送信された第2〜第Nの端末装置から、第1の撮像画像に対する評価情報を取得し、取得した評価情報に基づいて第1の撮像画像に対する評価処理を行う。
これにより、所与の端末装置から撮像画像を取得した場合に、他の端末装置に撮像画像情報(例えばサムネイル画像)を配信すること、及び撮像画像情報の配信に基づいて他の端末装置からの評価情報を取得することが可能になる。他の端末装置からの評価情報を取得することで、ユーザ相互間での評価が可能になり、適切な評価処理が可能になる。また、評価情報はメタデータとしても用いることができるため、1つの画像に対して多くのメタデータを付加すること、或いは複数の評価情報から取捨選択することで精度の高いメタデータを付加すること等が可能になる。
なお、端末装置を用いる各ユーザが評価を行う場合、1枚の画像だけを見て当該画像に対する評価を行ってもよいが、実際には同一のソーシャルデータに対して送信された複数の撮像画像を参照し、比較等を行って評価をすることが一般的である。よって、上述したサムネイル画像の送信処理、及び端末装置での閲覧処理は種々の形態により実現可能である。具体的には、サーバシステム300は所与のソーシャルデータに対応するサムネイル画像の作成毎に、各端末装置(当該サムネイル画像に対応する撮像画像を送信した端末装置を除く)に対してサムネイル画像を送信し、各端末装置は表示する際に、受信した最新のサムネイル画像だけでなく、それまでに受信した当該所与のソーシャルデータに対応するサムネイル画像を並べて表示してもよい。或いは、サーバシステム300側で、所与のソーシャルデータに対応するサムネイル画像を並べた画像情報を作成しておき、当該画像情報を各端末装置に送信することで、各端末装置では所与のソーシャルデータに対応する複数のサムネイル画像を比較閲覧するようにしてもよい。その他、サーバシステム300側でのサムネイル画像の作成送信手法、端末装置200側でのサムネイル画像の閲覧手法は種々の変形実施が可能である。
また、画像取得部321は、第1の撮像画像と関連づけて、第1の撮像画像が第1の端末装置において撮像されたことを示すメタデータを取得し、処理部331は、取得したメタデータと第1の撮像画像情報との関連づけを行ってもよい。そして、送信処理部は、メタデータが関連づけられた第1の撮像画像情報を、第2〜第Nの端末装置に対して送信する。
これにより、評価処理を円滑に行うことが可能になる。本実施形態の評価処理の結果は、撮像画像に付加するメタデータとして用いられるだけでなく、ユーザの撮像意欲向上のための評価特典情報の作成・送信にも関係する。つまり、撮像画像の評価が高い場合等には、当該撮像画像を撮像したユーザに対して評価特典情報を送信できるように、撮像画像と撮像ユーザとの対応付けを行うとよい。ここで第1の撮像画像が第1の端末装置において撮像されたことを示すメタデータとは、第1の端末装置のMACアドレスでもよいし、第1の端末装置を表す他のIDであってもよい。或いは、第1の端末装置を用いるユーザを特定するID等であってもよい。
また、処理部331は、第1の撮像画像が第1の端末装置において撮像されたことを示すメタデータに対して、第2〜第Nの端末装置での参照を制限する制限処理を行い、送信処理部は、制限処理が行われたメタデータが関連づけられた第1の撮像画像情報を、第2〜第Nの端末装置に対して送信してもよい。
これにより、他の端末装置において評価を行う場合に、撮像画像を撮像したユーザの匿名性を高めることができ、評価処理の公平性を保つことが可能になる。本実施形態では評価特典情報を用いることでユーザの撮像意欲を高めることを前提としている。しかし、評価特典情報として価値のある情報を用いれば、当該評価特典情報を不正に取得しようとするユーザが現れることも考慮しなくてはならない。ここでは、複数のユーザが結託し、特定のユーザに(或いはユーザ相互間で)高い評価をつける行為を抑止する。具体的には、図9に示したように、評価対象である撮像画像を表す撮像画像情報が配信される際に、当該撮像画像情報に対応する撮像画像の撮像ユーザを、評価者であるユーザからは参照できないようにすればよい。なお、この処理により、特定のユーザに対して意図的に低い評価をつける行為も抑止可能である。
また、処理部331により、第2〜第N端末装置のうちの第k(kは2≦k≦Nの整数)の端末装置から送信された第1の撮像画像に対する評価情報に基づいて、評価処理が行われた場合に、送信処理部は、画像取得部321により第1の端末装置から、第1の撮像画像とは異なる第2の撮像画像が取得された場合にも、第2の撮像画像に関する情報である第2の撮像画像情報の、第kの端末装置に対する送信処理をスキップしてもよい。
これにより、評価処理の公平性を高めることが可能になる。具体的には図10(A)、図10(B)に示したように、第2のユーザにより第1のユーザに対する評価が行われた場合には、その後一定期間では、第2のユーザによる第1のユーザへの評価を制限すればよい。このようにすれば、第1のユーザと第2のユーザが結託して評価特典情報を取得する行為、或いは第2のユーザが第1のユーザを攻撃する目的で低い評価をつけ続ける行為等を抑止可能である。
また、開始通知情報の配信に対して、第k(kは1≦k≦Nの整数)端末装置から撮像画像が送信された場合に、処理部331は、撮像画像に対応する開始通知情報に基づいて、第kの端末装置を操作する第kのユーザの趣向を推定する趣向推定処理を行い、第1〜第Nの端末装置を操作する第1〜第Nのユーザに対する趣向推定処理の結果に基づいて1又は複数のユーザグループの作成処理を行ってもよい。そして処理部331は、第2〜第Nのユーザの各ユーザが所与のユーザグループに属するか否かの判定に基づいて、制限処理を行うか否かを決定してもよい。
これにより、趣向推定処理の結果作成されたユーザグループに属するか否かに基づいて、評価処理を行う際の制限処理を行うか否かを決定することができ、より効率的或いは効果的な評価処理が可能になる。例えば、第1のユーザが投稿した撮像画像に対する処理において、第1のユーザと同一のユーザグループに属するユーザは、第1のユーザと結託して不正な評価処理を行う可能性があると考えられる場合には、当該ユーザグループに属するユーザに対して上述した参照を制限する制限処理を行う。この場合、当該ユーザグループに属さないユーザに対しては参照を制限しないものとしてもよい。
或いは、逆に第1のユーザと同一のユーザグループに属するユーザには制限処理を行わず、当該ユーザグループに属さないユーザに対して制限処理を行うものとしてもよい。この場合、不正防止とは異なる観点での処理となる。具体的には、第1のユーザが撮影スキルが高く、他のユーザからの注目を集めるユーザであった場合等では、第1のユーザと同一のユーザグループに属する他のユーザが投稿された撮像画像を閲覧する際には、当該画像が第1のユーザによるものか否かということは重要な情報となる。この場合には同一のユーザグループに属するユーザに対しては、撮像画像と撮像ユーザの関連づけは、むしろ積極的に提示した方がよい。逆に当該ユーザグループに属さないユーザからしてみれば、第1のユーザに対する興味は強くないはずであり、撮像ユーザが参照できなくても問題ない。ただしこの場合、第1のユーザと親しいユーザに対しても制限処理が行われないため、他の手法により不正防止を担保することが望ましい。
なお、ここでは第1のユーザによる撮像画像の評価において、第1のユーザの属するユーザグループを基準としたがそれには限定されない。つまり、第1のユーザの属さないユーザグループ等を用いた処理を行ってもよく、ユーザグループに基づく制限処理の手法は種々の変形実施が可能である。
また、開始通知情報の配信に対して、複数の端末装置200−1〜200−Nのうちの所与の端末装置から撮像画像が送信された場合に、処理部331は、撮像画像に対応する開始通知情報に基づいて、当該所与の端末装置を操作するユーザの趣向を推定する趣向推定処理を行ってもよい。
これにより、開始通知情報(狭義にはソーシャルデータ、ツイートデータ)を用いて、ユーザの趣向を推定することが可能になる。趣向推定処理の詳細は上述したとおりであり、趣向推定処理の結果は評価特典情報の内容の決定処理や、ユーザグループの作成処理、作成したユーザグループ等を用いたマーケティングリサーチ処理等に利用することが可能である。
また、送信処理部は、ソーシャルネットワーキングサービスにおいて配信側端末装置100から送信されたソーシャルデータを、撮影イベントの開始通知情報として、ネットワーク10を介して接続された複数の端末装置に配信し、処理部331は、配信側端末装置100を用いてソーシャルデータの発信を行ったソーシャルデータ発信ユーザに関する情報に基づいて、趣向推定処理を行ってもよい。
これにより、ソーシャルデータ発信ユーザに関する情報を趣向推定処理に用いることが可能になる。趣向推定処理の対象ユーザにとって、ソーシャルデータ発信ユーザによるソーシャルデータは労力を払って撮像画像を取得、送信する価値があるだけのものということである。よって、趣向推定処理の対象ユーザの趣向推定には、ソーシャルデータ発信ユーザに関する情報は非常に有用である。
また、第1のサムネイル画像の配信に対して、第2〜第Nの端末装置のうちの第j(jは2≦j≦Nの整数)の端末装置から評価情報が送信された場合に、処理部331は、第1の撮像画像に対応する開始通知情報に基づいて、第jの端末装置を操作するユーザの趣向を推定する趣向推定処理を行ってもよい。
これにより、撮像画像を送信したユーザだけではなく、撮像画像に対して評価情報を送信したユーザの趣向推定処理を行うことが可能になる。
また、送信処理部が、撮影イベントの前記開始通知情報として、第1の開始通知情報を配信し、第1の開始通知情報の配信後に、第1の開始通知情報とは異なる第2の開始通知情報を配信した場合を考える。その際、処理部331は、画像取得部321が、第1の開始通知情報の配信後、第2の開始通知情報の配信までに、複数の端末装置において第1の開始通知情報に対応して撮像された撮像画像を取得した場合に、前記撮像画像を前記評価処理の対象として設定してもよい。また、画像取得部321が、第2の開始通知情報の配信後に、複数の端末装置において第1の開始通知情報に対応して撮像された撮像画像を取得した場合に、撮像画像を評価処理の対象から除外してもよい。
これにより、開始通知情報の配信タイミングと、撮像画像の取得タイミングとに応じて、取得した撮像画像を評価処理の対象とするか否かを制御することが可能になる。ここでは、より新しい開始通知情報が配信された場合には、それ以前の開始通知情報に対応する撮像画像は評価対象から除外する。時間的に過去の開始通知情報に対応する撮像画像を評価対象としても、当該開始通知情報に対する注目度は低下していることが想定されるため、撮像ユーザの撮像意欲及び評価ユーザの評価意欲は低いはずであり、そのような撮像画像は画像データベース等において利用する場合に有用でない可能性があるためである。
また、処理部331は、画像取得部321が、開始通知情報の配信後、所与の時間のうちに複数の端末装置において開始通知情報に対応して撮像された撮像画像を取得した場合に、撮像画像を評価処理の対象として設定してもよい。また、画像取得部321が、開始通知情報の配信後、所与の時間の経過後に複数の端末装置において開始通知情報に対応して撮像された撮像画像を取得した場合に、撮像画像を評価処理の対象から除外してもよい。
これにより、開始通知情報の配信タイミングと、撮像画像の取得タイミングとに応じて、取得した撮像画像を評価処理の対象とするか否かを制御することが可能になる。ここでは、より新しい開始通知情報の有無にかかわらず、配信から一定期間経過後の開始通知情報に対応する撮像画像を評価対象から除外している。
また、以上の本実施形態は、上記のサーバシステム300と、上記の端末装置(狭義には撮像装置200)とを含む情報処理システムに適用できる。
これにより、図11〜図13に示したようなサービスを提供するためのシステムを実現することができ、効果的な画像情報の活用等が可能になる。
なお、本実施形態のサーバシステム300等は、その処理の一部または大部分をプログラムにより実現してもよい。この場合には、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することで、本実施形態のサーバシステム300等が実現される。具体的には、情報記憶媒体に記憶されたプログラムが読み出され、読み出されたプログラムをCPU等のプロセッサが実行する。ここで、情報記憶媒体(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリ(カード型メモリー、ROM等)などにより実現できる。そして、CPU等のプロセッサは、情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち、情報記憶媒体には、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また端末装置、サーバシステムの構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。