JP2014109717A - 導光ユニットおよび映像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】導光ユニットおよび映像表示装置において、装置を小型化、軽量化しても、広範囲で良好な映像を観察することができるようにする。
【解決手段】導光ユニット9は、コリメータレンズ4と、コリメータレンズ4によって平行光束とされた光束Lを入射させる入射面7aと、入射面7aに入射された光束Lを分割して、光束Lの光軸と交差する第1の方向において光軸の両側方にわたる領域で、光軸に平行な方向に進む光束群Lを形成する光束分割光学素子7と、光束群Lを、光軸および第1の方向と交差する第2の方向に向けて反射するカップリング反射部6aと、カップリング反射部6aで反射された光束群Lを導光する板状のライトガイドプレート6と、ライトガイドプレート6によって導光された光束群Lを分割して、第1の方向および第2の方向に分布する光束群Lを形成する光束分割部6cと、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は導光ユニットおよび映像表示装置に関する。
従来、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)等、表示デバイスの拡大された虚像を、観察者が観察できるようにした映像表示装置が知られている。
特に、HMDの分野においては、観察者がその頭部に装着して用いるというHMDの特性から、より小型で軽量な光学システムが望まれている。例えば、外界と映像を重ねて表示する、いわゆるシースルータイプのHMDにおいては、近年、透明かつ軽量なライトガイドプレート(LGP)と、LGP中に配置された複数の光路分岐面とを用いた光学系を導光ユニットとして採用することで、装置を軽量化する構成が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載の技術では、LGPの入射側に配置される無限遠に像を形成するレンズ系(コリメータレンズ系)が接眼レンズとして機能している。この接眼レンズから出射された光束はLGPに入射して導光され、複数の光路分岐面にて部分的に反射されて、複数の光路分岐面の配列方向に沿って複数の光束に分割される。
このため、例えば、複数の光路分岐面の配列を水平方向にとれば、水平方向に沿って虚像の観察可能領域が広がることになる。
ここで、LGPにて導光される距離が長い場合、接眼レンズと眼までに光学的にパワーを有する部分がないまま光が進むため、観察者の眼と接眼レンズの絞りとを略一致させる従来の光学方式では、レンズが大型化する等の問題がある。
これに対して、特許文献2には、コリメータレンズと、LGP(特許文献2では第2光導体光学素子(LOE))との間に、コリメータレンズからの出射光束をLGPの光路分岐面の配列方向と直交する方向に光束の分布範囲を拡張する部材である第1LOEを配置した構成が記載されている。
このような構成によれば、コリメータレンズからの出射光束を2方向に光路分岐して、実質的に光束幅を拡大したのと同様になっているため、コリメータレンズのレンズ径を抑えつつ、例えば、水平方向、垂直方向のような2方向にわたって観察可能領域を拡げることが可能になっている。
特開2011−248318号公報 特許第4508655号公報
しかしながら、上記のような従来の導光ユニットおよび映像表示装置には、以下のような問題があった。
特許文献2に記載された技術では、観察可能領域を拡大するために、第1LOEを設けているが、コリメータレンズから各光路分岐面までの光路長がそれぞれ異なる。
一方、映像表示素子の中心をコリメータレンズの光軸に合わせると、映像表示素子の周縁部からの光束は、光軸に対して斜め方向から入射するため、コリメータレンズからの出射光束も光軸に対して傾斜して出射される。
このため、コリメータレンズから離れた光路分岐面では、コリメータレンズに近い光路分岐面に比べて広い面積が必要となり、観察可能領域を拡げれば拡げるほど、第1LOEが大きくなって、装置の大きさや質量が増大してしまうという問題がある。
第1LOEをあえて小型化すると、コリメータレンズから離れた光路分岐面において、映像表示素子の周縁部の光束がけられるため、観察位置によっては、映像の明るさのムラが激しくなったり映像が欠けたりするという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、装置を小型化、軽量化しても、広範囲で良好な映像を観察することができる導光ユニットおよび映像表示装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の導光ユニットは、コリメータレンズと、該コリメータレンズによって平行光束とされた光束を入射させる入射部と、該入射部に入射された前記光束を分割して、該光束の光軸と交差する第1の方向において前記光軸の両側方にわたる領域で、前記光軸に平行な方向に進む第1の光束群を形成する第1の光束分割部と、前記第1の光束群を、前記光軸および前記第1の方向と交差する第2の方向に向けて反射する反射部と、該反射部で反射された前記第1の光束群を導光する板状の導光部と、該導光部によって導光された前記第1の光束群を分割して、前記第1の方向および前記第2の方向に分布する第2の光束群を形成する第2の光束分割部と、を備えた構成とする。
上記導光ユニットによれば、コリメータレンズからの光束が第1の光束分割部によって、その光軸の両側方にわたる領域で光軸に平行な方向に進む第1の光束群が形成されるため、コリメータレンズの一方の側方のみに光束を分割していく場合に比べて、導光ユニット内の光路長を短縮することができる。
また、本発明の第2の態様の映像表示装置は、面状の表示領域に映像を表示する映像表示部と、上記導光ユニットと、を備え、前記映像表示部の前記表示領域は、前記導光ユニットの前記コリメータレンズの前側焦点面に配置された構成とする。
上記映像表示装置によれば、上記導光ユニットを備えるため、上記導光ユニットと同様な作用を備える。
本発明の導光ユニットおよび映像表示装置によれば、導光ユニット内の光路長を短縮できるため、装置を小型化、軽量化しても、広範囲で良好な映像を観察することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態の導光ユニットおよび映像表示装置の構成を示す模式的な平面図である。 図1におけるA−A断面図である。 本発明の第1の実施形態の第1の光束分割部の光束分割を示す模式的な光路図である。 本発明の第1の実施形態の第1の光束分割部の構成を示す模式的な分解図である。 本発明の第1の実施形態の映像表示装置の主要部の光路を示す模式的な光路図である。 比較例の映像表示装置の主要部の光路を示す模式的な光路図である。 本発明の第2の実施形態の映像表示装置の主要部の構成を示す模式的な断面図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の導光ユニットおよび映像表示装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の導光ユニットおよび映像表示装置の構成を示す模式的な平面図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。図3は、本発明の第1の実施形態の第1の光束分割部の光束分割を示す模式的な光路図である。図4は、本発明の第1の実施形態の第1の光束分割部の構成を示す模式的な分解図である。
図1に示すように、本実施形態の映像表示装置10は、表示面D(表示領域)に映像を表示する映像表示部1と、表示面Dからの光束Lを導光して装置外部に出射する導光ユニット9とを備え、観察者が表示面Dの映像を観察できるようにした装置である。
映像表示装置10の用途は特に限定されないが、例えば、観察者が頭部に装着して、外界の風景と映像表示部1の映像とを重ね合わせて観察することが可能なシースルータイプのヘッドマウントディスプレイとして、好適に用いることができる。
映像表示部1の構成は、表示面Dを有していれば、特に限定されない。例えば、表示面D上に、発光量を制御可能な多数の発光素子が配置された自発光型の映像表示素子を用いた構成や、光源からの照明光を選択的に透過または反射することで空間変調して映像を表示する構成の映像表示装置などを採用することができる。
自発光型の映像表示素子の例としては、LED表示素子や、有機ELパネルなどの例を挙げることができる。
空間変調を行う映像表示装置としては、例えば、LCOS(Liquid crystal on silicon)素子などを用いた反射型液晶パネルや、透過型液晶パネルなどを用いた液晶表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD、Digital Micromirror Device)を用いた映像表示装置などの例を挙げることができる。
本実施形態では、映像表示部1は、一例として、LCOS素子を用いた映像表示素子2と、映像表示素子2に対向して配置され、図示略の光源からの照明光を映像表示素子2に照射するPBS(偏光ビームスプリッタ)キューブ3とを備えている。
映像表示素子2の表示面Dは、図1の横方向および紙面奥行き方向に2辺を有する矩形状領域内に、各辺に沿って反射画素が格子状に配列されている。
以下では、表示面Dの中心に原点Oを有するxyz座標系を用いて、装置内外の位置関係を説明する場合がある。
このxyz座標系は、表示面Dの外形の内の一辺(図1における図示横方向に延びる辺)に平行なx軸と、表示面Dの外形の内の他辺(図1における紙面奥行き方向に延びる辺)に平行なy軸と、原点Oを通りx軸およびy軸に直交するz軸とを備える。
各軸の正方向は、x軸では図1の紙面内で右側から左側に向かう方向、y軸では図1の紙面奥行き側から手前側に向かう方向、z軸では図1の紙面内の下側から上側に向かう方向である。
また、単に座標軸に沿う方向を表す場合に、x軸方向、y軸方向、z軸方向と称する場合がある。この意味は、それぞれx(y、z)軸に平行な軸線に沿う方向という意味であり、正方向、負方向は問わない。
このため、図示略の光源からの光がPBSキューブ3を通してz軸正方向側から映像表示素子2に入射すると、映像表示素子2の画素毎の変調信号に応じて、z軸正方向側に向かって光束Lが反射され、PBSキューブ3のビームスプリッタ面の偏光特性に応じた直線偏光成分が、PBSキューブ3を透過して出射される。
なお、図1、2では、簡単のため、映像表示素子2のカバーガラスなどの図示は省略している。
また、映像表示部1において、PBSキューブ3の構成は必須の構成ではなく、映像表示素子2の種類によっては、PBSキューブ3を削除したり、例えば、ダイクロイックプリズムなどの屈折力を有しない他の光学素子と置換したりすることが可能である。
導光ユニット9は、図1、2に示すように、コリメータレンズ4と、導光部材5とを備える。
コリメータレンズ4は、光束Lを集光して平行光束化された光束L(図1参照)を形成するレンズまたはレンズ群であり、レンズ光軸Oが表示面Dの中心を通る法線に整列し、前側焦点面が表示面Dと整列するように配置されている。このため、レンズ光軸Oはz軸に整列している。
コリメータレンズ4のレンズ構成は、表示面Dの大きさに応じて適宜収差補正されていれば、特に限定されない。図1、2には一例として、表示面D側から順に、両凸レンズからなる第1レンズ4A、凹面を第1レンズ4Aに向けて配置された負メニスカスレンズからなる第2レンズ4B、および凸面を第2レンズ4Bに向けて配置された正メニスカスレンズからなる第3レンズ4Cが配置された構成を記載している。
コリメータレンズ4の前側(物体側)または後側(像側)、もしくはレンズ間には、図示略の開口絞りが形成されている。この開口絞りは、開口絞り部材によって形成されていてもよいし、後述する保持部材4aにおける保持面などによって形成されていてもよい。
映像表示部1およびコリメータレンズ4は、互いの相対位置を位置決めするとともに、導光部材5との相対位置関係を位置決めするため、合成樹脂や金属などで構成される保持部材4a(図1参照)に保持されている。
映像表示部1は、保持部材4aに着脱可能に固定されていてもよいし、着脱不能に固定されていてもよい。
導光部材5は、コリメータレンズ4から出射された光束Lを入射し、第1の方向にわたる光束分割と、第1の方向と交差する側方への導光と、第1の方向と交差する第2の方向にわたる光束分割を行うことにより、コリメータレンズ4による集光サイズよりも拡大された領域から、分割された複数の光束Lからなる光束群L(第2の光束群)を出射する光学部材である。
以下では、一例として、第1の方向がy軸方向、導光方向がx軸正方向、第2の方向がx軸方向の場合の例で説明する。ただし、後述するライトガイドプレート6の形状によっては、導光方向、第2の方向はいずれも湾曲線上に沿う方向とすることも可能である。
導光部材5は、光束分割光学素子7(第1の光束分割部)と、ライトガイドプレート6(導光部)とを備える。
光束分割光学素子7は、コリメータレンズ4から出射された光束Lの光路を横断するように配置されたy軸方向に長い直方体状の外形を有する部材である。
図2に示すように、光束分割光学素子7において、コリメータレンズ4の第3レンズ4Cに対向する表面は、光束Lを入射させるため、xy平面に平行な平面である入射面7aが形成されている。入射面7aの裏面側には、xy平面に平行な出射面7dがz軸を挟んで、y軸正方向およびy軸負方向に延ばされている。
出射面7dは、後述するライトガイドプレート6の第1板面6dと、例えば、接着等により接合されている。
入射面7a上には、z軸を中心とする一定の領域に開口部8aを有する遮光層8が設けられている。このため、遮光層8は、入射面7aにおける光束Lの入射範囲を開口部8aの範囲に規制する開口絞りを構成している。
入射面7aのz軸方向の位置は、本実施形態では、コリメータレンズ4の後側焦点面に一致されている。
入射面7aと出射面7dとの間には、z軸よりもy軸正方向側に、光路分岐面7b、7b、7b、7b、7bが並んで形成されている。ここで、下付き添字は、数字が大きいほどz軸から離れて配置されていることを意味している。
以下では簡単のため、光路分岐面7b、7b、7b、7b、7bの全体を指す場合には「各光路分岐面7b」、「各光路分岐面7b」のうちの任意の1つを指す場合には「光路分岐面7b」と称する場合がある。
各光路分岐面7bは、x軸負方向側からyz平面を見た時に正領域のz軸からx軸に関して反時計回りに測った傾斜角θがいずれも45度とされ、y軸方向において互いに平行に離間して配置されている。各光路分岐面7bのy軸方向の配置ピッチは、z軸方向から見た時の各光路分岐面7bのy軸方向の幅寸法に一致されている。
各光路分岐面7bのx軸方向の寸法は、光束分割光学素子7のx軸方向の外形幅と一致されている。
また、光路分岐面7bの入射面7a側の端部は、zx平面に整列している。
光路分岐面7b、7b、7b、7bは、光束分割光学素子7の長手方向(y軸方向)に略沿って進む光束の光路を、直進する透過光束の光路と、ライトガイドプレート6側に向かう反射光束の光路とに分岐するビームスプリッタ面で構成される。
光路分岐面7bは、光路分岐面7b、7b、7b、7bと同様にビームスプリッタ面であってもよいし、透過率0%の反射面であってもよい。
このような反射面の場合、光束分割光学素子7の長手方向に略沿って進む光束の光路は、光束が直進して透過することなくライトガイドプレート6側に向かって折り曲げられて、直進する光路から分岐される。
光路分岐面7bを透過する光束は、観察者に到達せず、光量損失となるため、光路分岐面7bは、透過率0%かつ反射率100%の反射面であることが好ましい。
また、入射面7aと出射面7dとの間には、z軸よりもy軸負方向側に、光束の分割を行う光路分岐面7c、7c、7c、7c、7cが並んで形成されている。ここで、下付き添字は、数字が大きいほどz軸から離れて配置されていることを意味している。
以下では、各光路分岐面7bの場合と同様に、光路分岐面7c、7c、7c、7c、7cの全体を指す場合には「各光路分岐面7c」、「各光路分岐面7c」のうちの任意の1つを指す場合には「光路分岐面7c」と称する場合がある。
本実施形態では、各光路分岐面7cは、zx平面を対称面として、各光路分岐面7bと面対称な形状および位置関係に形成されている。
このため、光路分岐面7bと光路分岐面7cとは、一例として、頂角が90度の山形をなして配置されている。光路分岐面7bと光路分岐面7cとのなす山形の頂部Pは、zx平面においてx軸方向に延ばされている。
各光路分岐面7b、7cの光学特性は、後述するように、各光路分岐面7b、7cを通過する際に、ライトガイドプレート6側に分岐される光束の光量のばらつきが少なくなるようにすればよい。光量のばらつきは、例えば、平均光量に対する最大光量差の百分率で表したとき、0%以上30%以下の範囲にあることが好ましい。また、より好ましい光量のばらつきの範囲は、0%以上20%以下である。
ただし、観察者の虚像の見え方は、光線の拡がり等の光量以外の要因もあるため、観察者が視認する虚像の輝度分布が良い状態になるように、各光路分岐面7b、7cの光学特性を調節してもよい。
例えば、光量にばらつきがあっても、y軸方向の分布が滑らかに変化していたり、zx平面に対称にばらついていたりすると、光量にばらつきがあっても見やすくなる。
本実施形態では、一例として、各光路分岐面7b、7cにおいてライトガイドプレート6側に分岐される10本の光束の光量が均一になるように設定している。すなわち、各光路分岐面7b(7c)では、波長550nmの光束が入射角45度で入射したときの透過率、反射率が、以下の値になるようにしている。
光路分岐面7b(7c)では、透過率が20%、反射率が80%である。
光路分岐面7b(7c)では、透過率が75%、反射率が25%である。
光路分岐面7b(7c)では、透過率が67%、反射率が33%である。
光路分岐面7b(7c)では、透過率が50%、反射率が50%である。
光路分岐面7b(7c)では、透過率が0%、反射率が100%である。
ここで、光束分割光学素子7による光束分割の概要について説明する。
コリメータレンズ4から光束分割光学素子7に向かって出射される光束Lは、図1、2に示すように、表示面D上の光束Lの出射位置の違い(画素の違い)によって、コリメータレンズ4からの出射角度が異なる。
以下では、光束分割光学素子7の光束分割の概要を、表示面D上の原点Oの画素から放射される光束L0Cの光路に基づいて説明する。
光束L0Cは、レンズ光軸Oz上を進む軸上光束であり、光束L0Cの光軸は、レンズ光軸Ozおよびz軸に一致している。
このため、コリメータレンズ4によって平行光束化された光束Lも軸上光束としてz軸上を進んで、光束分割光学素子7の入射面7aに入射する。
このような光束Lは、図3に示すように、主光線が光束分割光学素子7の光路分岐面7b1、7c1とのなす頂部Pに入射する。このため、光束Lは、主光線よりもy軸正方向側の部分光束L1bが光路分岐面7bに入射し、主光線よりもy軸負方向側の部分光束L1cが光路分岐面7cに入射する。
部分光束L1b、L1cの光量は、それぞれ光束Lの50%になる。
部分光束L1bは、光路分岐面7bによって、z軸正方向に直進して出射面7dから出射される透過光束L2b1と、y軸正方向側に反射されて、y軸正方向に進む反射光束L1b1とに分割される。本実施形態の場合、光路分岐面7bの位置では、透過光束L2b1の光量は光束Lの光量の10%、反射光束L1b1の光量は光束Lの光量の40%である。
反射光束L1b1は、光路分岐面7bによって、y軸正方向に直進する透過光束L1b2と、z軸正方向側に反射されて、z軸正方向に進む反射光束L2b2とに分割される。本実施形態の場合、光路分岐面7bの位置では、透過光束L1b2の光量は光束Lの光量の30%、反射光束L2b2の光量は光束Lの光量の10%である。
透過光束L1b2は、光路分岐面7bによって、y軸正方向に直進する透過光束L1b3と、z軸正方向側に反射されて、z軸正方向に進む反射光束L2b3とに分割される。本実施形態の場合、光路分岐面7bの位置では、透過光束L1b3の光量は光束Lの光量の20%、反射光束L2b3の光量は光束Lの光量の10%である。
透過光束L1b3は、光路分岐面7bによって、y軸正方向に直進する透過光束L1b4と、z軸正方向側に反射されて、z軸正方向に進む反射光束L2b4とに分割される。本実施形態の場合、光路分岐面7bの位置では、透過光束L1b4の光量は光束Lの光量の10%、反射光束L2b4の光量は光束Lの光量の10%である。
透過光束L1b4は、光路分岐面7bによって、y軸正方向に直進する透過光束L1b5と、z軸正方向側に反射されて、z軸正方向に進む反射光束L2b5とに分割される。本実施形態の場合、光路分岐面7bの位置では、透過光束L1b5の光量は光束Lの光量の0%、反射光束L2b5の光量は光束Lの光量の10%である。
まったく同様にして、部分光束L1cは、各光路分岐面7cによって光束分割され、z軸負方向に進む、透過光束L2c1、反射光束L2c2、L2c3、L2c4、L2c5が形成される。これらの光束の光量は、本実施形態の場合、いずれも光束Lの光量の10%である。
したがって、光束分割光学素子7によれば、y軸方向において光束Lの光軸の両側方にわたる領域で、光束Lの光軸に平行な方向に進む透過光束L2b1、L2c1、反射光束L2b2、L2b3、L2b4、L2b5、L2c2、L2c3、L2c4、L2c5からなる光束群である光束群L(第1の光束群)が形成される。
本実施形態では、光束群Lの出射方向は、光束Lの光軸と平行な方向になる。この関係は、レンズ光軸Ozと、光束分割光学素子7の各光路分岐面7b、7cとの位置関係に基づくため、光束Lが、表示面Dの周辺から出射された光束L0x1、L0x2(図1参照)や光束L0y1、L0y2(図2参照)から形成された場合でも同様の関係を満足する。
このような構成の光束分割光学素子7は、本実施形態では、図4に示すように、三角柱ブロック7A、四角柱ブロック7B、7C、および端部ブロック7Dが接着して形成されている。これらの、接着面には、接着前に、適宜の屈折率を有する1層以上の薄膜層などで構成されるビームスプリッタ面が形成されている。
三角柱ブロック7Aは、頂角90度の二等辺三角形の断面形状を有する三角柱部材であり、例えば、光透過性の合成樹脂や、ガラスなどによって形成されている。
四角柱ブロック7B(7C)は、平行四辺形状の断面形状を有する四角柱部材であり、入射面7a、出射面7dを構成する互いに平行な2側面と、これらの側面と内角が45度、135度となるように隣接し、互いに平行な2側面とを有する。入射面7a、出射面7dを構成しない2側面は、接着後に光路分岐面7b(7c)を形成する側面であり、いずれも三角柱ブロック7Aの90度の頂角をはさむ側面と同一の矩形形状を有する。
四角柱ブロック7B(7C)の材質は、三角柱ブロック7Aと同様な材質からなる。
端部ブロック7Dは、内角が90度、90度、45度、135度とされた台形状の断面形状を有する四角柱部材であり、台形の長い底辺を構成する側面が入射面7a側に配置され、台形の短い底辺を構成する側面が出射面7d側に配置されている。
台形の傾斜した脚を構成する側面は、三角柱ブロック7Aの頂角をはさむ側面と同一の矩形形状を有する。
このような構成により端部ブロック7Dは、互いに接着された複数の四角柱ブロック7B、7Cの端部に接着されて、光束分割光学素子7の長手方向の端部を形成している。
端部ブロック7Dの材質は、三角柱ブロック7Aと同様な材質からなる。
このような構成の光束分割光学素子7は、本実施形態では、以下のようにして製造している。
まず、図4に二点鎖線で示すように、光路分岐面7b(7c)を形成する側面間の距離dに等しい厚さを有するシート部材または板部材を、光路分岐面7b(7c)となるビームスプリッタ面を形成しつつ重ねて接着する。これらのシート部材または板部材は、四角柱ブロック7B(7C)の数だけ積層する。さらに、端部ブロック7Dを形成可能な厚さdを有するシート部材または板部材をこの積層体の最上層に接着して積層体70を形成する。このとき、接着面には、予め光路分岐面7b(7c)となるビームスプリッタ面を形成して接着する。
次に、この積層体70を積層方向に対して45度の方向に切断することにより、四角柱ブロック7B(7C)と端部ブロック7Dとの接合体71B(71C)を切り出す。
接合体71B、71Cは、本実施形態では、同一形状を有するため、1つの積層体70から、接合体71B、71Cを同時に切り出すことが可能である。
次に、接合体71B、71Cの端部ブロック7Dと反対側に端部に形成された傾斜面を、別途形成した三角柱ブロック7Aの90度の頂角を挟む側面に接着する。このとき、接着面には、予め光路分岐面7b(7c)となるビームスプリッタ面を形成して接着する。
このようにして光束分割光学素子7が製造される。
次に、ライトガイドプレート6の構成について説明する。
ライトガイドプレート6は、図1に示すように、光束分割光学素子7の出射面7dから出射された光束群Lをx軸負方向側に向けて導光し、さらに導光された光束群Lをx軸方向に光束分割して、複数の光束Lを形成し、y軸方向およびx軸方向に延びる矩形状の領域の範囲内に分布する光束群である光束L(第2の光束群)を形成して外部に出射する板状部材である。
ライトガイドプレート6は、湾曲板状に形成されていてもよいが、本実施形態では一例として、短辺がy軸方向に、長辺がx軸方向に、それぞれ延びる矩形板状に形成されている。
ライトガイドプレート6のy軸方向に延びる短辺の幅は、図2に示すように、光束分割光学素子7の長手方向の長さと同一であり、z軸負方向側の表面である第1板面6d上に、光束分割光学素子7の出射面7dが接着されている。
ライトガイドプレート6の材質は、光透過性を有する合成樹脂やガラス板を採用することができる。
図1に示すように、ライトガイドプレート6の内部には、光束分割光学素子7の出射面7dと対向する位置にy軸方向に延ばして形成されたカップリング反射部6aと、カップリング反射部6aに対してx軸負方向側に離間した位置に設けられた光束分割部6c(第2の光束分割部)とを備える。
カップリング反射部6aは、出射面7dから出射された光束群Lをライトガイドプレート6内でx軸負方向側に偏向するため、zx平面に直交し、yz平面に斜めに交差する反射面からなる。カップリング反射部6aは、ライトガイドプレート6の短辺の全幅に貫通して設けられている。
カップリング反射部6aによって反射された光束群Lは、ライトガイドプレート6の板面である第1板面6dおよび第2板面6eの裏面で内面反射を繰り返して、x軸負方向側に導光される。
光束分割部6cは、ライトガイドプレート6の内部に導光された光束群Lを、第1板面6dから出射する複数の光束Lに分割するためのもので、zx平面に直交し、yz平面に斜めに交差する光路分岐面6b、6b、6b、6b、6b、6bが互いに離間して配置されている。ここで、下付き添字は、数字が大きいほどz軸から離れて配置されていることを意味している。
以下では簡単のため、光路分岐面6b、6b、6b、6b、6b、6bの全体を指す場合には「各光路分岐面6b」、「各光路分岐面6b」のうちの任意の1つを指す場合には「光路分岐面6b」と称する場合がある。
各光路分岐面6bは、ライトガイドプレート6の短辺の全幅に貫通して設けられている。
本実施形態では、各光路分岐面6bは互いに平行に配置されている。各光路分岐面6bのライトガイドプレート6の中立面Sに対する傾斜角φは、y軸正方向側からzx平面を見たときにy軸に関して時計回りに測って27度とされている。
各光路分岐面6bの光学特性は、入射する光束群Lを約1/6ずつの光量を有する光束Lとして第1板面6dに向けて分岐するように設定されている。
例えば、波長550nmの光束が入射角27度で入射したときの透過率、反射率は、光路分岐面6bでは反射率16.7%、透過率83.3%とし、光路分岐面6b、…、6bまで、反射率が20%から100%まで順次増大し、透過率が80%から0%まで順次減少するような光学特性を採用することができる。
このような構成の映像表示装置10の作用について説明する。
上記に光束分割の概要を説明したように、映像表示素子2の表示面Dから放射された光束Lは、図2に示すように、発散光束として進み、PBSキューブ3を透過して、コリメータレンズ4に入射すると、平行光束化されて光束Lが形成される。
光束Lは、入射面7aに入射すると、図3に示すように、光束分割光学素子7によって光束分割されて、レンズ光軸Ozの両側に対称に分布する光束群Lが形成される。
このとき、上記の説明では省略したが、表示面Dの各画素から放射された光束がそれぞれ光束群Lを形成する。この点について、具体的な光路図の一例である図5を参照して説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態の映像表示装置の主要部の光路を示す模式的な光路図である。
図5は、本実施形態の映像表示装置10における光束分割光学素子7までの光路の一例を示している。ただし、見易くするために形状寸法を適宜に設定して、光束L0C、L0y2のみを記載し、かつ、各光路分岐面7b、7cをそれぞれ4枚構成に変更している。この各光路分岐面7b、7cにより光束分割される各4本の光束の光量は、互いに等しくなっている。このような構成とするための光学特性の設定は上記の説明から容易に理解される。
また、正確に光線追跡を行うため、図1、2では図示を省略していた映像表示素子2のカバーガラス2aが、映像表示素子2とPBSキューブ3との間に配置されている。
図5に示すように、表示面Dの中心の原点Oに位置する画素から放射された光束L0Cは、実線で示すように、コリメータレンズ4を透過すると、レンズ光軸Oz上を進む光束L1Cとして、入射面7aに入射する。
この光束L1Cは、光束分割光学素子7で光束分割されて、実線の矢印で示すように、レンズ光軸Ozと平行な8本の光束群L2Cとして、出射面7dから出射される。
一方、表示面Dのy軸負方向側の最外周に位置する画素から出射された光束LOy2は、破線で示すように、コリメータレンズ4を透過すると、レンズ光軸Ozをy軸負方向からy軸正方向に向かって横断する斜めの平行光束である光束L1y2として、入射面7aに入射する。すなわち、光束L1Cの光軸がレンズ光軸Ozと同軸であるのに対して、光束L1y2の光軸Oy2は、レンズ光軸Ozに対して、傾斜角ψy2だけスキューしている。傾斜角ψy2は、表示面Dにおける物体高によって異なる。
本実施形態では、入射面7aは、コリメータレンズ4の後側焦点面に位置するため、光束L1y2の主光線がコリメータレンズ4の後側焦点を通過する。このため、入射面7aにおいて、光束L1y2と光束L1Cとが交差する。同様に、表示面D上の各点から出射された光束Lによる各光束Lの主光線は、すべて後側焦点を通過するため、すべての光束Lの通過範囲は、後側焦点面で最小となり、その大きさは、光束L1Cの光束径に略等しい。
このように、入射面7aをコリメータレンズ4の後側焦点面に合わせることで、コリメータレンズ4の配置誤差や遮光層8(図2参照)の製作誤差があっても、入射面7aをあまり大きくすることなく、光束Lの全体を確実に光束分割光学素子7内に入射させることができる。
レンズ光軸Ozに対して傾斜角ψy2だけスキューした状態で、入射面7aに入射した光束L1y2は、各光路分岐面7b、7cによって光束分割されて、図5に破線の矢印で示すように、レンズ光軸Ozと平行な8本の光束群L2y2として、出射面7dから出射される。
各光路分岐面7b、7cは、光束Lの光軸に平行な方向に、光束Lを出射するため、光束L2y2を構成する各光束の光軸も光束L1y2の光軸Oy2に平行である。
したがって、表示面Dにおけるy軸方向の最大の物体高に対応して、光束Lの光軸が±ψmaxの範囲で変化すると、これに対応して、光束群Lを構成する各光束も±ψmaxの範囲にてyz平面内でスキューする光軸を有することになる。
したがって、光路分岐面7b、7cにおける光束のケラレを生じないようにするためには、光束分割光学素子7のz軸方向の最小限の厚さtは、次式(1)を満足する必要がある。
t=dL1/2+2・Lmax・tanψmax ・・・(1)
ここで、dL1は光束Lの光束径、Lmaxはコリメータレンズ4の後側焦点位置から、レンズ光軸Ozに対して最も離れた光路分岐面7b、7c(図2の例では、光路分岐面7b、7c、図5の例では光路分岐面7b、7c)までの光束L1Cの光路長である。
このような光束群Lは、図1に示すように、出射面7dから出射されると、カップリング反射部6aに入射して、x軸負方向側に偏向されて、第1板面6d、第2板面6eの間の内面反射を繰り返し、全体として、ライトガイドプレート6内をx軸負方向側に向かって導光される。
光束群Lが、光束分割部6cに到達すると、各光路分岐面6bによって、順次光束分割されて、x軸方向の異なる位置で光路分岐された複数の光束Lが形成される。
各光束Lは、光束群Lがy軸方向に分布していることに対応して、y軸方向にわたる範囲に分布する光束群になっている。また、各光路分岐面6bからの出射方向は、導光の光路長によって異なるため、各光束Lは、矢印で模式的に示すような広がりを有している。
このようにして、光束分割部6cにおける第1板面6dからは、y軸方向、x軸方向にわたる矩形状の領域から、複数の光束Lで構成される光束群Lが出射されることになる。
したがって、光束分割部6cに対向する矩形状の範囲の内側では、表示面Dからのすべての映像の情報を含む光束Lが、各光路分岐面6bのいずれかで分岐されて、観察者の眼Eに入射する。これにより、観察者は、眼Eを光束分割部6cに対向する一定領域内で移動しても、表示面Dの虚像を観察することができる。
また、本実施形態では、光束分割光学素子7によって、光束Lをレンズ光軸Ozの両側において、zx平面に面対称に光束分割を行うため、光束分割光学素子7の大きさを小型化することが可能になる。
この点について、図6に示す比較例の光路図を参照して説明する。
図6は、比較例の映像表示装置の主要部の光路を示す模式的な光路図である。
比較例の映像表示装置では、本実施形態の光束分割光学素子7に代えて光束分割光学素子107を備える。
光束分割光学素子107は、本実施形態の光束分割光学素子7の各光路分岐面7bを削除し、光路分岐面7c〜7cに代えて、光路分岐面107b〜107bを備える。
光路分岐面107bは、光束Lの全光束を横断して配置され、光束Lの一部を透過し残りをy軸負方向側に偏向する光路分岐面である。
光路分岐面107b〜107bは、光路分岐面107bでy軸負方向側に反射された光束Lの一部を反射して、z軸正方向側に光束分割するもので光路分岐面107bに平行に設けられている。
光束分割光学素子107のy軸方向の長さは、光束群Lが分布する長さに合わせるため、光束分割光学素子7のy軸方向の長さHと同一である。
このような光束分割光学素子107では、光束分割光学素子7と同様に、光束のケラレが生じないようなz軸方向の厚さt’を見積もると、次式(2)を満足する必要がある。
t’=dL1+2・Lmax’・tanψmax ・・・(2)
ここで、Lmax’は、コリメータレンズ4の後側焦点位置から、レンズ光軸Ozに対して最も離れた光路分岐面107bまでの光束L1Cの光路長である。
max’は、Lmaxの2倍に等しいから、上記式(1)、(2)から、下記式(3)が成り立つ。
t’=2・t ・・・(3)
したがって、光束分割光学素子7は、光束分割光学素子107に比べてz軸方向の厚さが1/2になっているため、光束分割光学素子107のように、レンズ光軸Ozの片側のみにわたって、y軸方向の光束分割を行う場合に比べると、小型化、軽量化されていることが分かる。
また、図6に示すように、比較例の場合、コリメータレンズ4のレンズ径によっては、コリメータレンズ4が、光束分割光学素子107のy軸正方向の端部からhだけ突出するため、映像表示装置のy軸方向の大きさが大きくなってしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態では、同サイズのコリメータレンズ4であっても、光束分割光学素子7のy軸方向の中心に配置されるため、光束分割光学素子7のy軸方向の幅Hの範囲に収まっており、y軸方向の大きさも小型化することが可能である。
比較例の映像表示装置の場合、光束分割光学素子107の厚さt’を薄くして小型化、軽量化することも可能であるが、この場合、物体高の光路分岐面107bでは、y軸方向の物体高が高い位置から放射される光束Lがけられてしまうため、光束分割部6cにおいて、z軸負方向側の位置に対向して観察すると、y軸方向の画像が欠落してしまうため、良好な画質での観察範囲が狭くなってしまう。
これに対して、映像表示装置10では、小型化、軽量化と、良好な画質の観察領域の広さとを両立させることが可能である。
また、観察領域の周辺での映像劣化を、ある程度許容することも考えられる。この場合、比較例では、映像劣化する領域がz軸負方向側に偏るため、良好な映像が観察できる領域にz軸正方向側に偏ってしまい、観察領域の中心部の画質が最良になっているわけではない。
これに対して、映像表示装置10では、映像劣化する領域はz軸方向の両端側になるため、観察領域の中心部で画質が最良になる。
また、映像表示装置10では、同一の観察領域を実現するために、各光路分岐面7b、7cの有効領域が、比較例の各光路分岐面107bの有効領域に比べて狭くて済むため、各光路分岐面7b、7cの透過率や反射率などの光学特性のムラが相対的に少なくなる。このため、より高画質の観察が可能となる。また、光路分岐面を形成するための製造コストも比較例に比べて低減することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の映像表示装置について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態の映像表示装置の主要部の構成を示す模式的な断面図である。
図7に示すように、本実施形態の映像表示装置20は、上記第1の実施形態の導光ユニット9に代えて、導光ユニット19を備える。
導光ユニット19は、上記第1の実施形態の光束分割光学素子7の出射面7dとライトガイドプレート6の第1板面6dとの間に、1/2波長板11を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
1/2波長板11は、光束分割光学素子7によって光束分割された光束群Lの偏光方向を90度回転させるように配置されている。
映像表示装置20では、コリメータレンズ4から出射される光束Lの偏光方向が、各光路分岐面7b、7cに対してS偏光となるように、映像表示部1を配置する。なお、映像表示部1が直線偏光を出射しない場合には、偏光子を配置するなどして直線偏光にしておく。
上記第1の実施形態と同様にして、光束分割光学素子7から出射される光束群L(図7には図示略)は、1/2波長板11を透過することにより、偏光方向が90度だけ回転して、ライトガイドプレート6に入射する。
これより、光束群Lは、ライトガイドプレート6におけるカップリング反射部6aや各光路分岐面6bに対して、S偏光として入射することになる。
本実施形態によれば、光束群Lがカップリング反射部6aに対して、S偏光になるため、P偏光となる場合に比べてカップリング反射部6aにおける反射率を向上することができ、観察可能な映像光の輝度を向上することができる。
なお、上記の各実施形態の説明では、光束分割光学素子7の光路分岐面7b、7cの枚数や、ライトガイドプレート6の光路分岐面6bの枚数として、それぞれ、5枚、4枚、6枚の場合の例を挙げて説明したが、これらの枚数は一例である。
光路分岐面7b、7cの枚数は、必要な観察領域のy軸方向の大きさに応じて2枚以上の適宜の枚数を採用することができる。
光路分岐面6bの枚数は、必要な観察領域のx軸方向の大きさに応じて2枚以上の適宜の枚数を採用することができる。
また、上記の各実施形態の説明では、入射面7aがコリメータレンズ4の後側焦点面に配置されている場合の例で説明したが、開口部8aによる光束Lのケラレ量が許容範囲であれば、入射面7aの位置は後側焦点面からずれていてもよい。すなわち、入射面7aは、後側焦点面と略整列(整列する場合を含む)する状態であればよい。
さらに、入射面7aは、後側焦点面から平行にずらした構成とすることも可能である。
例えば、遮光層8に対応する開口絞りを後側焦点面に配置して、入射面7aを像側にずらして配置してもよい。
また、入射面7aを物体側に移動して、後側焦点面が光路分岐面7b、7cと交差するようにしてもよい。このとき、遮光層8の開口部8aは、すべての光束Lが遮光されない大きさとすることが好ましい。
この場合には、光束L全体の通過範囲が最小となる領域で、光路分岐面7b、7cによる光束分岐を行うことができるため、光路分岐面7b、7cの大きさを低減することができる。このとき、上記式(1)におけるLmaxも低減されるため、光束分割光学素子7のy軸方向の厚さtをさらに低減することができる。よって、光束分割光学素子7のさらなる小型化、軽量化が可能である。
また、上記の各実施形態の説明では、映像表示部1の映像表示素子2の個数が1個のみの場合の例で説明した。しかし、映像表示素子2の個数は1個には、限定されず、例えば、映像表示素子2が2色以上の映像をそれぞれ表示する2個以上のものを有し、PBSキューブ3に代えて、これらの映像を合波する合波手段、例えば、ダイクロイックプリズム等を備える構成でよい。
この場合、各映像表示素子2の配置位置は、上記の説明とは異なるが、合波手段による合波後の光路は、上記の各実施形態の説明と同一になるため、全く同様の作用を有する。
また、上記の各実施形態の説明では、入射面7aに入射する光束Lの光軸と第1の方向とが直交し、この第1の方向と第2の方向とが直交する場合の例で説明したが、それぞれは交差している方向であれば、交差角度は90度には限定されず、少なくともいずれかが90度以外の交差角度で交差していてもよい。
また、上記の各実施形態の説明では、各光路分岐面7b、各光路分岐面7cが、zx平面に関して面対称に設けられた場合の例で説明したが、z軸を挟んで両側方に配置されていれば、zx平面に関して非対称に設けてもよい。
また、上記の各実施形態に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせを代えたり、削除したりして実施することができる。
ここで、上記各実施形態の用語と特許請求の範囲の用語との対応関係について名称が異なる場合について説明する。
入射面7aは、入射部の一実施形態である。y軸方向、x軸方向は、それぞれ第1の方向、第2の方向の一実施形態である。ライトガイドプレート6は、導光部の一実施形態である。光束分割光学素子7、光束分割部6cは、それぞれ第1の光束分割部、第2の光束分割部の一実施形態である。カップリング反射部6aは、反射部の一実施形態である。光路分岐面7b、7cは、それぞれ中心部分岐面および第1光路分岐面の一実施形態である。光路分岐面7b、7b、7b、7b、7c、7c、7c、7cは、それぞれ側部分岐面および第1光路分岐面の一実施形態である。光路分岐面6b、6b、6b、6b、6b、6bは、第2光路分岐面の一実施形態である。
1 映像表示部
2 映像表示素子
3 PBSキューブ
4 コリメータレンズ
5 導光部材
6 ライトガイドプレート(導光部)
6a カップリング反射部(反射部)
6b、6b、6b、6b、6b、6b 光路分岐面(第2光路分岐面)
6c 光束分割部(第2の光束分割部)
7 光束分割光学素子(第1の光束分割部)
7a 入射面(入射部)
7b、7c 光路分岐面(中心部分岐面、第1光路分岐面)
7b、7b、7b、7b、7c、7c、7c、7c 光路分岐面(側部分岐面、第1光路分岐面)
8 遮光層
8a 開口部
9、19 導光ユニット
10、20 映像表示装置
11 1/2波長板
D 表示面
E 眼
Oz レンズ光軸
P 頂部

Claims (6)

  1. コリメータレンズと、
    該コリメータレンズによって平行光束とされた光束を入射させる入射部と、
    該入射部に入射された前記光束を分割して、該光束の光軸と交差する第1の方向において前記光軸の両側方にわたる領域で、前記光軸に平行な方向に進む第1の光束群を形成する第1の光束分割部と、
    前記第1の光束群を、前記光軸および前記第1の方向と交差する第2の方向に向けて反射する反射部と、
    該反射部で反射された前記第1の光束群を導光する板状の導光部と、
    該導光部によって導光された前記第1の光束群を分割して、前記第1の方向および前記第2の方向に分布する第2の光束群を形成する第2の光束分割部と、を備える、導光ユニット。
  2. 前記第1の光束分割部は、
    山形をなして配置され該山形の頂部が前記入射部に対向して配置されるとともに、前記頂部の連なる方向が前記第2の方向に沿うように配置された2つの中心部分岐面と、
    該2つの中心部分岐面に対してそれぞれ平行、かつ前記第1の方向に沿って離間して配置された複数の側部分岐面と、
    からなる第1光路分岐面を備え、
    前記第2の光束分割部は、
    前記第1の光束群の一部を前記第2の方向に交差する方向に反射して前記第1の光束群を分割するため、前記第1の方向に沿って延ばされて互いに平行に配置されるとともに前記第2の方向に沿って離間して配置された、複数の第2光路分岐面を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の導光ユニット。
  3. 前記中心部分岐面および前記側部分岐面は、
    前記入射部の中心軸線を含み、前記第1の方向と直交する平面に関して面対称な形状に形成された
    ことを特徴とする請求項2に記載の導光ユニット。
  4. 前記入射部は、
    前記コリメータレンズの後側焦点面に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導光ユニット。
  5. 前記第1の光束分割部と前記反射部との間に、前記第1の光束群の偏光方向を一定角度だけ回転させる1/2波長板を備える
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導光ユニット。
  6. 面状の表示領域に映像を表示する映像表示部と、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の導光ユニットと、
    を備え、
    前記映像表示部の前記表示領域は、前記導光ユニットの前記コリメータレンズの前側焦点面に配置された、映像表示装置。
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