JP2014109557A - 電圧監視装置及び電圧監視方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基準電圧生成部は基準電圧を生成し、計測部は基準電圧生成部が生成した基準電圧に基づいて電圧監視対象の電圧を計測し、環境検出部は前記基準電圧生成部が設置された環境における物理量を検出し、記憶部は基準電圧生成部が設置された環境における物理量の累積値と基準電圧の初期値からの変化を示す補正値を対応付けて記憶し、補正部は前記環境検出部が検出した環境における物理量を前記基準電圧生成部が使用された時間にわたり累積した累積値に対応する補正値を前記記憶部から読み出し、前記基準電圧生成部は、前記補正部が読み出した補正値に基づいて自部が生成する基準電圧を補正する。
【選択図】図1
Description
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る電池ユニット11の構成を示す概略ブロック図である。
電池ユニット11は、電池セル111と電池監視回路(電圧監視装置)112とを含んで構成される。
電池セル111は、1個の正極端子と負極端子の対を備え、その対が電解質を挟む電池の構成単位である。電池セルは、セル電池、又は単にセルと呼ばれることがある。本実施形態では、電池セル111は、充電と放電を繰り返し行うことができる二次電池、例えばリチウムイオン電池である。以下の説明では、電圧の監視対象として電池セル111が発生する電圧(起電力)を例にとる。
電池監視回路112は、AD(Analog to Digital、アナログ・ディジタル)変換装置112aと制御部116とを備えている。AD変換装置112aは、基準電圧発生部(基準電圧生成部)114とAD変換部112bとを備えている。基準電圧発生部114は第1の基準電圧発生回路114−1と第2の基準電圧発生回路114−2とを含んで構成される。
第2の基準電圧発生回路114−2は、第2の基準電圧V2を出力する第2の基準電圧出力端子と、第2の基準電圧の1/nの第2の分圧電圧V2/nを出力する第2の分圧電圧出力部とを備えている。第1の基準電圧V1と第2の基準電圧V2の初期値は、例えば、同じ値(V1=V2)である。第2の分圧電圧の第2の基準電圧に対する分圧比は、第1の分圧電圧の第1の基準電圧に対する分圧比と等しい値、1/nである。
基準電圧発生回路は、例えば、ツェナーダイオードを含んで構成される。ツェナーダイオードは、その両端に印加された電圧が、ある一定の電圧である基準電圧に等しくなるように電流が流れる特性(ツェナー効果)を有する回路素子である。第1の基準電圧発生回路による基準電圧は、一般に時間経過に伴って徐々に低下する。また、基準電圧の低下は、温度変化や振動等の環境変化によって助長されることがある。そのため、後述するように、本実施形態では基準電圧発生回路について診断動作を行い、基準電圧に異常が発生した場合には、基準電圧を補正する。
AD変換器113は、基準電圧入力部、AD変換電圧入力部及びAD変換値出力部を備えている。AD変換値出力部は比較部1161(後述)に接続され、AD変換器113によってAD変換されたAD変換値を示すセル電圧信号を、比較部1161(後述)に出力する。AD変換器113は、第1の基準電圧発生回路114−1又は第2の基準電圧発生回路から入力された基準電圧信号に基づく基準電圧で電池セル111の電圧値をディジタル値、つまりAD変換値に量子化する。AD変換器113は、量子化された電圧値を示すセル電圧信号を出力する。これにより、電池セル111の電圧が計測される。
接続切替制御部118は、制御部116の制御に基づいて、接続切替部115が備える端子115aと端子115cもしくは115eとの間の接続の切り替えを制御し、端子115bと端子115d、115eもしくは115gとの間の接続の切り替えを制御する。
制御部116は、その判定結果に基づきアプリケーションソフトウェア(以下、単にアプリケーションと呼ぶ)の動作を停止するか否か判断するようにしてもよい。充電監視処理の詳細については、後述する。
制御部116は、比較部1161、温度計測部(環境検出部)1162、温度履歴記憶部1163、関数記憶部1164、電圧補正DB(Database、データベース;記憶部)1165、及び補正部1167を含んで構成される。
温度履歴記憶部1163は、温度計測部1162から入力された温度信号を、現時刻を示す時刻情報と対応付けて記憶する。温度履歴記憶部1163は、第1の基準電圧発生回路114−1、第2の基準電圧発生回路114−2のそれぞれが、稼動しているか稼動せずにパワーダウンしているか、を示す稼動情報を、温度信号及び時刻情報と対応付けて記憶してもよい。
Sa=Σl{K(tl)×(temp(tl)−temp0)}×Δtl) …(1)
なお、この例では、関数記憶部1164に、式(1)と重み係数K(…)、最適動作温度temp0を変数群として記憶させておく。
次に、温度による累積ストレスの例について説明する。
図2は、累積ストレスの例を示す概念図である。
図2(a)は、累積ストレスと初期の基準電圧との差分値との関係の一例を示す。
図2(a)において、横軸は累積ストレスを示し、縦軸は初期の基準電圧との差分値を示す。
図2(a)に示す例では、累積ストレスが大きくなるに従って、初期の基準電圧との差分値が大きくなること、即ち、初期の基準電圧との差分値は累積ストレスに比例する関係が示されている。但し、基準電圧は、時間の経過に伴って低下する傾向があるところ、基準電圧発生回路が受けた累積ストレスが多いほど基準電圧が低下することを示す。つまり、図2(a)に示す初期の基準電圧との差分値は、絶対値である。基準電圧を補正する場合には、低下した基準電圧に絶対値である差分値を加算して上昇させる。
図2(b)において、横軸は時刻を示し、縦軸は温度を示す。温度の原点は、最適動作温度temp0である。図2(b)では、紙面の都合で、最適動作温度temp0よりも低い温度が示されていないが、本実施形態においてその低い温度を考慮しないことを意味するものではない。横軸の真下のΔt1、Δt2、Δt3、…は、それぞれ時刻t1、t2、t3…、を中心とする時間間隔(例えば、1分)を示す。太線は、温度変化の例を示す。この太線に向かう、それぞれの矢印の起点は、時刻t1、t2、t3、…それぞれにおいて計測される温度temp(t1)、temp(t2)、temp(t3)、…を示す。右側のK1、K2、K3、K4、…は、それぞれ予め定めた温度の幅(例えば、5°C)を有する異なる温度区間に対応する重み係数を示す。K1等の値は、実測された製品寿命と温度変化との関係に基づいて予め定めておく。また、K1等の値は、対応する温度区間の中心値が最適動作温度temp0との差の絶対値が大きいほど大きい値をとる。従って、最適動作温度temp0からの温度の差が著しいほど、累積ストレスが増加する。図2(b)に示す例では、K1等の値は、それぞれ対応する温度区間内では一定値に離散化されている。図2(b)に示すように、時刻、温度区間が離散化されているため、ディジタル演算により式(1)を用いて比較的少ない演算量で累積ストレスを算出することができる。
なお、本実施形態では、K1等の値は、それぞれ対応する温度区間毎に離散化された値(離散値)でなく、連続値であってもよい。K1等の値は、離散値であるか連続値であるかにかかわらず、計測された温度と最適動作温度temp0との差の絶対値が大きくなるに従って、大きくなる値であればよい。
次に、図1を参照して、電池セル111の充電監視制御(電圧監視処理)について説明する。まず、制御部116は、接続切替制御部118を制御し、この制御によって接続切替制御部118は、端子115aと端子115cとを接続するように接続切替部115を制御する。これにより、AD変換器113の基準電圧入力部に第1の基準電圧発生回路114−1の第1の基準電圧出力端子が接続される。接続切替制御部118は、端子115bと端子115eとを接続するように接続切替部115を制御する。これにより、AD変換器113のAD変換電圧入力部に電池セル111の電圧出力端子が接続される。
次に、AD変換装置112aの診断時の動作のうち、AD変換器113の診断動作について説明する。制御部116は接続切替制御部118を制御し、この制御によって接続切替制御部118は、端子115aと端子115cとを接続するように接続切替部115を制御する。これにより、AD変換器113の基準電圧入力部に第1の基準電圧発生回路114−1の第1の基準電圧出力端子が接続される。接続切替制御部118は、端子115bと端子115dとを接続するように接続切替部115を制御する。これにより、AD変換器113のAD変換電圧入力部に第1の基準電圧発生回路114−1の第1の分圧電圧出力部が接続される。
AD変換器113が正常であると判定された場合には、次に、第1の基準電圧発生回路114−1の診断に係る処理を行う。AD変換装置112aの診断時の動作のうち、第1の基準電圧発生回路114−1の診断動作について説明する。
制御部116は接続切替制御部118を制御し、この制御によって接続切替制御部118は、端子115aと端子115cとを接続し、端子115bと端子115gとを接続するように接続切替部115を制御する。これにより、AD変換器113の基準電圧入力部に第1の基準電圧発生回路114−1の第1の基準電圧出力端子が接続され、AD変換電圧入力部に第2の基準電圧発生回路114−2の第2の分圧電圧出力端子が接続される。
その両者が一致していると判定された場合、比較部1161は、第1の基準電圧発生回路114−1は劣化していないと判定する。第1の基準電圧発生回路114−1が正常であれば、第2の分圧電圧V2/nと第1の分圧電圧V1/nは等しいためである。第1の基準電圧発生回路114−1は劣化していないと判定されたとき、制御部116ではアプリケーションの動作を継続する。予め設定されたAD変換値と、入力された第2の分圧電圧V2/nのAD変換値が不一致である場合、比較部1161は、第1の基準電圧発生回路114−1は劣化していると判定する。このとき、制御部116は、動作しているアプリケーションの動作を停止し、電池セル111への充電を停止する。
次に、本実施形態に係る基準電圧発生回路の診断動作の変形例について説明する。
本実施形態に係る充電監視制御、電池セル111の電圧監視、及びAD変換器113の動作が正常であるか否かを判定に係る処理については上述した実施形態と同様であってもよい。但し、本実施形態では、AD変換器113が正常であると判定された場合に、次に説明する第1の基準電圧発生回路114−1の診断に係る処理を行う。
制御部116は接続切替制御部118を制御し、この制御によって接続切替制御部118は、端子115aと端子115fとを接続するように接続切替部115を制御する。これにより、AD変換器113の基準電圧入力部に第2の基準電圧発生回路114−2の第2の基準電圧出力端子から第2の基準電圧V2が供給される。また、接続切替制御部118は、端子115bと端子115dとを接続するように接続切替部115を制御する。これにより、AD変換器113の基準電圧入力部に第1の基準電圧発生回路114−1の第1の分圧電圧出力端子から第1の分圧電圧V1/nが供給される。AD変換器113は、第2の基準電圧発生回路114−2から供給された第2の基準電圧V2を基準として第1の分圧電圧V1/nを正規化し、正規化した値をAD変換する。AD変換器113は、AD変換値を比較部1161に出力して、第1の基準電圧発生回路114−1の診断に係る処理を行う。
第1の基準電圧発生回路114−1が正常であれば、第1の基準電圧V1と第2の基準電圧V2は等しいので、比較部1161は、両者が一致するか否かにより第1の基準電圧発生回路114−1が正常であるか否かを判定する。比較部1161は、両者が一致する場合、第1の基準電圧発生回路114−1が正常であり、第1の基準電圧発生回路114−1は劣化していないと判定し、制御部116は、動作中のアプリケーションの動作を継続する。比較部1161は、両者が不一致である場合、第1の基準電圧発生回路114−1が劣化していると判定し、制御部116は、動作中のアプリケーションの動作を停止し、電池セル111への充電に係る処理を停止する。
4ビットのAD変換値に変換する場合を例にとると、5Vを示す(1111)に対して2.5Vを示す(0111)が出力される。この場合、第1の基準電圧発生回路114−1が劣化して、第1の基準電圧V1が5Vから4.4V(第1の基準電圧V1’)に低下すると、第1の分圧電圧V1’/nは2.2Vとなる。AD変換器113は、第2の基準電圧V2(=5V)を基準として、第1の分圧電圧V1’/n(=2.2V)を正規化した値をAD変換するので、AD変換値は5Vを示す(1111)に対して2.2V(0110)が出力される。よって、第2の基準電圧V2を基準とした第1の分圧電圧V1/nのAD変換値(0110)と予め設定した第1の分圧電圧V1/nのAD変換値(0111)とが一致しなくなり、第1の基準電圧発生回路114−1が劣化していると判定される。
本実施形態とは異なり、第1の基準電圧V1を分圧した第1の分圧電圧V1/nを用いずに、第1の基準電圧V1をAD変換した値と、第1の基準電圧発生回路114−1が正常な場合に第1の基準電圧V1をAD変換した値と、を比較してAD変換器が正常であるか否かを判定する。その場合、AD変換器113が正常であっても、第1の基準電圧発生回路114−1が劣化していれば、これらの値は一致しなくなってしまう。本実施形態では、上述した構成により、AD変換器113の診断を正確に行えなくなってしまうという問題を解決する。
上述では、第1の基準電圧発生回路114−1、第2の基準電圧発生回路114−2において、補正部1167から入力された補正値に基づいて第1の基準電圧、第2の基準電圧をそれぞれ補正していたが、本実施形態ではこれには限られない。
本実施形態では、AD変換器113において第1の基準電圧発生回路114−1、第2の基準電圧発生回路114−2からそれぞれ接続切替部115を介して入力された基準電圧等について補正部1167から入力された補正値に基づいて補正するようにしてもよい。基準電圧値等とは、具体的には、第1の基準電圧、第2の基準電圧、第1の分圧電圧、第2の分圧電圧である。
また、AD変換器113は、第1の基準電圧発生回路114−1、第2の基準電圧発生回路114−2から供給された、第1の分圧電圧、第2の分圧電圧にそれぞれの補正値に分圧比1/nを乗じた値を加算して、補正した第1の分圧電圧、第2の分圧電圧を得る。
AD変換器113は、補正した第1の基準電圧に基づいて電池セル111からの出力電圧をAD変換する。AD変換器113の診断動作では、補正した第1の基準電圧に基づいて補正した第1の分圧電圧をAD変換する。基準電圧発生回路の診断動作では、補正した第1の基準電圧に基づいて補正した第2の分圧電圧、又は補正した第2の基準電圧に基づいて補正した第1の分圧電圧をそれぞれAD変換する。
また、本実施形態では、単独の電池セル111の代わりに複数個の電池セルを組み合わせて構成された組電池列の充電状態を監視するようにしてもよい。
また、本実施形態では、補正部1167における第2の基準電圧発生回路114−2に係る補正値の算出、第2の基準電圧発生回路114−2、又はAD変換器113による第2の基準電圧の補正に係る処理を省略してもよい。
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を援用する。
図3は、本実施形態に係る電池システム2の全体構成を示す概略ブロック図である。
電池システム2は、M個(Mは、1以上の整数、図3に示す例では1)の電池ユニット21、電池ユニット21毎にN(Nは、1以上の整数、例えば、4)個の電池ユニット対応スイッチ22−1〜22−N、第2の基準電圧発生回路24、電池制御回路26、及び表示部27を含んで構成される。
組電池列211は、N個の電池セルを含んで構成される。電池セルの数が複数である場合には、複数の電池セルが互いに直列に接続されて組電池列211が形成される。ここでは、組電池列211を構成するN個の電池セルを、電池セル211−1〜211−N、又は電池セル211−1等と示すことによって区別する。電池セル211−1等以外の、それぞれ複数個存在する構成についても同様に区別する。
電池監視回路212は、組電池列211の状態、例えば、電圧や温度を検出(監視)し、検出した状態を示す電池状態信号を電池制御回路26に出力する。電池監視回路212は、電池制御回路26から入力された電池制御信号に基づいて動作が制御される。電池監視回路212の構成については後述する。
電池ユニット対応スイッチ22−1等は、その一端と他端との間が絶縁されている開状態又は接続されている閉状態のうちいずれかの状態をとる。電池ユニット対応スイッチ22−1等は、制御部216から入力された電池ユニット対応スイッチ制御信号に基づいて自部の状態を開状態又は閉状態に切り替える。
本実施形態では、第1の基準電圧1と第2の基準電圧に差異が生じることに着目して、各々の計測結果の差異に基づき計測精度に異常が生じているか否かを判定する。
第2の基準電圧発生回路24は、通信ネットワークに接続され、電池監視回路212又は電池制御回路26により動作が制御されるようにしてもよい。例えば、後述する基準電圧信号2を選択することを示す基準電源選択信号が電池監視回路212の制御部216から受信したときから、予め定めた時間(例えば、3秒)だけ稼動するように稼動時間が制限されるようにしてもよい。これにより、第2の基準電圧の低下を緩やかにすることができる。
電池制御回路26は、電池監視回路212から異常検出信号が入力された場合には、入力された異常検出信号を表示部27に出力する。異常検出信号は、組電池列211に異常が検出されたことを示す信号である。
電池状態要求信号を出力する契機は、例えば、他の構成部(電池システム2には限らない)からその動作を停止したことを示す停止信号が電池制御回路26に入力されたときである。他の構成部は、例えば、内燃機関に供給された燃料を点火させる点火装置(イグニッションシステム)、車両の動力源であるモータ、等である。
その他、電池状態要求信号を出力する契機は、組電池列211の温度が所定の温度閾値(例えば、50°C)を超えたときでもよい。組電池列211の温度として、電池制御回路26は、該組電池列211に対応する電池監視回路212から入力された電池状態信号が示す温度の情報を用いることができる。
電池監視回路212は、AD変換器(計測部)113、第1の基準電圧発生回路(基準電圧生成部)114−1、N個の基準電源スイッチ215−1〜215−N、制御部216、及びトランシーバ217を含んで構成される。制御部216の構成については後述する。
なお、電池セルの電圧値が基準電圧を超える場合には、AD変換器113は、量子化したディジタル値として、例えばその最大値を与える。所定のビット数が4ビットである場合には、最大値(1111)が与えられる。
基準電源スイッチ215−1〜215−Nは、制御部216から入力された基準電源選択信号に基づいて、出力端と接続する入力端を、各2個の入力端の一方にするか他方にするかを切り替える。これにより、基準電源スイッチ215−1〜215−Nの出力端からAD変換器113に出力する基準電圧信号として、第1基準電圧信号を出力するか、第2基準電圧信号を出力するかが選択される。つまり、基準電源スイッチ215−1〜215−Nは、基準電源切替用のスイッチである。
次に、本実施形態に係る制御部216の構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る制御部216の構成を示す概略ブロック図である。
制御部216は、判定部2161、温度計測部1162、温度履歴記憶部1163、関数記憶部1164、電圧補正DB1165及び補正部1167を含んで構成される。即ち、制御部216の構成は、図1に示す制御部116において比較部1161の代わりに判定部2161を備えた構成に相当する。
判定部2161は、電圧の計測精度に異常が発生したと判定した場合には、異常が検出されたことを示す異常検出信号を生成し、生成した異常検出信号を、トランシーバ217を介して電池制御回路26に出力する。
判定部2161には、温度計測部1162から温度信号が入力され、入力された温度信号を、電池状態信号としてトランシーバ217を介して電池制御回路26に出力する。
次に、本実施形態に係る電圧監視処理について説明する。
図5は、本実施形態に係る電圧監視処理を示すフローチャートである。
(ステップS101)電池制御回路26は、組電池列211の電圧を示す電池状態要求信号を生成し、生成した電池状態要求信号を判定部2161に出力する(電圧情報要求)。その後、ステップS102に進む。
(ステップS103)判定部2161は、第1基準電圧信号を選択することを示す基準電源選択信号を生成し、生成した基準電源選択信号を基準電源スイッチ215−1〜215−Nにそれぞれ出力する。基準電源スイッチ215−1〜215−Nは、判定部2161から第1基準電圧信号を選択することを示す基準電源選択信号が入力されたとき、第1基準電圧信号を選択し、選択した第1基準電圧信号をA/D変換器113に出力する。A/D変換器113は、電池セル211−1〜211−Nのそれぞれのアナログの電圧値から、N個の基準電源スイッチ215−1〜215−Nからそれぞれ入力された第1基準電圧信号に基づいてディジタル値に量子化する。これにより、電池セル211−1〜211−Nのそれぞれの電圧(セル電圧1)を計測する。A/D変換器113は、セル電圧1を示すセル電圧信号を判定部2161に出力する。その後、ステップS104に進む。
判定部2161は、算出した指標値に基づいてセル電圧の計測精度に異常が発生したか否かを判定する。判定部2161は、例えば、その計数した電池セル数が、予め定めた電池セル数の閾値(例えば、1個)よりも大きい場合、その電池ユニット21においてセル電圧の計測精度に異常が検出されたと判定する。判定部2161は、その計数した電池セル数が、その電池セル数の閾値以下の場合、その電池ユニット21においてセル電圧の計測精度が正常であると判定する。その後、ステップS107に進む。
(ステップS108)判定部2161は、異常検出信号を生成し、生成した異常検出信号を、電池制御回路26に出力する。表示部27は、電池制御回路26から異常検出信号が入力されたとき、異常検出情報を表示する(異常通知)。その後、処理を終了する。
次に、本実施形態における基準電圧補正処理に関して、主に第1の実施形態との差異点について説明する。
補正部1167(図4)は、第1の基準電圧発生回路114−1(図3)について第1の実施形態で説明した処理と同様な処理を行って補正値等を算出する。但し、第2の基準電圧発生回路24(図3)の温度は、温度計測部1162(図4)では計測又は近似できないことがあるため、第2の基準電圧発生回路24又はその近傍に温度計測部(図示せず)を設置しておく。温度履歴記憶部1163は、この温度計測部から入力された温度信号を、基準電圧発生回路毎に時刻情報と対応付けて記憶する。また、温度履歴記憶部1163(図4)は、判定部2161(図4)から入力された基準電源選択信号に基づいて、第2の基準電圧発生回路24(図3)が稼動している時間を示す稼動情報を生成する。第2の基準電圧発生回路24が稼動している時間は、第2基準電圧信号を選択することを示す基準電源選択信号が入力された時点から、その次に第1基準電圧信号を選択することを示す基準電源選択信号が入力される時点までの時間を累積して得られる時間である。この時間は、第2の基準電圧発生回路24(図3)は、AD変換器113に対して第2の基準電圧信号を供給する時間に相当する。補正部1167(図4)は、このようにして得られた温度信号及び稼動情報に基づいて、式(1)を用いて第2の基準電圧発生回路24について、補正値等を算出する。
但し、電池ユニット21の個数Mが2個以上である場合には、補正部1167(図4)は、M個の電池ユニット21のうち少なくとも1個の電池ユニットにおけるAD変換器113に対して第2の基準電圧信号を供給する時間を第2の基準電圧発生回路24が稼動している時間と判断する。そこで、補正部1167は、例えば、他の電池ユニットから入力された基準電源選択信号を用いて第2の基準電圧発生回路24が稼動している時間を算出してもよい。
よって、AD変換器113は、電池セル211−1〜211−Nのそれぞれのアナログの電圧値を、補正した第1の基準電圧又は第2の基準電圧に基づいて量子化されたAD変換値を示すセル電圧信号を生成することができる。
よって、AD変換器113は、電池セル211−1〜211−Nのそれぞれのアナログの電圧値を、補正した第1の基準電圧又は第2の基準電圧に基づいて量子化されたAD変換値を示すセル電圧信号を生成することができる。
なお、本実施形態では、補正部1167における第2の基準電圧発生回路24に係る補正値の算出、第2の基準電圧発生回路24又はAD変換器113による第2の基準電圧の補正に係る処理を省略してもよい。
上述した実施形態では、電圧の計測対象、即ち監視対象として電池セルの電圧又は組電池列の電圧である場合を例にとって説明したが、これには限られず、他の対象物の電圧、例えば、電気回路を構成する回路素子を接続する端子間の電圧であってもよい。
また、上述した実施形態における電池監視回路112、212及び電池制御回路26の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。電池監視回路112、212及び電池制御回路26の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
112a…AD変換装置、114…基準電圧発生部、
114−1…第1の基準電圧発生回路、114−2…第2の基準電圧発生回路、
112b…AD変換部、113…AD変換器、115…接続切替部、
116…制御部、1161…比較部、1162…温度計測部、1163…温度履歴記憶部、
1164…関数記憶部、1165…電圧補正DB、1167…補正部、
118…接続切替制御部、
2…電池システム、21…電池ユニット、211…組電池列、
211−1〜211−N…電池セル、212…電池監視回路、
215−1〜215−N…基準電源スイッチ、216…制御部、2161…判定部、
217…トランシーバ、
22…電池ユニット対応スイッチ、24…第2の基準電圧発生回路、26…電池制御回路、
27…表示部
Claims (8)
- 基準電圧を生成する基準電圧生成部と、
前記基準電圧生成部が生成した基準電圧に基づいて電圧監視対象の電圧を計測する計測部と、
前記基準電圧生成部が設置された環境における物理量を検出する環境検出部と、
基準電圧生成部が設置された環境における物理量の累積値と基準電圧の初期値からの変化を示す補正値を対応付けて記憶する記憶部と、
前記環境検出部が検出した環境における物理量を前記基準電圧生成部が使用された時間にわたり累積した累積値に対応する補正値を前記記憶部から読み出す補正部と、
を備え、
前記基準電圧生成部は、前記補正部が読み出した補正値に基づいて自部が生成する基準電圧を補正すること
を特徴とする電圧監視装置。 - 基準電圧を生成する基準電圧生成部と、
前記基準電圧生成部が設置された環境における物理量を検出する環境検出部と、
基準電圧生成部が設置された環境における物理量に基づく累積値及び基準電圧の初期値からの変化を示す補正値を対応付けて記憶する記憶部と、
前記環境検出部が検出した環境における物理量を前記基準電圧生成部が使用された時間にわたり累積した累積値に対応する補正値を前記記憶部から読み出す補正部と、
前記補正部が供給した補正値を用いて補正した基準電圧に基づいて電圧監視対象の電圧を計測する計測部と、
を備えることを特徴とする電圧監視装置。 - 前記環境検出部は、前記物理量として温度を検出し、
前記補正部は、前記環境検出部が検出した温度と予め定めた温度の差分に基づいて前記累積値を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の電圧監視装置。 - 前記補正部は、前記環境検出部が検出した温度と予め定めた温度の差分を、前記差分が大きいほど大きくなる重み付けを行って前記累積値を算出することを特徴とする請求項3に記載の電圧監視装置。
- 前記電圧監視対象に接続される接続端子と、AD変換部と、制御部とを備え、
前記基準電圧生成部は、第1の基準電圧を生成する第1の基準電圧回路と、前記第1の基準電圧と同等の第2の基準電圧を生成する第2の基準電圧回路と、を備え、
前記AD変換部は、前記計測部としてAD変換器と、接続切替部と、前記接続切替部を制御する接続切替制御部とを備え、
前記制御部は、比較部を備え、
前記電圧監視対象の電圧監視を行う場合には、前記比較部は、前記AD変換部は、前記接続端子と前記AD変換器とを接続し、前記第1の基準電圧を利用して、前記電圧監視対象の電圧値を、前記AD変換器を介してAD変換を行って第1のAD変換値を出力し、前記制御部の制御により、前記比較部は、前記第1のAD変換値と、予め設定された第1の基準値と、の比較を行い、
前記AD変換器の特性診断を行う場合には、前記比較部は、前記AD変換部は、前記第1の基準電圧回路の前記第1の基準電圧の第1の分圧電圧を出力する第1の分圧電圧出力部と前記AD変換部とを接続し、前記第1の基準電圧を利用して、前記第1の分圧電圧を、前記AD変換器を介してAD変換を行って第2のAD変換値を出力し、前記制御部の制御により、前記比較部は、前記第2のAD変換値と、前記AD変換器が正常である場合に、前記第1の分圧電圧を前記第1の基準電圧を利用して前記AD変換器を介してAD変換を行って得られる第2の基準値と、の比較を行い、
前記第1の基準電圧回路の特性診断を行う場合には、前記比較部は、前記AD変換部は、前記第1の基準電圧回路の前記第1の基準電圧の前記第1の分圧電圧を出力する前記第1の分圧電圧出力部と前記AD変換部とを接続し、前記第2の基準電圧を利用して、前記第1の分圧電圧を、前記AD変換器を介してAD変換を行って第3のAD変換値を出力し、前記制御部の制御により、前記比較部は、前記第3のAD変換値と、前記AD変換器と前記第1の基準電圧回路が正常である場合に、前記第1の分圧電圧を前記第1の基準電圧回路が正常である場合の前記第1の基準電圧を利用して前記AD変換器を介してAD変換を行って得られる第3の基準値と、の比較を行う、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電圧監視装置。 - 前記電圧監視対象に接続される接続端子と、AD変換部と、制御部とを備え、
前記基準電圧生成部は、第1の基準電圧を生成する第1の基準電圧回路と、前記第1の基準電圧と同等の第2の基準電圧を生成する第2の基準電圧回路と、を備え、
前記AD変換部は、前記計測部としてAD変換器と、接続切替部と、前記接続切替部を制御する接続切替制御部とを備え、
前記制御部は、比較部を備え、
前記電圧監視対象の電圧監視を行う場合には、前記比較部は、前記AD変換部は、前記接続端子と前記AD変換器とを接続し、前記第1の基準電圧を利用して、前記電圧監視対象の電圧値を、前記AD変換器を介してAD変換を行って第1のAD変換値を出力し、前記制御部の制御により、前記比較部は、前記第1のAD変換値と、予め設定された第1の基準値と、の比較を行い、
前記AD変換器の特性診断を行う場合には、前記比較部は、前記AD変換部は、前記第1の基準電圧回路の前記第1の基準電圧の第1の分圧電圧を出力する第1の分圧電圧出力部と前記AD変換部とを接続し、前記第1の基準電圧を利用して、前記第1の分圧電圧を、前記AD変換器を介してAD変換を行って第2のAD変換値を出力し、前記制御部の制御により、前記比較部は、前記第2のAD変換値と、前記AD変換器が正常である場合に、前記第1の分圧電圧を前記第1の基準電圧を利用して前記AD変換器を介してAD変換を行って得られる第2の基準値と、の比較を行い、
前記第1の基準電圧回路の特性診断を行う場合には、前記比較部は、前記AD変換部は、前記第2の基準電圧回路の前記第2の基準電圧の第2の分圧電圧であって、前記第2の基準電圧に対する分圧比が、前記第1の基準電圧に対する前記第1の分圧電圧の分圧比と同じ前記第2の分圧電圧を出力する第2の分圧電圧出力部と前記AD変換部とを接続し、前記第1の基準電圧を利用して、前記第2の分圧電圧を、前記AD変換器を介してAD変換を行って第3のAD変換値を出力し、前記制御部の制御により、前記比較部は、前記第3のAD変換値と、前記AD変換器と前記第1の基準電圧回路が正常である場合に、前記第1の分圧電圧を前記第1の基準電圧回路が正常である場合の前記第1の基準電圧を利用して前記AD変換器を介してAD変換を行って得られる第3の基準値と、の比較を行う、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電圧監視装置。 - 電圧監視装置における電圧監視方法であって、
基準電圧生成部が生成した基準電圧に基づいて電圧監視対象の電圧を計測する計測過程と、
前記基準電圧生成部が設置された環境における物理量を検出する環境検出過程と、
基準電圧生成部が設置された環境における物理量の累積値と基準電圧の初期値からの変化を示す補正値を対応付けて記憶する記憶部から、前記環境検出過程で検出した環境における物理量を前記基準電圧生成部が使用された時間にわたり累積した累積値に対応する補正値を読み出し、前記読み出した補正値に基づいて前記基準電圧生成部が生成する基準電圧を補正する補正過程と、
を有することを特徴とする電圧監視方法。 - 電圧監視装置における電圧監視方法であって、
基準電圧を生成する基準電圧生成部が設置された環境における物理量を検出する環境検出過程と、
基準電圧生成部が設置された環境が基準電圧に与える負荷の累積値及び基準電圧の初期値からの変化を示す補正値を対応付けて記憶する記憶部から、前記環境検出過程で検出した環境における物理量を前記基準電圧生成部が使用された時間にわたり累積した累積値に対応する補正値を読み出す補正過程と、
前記補正過程で読み出した補正値を用いて補正した基準電圧に基づいて電圧監視対象の電圧を計測する計測過程と、
を有することを特徴とする電圧監視方法。
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