JP2014109550A - 放射線撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】直接変換方式により、広いダイナミックレンジを有し、かつ、高S/N比の放射線撮像画像を取得する。
【解決手段】放射線撮像装置(1000)は、撮像パネル部(1)と、信号処理部(4)と、を備える。撮像パネル部(1)は、電荷蓄積用コンデンサCsを含む第1画素と、電荷蓄積用コンデンサCsの容量より大きな容量を有する電荷蓄積用コンデンサClを含む第2画素と、を有する。撮像パネル部(1)は、放射線変換膜により変換された電荷であって、第1画素において蓄積された電荷に基づく第1電荷信号を取得するとともに、放射線変換部により変換された電荷であって、第2画素において蓄積された電荷に基づく第2電荷信号を取得する。信号処理部(4)は、注目画素が第1画素に対応する画素であり、かつ、注目画素の第1電荷信号の信号値が飽和している場合、注目画素の画素値を注目画素に隣接する第2画素により取得された第2電荷信号を用いて取得することで放射線撮像画像を生成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、放射線撮像技術に関する。
平面の基板上に格子状に配置された複数の画素を備えるセンサーアレイにより放射線画像(例えば、X線画像)を撮像する放射線撮像装置が知られている。このような放射線撮像装置では、放射線撮像装置に入射される放射線が、例えば、シンチレータにより光に変換され、変換された光は、各画素のフォトダイオードで電荷に変換される。さらに、上記放射線撮像装置では、フォトダイオードにより変換された電荷は、電荷蓄積用コンデンサに蓄積される。そして、上記放射線撮像装置では、蓄積された電荷を順次読み出すことで、放射線画像が取得される。
例えば、特許文献1に開示されている技術では、1つの画素内に感度特性の異なる2つの光センサ(例えば、フォトダイオード)を設けて、光電変換することにより、放射線検出感度の高感度化およびダイナミックレンジの向上の両方を実現しようとしている。
特開2011−242261号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術のように、間接変換方式(シンチレータ等を用いて放射線を光に変換する方式)では、放射線が照射されることにより変換された光が、画素の光センサ(例えば、フォトダイオード)に入射するまでに散乱するため、放射線を放射線変換膜で直接電荷に変換する直接変換方式に比べて、放射線変換効率が悪く、取得される放射線撮像画像の解像度が劣る。また、特許文献1に開示されている放射線撮像装置では、1つの画素において、複数の光センサ(例えば、フォトダイオード)のそれぞれが電荷転送用のスイッチング素子に接続される構成を有している。このような放射線撮像装置では、1つの画素に、光を透過しない複数のスイッチング素子を形成するための領域が設けられるので、光センサに照射される光量が少なくなる。その結果、放射線検出感度が低下し、取得される放射線撮像画像の品質が低下する。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、直接変換方式により、広いダイナミックレンジを有し、かつ、S/N比の高い高品質な放射線撮像画像を取得することができる放射線撮像装置を実現することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の構成は、放射線源から被写体に照射した放射線に基づいて、放射線画像を取得する放射線撮像装置であって、放射線変換部と、撮像パネル部と、信号処理部と、を備える。
放射線変換部は、放射線を電荷に変換する放射線変換膜を有する。
撮像パネル部は、第1の容量を有する第1電荷蓄積用コンデンサを含む複数の第1画素と、第1の容量より大きな容量である第2の容量を有する第2電荷蓄積用コンデンサを含む複数の第2画素と、を有し、放射線変換部により変換された電荷であって、第1画素において蓄積された電荷に基づく第1電荷信号を取得するとともに、放射線変換部により変換された電荷であって、第2画素において蓄積された電荷に基づく第2電荷信号を取得する。
信号処理部は、処理対象画素である注目画素が第1画素であり、かつ、注目画素の第1電荷信号の信号値が飽和している場合、注目画素の画素値を注目画素に隣接する第2画素により取得された第2電荷信号を用いて取得することで放射線撮像画像を生成する。
本発明によれば、直接変換方式により、広いダイナミックレンジを有し、かつ、S/N比の高い高品質な放射線撮像画像を取得することができる放射線撮像装置を実現することができる。
第1実施形態に係る放射線撮像装置1000の概略構成図。 第1実施形態に係る放射線撮像装置1000の撮像パネル1の一部の断面図。 第1実施形態に係る放射線撮像装置1000の撮像パネル1の共通電極11、放射線変換膜12、画素電極層13および画素回路部の概略構成を示す図。 第1実施形態に係る放射線撮像装置1000の撮像パネル1、ゲート制御部2および電荷読出部3の概略構成の一例を示す図。 電荷読出部3に入力される電荷信号の信号成分Sig0、電荷読出部3から出力される電荷信号の信号成分Sig1、および、信号処理部4から出力される出力画像信号Doutの信号波形図。 第1実施形態の変形例に係る放射線撮像装置の撮像パネル1Aと、ゲート制御部2Aと、電荷読出部3と、信号処理部4との概略構成図。
[第1実施形態]
第1実施形態について、図面を参照しながら、以下、説明する。
<1.1:放射線撮像装置の構成>
まず、放射線撮像装置の構成について、説明する。
図1は、第1実施形態に係る放射線撮像装置1000の概略構成図である。
図2は、第1実施形態に係る放射線撮像装置1000の撮像パネル1の一部の断面図である。
図3は、第1実施形態に係る放射線撮像装置1000の撮像パネル1の共通電極11、放射線変換膜12、画素電極層13および画素回路部の概略構成を示す図である。
図4は、第1実施形態に係る放射線撮像装置1000の撮像パネル1、ゲート制御部2および電荷読出部3の概略構成の一例を示す図である。なお、図4では、説明便宜のため、撮像パネル1の一部として4画素×4画素の合計16個の画素を図示しているが、これに限定されることはない。放射線撮像装置1000において、当然、撮像パネル1の画素数は、任意の画素数(M画素×N画素(M、N:自然数))であってもよい。
撮像パネル1は、平板状であり、平面視において、例えば、格子状に配置された複数の画素を有しており、画素ごとに、照射された放射線の強度に応じた電荷を蓄積する。
撮像パネル1は、図2に示すように、共通電極11と、放射線変換膜12と、画素電極層13と、画素回路部14と、基板15と、を備える。撮像パネル1は、図2に示すように、放射線源LSに近い方から、共通電極11、放射線変換膜12、画素電極層13、画素回路部14、基板15の順に配置されている。
共通電極11は、平板状であり、平面視において、複数の画素(撮像パネル1の複数の画素)が配置されている領域全体を覆うように形成されている。共通電極11は、導体により形成されており、放射線変換膜12を挟んで配置されている共通電極11と画素電極層13の画素電極との間に電圧をかけるための電極である。
放射線変換膜12は、平板状であり、平面視において、複数の画素が配置されている領域全体を覆うように形成されている。放射線変換膜12は、図2に示すように、断面視において、共通電極11と、画素電極層13とに挟まれるように配置されている。放射線変換膜12は、放射線が照射されると、照射された放射線の強度に応じた電荷を発生させる。なお、放射線変換膜12は、例えば、非晶質セレン(アモルファスセレン)を用いて形成することができる。
画素電極層13は、画素ごとに設けられた複数の画素電極を含む。画素電極層13に含まれる各画素電極は、平面視において、例えば、格子状に配列(配置)されており、画素ごとに、直下の画素回路(画素回路部14に設置されている画素ごとの画素回路)に接続されている。図3に示すように、画素電極層13の各画素電極と共通電極11との間に、例えば、電圧Vhをかけることで、放射線変換膜12において、入射した放射線から変換された電荷(電子と正孔)が画素電極に収集される。そして、画素電極に収集された電荷は、画素回路部14の画素に含まれる電荷蓄積用コンデンサに蓄積される。
画素回路部14は、画素ごとに設けられた、複数の画素回路を含む。各画素回路は、平面視において略同一位置に配置されている画素電極層13の画素電極と電気的に接続されている。画素回路部14の各画素回路は、図4に示すように、2種類の画素を備える。具体的には、画素回路部14の各画素回路は、複数の第1画素P1(x,y)と、複数の第2画素P2(x,y)とを備える。第1画素P1(x,y)と第2画素P2(x,y)とは、縦横ともに、交互に配置されることが好ましい。つまり、図4に示すように、第1画素P1および第2画素P2が、第N行(Nは自然数)において、P1、P2、P1、・・・・、P2、P1と配置されている場合、その第N+1行では、P2、P1、P2、・・・・、P1、P2と配置される。さらに第N+2行では、P1、P2、P1、・・・・、P2、P1と配置される。このように縦横ともに、第1画素P1および第2画素P2を交互に配置することで、同一種類の画素が連続して配置されることはない。
第1画素P1(x,y)は、スイッチング素子SW(例えば、(薄膜トランジスタ(TFT)))と、第1電荷蓄積用コンデンサCsと、を備える。第2画素P2(x,y)は、スイッチング素子SW(例えば、(薄膜トランジスタ(TFT)))と、第1電荷蓄積用コンデンサCsより容量の大きな容量を有する第2電荷蓄積用コンデンサClと、を備える。
なお、撮像パネル1のゲート線Gx(x:整数、0≦x≦3)およびデータ線Dy(y:整数、0≦y≦3)に接続されている第1画素を「P1(x,y)」と表記し、第1画素P1(x,y)に接続されている画素電極層13の画素電極Exを「Ex(x,y)」と表記する(以下、同様)。また、撮像パネル1のゲート線Gx(x:整数、0≦x≦3)およびデータ線Dy(y:整数、0≦y≦3)に接続されている第2画素を「P2(x,y)」と表記し、第2画素P2(x,y)に接続されている画素電極層13の画素電極Exを「Ex(x,y)」と表記する(以下、同様)。
第1画素P1(x,y)の各画素回路において、スイッチング素子SWのゲート端子(制御端子)は、ゲート線に接続されている。スイッチング素子SWは、ゲート制御部2が、ゲート線(図4のゲート線G0〜G3)を所定の電圧とすることで、ON状態またはOFF状態となる。スイッチング素子SWのソース端子(スイッチング素子SWがON状態において電流が流れる一方の端子)は、第1電荷蓄積用コンデンサCsおよび画素電極層13の画素電極Exに接続されている。また、スイッチング素子SWのドレイン端子(スイッチング素子SWがON状態において電流が流れる他方の端子)は、データ線(図4のD0〜D3)により、電荷読出部3に接続されている。第1電荷蓄積用コンデンサCsは、スイッチング素子SWおよび所定の共通電位(例えば、グランド電位)に接続されている。
図4において、例えば、画素P1(0,0)の画素回路のソース端子(スイッチング素子SWがON状態において電流が流れる一方の端子)は、電荷蓄積用コンデンサCsおよび画素電極層13の画素電極Ex(0,0)に接続されている。
第2画素P2(x,y)の各画素回路において、スイッチング素子SWのゲート端子(制御端子)は、ゲート線に接続されている。スイッチング素子SWは、ゲート制御部2が、ゲート線(図4のゲート線G0〜G3)を所定の電圧とすることで、ON状態またはOFF状態となる。スイッチング素子SWのソース端子(スイッチング素子SWがON状態において電流が流れる一方の端子)は、第2電荷蓄積用コンデンサClおよび画素電極層13の画素電極Exに接続されている。また、スイッチング素子SWのドレイン端子(スイッチング素子SWがON状態において電流が流れる他方の端子)は、データ線(図4のD0〜D3)により、電荷読出部3に接続されている。第2電荷蓄積用コンデンサClは、スイッチング素子SWおよび所定の共通電位(例えば、グランド電位)に接続されている。
図4において、例えば、画素P2(0,1)の画素回路のソース端子(スイッチング素子SWがON状態において電流が流れる一方の端子)は、電荷蓄積用コンデンサClおよび画素電極層13の画素電極Ex(0,1)に接続されている。
ゲート制御部2は、複数のゲート線(例えば、図4のG0〜G3)により、撮像パネル1の各画素と接続されている。ゲート制御部2は、制御部1から出力されるタイミング制御信号(同期信号等)を入力とする。ゲート制御部2は、制御部1から出力されるタイミング制御信号(同期信号等)に基づいて、所定のタイミングでゲート線(図4のG0からG3)にゲート制御信号を出力する。このゲート制御信号により各画素のスイッチング素子SWがON/OFF制御される。
電荷読出部3は、複数のデータ線(例えば、図4のD0〜D3)により、撮像パネル1の各画素と接続されている。電荷読出部3は、図4に示すように、データ線ごとに、増幅器/AD変換器を有している。電荷読出部3は、各画素から各データ線を介して出力される電荷信号を入力とする。電荷読出部3は、入力された電荷信号に対して、データ線ごと設けられた増幅器/AD変換器により、増幅処理およびA/D変換処理を行う。そして、電荷読出部3は、A/D変換処理して取得した電荷信号に対応するデジタル電荷信号を、データ線ごとに、信号処理部4に出力する。
信号処理部4は、電荷読出部3から、データ線ごとに出力されるデジタル電荷信号を入力とし、入力されたデジタル電荷信号に対して所定の信号処理を行うことで放射線撮像画像信号(出力画像信号)Doutを取得する。そして、信号処理部4は、取得した放射線撮像画像信号(出力画像信号)Doutを出力する。
制御部5は、ゲート制御部2、電荷読出部3、および、信号処理部4と、接続されており、上記各機能部を制御する。なお、制御部5と、各機能部とは、直接接続されているものであってもよいし、バス等を介して接続されるものであってもよい。
<1.2:放射線撮像装置の動作>
以上のように構成された放射線撮像装置1000の動作について、以下、説明する。
図1に示すように、放射線源LSから、被写体B、撮像パネル1に対して放射線が照射される。照射された放射線は、被写体Bを通過し、あるいは、直接、撮像パネル1に入射される。
放射線撮像装置1000では、例えば、図3に示すように、撮像パネル1において、共通電極11および画素電極層13の各画素電極に所定の電圧がかけられている。
撮像パネル1の放射線変換膜12では、通過した放射線の強度に応じた電荷が生じる。そして、生じた電荷は、共通電極11と画素電極層13の各画素電極との間の電界により、発生位置に応じて、画素電極に収集され、当該画素電極に接続されている画素回路(画素回路部14の画素回路)の第1電荷蓄積用コンデンサCsまたは第2電荷蓄積用コンデンサClに蓄積される。
第1電荷蓄積用コンデンサCsの容量は、第2電荷蓄積用コンデンサClの容量よりも小さいので、第1電荷蓄積用コンデンサCsの感度は、第2電荷蓄積用コンデンサClの感度よりも高い。つまり、コンデンサの両端子間に生じる電圧は、コンデンサの容量に反比例するので(V=Q/C)、放射線変換膜12により変換された電荷量が同じである場合、第1電荷蓄積用コンデンサCsの両端子間に生じる電圧(第1電荷蓄積用コンデンサCsの両端子間の電位差)は、第2電荷蓄積用コンデンサClの両端子間に生じる電圧(第2電荷蓄積用コンデンサClの両端子間の電位差)よりも大きくなる。すなわち、第1電荷蓄積用コンデンサCsを有する第1画素は、感度が高いが、飽和しやすい。一方、第2電荷蓄積用コンデンサClを有する第2画素は、感度が低いが、飽和しにくい。
画素回路部14の画素回路の電荷蓄積用コンデンサCsまたは第2電荷蓄積用コンデンサClに蓄積された電荷(電荷信号)は、ゲート制御部2からゲート線を介して出力されるゲート制御信号に従い、所定のタイミングでデータ線を通じて電荷読出部3に出力される。
電荷読み出し部3では、撮像パネル1の各画素からデータ線を介して出力された電荷(電荷信号)に対して、増幅処理およびA/D変換処理が実行される。そして、A/D変換された画素ごとの電荷信号は、信号処理部4に出力される。
信号処理部4では、電荷読出部3から出力された画素ごとの電荷信号が飽和状態であるか否かを判定する。第1画素P1(x,y)から読み出された電荷信号を第1電荷信号D_Cs(x,y)とし、第2画素P2(x,y)から読み出された電荷信号を第2電荷信号D_Cl(x,y)とすると、信号処理部4は、第1電荷信号D_Cs(x,y)の信号値が飽和状態であるか否かを判定する。信号処理部4は、第1電荷信号D_Cs(x,y)が飽和状態である場合、補間処理により、当該画素P1(x,y)に相当する画素の画素値(信号値)を取得する。
ここで、具体的な処理の一例について、図5を用いて、説明する。
図5は、電荷読出部3に入力される電荷信号の信号成分Sig0、電荷読出部3から出力される電荷信号の信号成分Sig1、および、信号処理部4から出力される出力画像信号Doutの信号波形図である。図5において、横軸は時間軸であり、縦軸は各信号の信号値(振幅)を示す軸である。なお、図5では、説明便宜のため、各処理の遅延時間(処理時間)がないものとして、図示している。
図5では、区間1(t0〜t2の区間)、区間3(t4〜t6の区間)、および、区間5(t8〜t10の区間)において、撮像パネル1に照射される放射線量が多く、第1画素P1により取得される電荷信号の信号値が、電荷読出部3の入力段に設けられている増幅回路の入力ダイナミックレンジを超えるが、区間2(t2〜t4の区間)、および、区間4(t6〜t8の区間)において、撮像パネル1に照射される放射線量が少なく、第1画素P1により取得される電荷信号の信号値は、電荷読出部3の入力段に設けられている増幅回路の入力ダイナミックレンジを超えない場合について、示している。なお、図5中の点線で示した部分は、同一区間内において、第1画素により取得される信号レベルと第2画素により取得される信号レベルとの比較を容易にするために補助的に示したものである。
また、図5において、画素と信号との関係は、以下の通りである。
(区間1:区間t0〜t2)
区間t0〜t1において、第1画素P1(x1,y1)から読み出された電荷信号D_Cs(x1,y1)が、信号処理部4に入力される。
区間t1〜t2において、第2画素P2(x1,y1+1)から読み出された電荷信号D_Cl(x1,y1+1)が、信号処理部4に入力される。
(区間2:区間t2〜t4)
区間t2〜t3において、第1画素P1(x1,y1+2)から読み出された電荷信号D_Cs(x1,y1+2)が、信号処理部4に入力される。
区間t3〜t4において、第2画素P2(x1,y1+3)から読み出された電荷信号D_Cl(x1,y1+3)が、信号処理部4に入力される。
(区間3:区間t4〜t6)
区間t4〜t5において、第1画素P1(x1,y1+4)から読み出された電荷信号D_Cs(x1,y1+4)が、信号処理部4に入力される。
区間t5〜t6において、第2画素P2(x1,y1+5)から読み出された電荷信号D_Cl(x1,y1+5)が、信号処理部4に入力される。
(区間4:区間t6〜t8)
区間t6〜t7において、第1画素P1(x1,y1+6)から読み出された電荷信号D_Cs(x1,y1+6)が、信号処理部4に入力される。
区間t7〜t8において、第2画素P2(x1,y1+7)から読み出された電荷信号D_Cl(x1,y1+7)が、信号処理部4に入力される。
(区間5:区間t8〜t10)
区間t8〜t9において、第1画素P1(x1,y1+8)から読み出された電荷信号D_Cs(x1,y1+8)が、信号処理部4に入力される。
区間t9〜t10において、第2画素P2(x1,y1+9)から読み出された電荷信号D_Cl(x1,y1+9)が、信号処理部4に入力される。
(区間1の処理):
区間1のt0〜t1の区間において、信号処理部4は、信号処理部4に入力されているデジタル信号Din_Cs(x1,y1)(電荷信号D_Cs(x1,y1)の電荷読出部3による処理後の信号)が、A/D変換処理のダイナミックレンジの上限値と一致しているので、画素P1(x1,y1)に対応するデジタル信号Din_Cs(x1,y1)が飽和状態であると判定する。
区間1のt1〜t2の区間において、信号処理部4は、信号処理部4に入力されているデジタル信号Din_Cl(x1,y1+1)(電荷信号D_Cl(x1,y1+1)の電荷読出部3による処理後の信号)は、A/D変換処理のダイナミックレンジの上限値未満の信号値を有しているので、画素P2(x1,y1+1)に対応するデジタル信号Din_Cl(x1,y1+1)は、飽和状態でないと判定する。そこで、信号処理部4は、飽和状態である画素P1(x1,y1)に対応するデジタル信号Din_Cs(x1,y1)を、飽和していない画素P2(x1,y1+1)に対応するデジタル信号Din_Cl(x1,y1+1)ですげ替えることで、画素P1(x1,y1)に対応する画素信号(出力画像信号)Dout(x1,y1)を取得する。つまり、
Dout(x1,y1)=Din_Cl(x1,y1+1)×k1
とする。なお、係数k1は、第1画素で取得される信号のレベルと、第2画素で取得される信号のレベルが一致するように調整するための係数である。
また、信号処理部4は、画素P2(x1,y1+1)に対応する画素信号(出力画像信号)Dout(x1,y1+1)を、
Dout(x1,y1+1)=Din_Cl(x1,y1+1)×k1
として取得する。
これにより、区間1に対応する出力画像信号Doutは、図5の区間t0’〜t2’に示すよう、その信号値が、Din_Cl(x1,y1+1)×k1となる。
(区間2の処理):
区間2のt2〜t3の区間において、信号処理部4は、信号処理部4に入力されているデジタル信号Din_Cs(x1,y1+2)(電荷信号D_Cs(x1,y1+2)の電荷読出部3による処理後の信号)が、A/D変換処理のダイナミックレンジの上限値未満であるので、画素P1(x1,y1+2)に対応するデジタル信号Din_Cs(x1,y1+2)が飽和状態ではないと判定する。
区間2のt3〜t4の区間において、信号処理部4は、信号処理部4に入力されているデジタル信号Din_Cl(x1,y1+3)(電荷信号D_Cl(x1,y1+3)の電荷読出部3による処理後の信号)は、A/D変換処理のダイナミックレンジの上限値未満の信号値を有しているので、画素P2(x1,y1+3)に対応するデジタル信号Din_Cl(x1,y1+3)は、飽和状態でないと判定する。
信号処理部4は、区間2における画素信号(出力画像信号)Doutを以下のようにして取得する。
Dout(x1,y1+2)=Din_Cs(x1,y1+2)
Dout(x1,y1+3)=Din_Cs(x1,y1+2)
つまり、信号処理部4は、区間2における画素信号(出力画像信号)Doutを、感度が高く、信号レベルの大きい画素P1(x1,y1+2)に対応するデジタル信号Din_Cs(x1,y1+2)とする。第1画素P1で取得される信号は、感度が高く、信号レベルが大きくなるので、飽和状態でない場合には、ノイズが重畳した場合でもS/N比が劣化しにくい。したがって、区間2のように、第1画素P1で取得される信号が飽和していない場合は、第1画素P1で取得される信号を出力画像信号Doutとする。これにより、放射線撮像装置1000において取得される放射線撮像画像のS/N比が良好なものとなる。
(区間3の処理):
区間3のt4〜t5の区間において、信号処理部4は、信号処理部4に入力されているデジタル信号Din_Cs(x1,y1+4)(電荷信号D_Cs(x1,y1+4)の電荷読出部3による処理後の信号)が、A/D変換処理のダイナミックレンジの上限値と一致しているので、画素P1(x1,y1+4)に対応するデジタル信号Din_Cs(x1,y1+4)が飽和状態であると判定する。
区間3のt5〜t6の区間において、信号処理部4は、信号処理部4に入力されているデジタル信号Din_Cl(x1,y1+5)(電荷信号D_Cl(x1,y1+5)の電荷読出部3による処理後の信号)は、A/D変換処理のダイナミックレンジの上限値未満の信号値を有しているので、画素P2(x1,y1+5)に対応するデジタル信号Din_Cl(x1,y1+5)は、飽和状態でないと判定する。
したがって、信号処理部4は、区間3において、区間1の処理と同様の処理を行う。つまり、信号処理部4は、区間3における出力画像信号Doutを、
Dout(x1,y1+4)=Din_Cl(x1,y1+5)×k1
Dout(x1,y1+5)=Din_Cl(x1,y1+5)×k1
により取得する。
これにより、区間3に対応する出力画像信号Doutは、図5の区間t4’〜t6’に示すよう、その信号値が、Din_Cl(x1,y1+5)×k1となる。
(区間4の処理):
区間4のt6〜t7の区間において、信号処理部4は、信号処理部4に入力されているデジタル信号Din_Cs(x1,y1+6)(電荷信号D_Cs(x1,y1+6)の電荷読出部3による処理後の信号)が、A/D変換処理のダイナミックレンジの上限値未満であるので、画素P1(x1,y1+6)に対応するデジタル信号Din_Cs(x1,y1+6)が飽和状態ではないと判定する。
区間4のt7〜t8の区間において、信号処理部4は、信号処理部4に入力されているデジタル信号Din_Cl(x1,y1+7)(電荷信号D_Cl(x1,y1+7)の電荷読出部3による処理後の信号)は、A/D変換処理のダイナミックレンジの上限値未満の信号値を有しているので、画素P2(x1,y1+7)に対応するデジタル信号Din_Cl(x1,y1+7)は、飽和状態でないと判定する。
信号処理部4は、区間4における画素信号(出力画像信号)Doutを以下のようにして取得する。
Dout(x1,y1+6)=Din_Cs(x1,y1+6)
Dout(x1,y1+7)=Din_Cs(x1,y1+6)
つまり、信号処理部4は、区間4における画素信号(出力画像信号)Doutを、感度が高く、信号レベルの大きい画素P1(x1,y1+6)に対応するデジタル信号Din_Cs(x1,y1+6)とする。第1画素P1で取得される信号は、感度が高く、信号レベルが大きくなるので、飽和状態でない場合には、ノイズが重畳した場合でもS/N比が劣化しにくい。したがって、区間4のように、第1画素P1で取得される信号が飽和していない場合は、第1画素P1で取得される信号を出力画像信号Doutとする。これにより、放射線撮像装置1000において取得される放射線撮像画像のS/N比が良好なものとなる。
(区間5の処理):
信号処理部4は、区間5において、区間1および区間3と同様の処理を実行する。つまり、 したがって、信号処理部4は、区間5における出力画像信号Doutを、
Dout(x1,y1+8)=Din_Cl(x1,y1+9)×k1
Dout(x1,y1+9)=Din_Cl(x1,y1+9)×k1
により取得する。
これにより、区間5に対応する出力画像信号Doutは、図5の区間t8’〜t10’に示すよう、その信号値が、Din_Cl(x1,y1+5)×k1となる。
以上のようにして信号処理部4により、生成された出力画像信号Doutは、図5に示すように、信号値が飽和することなく(白飛び(高輝度画像領域の陰影が無くなる現象)の原因となる信号値が飽和する状態は発生することなく)、広いダイナミックレンジを有する信号となる。さらに、飽和状態が発生していない区間においては、S/N比の高い、第1画素P1により取得された信号が採用される。その結果、この出力画像信号Doutにより形成される放射線撮像画像は、白飛び等の現象が発生することなく、かつ、高S/N比の良質な画像となる。
以上のように、放射線撮像装置1000では、信号処理部4が、第1画素P1により取得される信号の飽和状態を判定し、第1画素P1により取得される信号が飽和状態である場合、飽和しにくい第2画素(容量の大きい電荷蓄積用コンデンサClを有する画素)P2により取得された信号を採用して、出力画像信号Doutを生成する。一方、第1画素P1により取得される信号が飽和状態ではない場合、信号処理部4は、感度が高く、信号値が大きくなる第1画素(容量の小さい電荷蓄積用コンデンサCsを有する画素)P1により取得された信号を採用して、出力画像信号Doutを生成する。
したがって、放射線撮像装置1000では、信号値が飽和しにくい広ダイナミックレンジであり、かつ、S/N比の高い良質な放射線撮像画像を取得することができる。
≪変形例≫
次に、本実施形態の変形例について、説明する。
図6に、本変形例の放射線撮像装置の撮像パネル1Aと、ゲート制御部2Aと、電荷読出部3と、信号処理部4との概略構成を示す。
本変形例に係る放射線撮像装置は、第1実施形態の放射線撮像装置1000において、撮像パネル1を、図6に示す撮像パネル1Aに置換し、ゲート制御部2を、図6に示すゲート制御部2Aに置換した構成を有する。それ以外については、第1実施形態の放射線撮像装置1000と同様である。なお、第1実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
撮像パネル1Aは、撮像パネル1と画素(画素回路)の構成が異なる。それ以外については、同様である。
撮像パネル1Aは、撮像パネル1の第1画素P1(x,y)を、図6に示す第1画素P1A(x,y)に置換し、さらに、撮像パネル1の第2画素P2(x,y)を、図6に示す第2画素P2A(x,y)に置換した構成を有する。
第1画素P1A(x,y)は、図6に示すように、リセット用素子M1と、増幅用素子M2と、スイッチング素子SWと、電荷蓄積用コンデンサCsと、を備える。
リセット用素子M1は、ソース線にかかる電圧により、電荷蓄積用コンデンサCsを充電することでリセットするための素子である。リセット用素子M1は、図6に示すように、ソース端子がソース線(図6のS0、S1、・・・)に接続されており、ドレイン端子が電荷蓄積用コンデンサCsおよび画素電極Ex(x,y)に接続されており、ゲート端子がリセット線(図6のR0、R1、・・・)に接続されている。リセット素子M1は、ゲート端子に、ゲート制御部2Aによりリセット線を介して所定の電圧をかけられることで、ON状態となる。リセット素子M1がON状態となることで、ソース線にかかる電圧により電荷蓄積用コンデンサCsが充電される。
増幅用素子M2は、電荷蓄積用コンデンサCsに蓄積される電荷に基づく信号を増幅するための素子である。増幅用素子M2は、図6に示すように、ソース端子がソース線(図6のS0、S1、・・・)に接続されており、ドレイン端子がスイッチング素子SWのソース端子に接続されており、ゲート端子がリセット用素子M1のドレイン端子、電荷蓄積用コンデンサCsおよび画素電極Ex(x,y)に接続されている。放射線が放射線変換膜に照射されることで発生する電荷(電子)が電荷蓄積用コンデンサCsに流入することで、電荷蓄積用コンデンサCsの両端子間の電位が下がる(電荷蓄積用コンデンサCsにおいて放電される)。つまり、リセットされた電位(リセット電位)からの電圧降下分が信号成分となる。増幅用素子M2は、電荷蓄積用コンデンサCsのリセット素子M1のドレイン端子側の端子の電圧に基づいて、増幅処理を行い、増幅処理を行った信号(電圧)を、スイッチング素子SWを介してデータ線(図6のD0、D1、・・・)に出力する。
スイッチング素子SWは、増幅用素子M2により増幅された電荷信号を、データ線(図6のD0、D1、・・・)を介して、電荷読出部3に出力するための素子である。スイッチング素子SWは、図6に示すように、ソース端子が増幅用素子M2のドレイン端子に接続されており、ドレイン端子がデータ線(図6のD0、D1、・・・)に接続されており、ゲート端子がゲート線に接続されている。スイッチング素子SWは、ゲート端子に、ゲート制御部2Aによりゲート線を介して所定の電圧をかけられることで、ON状態となる。スイッチング素子SWがON状態となることで、増幅用素子M2により増幅された電荷信号が、データ線を介して、電荷読出部3に出力される。
第2画素P2A(x,y)は、図6に示すように、リセット用素子M1と、増幅用素子M2と、スイッチング素子SWと、容量が電荷蓄積用コンデンサCsより大きい容量を有する電荷蓄積用コンデンサClと、を備える。なお、第2画素P2A(x,y)は、第1画素P1A(x,y)において、電荷蓄積用コンデンサCsを電荷蓄積用コンデンサClに置換した構成である。この点のみが、第2画素P2A(x,y)は、第1画素P1A(x,y)と相違する。その他の回路構成、接続関係については、第1画素P1A(x,y)と同様であるので、説明を省略する。
ゲート制御部2Aは、複数のゲート線(例えば、図6のG0、G1、・・・)、複数のソース線(例えば、図6のS0、S1、・・・)、および、複数のリセット線(例えば、図6のR0、R1、・・・)により、撮像パネル1Aの各画素と接続されている。ゲート制御部2Aは、制御部1から出力されるタイミング制御信号(同期信号等)を入力とする。ゲート制御部2Aは、制御部1から出力されるタイミング制御信号(同期信号等)に基づいて、所定のタイミングでゲート線(図4のG0からG3)にゲート制御信号を出力する。このゲート制御信号により各画素のスイッチング素子SWがON/OFF制御される。また、ゲート制御部2Aは、所定のタイミングでリセット制御信号を、リセット線を介して各画素に出力する。また、ゲート制御部2Aは、各画素においてリセット処理が実行される間において、ソース線にリセット処理用の電圧をかける。また、ゲート制御部2Aは、各画素において増幅処理(増幅用素子M2による増幅処理)が実行される間において、ソース線に増幅処理用の電圧をかける。
本変形例の放射線撮像装置は、上記のように構成されており、いわゆる能動型センサの構成を有する撮像パネル1Aを備える。本変形例の放射線撮像装置では、図6に示すように、電荷蓄積用コンデンサCsまたはClの直近において、電圧変換(増幅用素子M2による増幅処理)が実行されるため、第1実施形態の放射線撮像装置1000に比べて、さらに、電荷蓄積用コンデンサCsおよびClの容量を小さくすることができる。したがって、本変形例の放射線撮像装置では、さらに、高感度の画素を配置することができるので、本変形例の放射線撮像装置により取得される放射線撮像画像は、さらに高精度の画像となる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、放射線撮像装置において、信号処理部4が、飽和状態を検知しない場合、感度が高く、信号値が大きくなる第1画素(容量の小さい電荷蓄積用コンデンサCsを有する画素)P1により取得された信号を採用して、出力画像信号Doutを生成する場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、例えば、放射線撮像装置において、信号処理部4が、飽和状態を検知しない場合、第1画素(容量の小さい電荷蓄積用コンデンサCsを有する画素)P1により取得された信号にすげ替えることなく、第2画素(容量の大きい電荷蓄積用コンデンサClを有する画素)P2により取得された信号をそのまま採用し(第2画素用のゲイン調整した信号を採用し)、出力画像信号Doutを生成するようにしてもよい。これにより、飽和状態が検知されない画像領域の解像度を上げることができる。なお、第2画素(容量の大きい電荷蓄積用コンデンサClを有する画素)P2により取得された信号が所定の閾値より大きい場合のみ、上記処理を行うようにしてもよい。これにより、信号レベルが小さく、S/N比の悪い信号が採用されることを適切に回避することができる。
また、上記実施形態では、放射線撮像装置において、信号処理部4が、飽和状態を検知した場合、飽和状態が検出された第1画素P1(x1,y1)により取得されたデジタル信号Din_Cs(x1,y1)を、隣接する第2画素P2(x1,y1+1)により取得されたデジタル信号Din_Cl(x1,y1+1)を用いて、補間(置換)する処理について説明した。しかし、これに限定されることはなく、飽和状態が検知された場合、例えば、以下のように、複数の隣接画素を用いて、注目画素の補間処理を行うことで、出力画像信号Doutを取得するようにしてもよい。
(1)左隣の第2画素ですげ替え
Dout(x1,y1)=Din_Cl(x1,y1−1)×k1
(2)上隣の第2画素ですげ替え
Dout(x1,y1)=Din_Cl(x1−1,y1)×k1
(3)下隣の第2画素ですげ替え
Dout(x1,y1)=Din_Cl(x1+1,y1)×k1
(4)左右に隣接する第2画素で補間
Dout(x1,y1)=(Din_Cl(x1,y1−1)+Din_Cl(x1,y1+1))/2×k1
(5)上下に隣接する第2画素で補間
Dout(x1,y1)=(Din_Cl(x1−1,y1)+Din_Cl(x1+1,y1))/2×k1
(6)上下左右に隣接する第2画素で補間
Dout(x1,y1)=(Din_Cl(x1,y1−1)+Din_Cl(x1,y1+1)+Din_Cl(x1−1,y1)+Din_Cl(x1+1,y1))/4×k1
また、さらに多くの隣接画素を用いて、飽和状態の検知されている注目画素の画素値(信号値)を補間するようにしてもよい。さらに、注目画素と隣接画素との距離に応じた重み付けをして補間処理(例えば、重み付け平均値による補間処理)を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態の放射線撮像装置の一部または全部は、集積回路(例えば、LSI、システムLSI等)として実現されるものであってもよい。
上記実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、プログラムにより実現されるものであってもよい。そして、上記実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
なお、上記実施形態に係る放射線撮像装置をハードウェアにより実現する場合、各処理を行うためのタイミング調整を行う必要があるのは言うまでもない。上記実施形態においては、説明便宜のため、実際のハードウェア設計で生じる各種信号のタイミング調整の詳細については省略している。
また、上記実施形態における処理方法の実行順序は、必ずしも、上記実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えることができるものである。
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリを挙げることができる。
上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
[付記]
なお、本発明は、以下のようにも表現することができる。
第1の構成は、放射線源から被写体に照射した放射線に基づいて、放射線画像を取得する放射線撮像装置であって、放射線変換部と、撮像パネル部と、信号処理部と、を備える。
放射線変換部は、放射線を電荷に変換する放射線変換膜を有する。
撮像パネル部は、第1の容量を有する第1電荷蓄積用コンデンサを含む複数の第1画素と、第1の容量より大きな容量である第2の容量を有する第2電荷蓄積用コンデンサを含む複数の第2画素と、を有し、放射線変換部により変換された電荷であって、第1画素において蓄積された電荷に基づく第1電荷信号を取得するとともに、放射線変換部により変換された電荷であって、第2画素において蓄積された電荷に基づく第2電荷信号を取得する。
信号処理部は、注目画素(処理対象画素)が第1画素であり、かつ、注目画素の第1電荷信号の信号値が飽和している場合、注目画素の画素値(放射線撮像画像を形成する画素の画素値)を注目画素に隣接する第2画素により取得された第2電荷信号を用いて取得することで放射線撮像画像を生成する。
この放射線撮像装置では、第1画素により取得される信号の飽和状態を判定し、第1画素により取得される信号が飽和状態である場合、飽和しにくい第2画素(容量の大きい電荷蓄積用コンデンサを有する画素)により取得された信号を採用して、放射線撮像画像を生成する。
したがって、この放射線撮像装置1000では、信号値(画素値)が飽和しにくい広ダイナミックレンジを有する高品質な放射線撮像画像を取得することができる。
なお、「信号値が飽和している」状態とは、当該信号値を処理するためのダイナミックレンジを超える信号値を有する信号が存在する状態をいう。
第2の構成は、第1の構成において、信号処理部は、処理対象画素である注目画素が第2画素であり、かつ、注目画素に隣接する第1画素の第1電荷信号の信号値が飽和していない場合、注目画素の画素値を注目画素に隣接する第1画素により取得された第1電荷信号を用いて取得することで放射線撮像画像を生成する。
これにより、この放射線撮像装置では、注目画素が第2画素であり、かつ、注目画素に隣接する第1画素の第1電荷信号の信号値が飽和していない場合、感度が高く、信号値が大きくなる第1画素(容量の小さい電荷蓄積用コンデンサを有する画素)により取得された信号を採用して、放射線撮像画像を生成する。
したがって、この放射線撮像装置では、信号値が飽和しにくい広ダイナミックレンジであり、かつ、S/N比の高い良質な放射線撮像画像を取得することができる。
第3の構成は、第1または第2の構成において、撮像パネル部の第1画素は、第1画素の第1電荷蓄積用コンデンサに蓄積された電荷に基づく第1電荷信号を増幅するアクディブ素子を含み、撮像パネル部の第2画素は、第2画素の第2電荷蓄積用コンデンサに蓄積された電荷に基づく第2電荷信号を増幅するアクティブ素子を含む。
これにより、この放射線撮像装置では、第1電荷蓄積用コンデンサまたは第2電荷蓄積用コンデンサの直近において、電圧変換(アクティブ素子による増幅処理)が実行されるため、さらに、第1電荷蓄積用コンデンサおよび第2電荷蓄積用コンデンサの容量を小さくすることができる。したがって、この放射線撮像装置では、さらに、高感度の画素を配置することができるので、この放射線撮像装置により取得される放射線撮像画像は、さらに高精度の画像となる。
本発明に係る放射線撮像装置は、直接変換方式により、広いダイナミックレンジを有し、かつ、S/N比の高い高品質な放射線撮像画像を取得することができるので、放射線画像関連産業分野において、有用であり、当該分野において実施することができる。
1000 放射線撮像装置
1、1A 撮像パネル
2、2A ゲート制御部
3 電荷読出部
4 信号処理部
5 制御部
12 放射線変換膜

Claims (3)

  1. 放射線源から被写体に照射した放射線に基づいて、放射線画像を取得する放射線撮像装置であって、
    放射線を電荷に変換する放射線変換膜を有する放射線変換部と、
    第1の容量を有する第1電荷蓄積用コンデンサを含む複数の第1画素と、第1の容量より大きな容量である第2の容量を有する第2電荷蓄積用コンデンサを含む複数の第2画素と、を有し、前記放射線変換部により変換された電荷であって、前記第1画素において蓄積された電荷に基づく第1電荷信号を取得するとともに、前記放射線変換部により変換された電荷であって、前記第2画素において蓄積された電荷に基づく第2電荷信号を取得する撮像パネル部と、
    注目画素が前記第1画素であり、かつ、前記注目画素の前記第1電荷信号の信号値が飽和している場合、前記注目画素に隣接する前記第2画素により取得された前記第2電荷信号を用いて前記注目画素の画素値を取得することで放射線撮像画像を生成する信号処理部と、
    を備える放射線撮像装置。
  2. 前記信号処理部は、
    処理対象画素である注目画素が前記第2画素であり、かつ、前記注目画素に隣接する前記第1画素の前記第1電荷信号の信号値が飽和していない場合、前記注目画素に隣接する前記第1画素により取得された前記第1電荷信号を用いて前記注目画素の画素値を取得することで前記放射線撮像画像を生成する、
    請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記撮像パネル部の前記第1画素は、前記第1電荷信号を増幅するアクティブ素子を含み、
    前記撮像パネル部の前記第2画素は、前記第2電荷信号を増幅するアクティブ素子を含む、
    請求項1又は2に記載の撮像装置。
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