JP2014109301A - 複列ローラ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】
使用中におけるローラの高温化を抑え、もって外輪及び内輪の相対的な回転運動の円滑化を図ることができる複列ローラ軸受を提供する。
【解決手段】
内周面の周方向に沿って少なくとも二条の外側転走溝が形成された外輪と、少なくとも二条の内側転走溝が外周面に沿って形成された内輪と、これら外側転走溝及び内側転走溝が互いに対向して形成された転走路に配列され、回転軸方向に沿って貫通孔を有するローラと、前記外輪の半径方向に沿って設けられて互いに隣接する外側転走溝の間に開口し、前記外輪の内周面、内輪の外周面及び前記転走路内に配列されたローラ列によって形成された環状隙間に冷媒を供給する供給路とを備え、外側転走溝及び内側転走溝はローラの転走面とローラの回転軸方向端面に摺接するローラ案内面が交わり、ローラ案内面は前記貫通孔の少なくとも一部を覆い、前記環状隙間に供給された冷媒が前記貫通孔に流入する。
【選択図】 図3
使用中におけるローラの高温化を抑え、もって外輪及び内輪の相対的な回転運動の円滑化を図ることができる複列ローラ軸受を提供する。
【解決手段】
内周面の周方向に沿って少なくとも二条の外側転走溝が形成された外輪と、少なくとも二条の内側転走溝が外周面に沿って形成された内輪と、これら外側転走溝及び内側転走溝が互いに対向して形成された転走路に配列され、回転軸方向に沿って貫通孔を有するローラと、前記外輪の半径方向に沿って設けられて互いに隣接する外側転走溝の間に開口し、前記外輪の内周面、内輪の外周面及び前記転走路内に配列されたローラ列によって形成された環状隙間に冷媒を供給する供給路とを備え、外側転走溝及び内側転走溝はローラの転走面とローラの回転軸方向端面に摺接するローラ案内面が交わり、ローラ案内面は前記貫通孔の少なくとも一部を覆い、前記環状隙間に供給された冷媒が前記貫通孔に流入する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、各種工作機械等の旋回部分に使用され、内輪と外輪との間にローラの転走路が複列で形成された複列ローラ軸受に関する。
上記複列ローラ軸受としては、特許文献1に開示されるものが知られている。この複列ローラ軸受では、外輪と内輪との間に周方向に沿ってローラの転走路が二列形成されると共に、これら転走路に複数のローラが配列されている。そして、前記内輪と外輪の相対的な回転運動に伴い、前記ローラが転走路内を自転しながら公転するように構成されている。
また、外輪の内周面には断面V字状の転走溝が二条形成される一方、内輪の外周面にも断面V字状の転走溝が二条形成されており、これらの転走溝が互いに対向することにより前記転走路が外輪と内輪との間に一対形成されるようになっている。内輪と外輪が相対的に回転することにより、前記ローラは転走路内を自転しながら公転する。各転走路に配列されたローラの回転軸は内輪及び外輪の回転軸に対して45度の角度で傾斜しており、また、一方の転走路に配列されたローラの回転軸と他方の転走路に配列されたローラの回転軸は互いに直交している。これにより、この複列ローラ軸受では内輪及び外輪の回転軸に平行な方向から作用するアキシアル荷重や、かかる回転軸に直交する方向から作用するラジアル荷重を負荷できるようになっている。
更に、前記外輪及び内輪に形成された断面略V字状の転走溝は、前記ローラが転走する転走面と、前記ローラの回転軸方向端面と微小隙間を介して対向するローラ案内面とが略直角に交わって形成されている。従って、各ローラは外輪と内輪との間の転走路を転走するに際し、回転軸方向の端面が外輪側のローラ案内面、内輪側のローラ案内面と微小隙間を介して対向しており、これによって前記転走路内におけるローラの傾倒(スキュー)の防止が図られている。
上記構成からなる複列ローラ軸受では、前記内輪と外輪の相対的な回転運動に伴って前記転走路をローラが転走することから、前記外輪、ローラ及び内輪の間に潤滑剤を供給している。この複列ローラ軸受を高速で回転させて使用するような場合、外輪、ローラ及び内輪間に摩擦熱が発生し、これにより外輪、内輪及びローラが高温化してしまう。その結果潤滑剤も高温化することとなり、ローラの回転軸方向の端面と前記ローラ案内面との間の潤滑状態が悪化してしまい、これらの摩擦力が上昇してしまう。それにより前記転走路内におけるローラの転動、ひいては前記外輪又は内輪の円滑な回転運動が阻害されてしまうとの課題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、使用中におけるローラの高温化を抑え、もって外輪及び内輪の相対的な回転運動の円滑化を図ることができる複列ローラ軸受を提供することにある。
すなわち、本発明は、内周面の周方向に沿って少なくとも二条の外側転走溝が形成された外輪と、この外輪の外側転走溝と対向する少なくとも二条の内側転走溝が外周面に沿って形成された内輪と、これら外側転走溝及び内側転走溝が互いに対向して形成された転走路に配列される多数のローラと、前記外輪の半径方向に沿って設けられて互いに隣接する外側転走溝の間に開口し、前記外輪の内周面、内輪の外周面及び前記転走路内に配列されたローラ列によって形成された環状隙間に冷媒を供給する供給路と、を備えている。
そして、前記外側転走溝及び内側転走溝は、前記ローラが転走する転走面と、前記ローラの回転軸方向端面に摺接するローラ案内面とが交わるようにして形成されている。また、各ローラは回転軸方向に沿って形成された貫通孔を有している。更に、前記ローラ案内面は前記ローラの貫通孔の少なくとも一部を覆い、前記環状隙間に供給された冷媒がローラの貫通孔に流入するようになっている。
本発明によれば、前記ローラ案内面が前記ローラの貫通孔の少なくとも一部を覆い、前記環状隙間に供給された冷媒がローラの貫通孔に流入するように構成されている。すなわち、本発明では前記環状隙間と各ローラとが連通しており、前記冷媒は前記ローラの貫通孔内に流入された後、前記複列ローラ軸受の外部へと排出されるようになっている。このため、前記転走路内で転走するローラ自体を冷却することが可能となり、これに付随して前記外輪、内輪及びローラに付着した潤滑剤の高温化を防ぐことが可能となる。その結果、前記ローラの回転軸方向の両端面と前記ローラ案内面との摩擦力の上昇を抑えることができ、もって外輪及び内輪の相対的な回転運動を円滑化させることが可能となる。
図1及び図2は本発明を適用した複列ローラ軸受の一実施例を示す斜視図及び断面図である。この複列ローラ軸受は、外輪1と、内輪2と、これら外輪1と内輪2との間に配列された多数のローラ3とから構成されており、前記ローラ3の転動によって外輪1と内輪2が相対的に回転自在となるよう組み合わされている。
前記外輪1にはこれを回転軸M方向へ貫通するボルト取付け孔10が形成されている。このボルト取付け孔10は外輪1の周方向に沿って等間隔で複数形成されており、前記外輪1を機械装置等のベース部に固定する際に利用される。また、前記外輪1の内周面1aには回転軸M方向に間隔を有して外側転走溝11が二条形成されている。各外側転走溝11は断面略V字状に形成されている。また、各外側転走溝11は、前記ローラ3が転走する転走面4と、ローラ3の回転軸(自転軸ともいう)方向の端面に摺接するローラ案内面5と、を備えている。これら転走面4及びローラ案内面5は外輪1の回転軸Mに対して45度傾斜しており、互いに略90°の角度で交わっている。また、この外輪1には半径方向内側に向かって冷媒の供給路12が設けられている。この供給路12は外輪1に回転軸M方向に形成された二条の外側転走溝11の間に開口している。この供給路12は必要に応じ外輪1の複数箇所に設けることができる。
一方、内輪2には回転軸M方向へ貫通するようにしてボルト取付孔20が形成されている。また、この内輪2の外周面2aにも回転軸M方向に間隔を有して断面略V字状の内側転走溝21が二条形成されており、これらの内側転走溝21は外輪1の外側転走溝11と夫々対向している。この内輪2の内側転走溝21も前記ローラ3の転走面4とローラ案内面5とが略90°の角度で交わって構成されており、これら転走面4及びローラ案内面5は内輪2の回転軸Mに対して45度傾斜している。
外輪1の外側転走溝11と内輪2の内側転走溝21は互いに対向して前記ローラ3が転動する転走路を形成している。前記外輪1及び内輪2には外側転走溝11及び内側転走溝21が二条ずつ形成されていることから、前記外輪1と内輪2との間には二列の転走路が形成されている。また、前記外側転走溝11及び内側転走溝21は外輪1及び内輪2の周方向に沿って形成されていることから、各転走路は回転軸Mを中心とした環状に形成されている。
前記ローラ3はこれらの環状転走路に複数配列されており、外輪1と内輪2とが相対的に回転すると、前記環状転走路内を自転しながら公転する。各ローラ3は外側転走溝11の転走面4と内側転走溝21の転走面4との間で荷重を負荷しながら転走するようになっている。また、転動中のローラ3は、その自転軸方向の端面が外輪1側のローラ案内面5、内輪2側のローラ案内面5に摺接している。これにより、転動中におけるローラ3のスキューの防止を図っている。更に、各ローラ3は自転軸方向に沿った貫通孔32を有しており、この貫通孔32はローラ3の自転軸方向の両端面を貫通している。更に、一方の転走路内に配列されたローラ3aと他方の転走路内に配列されたローラ3bはその自転軸La、Lbを互いに直交させている。これら自転軸La及び自転軸Lbが交差する旋回中心Oは前記内輪2の半径方向内側に、より具体的には内輪2の外周面2aよりも半径方向内側に設けられている。そして、各転走路内に配列された総てのローラ3の自転軸は前記旋回中心Oに向いている。
この構成によれば、ローラ3a及びローラ3bに対する荷重作用方向は互いに直交しており、また、各ローラ3a,3bに対する荷重作用方向は外輪1及び内輪2の回転軸Mに対して45度ずつ傾斜している。従って、この複列ローラ軸受では、外輪1及び内輪2の回転軸Mに沿って作用するアキシアル荷重や、かかる回転軸Mと直交する方向から作用するラジアル荷重等、あらゆる方向から外輪1又は内輪2に作用する荷重を負荷し得るように構成されている。
尚、ローラ3を前記転走路に配列するにあたっては、互いに隣接するローラ3とローラ3との間にスペーサを介装し、ローラ同士の接触を防止するようにしても良い。
図3は図2内のA部分の拡大図である。前記外輪1の内周面1aには、転走面4とローラ案内面5が交わる位置にローラ支持溝13が形成されている。このローラ支持溝13は外輪1の周方向に沿って連続して形成されており、前記ローラ3の自転軸方向の端面31とローラ3の外周面33の一部に面している。前記内輪2の外周面2aにも転走面4とローラ案内面5が交わる位置にローラ支持溝22が形成されている。このローラ支持溝22は内輪2の周方向に沿って連続して形成されており、前記ローラ支持溝13と同様に、前記ローラ3の自転軸方向の端面31とローラ3の外周面33の一部に面している。
一方、上記構成からなる外輪1の内周面1aと内輪2の外周面2aの間には所定の対向隙間6が設けられている(図2参照)。この対向隙間6は外輪1及び内輪2の回転軸M方向に沿って開放されており、外輪1の内周面1a、内輪2の外周面2a及び各転走路内のローラ列によって形成された注入隙間61と、各転走路内のローラ列によってこの注入隙間61と区画された排出隙間62と、を有している。各転走路は環状に形成されていることから、前記注入隙間61は前記回転軸Mを中心とした環状に形成されている。すなわち、この注入隙間61が本発明の環状隙間に相当する。一方で、各排出隙間62は注入隙間61と同様、環状に形成される一方で、軸受外部に向けて開放されている。各排出隙間62は回転軸Mに沿って相反する方向に向けて開口している。
上述したように、前記外輪1に形成された供給路12は二条の外側転走溝11の間に開口している。すなわち、前記供給路12は前記注入隙間61に向けて開口されており、この供給路12を介して冷媒が前記注入隙間61に供給されるようになっている。ここで、本実施形態に係る複列ローラ軸受では冷媒として霧状の潤滑剤と空気とを混合させた所謂オイルエアを用いており、この冷媒を図示外の高圧圧縮機等によって前記注入隙間61へと供給している。この注入隙間61を構成する内輪2の外周面2aには流路形成溝24が形成されている。一方で、この流路成形溝24は前記内輪2の周方向に沿って連続して形成されており、回転軸M方向に徐々に勾配する第一傾斜面24aと、この第一傾斜面24aと相反する方向に勾配する第二傾斜面24bとから構成されている。これら第一傾斜面24a及び第二傾斜面24bは内輪2の内周面2aに形成された各ローラ案内面5に連続している。また、前記第一傾斜面24aと第二傾斜面24bが互いに交わって前記流路成形溝24の最深部24cを形成している。そして、前記供給路12の開口部12aは前記最深部24cと対向するようになっている。
このように構成された本実施形態の旋回軸受において、前記ローラ3の自転軸方向の両端面31が外輪1及び内輪2に形成されたローラ案内面5に摺接している状態では、当該ローラ3に形成された貫通孔32が前記注入隙間61及び排出隙間62に連通しており、前記注入隙間61、貫通孔32及び排出隙間62の間に冷媒の流路が形成されるようになっている。
図4は各ローラ3の自転軸方向の端面31と前記ローラ案内面5との配置関係を示す模式図である。この図4は図3内の矢線B方向から前記端面31と前記ローラ案内面5を観察したものに相当する。前記ローラ案内面5において、前記ローラ3の転走方向Cと垂直な方向の幅Wはローラ3に形成された貫通孔32の直径Pよりも小さく設定されている。そして、前記案内面5は、その軸線が隣接するローラ3の中心点Q同士を結んだ軸線Lと合致するように、前記ローラ3の端面31に摺接している。これらの構成からすると、前記端面31と案内面5が互いに摺接している状態では、前記ローラ3に形成された貫通孔32は案内面5によって完全に覆われることなく、一部が前記対向隙間6と連通するようになっている。
このように構成されているため、前記案内面5と連続して形成されたローラ支持溝13、22は図3に示すように、前記ローラ3に形成された貫通孔32と連通している。上述したように、前記貫通孔32は前記注入隙間61に連通しているため、前記ローラ支持溝13、22は貫通孔32を介して前記注入隙間61と連通している。
このような本実施形態に係る複列ローラ軸受は、前記外輪1をボルトによってベース部に固定し、この外輪1に対して内輪2を相対的に回転させるようにしている使用することが可能であり、前記内輪2が外輪1に対して相対的に回転すると、前記ローラ3は転走路内を自転しながら公転する。かかる状態で前記供給路12を用いて前記注入隙間61に冷媒を注入すると、この冷媒は先ず、前記流路成形溝24の最深部24cに噴射されることになる。その後、前記冷媒は内輪2の回転又はローラ3の公転に起因した遠心力によって内輪2の回転軸M方向に沿って拡散する。
ここで、前記流路成形溝24を構成する第一傾斜面24a及び第二傾斜面24bは前記ローラ案内面5に連続し、更にローラ3に形成された貫通孔32は注入隙間61に連通している。このため、前記冷媒は第一傾斜面24a及び第二傾斜面24bに沿って前記貫通孔32内へと流入することになる。上述したように、前記貫通孔32は排出隙間62と連通しているため、当該貫通孔32内に流入し、通過した冷媒は排出隙間62へと流入することになる。その後、冷媒は内輪2の回転又はローラ3の公転に起因した遠心力によって軸受外に排出される。このようにして、前記注入隙間61、貫通孔32及び排出隙間62が連通することで前記冷媒の流路が形成されるようになっている。
以上のように構成された本実施形態に係る複列ローラ軸受によれば、前記冷媒がローラ3の貫通孔32内を通過した後、軸受外へと排出されるようになっているため、前記転走路内を転走するローラ3自体を冷却することが可能となる。これによりローラ3の高温化を防ぐことができ、それに付随して前記外輪1、内輪2及びローラ3に付着した潤滑剤の高温化を防ぐことが可能となる。その結果このローラ3の自転軸方向の端面31とローラ案内面5との摩擦力が上昇するのを抑えることができ、これによって前記転走路内におけるローラ3の円滑な転動、ひいては外輪及び内輪の相対的な回転運動の円滑化を図ることが可能となる。尚、前記供給路12から前記対向空間6内に導入された冷媒は、隣接するローラ同士の間にも流入し、ローラ3の高温化の防止を図っている。
また、上記実施形態に係る複列ローラ軸受では、一方の転走路内に配列されたローラ3aの自転軸Laと他方の転走路内に配列されたローラ3bの自転軸Lbが前記内輪2の外周面2aよりも半径方向内側で交差するようになっており、更に、各転走路内に配列された総てのローラ3の自転軸は前記旋回中心Oに向いている。つまり、各ローラ3の貫通孔32が旋回中心Oに対して放射状に配置されている。このため、前記内輪2の回転又はローラ3の公転に起因した遠心力を利用することで、前記注入隙間61内に供給された冷媒を効率よく前記貫通孔32内へと誘導することが可能となる。その結果ローラ3の冷却を効率よく行うことが可能となっている。
更に、上記実施形態に係る複列ローラ軸受では、前記供給路12の開口部と対向するようにして、前記内輪2の外周面2aに前記流路形成溝24が形成されている。そして、この流路形成溝24は前記内輪2に形成された案内面5に連続する第一傾斜面24a及び第二傾斜面24bから形成されており、これら第一傾斜面24a及び第二傾斜面24bが回転軸M方向に徐々に勾配している。このため、前記冷媒が前記供給路12を介して軸受内部に噴霧されると、この冷媒内の潤滑剤が前記流路形成溝24上に付着することとなるが、この潤滑剤を効率よく転走路及びローラ3の貫通孔へと供給することが可能となる。
一方で、本実施形態に係る複列ローラ軸受では、前記ローラ支持溝13及びローラ支持溝22が前記ローラ3の貫通孔32を介して前記注入空間61に連通している。このため、前記貫通孔32内に流入された冷媒は、前記ローラ3の公転に起因した遠心力によってローラ支持溝13及びローラ支持溝22へと流入するようになっている。そして、ローラ支持溝13及びローラ支持溝22は前記ローラ3の自転軸方向の端面31及びローラ3の外周面33の一部に面している。
それ故、前記流路形成溝24の構成により転走路及びローラ3の貫通孔へと供給された冷媒内の潤滑剤を前記ローラ支持溝13及びローラ支持溝22へと誘導させることが可能であり、もって前記端面31とローラ案内面5との間、前記ローラ3の外周面33と転走面4との間を潤滑することが可能となる。その結果前記転走路内でのローラ3の転走を円滑化させることが可能となる。また、前記ローラ3の外周面33と転走面4との間に潤滑剤を供給することから、隣接するローラ3間の潤滑も行うことが可能となる。
尚、上記実施形態に係る複列ローラ軸受では、冷媒として霧状の潤滑剤と空気とを混合させた所謂オイルエアを用いているが、冷媒として空気だけを用いることも可能である。すなわち、本発明にいう冷媒とは、空気のみやこの空気と潤滑剤が混合したオイルエア等を含むものである。前記冷媒として空気を用いる場合には、外輪1、内輪2及びローラ3間の潤滑を行うため、これら外輪1、内輪3及びローラ3間にグリースや潤滑油などの潤滑剤を封入する必要がある。このように、冷媒として空気だけを用いたとしても、当該冷媒の流入により前記ローラ自体を冷却することが可能であり、それに付随して前記外輪1、内輪2及びローラ3に付着した潤滑剤の高温化を防ぐことが可能となる。
また、上記実施形態に係る複列ローラ軸受の説明では、前記外輪1をベース部に固定し、この外輪1に対して内輪2を相対的に回転させる使用例を説明したが、前記内輪2をベース部に固定し、この内輪2に対して外輪1を相対的に回転させることも可能である。
更に、上記実施形態に係る複列ローラ軸受では、前記外輪1と内輪2との間に二列の転走路が形成されるようになっているが、前記外輪1と内輪2が相対的に回転運動する構成であれば、前記転走路は例えば三列であっても、四列であっても差し支えない。
また、上記実施形態に係る複列ローラ軸受では、前記貫通孔32が前記対向隙間6及びローラ支持溝13、22に連通するように構成されているが、前記貫通孔32は前記注入隙間61及び排出隙間62と連通して冷媒の流路を形成する構成であれば、かかる貫通孔32が前記ローラ支持溝13、22に連通する構成としなくとも良い。しかし、前記ローラ3と前記ローラ案内面5の間、ローラ3と前記転走面4の間の潤滑を行う上では、前記貫通孔32がローラ支持溝13、22と連通し、当該貫通孔32を介して前記注入隙間61とローラ支持溝13、22が連通する構成としたほうが良い。
1…外輪、1a…内周面、2…内輪、2a…外周面、3…ローラ、4…転走面、5…ローラ案内面、6…対向空間、11…外側転走溝、12…供給路、21…内側転走溝、32…貫通孔、61…注入空間(環状隙間)
Claims (4)
- 内周面の周方向に沿って少なくとも二条の外側転走溝が形成された外輪と、この外輪の外側転走溝と対向する少なくとも二条の内側転走溝が外周面に沿って形成された内輪と、これら外側転走溝及び内側転走溝が互いに対向して形成された転走路に配列される多数のローラと、前記外輪の半径方向に沿って設けられて互いに隣接する外側転走溝の間に開口し、前記外輪の内周面、内輪の外周面及び前記転走路内に配列されたローラ列によって形成された環状隙間に冷媒を供給する供給路と、を備え、
前記外側転走溝及び内側転走溝は、前記ローラが転走する転走面と、前記ローラの回転軸方向端面に摺接するローラ案内面とが交わるようにして形成され、
各ローラは、回転軸方向に沿って形成された貫通孔を有し、
前記ローラ案内面は前記ローラの貫通孔の少なくとも一部を覆い、
前記環状隙間に供給された冷媒がローラの貫通孔に流入することを特徴とする複列ローラ軸受。 - 前記外側転走溝及び内側転走溝には、前記転走面とローラ案内面が交わる位置に前記外輪及び内輪の周方向に沿ったローラ支持溝が形成され、
前記ローラ支持溝は前記ローラの貫通孔を介して前記環状隙間と連通していることを特徴とする請求項1記載の複列ローラ軸受。 - 各転走路に配列されたローラの回転軸同士は、前記内輪の外周面よりも半径方向内側で交わっていることを特徴とする請求項2記載の複列ローラ軸受。
- 前記内輪の外周面には、前記外輪に形成された供給路の開口部と対向する位置に、当該供給路から供給された冷媒を前記ローラの貫通孔に向けて誘導する流路成形溝が形成されていることを特徴とする請求項3記載の複列ローラ軸受。
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Cited By (2)
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CN107605972A (zh) * | 2017-10-30 | 2018-01-19 | 镇江建华轴承有限公司 | 一种轴承端盖 |
CN107701590A (zh) * | 2017-10-30 | 2018-02-16 | 镇江建华轴承有限公司 | 一种轴承端盖结构 |
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2012
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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