JP2014107663A - スピーカ配線の異常検知システムおよび異常検知装置 - Google Patents

スピーカ配線の異常検知システムおよび異常検知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スピーカ駆動側の出力端子の数がスピーカの個数に比較して少なくても、オープン/ショートを信頼性良く検知できるようにしたスピーカ配線の異常検知システムおよび異常検知装置を提供する。
【解決手段】制御装置は2チャンネルと3チャンネルに互いに同相となるテスト信号を出力して記録する(S1、S2)。次に、制御装置は2チャンネルと3チャンネルに互いに逆相となるテスト信号を出力して記録する(S3、S4)。制御装置はこれらの音を周波数解析し(S5、S7)、テスト信号に対応した所定周波数成分を抽出し(S6、S8)、抽出された成分のレベル差を算出する(S9)。そして、制御装置はこのレベル差が所定レベル以上であるときに正常と判定し(S11)、所定レベル未満のときにオープン異常またはショート異常と判定する(S12)。
【選択図】図3

Description

本発明は、スピーカ配線の異常検知システムおよび異常検知装置に関する。
一般にオーディオアンプはスピーカを接続して使用する。製造時又はユーザ等がスピーカ配線を誤ってオーディオアンプに取付けてしまう虞があるため、スピーカ駆動集積回路がスピーカ配線のオープン/ショートを検知する機能を備える(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の技術によれば、外部電源から一方の出力端子に向けて電流を流し込み、当該一方の出力端子に出現する電圧又は電流に基づいて、正常、オープン又はショートのいずれの状態であるかを検出している。
特開2011−182263号公報
しかしながら、スピーカ駆動側の出力端子の数がスピーカの設置個数に比較して少ない状態でスピーカ配線が構成されている場合には、前述した従来のスピーカ駆動集積回路の機能を用いてもスピーカ配線のオープン/ショートを検知できない。
本発明の目的は、スピーカ駆動側の出力端子の数がスピーカの個数に比較して少なくても、オープン/ショートを信頼性良く検知できるようにしたスピーカ配線の異常検知システムおよび異常検知装置を提供することにある。
請求項1記載の発明によれば、スピーカ駆動部の第1の正負出力端子は、配線により第1のスピーカの第1の正負入力端子にそれぞれ接続されている。また、スピーカ駆動部の第2の正負出力端子は、配線により第2のスピーカの第2の正負入力端子にそれぞれ接続されている。そして、スピーカ駆動部の第1又は第2の一方の正出力端子が、配線により第3のスピーカの第3の正入力端子に接続されている。さらに、スピーカ駆動部の第1又は第2の一方とは異なる第2又は第1の負出力端子が、配線により第3のスピーカの第3の負入力端子に接続されている。すなわち、スピーカ駆動側の出力端子の数を少なくしながら第1〜第3のスピーカを駆動できるように接続されている。
音信号入力部は、第1〜第3のスピーカの出力音を入力する。スピーカ駆動部が第1及び第2の正負出力端子に互いに正相となるテスト信号を出力すると、スピーカの配線が正常であれば、原理的に第3のスピーカから音が正常出力されるため、音信号入力部を通じて入力する第1音信号のレベルは比較的大きくなる。
逆に、スピーカ駆動部が第1及び第2の正負出力端子に互いに逆相となるテスト信号を出力すると、スピーカの配線が正常であれば、原理的には第3のスピーカから音が出力されないため、音信号入力部を通じて入力する第2音信号のレベルは比較的小さくなる。他方、オープン異常又はショート異常時には前記のような正常動作をしない。このため、これらの第1および第2の音信号のレベルの差に基づいて第1〜第3のスピーカと第1および第2の正負出力端子との間の接続状態の適否を判定すれば、オープン異常又はショート異常を信頼性良く検知できる。
例えば第1〜第3のスピーカの出力音の音波の伝搬状態が反射などの影響により変化することがある。請求項2記載の発明によれば、スピーカ接続判定部は、第1音信号および第2音信号がそれぞれ周波数解析され抽出されたテスト信号に対応した所定周波数成分のレベル差に基づいて判定しているため、音場環境の変化に対応して柔軟に対応できる。
本発明の第1の実施形態において制御装置とスピーカとの配線の接続状態を詳細に示す図 全体の電気的構成を概略的に示すブロック図 サブウーファに関する検査の流れを示すフローチャート (a)(b)は互いに同相、逆相となるテスト信号を出力したときの正常時のマイク入力波形 (a)(b)は互いに同相、逆相となるテスト信号を出力したときのオープン異常時のマイク入力波形 (a)(b)は互いに同相、逆相となるテスト信号を出力したときのショート異常時のマイク入力波形 本発明の第2の実施形態を示す図3相当図
(第1の実施形態)
以下、本発明のスピーカ配線の異常検知システムの第1の実施形態について図1〜図6を参照しながら説明する。本実施形態では、自動車(車両)Cの内部に搭載したスピーカシステムに適用した例を挙げて説明する。
図2に示すように、自動車Cの車室内には、運転席A1やその他の座席A2〜A3(助手席A2、後部座席A3)が設置され、これらの座席A1〜A3を囲うように自動車Cの左右前後にスピーカ1a〜1dがそれぞれ配設されている。
スピーカ1a〜1dが自動車C内に4つ配置されるときを例に挙げて説明すると、1チャンネルのスピーカ1aが、車内の右前(Front/Right)に設置されている。また、2チャンネルのスピーカ1bが、車内の左前(Front/Left)に設置されている。また、3チャンネルのスピーカ1cが、車内の右後(Rear/Right)に設置されている。また、4チャンネルのスピーカ1dが、車内の左後(Rear/Left)に設置されている。
また、サブウーファ1eが車内の前部に設置されている。これらの4チャンネル分のスピーカ1a〜1dやサブウーファ1eが、運転席A1,助手席A2および後部座席A3などに音を出力する。また、車室内にはハンズフリー用又は音声認識用のマイク2が所定位置(例えば、ヘッドレスト、運転席上方、又はステアリング近辺)に設置されている。
制御装置(ECU)3がスピーカ1a〜1dに接続されている。図2には制御装置3を車外に記載しているが、これは理解を容易にするため記載したものであり、実際には制御装置3は自動車C内に搭載されている。また、制御装置3はサブウーファ1eにも接続されているが図2には結線を省略している。制御装置3はオーディオアンプ機能を備える。
この制御装置3は1チャンネル〜4チャンネル用の出力端子O1〜O4と、マイク入力端子I1とを備える。図1に詳細を示すように、図2に示す出力端子O1〜O4は、それぞれ、正出力端子O1p〜O4pおよび負出力端子O1n〜O4nを備えており、これらの端子から差動出力する。
図2に示すように、出力端子O1は右前スピーカ1a用に1チャンネルが割当てられており、出力端子O2は左前スピーカ1b用に2チャンネルが割当てられている。また、出力端子O3は、右後スピーカ1c用に3チャンネルが割当てられており、出力端子O4は、左後スピーカ1d用に4チャンネルが割当てられている。
図1に示すように、スピーカ1a〜1eはそれぞれ入力端子S1〜S5を備える。これらの入力端子S1〜S5は、それぞれ、正入力端子S1p〜S5pと、負入力端子S1n〜S5nとを備えて差動入力する。
1〜4チャンネル分のスピーカ配線4a〜4dは、それぞれ、1〜4チャンネルのスピーカの入力端子S1〜S4に接続されている。より具体的には、スピーカ配線4a〜4dの正側配線4ap〜4dpは、出力端子O1〜O4の正出力端子O1p〜O4pと、入力端子S1〜S4の正入力端子S1p〜S4pとの間を接続する。また、スピーカ配線4a〜4dの負側配線4an〜4dnは、出力端子O1〜O4の負出力端子O1n〜O4nと、入力端子S1〜S4の負入力端子S1n〜S4nとの間を接続する。
また、別途スピーカ配線4eが設けられており、このスピーカ配線4eの正側配線4epは、3チャンネルの正出力端子O3pとサブウーファ1eの正入力端子S5pとの間を接続する。また、このスピーカ配線4eの負側配線4enは、2チャンネルの負出力端子O2nとサブウーファ1eの負入力端子S5nとの間を接続する。
すなわち、このシステムでは、4チャンネル分の出力端子O1〜O4を用いて当該出力端子の数よりも多いスピーカ1a〜1eを駆動するようにスピーカ配線4a〜4eを接続して構成されている。
参照図面を図2に戻して制御装置3の内部ブロック構成を説明する。制御装置3は、スピーカ接続判定部としてのCPU5、メモリ6などを備える。また、制御装置3は、音入力処理部9、音出力処理部10、アンプ部11、等のハードウェアブロックを備える。制御回路3のCPU5はメモリ6に記憶されるプログラムに応じて、外部に接続される各スピーカ1a〜1eに音信号を出力する機能を備える。
音入力処理部9は、マイク2から音を入力するための機能を備えたハードウェアが構成されるブロックであり、音出力処理部10は、各スピーカ1a〜1eから音を出力するための機能を備えたハードウェアが構成されるブロックを示している。アンプ部11は、例えばD級アンプを用いて音信号を増幅しスピーカ1a〜1eを駆動する。また、このアンプ部11は、通常、スピーカ1a〜1eに音信号を出力するが、各チャンネルをテスト時に無効にするため、各チャンネル毎に出力インピーダンスをハイインピーダンスにする出力回路を備える。これらは、CPU5によって実使用状態又は検査状態などの各動作状態に応じて適宜切換えることができる。
本実施形態では、スピーカ配線4a〜4dの接続状態の適否を検査する検査方法、異常検知方法に特徴を備えるため、その特徴部分の説明を行う。車両メーカが自動車C内にスピーカシステムを構築するときには自動車C内にスピーカ1a〜1eを設置し、さらに制御装置3を設置する。そして、制御装置3の出力端子O1〜O4とスピーカ1a〜1eとの間を、スピーカ配線4a〜4eにより接続する。製造者が製造し検査者がスピーカ配線4a〜4eの接続状態の検査を行う。
検査者がスピーカ配線4a〜4eの接続状態を検査するときには、制御装置3にCAN(Controller Area Network)12を通じて検査装置13を接続する。検査装置13は、各種の検査用コマンドをCAN12を通じて制御装置3に送信する。これにより制御装置3のCPU5により各種の検査が行われる。
メモリ6には予めテスト用の音源データ(テスト信号:例えば1又は複数の単一周波数音)が記憶されている。この音源データは、予めスピーカ1a〜1eの音響周波数特性に合わせて用意され、本実施形態において音源データは特にサブウーファ1eの音響周波数特性に合わせて調整されている。特にサブウーファ1eの周波数特性は可聴音の中でも比較的低い周波数(例えば<100Hz)に合わせて調整されているため、音源データとしては、この周波数特性に合わせた所定周波数(例えば70Hz程度)の単一周波数音が用意されている。本実施形態では、音源データとして可聴音の中でも比較的低域の周波数音を用いているが、例えば、並列接続対象スピーカがツイータなどの高音用スピーカ(例えば、>1kHz)などであるときには、当該対象スピーカの周波数特性に合わせた音源データ(例えば2kHzの単一周波数音)を用いると良い。これは、正常時に高音用スピーカから音が大きく出力されやすいためである。
音出力処理部10は、CPU5からの制御信号に応じてメモリ6に記憶される基準となる音源データを用い、アンプ部11を通じて各スピーカ1a〜1eに音信号を出力する。各スピーカ1a〜1eは各スピーカ配線4a〜4eを通じて与えられる音信号に応じて音出力する。音入力処理部9はスピーカ1a〜1eから出力される音を入力して処理し、CPU5などにその処理信号を出力する。
<1チャンネル、4チャンネルの各スピーカ配線4a、4dの接続適否の検査方法>
図1に示すように、1チャンネルの出力端子O1は直接スピーカ1aの入力端子S1に接続されている。また4チャンネルの出力端子O4は直接スピーカ1dの入力端子S4に接続されている。これらの1チャンネル、4チャンネルは独立で動作するため、一般的なダイアグ機能を用いて検査すると良い。例えば、前述した特許文献1の技術を使用して検査しても良い。本願の特徴には関係しないためその詳細説明を省略する。
<2チャンネル、3チャンネルの各配線4b、4cの接続適否の検査方法>
アンプ部11の出力は各チャンネル毎に分離されている。このため、制御装置3のCPU5が、2チャンネル又は3チャンネルの検査指令を受け付けると、アンプ部11によりテスト信号を出力する対象となるチャンネル以外のチャンネルの出力端子の出力インピーダンスをハイインピーダンスに保持する。
例えば、2チャンネルを検査するときには、1,3,4チャンネルのアンプ部11はその出力をハイインピーダンス状態に保持する。このため、たとえスピーカ配線4eがサブウーファ1eを通じて出力端子O3pに結線されていたとしても、アンプ部11に戻る通電経路が遮断されることになる。したがって、アンプ部11の2チャンネル出力はスピーカ1bとの間で独立接続されることになり、2チャンネルのオープン異常/ショート異常を個別に判断できる。
また、3チャンネルを検査するときには、1,2,4チャンネルのアンプ部11はその出力をハイインピーダンス状態に保持する。このため、前述と同様に、スピーカ配線4eがサブウーファ1eを通じて出力端子O2nに結線されていたとしても、アンプ部11に戻る通電経路が遮断されることになり、3チャンネルのオープン異常/ショート異常を個別に判断できる。
<サブウーファ1eの状態および当該サブウーファ1eに接続される配線の接続適否の検査方法>
以下、サブウーファ1eの動作状態、配線4eの接続適否の検査方法について図3のフローチャートを参照しながら説明する。1,4チャンネルには独立して音を出力させることができるため、制御装置3のCPU5は、これらのアンプ11の1,4チャンネル出力を無効化する。尚、本実施形態では無効化した形態を示すが、音出力を無効化しなくても良い。そして、制御装置3のCPU5は、2チャンネルと3チャンネルの出力端子O2及びO3のみにテスト信号を出力する。
具体的には、まず、制御装置3のCPU5はアンプ部11から2チャンネルと3チャンネルに互いに同相となるテスト信号(メモリ6に記憶される音源データ)を出力する(S1)。すると、このテスト信号に応じた音がスピーカ1b、1c、1eから出力される。
図4(a)は、配線の接続状態が正常である場合の同相出力音とマイク2の入力音を示す。スピーカ1b、1cは互いに同相出力するが、マイク2にはこれらのスピーカ1b、1cの出力音に応じた音が入力される。また、サブウーファ1eの配線4eの接続が正常である場合にはサブウーファ1eから音が出力される。なお、図4に示すサブウーファ1eの出力が他のチャンネルの出力に比較して小さいが、これは各スピーカ1b,1c,1eの入力インピーダンスの相違に応じた出力大小となっている。サブウーファ1eの出力が大きければマイク2の入力音も大きくなる。
ここで、テスト信号の周波数がサブウーファ1eの周波数特性に合わせて調整されていると、この音がさらに大きく出力されることになる。制御装置3は、マイク2を通じて音入力するとメモリ6などにデジタルデータとして記憶する(S2)。ここで、この記憶されるデジタルデータを記録音MIC1(第1音信号に相当)と称する。
そして次に、制御装置3のCPU5は互いに同相となる音信号の出力を停止し、アンプ部11から2チャンネルと3チャンネルに互いに逆相となるテスト信号を出力する(S3)。すると、このテスト信号に応じた音がスピーカ1b,1c,1eから出力される。
図4(b)は、配線の接続状態が正常である場合の逆相出力音とマイク2の入力音を示す。スピーカ1b、1cは互いに逆相出力するが、マイク2にはこれらのスピーカ1b、1cの出力音に応じた音が入力される。しかし、サブウーファ1eの入力端子S5p及びS5nには互いに同相となる信号が入力されるため、サブウーファ1eのテスト信号の出力は原理的に0となりサブウーファ1eは原理的に音を出力しない。
なお、アンプ部11の出力特性に応じて各入力端子S5p、S5nにはDCバイアスレベルが印加されることがあるため、図4(b)には微小なDCバイアスレベルを図示しているが、サブウーファ1eから音出力されることはない。したがって、図4(b)に示すマイク2の入力音のレベルは、図4(a)に示すマイク2の入力音のレベルに比較して小さくなる。
制御装置3は、逆相出力状態の音をマイク2から音入力するとメモリ6などにデジタルデータとして記憶する(S4)。この記憶されるデジタルデータを記録音MIC2(第2音信号に相当)と称する。そして次に、制御装置3は互いに逆相となる音の出力を停止し、記録音MIC1、MIC2についてFFTによる周波数解析を行い(S5、S7)、それぞれの解析結果についてテスト信号に対応した所定周波数成分を抽出する(S6、S8)。周波数解析してテスト信号に対応した周波数成分を抽出する理由は、例えば車両C内の反響音、外部環境音の影響を極力排除するためである。
そして、制御装置3のCPU5は抽出された成分のレベル差を算出し(S9)、このレベル差が所定レベル以上であるか否かを判定し(S10)、所定レベル以上であるときには正常判定してダイアグ出力し(S11)、所定レベル未満のときにはオープン異常又はショート異常と判定してダイアグ出力する(S12)。
このとき、検査の経験上、単一周波数音で検査を行ったとしても異常判定困難と判定するときには、テスト信号の周波数をスイープしたりステップ的に変更したりして複数の周波数のテスト信号を用いて検査すると良い。すると、検査の信頼性を向上できる。
図5(a)および図5(b)は、それぞれ同相出力時、逆相出力時において配線のオープン異常を生じているときのマイク2の入力音レベルを示し、図6(a)および図6(b)は、それぞれ同相出力時、逆相出力時においてショート異常を生じているときのマイク2の入力音のレベルを示す。
例えば、何らかの影響により、スピーカ配線4ep又は4enがサブウーファ1eと非接続(オープン)になっているときには、サブウーファ1eの入力端子S5と出力端子O2n又はO3pとの間は非接続になる。すると、同相出力時、逆相出力時の何れもサブウーファ1eから音を出力しなくなるため、マイク2の入力音は同相出力時、逆相出力時を比較してもほぼ変化しない。したがって、図5(a)および図5(b)間のレベル差は、図4(a)および図4(b)間のレベル差ほど差を生じない。
また、例えば何らかの影響によりスピーカ配線4ep及び4enが接触して短絡するときには、出力端子O2n、O3pから見たサブウーファ1e側の入力インピーダンスが原理的に0となる。このとき、図6(a)及び図6(b)に示すように、同相出力時、逆相出力時の何れも電圧がサブウーファ1eの入力端子S5に印加されなくなる。前述のオープン異常の時と同様に、サブウーファ1eから音を出力しなくなるため、マイク2の入力音は同相出力時、逆相出力時を比較してもほぼ変化しない。または同相出力時の方が逆相出力時よりも低くなる。したがって、図6(a)および図6(b)間のレベル差は、図4(a)および図4(b)間のレベル差ほど差を生じない。
すなわち、正常な接続状態であればレベル差が所定レベルより大きくなるものの、オープン/ショート異常など何らかの異常を生じたときには、レベル差が所定レベル未満になるため、ステップS12に示したように異常状態であることを検知できる。
検査者はステップS12のダイアグ出力を検知すると、何らかの配線接続異常(オープン又はショート)を生じていると判断してこの接続状態を検査し、必要に応じてその結線を確認し接続異常を発見したときには接続を正常に戻すことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、制御装置3のCPU5は、記録音MIC1と記録音MIC2のレベル差に応じてサブウーファ1eの接続状態の適否を判定し、オープン/ショート異常を検知しているため、当該異常を信頼性良く検知できる。また、制御装置3のCPU5は、周波数解析され抽出されたテスト信号に対応した所定周波数成分のレベル差に基づいてサブウーファ1eの接続状態の適否を判定しオープン/ショート異常を検知しているため、各スピーカ1b〜1cの音波の伝搬状態が反射などの影響により変化したとしても当該異常を信頼性良く検知でき、音場環境の変化に対応して柔軟に対応できる。
テスト信号として、サブウーファ1eの音響周波数特性に合わせた所定周波数を用いると、サブウーファ1eの配線接続が正常であるときには、サブウーファ1eからの音が大きくなるため正常接続時のレベル差が大きくなる。これにより、配線の接続状態の適否を信頼性良く判定できる。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、音圧レベルを比較したレベル差に基いて接続適否を判定しているところにある。図7のフローチャート説明では、同一処理を行う部分に同一ステップ番号を付して説明を省略すると共に類似処理を行う部分には類似符号を付して説明を行う。
同相出力時、逆相出力時におけるマイク2の入力音を記録してそれぞれ記録音MIC1、MIC2とした(S2、S4)後、制御装置3は、ステップS9に代わるステップS9aにおいて記録音MIC1の音圧レベルから記録音MIC2の音圧レベルを減算してこのレベル差を算出する。すなわち、前述実施形態で説明した周波数解析処理を省いてレベル差を算出している。このような処理を行ったとしても前述実施形態と同様にオープン異常/ショート異常を検知できる。本実施形態においても、誤配線を的確に判定できる。
(他の実施形態)
本発明は、前述実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形又は拡張が可能である。
自動車(車両)Cの車室内のシステムに適用した実施形態を示したが、スピーカと制御装置との接続関係が満たされていれば、自動車C内のシステムに限られず、一般的な居宅内に設置するシステムに適用しても良い。
サブウーファ1eの入力端子S5p,S5nが、それぞれ、制御装置3の3チャンネルの正出力端子O3pと2チャンネルの負出力端子O2nとに接続されている形態を説明したが、入力端子S5pが制御装置3の2チャンネルの正出力端子O2pに接続され、入力端子S5nが3チャンネルの負出力端子O3nに接続されている形態に適用しても良い。
図面中、1a〜1dはスピーカ(1bは第1のスピーカ、1cは第2のスピーカ)、1eはサブウーファ(第3のスピーカ)、2はマイク(音信号入力部)、3は制御装置(異常検知装置)、5はCPU(スピーカ接続判定部)、11はアンプ部(スピーカ駆動部)、S2pは第1の正入力端子、S2nは第1の負入力端子、S3pは第2の正入力端子、S3nは第2の負入力端子、S5pは第3の正入力端子、S5nは第3の負入力端子、O2pは第1の正出力端子、O2nは第1の負出力端子、O3pは第2の正出力端子、O3nは第2の負出力端子、O5pは第3の正出力端子、O5nは第3の負出力端子、を示す。

Claims (6)

  1. 第1〜第3の正負入力端子(S2p,S2n、S3p,S3n、S5p,S5n)をそれぞれ備える第1〜第3のスピーカ(1b,1c,1e)と、
    前記第1の正負入力端子(S2p,S2n)に配線(4bp,4bn)がそれぞれ接続される第1の正負出力端子(O2p,O2n)と、前記第2の正負入力端子(S3p,S3n)に配線(4cp,4cn)がそれぞれ接続される第2の正負出力端子(O3p,O3n)とを備え、前記第1又は第2の一方の正出力端子(O3p又はO2p)が前記第3の正入力端子(S5p)に配線(4ep)により接続されると共に前記第1又は第2の一方とは異なる第2又は第1の負出力端子(O2n又はO3n)が前記第3の負入力端子(S5n)に配線(4en)により接続されるスピーカ駆動部(11)と、
    前記第1〜第3のスピーカ(1b,1c,1e)の出力音を入力する音信号入力部(2)と、
    前記第1〜第3スピーカ(1b,1c,1e)と前記第1および第2の正負出力端子(O2p,O2n,O3p,O3n)との間の配線の接続状態の適否を判定するスピーカ接続判定部(5)と、を備え、
    前記スピーカ接続判定部(5)は、
    前記スピーカ駆動部(11)が第1及び第2の正負出力端子(O2p,O2n,O3p,O3n)に互いに正相となるテスト信号を出力した状態で前記音信号入力部(2)を通じて第1音信号を入力し、
    前記スピーカ駆動部(11)が第1及び第2の正負出力端子(O2p,O2n,O3p,O3n)に互いに逆相となるテスト信号を出力した状態で前記音信号入力部(2)を通じて第2音信号を入力し、
    前記第1音信号および前記第2音信号のレベルの差に基づいて前記第1〜第3のスピーカ(1b,1c,1e)と前記第1および第2の正負出力端子(O2p,O2n,O3p,O3n)との間の接続状態の適否を判定することを特徴とするスピーカ配線の異常検知システム。
  2. 前記スピーカ接続判定部(5)は、前記第1音信号および前記第2音信号がそれぞれ周波数解析され抽出された前記テスト信号に対応した所定周波数成分のレベル差に基づいて判定することを特徴とする請求項1記載のスピーカ配線の異常検知システム。
  3. 前記スピーカ接続判定部(5)は、前記第1音信号および前記第2音信号の互いの音圧レベルの差に基づいて判定することを特徴とする請求項1記載のスピーカ配線の異常検知システム。
  4. 前記スピーカ接続判定部(5)は、前記第3のスピーカ(1e)の音出力周波数特性に合わせた所定周波数の信号をテスト信号として用いることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスピーカ配線の異常検知システム。
  5. 車両搭載用に構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のスピーカ配線の異常検知システム。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のスピーカ配線の異常検知システムを構成するスピーカ接続判定部(5)を備える異常検知装置。
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