JP2014107471A - 光起電力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光起電力素子とガラス板とをより強固に接合する。
【解決手段】ガラス板と、ガラス板上に配置され、光の入射に応じて電力を発生させる結晶系半導体層を有する光起電力素子と、を備え、ガラス板と光起電力素子の光入射面の少なくとも一部が溶融接合されている、光起電力装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光起電力装置に関し、特に支持基板上に複数の光起電力素子を形成した光起電力装置に関する。
従来、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光起電力素子の開発が各方面で精力的に行われている。例えば、単結晶シリコンや多結晶シリコン等の結晶質系シリコンを用いた光起電力素子(装置)の研究および実用化が盛んに行われている。
また、近年、バックコンタクト型(裏面接合型)の光起電力素子の開発も進んでいる。このタイプの光起電力素子では、受光面側にはテクスチャ構造や反射防止、及びキャリアの再結合防止のためのパッシベーション層が形成されるのみで、受光面(光入射面)と反対側の面にPN接合と集電極が形成されており、素子の構造に起因する損失を極力除き、高い変換効率が得られることから、注目を集めている。
さらに、ベース基板(支持基板)上に絶縁層を介して複数の光起電力素子が接合された光起電力装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−283339号公報
光起電力素子を支持基板に接合する際、従来のファン・デル・ワールス力や水素結合で結晶質シリコンからなる光起電力素子とガラス板からなる支持基板とを接合する場合、その接合力は比較的弱く、製造時における外力、温度変化、および真空雰囲気への暴露などにより、接合が剥離する可能性が高く、長期信頼性が低い。
裏面接合型の光起電力装置であって、ガラス板と、ガラス板上に配置され、光の入射に応じて電力を発生させる結晶系半導体層を有する光起電力素子と、を備え、ガラス板と光起電力素子の光入射面の少なくとも一部が溶融接合されている、光起電力装置である。
本発明によれば、溶融接合によって光起電力素子とガラス板とを接合することで、従来のファン・デル・ワールス力や水素結合を用いて接合する場合に比べて、これら両者をより強固に接合することができる。
本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における光起電力装置の溶融接合領域を示す拡大平面図である。 本発明の第2の実施の形態における光起電力装置の溶融接合領域を示す拡大平面図である。 本発明の第3の実施の形態における光起電力装置の溶融接合領域を示す拡大平面図である。 本発明の第4の実施の形態における光起電力装置の構成を示す断面図である。
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態における光起電力装置100は、図1の断面図に示すように、ガラス板10、パッシベーション層12、ベースSi層14、n型高濃度ドープ領域16、i型アモルファスSi層18、p型アモルファスSi層20、透明電極22及び背面電極24(第1背面電極24n、第2背面電極24p)を含んで構成される。
本実施の形態では、光起電力装置100は、裏面接合型の光起電力素子102を複数含んでおり、光起電力素子102で発電された電力を外部へ取り出す電極が受光面とは反対側の主面(以下、背面という)のみに設けられる。
ここで、受光面とは、光起電力素子102において主に光が入射される主面を意味し、具体的には、光起電力素子102に入射される光の大部分が入射される面である。また、背面とは、光起電力素子102の受光面とは反対側の面を意味する。
ベースSi層14は、具体的には導電型がn型、結晶軸が<100>、比抵抗8〜12Ωcm,厚さ60μmの単結晶Siである。ただし、本発明の適応範囲はこれに限定されるものではなく、ベースSi層14、n型高濃度ドープ領域16、i型アモルファスSi層18及びp型アモルファスSi層20の導電型を全て逆にしてもよい。
パッシベーション層12は、ベースSi層14の受光面側表面に設けられる。パッシベーション層12は、ベースSi層14の表面の未結合手(ダングリングボンド)を終端させる等の役割を果し、キャリアの再結合を抑制する。パッシベーション層12を設けることによって、光起電力素子の受光面側において、キャリアの再結合による発電電流の損失を抑制することができる。
パッシベーション層12は、例えば、窒化シリコン層(SiN)を含むようにすればよく、酸化シリコン層(SiOx)と窒化シリコンとの積層構造とすることがより好ましい。例えば、酸化シリコン層及び窒化シリコン層をそれぞれ30nm及び40nmの膜厚で順に積層した構造とすればよい。
高濃度ドープ領域16は、ベースSi層14中に、リン(P)を含むドーパントが高濃度に拡散されたn領域(n型ドーパントがベースSi層14に比べ、高濃度にドープされた領域)である。高濃度ドープ領域16のドーパントの拡散深さは、10〜500nmがよく、最も望ましいのは50〜100nmである。また、ドーパントの拡散濃度は、1×1020〜2×1021atoms/cmの範囲であることが望ましく、これらの範囲であれば、n領域内において、キャリアの再結合による実質的な特性低下を生じることなく、外部に電力を取り出すことができる。
ベースSi層14と高濃度ドープ領域16とは、結晶質同士がホモ接合された第1導電型コンタクト(ベースコンタクト)領域を形成する。
i型アモルファスSi層18とp型アモルファスSi層20には、アモルファス相、またはアモルファス相内に微少な結晶粒が析出している微結晶相を含む。本実施の形態では、i型アモルファスSi層18とp型アモルファスSi層20は、水素を含有するアモルファスシリコンとする。i型アモルファスSi層18は、実質的に真性のアモルファスシリコン層とされる。p型アモルファスSi層20は、p型のドーパントが添加されたアモルファスシリコン層とされる。p型アモルファスSi層20は、i型アモルファスSi層18よりもドーピング濃度が高い半導体層とされる。例えば、i型アモルファスSi層18には、意図的にドーピングを行わず、第p型アモルファスSi層20のドーピング濃度は1018/cm程度とすればよい。
i型アモルファスSi層18の膜厚は、光の吸収をできるだけ抑えられるように薄くする。具体的には、1nm〜50nmとすればよく、例えば10nmとする。また、p型アモルファスSi層16の膜厚は、光の吸収をできるだけ抑えられるように薄くし、一方で光起電力素子の開放電圧(Voc)が十分に高くなるような程度に厚くする。例えば、1nm〜50nmとすればよく、例えば10nmとする。
ベースSi層14とi型アモルファスSi層18及びp型アモルファスSi層20とはヘテロ接合された第2導電型コンタクト(エミッタコンタクト)領域を形成する。
ここで、第2導電型コンタクト(エミッタコンタクト)をなすヘテロ接合は、ホモ接合に比べて、電気抵抗が高いため、高い変換効率を得るためには、第1導電型コンタクト領域の面積を、第2導電型コンタクト領域の面積より小さくするようにパターンを形成することが好適である。
透明電極22は、酸化インジウムを主成分とする透光性導電酸化膜であり、その後にメッキ法で形成される背面電極24の成長の起点となるものである。
背面電極24は、例えば、ニッケル或いは、ニッケルと鉄との合金などメッキ法で形成されるものが望ましいが、アルミニウム、銀、銅又はこれらを含む金属ペーストなどを用いることも可能であり、ベースSi層14の背面側において、互いに2mmの等間隔をもって略全面に渡って設けられている。ここで、背面電極24により形成される櫛型電極の相互の櫛間の間隔は、本実施の形態では2mmであるが、これより狭くても良く、2mmの間隔は許容される出力特性を満たす範囲で最大(櫛の本数が最少)となるように選択されたものである。
ガラス板10と光起電力素子102とは、光起電力素子102の外周辺領域の溶融接合領域Aにおいて溶融接合されている。溶融接合方法については後述する。
次に、光起電力装置100の製造方法について説明する。図2A〜図2Jは、第1の実施の形態における光起電力装置100の製造方法を示す。
基板26は、結晶質の半導体材料からなる。例えば、シリコン、多結晶シリコン、砒化ガリウム(GaAs)、インジウム燐(InP)等の半導体基板とする。本実施の形態では、基板26として単結晶シリコン基板を用いた例を示す。したがって、後述するn型高濃度ドープ領域16、ベースSi層14、i型アモルファスSi層18及びp型アモルファスSi層20もシリコン層とする。ただし、基板26をシリコン以外の材料としてもよく、これらの層もシリコン層以外の材料としてもよい。
基板26の一主面にはポーラス層(脆化層)26aが形成される(図2A)。ポーラス層26aは、陽極酸化処理等によって形成することができる。陽極酸化に用いる電解質は、例えば、フッ化水素酸及びエタノールの混合液又はフッ化水素酸及び過酸化水素水の混合液とすることができる。陽極酸化の電流密度は、5mA/cm以上600nA/cm以下とすればよく、例えば10mA/cm程度とする。
基板26のポーラス層26a上にベースSi層14が形成される(図2B)。ベースSi層14は、化学気相成長法(CVD)で形成することができる。ベースSi層14は、ポーラス層26aをシード層としたエピタキシャル成長により形成され、結晶質の半導体層同士が接合されたホモ接合領域を形成する。例えば、基板26を950℃に加熱し、水素(H)で希釈されたジクロロシラン(SiHCl)を原料ガスとして供給することにより成膜することができる。水素(H)とジクロロシラン(SiHCl)の流量は、例えばそれぞれ0.5(l/min)及び180(l/min)とする。
ベースSi層14上にパッシベーション層12が形成される(図2C)。パッシベーション層12は、シラン(SiH)に酸素(O)又は窒素(N)を混合した原料ガスをプラズマ化して供給するプラズマ化学気相成長法(PECVD)により形成することができる。
パッシベーション層12を形成後、パッシベーション層12にガラス板10が接合される(図2D)。このとき、図3の平面図に示すように、ガラス板10の一主面上に複数の光電変換素子102が配置されるようにベースSi層14を接合してモジュール化する。図3の例では、24枚のベースSi層14を1枚のガラス板10に接着してモジュール化した例を示している。なお、図1及び図2では、モジュール化された光起電力装置100に含まれる2つの光電変換素子102の断面図を代表して示している。
ガラス板10とベースSi層14とは、図4の拡大平面図に示すように、ベースSi層14の外周辺領域の溶融接合領域Aにおいて溶融接合される。本実施の形態の光起電力装置100では、光電変換素子102の有効発電領域Dの周囲を囲うように溶融接合領域Aを設ける。
溶融接合領域Aは、図2Dに示すように、ガラス板10側よりレーザビームBを照射することにより形成される。レーザビームBは、フェムト秒レーザビームとすることが好適である。すなわち、レーザビームBは、1ナノ秒以下のパルス幅を有するものとすることが好適である。また、レーザビームBは、ガラス板10及びベースSi層14の少なくとも一方で吸収が生ずる波長とすることが好適である。例えば、レーザビームBは、波長800nmとすることが好適である。さらに、レーザビームBは、ガラス板10とベースSi層14の少なくとも一部が溶融するに足りるエネルギー密度及び走査速度で照射することが好適である。例えば、レーザビームBは、1パルス当たり10マイクロジュール(μJ)のパルスエネルギーで照射することが好適である。また、レーザビームBは、10mm/分の走査速度で走査することが好適である。
なお、本実施の形態では溶融接合領域Aは光起電力素子102の周縁部を一重に囲むように設けたがこれに限定されるものではない。例えば、接合をより強固にしたい場合には、光起電力素子102の周縁部を二重に囲むように設けてもよいし、光起電力素子102の全体に亘って格子状に設けてもよい。
また、パッシベーション層12は必須ではなく、ベースSi層14とガラス板10とが直接接合されてもよい。
なお、図2D〜図2Jでは、説明を分かり易くするために図2A〜図2Cとは図の上下を逆にして示す。なお、以下の各膜の成膜時において、複数の光起電力素子102の間の領域には膜が形成されないようにマスクを施しておいたり、膜が形成された後にエッチング等で除去したりすればよい。
次に、ポーラス層26aを利用して基板26が分離される(図2E)。例えば、基板26及びガラス板10を真空チャックで吸着し、双方を引き離すように引っ張ることによって、ポーラス層26a部分から基板26を切り離すことができる。また、基板26の側面からポーラス層26aにウォータージェットを吹き付けることによって、ポーラス層26a部分から基板26を切り離すことができる。もし、ポーラス層26aの一部が残留している場合には、フッ化水素酸(HF)と硝酸(HNO)とを混合したフッ硝酸によるエッチング等でポーラス層26aを除去してもよい。
基板26から分離されたベースSi層14上にi型アモルファスSi層18、p型アモルファスSi層20及び透明電極22が形成される(図2F)。i型アモルファスSi層18及びp型アモルファスSi層20は、シラン(SiH)等のケイ素含有ガスのPECVDにより形成することができる。シラン(SiH)等のケイ素含有ガスを供給しつつ、高周波電源から高周波電極へ高周波電力を供給することによって原料ガスのプラズマが生成され、プラズマからベースSi層14上に原料が供給されてシリコン薄膜が形成される。原料ガスには、必要に応じてボロン(B)等のドーパント含有ガスを混合する。透明電極22は、スパッタリング法等を用いて形成することができる。i型アモルファスSi層18、p型アモルファスSi層20及び透明電極22は、ベースSi層14の全面に形成される。
全面に形成されたi型アモルファスSi層18、p型アモルファスSi層20及び透明電極22がパターニングされる(図2G)。この際、ベースSi層14の周囲におけるガラス板10上に形成されたi型アモルファスSi層18、p型アモルファスSi層20及び透明電極22も除去される。パターニングは、エッチングペーストを用いて行うことができる。燐酸を含むエッチングペーストをスクリーン印刷法等により所望のパターンに塗布することによって、i型アモルファスSi層18、p型アモルファスSi層20及び透明電極22を除去する。また、透明電極22のエッチングには、塩酸(HCl)を含むエッチャントを用いてもよい。また、i型アモルファスSi層18及びp型アモルファスSi層20のエッチングには、フッ化水素酸(HF)を含むエッチャントを用いてもよい。
i型アモルファスSi層18、p型アモルファスSi層20及び透明電極22は、光起電力素子の裏面からできるだけ均等に電力を集電できるようにパターニングすればよい。例えば、光起電力素子に一般的に適用されているフィンガー及びバスバーを含む櫛形のパターンとすることが好ましい。特に、n型高濃度ドープ領域16の櫛形のパターンと交互に組み合わされる櫛形のパターンとすることが好ましい。
パターニングされた透明電極22、露出したベースSi層14、及びガラス板10上にn型のドーパントを含むドープ層28を形成する(図2H)。ドープ層28は、ベースSi層14にn型のドーパントを拡散させるために用いられる。ドープ層28は、例えば、n型のドーパントを含むアモルファスシリコン層やリン珪酸ガラス(PSG)等とすることができる。アモルファスシリコン層は常圧CVD等で形成することができ、PSGは塗布法等で形成することができる。ドープ層28の膜厚は、例えば300nm程度することが好ましい。
ドープ層28を形成後、ベースSi層14へのドーパントの拡散処理によりn型高濃度ドープ領域16が形成される(図2I)。ここでは、i型アモルファスSi層18、p型アモルファスSi層20及び透明電極22が除去された領域、すなわちドープ層28がベースSi層14と直接接触している領域のみに拡散が行われるような処理を行う。
例えば、対象となる領域のみにレーザ光Cを照射し、レーザ光Cによる局所加熱によってドーパントをベースSi層14内へ拡散させてn型高濃度ドープ領域16を形成することができる。レーザ光Cは、例えば、波長532nm、電力0.89W、走査速度50mm/sとすればよい。
n型高濃度ドープ領域16を形成後、不要となったドープ層28がエッチングにより除去される(図2J)。ドープ層28は、例えば、三フッ化窒素(NF)のプラズマエッチングで除去することができる。
ドープ層28を除去後、パターニングされた透明電極22及び露出したベースSi層14上に背面電極24が形成される(図2K)。背面電極24は、スパッタリング法又はプラズマ化学気相成長法(PECVD)等の薄膜形成方法で形成することができる。また、さらに電解メッキ等で金属層を積層してもよい。例えば、ニッケル或いは、ニッケルと鉄との合金を電解メッキにより形成する。シード層となる電極層に電位を印加しつつ電解メッキ法で適用することにより金属層が積層される。また、背面電極24は、アルミニウム、銀、銅又はこれらを含む金属ペーストと塗布して形成してもよい。
次に、背面電極24の一部が除去され、背面電極24が分断されて、n型高濃度ドープ領域16に接続される第1背面電極24nと、透明電極22に接続される第2背面電極24pと、が形成される(図2L)。また、互いに隣接する背面電極24(第1背面電極24n、第2背面電極24p)同士も電気的に分断される。
その後、必要に応じて、並置された複数の光起電力素子102の第1背面電極24n及び第2背面電極24pを導電性のタブで接続する。また、光起電力素子102の裏面側に充填材30を塗布し、封止材32で封止してもよい。充填材30は、例えばEVA等の樹脂材とすることが好適である。封止材32は、例えばガラス板、プラスチック、金属等の化学的に安定であり、構造的に強度が高い材料とすることが好適である。
光起電力装置は屋外で長時間使用されるため、外部環境からの水分の浸入を防ぐ必要がある。充填材30及び封止材32によって光起電力素子102の裏面を封止することによって、光起電力素子102の両面が外部環境からの遮断性能の封止材32で保護されており、高い信頼性を得ることができる。このとき、封止材32(及び充填材30)に貫通孔を設けて、これらを介して発電電力を外部に取り出す構造としてもよい。
本発明によれば、溶融接合によって光起電力素子102(ベースSi層14)とガラス板10とを接合することで、従来のファン・デル・ワールス力や水素結合を用いて接合する場合に比べて、これら両者をより強固に接合することができる。
また、大面積のガラス板10内に複数の光起電力素子102を配置することによって、各々が孤立した溶融接合領域Aが複数形成され、熱変形による湾曲が各々の光起電力素子102の面内に限定され、全体として大きな湾曲(変形)量となることを抑制することができる。すなわち、大面積の光起電力装置を形成するために有効である。
<第2の実施の形態>
図5は、本発明の第2の実施の形態における光起電力装置104の構成を示す平面図である。本実施の形態では、溶融接合領域Aは、光起電力素子102の周辺部において少なくとも一部が不連続となるように設けられている。これにより、溶融接合領域Aによってガラス板10と光起電力素子102との間に閉空間が形成されないように接合される。
光起電力装置104はほとんどの工程において真空中等の制御雰囲気中で製造されるが、必要に応じ大気に晒される場合がある。その際、ガラス板10と光起電力素子102との僅かな間隙に大気が入り込むと、その後の加熱工程において内部の大気が熱膨張することにより、ガラス板10又は光起電力素子102が破損するおそれがある。本実施の形態の光起電力装置104によれば、加熱時には溶融接合されていない未接合領域から大気が放出されることとなり、ガラス板10及び光起電力素子102の破損を抑制することができる。
なお、本実施の形態では溶融接合領域Aは光起電力素子102の隅を欠いた構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、光起電力素子102の周縁部の辺の一部を欠く構成としてもよい。
<第3の実施の形態>
図6は、本発明の第3の実施の形態における光起電力装置106の構成を示す平面図である。本実施の形態では、ガラス板10と光起電力素子102とがこれらの中心線上に十文字に溶融接合されている。このように、本実施の形態では、溶融接合領域Aによって光起電力素子102の周縁部が固定されないように接合が行われる。
光起電力装置106の製造時及び屋外環境中での実使用時には数10〜200℃程度の温度変化を伴う。このとき、ガラス板10と光起電力素子102との熱膨張係数が大きく異なれば、両者のいずれかが大きく湾曲し、ガラス板10又は光起電力素子102が破損するおそれがある。本実施の形態の光起電力装置106によれば、光起電力素子102はガラス板10に対して周縁部が固定されないように中心付近において溶融接合されている。したがって、光起電力素子102の周縁部は機械的に自由であるため、熱膨張による変形(湾曲)が生じることがなく、大きな温度変化を受けた場合でも破損を抑制することができる。
なお、本実施の形態では溶融接合領域Aは中心線に沿って十字状に設ける構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、光起電力素子102の隅を繋ぐ線に沿って十字状に設けてもよいし、光起電力素子102の裏面をスポット状に接合する構成としてもよい。
<第4の実施の形態>
図7は、本発明の第4の実施の形態における光起電力装置108の構成を示す断面図である。本実施の形態では、光起電力素子102の光起電力領域(有効領域)20の受光面側表面に光閉じ込めのための微細な凹凸34が形成されている。
凹凸34は、パッシベーション層12を形成する前にベースSi層14に対して異方性エッチングを施すことによって形成することができる。ベースSi層14が<100>の結晶軸を有する場合、異方性エッチングのエッチャントとして水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いることができる。凹凸34のサイズは、光起電力素子102において光電変換に利用される光の波長よりも大きくすることが好適である。凹凸34のサイズは、エッチャントの濃度、エッチングの時間及び温度等により調整することができる。
本実施の形態によれば、光起電力素子102内での入射光の光路長を大きくすることができ、その場合にもガラス板10と光起電力素子102との接合強度を損ねることなく、強固に接合することができる。
光起電力素子102とガラス板10とを陽極接合する場合には、光起電力素子102の光入射面に光閉じ込めのための凹凸34が形成されていると接合が困難となるが、本実施の形態によれば、凹凸表面を有する光起電力素子102でも強固な接合が実現できる。これは、溶融接合では、凹凸34を含めて光起電力素子102(ベースSi層14)を溶融させているためである。なお、陽極接合は、ガラス板10と光起電力素子102(ベースSi層14)とを2つの電極で挟み込み、真空に排気した状態で200℃以上600℃以下の温度範囲で加熱し、2つの電極間に300V以上1kV以下の電圧を印加して行う接合方法である。
特に、光起電力素子102の溶融接合領域Aには凹凸34を設けず、平坦なまま残すことが好適である。例えば、溶融接合領域Aとなる領域にエッチャントに対して耐性を有するマスクを設けた状態においてエッチングを施すことにより平坦部を残すことができる。こうした構成とすることによりさらに確実に接合することができる。
さらに、光起電力素子102の受光面側表面に設けられた微細な凹凸34とガラス板10との間の空間をガラス板10と光起電力素子102の中間的な屈折率値を有する透光性の屈折率調整材36で充填することが好適である。屈折率調整材36は、ガラス板10とシリコンであるベースSi層14に対しては屈折率1.5以上3.0以下の材料とすることが好適である。例えば、屈折率調整材36は、シリカや酸化チタンとすることが好適である。
これにより、入射光の進行に従って順次屈折率が変化していくこととなり、入射光の反射ロスが生じ難くなり、光起電力素子102の発電効率を高めることができる。
なお、第1〜第4の実施の形態における構成を適宜組み合わせた構成としてもよい。例えば、第2〜第4の実施の形態において、同一のガラス板10に複数の光起電力素子102を接合した構成を採用することができる。また、光起電力素子102の裏面を充填材30及び封止材32によって封止する構成を採用することができる。
10 ガラス板、12 パッシベーション層、14 ベースSi層、16 n型高濃度ドープ領域、18 i型アモルファスSi層、20 p型アモルファスSi層、22 透明電極、24 背面電極、24n n型背面電極、24p p型背面電極、26 基板、26a ポーラス層、28 ドープ層、30 充填材、32 封止材、34 凹凸、36 屈折率調整材、100,104,106,108 光起電力装置、102 光起電力素子。

Claims (5)

  1. 裏面接合型の光起電力装置であって、
    ガラス板と、
    前記ガラス板上に配置され、光の入射に応じて電力を発生させる結晶系半導体層を有する光起電力素子と、を備え、
    前記ガラス板と前記光起電力素子の光入射面の少なくとも一部が溶融接合されていることを特徴とする光起電力装置。
  2. 請求項1に記載の光起電力装置であって、
    前記溶融接合部は、前記ガラス板と前記光起電力素子との間に閉空間を生じさせないように設けられていることを特徴とする光起電力装置。
  3. 請求項1又は2に記載の光起電力装置であって、
    前記光起電力素子の前記ガラス板側の受光面に凹凸が設けられていることを特徴とする光起電力装置。
  4. 請求項3に記載の光起電力装置であって、
    前記光起電力素子と前記ガラス板との間に、前記光起電力素子の屈折率と前記ガラス板の屈折率との間の屈折率を有する屈折率調整材が設けられていることを特徴とする光起電力装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光起電力装置であって、
    前記ガラス板に複数の前記光起電力素子が接合されていることを特徴とする光起電力装置。
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