JP2014105953A - ブロー排水の熱交換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温のブロー排水を低コストで、耐食性を損なわずに排出可能なブロー排水の熱交換装置を提供する。
【解決手段】 空調設備または衛生設備を構成する加湿装置や電気温水装置を含む蒸気発生装置100からの高温のブロー排水W1を貯水する貯水槽2と、ブロー排水W1が流入し、貯水槽2を介して一般排水管へ排出するブロー排水管3と、貯水槽2の外周壁と接触した状態で配設されており、蒸気発生装置100に補給水W2を供給する給水管4と、を備え、ブロー排水W1は、貯水槽2の外周壁と給水管4との熱交換によって約50℃まで冷却され、補給水W2は、貯水槽2の外周壁と給水管4との熱交換によって所定の温度まで加熱される、ことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、高温のブロー排水を低コストで、耐食性を損なわずに排出可能なブロー排水の熱交換装置に関する。
空調設備または衛生設備を構成する電熱式加湿器や電極式加湿器や、電気温水器においては、機器や排水管の水に含まれる不純物濃度が濃縮することを防止するために、ボイラ水の一部を連続または間欠で外部に排水(ブロー排水)している。このブロー排水は高温であるため、従来のブロー排水の熱交換装置200では、図2に示すように、高温排水槽220を設置する必要がある。
具体的には、ブロー排水の熱交換装置200は、蒸気Vを蒸気往管(図示略)へ供給する電熱式加熱器100のブロー排水W11を冷却した後で外部に排水するものであり、主として、高温排水槽220と、ブロー排水管230と、補給水配管240と、温度希釈用の補給水配管250とを備えている。
高温排水槽220は、高温(約100℃)のブロー排水W11を温度希釈して外部へ排出可能にするために貯水するものであり、耐熱性、耐腐食性を有する、例えばステンレスやコンクリートなどで構成されている。高温排水槽220は、貯水されているブロー排水W11の温度を測定するための温度計221が配設されており、測定された温度を通信線222で伝送し、後述する温度希釈用の補給水配管250の電磁弁253の開閉を制御するようになっている。また、高温排水槽220は、温度希釈用の補給水配管250が接続されている。
ブロー排水管230は、電熱式加熱器100に接続され、ブロー排水W11を排出するものであり、自動で排出する自動ブロー排水管231と、手動で排出する手動ブロー排水管232とを備えている。自動ブロー排水管231、手動ブロー排水管232は、高温のブロー排水W11を送水するため、耐熱性を有する材料で構成する必要があり、例えば塩化ビニル管や内側ライニング鋼管は使用できない。また、自動ブロー排水管231は、例えば15分間隔で約10秒ごとに数Lを排出するように設定されている。ブロー排水管230は、一部が地中に埋設されており、埋設部分は外面ライニング鋼管によって構成されている。また、ブロー排水管230と高温排水槽220の地上に露出している部分は、火傷防止のための断熱被覆が必要である。
補給水配管240は、電熱式加熱器100に補給水W12を供給するために接続されており、具体的には、配管241に流入する補給水W12が、仕切弁242、逆止弁243、ストレーナ244、減圧弁245、仕切弁246を介して電熱式加熱器100に供給されるようになっている。
温度希釈用の補給水配管250は、温度希釈用の給水W13を高温排水槽220に供給するためのものであり、高温排水槽220内のブロー排水W11を所定の温度まで冷却するようになっている。具体的には、配管251に流入する給水W13を、仕切弁252、電磁弁253、仕切弁254を介して高温排水槽220に供給する。ここで、電磁弁253の開度は、高温排水槽220に配設された温度計221によって測定されたブロー排水W11の温度に基づいて制御するようになっている。例えば、ブロー排水W11を電熱式加熱器100から15分間隔で所定流量を排出して高温排水槽220から排出する際に、ブロー排水W11が15分以内に所定温度まで冷却可能なように、給水W13の流量を制御する。
ところで、電気温水器について、浴槽内残湯あるいは排水路から温排水を自吸式ポンプで汲み上げて、熱交換器へ導き、給湯機への給水を予熱することにより、エネルギー消費量を低減させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、浴場から排出される温排水を貯留する温排水槽から温排水をパイプに導入し真水を温水するパイプ式熱交換器を設け、熱交換された温水を浴場に真水温水を供給する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、ポンプより下流側の途中を排熱回収用熱交換器の高温側流路で形成し、熱媒循環路は、循環路の一部を排熱回収用熱交換器の低温側流路と回収熱放出用熱交換器の高温側流路とで形成すると共に、循環路の適所に循環ポンプを備え、回収熱放出用熱交換器の低温側流路を給水路の一部で形成技術が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
いずれの特許文献に記載された技術も、浴槽などからの排水(残湯)と給水とを熱交換して給湯機に供給するものです。
特開2011−133211号公報 特開2003−130454号公報 特開平05−099501号公報
図2に示すような従来のブロー排水の熱交換装置200においては、電熱式加熱器100から排出するブロー排水W11が高温であるので、ブロー排水管230は、耐熱性を有する材料で構成する必要があり、高コストである。また、ブロー排水管230の埋設部分は、地中埋設管防食用テープを巻き付ける必要があり、施工に手間と時間とを要する。
また、高温排水槽220は、貯水するブロー排水W11が高温であるため、耐熱性を有するステンレスやコンクリートなどで構成するため、コストが高く、施工後にメンテナンスが必要となる。
さらに、補給水配管240は、補給水W12として上水を電熱式加熱器100に直接補給するので、給気湿度が低い冬季は、電熱式加熱器100の発生蒸気量が多くなり給水補給頻度が高くなる。
この発明は、前記の課題を解決し、高温のブロー排水を低コストで、耐食性を損なわずに排出可能なブロー排水の熱交換装置を提供することを目的としている。
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、空調設備または衛生設備を構成する加湿装置や電気温水装置を含む蒸気発生装置からの高温のブロー排水を貯水する貯水槽と、前記ブロー排水が流入し、前記貯水槽を介して一般排水管へ排出するブロー排水管と、前記貯水槽の外周壁と接触した状態で配設されており、前記蒸気発生装置に給水を供給する給水管と、を備え、前記ブロー排水は、前記貯水槽の外周壁と前記給水管との熱交換によって所定の温度まで冷却され、前記給水は、前記貯水槽の外周壁と前記給水管との熱交換によって所定の温度まで加熱される、ことを特徴とするブロー排水の熱交換装置である。
この発明によれば、貯水槽に貯水されたブロー排水と、貯水槽の外周壁と接触した給水管内の給水との間の熱交換によって、ブロー排水は所定の温度まで冷却され、給水は所定の温度まで加熱される。
請求項2の発明は、請求項1に記載のブロー排水の熱交換装置において、前記貯水槽は、所定時間間隔で前記蒸気発生装置から前記ブロー排水が排出されることにより、貯水しているブロー排水が押し出されて排出される、ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、貯水槽に貯水されたブロー排水と、貯水槽の外周壁と接触した給水管内の給水との間の熱交換によって、貯水槽内のブロー排水は所定の温度まで冷却されるので、一般排水管に排出可能となる。また、ブロー排水は冷却されているため、貯水槽より下流側(一般排水側)のブロー排水管は、鋼管を使用せずに例えば塩化ビニル管などで構成可能となり、コストを削減できる。さらに、鋼管を使用せずに例えば塩化ビニル管などで構成することにより、耐食性を損なわずにブロー排水を排出することが可能である。さらにまた、貯水槽に貯水されたブロー排水と、貯水槽の外周壁と接触した給水管内の給水との間の熱交換によってブロー排水が冷却されるので、ブロー排水を冷却するために従来の高温排水槽が不要となり、高温排水槽の設置に要するコストやメンテナンスの手間、コストを削減できる。また、給水を直接蒸気発生装置に供給し、そこから熱交換用の貯水槽を介して放流可能な温度に冷却して排水するため、設備コストを抑制できる。
また、給水が加熱されて冬季でも低温になることがなくなるので、熱源動力が削減可能、すなわち、省エネルギーになる。
さらに、簡易な構成で構成要素が少ないことから、制御系も簡素化することができる。
請求項2に記載の発明によれば、所定時間間隔で、ブロー排水が供給されることにより、貯水しているブロー排水が押し出されて排出されるようになっており、ブロー排水の送出に、例えばポンプを含む装置が不要となる。また、ブロー排水を所定時間、貯水槽に貯水している間に、貯水槽の外周壁と接触した給水管内の給水との間の熱交換によってブロー排水を冷却可能である。すなわち、ブロー排水の温度管理は、所定時間間隔でブロー排水が供給されて、貯水しているブロー排水が排出されるだけで、ブロー排水の適切な冷却と排出とが可能になるので、従来の高温排水槽が不要となり、温度希釈用の補給水配管などが不要となる。このため、簡易な構成で低コストにブロー排水を冷却、排出可能である。
この発明の実施の形態1に係るブロー排水の熱交換装置の正面図である。 従来のブロー排水の熱交換装置の正面図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態を示している。ブロー排水の熱交換装置1は、熱源としての例えば、電熱式加湿器、電極式加湿器などにおいて水を蒸発させることにより蒸気Vを発生させる蒸気発生装置100からのブロー排水W1を冷却して排水するものである。ここで、蒸気発生装置100は、空調設備または衛生設備に設けられ、事務所ビルや研究施設、病院、工場などを含む建物の建築設備として供されるものである。蒸気発生装置100においては、水に溶け込んでいた不純物が濃縮することを防止するために、15分間隔で数Lずつのブロー排水を行うようになっている。具体的には、蒸気発生装置100のブロー排水W1の排出口に配設されている電磁弁が、15分間隔で開くように制御されている。
ブロー排水の熱交換装置1は、主として、貯水槽2と、ブロー排水管3と、給水管4とを備えている。
貯水槽2は、蒸気発生装置100からの高温(約100℃)のブロー排水W1を貯水するものであり、上流側接続管21と下流側接続管22を介してブロー排水管3と接続されている。つまり、貯水槽2には、蒸気発生装置100からの高温のブロー排水W1が、ブロー排水管3を介して流入し、所定時間後にブロー排水管3を介して一般排水管側に排出されるようになっている。この貯水槽2の外周壁は、貯水槽2に貯水されているブロー排水W1によって加熱されている。貯水槽2は、ブロー排水管3よりも大径の円筒状(例えば、ブロー排水管3の径が40Aとすると100A)に形成された亜鉛メッキ処理を施した配管用炭素鋼鋼管(SGP)とその前後(上流および下流)のホッパー継手で構成されている。貯水槽2の容量は、蒸気発生装置100から排出されるブロー排水W1の1回分の排出量に合わせて設定されており、例えば数Lに設定されている。ここで、ブロー排水W1の排水間隔は15分に設定されている。
上流側接続管21は、貯水槽2の上流側(下端側)に接続されており、高温のブロー排水W1によって変形しないように耐熱性を有するT型継手で構成されており、一方の側端にブロー排水管3の上流側水平管33との接続口が開口し、上端に貯水槽2との接続口が開口し、上流側水平管33との接続口との対向する位置(T型継手の他方の側端)にプラグが配設されている。上流側接続管21において、上流側水平管33から流入したブロー排水W1は、押し上げ、追い出されて貯水槽2へ流入するようになっている。また、上流側接続管21は、プラグを開放することにより、貯水槽2の内部を掃除可能となっている。
下流側接続管22は、貯水槽2の下流側(上端側)に接続されており、冷却された(約50℃)ブロー排水W1によって変形しないように耐熱性を有するエルボ管で構成されている。下流側接続管22において、貯水槽2から押し上げ、追い出された冷却されたブロー排水W1は、水平方向に延びる下流側水平管34へ流入するようになっている。下流側接続管22の貯水槽2側には、ブロー排水W1の温度を測定可能な温度計(図示略)が配設されており、冷却されたブロー排水W1の温度を測定する。
以上の部材を含むブロー排水管3は、蒸気発生装置100から流入した高温のブロー排水W1を貯水槽2に供給して、貯水されて冷却されたブロー排水W1を一般排水管(図示略)へ排出するものである。ブロー排水管3は、配管用継手3Aを介して蒸気発生装置100と接続され、主として、上流側縦管31と、第1の曲管32と、上流側水平管33と、下流側水平管34と、第2の曲管35と、第3の曲管36と、一般排水管側接続管37とを備えている。すなわち、貯水槽2の前後(上流および下流)の管路は、いずれも流体を方向転換する曲がりを2つ以上備えており、蒸気発生装置100の設置幅、奥行きに収まるような省スペースでありながら、滞留時間を確保するようになっている。なお、この実施の形態では、蒸気発生器100の下方、略直下に保守スペースを設けており、ブロー排水管3、貯水槽2に断熱被覆を施していない。
配管用継手3Aは、高温(約100℃)のブロー排水W1によって変形しないように耐熱性を有する材料で構成された変形自在なフレキシブル継ぎ手である。
上流側縦管31は、高温のブロー排水W1によって変形しないように耐熱性を有する鋼管(例えば、40A)で構成されおり、略鉛直に配設されており、上方から下方にブロー排水W1が流れるようになっている。上流側縦管31の下流側(下端側)には、第1の曲管32が配設されている。
第1の曲管32は、高温のブロー排水W1によって変形しないように耐熱性を有する材料で構成されており、2つのエルボ管の間に、図中の手前から奥行き方向に延びる水平管が接続されて形成されている。すなわち、第1の曲管32において、上流側縦管31から流入したブロー排水W1は、水平管を介して奥行き方向に通過し、下流側に接続された上流側水平管33へ流入するようになっている。
上流側水平管33は、高温のブロー排水W1によって変形しないように耐熱性を有する鋼管で構成されており、水平方向に延びるように配設されている。上流側水平管33の下流側(他端側)は、フランジを介して貯水槽2の上流側接続管21と接続されている。
下流側水平管34は、冷却された(約50℃)ブロー排水W1によって変形しないように耐熱性を有する耐熱性塩化ビニル管で形成されおり、水平方向に延びるように形成されている。下流側水平管34の下流側(他端側)には、第2の曲管35が接続されている。
第2の曲管35は、冷却された(約50℃)ブロー排水W1によって変形しないように耐熱性を有する耐熱性塩化ビニル管で構成されており、2つのエルボ管の間に、図中の奥行き側から手前方向に延びる水平管が接続されて形成されている。すなわち、第2の曲管35において、下流側水平管34から流入したブロー排水W1は、水平管を介して手前方向に通過し、下流側に接続された第3の曲管36へ流入するようになっている。
第3の曲管36は、冷却された(約50℃)ブロー排水W1によって変形しないように耐熱性を有する耐熱性塩化ビニル管で形成されており、縦管と水平管とがエルボ管によって接続された略L字型に形成されている。すなわち、第3の曲管36は、ブロー排水W1が上方から下方に流れ、さらに水平方向に流れて、一般排水管側接続管37へ流入するようになっている。
一般排水管側接続管37は、冷却された(約50℃)ブロー排水W1によって変形しないように耐熱性を有する耐熱性塩化ビニル管で形成されており、一般排水管と接続するようになっている。
このような構成の貯水槽2と、ブロー排水管3とによって、トラップが形成されている。すなわち、蒸気発生装置100から排出された高温のブロー排水W1が、上流側縦管31を通過して貯水槽2に流入する。貯水槽2は、ブロー排水管3よりも大径に設定されているので、貯水槽2は流入した1回分のブロー排水W1を貯水する。1回分のブロー排水W1が蒸気発生装置100からすべて排出されると、ブロー排水W1が貯水槽2の容量に達するため、新たに蒸気発生装置100から排出されたブロー排水W1が貯水槽2に貯水されているブロー排水W1を押し上げ、追い出して、下流側水平管34を介して一般排水管側接続管37から排出する。
給水管4は、蒸気発生装置100に給水(補給水)W2を補給し、貯水槽2の外周壁と接触した状態で配設されていることにより貯水槽2のブロー排水W1と補給水W2とが熱交換可能なものである。ここで、給水管4は、蒸気発生装置100に配設されたフロート(図示略)によって補給水W2の供給が制御されるようになっている。給水管4は、主として、水平管41と、水平管41に配設された仕切弁42、逆止弁43、ストレーナ44と、巻付管45と、水平管46と、曲管47と、縦管48とを備えている。
水平管41は、耐衝撃性塩化ビニル管(例えば、20A)で構成されており、補給水W2を水平方向に送出するものであり、仕切弁42を開閉することによって補給水W2の供給開始、供給停止を切り替えるようになっており、逆止弁43によって、水平管41を補給水W2が逆流することを阻止している。また、ストレーナ44は、異物やゴミをろ過するものである。水平管41の下流側には、巻付管45が接続されている。
巻付管45は、熱伝導率の高い銅コイル管で水平管41の径を絞ったもの(例えば、6Φ)で構成されており、貯水槽2の外周壁に接触した状態でらせん状に巻き付けられている。巻付管45内の補給水W2は、貯水槽2の外周壁に沿って下から上へ螺旋状に通過する際に、外周壁との熱交換によって加熱されるようになっている。巻付管45の形状は、貯水槽2の外周壁と巻付管45との熱交換によって、貯水槽2内のブロー排水W1が所定の温度(例えば、約50℃)まで冷却されるとともに、巻付管45内の補給水W2が所定の温度に加熱されるように幅や間隔、全長が設定されている。この巻付管45は、水平管41よりも小径に設定されている。巻付管45の下流側(上端側)には、水平管46が接続されている。すなわち、貯水槽2内の高温水と巻付管45内の補給水は並行流を形成している。
水平管46は、耐衝撃性塩化ビニル管(例えば、20A)で構成されており、補給水W2を水平方向に送出するものであり、下流側には、曲管47が接続されている。
曲管47は、耐衝撃性塩化ビニル管で構成されており、2つのエルボ管の間に、図中の奥行き側から手前方向に延びる水平管が接続されて形成されている。そして、曲管47の下流側(他端側)には、縦管48が接続されている。
縦管48は、耐衝撃性塩化ビニル管で構成されており、変形自在なフレキシブル継ぎ手である配管用継手4Aを介して蒸気発生装置100と接続されている。
このような貯水槽2と、ブロー排水管3と、給水管4とは、配管支持鋼材(図示略)によって支持され、断熱材(図示略)によって被覆されている。
次に、このような構成のブロー排水の熱交換装置1の使用方法および作用について説明する。
ここで、この実施の形態においては、ブロー排水W1は、15分ごとに、貯水槽2の容量分である数Lが排出されるように設定されているものとする。
蒸気発生装置100からブロー排水W1が1回排水されると、上流側縦管31と第1の曲管32と上流側水平管33とを介して、貯水槽2に貯水される。ここで、ブロー排水W1の1回分の排水量は、貯水槽2の容量と略同等に設定されているため、1回分の排水によって貯水槽2が満たされると、次の排水までブロー排水W1は貯水槽2に貯水されて、流入、流出しない。このとき、ブロー排水W1の温度は約100℃であり、貯水槽2の外周壁が加熱される。
給水管4からは、所定量の補給水W2が給水されており、蒸気発生装置100に配設されたフロートによって補給水W2の供給量が制御されている。
そして、給水管4を通過する補給水W2は、水平管41から巻付管45へと送出されて、らせん状に上りながら送出される。このとき、貯水槽2に貯水されたブロー排水W1と、貯水槽2の外周壁と接触した給水管4の巻付管45内の補給水W2との間での熱交換によって、ブロー排水W1は所定の温度まで冷却され、補給水W2が所定の温度まで加熱される。すなわち、補給水W2は熱交換によって加熱されながら、巻付管45をらせん状に上りながら送出されて、蒸気発生装置100へ供給される。また、貯水槽2に貯水されたブロー排水W1は、排水のインターバルである15分間で約100℃から約50℃まで冷却される。
そして、15分が経過すると、次の排水が実施され、蒸気発生装置100からブロー排水W1が排水される。これにより、新たなブロー排水W1が上流側縦管31と第1の曲管32と上流側水平管33とを介して、貯水槽2で貯水される。これにより、先の排水で排出されて貯水槽2で貯水され冷却されたブロー排水W1が押し上げ、追い出されて、下流側水平管34と第2の曲管35と第3の曲管36を介して、一般排水管側接続管37から一般排水管へと排出される。
以上のように、この実施の形態に係る発明によれば、貯水槽2に貯水されたブロー排水W1と、貯水槽2の外周壁と接触した給水管4の巻付管45内の補給水W2との間の熱交換によって、ブロー排水W1は約50℃まで冷却されるので、一般排水管に排出可能となる。また、ブロー排水W1は冷却されているため、貯水槽2より下流側(一般排水側)のブロー排水管3は、高コストの鋼管を使用せずに例えば塩化ビニル管などで構成可能となり、コストを削減することが可能である。さらに、鋼管を使用せずに例えば塩化ビニル管などで構成することにより、耐食性を損なわずに排出することが可能である。さらにまた、貯水槽2に貯水されたブロー排水W1と、貯水槽2の外周壁と接触した巻付管45内の補給水W2との間の熱交換によってブロー排水W1が冷却されるので、従来の高温排水槽220が不要となり、高温排水槽220の設置に要するコストやメンテナンスの手間、コストを削減できる。
また、ブロー排水W1が1回排水された後は、貯水槽2にブロー排水W1が貯水されているので、補給水W2の給水開始直後から熱交換が可能であり、効率がよい。
また、ブロー排水W1の排出流路に配設された貯水槽2においてブロー排水W1を貯水し、外周壁において給水管4の巻付管45と熱交換するので、配管スペースが限られている場所でも設置することができる。また、巻付管45はらせん状に形成されているので、圧力損失が増大しない。
また、貯水槽2より下流側(一般排水側)のブロー排水管3に塩化ビニル管を採用することで、配管の腐食を防止し、かつ、コストが削減可能である。
また、補給水W2が加熱されて冬季でも低温になることがなくなるので、熱源動力が削減可能、すなわち、省エネルギーになる。
また、所定時間間隔で、ブロー排水W1が供給されることにより、貯水しているブロー排水W1が排出されるようになっており、ブロー排水W1の送出に、例えばポンプを含む装置が不要となる。また、ブロー排水W1を所定時間、貯水槽2に貯水している間に、貯水槽2の外周壁と接触した給水管4の巻付管45内の補給水W2との間の熱交換によってブロー排水W1を冷却可能である。すなわち、ブロー排水W1の温度管理は、所定時間間隔でブロー排水W1が供給されて、貯水しているブロー排水W1が押し出されて排出されるだけで、ブロー排水W1の適切な冷却と排出とが可能になるので、従来の高温排水槽220が不要となり、温度希釈用の補給水配管240などが不要となる。このため、簡易な構成で低コストにブロー排水W1を冷却可能、排出可能である。
また、貯水槽2がブロー排水管3より大径になっているので、巻付管45との接触面積を大きくすることができるため、熱交換の効率が向上する。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、貯水槽2は、亜鉛メッキ処理を施さない配管用炭素鋼鋼管(SGP)で構成してもよく、その他の同等の耐熱性、耐腐食性を有する材料で構成してもよい。ブロー排水管3や給水管4についても同様である。
また、断熱材はブロー排水の熱交換装置1の全体を被覆ぜず、貯水槽2より上流側の配管のみを被覆し、保守員の火傷防止を図ることもできる。
さらに、ブロー排水の熱交換装置1は、電熱式加湿器、電極式加湿器を含む蒸気発生装置100からのブロー排水W1を冷却する際だけではなく、簡易ボイラや電気温水器を含む高温排水を排出する装置に適用することが可能である。その際は、ブロー排水W1の排出量や、給水量などに応じて貯水槽2、ブロー排水管3、給水管4の大きさや形状を設定するようにすればよい。
1 ブロー排水の熱交換装置
2 貯水槽
3 ブロー排水管
37 一般排水管側接続管
4 給水管
45 巻付管
100 蒸気発生装置
110 温度計
W1 ブロー排水
W2 補給水
V 蒸気

Claims (2)

  1. 空調設備または衛生設備を構成する加湿装置や電気温水装置を含む蒸気発生装置からの高温のブロー排水を貯水する貯水槽と、
    前記ブロー排水が流入し、前記貯水槽を介して一般排水管へ排出するブロー排水管と、
    前記貯水槽の外周壁と接触した状態で配設されており、前記蒸気発生装置に給水を供給する給水管と、
    を備え、
    前記ブロー排水は、前記貯水槽の外周壁と前記給水管との熱交換によって所定の温度まで冷却され、
    前記給水は、前記貯水槽の外周壁と前記給水管との熱交換によって所定の温度まで加熱される、
    ことを特徴とするブロー排水の熱交換装置。
  2. 前記貯水槽は、所定時間間隔で前記蒸気発生装置から前記ブロー排水が排出されることにより、貯水しているブロー排水が押し出されて排出される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のブロー排水の熱交換装置。
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