JP2011021768A - ボイラ - Google Patents

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Abstract

【課題】濃縮ブローによるブロー水と給水との間で効率的に熱交換が可能なボイラを提供する。
【解決手段】本実施形態に係るボイラ1は、濃縮ブローライン10により濃縮ブローを行うボイラ1であって、濃縮ブローライン10は、第一ブロー電磁弁12を有する第一分岐ライン11と、第二ブロー電磁弁16を有し、前記第一分岐ライン11と並列に設置された第二分岐ライン15と、を備え、濃縮ブロー量が所定量以下の場合には、第二ブロー電磁弁16を閉状態に制御すると共に、第一ブロー電磁弁12の開閉によりブロー量を調整するように制御する制御器40を備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料を燃焼させて得た熱を水に伝え、水蒸気や温水に換える熱源機器であるボイラに関し、特に、ボイラの濃縮ブローに関する。
一般に、ボイラにおいては、ボイラ内の缶水を長時間に亘り高温で加熱し続けると、発生する蒸気量に比例して缶水の濃縮が進行し、蒸気の乾き度が低下してしまう。蒸気の乾き度が低下してくると、蒸気中にボイラ水が同伴してきてしまい、ボイラ水には種々の成分が含まれているため、蒸気に直接触れる機器にしみ等が付着したり、蒸気配管において振動や異音が発生したりする。
このため、従来のボイラでは、濃縮ブロー弁を備えた濃縮ブローラインをボイラ缶体に接続して設置し、濃縮ブロー弁を開いてボイラ水の一部を排出する濃縮ブローにより、ボイラ水の濃縮を防止しており、例えば、このようなボイラが下記特許文献1に開示されている。
また、下記特許文献1には、濃縮ブローによる無駄な廃熱を少なくするために、ボイラ缶体へ供給される給水と、ボイラ缶体から排出されたブロー水との間で熱交換を行うための熱交換器を設置した構成が開示されている。
特開2002−22106号公報
ところで、上記特許文献1記載のボイラでは、濃縮ブローラインに設けられた濃縮ブロー弁の開時間の制御により濃縮ブロー量を調整しているため、濃縮ブロー水が排出されていない間に給水が行われると、給水とブロー水との間で熱交換を行うことができず、濃縮ブローに伴う廃熱を有効に利用することができない。
特に、ターンダウン比の大きいボイラでは、高燃焼と低燃焼とで必要とされる濃縮ブロー量が大きく異なるため、高燃焼での濃縮ブロー量に対応できるように濃縮ブローラインの配管径等を設定すると、濃縮ブロー量の少ない低燃焼では、濃縮ブロー弁の開時間が短くなってしまい、効率的な熱交換を行うことができない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、濃縮ブローによるブロー水と給水との間で効率的に熱交換が可能なボイラを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るボイラは、濃縮ブローラインにより濃縮ブローを行うボイラにおいて、前記濃縮ブローラインは、第一ブロー弁を有する第一分岐ラインと、第二ブロー弁を有し、前記第一分岐ラインと並列に設置された第二分岐ラインと、を備え、濃縮ブロー量が所定量以下の場合には、前記第二ブロー弁を閉状態に制御すると共に、第一ブロー弁の開閉によりブロー量を調整するように制御する制御器を備えることを特徴とする。
本発明によれば、濃縮ブローラインに連続的に濃縮ブロー水を流すことで、濃縮ブローによるブロー水と給水との間で効率的に熱交換が可能となる。
図1は、本発明の実施形態に係るボイラの構成を概略的に示す模式図である。 図2は、本実施形態に係る濃縮ブロー時の各ブロー電磁弁の開閉制御態様を示す図である。 図3は、本実施形態の変形例1に係る各ブロー電磁弁の開閉制御態様を示す図である。 図4は、本実施形態の変形例2に係る各ブロー電磁弁の開閉制御態様を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るボイラについて説明する。図1は、本実施形態に係るボイラの構成を概略的に示す模式図である。同図に示すように、ボイラ1は、缶体2、送風機3、ダクト4、排気筒5、セパレータ6、濃縮ブローライン10、給水ライン20、熱交換器30、制御器40を備えている。
ボイラ1では、送風機3から燃焼用空気が供給され、ダクト4において混合される燃料ガスと燃焼用空気が缶体2内で燃焼して缶体2内の上部ヘッダーと下部ヘッダーとを連結する多数の水管を加熱する。燃焼後の排気ガスは、排気筒5から外部へ排出される。セパレータ6は、蒸気取出ライン7によって上部ヘッダーと接続され、降水管8によって下部ヘッダーと接続されており、主蒸気弁9を開くことでセパレータ6から蒸気が取り出される。
濃縮ブローライン10は降水管8に接続されており、濃縮ブロー時には濃縮水が濃縮ブローライン10を介して外部に排出される。濃縮ブローライン10は、並列に分岐した第一分岐ライン11、第二分岐ライン15を備えている。第一分岐ライン11には、第一ブロー電磁弁12と、第一オリフィス13が設置され、第二分岐ライン15には、第二ブロー電磁弁16と、第二オリフィス17が設置されている。
ここで、第一及び第二分岐ライン11,15を構成する配管サイズは同じであるが、第一オリフィス13と第二オリフィス17のオリフィス径は異なっており、第一分岐ライン11と第二分岐ライン15の各瞬間ブロー量(単位時間当たりのブロー量)が異なっている。本実施形態では、第一分岐ライン11と第二分岐ライン15の瞬間ブロー量の比率が、2:3となるように構成されている。すなわち、ブロー電磁弁12,16を全開とした状態で濃縮ブローライン10に流れる全体の瞬間ブロー量を1としたとき、第一分岐ライン11の瞬間ブロー量は5分の2、第二分岐ライン15の瞬間ブロー量は5分の3となる。
なお、第一分岐ライン11の瞬間ブロー量は、第一ブロー電磁弁12を開きっぱなしにしたときの濃縮ブロー率(給水量に対するブロー水量の比率)が8%となるように設定され、第二分岐ライン15の瞬間ブロー量は、第二ブロー電磁弁16を開きっぱなしにしたときの濃縮ブロー率が12%となるように設定されている。なお、本明細書において予め設定される濃縮ブロー率とは、高燃焼モードを基準にした値である。したがって、後述するように高燃焼に対して50%の出力である中燃焼時には、第一ブロー電磁弁12を開きっぱなしにしたときの瞬間的な濃縮ブロー率は16%となり、第二ブロー電磁弁16を開きっぱなしにしたときの瞬間的な濃縮ブロー率は24%となる。
給水ライン20は、下部ヘッダーに接続されており、缶体2側から順に、逆止弁21、給水バルブ22、流量計23、給水ポンプ24を備えている。給水バルブ22は、モータバルブであり、本実施形態では、連続的に給水量を可変する連続給水が行われる。
濃縮ブローライン10及び給水ライン20は、熱交換器30を経由しており、濃縮ブローライン10を流れるブロー水と、給水ライン20を流れる給水との間で熱交換が行われる。また、制御器40は、主蒸気弁9、第一ブロー電磁弁12、第二ブロー電磁弁16、給水バルブ22及び給水ポンプ24と接続されており、これらの弁の開閉やポンプ動作を制御する。
ここで、本実施形態に係るボイラ1は、燃焼量を、高燃焼、中燃焼、低燃焼、停止の四位置で制御するものであり、所定周期の1サイクルあたりのブロー電磁弁の開時間を増減することで、予め設定された所望の濃縮ブロー率(給水量に対するブロー水量の比率)となるように濃縮ブロー量を調整するよう構成されている。また、ボイラ1のターンダウン比は1:5であり、高燃焼時の出力(給蒸量)を100%とすると、中燃焼の出力が50%、低燃焼の出力が20%に設定されている。
以上、ボイラ1の構成について説明したが、続いて、ボイラ1における濃縮ブロー時の制御態様について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る濃縮ブロー時の各ブロー電磁弁の開閉制御態様を示す図である。本実施形態では、熱交換器30における熱交換効率を向上させるために、なるべく濃縮ブローライン10にブロー水を流し続けるように各ブロー電磁弁12,16の開閉を制御することを特徴としている。なお、以下の制御は、制御器40が、燃焼モードに応じて電磁ブロー弁12,16の開閉を制御することで実現される。
まず、本実施形態では、濃縮ブロー率B[%]が、0<B≦8、8<B≦16、16<B≦20の三つの場合に分けて、ブロー電磁弁の開閉制御態様を設定している。この濃縮ブロー率は、給水の成分等、ボイラ1の設置環境に応じて設定される値であり、ボイラの設置にあたっていったん設定されれば、大きな環境変動が無い限りそのまま運用される。
続いて、本実施形態では、燃焼モードに応じて各ブロー電磁弁12,16をどのように選択的に開閉するかを設定している。図2に示すように、濃縮ブロー率B[%]が0<B≦8に設定されている場合、低燃焼、中燃焼、高燃焼の何れの場合も、第二ブロー電磁弁16は閉じたままとし、第一ブロー電磁弁12の開閉により濃縮ブロー量を制御している。このように、濃縮ブロー率が小さい場合には、必要とされる濃縮ブロー量も少ないため、濃縮ブローライン10の二つの分岐ライン11,15のうち、一方だけを用いて濃縮ブローを行うことで、少ない瞬間ブロー量でできるだけ連続して濃縮ブローを行うようにしている。
この場合、二つの分岐ライン11,15のうち、単位時間当たりのブロー量である瞬間ブロー量の大きい第二分岐ライン15を閉じておいて、瞬間ブロー量の小さい第一分岐ライン11を用いて濃縮ブローを行っているので、第二分岐ライン15を用いて濃縮ブローを行う場合よりも、少ない瞬間ブロー量でできるだけ連続的な濃縮ブローを実現できる。
次に、濃縮ブロー率B[%]が8<B≦16に設定されている場合、給蒸量の少ない、すなわち濃縮ブロー量の少ない低燃焼及び中燃焼時には、第二ブロー電磁弁16を閉じたままとし、第一ブロー電磁弁12の開閉によって濃縮ブロー量を調整している。また、給蒸量の多い、すなわち濃縮ブロー量の多い高燃焼時には、濃縮ブローライン10の瞬間ブロー量を大きくする必要があるので、第一ブロー電磁弁12は開きっぱなしの全開とし、第二ブロー電磁弁16の開閉によって濃縮ブロー量を調整している。
この場合にも、上述した濃縮ブロー率が0<B≦8の場合と同様に、瞬間ブロー量が小さい第一分岐ライン11を用いることで連続的な濃縮ブローを実現している。また、高燃焼時には、第一ブロー電磁弁12を開きっぱなしにして第一分岐ライン11に常時ブロー水を流したうえで、第二ブロー電磁弁16の開閉(開時間の調整)により第二分岐ライン15に流れるブロー水量を調整することで、濃縮ブローライン10全体の濃縮ブロー量を調整している。よって、濃縮ブローライン10には常時ブロー水が流れることになり、連続濃縮ブローの実現により給水との間で効率的な熱交換を行うことができる。
次に、濃縮ブロー率B[%]が16<B≦20に設定されている場合、給蒸量の少ない低燃焼時には、第二ブロー電磁弁16を閉じたままにしておいて、第一ブロー電磁弁12の開閉により第一分岐ライン11において濃縮ブロー量を調整している。また、給蒸量の多い中燃焼及び高燃焼時には、第一ブロー電磁弁12を開きっぱなしにして濃縮ブローライン10にブロー水を常時流したうえで、第二ブロー電磁弁16の開閉により第二分岐ライン15に流れるブロー水量を調整することで、濃縮ブローライン10全体の濃縮ブロー量を調整している。
このように、本実施形態においては、少量でも良いので、なるべく濃縮ブローライン10に濃縮ブロー水を流し続けるようにブロー電磁弁12,16の開閉を制御するため、濃縮ブロー量が少ない場合であっても、熱交換器30における給水側との熱交換を効率的に行うことがでる。
具体的には、濃縮ブロー率や燃焼モードに応じて必要な瞬間ブロー量が変わるため、瞬間ブロー量が所定量以下と少なくなる濃縮ブロー率及び燃焼モードの組み合わせの場合には、制御器40は、第二ブロー電磁弁16を閉じて、第一ブロー電磁弁12の開閉によりブロー量を調整することで、少量のブロー水を濃縮ブローライン10になるべく連続して流すように制御している。
また、瞬間ブロー量が所定量以上と多くなる濃縮ブロー率及び燃焼モードの組み合わせの場合には、制御器40は、第一ブロー電磁弁12を開くと共に、第二ブロー電磁弁16の開閉によりブロー量を調整することで、ブロー水を連続して濃縮ブローライン10に流すように制御している。
また、本実施形態においては、両分岐ライン11,15の瞬間ブロー量を異ならせ、一方の分岐ラインのみを用いる場合には、なるべく瞬間ブロー量の小さい分岐ラインを用いることで、より連続的にブロー水の排出を行うことができる。
続いて、本実施形態の変形例1について説明する。図3は、本実施形態の変形例1に係る各ブロー電磁弁の開閉制御態様を示す図であり、図3(a)は、濃縮ブロー率が20%の場合、図3(b)は、濃縮ブロー率が10%の場合の態様を示している。
なお、本変形例1に係るボイラは、上記実施形態と同様に、濃縮ブローラインに二つの第一及び第二分岐ラインを有し、それぞれ第一及び第二ブロー電磁弁を備えている。それぞれの分岐ラインの瞬間ブロー量は、濃縮ブローライン全体の瞬間ブロー量を100%として、50%ずつで同じである。また、本変形例1に係るボイラは、燃焼量を、高燃焼、低燃焼、停止の三位置で制御するものであり、高燃焼時の出力を100%とすると、低燃焼時の出力は50%に設定されている。
濃縮ブロー率が20%の場合の変形例1では、図3(a)に示すように、低燃焼時には、第一ブロー電磁弁を常時開くと共に、第二ブロー電磁弁を常時閉じるよう制御する。また、高燃焼時には、第一ブロー電磁弁及び第二ブロー電磁弁の双方を常時開くことで、濃縮ブローラインにブロー水を連続的に流しながら、高燃焼と低燃焼の双方において所望の濃縮ブロー量を実現している。
濃縮ブロー率が10%の場合の変形例1では、図3(b)に示すように、低燃焼時には、第一ブロー電磁弁を開閉して開時間を調整すると共に、第二ブロー電磁弁を常時閉じるよう制御する。また、高燃焼時には、第一ブロー電磁弁を常時開くと共に、第二ブロー電磁弁を常時閉じるよう制御することで、濃縮ブローラインにブロー水をなるべく連続的に流しながら、高燃焼と低燃焼の双方において所望のブロー量を実現している。
なお、本変形例1では、ブロー電磁弁の開時間の調整を1サイクル10分で行っており、上記濃縮ブロー率10%における低燃焼時の第一ブロー電磁弁の開時間の調整は、1サイクル中に5分間だけ弁を開くように制御している。
続いて、図4を参照しながら、本実施形態の変形例2について説明する。図4は、本実施形態の変形例2に係る各ブロー電磁弁の開閉制御態様を示す図であり、図4(a)は、濃縮ブロー率が20%の場合、図4(b)は、濃縮ブロー率が10%の場合の態様を示している。
なお、本変形例2に係るボイラは、上記実施形態と異なり、濃縮ブローラインに三つの第一、第二及び第三分岐ラインを有し、それぞれ第一、第二及び第三ブロー電磁弁を備えている。それぞれの分岐ラインの瞬間ブロー量は、濃縮ブローライン全体の瞬間ブロー量を100%として、33.3%ずつで同じである。また、本変形例2に係るボイラは、燃焼量を、高燃焼、中燃焼、低燃焼、停止の四位置で制御するものであり、高燃焼時の出力を100%とすると、中燃焼時の出力が66.6%、低燃焼時の出力が33.3%に設定されている。
濃縮ブロー率が20%の場合の変形例2では、図4(a)に示すように、低燃焼時には、第一ブロー電磁弁を常時開くと共に、第二及び第三ブロー電磁弁を常時閉じるように制御する。また、中燃焼時には、第一及び第二ブロー電磁弁を常時開くと共に、第三ブロー電磁弁を常時閉じるよう制御し、高燃焼時には、第一、第二及び第三ブロー電磁弁の全てを常時開くように制御することで、濃縮ブローラインにブロー水をなるべく連続的に流しながら、全ての燃焼モードで所望の濃縮ブロー量を実現している。
濃縮ブロー率が10%の場合の変形例2では、図4(b)に示すように、低燃焼時には、第一ブロー電磁弁を開閉して開時間を調整すると共に、第二及び第三ブロー電磁弁を常時閉じるよう制御する。また、中燃焼時には、第一ブロー電磁弁を常時開くと共に、第二及び第三ブロー電磁弁を常時閉じるよう制御し、高燃焼時には、第一ブロー電磁弁を常時開いたうえで、第二ブロー電磁弁を開閉して開時間を調整すると共に、第三ブロー電磁弁を常時閉じるよう制御することで、濃縮ブローラインにブロー水をなるべく連続的に流しながら、全ての燃焼モードで所望の濃縮ブロー量を実現している。
なお、本変形例2においても、ブロー電磁弁の開時間の調整を1サイクル10分で行っており、上記第一ブロー電磁弁及び第二ブロー電磁弁の開時間の調整は、1サイクル中に5分間だけ弁を開くように制御している。
以上、変形例も含めて本発明の実施形態について詳細に説明したが、本実施形態では、濃縮ブローラインを並列に設置された複数の分岐ラインに分岐すると共に、複数の分岐ラインを選択的に濃縮ブローに使用することで、瞬間ブロー量を調節し、できるだけ連続して濃縮ブロー水を流すように構成されている。よって、熱交換器において、給水とブロー水との間で効率的に熱交換を行うことができる。
また、予め設定された濃縮ブロー率が小さかったり、低燃焼によりボイラの給蒸量が少なかったり等、濃縮ブロー量が少ない場合には、複数の分岐ラインのうち、一つの分岐ラインだけを用いて濃縮ブローを行うように制御されるので、瞬間ブロー量を小さくしてできるだけ連続したブロー水の排出が可能となる。このとき、複数の分岐ラインのうち、瞬間ブロー量の最も小さな分岐ラインを選択することで、より小さな瞬間ブロー量を実現できる。
一方、濃縮ブロー率が高かったり、高燃焼によって給蒸量が多くなって、濃縮ブロー量が多い場合には、複数の分岐ラインを用いることで、容易に瞬間ブロー量を増大させることもできるので、ターンダウン比が大きなボイラであっても、給水とブロー水との間で効率的な熱交換を実現しつつ、濃縮ブロー量の変動幅が大きい場合でも適切な濃縮ブローを実現することができる。
なお、本発明の実施形態は上述した形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、濃縮ブローラインにおいて二つ又は三つの分岐ラインを並列に設置したが、並列に設置する分岐ラインの数は、四つ以上でも良い。
また、濃縮ブロー率の大小や燃焼モードに応じて、ボイラの給蒸量が変化し、必要な濃縮ブロー量も変わるため、上記実施形態では、濃縮ブロー率や燃焼モードに応じて、制御器が何れの分岐ラインのブロー電磁弁を開閉するかを制御しているが、他のパラメータに応じて制御するようにしても良い。
例えば、ボイラ水の濃縮度を計測するためのセンサーの出力や給水量等に応じて複数のブロー電磁弁の開閉を制御するようにしても良い。すなわち、必要な濃縮ブロー量の増減に関連するパラメータであれば、適宜、所定のパラメータを単独又は組み合わせたものを、制御器がブロー電磁弁の開閉を制御する際の判断基準として用いることができる。
なお、制御器においては、これらパラメータに基づいて、ブロー電磁弁の開閉を制御することになるが、これらのパラメータは、必要な濃縮ブロー量を間接的に示す指標であるから、制御器は、濃縮ブロー量に応じて複数のブロー電磁弁の開閉を制御していることになる。
また、上記実施形態では、濃縮ブローラインに設置するブロー弁を電磁ブロー弁としたが、ブロー弁として流量を連続して調整可能なモーターバルブ等の比例制御弁を用いても良い。
1 ボイラ
2 缶体
6 セパレータ
10 濃縮ブローライン
11 第一分岐ライン
12 第一ブロー電磁弁
13 第一オリフィス
15 第二分岐ライン
16 第二ブロー電磁弁
17 第二オリフィス
20 給水ライン
30 熱交換器
40 制御器

Claims (3)

  1. 濃縮ブローラインにより濃縮ブローを行うボイラにおいて、
    前記濃縮ブローラインは、第一ブロー弁を有する第一分岐ラインと、第二ブロー弁を有し、前記第一分岐ラインと並列に設置された第二分岐ラインと、を備え、
    濃縮ブロー量が所定量以下の場合には、前記第二ブロー弁を閉状態に制御すると共に、第一ブロー弁の開閉によりブロー量を調整するように制御する制御器を備えることを特徴とするボイラ。
  2. 前記制御器は、濃縮ブロー量が所定量以上の場合には、前記第一ブロー弁を開状態に制御すると共に、前記第二ブロー弁の開閉によりブロー量を調整するように制御することを特徴とする請求項1記載のボイラ。
  3. 前記第一分岐ラインは、前記第二分岐ラインよりも単位時間当たりのブロー量が小さいことを特徴とする請求項1又は2記載のボイラ。
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