JP3649680B2 - 主機タービンの抽気蒸気圧力制御装置とその制御方法 - Google Patents

主機タービンの抽気蒸気圧力制御装置とその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、船舶における蒸気タービン推進プラントにおいて、主機タービンからの抽気蒸気をLPSG[Low Pressure Steam Generator](以下「低圧蒸気発生器」という)の加熱蒸気として利用する場合に、主機タービンの抽気蒸気圧力変化に応じて加熱蒸気圧力を制御する装置とその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、船舶における蒸気タービン推進プラントにおいては、主機タービンからの抽気蒸気を低圧蒸気発生器の加熱蒸気として利用している。この低圧蒸気発生器は、蒸気タービンプラントで発生する蒸気を加熱用蒸気として利用し、他のプラント機器や船内燃料ヒータ等で使用する蒸気を発生させる装置である。
【0003】
このような低圧蒸気発生器を採用する場合、一般的に、その定格蒸気圧力を得る加熱蒸気の最低圧力を発生蒸気圧力よりも約6kg/cm2程度高くしており、この加熱蒸気圧力のコントロールは一定圧力制御によって行われている。
【0004】
図3は、従来の低圧蒸気発生器使用時における抽気蒸気圧力の制御装置の一例を示す系統図であり、図4はこの制御装置による制御方法を示す線図である。なお、以下の説明では、低圧蒸気発生器において発生させる定格蒸気圧力を8kg/cm2とし、この蒸気圧力を得るための加熱蒸気圧力として前記6kg/cm2を加えた14kg/cm2とした例を説明する。
【0005】
図3に示すように、低圧蒸気発生器51に加熱蒸気を供給する経路として、メインボイラからの供給路52と、主機タービンの抽気口53からの抽気路54が設けられている。供給路52には、メインボイラから供給される60kg/cm2の圧力を補助蒸気14kg/cm2の二次側蒸気圧力に落とす圧力制御弁55が設けられている。56は、圧力制御弁55の出口側の圧力を検出する圧力検出器であり、この圧力検出器56からの信号で圧力制御弁55の二次側圧力が一定に保たれている。
【0006】
一方、抽気路54には、主機タービンの抽気口53に設けられた圧力センサ57で検出した抽気蒸気圧力が16kg/cm2以上になったら開放され、15kg/cm2以下になったら閉鎖される抽気弁58が設けられている。この抽気弁58は、いわゆる電磁弁である。また、この抽気路54には、圧力制御弁55側からの蒸気が抽気口53側へ流れないようにする逆止弁59が設けられている。なお、このようにメインボイラからの蒸気圧力を制御する圧力制御弁55の設定圧力である14kg/cm2と、抽気弁58の開閉圧力である16kg/cm2/15kg/cm2との間に1〜2kg/cm2の差圧を設けているのは、内部圧力損失や製作誤差等による設定圧力の誤差を吸収し、弁55,58の開閉時にハンチング現象を生じないようにするためである。
【0007】
低圧蒸気発生器51へ供給される蒸気の供給路60には、この低圧蒸気発生器51で発生させる蒸気圧力が8kg/cm2となるように蒸気流量を制御する流量制御弁61が設けられている。この流量制御弁61には、低圧蒸気発生器51で発生させている蒸気圧力が圧力検出器62によってフィードバックされている。この流量制御弁61によって調整された蒸気流量により低圧蒸気発生器51で定格蒸気圧力8kg/cm2の蒸気が発生させられている。
【0008】
図4に示す実線(a) は抽気蒸気圧力であり、点線(b) は補助蒸気圧力であり、1点鎖線(c) は低圧蒸気発生器発生蒸気圧力である。前記したように構成された抽気蒸気圧力制御装置63による制御は、主機タービン抽気蒸気圧力が抽気弁58の開放圧力である16kg/cm2以下の場合には、メインボイラからの蒸気が圧力制御弁55で14kg/cm2に減圧され、この蒸気が流量制御弁61で流量調整されて低圧蒸気発生器51に供給されている。この時、供給路52の蒸気は逆止弁59によって抽気弁58側へ流れることはない。この状態で主機タービン抽気蒸気圧力が16kg/cm2に達すると、圧力センサ57が抽気弁58を開放させるので、抽気路54から逆止弁59を介して供給路60へ抽気蒸気が供給される。その後は、主機タービンの抽気蒸気圧力が15kg/cm2に下がるまで、抽気路54からの抽気蒸気が低圧蒸気発生器51に供給される。
【0009】
このように低圧蒸気発生器51の加熱蒸気源として主機タービンの抽気蒸気を利用するために、主機タービンの設計においては、あらかじめ主機タービン負荷に対する抽気蒸気抽出位置、つまり主機タービンの抽気段数を考慮し、低圧蒸気発生器51へ供給する蒸気圧力が常に14kg/cm2以上となるような抽気段から抽気して一定圧力制御することによって、低圧蒸気発生器51において発生させる蒸気圧力が常に8kg/cm2となるように設計されている。つまり、主機タービンの運転状態に関わらず、常に、船内で利用する定格蒸気量を発生させるように構成されている。
【0010】
なお、この種の従来技術として、特開昭55−101708号公報記載の抽気タービンの抽気圧力制御方式があるが、この発明は、本願発明のように、主機タービンの抽気蒸気圧力変化に応じて低圧蒸気発生器の加熱蒸気圧力を変化させることにより、広い範囲で主機タービンの抽気蒸気を低圧蒸気発生器の加熱蒸気として利用するようなものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したように低圧蒸気発生器へ供給する蒸気圧力を一定圧力制御した場合、圧力制御弁55の設定圧力が14kg/cm2に固定されているので、主機タービン抽気蒸気圧力が16kg/cm2になるまでの低負荷時(例えば、主機タービン負荷が70〜80%の運転状態まで)には、主機タービンの抽気蒸気を使用することなくメインボイラからの蒸気を使用することとなり、主機タービン負荷が80〜100%の範囲でのみ抽気蒸気を利用することとなる。
【0012】
したがって、この場合には、多くの補助蒸気を圧力制御弁55で60kg/cm2から14kg/cm2に落として使用することとなるため、高い熱エネルギーを無駄にすることになり、蒸気タービンプラントとしての効率が悪化する。
【0013】
一方、近年、主機タービンの50%以上の出力状態で、この主機タービンの抽気蒸気を低圧蒸気発生器51の加熱蒸気として利用したいという要求がある。しかしながら、上述した従来の方法では常に一定圧力制御を行うので、主機タービンの50%負荷付近の低負荷運転時に抽気蒸気を利用しようとすると、必要とする蒸気圧力を得るためには主機タービンの抽気口の段数を上げる必要がある。すなわち、100%負荷でかなり高い圧力を発生するようにタービンを設計して、低負荷運転時でも必要抽気圧力を得ることができるように蒸気タービンプラントを設計しなければならなくなる。
【0014】
しかし、このように主機タービンの抽気段数をより高圧段側にして常に高圧蒸気を抽気するようにした場合、高圧蒸気を抽気してしまうので主機タービン効率上得策ではない上、抽気蒸気を利用できる主機タービン負荷範囲が高圧段側の限られた範囲となり狭くなってしまう。
【0015】
また、仮に、低圧蒸気発生器の圧力制御弁へ供給する加熱蒸気の圧力を下げると主機タービンの抽気蒸気利用範囲は広がるが、この場合には加熱蒸気が常に低い蒸気圧力となってしまい、主機タービンの通常運転時に低圧蒸気発生器で定格蒸気圧力を得ることができなくなる。
【0016】
そこで、本願発明は、主機タービンの低負荷時においても、この主機タービンの負荷に応じて抽気蒸気を低圧蒸気発生器の加熱蒸気として使用することができる抽気蒸気圧力の制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本願発明の制御装置は、低圧蒸気発生器を備えた舶用蒸気タービンプラントにおける主機タービンの抽気蒸気圧力制御装置であって、メインボイラからの補助蒸気を低圧蒸気発生器に供給する供給路と、主機タービンの抽気蒸気を低圧蒸気発生器に供給する抽気路と、該抽気路又は前記供給路から低圧蒸気発生器に蒸気を供給する蒸気供給路とを設け、前記供給路に、補助蒸気の圧力を所定の二次側補助蒸気圧力に減圧する圧力制御弁を設け、前記抽気路に、主機タービン抽気蒸気圧力が所定圧力以上になったら開放し、所定圧力以下になったら閉鎖する抽気弁を設け、前記蒸気供給路に、低圧蒸気発生器に供給する蒸気流量を制御する流量調整弁を設け、前記抽気路と前記圧力制御弁との間に、該抽気路の抽気蒸気圧力に応じて圧力制御弁の二次側補助蒸気圧力を抽気弁の開閉圧力よりも所定圧力だけ低い圧力に設定して抽気蒸気を低圧蒸気発生器に供給するように制御する制御装置を設け、該制御装置に、抽気蒸気圧力よりも低い圧力に設定した補助蒸気の設定圧力と抽気蒸気圧力との差圧を保ちながら主機タービンの抽気蒸気圧力変化に応じて補助蒸気の設定圧力を前記二次側補助蒸気圧力の範囲で変化させる機能を具備させている。このように蒸気プラントの主機タービン抽気蒸気を低圧蒸気発生器の加熱蒸気として使用する場合に、補助蒸気の蒸気圧力を抽気蒸気圧力に応じて低く設定することで、主機タービン負荷のより低い範囲で抽気蒸気を低圧蒸気発生器の加熱蒸気として利用できるので、補助蒸気を使用する範囲が狭まり、エネルギーを無駄にする運転範囲が狭くなってプラント効率を向上させることができる。
【0019】
一方、本願発明の制御方法は、低圧蒸気発生器を備えた舶用蒸気タービンプラントにおける主機タービンの抽気蒸気圧力制御方法であって、低圧蒸気発生器の加熱蒸気として、主機タービンの抽気蒸気圧力が低い時は所定圧力の補助蒸気を使用し、主機タービンの抽気蒸気圧力が上昇して所定圧力に達したら前記補助蒸気の設定圧力を抽気蒸気圧力よりも所定圧力だけ低い圧力に設定して主機タービン負荷の低い範囲で抽気蒸気を低圧蒸気発生器の加熱蒸気として利用できるようにし、該補助蒸気の設定圧力を抽気蒸気圧力よりも低い圧力に設定した後、補助蒸気の設定圧力と抽気蒸気圧力との差圧を保ちながら主機タービンの抽気蒸気圧力変化に応じて補助蒸気の設定圧力を前記補助蒸気の所定圧力の範囲で変化させるようにしている。このように抽気蒸気圧力が所定の圧力に達したら補助蒸気の設定圧力を抽気蒸気圧力よりも低くするような可変圧力とすることにより、主機タービンの抽気蒸気を主機タービン負荷のより広い範囲で低圧蒸気発生器の加熱蒸気として利用できるので、補助蒸気を使用する範囲が狭まり、エネルギーを無駄にする運転範囲が狭くなってプラント効率を向上させることができる。
【0020】
また、抽気蒸気圧力が変化しても常に差圧を保った状態の補助蒸気圧力とすることができるので、抽気蒸気圧力に差圧以上の大きな変化を生じても補助蒸気を迅速に供給するようにできる。
【0022】
また、抽気蒸気圧力が上昇して所定の設定圧力に達したら補助蒸気の圧力を徐々に下げて抽気蒸気圧力よりも低い圧力に設定し、抽気蒸気圧力が下降して所定の設定圧力に達したら補助蒸気の圧力を徐々に上げて定格蒸気圧力に設定すれば、圧力制御弁からの補助蒸気使用時と、主機タービンからの抽気蒸気利用時との切り替え時に急激な圧力変化を生じることなくスムーズに切り替えることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本願発明の一実施形態を示す抽気蒸気圧力の制御装置の系統図であり、図2はこの制御装置による制御方法を示す線図である。なお、この実施形態では、低圧蒸気発生器において発生させる定格蒸気圧力を8kg/cm2とし、メインボイラからの補助蒸気の二次圧を抽気蒸気圧力に応じて変化させる例に基いて説明する。また、この実施形態における各設定圧力は一例である。
【0025】
図1に示すように、低圧蒸気発生器1に蒸気を供給する経路として、メインボイラ(図示略)からの供給路2と、主機タービンの抽気口3からの抽気路4とが設けられており、供給路2には、メインボイラから供給される一次側圧力が60kg/cm2の補助蒸気を、二次側圧力が11.5〜14kg/cm2の範囲の設定圧力に落とす圧力制御弁5が設けられている。この圧力制御弁5は、制御装置6からの信号によって二次側設定圧力を可変にできるものであり、圧力制御弁5の二次側圧力(出口側圧力)を圧力検出器7で検出して制御装置6で制御するようにしている。
【0026】
一方、主機タービン抽気口3には、抽気蒸気圧力の圧力を検出する抽気圧力検出器8が設けられており、この抽気圧力検出器8で検出された圧力は、常に前記制御装置6で監視されている。また、この抽気口3には圧力センサ10が設けられており、この圧力センサ10で検出した抽気蒸気圧力が所定圧力になると開閉する抽気弁9が抽気路4に設けられている。この抽気弁9は電磁弁であり、圧力センサ10で検出した抽気蒸気圧力が13.5kg/cm2以上になったら開放され、12.5kg/cm2以下になったら閉鎖されるように設定されている。さらに、この抽気弁9の圧力制御弁5側には、圧力制御弁5側の蒸気が抽気口3側へ流れないようにする逆止弁11が設けられている。
【0027】
なお、この実施形態の場合、メインボイラからの補助蒸気圧力を制御する圧力制御弁5の設定圧力である14〜11.5kg/cm2と、抽気弁9の開閉圧力である13.5kg/cm2/12.5kg/cm2との間に約1kg/cm2(2kg/cm2でも可)の圧力差を設けることにより、管内の圧力損失や弁の製作誤差等による設定圧力誤差の吸収と、弁開閉時のハンチング現象防止を図っている。
【0028】
一方、低圧蒸気発生器1への蒸気供給路12には、供給される蒸気の流量制御弁13が設けられている。この流量制御弁13によって、低圧蒸気発生器1で発生させる蒸気圧力が、この実施形態では8kg/cm2となるように蒸気供給路12から供給される蒸気流量が制御されている。この流量制御弁13には、低圧蒸気発生器1で発生させている蒸気圧力を検出する圧力検出器14からの信号がフィードバックされている。なお、この流量制御弁13は、蒸気流量の上限を制御するものであり、低圧蒸気発生器1で発生させる蒸気圧力が8kg/cm2以下の場合には全開状態となる。
【0029】
図2に示す実線(a) は抽気蒸気圧力であり、点線(b) は補助蒸気圧力であり、1点鎖線(c) は低圧蒸気発生器発生蒸気圧力である。図2に基いて、前記したように構成された抽気蒸気圧力制御装置15による制御方法を説明する。主機タービン側の抽気蒸気圧力は、常に抽気圧力検出器8で検出されて制御装置6に入力されている。この抽気蒸気圧力が、抽気弁9の開放圧力である13.5kg/cm2以下の約12kg/cm2になるまでは、メインボイラから供給される補助蒸気が圧力制御弁5で14kg/cm2に減圧されて供給路2から低圧蒸気発生器1へ供給される。この供給路2から供給される蒸気は、蒸気供給路12に設けられた流量制御弁13によって、低圧蒸気発生器1で8kg/cm2の蒸気を発生させることができる流量に制御されて低圧蒸気発生器1に供給されている。この時、供給路2の蒸気は逆止弁11によって抽気弁9側へ流れることはない。
【0030】
そして、抽気圧力検出器8で検出している主機タービン抽気蒸気圧力が、この実施形態では、約12kg/cm2の圧力になったら、その抽気蒸気圧力の上昇に応じて制御装置6が圧力制御弁5の二次側圧力設定値を14kg/cm2から徐徐に下げる(図中v点)。そして、主機タービン抽気蒸気圧力が13.5kg/cm2の所定圧力に達した時に、圧力制御弁5の二次側圧力が12.5kg/cm2となるように制御装置6で制御される(図中w点)。
【0031】
また、このように主機タービン抽気蒸気圧力が13.5kg/cm2に達したら圧力スイッチ10が抽気弁9を開放させ、抽気蒸気が抽気路4へと流れる。この時、前記したように制御装置6で圧力制御弁5の二次側圧力が抽気蒸気圧力よりも1kg/cm2だけ低く設定されているので、抽気路4から供給される抽気蒸気が逆止弁11を介して蒸気供給路12へと供給される。
【0032】
つまり、制御装置6によって圧力制御弁5の二次側圧力を抽気弁9からの抽気蒸気圧力よりも1kg/cm2低くしているので、抽気弁9が開放した時には抽気路4からの蒸気が低圧蒸気発生器1の加熱蒸気として流量制御弁13へと供給される。その後、抽気圧力が上昇したら、抽気圧力検出器8からの信号で制御装置6が圧力制御弁5の二次側圧力をその抽気圧力よりも1kg/cm2低くなる差圧をもつように制御する。つまり、抽気蒸気の変化に応じて補助蒸気の設定圧力が変化させられる。なお、抽気圧力が15kg/cm2を越えた後は18.5kg/cm2まで達するが、圧力制御弁5の二次側設定圧力は、低圧蒸気発生器1で定格蒸気量が得られる14kg/cm2の一定圧に保たれる。
【0033】
このようにメインボイラ側の補助蒸気圧力を抽気蒸気圧力の変化に応じて差圧を保ちながら変化させることにより、仮に抽気蒸気圧力が一時的に落ちたとしても、その時にはメインボイラ側の補助蒸気が低圧蒸気発生器1へ供給されるので、抽気蒸気圧力に大きな変化を生じるような場合でも低圧蒸気発生器1へ安定した蒸気供給ができるようにしている。
【0034】
なお、この実施形態では主機タービン抽気蒸気圧力がほぼ12kg/cm2に達した時点から圧力制御弁5の二次側圧力を徐々に下げるようにしているが、この圧力制御弁5の二次側圧力を下げる圧力はこの実施形態に限定されるものではなく、蒸気タービンプラントの仕様等に応じて設定すればよい。
【0035】
一方、主機タービン抽気蒸気圧力が下降する過程では、主機タービン抽気蒸気圧力が12.5kg/cm2に落ちるまで、抽気路4からの抽気蒸気が低圧蒸気発生器1に供給される。この時も、主機タービン抽気蒸気圧力に対して圧力制御弁5の二次側圧力が1kg/cm2低くなるように制御装置6で制御されている。つまり、抽気蒸気圧力が15kg/cm2に下がった時点から圧力制御弁5の二次側圧力も1kg/cm2の差圧を保ちながら下げられ、抽気蒸気圧力が12.5kg/cm2に下がった時には11.5kg/cm2となるように制御されている(図中x点)。そして、抽気蒸気圧力が12.5kg/cm2に下がって、圧力スイッチ10が抽気弁9を閉鎖して抽気路4へ流れる抽気蒸気を遮断した後、圧力制御弁5の二次側圧力が11.5kg/cm2から徐徐に上げられ、14kg/cm2になった時点でその圧力が保たれる(図中y点)。
【0036】
このように主機タービン抽気蒸気圧力に対して圧力制御弁5の二次側圧力設定値が1kg/cm2低くなるように設定するとともに、抽気弁2の閉鎖圧力の設定値が抽気弁2の開放圧力設定値よりも1kg/cm2低くなるようにコントロールしているので、主機タービン負荷の変化によって抽気蒸気圧力が変動しても、圧力制御弁5と抽気弁9との間でハンチング現象を起こすことなく、安定した圧力制御を行うことができる。
【0037】
このように抽気蒸気圧力を制御した場合、主機タービンの負荷が低い状態(この例では、80%以下程度)では、低圧蒸気発生器の加熱蒸気として流量制御弁13へ供給する蒸気圧力が14kg/cm2以下になるが、この場合には主機タービンが低い負荷状態であるため、その負荷状態において船内で利用する蒸気量は発生させることができる。例えば、主機タービンの50%負荷の状態では、低圧蒸気発生器が発生させる蒸気圧力は6.5kg/cm2程度となっているが(図中z点)、その負荷状態で必要な蒸気は得ることができる。そして、主機タービン出力が常用出力点NCR(例えば、90%負荷)であれば、抽気弁9から供給される蒸気圧力が14kg/cm2であるため、低圧蒸気発生器1では定格蒸気圧力である8kg/cm2を発生することができる。
【0038】
このように低圧蒸気発生器1の加熱蒸気源として低負荷状態(例えば、50%程度)の主機タービンの抽気蒸気を利用できるようにすることにより、主機タービン抽気蒸気圧力が低い場合でも、その抽気蒸気によって低圧蒸気発生器1で蒸気を発生させることができるようにしている。
【0039】
つまり、主機タービンの運転状態(負荷状態)に応じて低圧蒸気発生器1の加熱蒸気圧力を制御する圧力制御弁5を制御して加熱蒸気圧力を変化させることにより、その運転状態において使用する蒸気量を低圧蒸気発生器1で発生させることができるようにし、常用出力点の運転状態では十分な定格蒸気量が得られるように構成している。
【0040】
したがって、低い負荷まで主機タービン抽気蒸気を利用することが可能となり、メインボイラからの補助蒸気を使用する範囲が狭まって抽気蒸気を利用できる主機タービン負荷範囲が広がるので、エネルギーを無駄にする補助蒸気使用範囲が狭まり、プラント効率の向上が計れる。
【0041】
なお、主機タービンの80%負荷で14kg/cm2以上の抽気蒸気圧力を得ることができる出力のタービンであれば、上述したように80%負荷以上となる常用出力点では14kg/cm2の抽気蒸気圧力を得ることができるので、低圧蒸気発生器1で定格蒸気量を発生させることができ、各々のプラントによって抽気口の段数を変える必要がなくなり、主機タービンの設計が行いやすくなる。
【0042】
また、このように抽気蒸気圧力を、低圧蒸気発生器伝熱面積の計算上、発生蒸気量負荷が最低となる11.5kg/cm2で設計することができるので、従来に比べて低圧蒸気発生器1を小型化することができる。
【0043】
ところで、主機タービンからの抽気蒸気圧力が安定している場合には、抽気蒸気圧力が圧力制御弁5と抽気弁9との切替え圧力よりも高い時は圧力制御弁5からの補助蒸気は使われないので、圧力制御弁5の二次側圧力を制御する必要がない。このように抽気蒸気圧力が安定している場合には、上述した抽気蒸気圧力が13.5kg/cm2の所定圧力に達したら、圧力制御弁5の二次側圧力が12.5kg/cm2となるように制御装置6で設定し、その後は、この圧力制御弁5の二次側圧力よりも高い抽気蒸気を低圧蒸気発生器1へ供給する。
【0044】
そして、抽気蒸気圧力が13.5kg/cm2まで下がった時点から12.5kg/cm2に下がるまで、圧力制御弁5の二次側圧力を12.5kg/cm2から11.5kg/cm2の間で抽気蒸気圧力との間に1kg/cm2の差圧を保つように制御装置6で制御するようにしてもよい。このように抽気蒸気圧力が所定圧力以上の場合には、圧力制御弁5の二次側圧力を変化させるように制御しなくてもよい。この場合、制御装置6での制御が容易になるが、このような制御を行うか否かは、蒸気タービンプラントの構成等に応じて適宜選択すればよい。
【0045】
なお、上述した実施形態は一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0046】
【発明の効果】
本願発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0047】
低圧蒸気発生器の加熱蒸気となる補助蒸気の圧力を制御する圧力制御弁の設定圧力を制御することで、主機タービンの低い負荷まで抽気蒸気を利用することができるので、補助蒸気を使用する範囲が狭まり、プラント効率の向上を計ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態を示す抽気蒸気圧力の制御装置の系統図である。
【図2】図1に示す制御装置による制御方法を示す線図である。
【図3】従来の低圧蒸気発生器使用時における抽気蒸気圧力の制御装置の一例を示す系統図である。
【図4】図3に示す制御装置による制御方法を示す線図である。
【符号の説明】
1…低圧蒸気発生器
2…供給路
3…抽気口
4…抽気路
5…圧力制御弁
6…制御装置
7…圧力検出器
8…抽気圧力検出器
9…抽気弁
10…圧力センサ
11…逆止弁
12…蒸気供給路
13…流量制御弁
14…圧力検出器
15…抽気蒸気圧力制御装置

Claims (3)

  1. 低圧蒸気発生器を備えた舶用蒸気タービンプラントにおける主機タービンの抽気蒸気圧力制御装置であって、
    メインボイラからの補助蒸気を低圧蒸気発生器に供給する供給路と、主機タービンの抽気蒸気を低圧蒸気発生器に供給する抽気路と、該抽気路又は前記供給路から低圧蒸気発生器に蒸気を供給する蒸気供給路とを設け、前記供給路に、補助蒸気の圧力を所定の二次側補助蒸気圧力に減圧する圧力制御弁を設け、前記抽気路に、主機タービン抽気蒸気圧力が所定圧力以上になったら開放し、所定圧力以下になったら閉鎖する抽気弁を設け、前記蒸気供給路に、低圧蒸気発生器に供給する蒸気流量を制御する流量調整弁を設け、前記抽気路と前記圧力制御弁との間に、該抽気路の抽気蒸気圧力に応じて圧力制御弁の二次側補助蒸気圧力を抽気弁の開閉圧力よりも所定圧力だけ低い圧力に設定して抽気蒸気を低圧蒸気発生器に供給するように制御する制御装置を設け、該制御装置に、抽気蒸気圧力よりも低い圧力に設定した補助蒸気の設定圧力と抽気蒸気圧力との差圧を保ちながら主機タービンの抽気蒸気圧力変化に応じて補助蒸気の設定圧力を前記二次側補助蒸気圧力の範囲で変化させる機能を具備させた主機タービンの抽気蒸気圧力制御装置。
  2. 低圧蒸気発生器を備えた舶用蒸気タービンプラントにおける主機タービンの抽気蒸気圧力制御方法であって、
    低圧蒸気発生器の加熱蒸気として、主機タービンの抽気蒸気圧力が低い時は所定圧力の補助蒸気を使用し、主機タービンの抽気蒸気圧力が上昇して所定圧力に達したら前記補助蒸気の設定圧力を抽気蒸気圧力よりも所定圧力だけ低い圧力に設定して主機タービン負荷の低い範囲で抽気蒸気を低圧蒸気発生器の加熱蒸気として利用できるようにし、該補助蒸気の設定圧力を抽気蒸気圧力よりも低い圧力に設定した後、補助蒸気の設定圧力と抽気蒸気圧力との差圧を保ちながら主機タービンの抽気蒸気圧力変化に応じて補助蒸気の設定圧力を前記補助蒸気の所定圧力の範囲で変化させるようにした主機タービンの抽気蒸気圧力制御方法。
  3. 抽気蒸気圧力が上昇して所定の設定圧力に達したら補助蒸気の圧力を徐々に下げて抽気蒸気圧力よりも低い圧力に設定し、抽気蒸気圧力が下降して所定の設定圧力に達したら補助蒸気の圧力を徐々に上げて定格蒸気圧力に設定することを特徴とする請求項2記載の主機タービンの抽気蒸気圧力制御方法。
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