JPH0532952U - 電気温水器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浴槽の湯の加熱機能を備えた構造で、しかも
浴槽の湯の加熱用熱交換器と貯湯する湯とが接触しない
構造の電気温水器を提供する。 【構成】 貯湯タンクへの給湯を行う加熱器の缶体の外
周面に、パイプを直に接触させて、浴槽の追い炊き用の
熱交換器を構成している。これにより、加熱器の缶体内
の湯と浴槽の湯とが混じる危険性が全くなくなる。しか
も、浴槽の湯の加熱用熱交換器を簡単にかつ安価で製作
できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本考案は、一般住宅において浴槽への給湯などに使 用される電気温水器に関する。

【０００２】

【従来の技術】 浴槽への給湯などに使用される電気温水器としては、例え ば、加熱器で沸き上げ温度まで加熱した湯を、貯湯タンクに給湯してそのタンク 内に湯を貯湯する構造のものがある。この種の構造の電気温水器において使用さ れる加熱器は、給水口が底部にまた給湯口が上部に設けられた缶体と、この缶体 の内部に配置された電気ヒータなどによって構成されている。

【０００３】 ところで、最近の住宅設備に使用されるバスユニットなどにおいては、電気温 水器からの給湯で浴槽への湯張りを行う方式のユニットであっても、浴槽に溜め た湯の追い炊きや保温が要求されているが、一般的な貯湯方式の電気温水器では その要求を満たすことができない。 そこで、従来では、例えば図３に示すように、加熱器１０２の缶体１２１の内 部に熱交換器１０３を配置して、浴槽１０の湯を熱交換器１０３で加熱して循環 することによって浴槽１０の湯の追い炊きや保温を行うよう構成している。

【０００４】 また、図４に示すように、缶体４１の内部に電気ヒータ４２および熱交換器４ ３を配置し、さらにその内部にシリコーンオイルＬ等を封入した加熱器を用いて 浴槽１０の湯を加熱するよう構成している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 ところが、図３に示した、浴槽の湯を加 熱する構造によれば、熱交換器１０３のパイプは、塩素を含んだ水に常に浸され ているため、腐食し易くそのパイプに穴があいたときには、缶体１２１内の湯に 浴槽からの汚水が混ってしまい衛生上良くない。このため、熱交換器１０３を二 重管構造とする必要があって、その製作が困難となるばかりでなく、熱交換効率 が非常に悪くなるといった問題があった。さらには、缶体１０２にヒータ貫通部 に加えて熱交換器１０３の貫通部の加工を行う必要があり、その加工部の腐食の 危険性が高くなるという問題もある。

【０００６】 一方、図４に示した加熱構造によると、衛生面および熱交換効率の点では問題 がないが、熱媒体としてシリコーンオイル等を用いるため、貯湯タンクへの給湯 は不可能で、浴槽１０の湯の加熱の専用器として個別に設置する必要があり、そ の設置スペースが余分に必要となる。さらに、この構造の加熱器は市販品ではあ るがコストが高いという問題もある。

【０００７】 本考案は、上記の従来の問題点を一挙に解決すべくなされたもので、その目的 とするところは、浴槽の湯の加熱機能を備えた構造で、しかも、加熱器の缶体内 の湯と浴槽の湯加熱用の熱交換器とが接触しない構造の電気温水器の提供するこ とにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するための構成を、実施 例に対応する図１を参照しつつ説明すると、本考案は、貯湯タンク１に湯を給湯 する加熱器２の缶体２１の外周面２１ａにパイプ３ａを接触させて固着し、この パイプ３ａを、浴槽１０の湯を加熱するための熱交換器として用いるよう構成し たことによって特徴づけられる。

【０００９】

【作用】 加熱器２の缶体２１は、一般にステンレスによって製作されてお り、このような缶体２１の外周面２１ａに、例えば銅製またはステンレス製のパ イプ３ａを直に接触させることで、伝熱面積はあまり大きくないが、缶体２１内 部からパイプ３ａ内部への熱伝導率は高い値とすることができる。従って、パイ プ３ａ内を通過する浴槽４からの湯を比較的高い熱交換効率で加熱することがで きる。しかも、缶体２１内の湯とパイプ３ａとが接触することはない。

【００１０】

【実施例】 本考案の実施例を、以下、図面に基づいて説明する。 図１は本考案実施例の構成図である。 加熱器２は、底部に給水口２１ａを、また上部に給湯口２１ｂを有する缶体２ １と、この缶体２１の内部に配置された電気ヒータ２２を備えおり、缶体２１の 内部に水を満たした状態で電気ヒータ２２を駆動することによって、その水を沸 き上げ温度まで加熱するよう構成されている。そして、沸き上げ温度まで加熱し た湯は、缶体２１内への給水と同時に、貯湯タンク１の内部に給湯され、このよ うな加熱・給湯の繰り返しによって、貯湯タンク１内には設定容量の湯が貯湯さ れる。なお、以上の貯湯が完了した後においても、加熱器の缶体２１内の水温は 沸き上げ温度に保持される。

【００１１】 さて、本考案実施例においては、加熱器の缶体２１の外周面２１ａに銅製また はステンレス製のパイプ３ａを螺旋状に巻き付けて熱交換器３を構成している。 このパイプ３ａは、図２の拡大断面図に示すように、缶体２１の外周面２１ａに ろう付によって固着されている。 そして、熱交換器３の入口および出口３１および３２は、循環ポンプ１３を備 えた往き配管１１および戻り配管１２によって、それぞれ浴槽１０に接続され、 その循環ポンプ１３の駆動よって、浴槽１０の湯は、熱交換器３のパイプ３ａ内 を通過することで加熱され、この加熱後に再び浴槽１０内へと戻る。このような 循環加熱によって浴槽１０の湯の追い炊きおよび保温を行うことができる。

【００１２】 以上の構造の熱交換器３によると、流路に急な曲がりやよどみ部などがないの で、浴槽１０からの湯はスムーズに流れ、これによって、熱交換器３の流路つま りパイプ３ａの内部に浴槽の湯垢等が堆積することがなく衛生面においも優れて いる。

【００１３】

【考案の効果】 以上説明したように、本考案によれば、貯湯タンクへの給 湯を行う加熱器の缶体の外周面に、パイプを直に接触させて、浴槽の湯の加熱用 の熱交換器を構成したから、１台の電気温水器で給湯と浴槽の湯の加熱の双方が 可能となる。しかも、加熱器の缶体内の湯と熱交換器とが接触することがないの で衛生面においての問題もない。さらに、熱交換器は、例えば加熱器の缶体にパ イプを巻付けてろう付を行う等の作業によって簡単に製作できるので、コスト面 においても優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案実施例の構成図

【図２】 本考案実施例の部分拡大断面図

【図３】 従来の浴槽の湯の加熱構造を示す図

【図４】 従来の浴槽の湯の加熱構造を示す図

【符号の説明】 １・・・・貯湯タンク ２・・・・加熱器 ２１・・・・缶体 ２１ａ・・・・給水口 ２１ｂ・・・・給湯口 ２２・・・・電気ヒータ ３・・・・熱交換器 ３ａ・・・・パイプ ３１・・・・入口 ３２・・・・出口 １０・・・・浴槽 １１・・・・往き配管 １２・・・・戻り配管 １３・・・・循環ポンプ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ２４Ｈ 9/00 Ｅ 9033−3Ｌ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 缶体およびその内部に配置された電気ヒ
   ータによって構成される加熱器と、貯湯タンクを備え、
   上記加熱器で加熱した湯を上記貯湯タンクに給湯して、
   そのタンク内に所定容量の湯を貯湯する構造の温水器に
   おいて、上記缶体の外周面にパイプを接触させて固着
   し、このパイプを、浴槽の湯を加熱するための熱交換器
   として用いるよう構成したことを特徴とする電気温水
   器。