JP2014103322A - 発熱部品の放熱構造 - Google Patents

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克利 鈴木
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Abstract

【課題】樹脂組成物の成形品からなる絶縁部材を発熱部品とヒートシンクとの間に設けた場合でも、発熱部品からヒートシンクへの放熱性に優れる発熱部品の放熱構造を提供する。
【解決手段】通電によって発熱する発熱部品2と、発熱部品2で発生した熱を放散させるためのヒートシンク3と、発熱部品2とヒートシンク3との間に設けられ、両者間を電気的に絶縁させる絶縁部材4と、を備える発熱部品の放熱構造1であって、絶縁部材4は、熱可塑性樹脂と非繊維状フィラーとを含む熱可塑性樹脂組成物の成形品であり、熱可塑性樹脂組成物は、熱伝導率が6.0W/mK以下であり、熱可塑性樹脂組成物において、非繊維状フィラーの含有量は20〜50体積%であり、絶縁部材4は、平面度が0.10mm以下であり、絶縁部材4と発熱部品2及びヒートシンク3の各々との間には、絶縁部材4と直接接触するサーマルインターフェースマテリアルが存在しない。
【選択図】図1

Description

本発明は、発熱部品の放熱構造に関する。
発熱部品が搭載された樹脂筐体等においては、発熱部品で発生した熱を効率的に放散させるために、金属製のヒートシンクを付けることが一般的である。このとき、発熱部品とヒートシンクとの間で電気的に絶縁を行う必要がある場合には、通常、両者の間に絶縁部材が設けられる。例えば、特許文献1には、通電によって発熱する発熱部品と、発熱部品で発生した熱を放散させるためのヒートシンクと、発熱部品とヒートシンクとの間に設けられ、両者間を電気的に絶縁させる絶縁部材とを備える発熱部品の放熱構造が開示されている。この放熱構造において、絶縁部材としては、流動性を有する状態で発熱部品とヒートシンクとの間に充填してから硬化させた充填材からなるものが用いられている。
特開2011−100874号公報
しかし、特許文献1の放熱構造を得るのに用いられる充填材は、流動性を有する状態で発熱部品とヒートシンクとの間に充填しなければならず、充填作業中に液だれが起きて各種部品が汚染される等の不都合が生じる場合があり、取り扱い性が低くなりやすい。そこで、発熱部品とヒートシンクとの間に流動性の充填材を充填して硬化させる代わりに、樹脂又は樹脂組成物からなる樹脂成形品を予め作製しておき、この樹脂成形品を発熱部品とヒートシンクとの間に介在させて、熱を放散させるとともに、両者間の絶縁を図ることも行われている。
樹脂成形品は、発熱部品とヒートシンクとの間に手軽に装着することができ、取り扱い性に優れている。しかし、樹脂成形品は、それ自体の熱伝導率が低いことに加え、特許文献1のような流動性を有する状態で充填される絶縁部材に比べ、発熱部品及びヒートシンクの各々との界面における空隙が生じやすく(即ち、上記界面に空気が残存しやすく)、接触熱抵抗が大きくなってしまう。また、特に、窒化ホウ素等の高熱伝導性フィラーをポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂に多量に添加することで高熱伝導性の樹脂組成物を得ることができることは従来公知である(例えば、特開2009−202567号公報の実施例1−2を参照)。しかし、このような高熱伝導性樹脂組成物は溶融粘度が高く流動性が低いため、このような組成物から樹脂成形品を得るためには、金型内のキャビティを厚くして組成物の流動性を確保する必要がある。その結果、得られる樹脂成形品は、厚みが大きくなり、熱抵抗が大きくなってしまう。このように、従来の樹脂成形品には、発熱部品からヒートシンクへと十分に熱を伝えることができていないという問題がある。
なお、特開2009−202567号公報の技術は、金属製部材とのインサート成形が前提となっており、インサート成形において樹脂と金属との密着性を上げるため、表面処理が必須であることから(請求項1)、作業工程が多く、生産性が低くなりやすいという問題がある。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、樹脂組成物の成形品からなる絶縁部材を発熱部品とヒートシンクとの間に設けた場合でも、発熱部品からヒートシンクへの放熱性に優れる発熱部品の放熱構造を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、非繊維状フィラーを特定量含む熱可塑性樹脂組成物の成形品からなる絶縁部材は反りが小さく、この絶縁部材を発熱部品とヒートシンクとの間に設けることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 通電によって発熱する発熱部品と、上記発熱部品で発生した熱を放散させるためのヒートシンクと、上記発熱部品と上記ヒートシンクとの間に設けられ、両者間を電気的に絶縁させる絶縁部材と、を備え、上記絶縁部材は、熱可塑性樹脂と非繊維状フィラーとを含む熱可塑性樹脂組成物の成形品であり、上記熱可塑性樹脂組成物は、熱伝導率が6.0W/mK以下であり、上記熱可塑性樹脂組成物において、上記非繊維状フィラーの含有量は20〜50体積%であり、上記絶縁部材は、80mm×80mm×2mmtの平板での平面度が0.10mm以下であり、上記絶縁部材と上記発熱部品及び上記ヒートシンクの各々との間には、上記絶縁部材と直接接触するサーマルインターフェースマテリアルが存在しない発熱部品の放熱構造。
(2) 上記熱可塑性樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂の融点+30℃の温度で測定した、せん断速度1000sec−1での溶融粘度が650Pa・s以下である(1)に記載の放熱構造。
(3) 上記熱可塑性樹脂組成物は、射出成形において0.5mmtでの流動長が10mm以上である(1)又は(2)に記載の放熱構造。
(4) 上記熱可塑性樹脂組成物が、更に繊維状フィラーを含む(1)から(3)のいずれかに記載の放熱構造。
(5) 上記熱可塑性樹脂組成物が、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、又は液晶性樹脂である(1)から(4)のいずれかに記載の放熱構造。
本発明によれば、樹脂組成物の成形品からなる絶縁部材を発熱部品とヒートシンクとの間に設けた場合でも、発熱部品からヒートシンクへの放熱性に優れる発熱部品の放熱構造が提供される。なお、本発明では、絶縁部材を放熱部材や熱源とインサート成形しなくても接触熱抵抗を小さくすることが可能である。
図1は、本発明に係る放熱構造の一実施形態を模式的に示す縦断面図である。 図2は、絶縁部材4の80mm×80mm×2mmtの平板での平面度を算出するために、絶縁部材4の高さを測定した位置を示す平面図である。 図3は、実施例及び比較例において、樹脂成形筐体9のシリコンラバーヒーター2側の温度T1と、樹脂成形筐体9のアルミニウム製ヒートシンク3側の温度T2との温度差ΔTを測定するのに用いた測定装置5を模式的に示す図である。 図4は、実施例及び比較例で使用した樹脂成形筐体9を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
図1は、本発明に係る放熱構造の一実施形態を模式的に示す縦断面図である。図1に示す通り、本実施形態の放熱構造1は、通電によって発熱する発熱部品2と、発熱部品2で発生した熱を放散させるためのヒートシンク3と、発熱部品2とヒートシンク3との間に設けられ、両者間を電気的に絶縁させる絶縁部材4と、を備える。
<発熱部品>
発熱部品2としては、通電によって発熱するものであれば特に限定されず、例えば、LSI、CPU等の集積回路素子;パワートランジスタ、整流ダイオード、サイリスタ等の発熱性電子部品等が挙げられる。
<ヒートシンク>
ヒートシンク3としては、発熱部品から発生する熱の放散に一般的に用いられているものを広く使用することができる。ヒートシンク3の形状は、熱の放散を効率的に行うことができるものが好ましく、例えば、図1に示す平板状のものや、更にフィンを有するものが挙げられる。ヒートシンク3の材質は、熱伝導率の高いものであることが好ましく、例えば、アルミニウム、銅等の金属;窒化アルミニウム、窒化ケイ素等のセラミックが挙げられる。
<絶縁部材>
絶縁部材4は、熱可塑性樹脂と非繊維状フィラーとを含む熱可塑性樹脂組成物の成形品である。
[熱可塑性樹脂組成物]
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶性樹脂(LCP)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)が挙げられる。中でも、機械的特性、電気的特性、耐熱性や成形性等が優れているという点で、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶性樹脂(LCP)が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
熱可塑性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂の含有量は、45〜80体積%であることが好ましく、47〜70体積%であることがより好ましい。上記含有量が45〜80体積%であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の流動性が良好となりやすく、また、十分な強度を有する成形品を得ることが容易である。なお、本明細書において、体積%の値は、25℃で測定された値である。
(非繊維状フィラー)
フィラーの形状は、非繊維状である限り特に限定されず、例えば、粉粒状、板状、鱗片状、不定形状等が挙げられる。
非繊維状フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素等が挙げられ、中でも、タルク、酸化マグネシウム、窒化ホウ素が好ましい。非繊維状フィラーは、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
熱可塑性樹脂組成物において、非繊維状フィラーの含有量は、通常、20〜50体積%であり、好ましくは25〜40体積%である。上記含有量が20体積%未満であると、得られる熱可塑性樹脂組成物の熱伝導率が低くなりすぎ、発熱部品2からヒートシンク3への放熱性が著しく低下する恐れがある。上記含有量が50体積%を超えると、得られる熱可塑性樹脂組成物の流動性が低下しやすいため、熱可塑性樹脂組成物を金型により成形する際に、金型内のキャビティへの熱可塑性樹脂組成物の充填が遅くなったり、不可能になったりして、良好な特性を有する成形品が得にくくなる。
(その他の成分)
熱可塑性樹脂組成物には、上記の成分の他に、核剤、カーボンブラック、無機焼成顔料等の顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤、バリ抑制剤、難燃剤、及び繊維状フィラーのうちの1種以上を配合してもよい。特に、滑剤、離型剤を添加すると、離型時に発生するひずみを低減でき、反りを抑えることができる。なお、繊維状フィラーとしては、例えば、ガラス繊維等が挙げられる。熱可塑性樹脂組成物に繊維状フィラーが含まれる場合、その含有量は0〜30体積%(例えば、0体積%超30体積%以下)でよい。
(熱可塑性樹脂組成物の製造方法)
熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂組成物中の成分を均一に混合できれば特に限定されず、従来知られる樹脂組成物の製造方法から適宜選択することができる。例えば、1軸又は2軸押出機等の溶融混練装置を用いて、各成分を溶融混練して押出した後、得られた熱可塑性樹脂組成物を粉末、フレーク、ペレット等の所望の形態に加工する方法が挙げられる。
(熱伝導率)
熱可塑性樹脂組成物の熱伝導率は、通常、6.0W/mK以下であり、好ましくは0.5〜4.0W/mKである。熱伝導率が6.0W/mKを超える熱可塑性樹脂組成物は、非繊維状フィラーの含有量が多くなりすぎる傾向にあり、流動性が低下しやすい。そのため、熱可塑性樹脂組成物を金型により成形する際に、金型内のキャビティへの熱可塑性樹脂組成物の充填が遅くなったり、不可能になったりして、良好な特性を有する成形品が得にくくなる。
(溶融粘度)
熱可塑性樹脂組成物は、当該熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂の融点+30℃の温度で測定した、せん断速度1000sec−1での溶融粘度が650Pa・s以下であることが好ましく、450Pa・s以下であることがより好ましい。上記溶融粘度が650Pa・s以下であれば、熱可塑性樹脂組成物は、優れた流動性を有し、金型による成形に際し、十分に速く金型内のキャビティへ充填されるため、得られる成形品の特性が良好となりやすい。なお、上記溶融粘度の下限は特に限定されないが、例えば、100Pa・s程度とすることができる。
(流動長)
熱可塑性樹脂組成物は、射出成形において0.5mmtでの流動長が10mm以上であることが好ましい。上記流動長が10mm以上であれば、熱可塑性樹脂組成物は、優れた薄肉流動性を有し、金型による成形に際し、厚みの薄い部位が存在する成形品を製造するのに好適である。好ましい成形条件は、熱可塑性樹脂組成物によって異なるが、例えば、PPS樹脂組成物であれば、シリンダー温度は300〜350℃とすることが好ましく、より好ましくは300〜340℃、特に好ましくは300〜320℃である。金型温度は120〜180℃とすることが好ましく、より好ましくは120〜160℃、特に好ましくは130〜150℃である。また、PBT樹脂組成物であれば、シリンダー温度は200〜280℃とすることが好ましく、より好ましくは240〜270℃、特に好ましくは240〜260℃である。金型温度は30〜130℃とすることが好ましく、より好ましくは40〜120℃、特に好ましくは60〜80℃である。また、LCP樹脂組成物であれば、シリンダー温度は290〜390℃とすることが好ましく、より好ましくは290〜380℃、特に好ましくは300〜380℃である。金型温度は30〜120℃とすることが好ましく、より好ましくは60〜120℃、特に好ましくは80〜120℃である。射出速度は、いずれの樹脂組成物の場合も、例えば、4m/minとすることができる。
[絶縁部材4の製造方法]
絶縁部材4は、熱可塑性樹脂組成物を成形することにより製造することができる。熱可塑性樹脂組成物の成形方法は、特に限定されず、例えば、射出成形が挙げられる。また、同じ組成の熱可塑性樹脂組成物を用いた場合でも、更に成形条件を改善することで、反りをより小さくすることもできる。例えば、保圧を上げたり、冷却時間を長くしたりすれば、成形収縮による反りを抑えられる。また、金型温度を高くすれば、後収縮による反りを抑えられる。
[80mm×80mm×2mmtの平板での平面度]
絶縁部材4の80mm×80mm×2mmtの平板での平面度(即ち、寸法が幅80mm×長さ80mm×厚さ2mm(以下、80mm□、2mmtともいう。)である絶縁部材4の平面度)は、通常、0.10mm以下であり、好ましくは0.08mm以下である。上記平面度が0.10mmを超えると、絶縁部材4と発熱部品2及びヒートシンク3の各々との界面における空隙が大きくなりやすく、接触熱抵抗の上昇を抑えにくくなるため、発熱部品2からヒートシンク3への放熱性が著しく低下する恐れがある。
なお、平面度は以下の通りにして算出される値である。絶縁部材4と同一の材質を有する80mm□、2mmtの平板を水平面に静置し、上記平板上の9箇所において、上記水平面からの高さを測定し、得られた測定値から平均の高さを算出する。高さを測定した位置は図2に示す通りである(黒丸は、高さを測定した位置を表す。d=3mm、d=37mm)。上記水平面からの高さが上記平均の高さと同一であり、上記水平面と平行な面を基準面とする。上記9箇所で測定された高さから、基準面からの最大高さと最小高さとを選択し、両者の差を算出する。同様にして、他の4枚の80mm□、2mmtの平板についても上記の差を算出し、得られた5個の値を平均して、平面度の値とする。
絶縁部材4の厚さは、0.1〜2.0mmであることが好ましい。上記厚さが0.1mm以上であれば、発熱部品2とヒートシンク3との間の絶縁性を十分に確保することが容易である。上記厚さが2.0mm以下であれば、発熱部品2からヒートシンク3への放熱性を損ねにくい。
<その他の部材>
放熱構造1は、発熱部品2、ヒートシンク3、及び絶縁部材4以外にその他の部材を備えていてもよい。例えば、発熱部品2と絶縁部材4との間、及び/又は、ヒートシンク3と絶縁部材4との間に、アルミニウム製平板等の金属製板状体が介在してもよい。発熱部品2が平板状でない場合には、例えば、一方の面が発熱部品2の形状に適合し、他方の面が絶縁部材4と密着できるよう平らに加工された金属製平板を発熱部品2と絶縁部材4との間に介在させることにより、発熱部品2からの放熱を効果的に促進することができる。
ただし、絶縁部材4と発熱部品2及びヒートシンク3の各々との間には、絶縁部材4と直接接触するサーマルインターフェースマテリアル(thermal interface material。以下、「TIM」という。)は存在しない。絶縁部材4は、平面度が0.10mm以下であり、反りが小さく抑えられているため、絶縁部材4と直接接触するTIMが存在しなくても、絶縁部材4と発熱部品2及びヒートシンク3の各々との間の接触熱抵抗は十分小さく押さえられており、発熱部品で発生した熱は効率的に放散される。なお、TMIとは、空隙を埋める目的で設置される、柔らかい熱伝導性材料を指し、TIMとしては、例えば、グリース、放熱シート、フェーズチェンジシートが挙げられる。
なお、放熱構造1は、絶縁部材4と直接接触しないTIMであれば備えていてもよい。例えば、発熱部品2と絶縁部材4との間、又は、ヒートシンク3と絶縁部材4との間に、金属製板状体等のその他の部材が介在する場合、TIMは、発熱部品2とその他の部材との間、又は、ヒートシンク3とその他の部材との間に存在してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記の原料成分をドライブレンドした後、シリンダー温度320℃の二軸押出機に投入し、溶融混練して、ペレット化した熱可塑性樹脂組成物を得た。各成分の配合量は表1に示した通りである。このペレットから射出成形機により各種試験片(形状は評価項目により異なる。)を作製し、評価を行った。
・樹脂
PPS樹脂1:(株)クレハ製、フォートロンKPS W202A(製品名)、溶融粘度:20Pa・s(せん断速度:1216sec−1、温度:310℃)、融点:280℃
PPS樹脂2:(株)クレハ製、フォートロンKPS W203A(製品名)、溶融粘度:30Pa・s(せん断速度:1216sec−1、温度:310℃)、融点:280℃
PPS樹脂3:(株)クレハ製、フォートロンKPS W214A(製品名)、溶融粘度:130Pa・s(せん断速度:1216sec−1、温度:310℃)、融点:280℃
・フィラー
フィラー1(炭酸カルシウム):東洋ファインケミカル(株)製、ホワイトンP−30、非繊維状(球状)、平均粒径(D50%):4μm
フィラー2(カーボンフィラー):東邦テナックス(株)製、HT C432 6mm、繊維状、繊維径7μm、長さ6mm
フィラー3(ガラス繊維):オーウェンスコーニング製造(株)製、CS GL−HF、繊維状、繊維径10.5μm、長さ3mm
フィラー4(窒化ホウ素):Chang Sung Corporation製、KBN-20、非繊維状(板状)、平均粒径(D50%):20μm
フィラー5(黒鉛):SECカーボン(株)製、SGS250、非繊維状(板状)、平均粒径(D50%):250μm
・滑剤
滑剤1(ペンタエリスリトールテトラステアレート):日油(株)製、ユニスターH476
・バリ抑制剤
バリ抑制剤1(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製、KBE-903P
[融点]
示差走査熱量分析装置(パーキンエルマー社製DSC)にて、室温から20℃/分の昇温条件で熱可塑性樹脂の融点を測定した。上記に示した通り、PPS樹脂1、PPS樹脂2、及びPPS樹脂3の融点はいずれも、280℃であった。
[溶融粘度]
東洋精機(株)製キャピログラフを用い、キャピラリーとして1mmφ×20mmL/フラットダイを使用し、バレル温度310℃(熱可塑性樹脂の融点+30℃に該当)、せん断速度1000sec−1で、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度を測定した。結果を表1に示す。
[流動長]
シリンダー温度320℃、金型温度150℃、射出速度4m/min、保圧98MPaの条件で射出成形により、厚み0.5mm、幅5mmのバーフロー成形品を作成し、流動長を測定した。結果を表1に示す。
[熱伝導率]
シリンダー温度320℃、金型温度150℃の条件で射出成形により、直径30mm、厚さ2mmの円板状樹脂成形品を作製した。この円板状樹脂成形品を4枚重ねたサンプルを用い、ホットディスク法熱物性測定装置(京都電子工業(株)製、TPA-501)で熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2014103322
[80mm□、2mmtでの平面度]
シリンダー温度320℃、金型温度150℃、保圧力70MPaの条件で射出成形により、80mm□、2.0mmtの平板状樹脂成形品を5枚作製した。1枚目の平板状樹脂成形品を水平面に静置し、(株)ミツトヨ製のCNC画像測定機(型式:QVBHU404−PRO1F)を用いて、上記平板状樹脂成形品上の9箇所において、上記水平面からの高さを測定し、得られた測定値から平均の高さを算出した。高さを測定した位置は図2に示す通りである(黒丸は、高さを測定した位置を表す。d=3mm、d=37mm)。上記水平面からの高さが上記平均の高さと同一であり、上記水平面と平行な面を基準面とした。上記9箇所で測定された高さから、基準面からの最大高さと最小高さとを選択し、両者の差を算出した。同様にして、他の4枚の平板状樹脂成形品についても上記の差を算出し、得られた5個の値を平均して、平面度の値とした。結果を表2に示す。
[放熱試験:筐体型試験片での放熱試験]
平面度(反り)は、部品の特性ではなく材料の特性として、平板で評価したが、放熱性は、より実際の使用に即した形状で評価することができるように、図3に模式的に示す測定装置を用いて放熱試験を行った。以下、図3を参照しながら、放熱試験の手順を説明する。なお、以下の放熱試験で絶縁部材として用いた樹脂成形筐体9は、シリンダー温度320℃、金型温度150℃の条件で射出成形により作製したものであり、図4に示す形状を有し、底面の厚さは2.0mmであった。
充分に大きなアルミニウム製ヒートシンク3の上に、アルミニウム製平板6(100mm×100mm×10mm)を載せ、更にその上に、高熱伝導グリースG(ARCTIC社製、MX−4、熱伝導率8.5W/m・K)を満遍なく塗布した後、K熱電対7(シース外径Φ0.5mm)を挿入したアルミニウム製平板8(80mm×80mm×1mm)を載せた。その上に、樹脂成形筐体9を載せた。その上に、K熱電対10(シース外径Φ0.5mm)を挿入したアルミニウム製平板11(50mm×50mm×1mm)を載せた。更にその上に高熱伝導グリースGを満遍なく塗布した後、シリコンラバーヒーター2(50mm×50mm×1.5mm)を載せた。シリコンラバーヒーター2の上に、木製断熱板12a(60mm×60mm×8.5mm)を載せた。次に発泡樹脂製断熱材13a(60mm×60mm×9mm)を木製断熱板12aの上に被せた。発泡樹脂製断熱材13aの上に、発泡樹脂製断熱材13b(90mm×120mm×9mm)及び木製断熱板12b(100mm×100mm×6mm)を、この順に載せた。発泡樹脂製断熱材13bは、図3に示す通り、発泡樹脂製断熱材13a上だけでなく、樹脂成形筐体9の側面枠上にも載るように配置した。最後に、錘14(3kg)を木製断熱板12bの上に載せた。シリコンラバーヒーター2に16Wをかけて、30分後に、K熱電対10の温度T1とK熱電対7の温度T2との温度差ΔTを測定した。結果を表2に示す。ΔTの値が小さいほど、樹脂成形筐体9を介して、シリコンラバーヒーター2側からアルミニウム製ヒートシンク3側へと熱が放散されやすいことを示す。
Figure 2014103322
表1に示される通り、実施例1で用いた樹脂組成物は、厚さ0.5mmでも射出成形することができ、特に比較例3及び4で用いた樹脂組成物と比較して、十分な薄肉流動性を有することが確認された。また、表2に示される通り、実施例1の放熱構造においては、絶縁部材として樹脂成形筐体を発熱部品とヒートシンクとの間に設けた場合でも、発熱部品からヒートシンクへの放熱性に優れていた。このことから、実施例1の樹脂成形筐体との界面における接触熱抵抗が低いことが分かる。
1 放熱構造
2 発熱部品(シリコンラバーヒーター)
3 ヒートシンク(アルミニウム製ヒートシンク)
4 絶縁部材(平板状樹脂成形品)
5 測定装置
6 アルミニウム製平板
7、10 K熱電対
8、11 アルミニウム製平板
9 樹脂成形筐体
12a、12b 木製断熱板
13a、13b 発泡樹脂製断熱材
14 錘
G 高熱伝導グリース

Claims (5)

  1. 通電によって発熱する発熱部品と、前記発熱部品で発生した熱を放散させるためのヒートシンクと、前記発熱部品と前記ヒートシンクとの間に設けられ、両者間を電気的に絶縁させる絶縁部材と、を備え、
    前記絶縁部材は、熱可塑性樹脂と非繊維状フィラーとを含む熱可塑性樹脂組成物の成形品であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物は、熱伝導率が6.0W/mK以下であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物において、前記非繊維状フィラーの含有量は20〜50体積%であり、
    前記絶縁部材は、80mm×80mm×2mmtの平板での平面度が0.10mm以下であり、
    前記絶縁部材と前記発熱部品及び前記ヒートシンクの各々との間には、前記絶縁部材と直接接触するサーマルインターフェースマテリアルが存在しない発熱部品の放熱構造。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂の融点+30℃の温度で測定した、せん断速度1000sec−1での溶融粘度が650Pa・s以下である請求項1に記載の放熱構造。
  3. 上記熱可塑性樹脂組成物は、射出成形において0.5mmtでの流動長が10mm以上である請求項1又は2に記載の放熱構造。
  4. 前記熱可塑性樹脂組成物が、更に繊維状フィラーを含む請求項1から3のいずれかに記載の放熱構造。
  5. 上記熱可塑性樹脂組成物が、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、又は液晶性樹脂である請求項1から4のいずれかに記載の放熱構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014210914A (ja) * 2013-04-04 2014-11-13 ポリプラスチックス株式会社 耐熱老化性樹脂組成物及び成形品
JP2018139482A (ja) * 2015-06-11 2018-09-06 東レ株式会社 電源装置及びそれを用いた光化学反応装置と方法並びにラクタムの製造方法
CN110938246A (zh) * 2019-11-12 2020-03-31 东莞市普万光电散热科技有限公司 一种高导热、高机械强度的塑料

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