以下、本発明の実施の形態について説明する。
(1)部品実装システムの構成
図1においては、部品実装システム1の一部を示し、基板搬送方向(図中右方向となるX方向)に向かって、ローダ(図示せず)、印刷装置4、部品実装装置6、8、10、リフロー装置12およびアンローダ(図示せず)が直線状に連結されている。
この部品実装システム1では、ローダ(図示せず)から供給されるプリント基板P1、P2を搬送しながら、プリント基板P1、P2にクリーム半田等の印刷、部品の実装、部品の接合といった処理を順次施しながら当該プリント基板P1、P2をアンローダ(図示せず)に回収する。
この部品実装システム1を構成する各装置4〜12は、基板搬送方向と直交する方向(図中上下方向となるY方向)に互いに平行に並ぶ2つの基板搬送コンベア20a、20bを備えている。従って、この部品実装システム1は、部品実装装置6、8、10のそれぞれにおいて、2つの基板搬送コンベア20a、20bの間で同期又は非同期の状態でプリント基板P1、P2を並列に搬送するとともに、互いに連結された部品実装装置6、8、10の各基板搬送コンベア20a、20bにおいて、各部品実装装置6、8、10の間で同期又は非同期の状態でプリント基板P1、P2を並列に搬送しながら、各基板搬送コンベア20a、20bに保持されるプリント基板P1、P2に対して上述した印刷、部品実装、部品接合といった処理を施す。
各装置4、6、8、10、12は、それぞれ制御装置を有する自律型の装置であって、それらの動作が各自の制御装置により個別に制御される。
なお、この部品実装システム1は、各装置4、6、8、10、12の制御装置にLAN(Local Area Network)システムを介して接続されるホストコンピュータ16をさらに備えている。このホストコンピュータ16は、所定の生産プログラム等に基づき各装置4〜12の動作を統括的に制御するとともに、後述するように、プリント基板P1、P2の生産に先立ち、当該生産プログラムに含まれる各部品実装装置6、8、10の実装モードを決定する。
この部品実装装置6、8、10の基本的な構成は共通しているため、以下、部品実装装置6を例にその構成について説明する。
部品実装装置6は、Y方向(X方向と水平面上で直交する方向)に並び、かつ、互いに平行にX方向へ延びる基板搬送装置43b(図2参照)を構成する第1基板搬送コンベア20a及び基板搬送装置44b(図2参照)を構成する第2基板搬送コンベア20bと、部品実装用の第1ヘッドユニット22a及び第2ヘッドユニット22bと、一対の第1部品供給部24a及び第2部品供給部24bとを備えている。
第1基板搬送コンベア20aは、ベルトコンベアからなり、プリント基板P1のY方向両端を支持しながらコンベア駆動装置(図示せず)の作動により当該プリント基板P1をX方向へ搬送する。第2基板搬送コンベア20bは、第1基板搬送コンベア20aと同一構成であり、当該第1基板搬送コンベア20aの後側(装置の後側;図2では上側)に配置され、プリント基板P2のY方向両端を支持しながら当該プリント基板P2をX方向へ搬送する。
なお、以下の説明では、適宜、部品実装装置6の第1基板搬送コンベア20aによる基板搬送路を前側レーン(本発明の第1搬送レーンに相当する)20a、第2基板搬送コンベア20bによる基板搬送路を後側レーン(本発明の第2搬送レーンに相当する)20bと称し、また、特に区別する場合には、前側レーン20aに沿って搬送されるプリント基板P1を第1基板P1、後側レーン20bに沿って搬送されるプリント基板P2を第2基板P2と称する。
部品実装装置6、8、10の前側レーン20a同士はX方向へ直列に連結されており、これにより複数台の部品実装装置6、8、10に亘る前側連結レーン(本発明の第1搬送レーンとしての前側レーン20aがX方向へ直列に連結されたもの)が形成されている。一方、部品実装装置6、8、10の後側レーン20b同士はX方向へ直列に連結されており、これにより複数台の部品実装装置6、8、10に亘る後側連結レーン(本発明の第2搬送レーンとしての前記した後側レーン20bがX方向へ直列に連結されたもの)が形成されている。
前側レーン20a、後側レーン20bの所定位置(図示の第1基板P1、第2基板P2の位置)はそれぞれ実装作業位置として設定されており、それらの位置には、基板クランプ装置43c、44c(図2参照)がそれぞれ配備されている。これらの基板クランプ装置43c、44cは、前側レーン20a、後側レーン20bから第1基板P1、第2基板P2を持ち上げた状態で当該第1基板P1、第2基板P2を実装作業位置に位置決め固定するものである。
すなわち、第1基板P1、第2基板P2は、前側レーン20a、後側レーン20bによりそれぞれ実装作業位置に搬送され、ここで基板クランプ装置43c、44cにより固定された状態で前側ヘッドユニット(本発明の第1ヘッドユニットに相当する)22a、この前側ヘッドユニット22aの後側に配置された後側ヘッドユニット(本発明の第2ヘッドユニットに相当する)22bにより部品実装が施され、当該基板クランプ装置43c、44cによる固定が解除された後、前側レーン20a、後側レーン20bにより実装作業位置から下流側へ搬送される。
第1部品供給部としての前側部品供給部24a及び第2部品供給部としての後側部品供給部24bは、それぞれ前側レーン20a、後側レーン20bの外側に配置されている。具体的には、前側部品供給部24aは前側レーン20aの前側に配置され、後側部品供給部24bは後側レーン20bの後側に配置されている。
これらの前側部品供給部24aおよび後側部品供給部24bには、それぞれ部品供給装置として複数列のテープフィーダ25がX方向に配列されている。各テープフィーダ25は、集積回路(IC)、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等の小型の電子部品を所定間隔で収納、保持したテープが巻回されるリールと、このリールからテープを引出しながら電子部品をフィーダ先端の部品供給位置に送り出す部品送り機構等とを備えており、当該部品供給位置において前側ヘッドユニット22a、後側ヘッドユニット22bにより部品をピックアップさせるものである。なお、前側部品供給部24aおよび後側部品供給部24bに配置される部品供給装置43d、44d(図2参照)は、テープフィーダ25に限定されるものではなく、トレイ上にパッケージ部品を載置した状態で供給するトレイフィーダ等、他の部品供給装置も適用可能である。
前側ヘッドユニット22aは前側部品供給部24aのテープフィーダ25から、後側ヘッドユニット22bは後側部品供給部24bのテープフィーダ25から、それぞれ部品を取り出して第1基板P1上、第2基板P2上にそれぞれ実装するものであり、上述した実装作業位置の上方に配備されている。
これら前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bは、それぞれ駆動部としてのX軸モータ41a、42a(図2参照)および駆動部としてのY軸モータ41b、42b(図2参照)によりX方向及びY方向へ移動可能に設けられているとともに、駆動部としてのヘッド毎Z軸駆動モータ41c、42c(図2参照)を介して上下方向へ移動可能な複数の吸着ヘッド23を当該前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bの下側(図2では便宜的に上側に図示している)に備えている。
つまり、前側ヘッドユニット22aは前側部品供給部24aの、後側ヘッドユニット22bは後側部品供給部24Bの、それぞれのテープフィーダ25の上方に配置された状態でヘッド毎Z軸駆動モータ41c、42cを介して当該吸着ヘッド23が上下動することによりテープフィーダ25から部品を取り出す一方、第1基板P1、第2基板P2の所望位置の上方に配置された状態で吸着ヘッド23がヘッド毎Z軸駆動モータ(41c、42c)を介して上下動したり、ヘッド毎R軸駆動モータ41d、42dを介して回転することにより部品を第1基板P1上、第2基板P2上の所望位置に実装するように構成されている。
そして、この部品実装装置6では、その制御装置による前側レーン20a、後側レーン20bおよび前側ヘッドユニット22a、後側ヘッドユニット22b等の制御により、次のような非同期搬送独立実装モード、非同期搬送交互実装モードまたは同期搬送乗り入れ実装モードに基づいて部品実装を行うように構成されている。
<非同期搬送独立実装モード>
非同期搬送独立実装モードとは、前側レーン20aおよび後側レーン20bによって第1基板P1および第2基板P2を互いに非同期で搬送しながら、前側ヘッドユニット22aによって第1基板P1にのみ部品実装を行う一方で、後側ヘッドユニット22bによって第2基板P2にのみ実装を行う実装モードである。従って非同期搬送独立実装モードは、前側ヘッドユニット22aにより第2基板P2に部品を実装することや、後側ヘッドユニット22bにより第1基板P1に部品を実装することは行わない実装モードである。
この非同期搬送独立実装モードは、前側レーン20aにおける第1基板P1の基板搬送及び実装作業と後側レーン20bにおける第2基板P2の基板搬送及び実装作業とが完全に独立しているため、スループットが高い反面、第1基板P1、第2基板P2の実装作業時間に差がある場合には、第1基板P1と第2基板P2との生産数に自ずと差が生じる実装モードである。
<非同期搬送交互実装モード>
非同期搬送交互実装モードとは、第1基板P1と第2基板P2とを互いに非同期で搬送しながら、両方の前側ヘッドユニット22A、後側ヘッドユニット22Bにより第1基板P1に実装を行うことと、両方の前側ヘッドユニット22A、後側ヘッドユニット22Bにより第2基板P2に実装を行うことを交互に行う実装モードである。
この非同期搬送交互実装モードは、前側レーン20aにおける第1基板P1の基板搬送及び実装作業と後側レーン20bにおける第2基板P2の基板搬送及び実装作業とが交互に行われるため、第1基板P1、第2基板P2の実装作業時間に差がある場合であってもその時間差を保ちながら第1基板P1と第2基板P2とが交互に生産される。そのため、第1基板P1と第2基板P2との生産数に差が生じない実装モードである。
<同期搬送乗り入れ実装モード>
同期搬送乗り入れ実装モードとは、第1基板P1と第2基板P2とを互いに同期搬送しながら、前側ヘッドユニット22Aより第1基板P1に実装を行うとともに後側ヘッドユニット22Bにより第2基板P2に実装を行うことを基本としつつ、搭載部品点数が多い等により部品搭載の作業時間の長くなる方の第1基板P1あるいは第2基板P2に対しては、前側ヘッドユニット22Aおよび後側ヘッドユニット22Bの両方を使って実装を行うモードである。
なお、この前側ヘッドユニット22Aおよび後側ヘッドユニット22Bの両方を使う実装のタイミングは、第1基板P1と第2基板P2の両方が同期搬入されて前側レーン20aおよび後側レーン20bのそれぞれの実装作業位置に当該第1基板P1、第2基板P2が保持された後、最初に実装が行われる段階、第1基板P1と第2基板P2の両方が同期搬出される直前である実装作業の最後の段階、あるいは、前側ヘッドユニット22Aより第1基板P1に実装が行われるとともに後側ヘッドユニット22Bにより第2基板P2に実装が行われている途中の段階(並行実装の途中のタイミング)で適宜実施される。
すなわち、この同期搬送乗り入れ実装モードは、前側ヘッドユニット22Aより第1基板P1に搭載対象部品の全てを実装するとともに、後側ヘッドユニット22Bにより第2基板P2に搭載対象部品の全てを実装するとした場合、両方の第1基板P1、第2基板P2の実装作業時間に差があっても、この実装作業時間が長くなる方の基板Pに対して、前側ヘッドユニット22Aおよび後側ヘッドユニット22Bの両方により実装を行う工程を付加することにより、実装作業時間が長くなる方の基板Pに対する実装サイクルタイムを短くしてスループットを向上させるモードである。
また、この同期搬送乗り入れ実装モードは、両方の第1基板P1、第2基板P2の実装作業時間に差があっても両方の第1基板P1、第2基板P2が同期搬送されるため、第1基板P1と第2基板P2との生産数に差が生じない実装モードである。
但し、この部品実装システム1では、上述した3つの非同期搬送独立実装モード、非同期搬送交互実装モードおよび同期搬送乗り入れ実装モードのうち、非同期搬送交互実装モードに適用する場合について説明するものである。
続いて、部品実装システム1におけるホストコンピュータ16の構成と、各部品実装装置6(8、10)の制御装置18の構成について説明するが、この制御装置18はホストコンピュータ16のコントロールの下、部品実装装置6(8、10)の非同期搬送交互実装モードにおける実装処理を制御するために用いられるものである。
ホストコンピュータ16は、主制御部30、記憶部32及び通信部34を含んでいる。また、ホストコンピュータ16は、液晶表示器等の表示ユニット36及びキーボード等の入力ユニット38をさらに備えている。
主制御部30は、論理演算を実行するCPU(Central processing Unit)などから構成されている。通信部34は、ホストコンピュータ16と各装置4〜12の制御装置との通信制御を行うものである。記憶部32は、実装モード決定プログラム33a、優先基板決定および実生産プログラムの修正プログラム33b、実生産プログラム33c、生産状況データ33d、基板データ33e及び生産プログラム33f等を記憶している。
主制御部30は、記憶部32に記憶されている実装モード決定プログラム33aに基づいて上述した非同期搬送交互実装モードを決定し、部品実装装置6、8、10それぞれの非同期搬送交互実装処理を制御する。
各部品実装装置6(8、10)の制御装置18の主制御部30Aは、論理演算を実行するCPUなどから構成され、通信部34Aは、ホストコンピュータ16の主制御部30との通信制御を行うものである。記憶部32Aは、実生産プログラム33Ac、生産状況データ33Ad、及び基板データ33Ae等を記憶している。
制御装置18の記憶部32Aに記憶された基板データ33Aeは、この部品実装装置6(8,10)において生産される第1基板P1、第2基板P2に関する情報であって、例えば第1基板P1、第2基板P2毎の実装部品の種類、数、実装位置、その他の第1基板P1、第2基板P2に関する各種情報を含む。ここで基板データ33Aeには、第1基板P1に対応した基板データ33Ae1と第2基板P2に対応した基板データ33Ae2とが含まれている。
記憶部32Aに記憶された生産状況データ33Adは、部品実装装置6(8、10)の生産状況に関する情報であって、部品実装装置6(8、10)における例えば部品の品種毎に部品1個辺りの平均実装時間等、実装サイクルタイム及びスループットの演算に必要な生産状況に関する情報を含む。
記憶部32Aに記憶された実生産プログラム33Acは、非同期搬送交互実装モードに対応したものであり、前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが協働して第1基板P1、第2基板P2に対して部品実装を行う際のプログラムである。
この実生産プログラム33Acは、前側ヘッドユニット22a、後側ヘッドユニット22bにおける1ヘッドユニットの実装に関わる単位プログラム単位であるシーケンスが複数集まったものであり、当該シーケンスは、個々の動作命令が複数集まったものである。このシーケンスには例えば、ヘッドユニット22a(22b)の部品供給部24a(24b)の上方での吸着ヘッド23毎の移動命令、吸着動作命令、テープフィーダ25へのテープ送り命令、ヘッドユニット22a(22b)の部品供給部24a(24b)の上方から基板P1(P2)上方への移動命令、基板P1(P2)上方での吸着ヘッド23毎の移動命令、実装動作命令、基板P1(P2)上方から部品供給部24a(24b)の上方への移動命令等からなり、部品供給装置25の位置データ、および基板P1(P2)上の実装位置データを伴った実装工程における単位実装プログラム(吸着および実装を伴ったヘッドユニット22a(22b)の部品供給部24a(24b)上方と基板P1(P2)上方の間の1往復のためのプログラム)となるものがある。さらに、このシーケンスには、基板搬送命令、基板搬送停止命令、基板クランプ命令等からなるものや、基板クランプ解除命令、基板搬送命令、基板搬送停止命令等からなる搬送工程プログラムとなるものがある。
ホストコンピュータ16の記憶部32に記憶された生産プログラム33fは、ローダ(図示せず)、印刷装置4、部品実装装置6、8、10、リフロー装置12およびアンローダ(図示せず)の各装置を統合運用するためのプログラムである。
記憶部32に記憶された優先基板決定および実生産プログラムの修正プログラム33bは、優先基板であることがパラメータにより設定された第1基板P1または第2基板P2の当該パラメータを変更するためのプログラムであり、各部品実装装置6、8、10における実生産プログラム33Acがそれに従い修正される。
従って制御装置18の主制御部30Aは、実生産プログラム33Acに従って、生産対象である第1基板P1及び第2基板P2の基板データ33Ae及び生産状況データ33Adに基づき部品実装装置6の前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bによる非同期搬送交互実装処理を制御する。
また主制御部30Aは、前側ヘッドユニット22a、後側ヘッドユニット22b、前側レーン20a、後側レーン20bを駆動するための駆動制御部31と接続されるとともに、前側ヘッドユニット22aの基板認識カメラ41e、後側ヘッドユニット22bの基板認識カメラ42e、前側レーン20aの部品認識カメラ43a、後側レーン20bの部品認識カメラ44aに対する撮像制御および撮像結果の画像を処理するための撮像制御および画像処理部35と接続されている。
前側ヘッドユニット22aには、X軸モータ41a、Y軸モータ41b、各吸着ヘッド23を昇降するヘッド毎Z軸モータ41c、各吸着ヘッド23をR軸方向へ回転させるヘッド毎R軸モータ41d、および部品実装対象の第1基板P1を認識して当該前側ヘッドユニット22aを位置決めするための基板認識カメラ41eが設けられており、それぞれが駆動制御部31に接続されている。
後側ヘッドユニット22bには、同様のX軸モータ42a、Y軸モータ42b、ヘッド毎Z軸モータ42c、ヘッド毎R軸モータ42d、および基板認識カメラ42eが設けられており、それぞれが駆動制御部31に接続されている。
前側レーン20aには、基板搬送装置43b、および基板クランプ装置43cが設けられ、前側レーン20aの前側の前側部品供給部24aに部品供給装置43dが、2つの前側部品供給部24aの間に、各吸着ヘッド23により吸着された部品を認識するための部品認識カメラ43aがそれぞれ設けられている。そして、基板搬送装置43b、基板クランプ装置43cおよび部品供給装置43dは駆動制御部31に接続されている一方、部品認識カメラ43aが撮像制御および画像処理部35に接続されている。
後側レーン20bには、同様に、基板搬送装置44b、および基板クランプ装置44cが設けられ、後側レーン20bの後側の後側部品供給部24bに部品供給装置44dが、2つの後側部品供給部24bの間に、各吸着ヘッド23により吸着された部品を認識するための部品認識カメラ44aがそれぞれ設けられている。そして、基板搬送装置44b、基板クランプ装置44cおよび部品供給装置44dは駆動制御部31に接続されている一方、部品認識カメラ44aが撮像制御および画像処理部35に接続されている。
従って、制御装置18の主制御部30Aは、第1基板P1、第2基板P2の生産に先立ち、実生産プログラム33Acに従い、前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bによる非同期搬送交互実装動作を統括的に制御することができる。
(2)非同期搬送交互実装モードにおける基本的な優先実装処理
次に、非同期搬送交互実装モードにおける基本的な優先実装処理について説明するが、部品実装装置6、8、10は全て同じ構成であるため、ここでは説明の便宜上、部品実装装置6について説明する。
図3に示すように、部品実装装置6においては、前側ヘッドユニット22aがX軸モータ41a、Y軸モータ41b、および後側ヘッドユニット22bがX軸モータ42a、Y軸モータ42bX方向及びY方向へ互いに独立して移動自在に駆動され、後側レーン20bを介して第1基板P1よりも先に搬送されて実装作業位置に固定された第2基板P2に対し、双方の前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが部品を実装する。この段階では、優先基板として設定された第1基板P1が前側レーン22aを介して未だ搬送されてきていない状態である。
続いて図4に示すように、部品実装装置6においては、双方の前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが第2基板P2に部品を実装中、予め優先基板として設定された第1基板P1が前側レーン20aにより搬入されて実装作業位置に固定される。
このとき図5に示すように、前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが第2基板P2に対する実装を、各吸着ヘッド23への既吸着分の実装を終えると中断し、前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが各吸着ヘッド23に部品を吸着し、前側レーン20aの実装作業位置に固定された第1基板P1に対して部品を実装する。
前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが第1基板P1に対する部品の実装を終了すると、第2基板P2へ戻り、中断していた以降の部品の実行を再開し、その後また第1基板P1が搬送されてくると、第2基板P2に対する実装を中断し、第1基板P1に対する実装を行う。これにより、優先基板として設定された第1基板P1は、基板搬入の待ち時間がない状態で常時優先して部品の実装が行われるため、第1基板P1の生産量を最大化することができる。
続いて、このような非同期搬送交互実装モードにおける基本的な優先実装処理の手順を図6のフローチャートを用いて説明する。ホストコンピュータ16の主制御部30は実生産プログラム33cに従いルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1へ移り、現在の優先基板が第1基板P1であるか否かを判定する。
ここで部品実装装置6の制御装置18における現在の実生産プログラム33Acが第1基板P1を優先基板とする場合か、あるいは第1基板P1と第2基板P2のどちらを優先基板とするか決まっていない状況下であって、第1基板P1を優先基板とすることが決定された場合において、肯定結果が得られると、ホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP2へ移る。
ステップSP2においてホストコンピュータ16の主制御部30は、第1基板P1を優先基板とする実生産プログラム33Acの修正は実施せず、あるいは第1基板P1を優先基板とすべく実生産プログラム33Acの修正を行い、制御装置18の主制御部30Aは第1基板P1に対応した前側レーン20aを優先実装処理の対象として前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bにより部品実装を行う。
すなわちステップSP2の優先実装処理においては、実生産プログラム33Acは第1基板P1を優先基板とするので、制御装置18の主制御部30Aは、前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが後側レーン20bの第2基板P2に対する実装を行っている最中であっても、前側レーン20aの実装作業位置に第1基板P1が搬送されて固定されると、後側レーン20bの第2基板P2に対する実装を中断し、前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが前側レーン20a側へ移動し、第1基板P1に対する部品の実装を優先して行うよう制御する。その後、ホストコンピュータ16の主制御部30は第1基板P1および第2基板P2に対する全ての部品実装が終了すると、優先実装処理を終了する。
これに対して、ステップSP1で否定結果が得られると、これは部品実装装置6の制御装置18における現在の実生産プログラム33Acが第2基板P2を優先基板とする場合か、あるいは第1基板P1と第2基板P2のどちらを優先基板とするか決まっていない状況下において、第2基板P2を優先基板とすることが決定された場合であることを意味しており、このときホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP3へ移る。
ステップSP3においてホストコンピュータ16の主制御部30は、第2基板P2を優先基板とする実生産プログラム33Acの修正は実施せず、あるいは第2基板P2を優先基板とすべく実生産プログラム33Acの修正を行い、制御装置18の主制御部30Aは、第2基板P2に対応した後側レーン20bを優先実装処理の対象として実装を行う。
すなわち制御装置18の主制御部30Aは、前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが前側レーン20aの第1基板P1に対する実装を行っている最中であっても、後側レーン20bの実装作業位置に第2基板P2が搬送されて固定されると、前側レーン20aの第1基板P1に対する実装を中断し、前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが後側レーン20b側へ移動し、第2基板P2に対する部品の実装を優先して行うよう制御する。その後、ホストコンピュータ16の主制御部30は、第2基板P2および第1基板P1に対する全ての部品実装が終了すると、優先実装処理を終了する。
(2−1)優先基板の決定手法
ところで、第1基板P1を優先基板として決定するか、または第2基板P2を優先基板として決定するかの決定手法として、(i)オペレータが前側レーン20aまたは後側レーン20bを直接指定することにより優先基板を決定する場合、(ii)第1基板P1、第2基板P2に対する優先度リストデータに基づいて優先基板を自動的に決定する場合、(iii)第1基板P1、第2基板P2に対する実装を開始した後の実装中における中間在庫の状況に応じて優先基板を決定する場合、(iv)納期の迫っている方の第1基板P1または第2基板P2を優先基板として決定する場合等が想定される。
(i)オペレータが前側レーン20aまたは後側レーン20bを直接指定することにより優先基板を決定する場合(実装前に予め指定する場合や、実装中に指定する場合が有る)について最初に説明する。
この場合、入力ユニット38を介して前側レーン20aまたは後側レーン20bが指定されると、主制御部30は、指定された前側レーン20aに対応した第1基板P1または後側レーン20bに対応した第2基板P2を優先基板として認識し、制御装置18の記憶部32Aの実生産プログラム33Acを修正あるいはそのままとする。部品実装装置6の制御装置18は修正あるいはそのままとされた実生産プログラム33Acに基づき、優先基板として認識された第1基板P1または第2基板P2を優先的に実装する。
続いて、(ii)第1基板P1、第2基板P2に対する優先度リストデータに基づいて優先基板を自動的に決定する場合について説明する。この場合、主制御部30は生産プログラム33fに含まれる優先度リストデータから第1基板P1に対応付けられた優先度のパラメータおよび第2基板P2に対応付けられた優先度のパラメータを取得する。
これによりホストコンピュータ16の主制御部30は、優先度のパラメータに基づいて第1基板P1または第2基板P2のいずれが優先基板として設定されているかを認識した後、制御装置18の記憶部32Aの実生産プログラム33Acを修正あるいはそのままとする。部品実装装置6の制御装置18は修正あるいはそのままとされた実生産プログラム33Acに基づき、前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bにより優先基板である第1基板P1または第2基板P2を優先的に実装する。
次に、(iii)第1基板P1、第2基板P2に対する実装を開始した後の実装中における中間在庫の状況に応じて優先基板を決定する場合について説明する。
具体的には、例えば第1基板P1の表面に対する部品実装が完了した後、当該第1基板P1の裏面を第2基板P2として実装する場合、第1基板P1の表面の部品実装が完了し、その裏面の部品実装を待っている状態の当該第1基板P1が第2基板P2の中間在庫として不足してくると、第2基板P2に対する実装処理が滞ることになる。
このため、ホストコンピュータ16の主制御部30は表面の部品実装が完了した第1基板P1の在庫状況(マージン)を常時監視し、表面の部品実装が完了した第1基板P1の残数が所定の閾値を下回って一定のマージンが保てなくなると、そのマージンが保てなくなった第1基板P1を優先基板として決定し、当該第1基板P1の基板データ33e1に対して優先度のパラメータを設定する。
ホストコンピュータ16の主制御部30は、基板データ33e1に設定された優先度のパラメータに基づいて、第1基板P1を優先基板として認識し、制御装置18の記憶部32Aの実生産プログラム33Acを修正あるいはそのままとする。部品実装装置6の制御装置18は修正あるいはそのままとされた実生産プログラム33Acに基づき、前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bにより優先基板である第1基板P1を優先的に実装する。
次に、(iv)納期の迫っている方の第1基板P1または第2基板P2を優先基板として決定する場合について説明する。
この場合、ホストコンピュータ16の主制御部30は、基板データ33e1から第1基板P1に関する納期情報や、基板データ33e2から第2基板P2に関する納期情報を取得し、第1基板P1の納期情報と第2基板P2の納期情報とを比較することにより、納期の迫っている方の第1基板P1または第2基板P2を優先基板として決定する。
そしてホストコンピュータ16の主制御部30は、優先基板として決定した第1基板P1の基板データ33e1または第2基板P2の基板データ33e2に対して優先度のパラメータ(「高」または「低」)を設定する。主制御部30は、基板データ33e1、33e2に設定された優先度のパラメータに基づいて、第1基板P1または第2基板P2のいずれが優先基板であるかを判別し、制御装置18の記憶部32Aの実生産プログラム33Acを修正あるいはそのままとする。部品実装装置6の制御装置18は修正あるいはそのままとされた実生産プログラム33Acに基づき、前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bにより優先基板である第1基板P1または第2基板P2を優先的に実装する。
(2−2)実装対象基板判別処理手順
ところで、優先レーンとして前側レーン20a(この場合に対応するのは第1基板P1である)が設定され、非優先レーンとして後側レーン20b(この場合に対応するのは第2基板P2である)が設定されていた場合に、優先レーンの第1基板P1または非優先レーンの第2基板P2のどちらに部品を実装するかを判定する実装対象基板判別処理手順について説明する。ここでも、部品実装装置6、8、10は全て同じ構成であるため、説明の便宜上、部品実装装置6について説明する。
図7に示すように、制御装置18の主制御部30Aは、ルーチンRT2の開始ステップから入って次のステップSP11へ移り、優先レーンである前側レーン20aの実装作業位置に第1基板P1が固定されているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、これは優先レーンである前側レーン20aの実装作業位置に固定された第1基板P1に対して部品実装可能な状態であることを意味しており、このとき制御装置18の主制御部30Aは次のステップSP12へ移る。
ステップSP12において制御装置18の主制御部30Aは、前側レーン20aの実装作業位置に固定された第1基板P1に対して前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bにより優先して部品の実装を行わせ、再度ステップSP11へ戻る。
これに対してステップSP11において否定結果が得られると、これは優先レーンである前側レーン20aの実装作業位置に第1基板P1が固定されていないので、第1基板P1が基板搬送中であることを意味しており、このとき制御装置18の主制御部30Aは次のステップSP13へ移る。
ステップSP13において制御装置18の主制御部30Aは、優先レーンである前側レーン20aの第1基板P1が基板搬送中であって部品実装を行うことができないので、非優先レーンである後側レーン20bの実装作業位置に第2基板P2が現在固定されているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、これは優先レーンである前側レーン20aの第1基板P1が基板搬送中であって部品実装を行うことができない状態であり、かつ、非優先レーンである後側レーン20bの実装作業位置に第2基板P2が現在固定されていて部品実装可能な状態にあることを意味し、このとき制御装置18の主制御部30Aは次のステップSP14へ移る。
ステップSP14において制御装置18の主制御部30Aは、後側レーン20bの実装作業位置に固定された第2基板P2に対して前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bにより部品の実装を行わせ、再度ステップSP11へ戻る。
これに対してステップSP13で否定結果が得られると、これは優先レーンである前側レーン20aの第1基板P1が基板搬送中であり、かつ、非優先レーンである後側レーン20bの実装作業位置に第2基板P2が固定されていないため、第1基板P1および第2基板P2の双方に対して部品実装を行うことが出来ない状態であることを意味しており、このとき制御装置18の主制御部30Aは実装対象基板判別処理手順を終了する。
(2−3)基板搬送処理手順
続いて、部品実装装置6における第1基板P1の基板搬送処理手順について説明する。ここで、第2基板P2の基板搬送処理手順についても同じであるため、便宜上、第1基板P1についてのみ説明する。
図8に示す部品実装装置6における第1基板P1の基板搬送処理手順に従い、制御装置18の主制御部30Aは、ルーチンRT3の開始ステップから入って次のステップSP31へ移り、前側レーン20aの実装作業位置に第1基板P1が無いか判定を行う。この判定において肯定結果を得た場合、制御装置18の主制御部30Aは次のステップSP36へ移る一方、否定結果を得た場合、制御装置18の主制御部30Aは次のステップSP32へ移る。
1枚目の第1基板P1を搬入する場合には、実装作業位置には第1基板P1は未だ存在しないため肯定結果を得、制御装置18の主制御部30AはステップSP31からステップSP36へ移る。2枚目の第1基板P1を搬入する場合か、あるいは全ての第1基板P1の搬入が終わり次に搬入すべき基板が存在しない場合かにおいて、既に基板搬出中であれば、実装作業位置には第1基板P1は存在しないのでステップSP36へ移り、基板搬出中でなければ、実装中あるいは実装を終えた第1基板P1が実装作業位置に存在することになるので、制御装置18の主制御部30Aは次のステップSP32へ移る。
制御装置18の主制御部30AはステップSP32において、実装作業位置に存在する第1基板P1の実装が完了したかの判断を行い、完了していれば次ぎのステップSP33へ移り、完了していなければ実装完了まで時間経過させるべく、再びステップSP31に戻る。
ステップSP33において制御装置18の主制御部30Aは、実装作業位置に第1基板P1が固定されているか否かを判定する。この判定において肯定結果を得た場合、制御装置18の主制御部30Aは次のステップSP34へ移り、基板固定の解除をした後ステップSP35へ移る。一方、否定結果を得た場合、制御装置18の主制御部30Aは直接ステップSP35へ移る。制御装置18の主制御部30AはステップSP35へ移ると基板搬出を開始する。
制御装置18の主制御部30AはステップSP35の基板搬出を開始すると同時に、ステップSP36を並行して行い、搬入すべき次の第1基板P1が有るか否かを判定する。この判定において肯定結果を得た場合、制御装置18の主制御部30Aは次のステップSP37において基板搬入を開始する。すなわち、ステップSP35で基板搬出を開始されている場合は、僅かに遅れて開始されるステップSP37の基板搬入が並行して実施される。1枚目の第1基板P1を搬入する場合には、制御装置18の主制御部30AはステップSP31からステップSP36へと跳んだ後ステップS37へ移っており、基板搬出をすることなく、基板搬入のみを行う。
一方、全ての第1基板P1の搬入が終わり、次に搬入すべき基板が存在しない場合には、ステップSP36の判定において否定結果を得るので、制御装置18の主制御部30Aは第1基板P1の基板搬送を終了する。なお、制御装置18の主制御部30は、第1基板P1が所定の位置まで搬出されてステップSP35の基板搬出を終了し、第1基板P1が実装作業位置まで搬入されてステップSP37の基板搬入を終了する。
制御装置18の主制御部30は、ステップSP37における上流側から第1基板P1の実装作業位置への搬入を終了すると、次のステップSP38へ移って、その実装作業位置に第1基板P1が固定されているかを判断し、固定されていれば第1基板P1への実装を開始するステップSP40へ移る。固定されていなければ、制御装置18の主制御部30は次のステップSP39へ移り、第1基板P1を実装作業位置に固定し、次のステップSP40へ移る。ステップSP40において制御装置18の主制御部30は第1基板P1に実装を開始した後、実装中の第1基板P1に対する基板搬送処理へ移行するため、ステップSP31へ戻る。
(2−4)優先基板生産完了後の非優先基板に対するリカバリ処理
次に、優先基板を生産完了した後の非優先基板の生産遅れに対するリカバリ処理を行うための構成について説明する。図9に示すように、部品実装装置6の上流側には、供給対象切替装置としての切り替えコンベア50が設けられている。
切り替えコンベア50は、基台51上にY方向(X方向と水平面上で直交する方向)へ延びる2本のレール52と、不図示の駆動装置により2本のレール52上をY方向へ移動可能とされる基板テーブル53を備え、基板テーブル53上にはY方向へ並び、かつ、互いに平行にX方向へ延びる前側レーン50a及び後側レーン50bを備える。
図9に示されるように、前側レーン50aをY方向において部品実装装置6の前側レーン20aと一致させるように基板テーブル53を位置させる時、後側レーン50bがY方向において部品実装装置6の後側レーン20bと一致するように、基板テーブル53上において前側レーン50a及び後側レーン50bが配置されている。
切り替えコンベア50の前側レーン50aは、その上流側から搬送される第1基板P1を下流側に存在する部品実装装置6の前側レーン20aへ搬送する。同様に切り替えコンベア50の後側レーン50bは、その上流側から搬送される第2基板P2を下流側に存在する部品実装装置6の後側レーン20bへ搬送する。
また切り替えコンベア50は、基板テーブル53をY方向に移動させることにより、例えば図10に示すように、前側レーン50aを部品実装装置6の前側レーン20aの上流側延長線上から外側の退避位置(図中下方(前側))へ退避させるとともに、後側レーン50bを部品実装装置6における前側レーン20aとY方向において一致させることができる。
切り替えコンベア50の後側レーン50bは、その上流側から常に「B」の第2基板P2が搬送されてくるため、切り替えコンベア50は、基板テーブル53をY方向へ前後に移動させることにより、部品実装装置6の前側レーン20aおよび後側レーン20bの双方に対して非優先基板である第2基板P2を供給することができる。この部品実装装置6の前側レーン20aおよび後側レーン20bの双方に対して非優先基板である「B」の第2基板P2を供給することは、優先基板として切り替えコンベア50の前側レーン50aを搬送される「A」の第1基板P1全てに対する部品実装装置6の前側レーン20aでの部品実装が完了した後に実施される。
これは、例えば、切り替えコンベア50の後側レーン50bを搬送される「B」の第2基板P2が優先基板として設定されていた場合であって、その第2基板P2に対する部品実装装置6の後側レーン20bでの部品実装が完了した後も同様であり、ホストコンピュータ16の主制御部30の制御により、図示しないが、切り替えコンベア50の後側レーン50bをY方向において図9の後側外側の退避位置へ退避させるとともに、切り替えコンベア50の前側レーン50aを印刷機における部品実装機6の後側レーン20bとY方向において一致させることができる。
従って切り替えコンベア50は、優先基板として切り替えコンベア50の後側レーン50bへ搬送される「B」の第2基板P2に対する部品実装装置6の後側レーン20bでの部品実装が完了した後、主制御部30の制御により、基板テーブル53をY方向後側へ移動させることにより、前側レーン50aの第1基板P1を部品実装装置6の後側レーン20bに搬送することができる。
なお、切り替えコンベア50の前側レーン50aの第1基板P1あるいは後側レーン50bの第2基板P2のいずれかを優先基板とする時、切り替えコンベア50の基板テーブル53をY方向へ移動させることにより、優先基板を部品実装装置6の前側レーン20aおよび後側レーン20bの双方に対して供給することが可能である。
このような構成の切り替えコンベア50を用いた非優先基板に対するリカバリ処理手順を図11のフローチャートにより説明する。ホストコンピュータ16の主制御部30は実生産プログラム33cに従いルーチンRT4の開始ステップから入って、次のステップSP40へ移り、上流側から切り替えコンベア50へ搬入されるべき基板がある場合には、次のステップSP41へ移り、搬入されるべき基板がない場合はこのリカバリ処理のプログラムを終了する。ステップSP41では上流から切り替えコンベア50へ基板を搬入した後、次のステップSP42へ移る。
ステップSP42においてホストコンピュータ16の主制御部30は、基板搬入されたのが優先度「低」の基板(非優先基板)であるか否かを判定する。ここで、例えば切り替えコンベア50の前側レーン50aに優先度の高い優先基板「A」の第1基板P1の搬入があると、ホストコンピュータ16の主制御部30は判定結果として否定結果を得るので次のステップSP49へ移る。
ステップSP49においてホストコンピュータ16の主制御部30は、実生産プログラム33cに基づくルーチンRT5の優先基板最大生産処理(後述する)が実施される。一方、上流側から切り替えコンベア50の後側レーン50bに優先度の低い非優先基板「B」の第2基板P2の搬入があると、ホストコンピュータ16の主制御部30は肯定結果を得て次のステップSP43へ移る。
ステップSP43においてホストコンピュータ16の主制御部30は当初のフラグ「0」に従い、切り替えコンベア50の後側レーン50bの下流側にある部品実装装置6の優先度「低」の本来の後側レーン20b(フラグ「1」の場合は前側レーン20a)に、優先度「高」の第1基板P1か優先度「低」の第2基板P2のいずれの基板も存在しない空の状態であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られた場合、ホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP44へ移る。
ステップSP44においてホストコンピュータ16の主制御部30は、部品実装装置6の優先度「高」の前側レーン20aと優先度「低」の後側レーン20bのいずれか一方あるいは両方を使った優先度「高」の第1基板P1の全生産が終了したか否かを判断する。ここで、肯定結果が得られると、このことは優先度「高」の前側レーン20aに対する全生産が既に終了しているため、優先度「低」の第2基板P2に対するリカバリ処理の必要があることを意味しており、続いてホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP45へ移る。
ステップSP45においてホストコンピュータ16の主制御部30は、部品実装装置6の優先度「高」の本来の前側レーン20a(フラグ「0」の場合は後側レーン20b)に基板がない空の状態であるか否かを判定する。このステップSP45で肯定結果が得られた場合、ホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP46へ移る。
ステップSP46においてホストコンピュータ16の主制御部30は、切り替えコンベア50の後側レーン50bの優先度「低」の第2基板P2を部品実装装置6の優先度「高」の本来の前側レーン20aに搬出すべく基板テーブル52をY方向前側へ移動する(フラグ「1」の場合は、切り替えコンベア50の後側レーン50bの優先度「低」の第2基板P2を部品実装装置6の優先度「低」の本来の後側レーン20bに搬出すべく基板テーブル52をY方向前側の位置より本来の位置に戻すべくY方向へ移動する)。ホストコンピュータ16の主制御部30は、基板テーブル52の移動後、フラグ「0」であった場合はフラグ「1」に、フラグ「1」であった場合はフラグ「0」に当該フラグを切り替える。
なお、ステップSP43において肯定結果が得られた場合は、切り替えコンベア50の後側レーン50bと下流側にある部品実装装置6の後側レーン20bのY方向位置(フラグ「1」の場合は後側レーン50bと前側レーン20aのY方向位置)が互いに一致しており、切り替えコンベア50の後側レーン50bから第2基板P2の搬送が可能であるかの判断のためステップSP47へ進む。
ステップSP44で否定結果が得られた場合は、リカバリ処理に入る必要はなく、ステップSP43に戻って下流側にある部品実装装置6の後側レーン20bが空き状態になるのを待つ。また、ステップSP45で否定結果が得られた場合は、前側レーン20aが空き状態になるのを待つべく、再度ステップSP43へ戻る。
ステップSP47で否定結果を得られた場合、基板搬送が可能となるまで待つべく、ステップSP42へ戻る。ステップSP47で肯定結果を得られた場合、ホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP48へ進み、切り替えコンベア50の後側レーン50bの優先度「低」の第2基板P2を、切り替えコンベア50のY方向位置に従い部品実装装置6の前側レーン20aか後側レーン20bのいずれかに搬出し、切り替えコンベア50の前側レーン50aの優先度「高」の第1基板P1を、切り替えコンベア50のY方向位置に従い部品実装装置6の前側レーン20aか後側レーン20bのいずれかに搬出する。
このようなステップSP41乃至ステップSP49の処理を基板搬入毎に繰り返し実行することにより、部品実装装置6の優先度「高」の前側レーン20aで優先度「高」の第1基板P1の全生産が完了している場合、後側レーン20bおよび前側レーン20aの双方を用いて優先度「低」の第2基板P2に対する部品実装処理を行うことができるので、優先基板である第1基板P1の生産完了後の非優先基板である第2基板P2の生産遅れに対するリカバリ処理を行うことができる。
かくして部品実装装置6では、前側レーン20aおよび後側レーン20bを双方用いて非優先基板である第2基板P2に対するリカバリ処理を行うことにより、優先基板および非優先基板に対する実装完了までの処理時間を最大限短縮し得、複数のレーンの基板に対する生産能力を効率的に向上させることができる。
なお、上記のリカバリ処理手順の説明は、切り替えコンベア50の前側レーン50aに優先度の高い優先基板「A」の第1基板P1の搬入があり、後側レーン50bに優先度の低い非優先基板「B」の第2基板P2の搬入があることを前提にしたものである。切り替えコンベア50の前側レーン50aに搬入される第1基板P1を優先度の低い非優先基板「A」とし、後側レーン50bに搬入される第2基板P2を優先度の高い優先基板「B」とする場合には、上記のリカバリ処理手順の説明において、第1基板P1と第2基板P2、切り替えコンベア50の前側レーン50aと後側レーン50b、および部品実装装置の前側レーン20aと後側レーン20bを、それぞれ入れ替えるとともに、切り替えコンベア50のY方向の移動方向を逆とすれば良い。
(2−5)優先基板最大生産処理
続いて、優先基板を最大生産能力で生産処理する指示がされたときの優先基板最大生産処理について説明する。
図12に示すように、部品実装装置6は、その上流側に供給対象切替装置としての切り替えコンベア50が設けられている。なお、切り替えコンベア50の構成は図9及び図10を用いて既に説明しているため、ここでは省略する。
部品実装装置6では、優先基板として「A」の第1基板P1が優先基板最大生産処理の対象として指定されると、その第1基板P1を第2基板P2よりも優先するが、第1基板P1に対する生産能力を最大限に上げるためには、部品実装装置6の非優先基板である「B」の第2基板P2に対する部品実装を一時的に中断し、切り替えコンベア50の前側レーン50aから優先基板である「A」の第1基板P1を部品実装装置6の前側レーン20aおよび後側レーン20bの双方に対して供給する。これにより部品実装装置6では、前側レーン20aおよび後側レーン20bの双方を用いて優先基板である「A」の第1基板P1に対する部品実装を行うことができるように構成されている。
その際、切り替えコンベア50は、後側レーン50bの第2基板P2を部品実装装置6の後側レーン20bへ供給しないようにするため、図12に示されるように、基板テーブル53を介して当該後側レーン50bを部品実装装置6の後側レーン20bの延長線上から外側の退避位置(図中上方(後側)へ)へ退避する。
切り替えコンベア50は、ホストコンピュータ16の主制御部30の制御により、優先基板である第1基板P1に対応した前側レーン50aを部品実装装置6における前側レーン20aまたは後側レーン20bの上流側延長線上に位置されるように基板テーブル53をY方向へ自在に移動させることによって、部品実装装置6における前側レーン20aおよび後側レーン20bの2レーンを用いて優先基板である「A」の第1基板P1に対して最大生産能力で部品実装を行う。
このような優先基板最大生産処理を図13のフローチャートにより説明する。ホストコンピュータ16の主制御部30は、実生産プログラム33cに従いルーチンRT5の開始ステップから入って次のステップSP51へ移り、優先基板(第1基板P1)に対する最大生産処理が指定されたか否かを判定する。
ここで最大生産処理が指定されていない場合、主制御部30は次のステップSP52へ移って、前述したルーチンRT4の非優先基板(第2基板P2)に対するリカバリ処理を行い、このリカバリ処理が終了すると、このリカバリ処理のプログラムを終了する。これに対してステップSP51において、作業者により入力ユニット38を介して優先基板に対する最大生産処理が指定された場合、ホストコンピュータ16の主制御部30は肯定結果を得、次のステップSP53へ移る。
ステップSP53においてホストコンピュータ16の主制御部30は、上流側から切り替えコンベア50に搬入されるのが優先度「低」の第2基板P2であるか否かを判定する。ここで、切り替えコンベア50に搬入されるのが優先度「低」の第2基板P2である場合には肯定結果を得、ホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP54へ移る。一方、切り替えコンベア50に搬入されるのが優先度「高」の第1基板P1である場合には否定結果を得、ホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP55へ移る。
ステップSP54においてホストコンピュータ16の主制御部30は、部品実装装置6の後側レーン20bの上流側延長線上から外側の退避位置(図中上方(後側)へ)に既に優先度「低」の第2基板P2が退避されているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、これは、既に退避位置に優先度「低」の第2基板P2が存在するため、現在切り替えコンベア50の後側レーン50bに優先度「低」の第2基板P2が搬入されても、その第2基板P2を退避位置へ退避させることができないことを意味し、このときホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP56へ移って待機(何もしない)し、再度ステップSP51へ戻る。
ステップSP54においてホストコンピュータ16の主制御部30は、退避位置に第2基板P2が存在しない場合に否定結果を得、次のステップSP55へ移る。ステップSP55においてホストコンピュータ16の主制御部30は、上流側から切り替えコンベア50に対して基板搬入処理を行い、次のステップSP57へ移る。
ステップSP57においてホストコンピュータ16の主制御部30は、切り替えコンベア50に搬入されて保持されたのは優先度「低」の第2基板P2であるか否かを判定する。ここで、切り替えコンベア50の後側レーン50bに第2基板P2が保持されているときにはホストコンピュータ16の主制御部30は肯定結果を得、次のステップSP58へ移る。
ステップSP58においてホストコンピュータ16の主制御部30は、優先度「高」の第1基板P1を部品実装装置6における優先度「低」の後側レーン20bに供給して部品実装したときのタクトタイムが、優先度「高」の第1基板P1を部品実装装置6における本来の優先度「高」の前側レーン20aで部品実装したときのタクトタイム+第1基板P1の搬送時間(切り替えコンベア50により部品実装装置6に搬入されるまでの時間)よりも短いか否かを判定する。
これは、優先度「高」の第1基板P1を部品実装装置6における優先度「低」の後側レーン20bに供給して部品実装したときと、そうしなかったときとを比較して処理時間が短縮されるか否かを判別しており、ホストコンピュータ16の主制御部30は否定結果が得られると次のステップSP65へ移る。
ステップSP65においてホストコンピュータ16の主制御部30は、2レーンを用いた優先基板「高」の第1基板P1に対する部品実装を行わないため、優先度「高」の第1基板P1を優先度「高」の前側レーン20aへのみ搬出し、ステップSP51へ戻る。
これに対してステップSP58で肯定結果が得られると、これは、優先度「高」の第1基板P1を部品実装装置6における優先度「低」の後側レーン20bに供給して部品実装すれば、そうしなかったときに比べて処理時間が短縮されることを意味しており、このときホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP59へ移る。
ステップSP59においてホストコンピュータ16の主制御部30は、切り替えコンベア50における基板テーブル53の後側レーン50bを介して優先度「低」の第2基板P2を退避位置へ移動することにより一時的にバッファし(図12)、再度ステップSP57へ戻る。
ステップSP57においてホストコンピュータ16の主制御部30は、次に上流側から搬入されて切り替えコンベア50に保持されたのが優先度「低」の第2基板P2であるか否かを判定し、切り替えコンベア50の前側レーン50aに優先度「高」の第1基板P1が保持されているときは否定結果を得、次のステップSP60へ移る。
ステップSP60においてホストコンピュータ16の主制御部30は、ステップSP58と同様、優先度「高」の第1基板P1を部品実装装置6における優先度「低」の後側レーン20bに供給して部品実装したときのタクトタイムが、優先度「高」の第1基板P1を優先度「高」の前側レーン20aで部品実装したときのタクトタイム+第1基板P1の搬送時間よりも短いか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、これは優先度「高」の第1基板P1を部品実装装置6における優先度「低」の後側レーン20bに供給して部品実装しても、そうしなかったときに比べて処理時間が短縮されることがないことを意味しており、このときホストコンピュータ16の主制御部30はステップSP65へ移る。
ステップSP65においてホストコンピュータ16の主制御部30は、2レーンを用いた優先基板「高」の第1基板P1に対する部品実装を行わないため、優先度「高」の第1基板P1を優先度「高」の前側レーン20aへのみ搬出し、ステップSP51へ戻る。
これに対してステップSP60で肯定結果が得られると、これは、優先度「高」の第1基板P1を部品実装装置6における優先度「低」の後側レーン20bに供給して部品実装すれば、そうしなかったときに比べて処理時間が短縮されることを意味しており、このときホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP61へ移る。
ステップSP61においてホストコンピュータ16の主制御部30は、優先度「高」の第1基板P1を部品実装装置6における本来の優先度「高」の前側レーン20aで現在部品実装中であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、これは優先基板である優先度「高」の第1基板P1に対する部品実装処理が完了しており、優先基板最大生産処理を行う必要がないことを意味しており、このときホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP65へ移る。
ステップSP65においてホストコンピュータ16の主制御部30は、優先度「高」の第1基板P1に対する部品実装処理が完了しているので、基板搬出動作を行うものの基板搬出対象がないので、実質的に何も行うことなく、再度ステップSP51へ戻る。
これに対してステップSP61において肯定結果が得られると、これは、優先度「高」の第1基板P1を部品実装装置6における本来の優先度「高」の前側レーン20aで現在部品実装中であり、2レーンを用いた優先度「高」の第1基板P1に対する部品実装を行う必要があることを意味しており、このときホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP62へ移る。
ステップSP62においてホストコンピュータ16の主制御部30は、優先度「低」の第2基板P2が部品実装装置6における本来の優先度「低」の後側レーン20bに存在しているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、これは、ステップSP59において切り替えコンベア50における基板テーブル53の後側レーン50bを介して優先度「低」の第2基板P2が退避位置へ移動されておらず、部品実装装置6の後側レーン20bに第2基板P2が残っていることを意味しており、このときホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP63へ移って待機し(何も行わない)、再度ステップSP57へ戻る。
これに対してステップSP62で否定結果が得られると、これは、部品実装装置6の後側レーン20bに第2基板P2が残っておらず、その後側レーン20bに対して優先度「高」の第1基板P1を供給して部品実装させることが可能であることを意味しており、このときホストコンピュータ16の主制御部30は次のステップSP64へ移る。
ステップSP64においてホストコンピュータ16の主制御部30は、下流側の部品実装装置6における本来の優先度「低」の後側レーン20bに対して、切り替えコンベア50の前側レーン50aの搬送位置を変更し、次のステップSP65へ移る。
ステップSP65においてホストコンピュータ16の主制御部30は、切り替えコンベア50の前側レーン50aから部品実装装置6の後側レーン20bに対して優先度「高」の第1基板P1を搬出させることにより、当該後側レーン20bに優先度「高」の第1基板P1を供給させて部品実装を行わせ、再度ステップSP51へ戻る。
このようにホストコンピュータ16の主制御部30は、優先度「高」の第1基板P1を最大生産能力で生産処理する指示がされた場合、優先度「低」の第2基板P2が切り替えコンベア50の後側レーン50bにより保持されると、その切り替えコンベア50の後側レーン50bを介して優先度「低」の第2基板P2を退避位置へ一旦退避させることによりバッファし、次の優先度「高」の第1基板P1を切り替えコンベア50の前側レーン50aから部品実装装置6の後側レーン20bへ供給する。
これにより部品実装装置6では、前側レーン20aで優先度「高」の第1基板P1を部品実装中、所定の時間差を持って切り替えコンベア50の前側レーン50aから部品実装装置6の後側レーン20bへ予め優先度「高」の第1基板P1を供給しておくことができる。このため、前側レーン20aによる第1基板P1の部品実装が終了した後、後側レーン20bの実装作業位置に固定された第1基板P1に対して前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが移動し、第1基板P1の基板搬入の待ち時間なく直ちに部品実装することができる。
またホストコンピュータ16の主制御部30は、優先度「高」の第1基板P1だけが切り替えコンベア50の前側レーン50aにより搬入された場合、優先度「低」の第2基板P2に対する退避動作を行う必要がなく、部品実装装置6の前側レーン20aにより優先度「高」の第1基板P1を部品実装することに加えて、切り替えコンベア50の前側レーン50aにより部品実装装置6の後側レーン20bへ優先度「高」の第1基板P1を予め供給して実装作業位置に固定しておくことができる。
これにより部品実装装置6では、前側レーン20aで優先度「高」の第1基板P1を部品実装中、所定の時間差を持って切り替えコンベア50の前側レーン50aにより部品実装装置6の後側レーン20bへ予め優先度「高」の第1基板P1を供給しておくことができる。このため、前側レーン20aによる第1基板P1の部品実装が終了した後、後側レーン20bの実装作業位置に固定された第1基板P1に対して前側ヘッドユニット22aおよび後側ヘッドユニット22bが移動し、第1基板P1の基板搬入の待ち時間なく直ちに部品実装することができる。
かくして部品実装装置6では、前側レーン20aおよび後側レーン20bを双方用いて優先度「高」の第1基板P1に対する部品実装を基板搬入の待ち時間のロスなしに行うことができるので、全ての第1基板P1に対する実装完了までの処理時間を最大限短縮し得、複数のレーンによる基板に対する生産能力を効率的に向上させることができる。
(3)他の実施の形態
なお、上述した実施の形態においては、ステップSP51において優先基板(第1基板P1)に対する最大生産処理が指定された場合に優先基板の最大生産処理を実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、指定されていない場合でも、優先基板(第1基板P1)が決定しているので、強制的に優先基板の最大生産処理(ルーチンRT5)を実行するようにしても良い。