JP2014102217A - 測定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】流路形状及びシステム構成を制限することなく、気泡による悪影響を防止する。
【解決手段】 測定システム1は、基板31の上面に干渉膜32が設けられて形成されたセンサーチップ30と、溝42が形成された面をセンサーチップ30の上面に対向させることで当該センサーチップ30との間に流路60を形成する対面基板410と、を有する検出器Kと、流路60に液体試料を流入させる試料注入装置29と、光源25と、光源25からの光を対面基板410の側からセンサーチップ30に照射するライトガイド26と、センサーチップ30からの反射光を受光するライトガイド27と、ライトガイド27が受光した反射光の分光特性を測定する分光測定器28と、流路60内の液体試料を所定の温度に加熱して維持する調温用流路Rと、流路60内の圧力を外圧よりも高くする送気ポンプ291と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、測定システムに関する。
従来、抗原抗体反応などの生体分子同士の分子間相互作用や、有機高分子同士の分子間相互作用などの結合の測定は、一般的に、放射性物質や蛍光体などの標識を用いることで行われてきた。この標識には手間がかかり、特にタンパク質への標識は方法が煩雑な場合や標識によりタンパク質の性質が変化する場合があった。近年では、生体分子や有機高分子間の結合を、簡便に標識を用いることなく直接的に検出する手段として、光学薄膜の干渉色変化を利用したRIfS方式(Reflectometric interference spectroscopy:反射型干渉分光法)が知られている。
RIfS方式の測定方法では、マイクロ流路チップが用いられる。マイクロ流路チップの内部には、流路が形成されており、その流路の壁面にリガントが結合されている。液体試料をマイクロ流路チップの流路に流通させると、液体試料に含まれるアナライトがリガントに特異的に結合するから、アナライトが堆積してなる光学薄膜が流路の壁面に成長する。そのため、光学薄膜の膜厚が増加して、光学膜厚の光路長が増加するから、光学薄膜に照射された光の反射光の干渉波長も変化する。そこで、反射光の分光強度分布を測定し、ボトムピーク(最低強度)の波長の変化を検出する。時間経過に伴ったボトムピーク波長の変化から分子間相互作用を評価することができる。
マイクロ流路チップは二枚の基板を重ねたものであり、一方の基板に溝が形成されており、その溝が他方の基板によって閉じられることによって、その溝が流路となる。一方の基板をフローセルといい、フローセルには溝が形成されている。もう一方の基板をセンサーチップといい、センサーチップには光学薄膜が成膜されているとともに、その光学薄膜にリガントが結合されている。
ところで、マイクロ流路チップの流路に気泡が生じると、反射光の分光強度分布を正確に測定することができない。
そのため、近年、このような問題を解決する技術として例えば以下の2つのような技術が提案されている。
即ち、1つ目の技術は、流路内の気泡を逃がすためのトラップをマイクロ流路チップに設けることで、気泡による悪影響を防止する技術である(例えば特許文献1,2参照)。
また、2つ目の技術は、流路の断面の最大幅と最大高さとの比を所定範囲に設定することで流路内の流速分布を均一にし、液体試料への気泡混入を防止する技術である(例えば特許文献3参照)。
特許第4407271号 特開2010−286499号公報 特開2011−137784号公報
しかしながら、特許文献1,2の技術では、気泡が多量に生じてトラップ内に捕らえられたり、トラップ内に捕らえられた気泡が温度上昇などによって膨張したりすると、トラップ内に気泡が留まりきれずに微細流路に流れ込んでしまうため、気泡による悪影響を確実に防止することはできない。また、トラップ自体が塗れ残り部分となって気泡を生じさせてしまい、かえって気泡による悪影響を生じさせてしまう場合もあり得る。
また、特許文献3の技術では、流路内の流速分布を均一に保つために流路形状が単純でなくてはならないという制限を受けてしまう。また、流路に熱を加える等、流速に影響を与えるような因子がある場合には、流速を均一に保つことができないため、システム構成も制限を受けてしまう。
そこで、本発明の目的は、流路形状及びシステム構成を制限することなく、気泡による悪影響を防止することのできる測定システムを提供することである。
以上の課題を解決するための請求項1に係る発明は、測定システムにおいて、
基板の上面に薄膜が設けられて形成されたセンサーチップと、溝が形成された面を前記センサーチップの上面に対向させることで当該センサーチップとの間に流路を形成する対面基板と、を有する検出器と、
前記流路に液体試料を流入させる試料供給手段と、
光源と、
前記光源からの光を前記対面基板の側から前記センサーチップに照射する照射手段と、
前記センサーチップからの反射光を受光する受光手段と、
前記受光手段が受光した反射光の分光特性を測定する分光測定手段と、
前記流路内の液体試料を所定の温度に加熱して維持する調温手段と、
前記流路内の圧力を外圧よりも高くする圧力制御手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の測定システムにおいて、
前記試料供給手段は、
前記対面基板の上面に当接して配設され、前記照射手段からの照射光及び前記センサーチップからの反射光を通過させる板状部材を有し、
前記板状部材の内部には、前記対面基板に設けられた貫通孔を介して前記流路に液体試料を流入させるための供給流路が形成されており、
前記対面基板と、前記板状部材とは、一体的に形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、
請求項2記載の測定システムにおいて、
前記対面基板及び前記板状部材は、ガス透過性の低い材料で形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の測定システムにおいて、
前記調温手段は、
前記流路を挟むように少なくとも2方向から当該流路内の液体試料を加熱することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の測定システムにおいて、
前記流路における少なくとも上流端部の領域の内壁上面には、吸水シートが配設されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の測定システムにおいて、
前記検出器には、
前記流路の中途部を当該検出器の外部に連通させる孔部が形成されており、
当該測定システムは、
前記流路における前記孔部よりも上流側の領域の気泡を検知する気泡検知手段と、
前記気泡検知手段により気泡が検知された場合に、前記孔部を介して前記流路内の気泡を吸引する気泡吸引手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、流路形状及びシステム構成を制限することなく、気泡による悪影響を防止することができる。
測定システムの概略構成を示す模式図である。 接触盤の平面図である。 センサーチップ及び接触盤の断面図である。 流路の上流側の領域を示す断面図である。 図2の一部を拡大して示した平面図である。 V−V断面図である。 センサーチップが接触盤に圧接された状態におけるV−V断面図である。 センサーチップが接触盤に圧接された状態におけるV−V断面図である。 流路内の液体試料を加熱するための構成を示す図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、測定システム1の概略構成を示した斜視図である。
図1に示す通り、測定システム1は測定装置2、センサーチップ30、演算処理装置4、入力装置5及び出力装置6を備える。
演算処理装置4はコンピュータである。演算処理装置4には、入力装置5及び出力装置6が接続されている。入力装置5はキーボード、方向入力装置若しくは押しボタンスイッチ又はこれらの組み合わせである。出力装置6はディスプレイ装置又は印刷装置である。
測定装置2は下側筐体21、テーブル22、上側筐体24、光源25、ライトガイド26,27、分光測定器(分光器)28、試料注入装置29及び接触盤40等を備える。
下側筐体21の上部後端にはヒンジ23が設けられている。上側筐体24がそのヒンジ23によって下側筐体21の上部後端に回動可能に連結されている。上側筐体24がヒンジ23を支点として前に回動することによって、上側筐体24が下側筐体21の上面に重なって、上側筐体24と下側筐体21が閉じる。一方、上側筐体24が後ろに回転することによって、上側筐体24が下側筐体21の上面から離れて、上側筐体24と下側筐体21が開く。
上側筐体24の下面つまり下側筐体21側の面には、接触盤40がバネ等を介して取り付けられている。また、上側筐体24には、光源25、ライトガイド26,27、分光測定器28、廃液容器290及び送気ポンプ291等が内蔵されている。
光源25はハロゲンランプ、発光ダイオード若しくは放電灯又はこれらの組み合わせである。ライトガイド26,27は光ファイバー又は光ファイバーバンドルである。
ライトガイド26の基端が光源25に接続され、ライトガイド26の先端が接触盤40に接続されている。このライトガイド26は、本発明における照射手段であり、光源25で発した光を光源25から接触盤40へ伝達し、上方からセンサーチップ30に照射する。
一方、ライトガイド27の基端が分光測定器28に接続され、ライトガイド27の先端が接触盤40に接続されている。このライトガイド27は、本発明における受光手段であり、センサーチップ30からの反射光を受光して分光測定器28へ光を伝達する。
光源25は演算処理装置4によって制御される。例えば、演算処理装置4は、光源25の発光強度、発光時間、点灯タイミング及び消灯タイミング等を制御する。
演算処理装置4が分光測定器28を制御することによって、分光測定器28が測定動作を行う。分光測定器28は、本発明における分光測定手段であり、光の波長毎の強度を測定したり、光の波長毎の光量(分光特性)を測定したり、測定可能な波長帯域全体としての光の強度を測定したり、測定可能な波長帯域全体としての光の光量を測定したりする。分光測定器28は、測定結果(光の強度、光の光量、波長毎の強度、波長毎の光量)を表す信号を演算処理装置4に出力する。
下側筐体21の上面には、テーブル22が設けられている。テーブル22上にはセンサーチップ30が載置される。上側筐体24と下側筐体21が閉じると、接触盤40がセンサーチップ30に接触して、センサーチップ30がテーブル22と接触盤40の間に挟まれる。この際、不図示の圧縮されたバネの弾性力によって接触盤40がセンサーチップ30に押し付けられる。一方、上側筐体24と下側筐体21が開くと、接触盤40がセンサーチップ30から離間する。
図2は、接触盤40の平面図である。図3は、図2に示されたIII−IIIに沿った断面を矢印方向へ向かって見て示した断面図である。
図3に示すように、センサーチップ30は基板31の上面に干渉膜(薄膜)32が設けられて形成されている。基板31は例えばシリコンからなる。基板31は矩形薄板状を呈している。干渉膜32は例えば窒化シリコンからなる。干渉膜32は気相成長法(例えば、蒸着法)によって基板31上に堆積されたものである。干渉膜32の表面がリガンド修飾されていてもよいし、修飾されていなくてもよい。センサーチップ30はその表側の面が接触盤40に向けられた状態でテーブル22上に載置される。センサーチップ30の表側の面が干渉膜32の表面であり、センサーチップ30の裏側の面が基板31の下面である。センサーチップ30は測定毎に新たなものを準備して使用すればよい。
図2及び図3に示すように、接触盤40はボード41、シール43、透光部材48、第二シール50等を有する。
ボード41は樹脂材料(例えば、ポリアセタール樹脂(例えば、ポリオキシメチレン(polyoxymethylene : POM)、アクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート(Poly(methyl methacrylate) : PMMA)、ABS樹脂)又はガラス材料からなる。ボード41はゴム材料よりも弾性率が高い。なお、本実施の形態においては、ボード41はガス透過性の低い材料、具体的には25℃での酸素透過度が720,000(cc/m2・24h/atm)より低い材料で形成されている。このような材料としては、アクリル樹脂やABS樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられる。
このボード41は、矩形板状に形成されていて、六つの面41a〜41eを表面に有する。ボード41の六面41a〜41eのうち、合わせ面41aがセンサーチップ30に対向する面である。
合わせ面41aには板状の対面基板410が密着しており、これによりボード41は対面基板410の上面に当接して配設された状態となっている。なお、本実施の形態においては、対面基板410はボード41と同じ材料により、当該ボード41と一体的に形成されている。
対面基板410は、上側筐体24の回動時にセンサーチップ30の上面に当接して密着するようになっており、当該センサーチップ30とで検出器Kを構成している。即ち、対面基板410の下面410aには、角丸長方形環状の溝42が凹設されており、センサーチップ30の上面に対向することでセンサーチップ30との間に流路60(後述の図4(a)や図7参照)を形成するようになっている。なお、この流路60における少なくとも上流端部の領域の内壁上面、つまり下面410aにおける後述の導入孔45近傍の領域には、図4(a)に示すように、吸水シート600が配設されている。この吸水シート600は、液体試料を吸収して濡れることにより、流路60の上流端部に気泡が生じるのを防止するようになっている。このような吸水シート600としては、従来より公知のものを用いることができる。
ここで、図5は、環状溝42及びその周囲を示した平面図であり、図6は、図5に図示のV−Vに沿った面を矢印方向へ向かって見て示した断面図である。
図3,図5,図6に示すように、環状溝42にシール43が嵌め込まれている。シール43の太さが環状溝42の深さよりも太く、シール43の一部が環状溝42から突出している。シール43は、エラストマー性を有したオーリング(Oリング)である。シール43はニトリルゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム又は水素化ニトリルゴムからなる。これらの中ではフッ素ゴムが好ましい。シール43のゴム硬さは国際ゴム硬さ(IRHD)で70〜90度である。
環状溝42及びシール43の内側の下面410aには、導入孔45、排出孔46及び導光孔47が開口している。具体的には、導入孔45、排出孔46及び導光孔47は、環状溝42及びシール43の内側の下面410aに凹設された角丸長方形の凹部44の底に形成されている。導入孔45は環状溝42及びシール43によって形作られる角丸長方形の一端部において開口し、排出孔46はその角丸長方形の他端部において開口する。導光孔47は導入孔45と排出孔46の間において開口する。導入孔45から導光孔47までの距離は導光孔47から排出孔46までの距離よりも短く、導光孔47が排出孔46に寄っている。
導入孔45は、対面基板410の下面410aからボード41の側面41cまで貫通するように対面基板410及びボード41の内部に設けられている。この導入孔45は、対面基板410の側の部分においては、本発明における貫通孔であり、当該対面基板410を貫通して設けられている。また、導入孔45は、ボード41の側の部分においては、本発明における供給流路であり、対面基板410側の導入孔45を介して流路60に液体試料を流入させるよう、ボード41の内部に形成されている。この導入孔45は、ボード41の側面41dにおける導入孔45の開口部は、図1に示すように、試料注入装置29に接続されている。試料注入装置29は、本発明における試料供給手段であり、液体試料を導入孔45に注入することで検出器Kのボード41側から流路60に流入させるものである。この試料注入装置29は、例えばシリンジポンプである。液体試料にはアナライトが含まれている。アナライトは生体分子(例えばタンパク質、核酸、脂質及び糖)又はそれと結合する外来物質(例えば、薬剤物質、内分泌錯乱化学物質)である。なお、アナライトが液体試料に含まれていないこともある。
排出孔46は、図3,図5,図6に示すように、対面基板410の下面410aからボード41の側面41dまで貫通するように対面基板410及びボード41の内部に設けられている。ボード41の側面41dにおける排出孔46の開口部は、図1に示すように、廃液容器290に接続されている。また、排出孔46の開口部には、送気ポンプ291が接続されている。この送気ポンプ291は、上述の試料注入装置29と協働することによって本発明における圧力制御手段を構成しており、排出孔46から流路60内の液体試料を加圧することにより、流路60内の圧力を外圧よりも高くするようになっている。但し、流路60内の圧力を高くする手法はこれに限定されるものではなく、例えば排出孔46と廃液容器290との接続部分をシーリングした上で当該廃液容器290内の廃液を加圧することにより、流路60内の圧力を高くすることとしても良い。または、送気ポンプ291を設けずに排出孔46の内径を導入孔45の内径よりも小さくし、試料注入装置29から液体試料を加圧しつつ供給することによって流路60内の圧力を高くしても良い。
ここで、流路60内の圧力は1気圧(≒0.1013MPa)より大きければ良く、0.198MPaより大きいことが好ましい。内圧が0.198MPaより大きい場合には、流路60内の液体試料の沸点が120℃よりも高くなる。
導光孔47は、図3,図5,図6に示すように、対面基板410の下面410aからボード41の裏面41bまで貫通するよう対面基板410及びボード41の内部に設けられており、光源25からの照射光及びセンサーチップ30からの反射光を通過させるようになっている。導光孔47の内面が暗色(特に、黒色)であり、その内面が反射防止処理及び透光防止処理されている。例えば、導光孔47の内面が黒塗装されているか、ボード41が黒色で不透明である。
導光孔47のうち下面410a側の開口部分47aが段付き穴となっている。つまり、導光孔47の開口部分47aは、下面410a寄りの大径部47bと、大径部47bよりも裏面41b寄りの小径部47cとからなり、大径部47bは小径部47cよりも内径が大きい。
導光孔47の下面410a寄りの開口部分47aには、透光部材48が嵌め込まれており、その開口部分47aが透光部材48によって閉塞されている。具体的には、透光部材48が大径部47bに嵌め込まれている。透光部材48が対面基板410の下面410aにおいて露出し、透光部材48の露出面が凹部44の底に揃っており、透光部材48の露出面と凹部44の底の間に段差が無い。そのため、シール43によって囲われた領域を流れる液体試料の乱流が生じにくい。なお、液体試料の乱流が生じない程度であれば、透光部材48が凹部44の底から僅かに突き出ていたり、凹部44の底から僅かに引き込んでいたりしてもよい。
透光部材48は光学的透明性を有する。透光部材48は、少なくとも、ボード41への取り付けや、ボード41、シール43、センサーチップ30とで構成される流路に液体試料が流通させることによっては変形しない強度を持つ硬質材料からなる。具体的には、透光部材48が、シリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン(Poly dimethylsiloxane : PDMS)、シリコーンゴム、アクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート(Poly(methyl methacrylate) : PMMA)、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー(Cyclo Olefin Polymer : COP)、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリスチレン又はガラスからなる。これらの中ではガラスが好ましい。
透光部材48の外周面が段付き形状とされている。つまり、透光部材48が小径部48a及び大径部48bを有し、小径部48aが大径部48bと同心なるように大径部48bに連なって、これら小径部48aと大径部48bが一体成形され、小径部48aの径が大径部48bの径よりも短い。小径部48aが下面410aにおいて露出するように透光部材48が導光孔47の開口部分47aに嵌め込まれている。なお、透光部材48を導光孔47の開口部分47aに嵌め込む向きを反対にし、大径部48bが下面410aにおいて露出してもよい。
透光部材48の露出面が親水性処理されており、吸着防止膜49が透光部材48の露出面にコーティングされている。吸着防止膜49は、アナライトが透光部材48に吸着(特に、非特異吸着)することを抑制するものである。吸着防止膜49は親水性膜であることが好ましい。例えば、吸着防止膜49は、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol : PEG)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(略称MPC)ポリマー又はデキストランからなる。
透光部材48の外周面に第二シール50が環装されている。具体的には、第二シール50がエラストマー性を有したオーリングであり、透光部材48の小径部48aが第二シール50に嵌め込まれている。その第二シール50が透光部材48の外周面と導光孔47の内面との間に挟持され、導光孔47が第二シール50及び透光部材48によって密閉される。
ライトガイド26,27の先端側の部分が後方から透光部材48に向けて、つまり、センサーチップ30に向き合うように導光孔47に挿入され、ライトガイド26,27の先端が透光部材48へ指向する。ライトガイド26,27の先端側の部分がホルダー等によってボード41に固定されていることが好ましい。
以上のボード41と、テーブル22とには、流路60を上下から挟むよう、当該流路60に沿って調温用流路Rが設けられている。これらの調温用流路Rは、本発明における調温手段であり、図示しない流体供給装置から供給される所定温度の流体(気体または液体)を内部に流すことにより、流路60内の液体試料を上下から所定の温度(本実施の形態においては40℃以上、例えば80℃)に加熱して維持するようになっている。ここで、調温用流路Rにより調温された流路60の上面,下面の温度差は±0.5℃以下であることが好ましい。なお、これらの調温用流路Rは、図6に示すように、導入孔45や排出孔46、導光孔47の位置を避けてボード41やテーブル22に設けられている。
続いて、測定システム1の使用方法及び測定システム1の動作について説明する。
上側筐体24を後ろに起こし上げて、上側筐体24を開く。
次に、センサーチップ30の干渉膜32を上に向けてセンサーチップ30をテーブル22の上に載置する。
次に、上側筐体24を前に倒して、上側筐体24を閉じて、センサーチップ30と接触盤40を接触させる。そうすると、図7に示すように、接触盤40のシール43がセンサーチップ30の干渉膜32に圧接されて、そのシール43がセンサーチップ30によって圧縮される。シール43によって囲われた領域がセンサーチップ30によって蓋をされて、その領域に流路60が形成される。シール43がセンサーチップ30の干渉膜32に圧接されているから、シール性が高い。シール43が圧縮された状態でも、シール43の一部が環状溝42から僅かに突出し、対面基板410の下面410aと干渉膜32の間に僅かな隙間Gがある。
なお、図8に示すように、圧縮されたシール43が環状溝42から突出せず、下面410aが干渉膜32に接触して、干渉膜32と下面410aの間に隙間がなくもよい。この場合でも、シール43によって囲まれた領域には凹部44が形成されているから、凹部44がセンサーチップ30によって蓋をされて、その凹部44が流路60となる。
その後、演算処理装置4が試料注入装置29を制御し、液体試料が試料注入装置29によって導入孔45に注入される。その液体試料が流路60内を導入孔45から排出孔46へ流通し、その液体試料が排出孔46を通って廃液容器290へ排出される。また、このとき演算処理装置4が送気ポンプ291を制御し、流路60内の圧力を外圧よりも高くする。また、演算処理装置4が上述の液体供給装置を制御し、調温用流路Rに所定温度の流体を流すことで、流路60内の液体試料を所定の温度に加熱維持する。
また、演算処理装置4が光源25を点灯させ、光源25から発した光がライトガイド26によってライトガイド26の基端から先端へ伝達され、ライトガイド26の先端から出射した光が透光部材48及び吸着防止膜49を透過し、干渉膜32に入射する。干渉膜32に入射する光の反射光が吸着防止膜49及び透光部材48を透過し、その光がライトガイド27によってライトガイド27の先端から基端へ伝達される。
液体試料が流路60に流れると、その液体試料に含まれるアナライトが干渉膜32の表面に結合して、アナライトからなる薄膜が干渉膜32の表面に形成される。アナライトの薄膜の厚さが変化すると、アナライトの薄膜の表面から基板31と干渉膜32の界面までの光路長が変化するから、アナライトの薄膜や干渉膜32に入射する光の反射光の干渉波長が変化する。
演算処理装置4が分光測定器28を制御し、アナライトの薄膜や干渉膜32に入射する光の反射光の波長毎の強度が分光測定器28によって測定される。その測定結果が演算処理装置4に出力され、干渉波長の変化量が測定結果から演算処理装置4によって算出される。例えば、波長毎の強度を表した強度分布において最低強度を示す波長が干渉波長であり、測定初期における干渉波長と測定終期における干渉波長との差が演算処理装置4によって求められる。
以上の測定システム1によれば、流路60内の液体試料を所定の温度に加熱維持することで流路60内に気泡が生じ易くなる場合であっても、当該流路60内の圧力を外圧よりも高くするので、液体試料の沸点を上げて気泡の発生を防止することができる。従って、従来と異なり、流路形状やシステム構成を制限することなく、気泡による悪影響を防止することができる。
また、センサーチップ30との間に流路60を形成する対面基板410と、対面基板410の貫通孔を介して流路60に液体試料を流入させるための導入孔45を内部に有するボード41とが一体的に形成されているので、別体として形成されている場合と異なり、ボード41と対面基板410との繋ぎ目で液体試料に気泡が混入したり、液体試料が漏れたりしてしまうのを防止することができる。
また、対面基板410及びボード41はガス透過性の低い材料で形成されているので、ガス透過性の高い材料で形成されている場合と異なり、対面基板410やボード41をガスが透過して流路60に気泡が生じてしまうのを防止することができる。
また、流路60における少なくとも上流端部の領域の内壁上面には、吸水シート600が配設されているので、流路60の上流端部に気泡が生じるのを防止することができる。
また、調温用流路Rが流路60を挟むように上下2方向から当該流路60内の液体試料を加熱するので、流路60内の液体試料に温度勾配が生じてしまうのを防止し、アナライトと干渉膜32との結合反応を確実に生じさせることができる。
以上に本発明の実施形態及び変形例について説明した。本発明の技術的範囲は上述した実施形態や変形例に限定されない。また、本発明の適用可能な実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態や変形例から適宜変更可能である。
例えば、ボード41とテーブル22とには、流路60内の液体試料を所定温度に加熱維持する調温手段として、所定温度の流体を内部に流す調温用流路Rが設けられていることとして説明したが、図9(a)に示すように、他の手法によって流路60内の液体試料を所定温度に加熱維持する温調部200が設けられていても良い。このような温調部200としては、例えば図9(b)に示すように、流路60に近い側から温度センサー201、ペルチェ素子202、冷却フィン203及び冷却ファン204を備えるものを用いることができる。このうち、温度センサー201は流路60の温度を検知するものであり、ペルチェ素子202は流路60を加熱するものである。また、冷却フィン203及び冷却ファン204はペルチェ素子202を冷却するものである。
また、流路60における上流端部の領域の内壁上面に吸水シート600が配設されて流路60の上流端部に気泡が生じるのを防止することとして説明したが、他の手法により気泡の発生を防止することとしても良い。例えば図4(b)に示す測定装置2Aでは、流路60の中途部を検出器の外部に連通させる孔部601が対面基板410及びボード41に形成され、この孔部601には吸引装置(例えばピペットなど)602が接続されており、孔部601よりも流路60における上流側の領域の内壁上面に、当該領域の気泡を検知するための気泡感知センサー(例えばカメラなど)603が配設されている。そして、気泡感知センサー603により気泡が検知された場合には、吸引装置602が孔部601を介して流路60内の気泡を吸引するようになっている。
1 測定システム
25 光源
26 ライトガイド(照射手段)
27 ライトガイド(受光手段)
28 分光測定器(分光測定手段)
29 試料注入装置
30 センサーチップ
31 基板
32 干渉膜(薄膜)
41 ボード(板状部材)
42 溝
291 送気ポンプ(圧力制御手段)
410 対面基板
601 孔部
602 気泡吸引手段
603 気泡検知手段
K 検出器
R 調温用流路(調温手段)

Claims (6)

  1. 基板の上面に薄膜が設けられて形成されたセンサーチップと、溝が形成された面を前記センサーチップの上面に対向させることで当該センサーチップとの間に流路を形成する対面基板と、を有する検出器と、
    前記流路に液体試料を流入させる試料供給手段と、
    光源と、
    前記光源からの光を前記対面基板の側から前記センサーチップに照射する照射手段と、
    前記センサーチップからの反射光を受光する受光手段と、
    前記受光手段が受光した反射光の分光特性を測定する分光測定手段と、
    前記流路内の液体試料を所定の温度に加熱して維持する調温手段と、
    前記流路内の圧力を外圧よりも高くする圧力制御手段と、
    を備えることを特徴とする測定システム。
  2. 請求項1記載の測定システムにおいて、
    前記試料供給手段は、
    前記対面基板の上面に当接して配設され、前記照射手段からの照射光及び前記センサーチップからの反射光を通過させる板状部材を有し、
    前記板状部材の内部には、前記対面基板に設けられた貫通孔を介して前記流路に液体試料を流入させるための供給流路が形成されており、
    前記対面基板と、前記板状部材とは、一体的に形成されていることを特徴とする測定システム。
  3. 請求項2記載の測定システムにおいて、
    前記対面基板及び前記板状部材は、ガス透過性の低い材料で形成されていることを特徴とする測定システム。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の測定システムにおいて、
    前記調温手段は、
    前記流路を挟むように少なくとも2方向から当該流路内の液体試料を加熱することを特徴とする測定システム。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の測定システムにおいて、
    前記流路における少なくとも上流端部の領域の内壁上面には、吸水シートが配設されていることを特徴とする測定システム。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の測定システムにおいて、
    前記検出器には、
    前記流路の中途部を当該検出器の外部に連通させる孔部が形成されており、
    当該測定システムは、
    前記流路における前記孔部よりも上流側の領域の気泡を検知する気泡検知手段と、
    前記気泡検知手段により気泡が検知された場合に、前記孔部を介して前記流路内の気泡を吸引する気泡吸引手段と、
    を備えることを特徴とする測定システム。
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