JP6644329B2 - 導光路内蔵チップ、導光部材及び導光方法 - Google Patents

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本発明は、導光路内蔵チップ、導光部材及び導光方法に関し、特に、外部光源からの照射光を光分析用試料に導光すると共に、光分析用試料からの観測光を外部の光検出器へ導光する導光路内蔵チップ等に関するものである。
近年、ライフサイエンス分野におけるポイントオブケア(POCT)検査のように、吸光度法やレーザー誘起蛍光法などの光分析技術を用いた光測定装置の小型化が要請されている。
発明者らは、光測定装置の小型化を実現するために、顔料を少なくとも一部に含む樹脂を用いて光学系およびモノリシックな筐体を構成した光誘起蛍光測定器を提案した(例えば、特許文献1参照)。具体的には、以下の構成の特徴を有する。(1)照射光学系を構成する導光路、観測光収集光学系を構成する導光路の一部に、照射光及び観測光に対して透明な樹脂が充填されている。(2)これらの導光路を構成する透明樹脂を包囲するようにさらに樹脂を設ける。この樹脂には顔料が含有されている。(3)顔料は、迷光を吸収する特性を有する。顔料の含有量は、少なくとも迷光を全て吸収する量に設定されている。(4)透明樹脂と顔料含有樹脂との樹脂の材質は同じである。
上記の構成により、例えば、以下の作用・効果を奏する。まず、透明樹脂と顔料含有樹脂との樹脂の材質を同じにすることにより、両樹脂が接触する界面において光の反射や散乱が抑制される。また、顔料含有樹脂に入射した迷光は、顔料により吸収される。そのため、導光路を構成する透明樹脂に戻ることはほとんどない。さらに、顔料含有樹脂から外部へ迷光が漏れることもない。そのため、迷光の複雑な多重反射がほとんど発生しない。結果として、観測光収集光学系は、複雑な多重反射に対応する必要がなく簡便化され、結果的に本測定器は小型化される。以下、このようなシリコーン樹脂で構築した光学系の技術を、SOT(Silicone Optical Technologies)と呼称することにする。
SOT技術は、光測定装置に応用できるだけではなく、例えば、μTAS(マイクロ総合分析システム;Micro Total Analysis System)用の光学チップにも応用できる。また、本発明者らが提案した、タブレット端末、スマートフォン等の携帯型端末機器のディスプレイ表面にマイクロチップを貼り付けて光学測定を行うLOT(Labo on Tablet)方式に用いる光分析装置、光分析処理装置に含まれるマイクロチップにも応用が検討されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
通常のフローインジェクション分析(Flow Injection Analysis:FIA)の光分析装置等に用いられるFIA用マイクロチップは、特許文献4に示されるように、マイクロチップの反応槽の上方(あるいは下方)から光を照射して、同一あるいは少し角度が異なる光軸上の下方(あるいは上方)で反応槽からの観測光を受光するものが多い。
特許第5665811号公報 特開2014−163818号公報 特開2015―158384号公報 特開2007−64901号公報
しかしながら、LOT方式による光学測定においては、携帯型端末機器のディスプレイ(の一部領域)を光源、内蔵カメラを検出器として用いるため、照射光光源の光放出面(光照射面)と、観測光を検出する面(光検出面)は同一平面となる。また上記したように、従来のFIA用チップを用いる場合は、照射光の光軸と観測光の光軸とはほぼ同軸であるのに対し、LOT方式の場合は、照射光光源の光放出面の光軸と内蔵カメラの受光光軸との間も大きく離れている(例えば、1cm以上)。
図5にSOT技術を適用したLOT用導光路内蔵201チップの構成例を示す。この導光路内蔵チップ201は、試料が注入される試料流入口203と試料が排出される試料流出口205とを連通する流路207を備え、流路207と交差するように、透明シリコーン樹脂からなる導光路209を備えている。導光路209は、顔料含有シリコーン樹脂211で包囲されている。図5のA−A断面図に示すように、導光路209は第1の導光路213及び第2の導光路215からなる。第1の導光路213の一方の端部、第2の導光路215の一方の端部は、流路207を流れる試料と接触する。すなわち、上記両端部は、流路207の壁の一部を構成する。第1の導光路213及び第2の導光路215は、空気室(217、219)と接する斜面が形成されている。導光路209を構成するシリコーン樹脂と、空気室内の大気とは屈折率差がある。この屈折率差を利用して、携帯型端末機器221のディスプレイ223の発光領域225からの光を、流路207を通過させ、内蔵カメラ227へと導光する。
そのため、上方から照射して下方で光を検出する(あるいは下方から照射して上方で光を検出する)ことを前提とした通常のFIA用マイクロチップを、図5に示すような光照射面と光検出面が同一平面であるLOT用導光路内蔵チップの試料の流路へ転用することは困難である。
ゆえに、本発明は、LOT用導光路内蔵チップの試料の流路として、通常のFIA用マイクロチップを使用することが容易な導光路内蔵チップ等の提供を目的とする。
本発明の第1の観点は、外部光源からの照射光を光分析用試料に導光すると共に、前記光分析用試料からの観測光を外部の光検出器へ導光する導光路内蔵チップであって、前記光分析用試料を保持する試料保持部材と、前記照射光を前記試料保持部材へ導光すると共に、前記観測光を前記外部光源と同じ側にある前記光検出器へ導光する導光部材と、光を前記導光部材の方に反射する光反射部材とを備え、前記導光部材は、前記照射光を前記試料保持部材へ導光する第1導光路と、前記光反射部材で反射された光を前記光検出器へ導光する第2導光路とを有する、導光路内蔵チップである。
本発明の第2の観点は、第1の観点の導光路内蔵チップであって、前記試料保持部材及び前記導光部材は、互いに分離可能である。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点の導光路内蔵チップであって、前記第1導光路は、前記照射光を前記導光部材の内部へ導入する第1光導入部と、前記照射光を前記導光部材の外部へ導出する第1光導出部とを有し、前記第2導光路は、前記観測光を前記導光部材の内部へ導入する第2光導入部と、前記観測光を前記導光部材の外部へ導出する第2光導出部とを有し、前記第1光導入部と前記第2光導出部とは同一面上にあり、前記第1光導出部と前記第2光導入部とは同一面上にある。
本発明の第4の観点は、第2又は第3の観点の導光路内蔵チップであって、前記導光部材、前記試料保持部材及び前記光反射部材は、互いに分離可能であり、かつ、順に隣接しており、前記導光部材は、前記第1導光路及び前記第2導光路を取り囲む遮光部をさらに有し、前記試料保持部材の表面のうち、前記導光部材及び前記光反射部材のどちらとも隣接していない面が、外部からの光を遮る遮光面からなる。
本発明の第5の観点は、第2から第4のいずれかの観点の導光路内蔵チップであって、前記試料保持部材及び前記導光部材が、シリコーン樹脂を材料として形成されている。
本発明の第6の観点は、外部光源からの照射光を光分析用試料に導光すると共に、前記光分析用試料からの観測光を外部の光検出器へ導光する導光部材であって、前記照射光を外部にある前記光分析用試料を保持する試料保持部へ導光する第1導光路と、前記観測光を前記試料保持部から前記光検出器へ導光する第2導光路とを備え前記第1導光路は、前記照射光を前記導光部材の内部へ導入する第1光導入部と、前記照射光を前記導光部材の外部へ導出する第1光導出部とを有し、前記第2導光路は、前記観測光を前記導光部材の内部へ導入する第2光導入部と、前記観測光を前記導光部材の外部へ導出する第2光導出部とを有し、前記第1光導入部と前記第2光導出部とは同一面上にあり、前記第1光導出部と前記第2光導入部とは同一面上にある、導光部材である。
本発明の第7の観点は、外部光源からの照射光を光分析用試料に導光すると共に、前記光分析用試料からの観測光を外部の光検出器へ導光する導光路内蔵チップを用いた導光方法であって、前記導光路内蔵チップは、前記光分析用試料を保持する試料保持部材と、前記照射光を前記試料保持部材へ導光すると共に、前記観測光を前記外部光源と同じ側にある前記光検出器へ導光する導光部材と、光を前記導光部材の方に反射する光反射部材とを備え、前記導光部材は、前記照射光を前記試料保持部材へ導光する第1導光路と、前記光反射部材で反射された前記観測光を前記光検出器へ導光する第2導光路とを有し、前記照射光に前記第1導光路を通過させる第1導光ステップと、前記第1導光路を通過した光を前記光反射部材で反射させる反射ステップと、前記光反射部材で反射された光に前記第2導光路を通過させる第2導光ステップとを含む、導光方法である。
本発明の各観点によれば、光反射部材を活用することにより、通常のFIA用マイクロチップを、光照射面と光検出面が同一平面であるLOT方式において転用することが可能となる。具体的には、試料保持部材の下方からの照射光を試料保持部材の上方にある光反射部材が反射して、試料保持部材の下方にある光検出部へ導光することが可能となる。このとき、試料保持部材を挟持する導光部材と光反射部材は、外部光源からの照射光を試料保持部材の反応槽に導光し、反応槽を通過した観測光を外部光検出器に導光するように協働する。すなわち、導光部材と光反射部材は、試料保持部材に対して、照射光の導入面と観測光の導出面を同一面であるLOT方式に対応した導光機能を付与するように協働する。また、第2光路の光路長等を適宜設定することにより、照射光の光軸と内蔵カメラの受光光軸とがある程度離れているLOT方式の光学系にも対応した導光機能を付与するようにも協働する。
よって、導光路内蔵チップの試料保持部材として通常のFIA用マイクロチップ等を用いても、LOT方式に対応させることが可能となる。
また、本発明の第2の観点によれば、通常のFIA用マイクロチップを試料保持部材として用いることがさらに容易となる。
しかも、本発明の第2の観点によれば、導光部材を携帯型端末機器上に設置したまま、試料保持部材を取り外すことが可能となる。LOT用導光路内蔵チップをタブレット端末等の携帯型端末機器上に設置する際には、外部光源からの照射光が第1導光路に入り、観測光が第2導光路から外部光検出器に入るように配置する必要がある。通常、導光路は顔料含有シリコーン樹脂で包囲されており外部から目視できないため、導光路内蔵チップの配置に手間がかかる。これに対して、本発明の第2の観点によれば、従来の一体型の導光路内蔵チップとは異なり、導光部材を携帯型端末機器上に設置したまま試料保持部材を交換できる。このため、手間のかかる設置作業の回数を削減することができる。
本発明の第3の観点によれば、導光路内蔵チップが導光部材、試料保持部材及び光反射部材の多層構造を具体的に構成することが容易となる。
本発明の第4の観点によれば、外部から導光路内蔵チップ内へ入射する不要な光を遮ることができ、より高精度な光分析が可能となる。
本発明の第5の観点によれば、試料保持部材及び導光部材が分離可能であることを前提に、部材間の界面における不要な反射や屈折を抑制することが容易となる。
導光路内蔵チップ(実施例1)の断面図である。 タブレット端末上に設置したときの導光路内蔵チップ(実施例1)の斜視図である。 FIA用マイクロチップの平面図である。 導光路内蔵チップ(実施例2)の断面図である。 従来の一体型導光路内蔵チップの平面図及び断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について述べる。なお、本発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
LOT用導光路内蔵チップの全体構造例
本発明に係るLOT用の導光路内蔵チップ6は、タブレット端末のディスプレイからの照射光を光分析用試料に導光すると共に、光分析用試料からの観測光をタブレット端末のカメラへ導光する。タブレット端末のディスプレイが平面であるため、外部光源と光検出器が同一平面上にあることとなる。導光路内蔵チップ6は、多層構造である。具体的には、図1に示すように、導光路内蔵チップ6は、最下層の導光部材1と、最上層の光反射部材3と、両者に挟まれた中層の試料保持部材5を備えている。また、導光部材1と、光反射部材3と、試料保持部材5は、互いに分離可能であり、導光部材1、試料保持部材5及び光反射部材3が順に隣接している。図2は、タブレット端末上に設置したときの導光路内蔵チップ6の斜視図である。
試料保持部材
中層の試料保持部材5には、例えば、通常のFIA用マイクロチップの構造を有するマイクロチップ構造体が用いられる。図3は、FIA用マイクロチップ構造体であり、図1のC方向矢視図である。FIA用マイクロチップ構造体は、試料溶液が流入される試料流入口7を有する流路Aと、上記試料溶液と特異的に化学反応を起こす反応試薬溶液が流入される反応試薬溶液流入口9を有する流路Bと、上記した両流路の下流端部が合流してなり、試料溶液と反応試薬溶液の混合溶液が流入する反応槽11を有する流路Cが設けられる。試料保持部材5は、例えば、透明なシリコーン樹脂(PDMS樹脂)からなる。
なお、SOT技術を適用して、試料保持部材5の透明なシリコーン樹脂部分を包囲するように、導光部材1及び光反射部材3のどちらとも隣接していない面が外部からの光を遮る遮光面となるように、顔料含有シリコーン樹脂部(本願請求項に記載の「遮光面」)を設けてもよい。この場合、透明なシリコーン樹脂と顔料含有シリコーン樹脂とは同じ樹脂材料である。
導光部材
最下層の導光部材1は、SOT技術が適用され、顔料含有シリコーン樹脂(図中の灰色部分)、透明シリコーン樹脂(ドット部分)、並びに、空気室及び照射光取込用孔部(白色部分)で構成される。透明シリコーン樹脂部13、空気室(25、27、29)及び照射光取込用孔部17は、導光路として機能する。照射光取込用孔部17(本願請求項記載の「第1導光路」の一例)は、照射光取込用孔部17を通過するディスプレイ16からの光が試料保持部材5の反応槽11を通過できるような位置に設けられる。第1導光路は、発光領域からの照射光を導光部材1の内部に導入する第1光導入部18(本願請求項記載の「第1光導入部」の一例)と、照射光を導光部材1の外部へ導出する第1光導出部20(本願請求項記載の「第1光導出部」の一例)とを備える。また、導光部材1は、光反射部材3が反射した光を、内蔵カメラ35(本願請求項に記載の「光検出器」の一例)に導光する第2導光路(本願請求項記載の「第2導光路」の一例)を備える。本実施例においては、空気室25、27及び29、並びに、透明シリコーン樹脂部13が第2導光路を形成する。第2導光路は、光反射部材3で反射された光を第2導光路の内部に導入する第2光導入部24(本願請求項記載の「第2光導入部」の一例)と、第2導光路の内部の光を外部に導出する第2光導出部34(本願請求項記載の「第1光導出部」の一例)とを備える。また、第1光導入部18と第2光導出部34とは同一面上にあり、第1光導出部20と第2光導入部24とが同一面上にある。さらに、導光部材1は、第1光導光路及び第2導光路を取り囲む遮光部を備える。
光反射部材
最上層の光反射部材3は、試料保持部材5と接する面が光反射面19となっている。光反射部材3には、例えば、アルミ蒸着フィルムが用いられる。食品の包装材としても用いられているアルミ蒸着フィルムは、軽く、安価であり、本発明に係る導光路内蔵チップ6の光反射面19の材料に適している。なお、タブレット端末のディスプレイからタブレット端末の内蔵カメラに至る光路は、照射光が光反射部材3に反射された後に試料に照射される光路であってもよいし、照射光が試料保持部材5に保持された試料を透過した後に光反射部材3に反射される光路であってもよい。
本発明のLOT用導光路内蔵チップの機能
照射光取込用孔部17を通過したタブレット端末15の所定の発光領域(本願請求項に記載の「外部光源」の一例)からの光は、試料保持部材5の反応槽11にある試料(試料および反応試薬の混合溶液)に照射される。照射光21が照射された試料から放出される観測光23は、光反射面19により反射され、導光部材1の第1の空気室25へ入射する。第1の空気室25の下部には、顔料含有シリコーン樹脂(灰色部分)と接する斜面がある。顔料含有シリコーン樹脂(PDMS樹脂)と、第1の空気室25の大気とは屈折率差がある。この屈折率差により、大気に対するPDMS樹脂の臨界角以上の入射角で透明シリコーン樹脂部13を進行する光が上記斜面に入射すると、光は斜面において全反射される。第1の空気室25と接する斜面により反射された光(すなわち、観測光)は、導光部材1の方へ反射され、透明シリコーン樹脂部13の一端に入射し、当該透明シリコーン樹脂部13を通過する。上記したように、透明シリコーン樹脂部13に入射する迷光は、透明シリコーン樹脂部13を包囲する顔料含有シリコーン樹脂(灰色部分)に吸収される。よって、透明シリコーン樹脂部13内は、迷光を殆ど含まない観測光23が導光される。透明シリコーン樹脂部13の他端には、第2の空気室27、第3の空気室29が設けられる。第2の空気室27と透明シリコーン樹脂部13との界面は斜面31になっている。また、第3の空気室29と透明シリコーン樹脂部13との界面も斜面33となっている。斜面31と斜面33は、透明シリコーン樹脂部13と第2、第3の空気室との屈折率差を考慮して、第2の空気室27を通過して斜面31に入射し、屈折して斜面33に到達する観測光23が、タブレット端末15の内蔵カメラ35に進行するように設定されている。すなわち、観測光23は、透明シリコーン樹脂からなる導光路を介して、内蔵カメラ35に導光される。
すなわち、導光部材1と光反射部材3の協働により、照射光21が照射された試料から放出される観測光23を、外部光源の光出射面(第1光導入部18)と同一平面上にある光検出器の光入射面(第2光導出部34)に導光することが可能となる。
また、図1に示すように、透明シリコーン樹脂部13(第2導光路)の長さを適宜設定することにより、照射光21を放出する外部光源の光軸と光検出器の受光光軸とが離れていても(すなわち、第1光導入部18と第2光導出部34とが離れていても)、上記観測光23を光検出器に導光することが可能となる。通常のタブレット端末のディスプレイ部と内蔵カメラとの離間距離やLOT用導光路内蔵チップの厚みを1cm以下として考えると、第2導光路(透明シリコーン樹脂部13)は例えば、1cm以上の長さが必要になると考えられる。
本発明のLOT用導光路内蔵チップの設置手順例
まず、導光部材1を、光源からの照射光21が照射光取込用孔部17に入り、観測光23が第2導光路から内蔵カメラ35に入るようにタブレット端末15等のディスプレイ16上に設置する。次に、試料保持部材5を導光部材1の上の所定位置に設置する。所定位置とは、導光部材1の照射光取込用孔部17からの照射光21が試料保持部材5の反応槽11に照射され、反応槽11の測定溶液から放出される観測光23が導光部材1の第1の空気室25に導入可能な位置である。最後に、反応槽11の上部を覆うように、光反射部材3を設置する。
本発明のLOT用導光路内蔵チップの測定手順例
LOT用導光路内蔵チップ6をディスプレイ16上に設置した後、FIA用マイクロチップの試料流入口7に試料溶液を、反応試薬流入口9に反応試薬溶液を注入する。FIA用マイクロチップ構造体に備えられている図示を省略したポンプ手段やダイヤフラム構造の送液手段を動作させ、試料溶液を流路Aに流し、反応試薬溶液を流路Bに流す。試料溶液と反応試薬溶液が、流路Cで混合され、反応しながら反応槽11に流入する。タブレット端末15の特定領域を発光させ、当該特定領域から放出される光を照射光21として、反応槽11に照射する。反応槽11内の溶液から放出される観測光23は、最上層の光反射部材3の光反射面19により反射され、試料保持部材5を介して、最下層の導光部材1の第1の空気室25に入射する。そして観測光23は、透明シリコーン樹脂部13を通過し、透明シリコーン樹脂部13が第2の空気室27と接する斜面31、第3の空気室29と接する斜面33を経由して、タブレット端末15の内蔵カメラ35に入射する。タブレット端末15に内蔵されている演算部は、内蔵カメラ35で受光した観測光23の情報を基に演算して、FIA用マイクロチップ構造体の反応槽11内の反応溶液の状態を分析する。上記分析は、反応槽11に試料溶液と反応試薬溶液とが流入し、反応が終了したのち行われてもよいし、反応槽11に試料溶液と反応試薬溶液とが流入して反応が進行する状態を分析するようにしてもよい。
本発明のLOT用マイクロチップ構造は、図1に示す構造例に限るものではない。例えば、図4に示す構造例のように構成してもよい。
すなわち、図1における第1の空気室25と接する斜面をアルミニウムでコーティングした光反射面101としてもよい。また、図1の透明シリコーン樹脂部13内に、観測光23を導光するための光ファイバ103を埋設してもよい。すなわち、光ファイバ103は透明シリコーン樹脂部13内に埋設され、当該透明シリコーン樹脂部13は、顔料含有シリコーン樹脂に包囲される。よって、光ファイバ103表面から外部に放出される迷光は、透明シリコーン樹脂部13を通過して顔料含有シリコーン樹脂に吸収される。また、図1の第2の空気室27、第3の空気室29に替えて、屈曲用プリズム部材105を設置してもよい。
1・・・導光部材、3・・・光反射部材、5・・・試料保持部材、6・・・導光路内蔵チップ、7・・・試料流入口、9・・・反応試薬溶液流入口、11・・・反応槽、13・・・透明シリコーン樹脂部、15・・・タブレット端末、16・・・ディスプレイ、17・・・照射光取込用孔部、18・・・第1光導入部、19・・・光反射面、20・・・第1光導出部、21・・・照射光、23・・・観測光、24・・・第2光導入部、25・・・第1の空気室、27・・・第2の空気室、29・・・第3の空気室、31・・・斜面(第2の空気室)、33・・・斜面(第3の空気室)、34・・・第2光導出部、35・・・内蔵カメラ、101・・・光反射面、103・・・光ファイバ、105・・・屈曲用プリズム、201・・・導光路内蔵チップ、203・・・試料流入口、205・・・試料流出口、207・・・流路、209・・・導光路、211・・・顔料含有シリコーン樹脂、213・・・第1の導光路、215・・・第2の導光路、217・・・空気室、219・・・空気室、221・・・携帯型端末機器、223・・・ディスプレイ、225・・・発光領域、227・・・内蔵カメラ

Claims (7)

  1. 外部光源からの照射光を光分析用試料に導光すると共に、前記光分析用試料からの観測光を外部の光検出器へ導光する導光路内蔵チップであって、
    前記光分析用試料を保持する試料保持部材と、
    前記照射光を前記試料保持部材へ導光すると共に、前記観測光を前記外部光源と同じ側にある前記光検出器へ導光する導光部材と、
    光を前記導光部材の方に反射する光反射部材とを備え、
    前記導光部材は、
    前記照射光を前記試料保持部材へ導光する第1導光路と、
    前記光反射部材で反射された光を前記光検出器へ導光する第2導光路と、
    前記第1導光路及び前記第2導光路を取り囲む遮光部とを有し、
    前記第1導光路は、前記照射光を前記導光部材の内部へ導入する第1光導入部と、前記照射光を前記導光部材の外部へ導出する第1光導出部とを有し、
    前記第2導光路は、前記光反射部材で反射された光である前記観測光を前記導光部材の内部へ導入する第2光導入部と、前記観測光を前記導光部材の外部へ導出する第2光導出部とを有し、
    前記第1光導入部と前記第2光導出部とは同一面上にあり、
    前記第1光導出部と前記第2光導入部とは同一面上にあり、
    前記遮光部は顔料含有樹脂によって構成され、
    前記第2導光路に前記顔料含有樹脂と同じ材質の透明樹脂が充填されている、導光路内蔵チップ。
  2. 前記第2導光路は空気室を有し、
    前記空気室内の大気と前記透明樹脂との境界における屈折率差による反射を利用して、前記光反射部材で反射された光である前記観測光を前記光検出器へ導光する、請求項1記載の導光路内蔵チップ。
  3. 前記導光部材、前記試料保持部材及び前記光反射部材は、互いに分離可能であり、かつ、順に隣接しており
    前記試料保持部材の表面のうち、前記導光部材及び前記光反射部材のどちらとも隣接していない面が、外部からの光を遮る遮光面からなる、請求項記載の導光路内蔵チップ。
  4. 前記試料保持部材は透明なシリコーン樹脂を材料として形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の導光路内蔵チップ。
  5. 前記導光部材の樹脂は、シリコーン樹脂である、請求項1から4のいずれかに記載の導光路内蔵チップ。
  6. 外部光源からの照射光を光分析用試料に導光すると共に、前記光分析用試料からの観測光を外部の光検出器へ導光する導光部材であって、
    前記照射光を外部にある前記光分析用試料を保持する試料保持部へ導光する第1導光路と、
    前記観測光を前記試料保持部から前記光検出器へ導光する第2導光路と
    前記第1導光路及び前記第2導光路を取り囲む遮光部とを備え、
    前記第1導光路は、前記照射光を前記導光部材の内部へ導入する第1光導入部と、前記照射光を前記導光部材の外部へ導出する第1光導出部とを有し、
    前記第2導光路は、前記観測光を前記導光部材の内部へ導入する第2光導入部と、前記観測光を前記導光部材の外部へ導出する第2光導出部とを有し、
    前記第1光導入部と前記第2光導出部とは同一面上にあり、
    前記第1光導出部と前記第2光導入部とは同一面上にあ
    前記遮光部は顔料含有樹脂によって構成され、
    前記第2導光路に前記顔料含有樹脂と同じ材質の透明樹脂が充填されている、導光部材。
  7. 外部光源からの照射光を光分析用試料に導光すると共に、前記光分析用試料からの観測光を外部の光検出器へ導光する導光路内蔵チップを用いた導光方法であって、
    前記導光路内蔵チップは、
    前記光分析用試料を保持する試料保持部材と、
    前記照射光を前記試料保持部材へ導光すると共に、前記観測光を前記外部光源と同じ側にある前記光検出器へ導光する導光部材と、
    光を前記導光部材の方に反射する光反射部材とを備え、
    前記導光部材は、
    前記照射光を前記試料保持部材へ導光する第1導光路と、
    前記光反射部材で反射された前記観測光を前記光検出器へ導光する第2導光路と、
    前記第1導光路及び前記第2導光路を取り囲む遮光部とを有し、
    前記第1導光路は、前記照射光を前記導光部材の内部へ導入する第1光導入部と、前記照射光を前記導光部材の外部へ導出する第1光導出部とを有し、
    前記第2導光路は、前記光反射部材で反射された光である前記観測光を前記導光部材の内部へ導入する第2光導入部と、前記観測光を前記導光部材の外部へ導出する第2光導出部とを有し、
    前記第1光導入部と前記第2光導出部とは同一面上にあり、
    前記第1光導出部と前記第2光導入部とは同一面上にあり、
    前記遮光部は顔料含有樹脂によって構成され、
    前記第2導光路に前記顔料含有樹脂と同じ材質の透明樹脂が充填されており、

    前記照射光に前記第1導光路を通過させる第1導光ステップと、
    前記第1導光路を通過した光を前記光反射部材で反射させる反射ステップと、
    前記光反射部材で反射された光に前記第2導光路を通過させる第2導光ステップとを含む、導光方法。
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