JP2014102133A - 放射線測定装置及び放射線測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画角範囲内の放射線の線量を画素ごとに検出する放射線検出器と、前記画角範囲内の画像を取得するカメラと、前記画角範囲内の被測定対象物までの距離を前記画素ごとに測定する距離測定部を有し、前記画素ごとに測定された距離が所定の第1の値以上であれば、当該画素を測定対象から除外して、前記放射線検出器が検出した線量、前記カメラが取得した画像、及び前記距離測定部が測定した距離をPCに出力し、前記PCのモニタまたは外付けモニタに、前記線量を画素ごとに、前記画像に重ね合わせて、前記線量に応じて色分け表示する。
【選択図】図8B
Description
非特許文献1には、放射線測定装置をノートPC(Personal Computer)等のPCと共に使用し、ガンマ線等の放射線の線量の測定結果を、カメラで撮像した映像に重ね合わせ、PC上のモニタに色分けして表示する技術を開示している。そして、非特許文献1では、測定対象から離れた場所から広範囲(10[m]の地点での視野角が8[m]×8[m])の放射線量を測定できる。そのため、測定対象に近接せずに線量の高い場所を特定でき、測定作業の効率化と作業員の安全確保を図ることができる。また、この装置では、測定する全256[画素]ごとに測定物までの距離をマルチスキャンで測定し,補正処理をしたうえで表面線量率を表示して、それにより、画素ごとの高精度な放射線測定を可能としている。
また表2は、約20[min]間カウントした場合の、画素平均(1[画素]当たり)の放射線の捕獲数に対する誤差割合を示す表である。
なお、表1をグラフにした図を図10に示し(横軸:全画素に対するカウント数、縦軸:誤差割合)、表2をグラフにした図を図11に示す(横軸:各画素に対するカウント数、縦軸:誤差割合)。
放射線検出部9の検出ボード1は、カード形状を呈し、γ(ガンマ)線、X線等の放射線を検出する検出ボードである。図1Aにおいて放射線100は、紙面の上方から下方に沿って入射してくる。即ち、放射線100は、検出ボード1の半導体素子10からカードホルダ30及びカードホルダ31に向かう方向に沿って入射して検出ボード1に到達する。そして、検出ボード1は、半導体素子10の側面(つまり、図1Aの上方に面している面)に放射線100が入射する。したがって、半導体素子10の側面が放射線100の入射面となっている。このように、半導体素子10の側面を放射線100の入射面とする検出ボード1を、エッジオン型の検出ボード1と称する。なお、検出ボード1は、特定の方向(例えば、検出ボード1に向かう方向)に沿って伝搬してくる放射線100が通過するピンホールを介して放射線100を検出する複数の検出ボード1が並べられて構成される放射線検出部用の検出ボード1として用いることができる。
図5において、1個の半導体素子10は、CdTe素子である。1個の半導体素子10は、4個のCdTe素子(センサー)10−1、10−2、10−3、及び10−4で構成される。図5の上方からガンマ線等の放射線が入射する。
CdTe素子10−1、10−2、10−3、及び10−4の横面のアノード側とカソード側には、それぞれ電極が形成され、検知した放射線を信号として取り出す。本実施例では、CdTe素子10−1、10−2、10−3、及び10−4のそれぞれについて、入射面は、d=w1=1[mm]、奥行き長hは、h=5[mm]としている。一般的に、入射面積(d×w1)を小さくすると解像度が増し、奥行き長hを大きくすると検出効率が向上する。
図6の放射線検出部9において、CdTe素子10−0は、図5に示すCdTe素子10−1、10−2、10−3、及び10−4のいずれか1つである。
CdTe素子10−0には、−600[V]が印加され、放射線が入射したことに基づいた信号が検出ボード1に出力される。検出ボード1のアンプ61は、入力された信号を所定の信号レベルに増幅して出力する。波形整形部62は、アンプ61の出力信号について波形整形して、検出ボード1の出力信号としてADC63に出力する。
ADC(Analog to Digital Converter)63は、入力された信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換して、PC64に出力する。放射線検出部9とPC64とは、例えば、USB2.0方式で信号伝送されるが、他の方式でも良い。
PC64は、入力された信号について、所定の処理を行って、画素ごとの放射線量を算出して、PC63内蔵のモニタまたは外付けのモニタに出力する。
基板20は、金属導体等の導電性材料からなる導電性薄膜(例えば、銅箔)が表面に形成された薄肉基板(例えば、FR4等のガラスエポキシ基板)を、ソルダーレジスト等の絶縁材料からなる絶縁層で挟んで形成される。また、基板20は、半導体素子10の電極に電気的に接続する素子接続部を有する。素子接続部の表面の一部の領域には導電性を有する銀ペースト等の導電性接着材が設けられる。半導体素子10の第1の面の電極は、素子接続部の表面に設けられる導電性接着材を介して素子接続部に電気的に接続されると共に、基板20に固定される。
基板20はカードホルダ30とカードホルダ31とに挟み込まれて支持される。カードホルダ30とカードホルダ31とはそれぞれ同一形状を有して形成され、カードホルダ30が有する溝付穴34にカードホルダ31が有する突起部36が嵌め合うと共に、カードホルダ31が有する溝付穴34(図示しない)にカードホルダ30が有する突起部36(図示しない)が嵌め合うことにより基板20を支持する。この場合において、一方のカードホルダの突起部36は、基板20の貫通孔27を通って他方のカードホルダの溝付穴34に嵌め合わされる。そして、電子部品250は、基板20の一方の面を支持するカードホルダ31により覆われる。電子部品250の表面とカードホルダ31の基板20側の面とは接触していることが好ましい。
図3Aは、本発明の放射線測定装置の一実施例の放射線検出部の検出ボードがラックに挿入された状態を説明するための側面図であり、検出ボード1がラック5に挿入された状態の側面の概要を示す。
なお、支持体2bの溝202bにおいても溝200bと同様であるので、詳細な説明は省略する。
なお、カードホルダ30及びカードホルダ31の厚さと溝200bの幅との大小関係に応じ、カードホルダ30の表面と壁部200aとの間には隙間300が生じ得る。
同様に、支持体2bからブロック部材50に熱が伝熱する。(図3Bの熱の流れ(矢印)403及び熱の流れ(矢印)405参照)。これにより、電子部品250において発生した熱の大部分が、半導体素子10が設けられている部分の反対側に向かって伝熱し、放射線検出モジュール7の外部に放熱される。
この場合、電子部品250からの熱は、主として凸部310を介してカードホルダ31aに伝熱する。凸部310は、例えば、金属材料から形成される。
図7における、放射線検出部9の内部構成は、図6で説明した通りである。
図7において、放射線検出部9は、所定の画角範囲について、画素(検出画素)ごとの放射線の線量を検出し、エネルギー値に対応するカウント値をPC64に出力する。同時に、Webカメラ72は、上記所定の画角範囲の映像を取得し、取得した映像データをPC64に出力する。また同時に、距離測定部74は、上記所定の画角範囲を、放射線検出部9の検出画素ごとに被測定対象物までの距離を計測し、計測した距離データをPC64に出力する。
PC64には、予め、本発明の放射線測定装置の出力を用いて放射線の線量を算出し、内蔵若しくは外付けのモニタ(図示しない)に表示するプログラムがメモリ(図示しない)に記憶され、このプログラムに従って、放射線測定処理が実行される。
PC64は、入力されたエネルギー値に対応するカウント値、映像データ、及び距離データに基づいて、検出画素ごとの放射線量を算出し、例えば、単位[Sv/h]の放射線量に変換する。
変換式は、例えば、放射線量γr[Sv/h]=N/測定時間×機器依存値Factor×(各検出素子の距離)2である。ここで、Nは各検出素子のガンマ線捕獲数である。
また、距離測定部74は、例えば、周知の3D距離画像センサ(例えば、日本信号株式会社製のECO SCAN(登録商標))を備え、検出画素または撮像画素ごとの、被測定対象物までの距離を計測する。
また、放射線検出部9と距離測定部74は、互いに同期して動作し、距離測定部74の距離測定結果、及び放射線検出部9の放射線検出結果とは同期するようにしている。また、Webカメラ72の撮像間隔に対して、放射線検出部9の放射線量の検出結果またはPC64の放射線量の算出結果の出力間隔がかなり長いので、放射線量の算出結果に合わせて、算出のために使用したデータの取得開始時間や取得終了時間、あるいはその間の時間に撮像した映像(画像80)を、モニタの表示画面に表示する。また、画角範囲を定めて測定を開始した場合に、撮像した映像は、静止画となる可能性が高いため、画角範囲を定めて測定を開始した時刻にWebカメラ72が撮像した画像をモニタの表示画面に表示するようにしても良い。
モニタの表示部には、画面80が表示されている。画面80には、Webカメラ72が被測定対象物を含む画角範囲内の画像を取得(撮像)した時の画像が表示される。なお、画面80には表示されないが、読者に分かり易いように、放射線検出部9の画素(検出画素)を格子状に区分して、枠81としている。画面80に表示された画像中には、地面83、家屋82、立木84、山85、及び空86がある。一般的には、下の行の画素に写る被測定対象物の方が上の行の画素に写る被測定対象物より距離が遠いが、被測定対象物の大きさ(高さや幅)によって異なるため、距離を一律には算出できない。また、同じ距離の被測定対象物であっても、放射線を検出したか否かが放射線の測定結果に影響する。
図8Aにおいて、斜線で示した検出画素87の被測定対象物は、距離が5mであり、検出された放射線の線量は10[μSv/h]である。また、交差斜線で示した検出画素88の被測定対象物は、距離が12mであり、検出された放射線の線量は20[μSv/h]である。この時、検出画素87は黄色に表示され、検出画素88は赤色に表示される。
検出画素88の赤色表示は、被被測定対象物までの距離が遠く、明らかに誤報であるが、操作者は、まず赤色表示の画素部分を見てしまう。また、誤報かどうかをチェックする必要もある。このため、放射線の線量測定の作業時間が多く費やされている。
図9に示すように、本発明の放射線測定装置は、距離測定部95、Webカメラ96、遮蔽扉97、及び取っ手98を備える。
図9の放射線測定装置において、遮蔽扉97を開くと、図9の矢印で示す放射線100がピンホール(図示しない)を通過して放射線検出部(図示しない)に入射するように構成されている。
遮蔽扉97は、測定前にバックグラウンド測定を行うためのものである。バックグラウンド測定とは、放射線測定装置の周囲から筐体を通過して入射するガンマ線を測定するためのものである。そして測定時に、ピンホールから入射するガンマ線を測定する時に、ピンホール以外(筐体)から入射してくるガンマ線の数を減算するものである。即ち、バックグラウンド測定は、外部からのガンマ線量を測定し、ピンホール前に遮蔽扉97を置いて、ピンホールを塞ぐことにより装置内を暗状態にし測定を行う。
なお、ピンホール前に置く遮蔽扉97は、ピンホール以外は遮蔽しない方が、通常測定での外部からの入射に近くなるので、ピンホール以外を覆う面積をできるだけ小さくするのが良い。
なお、取っ手98は、測定場所を移動する場合に持ち運びができるように設けたものである。さらに、図示していないが、PCに接続するためのコネクタが放射線測定装置に設けられている。
すでに述べたように、ガンマ線捕獲数から単位[Sv/h]の放射線量を算出するには、各CdTe素子でのガンマ線捕獲数Nに、放射線測定装置から放射線源までの距離の2乗を掛けて算出する。ところが、測定時間が短いために、測定誤差割合(=SQRT(N)/N)が小さくない場合には、放射線源(被測定対象物)までの距離が遠い画素では距離の2乗を掛けて算出するため、不当に大きな値になってしまうことがある。従って、測定範囲内の被測定対象物までの距離が遠いため、放射線量を測定値が最も大きい値となって、モニタに表示される場合がある。このため、遠い距離の放射線量の表示は、操作者が放射線量を確認する上での問題になっていた。
実施例1では、放射線測定装置の放射線測定器から遠い距離にある被測定物の線量を測定不能としてモニタに色分け表示しないようにして、規定距離以上離れた値の画素は測定対象から除外することにより、測定時間の短縮化を図った。
また、例えば、表1により、全画素でのカウント数が2000個以上になった時に測定結果を有効とする場合には、256個での表1の画素平均が7.8125個であるので、画素ごとでは、8個以下のカウント数までは測定対象外とするようにした場合には、表2で換算して、8個の場合の測定誤差割合が35.36[%]以下で測定できることになる。
同様に、測定誤差割合を予め定めて、カウント数を設定するようにしても良い。
また、上記実施例では、ガンマ線を検出するためにCdTe素子を使用したが、他の半導体素子であっても良いことは自明である。さらに、ガンマ線以外の放射線を、CdTe素子あるいは他の素子を使って検出するような放射線測定装置にも適用可能である。
Claims (6)
- 画角範囲内の放射線の線量を画素ごとに検出する放射線検出器と、
前記画角範囲内の画像を取得するカメラと、
前記画角範囲内の被測定対象物までの距離を前記画素ごとに測定する距離測定部を有し、
前記画素ごとに測定された距離が所定の第1の値以上であれば、当該画素を測定対象から除外して、前記放射線検出器が検出した線量、前記カメラが取得した画像、及び前記距離測定部が測定した距離をPCに出力し、前記PCのモニタまたは外付けモニタに、前記線量を画素ごとに、前記画像に重ね合わせて、前記線量に応じて色分け表示することを特徴とする放射線測定装置。 - 請求項1記載の放射線測定装置において、前記PCには、放射線の線量を前記PCのモニタまたは外付けモニタに、前記線量を画素ごとに、前記画像に重ね合わせて、前記線量に応じて色分け表示するためのプログラムが記憶されていることを特徴とする放射線測定装置。
- 請求項1または請求項2記載の放射線測定装置において、前記放射線検出器が検出する放射線の画素ごとのカウント数が所定の第2の値以下の場合には、当該画素を測定対象から除外することを特徴とする放射線測定装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の放射線測定装置において、前記放射線検出器の放射線を検出するセンサは、CdTe素子であることを特徴とする放射線測定装置。
- 請求項1または請求項2記載のカメラはWebカメラであることを特徴とする放射線測定装置。
- 画角範囲内の放射線の線量を画素ごとに検出する放射線検出器と、前記画角範囲内の画像を取得するカメラと、前記画角範囲内の被測定対象物までの距離を前記画素ごとに測定する距離測定部を有し、
前記画素ごとに測定された距離が所定の第1の値以上であれば、当該画素を測定対象から除外して、前記放射線検出器が検出した線量、前記カメラが取得した画像、及び前記距離測定部が測定した距離をPCに出力し、前記PCのモニタまたは外付けモニタに、前記線量を画素ごとに、前記画像に重ね合わせて、前記線量に応じて色分け表示することを特徴とする放射線測定方法。
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