JP2014101487A - ポリカーボネート樹脂の製造方法及びポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂の製造方法及びポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】色調の良好な、透明性、耐熱性、機械的強度及び耐衝撃性等にも優れた特性を有するポリカーボネート樹脂の製造、及び該ポリカーボネート樹脂を含有するポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とをエステル交換触媒の存在下に重縮合反応するポリカーボネート樹脂の製造方法であって、前記エステル交換触媒が下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物と、長周期型周期表第1族元素(水素は除く)の化合物、長周期型周期表第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物と、を含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
Figure 2014101487

【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂の製造方法、及び得られたポリカーボネート樹脂を含有するポリカーボネート樹脂組成物に関する。特には、色調の良好なポリカーボネート樹脂組成物、及びその製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、機械的強度、耐衝撃性等が極めて高く、優れた特性を数多く有し、幅広い分野で多量に使用されている。
具体的には、各種機械部品、各種電気絶縁性材料、自動車部品、光ディスク等の情報機器材料、ヘルメット等の安全防護材料等、極めて多岐な用途が挙げられる。
このようなポリカーボネート樹脂の製造方法として、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを重縮合反応させる溶融法、ジヒドロキシ化合物と塩化カルボニルとを溶剤とアルカリ水溶液との相界面にて反応させる界面法等が知られている。
溶融法においては、重縮合触媒としてエステル交換触媒が用いられる。具体的には、触媒としてアルカリ水溶液(特許文献1参照)、トリアリールホスフィン(特許文献2参照)等が知られている。
また、ポリカーボネート樹脂の特性を更に高めるために、他の成分を添加し、含有させる方法が知られている。例えば、溶融流動性と共に、良好な光学特性及び良好な加水分解性を備えたポリカーボネート樹脂の組成物として、特定のホスフィンと脂肪族カルボン酸エステルを含有する組成物が開示されている(特許文献3参照)。
さらに、ポリカーボネート樹脂は、長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用すると、色相や透明性、機械的強度が悪化するため、屋外や照明装置の近傍での使用に制限がある。このような問題を解決するために、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤等をポリカーボネート樹脂に添加する方法が広く知られている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、ポリカーボネート樹脂は、近年、成形加工品の薄肉化、小型化、軽量化が進展し、成形素材の更なる性能向上が要求されており、特に薄肉で良好な難燃性が求められている。
特許文献4には、溶融法で得られるポリカーボネート樹脂に特定量の難燃剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。
特開2005−146050号公報 特開2009−108139号公報 特開2011−80059号公報 特開2003−49061号公報
ポリカーボネート樹脂ハンドブック(1992年8月28日 日刊工業新聞社発行 本間精一編)
前記のポリカーボネート樹脂の製造方法、中でも溶融法においては、副反応が生じ、微量ながら副生成物が生成する。この副生成物は、種類によっては、長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用した際の色相や透明性、機械的強度悪化の原因となることがあり、問題が生じる場合があった。
また、難燃剤を添加した場合に、湿熱下に晒されると透明性が低下する場合があった。
このように、従来知られた技術によるポリカーボネート樹脂の改質では、色調、透明性、難燃性、耐湿熱性等の観点において、その性能が未だ十分で無い場合があり、更なる改良が求められている。
本発明は、長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用した際の、色相や透明性、機械的強度の悪化が抑制され、色調が良好で、かつ難燃性と耐湿熱性が改良されたポリカーボネート樹脂、該ポリカーボネート樹脂を含有する組成物及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂に、特定のホスフィン化合物、特定の金属元素を有する化合物、紫外線吸収剤、難燃剤等を含有するポリカーボネート樹脂組成物が優れた色調、難燃性及び耐湿熱性を有することを見出し、前記課題を解決するに至った。
すなわち、本発明は、以下の要旨を有するものである。
[1]炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とをエステル交換触媒の存在下に重縮合反応するポリカーボネート樹脂の製造方法であって、
前記エステル交換触媒が下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物と、長周期型周期表第1族元素(水素は除く)の化合物、長周期型周期表第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物と、
を含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
Figure 2014101487
Figure 2014101487
(式(1)において、Ph、Ph、及びPhは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香環を示す。該置換基としては、炭素数1〜炭素数30のアルキル基、炭素数1〜炭素数30のアルコキシ基、炭素数6〜30のシクロアルキル基、又は芳香環を示す。
式(2)において、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数4〜炭素数30のアルキル基又はシクロアルキル基を示す。さらに、R、R、及びRのうちの1つ又は2つが、炭素数4〜炭素数30のアルキル基又はシクロアルキル基の場合、残りの2つ又は1つは上記Phと同じであってもよい。)
[2]前記塩基性化合物が、長周期型周期表第1族元素(水素は除く)の化合物、及び長周期型周期表第2族元素の化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記[1]に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
[3]前記一般式(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物と塩基性化合物とのモル比率が、10000:1〜0.1:1である上記[1]又は[2]に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
[4]前記一般式(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物が、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.1μモル以上1000μモル以下である上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
[5]前記式(1)のPh、Ph、及びPhが、それぞれ独立に、全て置換基を有する芳香環である上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
[6]上記[1]乃至[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂の製造方法により製造されたポリカーボネート樹脂であって、
ポリカーボネート樹脂を加水分解した後に測定された、下記一般式(3)〜(7)の総量が、ポリカーボネート樹脂全体に対して、100ppm以上750ppm以下であるポリカーボネート樹脂。
Figure 2014101487
(R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。)
[7]上記[6]に記載のポリカーボネート樹脂に前記(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物と、
長周期型周期表第1族元素(水素は除く)の化合物、長周期型周期表第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物と、紫外線吸収剤とを、
含有してなるポリカーボネート樹脂組成物。
[8]上記[6]に記載のポリカーボネート樹脂に前記(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物と、
長周期型周期表第1族元素(水素は除く)の化合物、長周期型周期表第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物と、難燃剤とを、
含有してなるポリカーボネート樹脂組成物。
[9]前記塩基性化合物が、長周期型周期表第1族元素(水素は除く)の化合物、及び長周期型周期表第2族元素の化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記[7]又は[8]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[10]前記一般式(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物の含有量が、ポリカーボネート樹脂組成物全体に対して、1ppm以上100ppm以下である上記[7]乃至[9]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[11]前記一般式(1)で表されるリン化合物が、トリフェニルホスフィン、トリス(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン及びトリス(p−ターシャリーブチルフェニル)ホスフィンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である上記[7]乃至[10]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[12]前記金属元素を有する化合物が、当該金属の炭酸塩及び当該金属の酢酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である上記[7]乃至[11]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[13]前記金属元素を有する化合物の含有量が、ポリカーボネート樹脂組成物全体に対して0.01ppm以上1ppm以下である上記[7]乃至[12]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[14]前記紫外線吸収剤の含有量が、ポリカーボネート樹脂組成物全体に対して0.01ppm以上10000ppm以下である上記[7]、及び[9]乃至[13]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[15]前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシベンゾフェノン系、トリアジン系及びマロン酸エステル系の紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記[7]、及び[9]乃至[14]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[16]前記難燃剤の含有量が、ポリカーボネート樹脂組成物全体に対して、0.001ppm以上25重量%以下である上記[8]乃至[13]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[17]前記難燃剤が、スルホン酸金属塩系難燃剤、ハロゲン含有化合物系難燃剤、燐含有化合物系難燃剤及び珪素含有化合物系難燃剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記[8]乃至[13]、及び[16]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[18]加水分解した後に測定される、下記一般式(3)〜(7)で表される化合物の総量が、ポリカーボネート樹脂組成物全体に対して、100ppm以上750ppm以下である上記[7]乃至[17]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
Figure 2014101487
(R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。)
[19]前記ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度が、200ppm以上1200ppm以下である上記[7]乃至[18]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
本発明は、エステル交換触媒として、特定のリン化合物と特定の塩基性化合物とを用いることにより、副反応を抑制することができ、得られるポリカーボネート樹脂の色調を良好にすることが可能となり、透明性に優れたポリカーボネート樹脂を得ることができる。
また、本発明のポリカーボネート樹脂を含むポリカーボネート樹脂組成物は、長時間の紫外線や可視光に曝露される場所で使用した際においても、色相や透明性、機械的強度の悪化が抑制され、かつ難燃性と耐湿熱性が改良されたものとなる。
重縮合反応装置の例を示す重縮合反応工程図である。 竪型攪拌反応器2基及び横型攪拌反応器2基を有する連続製造装置の例である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、本明細書において「〜」と記載している場合、その前後の数値又は物理量を含む表現として用いるものとする。
本発明のポリカーボネート樹脂、及びその製造方法においては、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とを原料とし、エステル交換触媒の存在下で重縮合反応してポリカーボネート樹脂を製造する。
以下においては、重縮合反応に用いる原料、エステル交換触媒等の各成分について詳しく説明する。
(炭酸ジエステル)
ポリカーボネート樹脂の一方の原料である炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と称する場合がある。)、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
また、炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。
代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
炭酸ジエステル(前記の置換したジカルボン酸又はジカルボン酸エステルを含む。以下同じ。)は、前記ジヒドロキシ化合物に対して過剰に用いられる。すなわち、炭酸ジエステルは、ジヒドロキシ化合物に対して、1.01〜1.30倍量(モル比)、好ましくは1.02〜1.20倍量(モル比)で用いられる。モル比が小さすぎると、得られるポリカーボネート樹脂の末端水酸基が多くなり、ポリカーボネート樹脂の熱安定性が悪化する傾向となる。また、モル比が大きすぎると、エステル交換の反応速度が低下し、所望の分子量を有するポリカーボネート樹脂の生産が困難となったり、ポリカーボネート樹脂中の炭酸ジエステルの残存量が多くなり、成形加工時や成形品としたときの臭気の原因となる場合がある。さらに得られるポリカーボネート樹脂の末端水酸基が少なくなり、ポリカーボネート樹脂を長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用した際、色相や透明性、機械的強度の悪化抑制が不十分となるおそれがある。
(ジヒドロキシ化合物)
ポリカーボネート樹脂のもう一方の原料であるジヒドロキシ化合物は、分子内に二つの水酸基を有する化合物であり、本発明においては、ジヒドロキシ化合物の中でも、分子内に一つ以上の芳香環を有し、二つの水酸基がそれぞれ芳香環に結合された芳香族ジヒドロキシ化合物を用いるのが好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のビフェノ−ル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわち、ビスフェノールA(以下、「BPA」と称する場合がある。))が好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
(エステル交換触媒)
エステル交換触媒としては、リン化合物と塩基性化合物とを組み合わせて使用する触媒が挙げられる。
リン化合物としては、下記一般式(1)又は(2)で表されるリン化合物が挙げられる
Figure 2014101487
Figure 2014101487
式(1)において、Ph、Ph、及びPhは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香環を示す。
置換基としては、炭素数1〜炭素数30のアルキル基、炭素数1〜炭素数30のアルコキシ基、炭素数6〜30のシクロアルキル基、又は芳香環が挙げられる。
一般式(1)で示されるリン化合物の具体的な例としては、下記の式(8)〜(12)に示される化合物が挙げられる。
Figure 2014101487
また、式(1)で示されるリン化合物の例としては、Ph、Ph、及びPhが、前記の要件を満たし、かつ、置換基を介してリン原子を2つ有する二量体の化合物であってもよい。このような化合物の例としては、下記の式(13)〜(16)に示される化合物が挙げられる。
前記一般式(1)で表されるリン化合物としては、式(8)、(9)、(13)が特に好ましい。
Figure 2014101487
前記式(2)において、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数4〜炭素数30のアルキル基又はシクロアルキル基を示す。
、R、及びRのうちの1つ又は2つが、炭素数4〜炭素数30のアルキル基又はシクロアルキル基の場合、残りは上記Phであってもよい。すなわち、R、R、Phの組合せや、R、Ph、Phの組合せが挙げられる。
一般式(2)で示されるリン化合物の例としては、下記の式(17)〜(21)に示される化合物が挙げられる。
Figure 2014101487
また、式(2)としては、R、R、及びRは、前記の要件を満たし、かつ、置換基を介してリン原子を2つ有する二量体の化合物であってもよい。このような化合物の例としては、下記の式(22)〜(23)に示される化合物が挙げられる。
Figure 2014101487
これらの中でも、前記一般式(2)で表される化合物としては、トリブチルホスフィンであることが特に好ましい。
上記一般式(1)又は(2)で表されるリン化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
なかでも、エステル交換触媒中の好ましいリン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリス(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン及びトリス(p−ターシャリーブチルフェニル)ホスフィン等が挙げられる。
エステル交換触媒における前記塩基性化合物としては、長周期型周期表第1族元素(水素を除く)(以下、「第1族元素(水素を除く)」と称する場合がある。)の化合物、長周期型周期表第2族元素(以下、「第2族元素」と称する場合がある。)の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物が挙げられる。なかでも、第1族元素(水素は除く)の化合物、及び第2族元素の化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
第1族元素(水素を除く)の化合物としては、第1族元素(水素を除く)の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機化合物;第1族元素(水素を除く)のアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等の有機化合物等が挙げられる。ここで、第1族元素(水素を除く)としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。これらの第1族元素(水素を除く)の化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、特に、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムが好ましい。
第2族元素の化合物としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の水酸化物、炭酸塩等の無機化合物;これらのアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等が挙げられる。これらの第2族元素の化合物の中でも、マグネシウム化合物が好ましい。
塩基性ホウ素化合物としては、ホウ素化合物のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、ストロンチウム塩等が挙げられる。ここで、ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等が挙げられる。
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3価のリン化合物、又はこれらの化合物から誘導される4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
含窒素塩基性化合物としては、塩基性アンモニウム化合物やアミン系化合物等を挙げることができる。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド等が挙げられる。
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
上記式(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物と塩基性化合物の使用割合は、リン化合物:塩基性化合物(モル比率)で、10000:1〜0.1:1が好ましく、5000:1〜1:1がより好ましい。更に好ましくは2000:1〜2:1、最も好ましくは、1000:1〜10:1である。上記範囲を逸脱すると、副生成物が多くなるという問題を生じる場合がある。
また、前記リン化合物の使用量は、前記ジヒドロキシ化合物1モルに対し、0.1μモル以上が好ましく、1μモル以上がより好ましく、10μモル以上が更に好ましい。0.1μモルより少ないと、重合活性が低下し、所定の分子量とするには、滞留時間を長くしなければならず、色調が悪化する場合がある。一方、前記リン化合物の使用量の上限は、1000μモルが好ましく、500μモルがより好ましい。1000μモルより多いと、副生成物が増加するという問題を生じる場合がある。
上記エステル交換触媒は、予め水溶液として使用される場合がある。触媒水溶液の濃度は特に限定されず、触媒の水に対する溶解度に応じて任意の濃度に調整される。また、水に代えてフェノール、アセトン、アルコール、トルエン等の他の溶媒を選択することもできる。
エステル交換触媒の溶解に使用する水の性状は、含有される不純物の種類ならびに濃度が一定であれば特に限定されないが、通常、蒸留水や脱イオン水等が好ましく用いられる。
(ポリカーボネート樹脂の製造方法)
次に、ポリカーボネート樹脂の製造方法について説明する。
ポリカーボネート樹脂は、原料であるジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステル化合物を混合し、この原料混合物を溶融状態で、前記エステル交換触媒の存在下、重縮合反応装置内で反応させることによって行われる(溶融重縮合法)。この反応工程は、バッチ式、連続式、これらの組合せ等を用いることができる。
重縮合反応した後、反応を停止させ、その後、重合反応液中の未反応原料や反応副生物を脱揮除去する工程、熱安定剤、離型剤等を添加する工程、必要に応じて所定の粒径のペレットを形成する工程等を経て、ポリカーボネート樹脂が製造される。
重縮合反応の工程は、通常、2段階以上、好ましくは3〜7段の多段方式で連続的に行われる。具体的な反応条件としては、温度:150℃〜320℃、圧力:常圧〜0.01
Torr(1.3Pa)、平均滞留時間:5分〜150分であり、好ましくは、5分〜300分、好まくは、温度:180℃〜310℃、圧力:20Torr〜0.05Torr(2.7kPa〜6.7Pa)、平均滞留時間:60分〜150分である。
多段方式においては、重縮合反応装置において、反応の進行とともに副生するモノヒドロキシ化合物(例えば、フェノール)をより効果的に系外に除去するために、前記の反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。なお、得られるポリカーボネート樹脂の色相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、短滞留時間の設定が好ましい。
重縮合反応の工程を多段方式で行う場合は、通常、竪型反応器を含む複数基の反応器を設けて、可能な限り重縮合反応を進行させ、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を増大させる。通常、3〜6基、好ましくは4〜5基が設置される。
具体例として、図1においては、3基の竪型反応器11a〜11cと、1基の横型反応器11dが示されている。
最初の竪型反応器11aに原料混合物Aの溶融物が供給され、前記エステル交換触媒の存在下で、重縮合反応が開始される。次いで、竪型反応器11b、竪型反応器11c、及び横型反応器11dに、溶融物が順次送られ、重縮合反応を進行させる。この際、フェノールが副生するが、これは熱交換器で液化され、フェノールタンク13に送られる。フェノールタンク13中のフェノールは、適宜処理され、ジヒドロキシ化合物や炭酸ジエステル化合物等の原料として再利用される。
一連の重縮合反応装置群の最後の反応器として、横型反応器11dが用いられる。これは、重縮合反応が進行するにつれ、溶融物の粘度が上昇し、最後の反応器においては、高粘度となっているが、撹拌をより容易にするためである。
上記重縮合反応の工程で得られたポリカーボネート樹脂は、脱揮後、冷却される。
竪型及び横型の反応器としては、例えば、攪拌槽型反応器、薄膜反応器、遠心式薄膜蒸発反応器、表面更新型二軸混練反応器、二軸横型攪拌反応器、濡れ壁式反応器、自由落下させながら重合する多孔板型反応器、ワイヤーに沿わせて落下させながら重合するワイヤー付き多孔板型反応器等が用いられる。なかでも、反応器としては、攪拌槽型反応装置、二軸横型攪拌反応装置が好ましい。
竪型反応器の撹拌翼の形式としては、例えば、タービン翼、パドル翼、ファウドラー翼、アンカー翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック社製)、サンメラー翼(三菱重工業社製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業社製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子翼(日立製作所社製)等が挙げられる。なかでも、撹拌翼としては、マックスブレンド翼(住友重機械工業社製)、ヘリカルリボン翼 が好ましい。
ここで、横型反応器とは、攪拌翼の回転軸が横型(水平方向)であるものをいう。
横型反応器の攪拌翼としては、例えば、円板型、パドル型等の一軸タイプの撹拌翼やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業社製)、バイボラック(住友重機械工業社製)、メガネ翼、格子翼(日立製作所社製)等の二軸タイプの撹拌翼が挙げられる。なかでも、メガネ翼、格子翼(日立製作所社製)等の二軸タイプの撹拌翼が好ましく用いられる。
(ポリカーボネート樹脂の物性)
上記の方法により製造されたポリカーボネート樹脂は、加水分解すると、下記の一般式(3)〜(7)に示されるような副生成物を生成し、これらの副生成物は樹脂中に含有される。
Figure 2014101487
なお、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。
これらの副生成物は、前記のポリカーボネート樹脂を加水分解した後に定量分析することにより、含有量を測定することができる。
これらの副生成物の含有量の総量は、前記ポリカーボネート樹脂全体に対して、750ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましい。750ppmより多いと、色調の悪化を生じる場合がある。一方、この総量の下限は、0ppmであることが好ましいが、現実的には困難であり、製品色調の観点からは、100ppmくらいであれば許容される。
本発明のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、25,000以下が好ましく、24,000以下がより好ましく、23,000以下がさらに好ましい。また、粘度平均分子量は15,000以上が好ましく、18,000以上がより好ましい。粘度平均分子量が25,000より大きいと、粘度が高くなり過ぎ、成形不良となるおそれがある。また、粘度平均分子量が15,000未満では機械的強度が低下するおそれがある。
また、ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は、15000ppm以下が好ましく、1200ppm以下がより好ましく、800ppm以下がさらに好ましく、600ppm以下が最も好ましい。また、200ppm以上が好ましく、300ppm以上がより好ましい。末端水酸基量が多すぎても少なすぎても、長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用した際の、色相や透明性、機械的強度の悪化抑制が不十分となるおそれがある。
<ポリカーボネート樹脂組成物>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記ポリカーボネート樹脂に、下記一般式(1)で表されるリン化合物及び/又は下記一般式(2)で表されるリン化合物と、第1族元素(水素を除く)の化合物、第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物と、紫外線吸収剤及び/又は難燃剤とを含有するものである。
Figure 2014101487
Figure 2014101487
(式(1)において、Ph1、Ph2、及びPh3は、それぞれ独立に、置換基を有しても
よい芳香環を示す。該置換基は、炭素数1〜炭素数30のアルキル基、炭素数1〜炭素数30のアルコキシ基、炭素数6〜炭素数30のシクロアルキル基、又は芳香環を示す。
また、式(2)において、R7、R8、及びR9は、それぞれ独立に、炭素数4〜炭素数
30のアルキル基又はシクロアルキル基を示す。
さらに、Ph1、Ph2、及びPh3のうちの1つ又は2つが、置換基を有してもよい芳
香環の場合、残りは上記R7と同じであってもよい。
加えて、R7、R8、及びR9のうちの1つ又は2つが、炭素数4〜炭素数30のアルキ
ル基又はシクロアルキル基の場合、残りは上記Ph1と同じであってもよい。)
以下、ポリカーボネート樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
(ポリカーボネート樹脂)
本発明のポリカーボネート樹脂としては、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを重縮合させる溶融法やジヒドロキシ化合物と塩化カルボニルとを溶剤とアルカリ水溶液との相界面にて反応させる界面法で得られる種々のポリカーボネート樹脂が使用できる。とりわけ、本発明は、前者の炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とをエステル交換触媒の存在下で重縮合して得られるポリカーボネート樹脂に好適に適用される。
上記ポリカーボネート樹脂の原料であるジヒドロキシ化合物としては、分子内に二つの水酸基を有する化合物であり、本発明においては、ジヒドロキシ化合物の中でも、分子内に一つ以上の芳香環を有し、二つの水酸基がそれぞれ芳香環に結合された芳香族ジヒドロキシ化合物を用いるのが好ましい。
このような芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、(ジヒドロキシ化合物)として、上記した通りであり、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
上記ポリカーボネート樹脂のもう一方の原料である炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と称する場合がある。)、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(一般式(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物)
リン化合物としては、以下の式(1)及び/又は(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014101487
Figure 2014101487
式(1)におけるPh1、Ph2、及びPh3、並びに式(2)におけるR7、R8、及び
9は、いずれも上記した定義と同様である。
一般式(1)で示されるリン化合物の例としては、上記の式(8)〜(12)に示される化合物が挙げられる。
また、式(1)としては、Ph1、Ph2、及びPh3は、前記の要件を満たし、かつ、
置換基を介してリン原子を2つ有する二量体の化合物であってもよい。このような化合物の例としては、上記の式(13)〜(16)に示される化合物が挙げられる。
なお、式(14)〜(16)において、Phは、前記の要件を満たすPh1、Ph2、及びPh3のいずれかを示す。
これらの中でも、前記一般式(1)で表される化合物がトリフェニルホスフィン、トリス(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン及びトリス(p−ターシャリーブチルフェニル)ホスフィンからなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
式(2)におけるR7、R8、及びR9は、いずれも上記した定義と同様である。
7、R8、及びR9のうちの1つ又は2つが、炭素数4〜炭素数30のアルキル基又は
シクロアルキル基の場合、残りは上記Ph1及び/又はPh2と同じであってもよい。すなわち、R7、R8、Ph1の組合せや、R7、Ph1、Ph2の組み合わせであってもよい。
一般式(2)で示されるリン化合物の例としては、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、上記式(17)〜(21)に示される化合物等が挙げられる。
また、式(2)としては、R7、R8、及びR9は、前記の要件を満たし、かつ、置換基
を介してリン原子を2つ有する二量体の化合物であってもよい。このような化合物の例としては、上記式(22)〜(23)に示される化合物が挙げられる。
これらの中でも、一般式(2)で表される化合物が、トリブチルホスフィンであることが特に好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物中における、一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表されるリン化合物の含有量は、ポリカーボネート樹脂組成物に対して1ppm(重量ppm、以下同じ。)以上100ppm以下、好ましくは10ppm以上80ppm以下、更に好ましくは20ppm以上60ppm以下である。当該リン化合物の含有量が1ppm未満では、長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用した際
の、色相や透明性、機械的強度の悪化抑制が不十分となる場合がある。100ppmを超えると成形時にブリードアウトして外観不良が発生したり、分解ガスが多量に発生するおそれがある。
(塩基性化合物)
塩基性化合物としては、第1族元素(水素を除く)の化合物、第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物であり、第1族元素(水素を除く)の化合物及び第2族元素の化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が好ましい。
第1族(水素を除く)の金属元素を有する化合物としては、第1族の金属元素の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機化合物;第1族の金属元素のアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等の有機化合物等が挙げられる。
中でも、前記金属元素を有する化合物が、当該金属の炭酸塩及び当該金属の酢酸塩からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
第1族元素(水素を除く)としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。また、これらの金属元素を有する化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、特に、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムが好ましい。
また、第2族元素としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。これらの金属元素を有する化合物としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の水酸化物、炭酸塩等の無機化合物;これらのアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等が挙げられる。中でも、前記金属元素を有する化合物が、当該金属元素の炭酸塩及び当該金属元素の酢酸塩からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
前記第1族元素(水素を除く)の化合物及び第2族元素の化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の含有量は、ポリカーボネート樹脂組成物に対して0.01ppm以上1ppm以下であり、好ましくは0.05ppm以上1ppm以下、更に好ましくは0.1ppm以上0.5ppm以下である。当該化合物の含有量が0.01ppm未満では色相が悪化するおそれがある。1ppmを超えると長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用した際の、色相や透明性、機械的強度の悪化抑制が不十分となるおそれがある。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、紫外線吸収能を有する化合物であれば特に限定されず、紫外線吸収能を有する有機化合物及び無機化合物が挙げられる。なかでも有機化合物はポリカーボネート樹脂との親和性を確保しやすく、均一に分散しやすいので好ましい。
紫外線吸収能を有する有機化合物の分子量は特に限定されないが、通常200以上、好ましくは250以上である。また。通常600以下、好ましくは450以下、より好ましくは400以下である。分子量が過度に小さいと、長期間使用での耐紫外線性能の低下を引き起こす可能性がある。分子量が過度に大きいと、長期間使用での樹脂組成物の透明性低下を引き起こす可能性がある。
好ましい紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、サリチル酸フェニルエステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、マロン酸エステル系化合物、シュウ酸アニリド系化合物等が挙げられる。なかでも、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、マロン酸エステル系化合物が好ましく用いられ
る。これらは、単独で用いても、2種以上で用いてもよい。
ベンゾトリアゾール系化合物のより具体的な例としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−ヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−ヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ドデシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−t−ドデシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、メチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
ヒドロキシベンゾフェノン系化合物としては、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’、4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
マロン酸エステル系化合物としては、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類、テトラエチル−2,2’−(1,4−フェニレン−ジメチリデン)−ビスマロネートなどが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(チバガイギー社製、Tinuvin1577FF)などが挙げられる。
シアノアクリレート系化合物としては、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
シュウ酸アニリド系化合物としては、2−エチル−2’−エトキシ−オキサルアニリド(クラリアントジャパン社製、SanduvorVSU)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−ヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−ヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂組成物に対して0.01ppm以上10000ppm以下であり、好ましくは0.01ppm以上5000ppm以下、更に好ましくは0.01ppm以上3000ppm以下である。紫外線吸収剤の含有量が少なすぎると色調の改良効果を発揮することができない可能性がある。多すぎると成形時にブリードアウトして外観不良が発生したり、分解ガスが多量に発生するおそれがある。
(難燃剤)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、難燃剤を添加したポリカーボネート樹脂組成物とした場合に、さらに顕著な難燃性の効果を発揮する。
使用する難燃剤としては、例えば、スルホン酸金属塩系難燃剤、ハロゲン含有化合物系難燃剤、燐含有化合物系難燃剤及び珪素含有化合物系難燃剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、スルホン酸金属塩系難燃剤が好ましい。
スルホン酸金属塩系難燃剤としては、脂肪族スルホン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩等が挙げられる。これら金属塩の金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の長周期型周期表第1族金属;ベリリウム、マグネシウム等のマグネシウム類;カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の長周期型周期表第2族金属等が挙げられる。
スルホン酸金属塩系難燃剤は、1種又は2種以上を混合して使用することもできる。スルホン酸金属塩としては、芳香族スルホンスルホン酸金属塩、パーフルオロアルカン−スルホン酸金属塩等が挙げられる。
本発明で使用する難燃剤の配合量は、通常、ポリカーボネート樹脂組成物に対し、0.001ppm以上であり、好ましくは、0.002ppm以上である。難燃剤の配合量が過度に少ないと、難燃効果が低下する。難燃剤の配合量が過度に多いと、耐湿熱性が低下し、また色調が悪化するおそれがある。その為、難燃剤の配合量は、通常、ポリカーボネート樹脂組成物全体に対し、0.001ppm以上25重量%以下であることが好ましい。
なお、難燃剤の配合量は、使用する難燃剤の種類によって大きく変わってくるものである。
スルホン酸金属塩系難燃剤は、前記ポリカーボネート樹脂組成物に対し、好ましくは0.001ppm(重量ppm、以下同じ。)〜0.1重量%、より好ましくは0.002ppm〜0.05重量%、更に好ましくは0.004ppm〜0.01重量%添加される。
芳香族スルホンスルホン酸金属塩の具体例としては、例えば、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、4,4'−ジ
ブロモジフェニル−スルホン−3−スルホン酸ナトリウム、4,4'−ジブロモジフェニ
ル−スルホン−3−スルホン酸カリウム、4−クロロー4'−ニトロジフェニルスルホン
−3−スルホン酸カルシウム、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホン酸ジナトリウ
ム、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホン酸ジカリウム等が挙げられる。
パーフルオロアルカン−スルホン酸金属塩の具体例としては、パーフルオロブタン−スルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタン−スルホン酸カリウム、パーフルオロメチルブタン−スルホン酸ナトリウム、パーフルオロメチルブタン−スルホン酸カリウム、パーフルオロオクタン−スルホン酸ナトリウム、パーフルオロオクタン−スルホン酸カリウム、パーフルオロブタン−スルホン酸のテトラエチルアンモニウム塩等が挙げられる。
ハロゲン含有化合物系難燃剤の具体例としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA、トリブロモフェノール、臭素化芳香族トリアジン、テトラブロモビスフェノールAエポキシオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAエポキシポリマー、デカブロモジフェニルオキサイド、トリブロモアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルエタン、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモシクロドデカン等が挙げられる。
ハロゲン含有化合物系難燃剤は、前記ポリカーボネート樹脂組成物に対し、好ましくは5重量%〜25重量%、より好ましくは10重量%〜22重量%添加される。
燐含有化合物系難燃剤としては、赤燐、被覆された赤燐、ポリリン酸塩系化合物、リン酸エステル系化合物、フォスファゼン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、リン酸エステル化合物の具体例としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホス
フェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート等が挙げられる。
燐含有化合物系難燃剤は、前記ポリカーボネート樹脂組成物に対して、好ましくは3重量%〜25重量%、より好ましくは5重量%〜15重量%、最も好ましくは10重量%〜12重量%添加される。
珪素含有化合物系難燃剤としては、例えば、シリコーンワニス、ケイ素原子と結合する置換基が芳香族炭化水素基と炭素数2以上の脂肪族炭化水素基とからなるシリコーン樹脂、主鎖が分岐構造で、かつ含有する有機官能基中に芳香族基を持つシリコーン化合物、シリカ粉末の表面に官能基を有していてもよいポリジオルガノシロキサン重合体を担持させたシリコーン粉末、オルガノポリシロキサン−ポリカーボネート共重合体等が挙げられる。
珪素含有化合物系難燃剤は、前記ポリカーボネート樹脂組成物に対して、好ましくは3重量%〜25重量%、より好ましくは5重量%〜15重量%、最も好ましくは10重量%〜12重量%添加される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、加水分解すると、上記一般式(3)〜(7)に示されるような化合物を生成し、これらの副生成物を樹脂組成物中に含有することになる。
これらの化合物は、前記のポリカーボネート樹脂を加水分解した後に分析することにより、含有量を測定することができる。これらの化合物の含有量の総量は、前記ポリカーボネート樹脂組成物全体に対して、750ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましい。750ppmより多いと、長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用した際の、色相や透明性、機械的強度の悪化抑制が不十分となる場合がある。一方、この総量の下限は、0ppmであることが好ましいが、現実的には困難であるので、製品色調の観点から、100ppmくらいであればよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の粘度平均分子量は、25,000以下が好ましく、24,000以下がより好ましい。また、粘度平均分子量は15,000以上が好ましく、18,000以上がより好ましい。粘度平均分子量が25,000より大きいと、粘度が高くなり過ぎ成形不良となるおそれがある。また粘度平均分子量が15,000未満では機械的強度が低下するおそれがある。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の末端水酸基濃度は、1200ppm以下が好ましく、800ppm以下がより好ましく、600ppm以下が最も好ましい。また、200ppm以上が好ましく300ppm以上がより好ましい。末端水酸基量が多すぎても少なすぎても長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用した際の、色相や透明性、機械的強度の悪化抑制が不十分となるおそれがある。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記ポリカーボネート樹脂(一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表されるリン化合物と、第1族元素(水素を除く)の化合物、第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物を含む。)と、紫外
線吸収剤及び/又は難燃剤とを、例えば、タンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の混合機により混合して製造することができる。更に、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリカーボネート樹脂組成物に、通常用いられる核剤、衝撃改良剤、発泡剤、染顔料等が含まれても差し支えない。
なお、ポリカーボネート樹脂組成物が、一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表されるリン化合物や、第1族元素(水素を除く)の化合物、第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物を含まない場合、或は含んでいてもかかる成分の含有量が少ない場合は、これらの化合物を適宜追加して、紫外線吸収剤及び/又は難燃剤と共に上記混合機により混合することにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造することができる。
以下、本発明の実施例によりさらに詳細に説明するが、これらに限定して解釈されるものではない。
各評価方法について、以下にまとめて記す。
(1)粘度平均分子量(Mv)
ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液(濃度(C)は0.6g/dl)を調製し、ウベローデ粘度計を用いて、この溶液の温度20℃における比粘度(ηsp)を測定し、下記の式により粘度平均分子量(Mv)を算出した。
ηsp/C=[η](1+0.28ηsp
[η]=1.23×10−4Mv0.83
(2)色相(プレートYI)
射出成型機(日本製鋼所社製、J100SS−2)を用いて、バレル温度280℃、金型温度90℃の条件下にて、厚み3mm、縦60mm、横60mmのプレートを射出成形した。該プレートについて、カラーテスター(スガ試験機社製、 SC−1−CH)で、
色の絶対値である三刺激値XYZを測定し、次の関係式により、黄色度の指標であるYI値を計算した。このYI値が正に大きいほど、黄色に着色していることを示す。
YI=(100/Y)×(1.28X−1.06Z)
(3)色相(ペレットYI)
ポリカーボネート樹脂ペレットの色相は、ASTM D1925に準拠して、ポリカーボネート樹脂ペレットの反射光におけるYI値(イエローインデックス値)を測定して評価した。装置はコニカミノルタ社製の分光測色計(CM−5)を用いた。測定条件は、測定径30mm、SCEを選択した。シャーレ測定用校正ガラス(CM−A212)を測定部にはめ込み、その上からゼロ校正ボックス(CM−A124)をかぶせてゼロ校正を行い、続いて、内蔵の白色校正板を用いて白色校正を行った。白色校正板(CM−A210)を用いて測定を行い、L*が99.40±0.05、a*が0.03±0.01、b*が−0.43±0.01、YIが−0.58±0.01となることを確認した。ペレットの色相測定は、内径30mm、高さ50mmの円柱ガラス容器にペレットを40mm程度の深さまで詰めて測定を行った。ガラス容器からペレットを取り出してから、再度測定を行う操作を2回繰り返し、計3回の測定値の平均値を用いた。YI値が小さいほど樹脂の黄色味が少なく、色調に優れることを意味する。
(4)ポリカーボネート樹脂に含まれる前記一般式(3)、(4)、(5)、(6)及び(7)で表される化合物の含有量の測定
ポリカーボネート樹脂0.5gを塩化メチレン5mlに溶解した後、メタノール45ml及び25重量%水酸化ナトリウム水溶液5mlを加え、70℃で30分間撹拌して加水分解した(塩化メチレン溶液)。その後、この塩化メチレン溶液に6規定の塩酸を加え、
溶液のpHを2程度とし、純水にて100mlとなるように調整した。
次に、調整した塩化メチレン溶液20μlを液体クロマトグラフィーに注入し、前記一般式(3)、(4)、(5)、(6)及び(7)で表される化合物の含有量を測定した(単位:ppm)。
液体クロマトグラフィー及び測定条件は以下の通りである。
液体クロマトグラフィー:島津製作所社製のLC−10AD、
カラム:YMC PACK ODS−AM M−307−3、
4.6mmID×75mmL、
検出器:UV280nm、
溶離液:(A)0.05%トリフルオロ酢酸水溶液 、及び(B)メタノール
グラジェント条件:0分(Bが40%)、25分(Bが95%)、
前記一般式(3)、(4)、(5)、(6)及び(7)で表される化合物の含有量は、ビスフェノールAにより作成した検量線に基づき、各々のピーク面積より算出した。
(5)末端水酸基濃度
ポリカーボネート樹脂0.1gを塩化メチレン10mlに溶解し、これに酢酸(和光純薬工業社製、試薬特級)の5%塩化メチレン溶液5mlと、四塩化チタン(和光純薬工業社製、試薬特級)の2.5%塩化メチレン溶液10mlを加えて発色させ、分光光度計(島津製作所社製、「UV160型」)を使用し、546nmの波長での吸光度を測定した。別に、樹脂製造時に使用した二価フェノールの塩化メチレン溶液を使用して吸光係数を求め、サンプル中の末端水酸基濃度を定量した。
(6)ポリカーボネート樹脂組成物中のリン化合物の含有量
ポリカーボネート樹脂組成物1gを塩化メチレン10mlに溶解し、この溶液をガスクロマトグラフィーにて分析し、リン化合物の含有量を求めた。
ガスクロマトグラフィー及び測定条件は以下の通りである。
ガスクロマトグラフィー:AGILENT社製のHP6890、
カラム:J&W社製のDB−1、30m×0.25mm×0.25μm、
検出器:FPD、
カラム流量:1.5mL/min。
(7)ポリカーボネート樹脂組成物中の紫外線吸収剤の含有量
ポリカーボネート樹脂組成物0.2gを塩化メチレン1mlに溶解し、この溶液のH−NMRスペクトル(溶媒:重クロロホルム)を、NMR(日本分光社製、AL400)を用いて測定し、紫外線吸収剤由来のシグナル強度から、ポリカーボネート樹脂組成物中の紫外線吸収剤の含有量を求めた。
(8)耐候試験後のプレートYI
射出成型機(日本製鋼所社製、J100SS−2)を用いて、バレル温度280℃、金型温度90℃の条件下にて、ポリカーボネート樹脂組成物を厚み3mm、縦60mm、横60mmのプレートに射出成形した。該プレートについて、アトラス社製のキセノンウェザオメータ−(Ci4000)を用いて促進暴露試験(ブラックパネル温度70℃、相対湿度50%、120分サイクル18分間噴霧)を行い、試験後のプレートYI値を上記(2)と同様に測定し、計算により求めた。
(9)ポリカーボネート樹脂組成物中の難燃剤の含有量
ポリカーボネート樹脂組成物0.2gを塩化メチレン1mlに溶解し、この溶液のH−NMRスペクトル(溶媒:重クロロホロム)をNMR(日本分光社製、AL400)を用いて測定し、難燃剤由来のシグナル強度からポリカーボネート樹脂組成物中の難燃剤の含有量を求めた。
(10)耐湿熱試験後のプレートYI
ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを120℃、4時間通風乾燥機で乾燥した後、射出成形機(株式会社日本製鋼所製J50E2)を用い、金型温度90℃の条件下にて、厚
み3mm、縦60mm、横60mmのポリカーボネート樹脂成形体を射出成形した。成形条件はバレル温度280℃、成形サイクル37秒、スクリュー回転数90rpmとした。このポリカーボネート樹脂成形体を気相部につり下げた状態で、オートクレーブを使用し、耐湿熱試験(120℃、飽和蒸気圧下で100時間処理)を実施した。処理後のプレートについて、プレートYI値を上記(2)と同様に測定し、計算により求めた。
(11)ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性試験 (V−2判定)
ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを120℃で、4時間通風乾燥機で乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製、J50E2)を用い、金型温度90℃の条件下にて、UL規格に従い、厚み3.6mmのポリカーボネート樹脂燃焼試験片を射出成形した。成形条件は、バレル温度280℃、成形サイクル37秒、スクリュー回転数90rpmとした。この燃焼試験片について、UL規格94の20mm垂直燃焼試験を行い、V−2に合格のものを「○」、V−2不合格のものを「×」とした。結果は、表1に示した。
実施例で用いた化合物の略号は次の通りである。
・BPA:ビスフェノールA(三菱化学社製)
・DPC:ジフェニルカーボネート(三菱化学社製)
・TPP:トリフェニルホスフィン
(実施例1−1〜1−11、及び比較例1−1〜1−5)
[実施例1−1]
図2に示すように、竪型攪拌反応器2基及び横型攪拌反応器2基を有する連続製造装置により、以下の条件でポリカーボネート樹脂を製造した。
先ず、各反応器を表1−1のとおり、予め反応条件に応じた反応液温度、及び器内圧力に設定した。次に別途、原料調製工程にて窒素ガス雰囲気下、BPAとDPCとを一定のモル比(BPA/DPC=1.025)で混合し、155℃に加熱して、原料混合溶融液を得た。
Figure 2014101487
続いて、この原料混合溶融液を、155℃に加熱した原料導入管を介して、前述した反応液温度、及び器内圧力の±5%の範囲内に制御した第1竪型攪拌反応器6a内に連続供給した。流量は理論生成ポリマー量が75kg/hrとなるように設定した。
第1竪型攪拌反応器6aの平均滞留時間が48分になるように、器底部のポリマー排出ラインに設けたバルブ(図示せず)の開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。また、上記原料混合溶融液の供給開始と同時に、第1竪型攪拌反応器6a内に触媒供給口1dから触媒としてトリフェニルホスフィンと炭酸セシウムのフェノール水溶液(フェノールと水の比率は、容積比で90/10)を、ジヒドロキシ化合物1molに対し、トリフェニルホスフィン200μmol、炭酸セシウム0.2μmolの割合で連続供給した。
第1竪型攪拌反応器6aの器底から排出された重合反応液は、引き続き、第2竪型攪拌反応器6b、第3横型攪拌反応器6c、第4横型攪拌反応器6dに、逐次、連続供給された。重合反応の間、表−1に示した平均滞留時間となるように各反応器の液面レベルを制御した。
第4横型攪拌反応器6dから抜き出された溶融ポリカーボネート樹脂は、ギヤポンプ4
cにより二軸押出機15aに移送された。該二軸押出機(日本製鋼所社製、2軸押出機TEX30α:L/D=42)は3つのベント口を有し、真空ポンプを用いてベント口より脱揮を行った。
二軸押出機15aの排出側のギヤポンプ4dとポリマーフィルター15bの後に、樹脂をストランド化するためのダイを装着した。
排出される樹脂は、ストランドの形態で水冷、固化させた後、回転式カッターでペレット化した。ストランド化からペレット化までの工程は、クリーンルーム内で実施された。続いて、ペレットは気力移送によって、製品ホッパー16dに送られた。
なお、表1−2には、実施例1−1〜1−11、及び比較例1−1の結果をまとめて示した。
また、比較例1−2〜1−5の結果は、表1−3にまとめて示した。
[実施例1−2]
触媒を、トリフェニルホスフィンと酢酸カルシウムのフェノール水溶液(フェノールと水の比率は、容積比で90/90)とし、供給量をジヒドロキシ化合物1molに対し、トリフェニルホスフィン200μmol、酢酸カルシウム1μmolの割合とした以外は実施例1−1と同様に行った。
[実施例1−3]
反応器攪拌機、反応器加熱装置、反応器圧力調整装置を付帯した内容量150mlのガラス製反応器に、BPA116.71g(約0.51mol)、及びDPC116.09(約0.54mol)を投入し、触媒としてトリフェニルホスフィン及び炭酸セシウムのフェノール水溶液を、ジヒドロキシ化合物1molに対し、トリフェニルホスフィン100μmol、炭酸セシウム0.15μmolの割合となるように添加して混合物を調製した。
次に、ガラス製反応器内を約100Pa(0.75Torr)に減圧し、続いて、窒素で大気圧に復圧する操作を3回繰り返し、反応器の内部を窒素置換した。窒素置換後、反応器の外部温度を220℃にし、反応器の内温を徐々に昇温させ、混合物を溶解させた。その後、100rpmで撹拌機を回転させた。さらに、反応器の内部で行われるBPAとDPCのオリゴマー化反応により副生するフェノールを留去しながら、40分間かけて反応器内の圧力を、絶対圧で101.3kPa(760Torr)から13.3kPa(100Torr)まで減圧した。
続いて、反応器内の圧力を13.3kPaに保持し、フェノールをさらに留去させながら、80分間、エステル交換反応を行った。留去させたフェノール量を減圧開始時から経時で計測した。
その後、反応器外部温度を250℃に昇温すると共に、40分間かけて反応器内圧力を絶対圧で13.3kPa(100Torr)から399Pa(3Torr)まで減圧し、留出するフェノールを系外に除去した。その後、反応器外部温度を280℃に昇温、反応器内の絶対圧を30Pa(約0.2Torr)まで減圧し、重縮合反応を行った。反応器の攪拌機が予め定めた所定の攪拌動力となったときに、重縮合反応を終了した。
次いで、反応器内を、窒素により絶対圧で101.3kPaに復圧の上、ゲージ圧で0.2MPaまで昇圧し、反応器の槽底からポリカーボネート樹脂をストランド状で抜き出し、ストランド状のポリカーボネート樹脂を得た。その後、回転式カッターを使用してペレット化した。
[実施例1−4]
触媒の添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、トリフェニルホスフィン200μ
mol、炭酸セシウム0.2μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
[実施例1−5]
触媒の添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、トリフェニルホスフィン10μmol、炭酸セシウム0.1μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
[実施例1−6]
触媒を、トリフェニルホスフィンと酢酸カルシウムのフェノール水溶液とし、添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、トリフェニルホスフィン100μmol、酢酸カルシウム0.5μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
[実施例1−7]
触媒を、トリフェニルホスフィンと酢酸カルシウムのフェノール水溶液とし、添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、トリフェニルホスフィン200μmol、酢酸カルシウム0.5μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
[実施例1−8]
触媒を、トリフェニルホスフィンと酢酸カルシウムのフェノール水溶液とし、添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、トリフェニルホスフィン10μmol、酢酸カルシウム0.5μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
[実施例1−9]
触媒を、トリフェニルホスフィンと炭酸カリウムのフェノール水溶液とし、添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、トリフェニルホスフィン100μmol、炭酸カリウム0.1μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
[実施例1−10]
触媒を、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィンと炭酸カリウムのフェノール水溶液とし、添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン100μmol、炭酸カリウム0.1μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
[実施例1−11]
触媒を、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィンと酢酸カリウムのフェノール水溶液とし、添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン100μmol、酢酸カリウム0.2μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
[比較例1−1]
触媒を、炭酸セシウムの水溶液のみとし、供給量をジヒドロキシ化合物1molに対し、炭酸セシウム0.6μmolの割合とした以外は実施例1−1と同様に行った。
[比較例1−2]
触媒を、炭酸セシウムの水溶液のみとし、添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、0.5μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
[比較例1−3]
触媒を、炭酸ナトリウムの水溶液のみとし、添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、0.5μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
[比較例1−4]
触媒を、酢酸カルシウムのフェノール水溶液のみとし、添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、2.0μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
[比較例1−5]
触媒を、トリフェニルホスフィンのみとし、添加量をジヒドロキシ化合物1molに対し、10μmolの割合とした以外は実施例1−3と同様に行った。
Figure 2014101487
Figure 2014101487
(実施例2−1〜2−7、比較例2−1及び2−2)
[実施例2−1]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)181.8kg及びジフェニルカーボネート(DPC)157.7kgに、触媒としてトリフェニルホスフィンをジヒドロキシ化合物1mol当たり50μmolとなるように添加し、さらに炭酸セシウム水溶液を、炭酸セシウムがジヒドロキシ化合物1mol当たり2.0μmolとなるように添加して、混合物を調製した。次に、該混合物を、攪拌機、熱媒ジャケット、真空ポンプ及び還流冷却器を具備した内容量400L(リットル)の第1反応器に投入した。
次に、第1反応器内を1.33kPa(10Torr)に減圧し、続いて、窒素で大気圧に復圧する操作を10回繰り返し、第1反応器の内部を窒素置換した。窒素置換後、熱媒ジャケットに温度230℃の熱媒を通じて、第1反応器の内温を徐々に昇温させ、混合物を溶解させた。その後、この溶融混合物を第2反応器に移送した。尚、第2反応器としては、攪拌機、熱媒ジャケット、真空ポンプ並びに還流冷却管を具備した内容量400Lの反応器を用いた。器内は60rpmで撹拌機を回転させ、熱媒ジャケット内の温度をコントロールして、第2反応器の内温を220℃に保った。次いで、第2反応器の内部で行われるBPAとDPCのオリゴマー化反応により副生するフェノールを留去しながら、第1反応器内の圧力を絶対圧で101.3kPa(760Torr)から13.3kPa(100Torr)まで減圧した。
次に、第2反応器を30rpmで攪拌し、熱媒ジャケットにて内温を昇温し、第2反応器内を絶対圧で101.3kPaから13.3kPaまで減圧した。その後、昇温を継続し、内圧を絶対圧で13.3kPaから399Pa(3Torr)まで減圧し、留出するフェノールを系外に除去した。さらに、昇温を続け、第2反応器内の絶対圧が70Pa(約0.5Torr)に到達した後、70Paを保持し、重縮合反応を行った。その際、攪
拌動力に応じて攪拌回転数を10rpmとし、第2反応器内の最終的な内部温度は285℃とした。第2反応器の攪拌機が予め決めていた所定の攪拌動力となったときに、重縮合反応を終了した。
得られたポリカーボネート樹脂を第2反応器の器底弁よりストランド状に抜き出し、水浴をくぐらせて冷却させた後、カッターによりペレット状に切断した。
このポリカーボネート樹脂ペレットにp−トルエンスルホン酸ブチル2ppm及び紫外線吸収剤(2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、シプロ化成社製、商品名「シーソーブ709」)を3000ppm添加し、日本製鋼所社製の二軸押出機(TEX−35α)にて、溶融混練し、単軸押出機の出口からストランド状に押し出し、水で冷却固化させた後、回転式カッターで切断してペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
このポリカーボネート樹脂組成物を評価した結果は、実施例2−2〜2−7、比較例2−1及び2−2の結果と併せて表2−1に示した。
[実施例2−2〜2−7]
実施例2−1において、第1反応器に供給する触媒としてのリン化合物、及び金属元素を有する化合物の種類と量を表2−1に示したものとした以外は、実施例2−1と同様に、第1反応器、及び第2反応器で2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)とジフェニルカーボネート(DPC)の重縮合反応を行った。
得られたポリカーボネート樹脂を第2反応器の器底弁よりストランド状に抜き出し、水浴をくぐらせて冷却させた後、カッターによりペレット状に切断した。
このポリカーボネート樹脂ペレットにp−トルエンスルホン酸ブチル2ppm及び紫外線吸収剤(2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、シプロ化成社製、商品名「シーソーブ709」)を2600〜5000ppm添加し、実施例2−1と同様に溶融混練後ペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
[比較例2−1]
実施例2−1において、第1反応器に供給する触媒としてのリン化合物(トリフェニルホスフィン)を使用しない以外は、実施例2−1と同様に縮重合反応を行い、ポリカーボネート樹脂ペレット及びポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
[比較例2−2]
実施例5において、得られたポリカーボネート樹脂ペレットに紫外線吸収剤を添加しなかった以外は、実施例5と同様にしてポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
Figure 2014101487
(実施例3−1〜3−6、比較例3−1及び3−2)
[実施例3−1]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)181.8kg及びジフェニルカーボネート(DPC)157.7kgに、触媒としてトリフェニルホスフィンをジヒドロキシ化合物1mol当たり50μmolとなるように添加し、さらに炭酸セシウム水溶液を炭酸セシウムがジヒドロキシ化合物1mol当たり0.2μmolとなるよう
に添加して、混合物を調製した。次に該混合物を、攪拌機、熱媒ジャケット、真空ポンプ及び還流冷却器を具備した内容量400Lの第1反応器に投入した。
次に、第1反応器内を1.33kPa(10Torr)に減圧し、続いて、窒素で大気圧に復圧する操作を10回繰り返し、第1反応器の内部を窒素置換した。窒素置換後、熱媒ジャケットに温度230℃の熱媒を通じて第1反応器の内温を徐々に昇温させ、混合物を溶解させた。その後、この溶融混合物を第2反応器に移送した。なお、第2反応器としては、攪拌機、熱媒ジャケット、真空ポンプ並びに還流冷却管を具備した内容量400Lの反応器を用いた。器内は60rpmで撹拌機を回転させ、熱媒ジャケット内の温度をコントロールして、第2反応器の内温を220℃に保った。次いで、第2反応器の内部で行われるBPAとDPCのオリゴマー化反応により副生するフェノールを留去しながら、第1反応器内の圧力を絶対圧で101.3kPa(760Torr)から13.3kPa(100Torr)まで減圧した。
次に、第2反応器を30rpmで攪拌し、熱媒ジャケットにて内温を昇温し、第2反応器内を絶対圧で101.3kPaから13.3kPaまで減圧した。その後、昇温を継続し、内圧を絶対圧で13.3kPaから399Pa(3Torr)まで減圧し、留出するフェノールを系外に除去した。さらに、昇温を続け、第2反応器内の絶対圧が70Pa(約0.5Torr)に到達した後、70Paを保持し、重縮合反応を行った。その際、攪拌動力に応じて攪拌回転数を10rpmとし、第2反応器内の最終的な内部温度は285℃とした。第2反応器の攪拌機が予め決めていた所定の攪拌動力となったときに、重縮合反応を終了した。
得られたポリカーボネート樹脂を第2反応器の器底弁よりストランド状に抜き出し、水浴をくぐらせて冷却させた後、カッターによりペレット状に切断した。
このポリカーボネート樹脂ペレットにp−トルエンスルホン酸ブチル2ppm及び難燃剤(ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、Arichem社製、商品名「KSS−FR」)を60ppm添加し、日本製鋼所社製の二軸押出機(TEX−35α)にて、溶融混練し、単軸押出機の出口からストランド状に押し出し、水で冷却固化させた後、回転式カッターで切断してペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
このポリカーボネート樹脂組成物を評価した結果は、実施例3−2〜3−6、比較例3−1及び3−2の結果と併せて表3−1に示した。
表1に示した。
[実施例3−2〜3−6]
実施例3−1において、第1反応器に供給する触媒としてのリン化合物及び金属元素を含む化合物の種類と量を表3−1に示したものとした以外は、実施例3−1と同様に第1反応器、第2反応器で2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)及びジフェニルカーボネート(DPC)の重縮合反応を行った。
得られたポリカーボネート樹脂を第2反応器の器底弁よりストランド状に抜き出し、水浴をくぐらせて冷却させた後、カッターによりペレット状に切断した。
このポリカーボネート樹脂のペレットにp−トルエンスルホン酸ブチル2ppm及び難燃剤(ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、Arichem社製、商品名「KSS−FR」)を60ppm〜120ppm添加し、実施例3−1と同様に溶融混練後ペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
[比較例3−1]
実施例3−1において、第1反応器に供給する触媒としてのリン化合物(トリフェニルホスフィン)を使用せず、前記炭酸セシウム水溶液を炭酸セシウムがジヒドロキシ化合物
1mol当たり0.5μmol用いた以外は、実施例3−1と同様に縮重合反応を行い、ポリカーボネート樹脂ペレット及びポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
[比較例3−2]
実施例3−5において、得られたポリカーボネート樹脂ペレットに難燃剤を添加しなかった以外は、実施例3−5と同様にしてポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
Figure 2014101487
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、色相が良好であり、透明性、耐熱性、機械的
強度及び耐衝撃性等にも優れた特性を有し、各種機械部品、各種電気絶縁性材料、自動車部品、光ディスク等の情報機器材料、ヘルメット等の安全防護材料等の各種用途に利用できる。
A 原料混合物
1a 原料(炭酸ジエステル)供給口
1b、1c 原料(ジヒドロキシ化合物)供給口
1d 触媒供給口
2a 原料混合槽
3a アンカー型攪拌翼
4a 原料供給ポンプ
4b、4c、4d ギアポンプ
5a 原料フィルター
6a 第1竪型反応器
6b 第2竪型反応器
6c 第3横型反応器
6d 第4横型反応器
7a、7b マックスブレンド翼
7c ハイブリッド翼
7d 2軸メガネ型攪拌翼
8a、8b 内部熱交換器
9a、9b 還流冷却器
10a、10b 還流管
11a、11b、11c、11d 留出管
12a、12b、12c、12d 凝縮器
13a、13b、13c、13d 減圧装置
14a 留出液回収タンク
15a 二軸押出機
15b ポリマーフィルター
16a ストランド冷却槽
16b ストランドカッター
16c 空送ブロワー
16d 製品ホッパー
16e 計量器
16f 製品袋(紙袋、フレコンなど)

Claims (19)

  1. 炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とをエステル交換触媒の存在下に重縮合反応するポリカーボネート樹脂の製造方法であって、
    前記エステル交換触媒が下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物と、長周期型周期表第1族元素(水素は除く)の化合物、長周期型周期表第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物と、
    を含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
    Figure 2014101487
    Figure 2014101487
    (式(1)において、Ph、Ph、及びPhは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香環を示す。該置換基としては、炭素数1〜炭素数30のアルキル基、炭素数1〜炭素数30のアルコキシ基、炭素数6〜炭素数30のシクロアルキル基、又は芳香環を示す。 式(2)において、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数4〜炭素数30のアルキル基又はシクロアルキル基を示す。さらに、R、R、及びRのうちの1つ又は2つが、炭素数4〜炭素数30のアルキル基又はシクロアルキル基の場合、残りの2つ又は1つは上記Phと同じであってもよい。)
  2. 前記塩基性化合物が、長周期型周期表第1族元素(水素は除く)の化合物、及び長周期型周期表第2族元素の化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法
  3. 前記一般式(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物と塩基性化合物とのモル比率が、10000:1〜0.1:1である請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
  4. 前記一般式(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物が、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.1μモル以上1000μモル以下である請求項1乃至3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
  5. 前記式(1)のPh、Ph、及びPhが、それぞれ独立に、全て置換基を有する芳香環である請求項1乃至4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂の製造方法により製造されたポリカーボネート樹脂であって、
    ポリカーボネート樹脂を加水分解した後に測定された、下記一般式(3)〜(7)の総量が、ポリカーボネート樹脂全体に対して、100ppm以上750ppm以下であるポリカーボネート樹脂。
    Figure 2014101487
    (R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。)
  7. 請求項6に記載のポリカーボネート樹脂に前記(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物と、
    長周期型周期表第1族元素(水素は除く)の化合物、長周期型周期表第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物と、紫外線吸収剤とを、
    含有してなるポリカーボネート樹脂組成物。
  8. 請求項6に記載のポリカーボネート樹脂に前記(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物と、
    長周期型周期表第1族元素(水素は除く)の化合物、長周期型周期表第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物及び含窒素塩基性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物と、難燃剤とを、
    含有してなるポリカーボネート樹脂組成物。
  9. 前記塩基性化合物が、長周期型周期表第1族元素(水素は除く)の化合物、及び長周期型周期表第2族元素の化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項7又は8に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  10. 前記一般式(1)及び/又は(2)で表されるリン化合物の含有量が、ポリカーボネート樹脂組成物全体に対して、1ppm以上100ppm以下である請求項7乃至9のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  11. 前記一般式(1)で表されるリン化合物が、トリフェニルホスフィン、トリス(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン及びトリス(p−ターシャリーブチルフェニル)ホスフィンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項7乃至10のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  12. 前記金属元素を有する化合物が、当該金属の炭酸塩及び当該金属の酢酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項7乃至11のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  13. 前記金属元素を有する化合物の含有量が、ポリカーボネート樹脂組成物全体に対して0.01ppm以上1ppm以下である請求項7乃至12のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  14. 前記紫外線吸収剤の含有量が、ポリカーボネート樹脂組成物全体に対して0.01ppm以上10000ppm以下である請求項7、及び9乃至13のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  15. 前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシベンゾフェノン系、トリアジン系及びマロン酸エステル系の紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項7、及び9乃至14のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  16. 前記難燃剤の含有量が、ポリカーボネート樹脂組成物全体に対して、0.001ppm以上25重量%以下である請求項8乃至13のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  17. 前記難燃剤が、スルホン酸金属塩系難燃剤、ハロゲン含有化合物系難燃剤、燐含有化合物系難燃剤及び珪素含有化合物系難燃剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項8乃至13、及び16のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  18. 加水分解した後に測定される、下記一般式(3)〜(7)で表される化合物の総量が、ポリカーボネート樹脂組成物全体に対して、100ppm以上750ppm以下である請求項7乃至17のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 2014101487
    (R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。)
  19. 前記ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度が、200ppm以上1200ppm以下である請求項7乃至18のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
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