JP2014101149A - キャップ及びキャップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ストローを挿入する挿入孔を閉塞する金属材料で形成された部材の端部が内容物と接触することを防止可能な、飲料容器に用いられるキャップ及びキャップの製造方法を提供すること。
【解決手段】飲料容器100に用いられるキャップ1は、内容物を貯留可能な容器体101の開口端102に固定される胴部11と、胴部11の一端を閉塞するとともに、その一部に孔部26が形成された天板部12と、天板部12に固定された、孔部26を閉塞する金属箔31、及び、金属箔31の縁部を少なくとも覆う被覆部材32を具備する閉塞部材14と、天板部12に設けられ、開口端102及び天板部12間を密封する、樹脂材料で形成されたシール部材13と、を備える構成とする。
【選択図】 図3
【解決手段】飲料容器100に用いられるキャップ1は、内容物を貯留可能な容器体101の開口端102に固定される胴部11と、胴部11の一端を閉塞するとともに、その一部に孔部26が形成された天板部12と、天板部12に固定された、孔部26を閉塞する金属箔31、及び、金属箔31の縁部を少なくとも覆う被覆部材32を具備する閉塞部材14と、天板部12に設けられ、開口端102及び天板部12間を密封する、樹脂材料で形成されたシール部材13と、を備える構成とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ストローを用いて開封可能な、飲料容器に用いられるキャップ及びキャップの製造方法に関する。
現在、飲料等の内容物を収容する飲料容器において、所謂紙パック容器と呼ばれ、ストローを用いて容器を開封可能なものが知られている。しかし、紙パック容器では、容器の強度及び内容物のバリア性が低い、という問題がある。
このような容器の強度及びバリア性の向上等の要望から、ストローにより開封可能な、金属材料により形成されたキャップ(例えば、特許文献1参照)、及び、樹脂材料により形成されたキャップ(例えば、特許文献2参照)を、飲料容器に用いる技術が知られている。
特許文献1に記載された金属材料により形成されたキャップは、パネル部の中央に孔部を形成し、ストローの突き刺しが可能なシール部材を、孔部を覆うように粘着する構成である。このようなキャップは、金属材料により形成すると、内容物と金属材料が直接接触し、内容物が劣化する虞がある。このため、特許文献1には、表面に保護層が形成されるとともに、孔部の内周縁をカール成形することで、孔部の内周縁に内容物が接触することによる、内容物の劣化を防止するキャップが開示されている。
特許文献2には、樹脂材料により形成されたキャップとして、天板部の中央部に孔部を形成するとともに、天板部の下面側にシート部材を埋設し、天板部の下面に設ける環状プラグによる密封性の低下を防止する技術が開示されている。
上述したキャップでは、以下の問題があった。即ち、上述した、特許文献1に記載されたキャップは、孔部の端部が内容物に接触することを防止するために、カール成形を行う。しかし、パネル部の径や孔部の径によっては、孔部の内周縁にカール成形を施すことが困難である場合がある。
また、特許文献2に記載されたキャップは、天板部の下面をシート部材により覆う構成であるが、シート部材に、バリア性の高い金属箔を用いると、金属箔が内容物と接触する虞がある。例えば、金属箔により形成されたシート部材は、その表面に、内容物に影響を与えない樹脂被覆層を設けることも考えられるが、樹脂被服層は、シート部材の端部側において形成されていないことがある。
例えば、特許文献2に開示された技術のように、樹脂材料でキャップを形成することで、金属箔により形成されたシート部材を、天板部の内面側に埋設することが可能となり、シート部材の端部を内容物と非接触とすることが可能となる。しかし、キャップを金属材料で形成する構成では、特許文献2のシート部材を埋設する技術を適用することが困難であり、シート部材の端部が内容物に接触する虞がある、という問題がある。
そこで、本発明は、ストローを挿入する挿入孔を閉塞する金属材料で形成された部材の端部が内容物と接触することを防止可能な、飲料容器に用いられるキャップ及びキャップの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のキャップ及びキャップの製造方法は、次のように構成されている。
本発明の一態様として、キャップは、内容物を貯留可能な容器体の開口端に固定される胴部と、前記胴部の一端を閉塞するとともに、その一部に孔部が形成された天板部と、前記天板部に固定されるとともに前記孔部を閉塞する、その表面に樹脂被膜層が形成された金属箔、及び、前記金属箔の縁部を少なくとも覆う、樹脂材料で形成された被覆部材を具備する閉塞部材と、前記天板部に設けられ、前記開口端及び前記天板部間を密封する、樹脂材料で形成されたシール部材と、を備える。
本発明の一態様として、キャップの製造方法は、内容物を貯留可能な容器体の開口端に固定される胴部及び前記胴部の一端を閉塞する天板部が形成されたキャップの前記天板部の一部に孔部を成形し、前記天板部に固定されるとともに前記孔部を閉塞する、樹脂被膜層が形成された金属箔、及び、前記金属箔の縁部を少なくとも覆う、樹脂材料で形成された被覆部材からなる閉塞部材を、第1金型によって前記天板部に向って押圧するとともに、第2金型によって、前記閉塞部材を前記第1金型に向って押圧して、前記天板部に接着する。
本発明によれば、ストローを挿入する挿入孔を閉塞する金属材料で形成された部材の端部が内容物と接触することを防止可能な、飲料容器に用いられるキャップ及びキャップの製造方法を提供することが可能となる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1の構成について、図1乃至図8を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る飲料容器100の構成を示す斜視図、図2は飲料容器100に用いられるキャップ1の構成を示す上面図、図3はキャップ1の構成を示す断面図、図4はキャップ1の要部構成を拡大して示す断面図、図5はキャップ1の要部構成を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の第1の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1の構成について、図1乃至図8を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る飲料容器100の構成を示す斜視図、図2は飲料容器100に用いられるキャップ1の構成を示す上面図、図3はキャップ1の構成を示す断面図、図4はキャップ1の要部構成を拡大して示す断面図、図5はキャップ1の要部構成を拡大して示す断面図である。
図6はキャップ1の製造に用いる製造装置300の構成、及び、キャップ1の製造方法の一を示す断面図、図7は製造装置300の要部構成及びキャップ1の製造方法の一を拡大して示す断面図、図8はキャップ1の製造工程を示す流れ図である。
図1に示すように、飲料容器100は、容器体101と、容器体101を閉塞するキャップ1と、を備えている。飲料容器100は、内容物として、飲料を収容可能に形成されている。飲料容器100は、ストロー110により、キャップ1の一部を開封可能に形成されている。
容器体101は、金属材料で形成されるとともに、口部が開口する所謂ボトル型の缶体である。容器体101は、キャップ1を固定可能に形成されている。たとえば、容器体101は、その上端部に、開口する口部を構成する開口端102を備える。開口端102は、例えば、キャップ1を螺合可能な雄ねじ部を備えている。
図1乃至図5に示すように、キャップ1は、胴部11と、天板部12と、樹脂ライナー13と、閉塞部材14と、を備えている。キャップ1は、胴部11及び天板部12により、金属材料で形成されたキャップシェルを構成するとともに、樹脂ライナー13により、容器体101の開口端102とキャップシェルとの間を密封するシール部材を構成する。
キャップ1は、胴部11を容器体101の開口端102に固定可能に形成され、天板部12、樹脂ライナー13及び閉塞部材14により、開口端102を閉塞可能な、所謂容器体101の蓋である。また、キャップ1は、ストロー110を挿入可能であって、閉塞部材14により閉塞される挿入孔15が、その上面に形成されている。
胴部11は、略円筒状に形成されている。具体的には、胴部11は、天板部12と連続する円筒状のスカート部21と、スカート部21の一方の端部側、具体的には天板部12側に設けられた、ベントスリット22を形成するナール部23と、スカート部21の他方の端部側、具体的には、開口端側に破断部24を介して設けられたタンバーエビデンスバンド25と、を備えている。
胴部11は、アルミニウム合金や表面処理鋼板等の金属素材に樹脂被膜層を形成した金属材料により形成されている。なお、胴部11に形成される樹脂被膜層は、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂材料により形成される。
スカート部21は、容器体101の雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部を形成可能に構成される。ナール部23は、スカート部21の上端側に設けられた複数の凹部であって、その凹部の上端部にベントスリット22が設けられる。なお、このベントスリット22は、飲料容器100を、キャップ1を容器体101から取り外して開封する時に、飲料容器100内に充満するガスを排出する切り込みである。
天板部12は、胴部11のスカート部21に一体に形成されている。天板部12は、その一部、好ましくは、その中心に、孔部26が形成されている。例えば、孔部26は、天板部12の上面側から、胴部11側に向って打ち抜き加工により形成される。孔部26は、その内径が、ストロー110を挿入可能な径に形成されている。
天板部12は、アルミニウム合金や表面処理鋼板等の金属素材に樹脂被膜層を形成した金属材料により形成されている。なお、天板部12に形成される樹脂被膜層は、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂材料により形成される。より具体的には、天板部12は、胴部11とともに、同一材料から成型されることから、胴部11の樹脂被膜層と同一の樹脂被膜層が形成される。
樹脂ライナー13は、その一方の主面が、天板部12の一方の主面、換言すると天板部12の胴部11側の端面に固定される。例えば、樹脂ライナー13は、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂材料により形成される。また、樹脂ライナー13は、胴部11及び天板部12に形成される樹脂被膜層と同様の樹脂材料により形成される。
樹脂ライナー13は、自身を構成する樹脂材料と、天板部12に形成された樹脂被膜層との溶着により、天板部12に固定される。樹脂ライナー13は、その主面が容器体101の開口端と密着することで、当該開口端を密封可能に形成されている。
樹脂ライナー13は、天板部12の孔部26と対向する位置に、孔部26と略同一径に形成された孔部27を備えている。これら天板部12の孔部26及び樹脂ライナー13の孔部27は、ストロー110を挿入可能な挿入孔15を構成する。
樹脂ライナー13は、その他方の主面の外周側に、容器体101の開口端102と当接する円環状の突起部13aを備えている。樹脂ライナー13は、突起部13aが開口端102と当接することで、開口端102を閉塞する。
閉塞部材14は、金属箔31と、樹脂フィルム32と、を備えている。閉塞部材14は、ストロー110が挿入孔15に挿入されたときに、ストロー110により破断可能に形成されている。閉塞部材14は、キャップ1の天板部12の内側、換言すると、天板部12の胴部11が設けられる側に配置される。具体的には、閉塞部材14は、キャップ1の内側に位置する樹脂ライナー13の他方の主面に固定される。
金属箔31は、その表面に、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂材料により形成された樹脂被膜層が形成された、アルミニウムにより形成された薄膜である。
金属箔31は、樹脂ライナー13の孔部27の内径よりも大径の円状に形成される。金属箔31は、樹脂ライナー13の孔部27を覆うとともに、樹脂ライナー13に溶着される。例えば、金属箔31は、薄膜状のアルミニウム箔に、樹脂ライナー13と同様の樹脂材料により樹脂被膜層が形成され、その後、円盤状に形成される。
樹脂フィルム32は、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂材料により形成されている。樹脂フィルム32は、金属箔31の樹脂被膜層と同様の樹脂材料により形成される。
樹脂フィルム32は、弾性変形可能、且つ、ストロー110による押圧等の外力により破断可能に形成されている。樹脂フィルム32は、金属箔31の外径よりも大径の円状に形成される。樹脂フィルム32は、少なくとも、金属箔31の外周側の縁部を覆う、被覆部材である。本実施の形態においては、樹脂フィルム32は、金属箔31の全体を覆う。樹脂フィルム32は、樹脂ライナー13と対向するその一部が樹脂ライナー13と、金属箔31と対向するその他部が金属箔31と、それぞれ溶着される。樹脂フィルム32は、金属箔31と対向する部位の大部分又は全部が、金属箔31と密着して溶着される。
次に、このように構成されたキャップ1の製造に用いられる製造装置300及びキャップ1の製造方法について、図6乃至図8を用いて説明する。
キャップ1の製造に用いられる製造装置300は、閉塞部材14を、樹脂ライナー13が設けられたキャップ1に接着する工程に用いられる。
キャップ1の製造に用いられる製造装置300は、閉塞部材14を、樹脂ライナー13が設けられたキャップ1に接着する工程に用いられる。
図6及び図7に示すように、製造装置300は、第1金型301と、第2金型302と、第1金型301を加熱する加熱装置303と、第1金型301を移動させる移動装置304と、を備えている。
第1金型301は、第2金型302と対向して配置され、第2金型302に対して移動可能に形成されている。第1金型301は、第2金型302と対向し、閉塞部材14と接触して押圧するパンチ311と、パンチ311に設けられた空気孔312と、を備えている。パンチ311は、少なくともその先端部311aが、樹脂ライナー13の外径よりも小径、さらに言えば、樹脂ライナー13の突起部13aよりも小径に形成されるとともに、先端部311aの先端面311bが、閉塞部材14と接触可能に形成される。
先端面311bは、その面積が、金属箔31及び樹脂フィルム32よりも大きく形成されている。具体的には、先端面311bは、円状に形成され、その外径が金属箔31及び樹脂フィルム32の外径よりも大径に形成されている。先端面311bは、例えば、平坦状に形成されている。
空気孔312は、天板部12の孔部26と対向する位置に設けられるとともに、孔部26の内径よりも小径に形成されている。空気孔312は、先端面311bの中心に開口する。空気孔312は、例えば、外気と連通する、パンチ311の内部に形成された孔である。空気孔312は、その先端面311bに開口する開口面積(内径)が、空気の逃がしが可能な大きさであって、且つ、極力小さく形成されている。より具体的には、空気孔312は、先端面311bと、当該先端面311bと当接する被当接体、本実施形態においては金属箔31及び樹脂フィルム32との間に介在する空気を逃がすことが可能な開口面積であって、且つ、極力小さく形成されている。
第2金型302は、基部320と、基部320に固定されたダイ321と、ダイ321に設けられるダイインサート322と、ダイ321に設けられるダイインサートシム323と、を備えている。
基部320は、ダイ321、ダイインサート322及びダイインサートシム323を固定可能に形成されている。ダイ321は、開口部325と、開口部325を中心とした所定の範囲に製造するキャップ1のキャップ本体を配置可能に案内する凹部326と、を備えている。
開口部325は、ダイ321の両主面間を貫通して形成され、その内部にダイインサート322及びダイインサートシム323が配置可能に形成されている。開口部325は、その開口端が凹部326の略中央に配置される。開口部325は、その開口端の内径が、挿入孔15の内径と略同一径、より具体的には挿入孔15よりも若干小さい径に形成される。
凹部326は、円柱状の窪みであって、その内径が、キャップ1の外径よりも若干大きく形成されている。なお、ここで、若干大きいとは、キャップ1に閉塞部材14を固定する際に、キャップ1の所定の範囲に閉塞部材14を固定可能な大きさである。
ダイインサート322は、開口部325に挿入される。ダイインサート322は、その先端面322aが、パンチ311の先端面311bと対向して形成される。ダイインサート322は、先端面322aの略中央に空気孔328が設けられている。ダイインサート322は、開口部325の開口端からその先端面322aが露出する。
先端面322aは、平坦状に形成されている。空気孔328は、天板部12の孔部26と対向する位置に設けられるとともに、孔部26の内径よりも小径に形成されている。空気孔328は、例えば、外気と連通可能に、ダイインサート322の内部に形成された孔である。空気孔328は、先端面322aの中心に開口するとともに、パンチ311の先端面311bに開口する空気孔312と対向位置に配置される。
空気孔328は、その先端面322aに開口する開口面積(内径)が、空気の逃がしが可能な大きさであって、且つ、極力小さく形成されている。より具体的には、空気孔328は、先端面322aと、当該先端面322aと当接する被当接体、本実施形態においては金属箔31との間に介在する空気を逃がすことが可能な開口面積であって、且つ、極力小さく形成されている。
ダイインサートシム323は、開口部325であって、且つ、ダイインサート322及び基部300間に挿入される。ダイインサートシム323は、その厚さによって、ダイインサート322の先端面322aの位置を調整可能に形成されている。
例えば、本実施の形態においては、第2金型302は、ダイインサート322の先端面322aが凹部326の外面から、天板部12の厚さ及び樹脂ライナー13の厚さと同一の長さだけ突出して形成される。
加熱装置303は、パンチ311を加熱可能なヒータであり、例えば、パンチ311の内部に設けられている。加熱装置303は、パンチ311の少なくとも先端面311bを所定の温度に加熱可能に形成されている。なお、ここで、所定の温度とは、パンチ311の先端面311bが接触する部材を溶着可能、より具体的には、天板部12の樹脂被膜層、金属箔31の樹脂被膜層、樹脂フィルム32、及び、樹脂ライナー13のいずれかの組み合わせを溶着可能な温度である。
移動装置304は、パンチ311を第2金型302、さらに言えば、パンチ311の先端面311bをダイインサート322の先端面322aに対して離接可能に形成されている。
次に、キャップ1の製造方法について図8の流れ図を用いて説明する。
先ず、金属素材の両面に樹脂被膜層を形成した金属材料を円板状に打ち抜き、その後、絞り成形によって、スカート部21及び天板部12からなる有底円筒状のキャップシェルを成形する(ステップST11)。次に、キャップシェルのスカート部21に、ベントスリット22を形成するナール部23、及び、タンバーエビデンスバンド25を成形する。次に、天板部12の内側の主面に樹脂ライナー13を成形する(ステップST12)。これにより、胴部11、天板12及び樹脂ライナー13からなるキャップ本体が形成される。
先ず、金属素材の両面に樹脂被膜層を形成した金属材料を円板状に打ち抜き、その後、絞り成形によって、スカート部21及び天板部12からなる有底円筒状のキャップシェルを成形する(ステップST11)。次に、キャップシェルのスカート部21に、ベントスリット22を形成するナール部23、及び、タンバーエビデンスバンド25を成形する。次に、天板部12の内側の主面に樹脂ライナー13を成形する(ステップST12)。これにより、胴部11、天板12及び樹脂ライナー13からなるキャップ本体が形成される。
次に、穿孔加工によって、天板部12及び樹脂ライナー13を所定の径で円形状に打ち抜いて挿入孔15を成形する(ステップST13)。次に、挿入孔15を成形したキャップ本体を製造装置300の第2金型302のダイ321に形成された凹部326に、樹脂ライナー13がパンチ311と対向するように配置する。次に、挿入孔15を覆うように金属箔31を配置し、加熱装置304により所定の温度に加熱されたパンチ311の先端面311bを図6及び図7に示すように金属箔31に押し付ける。加熱されたパンチ311により金属箔31を天板部12に押圧することで、金属箔31に形成された樹脂被膜層と樹脂ライナー13とを溶融させ、金属箔31に樹脂ライナー13を溶着する(ステップST14)。
なお、金属箔31に樹脂ライナー13を溶着するときに、図6に示すように金属箔31をパンチ311の先端面311b及びダイインサート322の先端面322aで挟み、先端面311b,322aにより押圧することで、金属箔31を均一に成形する、即ち、平坦となるように樹脂ライナー13に溶着する。
次に、金属箔31上に、金属箔31を覆うように樹脂フィルム32を配置する。次に、図6及び図7に示すように、加熱装置304により所定の温度に加熱されたパンチ311の先端面311bを、樹脂フィルム32に押し付ける。加熱されたパンチ311により樹脂フィルム32及び金属箔31を天板部12に押圧することで、樹脂フィルム32及び金属箔31の樹脂被膜層を溶着し、且つ、樹脂フィルム32及び樹脂ライナー13を溶着する(ステップST15)。なお、金属箔31及び樹脂フィルム32を溶着するときに、図6及び図7に示すように、金属箔31にダイインサート322の先端面322aを接触させておくことにより、金属箔31及び樹脂フィルム32をパンチ311及びダイインサート322により挟み込むことで、金属箔31及び樹脂フィルム32は、その略全面に渡って溶着することとなる。
このような構成により、金属箔31及び樹脂フィルム32が一体に溶着した閉塞部材14によって挿入孔15が閉塞されたキャップ1が製造される。
このように構成された飲料容器100は、キャップ1が容器体101に固定されることで、容器体101の開口端102がキャップ1により覆われるとともに、開口端102の端部及び天板部12間が樹脂ライナー13により密封される。これにより、飲料容器100は、容器体101内に貯留した飲料である内容物をその内部に密封することが可能となる。
この内容物が密封された飲料容器100は、キャップ1を容器体101から取り外すことで、開封可能となる。また、内容物が密封された飲料容器100は、ストロー110を挿入孔15に挿入し、閉塞部材14をストロー110で破断することで、開封可能となる。ストロー110により開封した飲料容器100は、キャップ1により内容物を溢すことを極力防止しながら、ストロー110により内容物を飲むことが可能となる。
このように構成された飲料容器100によれば、金属材料によりキャップシェルが形成されたキャップ1であっても、挿入孔15を閉塞部材14で密封することで、ストロー110により閉塞部材14を破断し、飲料容器100を開封することが可能となる。
また、閉塞部材14は、金属箔31を樹脂フィルム32で覆う構成とすることで、金属箔31の縁部がキャップ1内に露出することが防止可能となる。換言すると、閉塞部材14は、樹脂フィルム32により金属箔31を覆う構成とすることで、金属箔31の縁部が、容器体101及びキャップ1により形成される内容物を貯留する空間内に露出することが防止できる。
このように、閉塞部材14は、樹脂フィルム32により金属箔31を覆うことで、金属箔31の樹脂被膜層が形成されていない虞のある部位、即ち、金属素材が露出する部位が、内容物と接触することを防止可能となる。キャップ1は、金属箔31の金属素材と内容物が接触することによる内容物の劣化を防止可能となるとともに、内容物による金属箔31の腐食を防止することも可能となる。
また、樹脂フィルム32は、金属箔31と対向する部位の大部分又は全部が、金属箔31と密着して構成される。このため、ストロー110を挿入孔15に挿入したときに、その弾性変形による形状変化量(歪み量)が、金属箔31により規制される。具体的には、金属箔31は、樹脂フィルム32よりも、形状変化量が少ないことから、ストロー110により押圧された閉塞部材14は、樹脂フィルム32の形状変化量を金属箔31により減少させることが可能となる。これにより、閉塞部材14は、容易にストロー110により破断させることが可能となる。
また、閉塞部材14は、樹脂フィルム32により金属箔31を覆う構成とすることで、金属箔31の厚さを薄くしても強度を確保することが可能となり、製造コストの低減にもなる。
また、閉塞部材14は、金属箔31を用いることで、バリア性を向上させ、飲料容器100の保存性能の低下を防止可能となる。
閉塞部材14は、キャップ1の内側に設ける構成であることから、天板部12の外面よりも突出することを防止し、飲料容器100の運搬時等の破損を防止可能となる。
また、閉塞部材14は、樹脂ライナー13に設ける構成とすることで、天板部12の孔部26を形成するときに、孔部26の内周縁の稜部にバリ等が形成されていても、閉塞部材14を破損することがない。
これにより、キャップ1は、閉塞部材14の製造時の破損等を低減することが可能となる。キャップ1は、製造時のキャップ1の歩留まりを向上させるとともに、閉塞部材14による信頼性を向上することが可能となる。
また、天板部12、樹脂ライナー13、金属箔31及び樹脂フィルム32は、天板部12及び金属箔31にそれぞれ形成された樹脂被膜層、樹脂ライナー13及び樹脂フィルム32同士の溶着により密着させて接着することが可能となる。これにより、別途接着剤等を必要とせず、キャップ1の製造性及び製造コストを低減することが可能となる。
さらに、キャップ1の閉塞部材14は、パンチ311の先端面311b及びダイインサート322の先端面322aに対向してそれぞれ開口する空気穴312,328を備える製造装置300を用いて金属箔31及び樹脂フィルム32を溶着する。これにより、金属箔31を樹脂ライナー13に溶着するときに先端面311b,322a及び金属箔31間に空気が残存することを防止可能となり、金属箔31を平坦状に樹脂ライナー13に溶着することが可能となる。
また、樹脂フィルム32を金属箔31及び樹脂ライナー13に溶着するときに、先端面322a及び金属箔31、並びに、先端面311b及び樹脂フィルム32間に空気が残存することを防止可能となり、金属箔31及び樹脂フィルム32を平坦状に溶着することが可能となる。即ち、先端面311b,322aと金属箔31又は樹脂フィルム32間に空気があっても、当該空気は先端面311b,322aの外周側又は中心側の空気穴312,328に逃げることから、金属箔31及び樹脂フィルム32に空気が要因による皺等の発生を防止することが可能となる。
上述したように本発明の第1の実施形態に係るキャップ1を用いた飲料容器100によれば、キャップ1のストロー110を挿入する挿入孔15を、金属箔31及び金属箔31を覆う樹脂フィルム32により閉塞することで、ストロー110により開封可能であって、金属材料で形成された金属箔31の端部が内容物と接触することを防止可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態の、キャップ1を有する飲料容器100に限定されるものではない。以下、本発明の他の実施形態について説明する。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1Aの要部構成を拡大して示す断面図である。なお、第2の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1A中、第1の実施形態に係る飲料容器100と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1Aの要部構成を拡大して示す断面図である。なお、第2の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1A中、第1の実施形態に係る飲料容器100と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
飲料容器100は、容器体101と、容器体101の開口端102を閉塞するキャップ1Aを備えている。
キャップ1Aは、胴部11と、天板部12と、樹脂ライナー13と、閉塞部材14Aと、を備えている。閉塞部材14Aは、天板部12及び樹脂ライナー13の挿入孔15を閉塞可能に形成される。
閉塞部材14Aは、金属箔31Aと、樹脂フィルム32Aと、を備えている。閉塞部材14Aは、ストロー110が挿入孔15に挿入されたときに、ストロー110により破断可能に形成されている。閉塞部材14Aは、キャップ1の天板部12の内側、換言すると、天板部12の胴部11が設けられる側に配置される。
金属箔31Aは、その表面に、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂材料により形成された樹脂被膜層が形成された、アルミニウムにより形成された薄膜である。
金属箔31Aは、樹脂ライナー13の孔部27の内径よりも大径の円状に形成される。金属箔31Aは、樹脂ライナー13の孔部27を覆うとともに、樹脂ライナー13に溶着される。例えば、金属箔31は、薄膜状のアルミニウム箔に、樹脂ライナー13と同様の樹脂材料により樹脂被膜層が形成され、その後、円盤状に形成される。
また、金属箔31Aは、挿入孔15に位置する部位が、孔部27中、又は、孔部26,27に位置するように、曲面状、さらに言えばドーム上に突出して形成される。換言すると、金属箔31Aは、挿入孔15に位置する部位で突出する頂部が、天板部12の外面よりも内側に位置するように突出する。金属箔31Aは、上述した金属箔31の中央側が突出する構成であって、他の構成は、金属箔31と同様の構成である。
樹脂フィルム32Aは、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂材料により形成されている。樹脂フィルム32Aは、金属箔31Aの樹脂被膜層と同様の樹脂材料により形成される。
樹脂フィルム32Aは、弾性変形可能、且つ、ストロー110による押圧等の外力により破断可能に形成されている。樹脂フィルム32Aは、金属箔31Aの外径よりも大径の円状に形成される。樹脂フィルム32Aは、金属箔31Aの全体を覆うとともに、その一部が樹脂ライナー13と、その他部が金属箔31Aと、それぞれ溶着される。樹脂フィルム32Aは、金属箔31Aと対向する部位の大部分又は全部が、金属箔31Aと密着して溶着される。
また、樹脂フィルム32Aは、金属箔31Aと同様に、挿入孔15に位置する部位が、孔部27中に位置するように、突出して形成される。樹脂フィルム32Aは、上述した樹脂フィルム32の中央側が突出する構成であり、他の構成は、樹脂フィルム32と同様の構成である。
このように構成されたキャップ1Aは、例えば、パンチ311の先端面311bの挿入孔15に対向する範囲が球面状に突出するとともに、ダイインサート322の先端面322aが球面状に窪んで形成された製造装置300を用いて、上述したキャップ1と同様に、ステップST11乃至ステップST15の工程によって製造される。即ち、金属箔31A及び樹脂フィルム32Aは、パンチ311の先端面311b及びダイ322の先端面322aの形状によって、それら中央側が突出する構成に形成される。
このように構成されたキャップ1Aを有する飲料容器100は、上述した第1の実施形態に係る飲料容器100と同様に、キャップ1Aのストロー110を挿入する挿入孔15を、金属箔31A及び金属箔31Aを覆う樹脂フィルム32Aにより閉塞することで、ストロー110により開封可能であって、金属材料で形成された金属箔31の端部が内容物と接触することを防止可能となる。
また、キャップ1Aを有する飲料容器100は、閉塞部材14Aを、孔部27に位置するように外部に向って突出する構成とすることで、密封された飲料容器100の内圧を分散することで、内圧に対する耐圧性を確保することが可能となる。また、閉塞部材14Aは、金属箔31Aの挿入孔15に位置する部位で突出する頂部が、天板部12の外面よりも内側に位置する構成とすることで、運搬時等の外力による破断を極力防止可能となる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1Bの要部構成を拡大して示す断面図である。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1Bの要部構成を拡大して示す断面図である。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1Bの要部構成を拡大して示す断面図である。なお、第3の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1B中、第1の実施形態に係る飲料容器100及び第2の実施形態に係る飲料容器と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
飲料容器100は、容器体101と、容器体101の開口端102を閉塞するキャップ1Bを備えている。
キャップ1Bは、胴部11と、天板部12と、樹脂ライナー13と、閉塞部材14Bと、を備えている。閉塞部材14Bは、天板部12及び樹脂ライナー13の挿入孔15を閉塞可能に形成される。
閉塞部材14Bは、金属箔31と、樹脂フィルム32Bと、を備えている。閉塞部材14Bは、ストロー110が挿入孔15に挿入されたときに、ストロー110により破断可能に形成されている。閉塞部材14Bは、キャップ1の天板部12の内側、換言すると、天板部12の胴部11が設けられる側に配置される。
樹脂フィルム32Bは、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂材料により形成されている。樹脂フィルム32Bは、金属箔31の樹脂被膜層と同様の樹脂材料により形成される。
樹脂フィルム32Bは、弾性変形可能に形成されている。樹脂フィルム32Bは、その外径が金属箔31の外径よりも大径であって、その内径が金属箔31の外径よりも小径の円環状に形成される。また、例えば、樹脂フィルム32Bは、その内径が、挿入孔15の内径よりも大径に形成されている。樹脂フィルム32Bは、金属箔31の外周側の縁部を覆うとともに、その一部が樹脂ライナー13と、その他部が金属箔31の外周側と、それぞれ溶着される。
このように構成されたキャップ1Bを有する飲料容器100は、上述した第1の実施形態に係る飲料容器100と同様に、キャップ1Bのストロー110を挿入する挿入孔15を、金属箔31により閉塞することで、ストロー110により開封可能であって、金属材料で形成された金属箔31の端部が内容物と接触することを防止可能となる。
また、このようなキャップ1Bは、上述したキャップ1と同様の製造装置300及び製造方法によって製造される。
なお、本実施形態に係る閉塞部材14Bは、実質的には金属箔31のみにより挿入孔15を閉塞する構成であることから、金属箔31は、飲料容器100の内圧及び外圧により破断しない厚さに形成される。
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1Cの要部構成を拡大して示す断面図である。なお、第4の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1A中、第1の実施形態に係る飲料容器100乃至第3の実施形態に係る飲料容器100と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図11は、本発明の第4の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1Cの要部構成を拡大して示す断面図である。なお、第4の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1A中、第1の実施形態に係る飲料容器100乃至第3の実施形態に係る飲料容器100と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
飲料容器100は、容器体101と、容器体101の開口端102を閉塞するキャップ1Cを備えている。
キャップ1Cは、胴部11と、天板部12と、樹脂ライナー13Cと、閉塞部材14と、を備えている。樹脂ライナー13Cは、その孔部27Cの内径が、天板部12の孔部26の内径よりも大径であって、且つ、金属箔31及び樹脂フィルム32の外径よりも大径に形成される。
閉塞部材14は、天板部12の内側の主面に金属箔31が溶着されるとともに、樹脂フィルム32が天板部12及び金属箔31に溶着される。挿入孔15は、孔部26により形成される。金属箔31は、天板部12に溶着される構成であることから、例えば、天板部12の孔部26は、その内周縁の稜部にバリ等の発生の検査をすることが望ましい。
このようなキャップ1Cは、上述したキャップ1と同様の製造装置300によって製造される。キャップ1Cは、例えば、上述したステップST11乃至ステップST13によって樹脂ライナー13Cを用いたキャップ本体を成形後、製造装置300の第2金型302の凹部326に、樹脂ライナー13がパンチ311と対向するように配置する。次に、挿入孔15を覆うように金属箔31を配置し、加熱装置303により所定の温度に加熱されたパンチ311の先端面311bを金属箔31に押し付けて、金属箔31に形成された樹脂被膜層と天板部12の樹脂被膜層とを溶融し、金属箔31を天板部12に溶着する(ステップST14)。
その後、金属箔31上に、金属箔31を覆うように樹脂フィルム32を配置し、加熱装置303により所定の温度に加熱されたパンチ311の先端面311bを、樹脂フィルム32に押し付けて、樹脂フィルム32を、金属箔31及び天板部12に溶着する(ステップST15)。このような構成により、金属箔31及び樹脂フィルム32が一体に溶着した閉塞部材14によって挿入孔15が閉塞されたキャップ1Cが製造される。
このように構成されたキャップ1Cを有する飲料容器100は、上述した第1の実施形態に係る飲料容器100と同様に、キャップ1Cのストロー110を挿入する挿入孔15を、金属箔31及び樹脂フィルム32により閉塞することで、ストロー110により開封可能であって、金属材料で形成された金属箔31の端部が内容物と接触することを防止可能となる。
(第5の実施形態)
図12は、本発明の第5の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1Dの要部構成を拡大して示す断面図である。なお、第5の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1D中、第1の実施形態に係る飲料容器100乃至第4の実施形態に係る飲料容器100と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図12は、本発明の第5の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1Dの要部構成を拡大して示す断面図である。なお、第5の実施形態に係る飲料容器100に用いられるキャップ1D中、第1の実施形態に係る飲料容器100乃至第4の実施形態に係る飲料容器100と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
飲料容器100は、容器体101と、容器体101の開口端102を閉塞するキャップ1Dを備えている。
キャップ1Dは、胴部11と、天板部12と、樹脂ライナー13と、閉塞部材14Dと、を備えている。閉塞部材14Dは、金属箔31のみを有する構成である。
このようなキャップ1Dは、天板部12に金属箔31が溶着されるとともに、樹脂ライナー13が天板部12及び金属箔31に溶着される。換言すると、キャップ1Dは、閉塞部材14Dである金属箔31が天板部12及び樹脂ライナー13間に溶着され、金属箔31の端部が樹脂ライナー13により覆われる構成である。即ち、樹脂ライナー13は、金属箔31の端部を覆う被覆部材である。
金属箔31は、天板部12に溶着される構成であることから、例えば、天板部12の孔部26は、その内周縁の稜部にバリ等の発生の検査をすることが望ましい。
このようなキャップ1Dは、上述したキャップ1と同様の製造装置300によって製造される。キャップ1Dは、例えば、ステップST12を行わず、ステップST11及びステップST13によって樹脂ライナー13が形成されていないキャップ本体を成形後、金属箔31を天板部12に溶着する(ステップST14)。その後、ステップST12によって、金属箔31上に、樹脂ライナー13を形成し、金属箔31の端部を樹脂ライナー13により覆う。これらの工程によってキャップ1Dが製造される。
このように構成されたキャップ1Dを有する飲料容器100は、上述した第1の実施形態に係る飲料容器100と同様に、キャップ1Dのストロー110を挿入する挿入孔15を、金属箔31により閉塞することで、ストロー110により開封可能であって、金属材料で形成された金属箔31の端部が内容物と接触することを防止可能となる。
(第6の実施形態)
図13は、本発明の第6の実施形態に係る飲料容器200の構成を示す斜視図、図14は飲料容器200に用いられるキャップ1Eの構成を示す断面図である。なお、第6の実施形態に係る飲料容器200中、第1の実施形態に係る飲料容器100と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図13は、本発明の第6の実施形態に係る飲料容器200の構成を示す斜視図、図14は飲料容器200に用いられるキャップ1Eの構成を示す断面図である。なお、第6の実施形態に係る飲料容器200中、第1の実施形態に係る飲料容器100と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
飲料容器200は、その上端部から突出するとともに径方向に突出するフランジを有する開口端202が形成された容器体201と、容器体201の開口端202を閉塞するキャップ1Eを備えている。容器体201は、金属材料で形成されるとともに、開口端202が開口する所謂ボトル型の缶体である。
キャップ1Eは、胴部11Eと、天板部12と、樹脂ライナー13と、閉塞部材14と、を備えている。キャップ1Eは、胴部11E及び天板部12により、金属材料で形成されたキャップシェルを構成するとともに、樹脂ライナー13により、容器体201の開口端202とキャップシェルとの間を密封するシール部材を構成する。
キャップ1Eは、胴部11Eを容器体201の開口端202に固定可能に形成され、天板部12、樹脂ライナー13及び閉塞部材14により、開口端202を閉塞可能な、所謂容器体201の蓋である。また、キャップ1Eは、ストロー110を挿入可能であって、閉塞部材14により閉塞される挿入孔15が、その上面に形成されている。
胴部11Eは、略円筒状に形成されている。具体的には、胴部11Eは、天板部12と連続する円筒状のスカート部21のみにより構成される。また、スカート部21は、その下部が、開口端202の顎部と巻締め等により固定可能に形成されている。
なお、キャップ1Eは、上述したキャップ1と同様の製造装置300及び製造方法によって製造される。
このように構成された飲料容器200は、キャップ1Eを開口端202に着脱不可に固定され、閉塞部材14の破断により開封される構成である。また、飲料容器200は、上述した第1の実施形態に係る飲料容器100と同様に、キャップ1のストロー110を挿入する挿入孔15を、金属箔31及び金属箔31を覆う樹脂フィルム32により閉塞することで、ストロー110により開封可能であって、金属材料で形成された金属箔31の端部が内容物と接触することを防止可能となる。
なお、本発明はこれら第1の実施形態乃至第6の実施形態に限定されるものではない。上述した例では、容器体101,201は、金属材料で形成された、所謂ボトル型の缶体であると説明したがこれに限定されない。容器体101,201は、ボトル型以外の缶体であってもよく、また、ガラス材等で形成された容器であってもよい。
また、上述した例では、キャップ1,1A,1B,1Cは、ステップST14において、金属箔31を樹脂ライナー13又は天板部12に溶着後、ステップST15において、樹脂フィルム32を金属箔31と樹脂ライナー13又は天板部12に溶着する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、先に金属箔31及び樹脂フィルム32を溶着後に、溶着した金属箔31及び樹脂フィルム32を樹脂ライナー13又は天板部12に溶着する構成であってもよい。また、金属箔31及び樹脂フィルム32を天板部12に載置した後に、金属箔31及び樹脂フィルム32と、樹脂ライナー13又は天板部12とを、まとめて溶着する構成であってもよい。
また、上述した例では、キャップ1Cは、樹脂ライナー13Cを用いたキャップ本体を成形後、ステップST14及びステップST15にて金属箔31及び樹脂フィルム32を溶着する構成を説明したがこれに限定されない。即ち、キャップ1Cは、ステップST12を行わず、樹脂ライナー13Cが設けられていないキャップ本体にステップST14及びステップST15によって閉塞部材14を成形後、ステップST12によって樹脂ライナー13Cを成形する構成であってもよい。
さらに、上述した例では、キャップ1,1A,1Bは、ステップST13において、穿孔加工によって、天板部12及び樹脂ライナー13に挿入孔15を成形する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、樹脂ライナー13は、ステップST12において、予め孔部27を成形し、ステップST13においては、天板部12のみを穿孔して孔部26を成形する構成であってもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
1…キャップ、11…胴部、12…天板部、13…樹脂ライナー、14…閉塞部材、15…挿入孔、21…スカート部、22…ベントスリット、23…ナール部、24…破断部、25…タンバーエビデンスバンド、26…孔部、27…孔部、31…金属箔、32…樹脂フィルム(被覆部材)、100…飲料容器、101…容器体、102…開口端、110…ストロー。
Claims (8)
- 内容物を貯留可能な容器体の開口端に固定される胴部と、
前記胴部の一端を閉塞するとともに、その一部に孔部が形成された天板部と、
前記天板部に固定されるとともに前記孔部を閉塞する、その表面に樹脂被膜層が形成された金属箔、及び、前記金属箔の縁部を少なくとも覆う、樹脂材料で形成された被覆部材を具備する閉塞部材と、
前記天板部に設けられ、前記開口端及び前記天板部間を密封する、樹脂材料で形成されたシール部材と、
を備えることを特徴とするキャップ。 - 前記閉塞部材は、前記孔部において、前記天板部の外方に向って突出して形成されることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
- 前記天板部は、その表面に樹脂被膜層が形成され、
前記被覆部材は、樹脂フィルムであり、
前記天板部、前記金属箔、前記被覆部材及び前記シール部材は、互いに溶着されることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。 - 前記被覆部材は、前記金属箔の全面を覆うことを特徴とする請求項3に記載のキャップ。
- 内容物を貯留可能な容器体の開口端に固定される胴部及び前記胴部の一端を閉塞する天板部が形成されたキャップの前記天板部の一部に孔部を成形し、
前記天板部に固定されるとともに前記孔部を閉塞する、樹脂被膜層が形成された金属箔、及び、前記金属箔の縁部を少なくとも覆う、樹脂材料で形成された被覆部材からなる閉塞部材を、第1金型によって前記天板部に向って押圧するとともに、第2金型によって、前記閉塞部材を前記第1金型に向って押圧して、前記天板部に接着する、
ことを特徴とするキャップの製造方法。 - 前記閉塞部材は、前記孔部において、前記天板部の外方に向って突出して形成されることを特徴とする請求項5に記載のキャップの製造方法。
- 前記天板部は、その表面に樹脂被膜層が形成され、
前記被覆部材は、樹脂フィルムであり、
前記第1金型が加熱されることで、前記天板部、前記金属箔、前記被覆部材及び前記シール部材を互いに溶着することを特徴とする請求項5に記載のキャップの製造方法。 - 前記被覆部材は、前記金属箔の全面を覆うことを特徴とする請求項7に記載のキャップの製造方法。
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