JP6057148B2 - エアゾール容器 - Google Patents
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Description
このようなエアゾール容器を、例えば直射日光の照射によって高温環境下となりやすい自動車内等に放置したりすると、容器本体内の圧力が上昇して破裂し、バルブ機構がエアゾール容器から飛び出す虞がある。
液状内容物及び噴射剤を高圧状態で収容する容器本体と、マウンティングキャップを介して容器本体の口筒部に装着されて液状内容物を噴出させるバルブ機構とを備えたエアゾール容器であって、口筒部の内周面上で軸対称となる両位置の2箇所のみに内溝が形成されており、口筒部のうち、内溝と対応する位置に配置された口筒部の上端面が内圧上昇時に液状内容物及び噴射剤を外部に逃がすリーク面とされ、これと直交する位置に配置された口筒部の上端面が内圧上昇時に隆起変形してマウンテンキャップを上方に持ち上げる押上げ面とされていることを特徴とする、と云うものである。
また高温環境下に置かれたときには、本体容器側の口筒部の変形によってマウンティングキャップを持ち上げ、口筒部の上面とマウンティングキャップの下面に配置されるパッキンとの間にリーク通路の形成を達成する。
本発明の主たる構成においては、内溝が、上端を基端として下端のみが外方向に広がるように変位して全体的に略扇形状に変形する。これにより、口筒部の上端面のうち、一方の内溝と他方の内溝とを結ぶ仮想ラインを中心に挟んで対向する両位置に設けられた押上げ面が共に上方に盛り上げるように隆起変形するようになる。その結果、押上げ面がマウンティングキャップを均等に持ち上げるため、口筒部の上端面のうち仮想ラインに沿う位置に設けられたリーク面とマウンティングキャップの下面に設けられたパッキンとの間にリーク通路が形成され、内部のガス抜き作業を迅速且つ確実に行うことができる。よって、エアゾール容器の安全性を向上させることができる。
図1は本発明のエアゾール容器の実施例を示す正面図、図2はエアゾール容器の部分断面図であると共にバルブ機構の構成を示す断面図、図3はエアゾール容器を構成する容器本体の口筒部を示す平面図、図4は変形前の口筒部を示す断面図であり、Aは図3のA−A線断面図、Bは図3のB−B線断面図、図5は変形後の口筒部を示す断面図であり、Aは図3のA−A線断面図、Bは図3のB−B線断面図、図6はバルブ機構を装着した状態における変形後の口筒部を示す断面図であり、Aは図3のA−A線断面に相当する断面図、Bは図3のB−B線断面に相当する断面図である。
容器本体2は、最上端に設けられた口筒部3、口筒部3の下端部3cから下方に垂直に形成された首部4、首部4から下方に向かって拡径状に形成された肩部5、肩部5から下方に向かってほぼ一定の径寸法で形成された胴部6及びペタロイド状からなる底部7を有し、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)などからなる合成樹脂を材料として、周知の2軸延伸ブロー成形品として一体に成型されている。この容器本体2の肉厚寸法は比較的厚く形成されており、さらに底部7をペタロイド状に形成することで容器全体として優れた耐圧特性を備えている。液体内容液とガス状の噴射剤とは、このような容器本体2の内部に充填される。
ただし、外溝3b,3bは貫通する縦溝に限られるものではなく、例えば外溝3bの上端は連結されて閉じており、下端のみを開放した構成であってもよい。
なお、図3に示すように口筒部3の上端面3Cのうち、仮想ラインILに沿う上端面3Cがリーク面3C2,3C2として機能し、仮想ラインILと直交する方向に沿う上端面3Cが押上げ面3C1,3C1として機能する。
マウンティングキャップ20を口筒部3に装着したバルブ機構10の上から被せた状態で係合部20dをカシメ固定することにより、マウンティングキャップ20が口筒部3の上部に冠着されている。
同時に図5A、Bに示すように、容器本体2を高温環境下に置くと、上昇した内圧が容器本体2を外方向に向かって加圧する。特に拡径状に広がる肩部5に作用する加圧力は肩部5を斜め上方に加圧するため、口筒部3の中でも最も弱化した部分である内溝3a,3aに集中的に作用する。そして、図5Bに示すように、内溝3aは、その上端を基端として下端のみが外方向に広がるように変位して全体的に略扇形状に変形する。このような変形は、口筒部3の内周面3A上の軸対称となる両位置に形成された内溝3a,3aでそれぞれ起こる。このため、口筒部3の上端面3Cのうち、押上げ面3C1,3C1が共に上方に隆起変形する。その結果、図6Aに示すように、マウンティングキャップ20が均等に持ち上げられるため、押上げ面3C1,3C1と直交する位置においてリーク面3C2,3C2とパッキン15との間にリーク通路21,21が形成される。
なお、外溝3b,3bが形成されていなくとも液体内容物や噴射剤を外部に逃がすことが可能であるが、上記実施例のように外溝3b,3bを形成する構成では、より確実且つ迅速に液体内容物や噴射剤を外部に逃がすことができる。
上記実施例では、口筒部3の内周面3A及び外周面3Bの双方に内溝3a及び外溝3bを対向配置した場合を示して説明したが、本発明は少なくとも口筒部3の内周面3A上で軸対称となる両位置に内溝3a,3aをそれぞれ形成することにより、マウンティングキャップ20を均等に持ち上げてリーク通路21,21を形成することが可能である。
2 ; 容器本体
3 ; 口筒部
3A ; 口筒部の内周面
3B ; 口筒部の外周面
3C ; 口筒部の上端面
3C1; 上端面上の押上げ面
3C2; 上端面上のリーク面
3a ; 内溝
3b ; 外溝
3c ; 口筒部の外周面の下端部
4 ; 首部
5 ; 肩部
6 ; 胴部
7 ; 底部
10 ; バルブ機構
11 ; ハウジング
11A; ハウジングの天面
12 ; フランジ
13 ; ステム
13a; 吐出通路
13b; 連通路
14 ; ディップチューブ
15 ; パッキン
16 ; コイルスプリング
17 ; ステムラバー
20 ; マウンティングキャップ
20a; 上面部
20b; 挿通孔
20c; 裾部
20d; 係合部
21 ; リーク通路
IL ; 仮想ライン
Claims (4)
- 液状内容物及び噴射剤を高圧状態で収容する容器本体(2)と、マウンティングキャップ(20)を介して前記容器本体(2)の口筒部(3)に装着されて前記液状内容物を噴出させるバルブ機構(10)とを備えたエアゾール容器であって、前記口筒部(3)の内周面(3A)上で軸対称となる両位置の2箇所のみに内溝(3a)が形成されており、前記口筒部(3)のうち、前記内溝(3a)と対応する位置に配置された前記口筒部(3)の上端面(3C)が内圧上昇時に前記液状内容物及び噴射剤を外部に逃がすリーク面(3C2)とされ、これと直交する位置に配置された前記口筒部(3)の上端面(3C)が内圧上昇時に隆起変形して前記マウンテンキャップ(20)を上方に持ち上げる押上げ面(3C1)とされていることを特徴とするエアゾール容器。
- 口筒部(3)の外周面(3B)上で且つ内溝(3a)と対向する位置に外溝(3b)が形成されている請求項1記載のエアゾール容器。
- 容器本体(2)が、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートで形成されている請求項1又は2記載のエアゾール容器。
- バルブ機構(10)が、フランジ(12)を有するハウジング(11)と、液状内容物を外部に吐出する吐出通路(13a)と前記吐出通路(13a)に連通する連通路(13b)とを有し、マウンティングキャップ(20)の上面に形成された挿通孔(20b)に挿通されて移動自在に設けられたステム(13)と、前記ハウジング(11)に設けられ、前記ステム(13)の移動に応じて前記挿通孔(20b)の閉鎖及びその解除を行うステムラバー(17)と、前記容器本体(2)の口筒部(3)の上面と前記フランジ(12)の下面との間に配置されるパッキン(15)と、前記ハウジング(11)内に内蔵されると共に前記ステム(13)を上方に付勢するコイルスプリング(16)と、前記ハウジング(11)の下端に連通し前記容器本体(2)の底部(6)方向に延びるディップチューブ(14)と、を有して構成される請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエアゾール容器。
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