JP2014100621A - 金属イオン酸性水添加装置および水回り機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸性水を生成する酸性水生成装置と、金属部材が格納された格納部を有し前記酸性水生成装置により生成された前記酸性水を前記金属部材により水処理し金属イオン酸性水を生成する金属イオン水生成装置と、前記金属イオン水生成装置により生成された前記金属イオン酸性水を対象物に添加する添加装置と、を備え、前記金属イオン水生成装置が前記金属イオン酸性水を生成した後において前記酸性水のpHよりも高いpHの水が前記格納部に通水され、前記金属部材は、前記水により浸漬状態とされることを特徴とする金属イオン酸性水添加装置が提供される。
【選択図】図1
Description
例えば大便器あるいは小便器のボウル面を洗浄水で洗浄した後にボウル面に残った残水が蒸発してボウル面が乾燥すると、水垢がボウル面に付着することがある。水垢がボウル面に付着すると、ボウル面が汚れてしまう。また、水垢はボウル面に強固に付着しているため、水垢を取り除くことは難しい。さらに、ケイ酸成分の水垢は、カルシウム成分やマグネシウム成分などの水垢よりも強固に便器の釉薬表面に固着する。そのため、ケイ酸成分の水垢を容易に除去できる技術が切望されている。そのため、水垢の生成を抑制する技術、特にケイ酸成分の水垢を容易に除去できる技術が求められている。手洗い器のボウルなどの水回り機器も、同様である。
図1は、本発明の実施の形態にかかる金属イオン酸性水添加装置の要部構成を表すブロック図である。
なお、図1は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
本願明細書において「水処理」とは、目的に適するように水に対して各種の処理を行うことをいうものとする。
具体的には、金属イオン水生成装置130は、酸性水生成装置120により生成された酸性水を使用し金属部材を溶融させ、酸性水に金属イオンを添加する。これにより、金属イオンが酸性水に添加された金属イオン酸性水が生成される。
本実施形態の金属イオン水生成装置130は、格納部133と、金属部材134と、を有する。金属部材134は、格納部133の内部に設けられている。金属部材134には、機械処理が施されている。本願明細書おいて「機械処理」とは、プレス加工および機械加工の少なくともいずれかを含むものとする。プレス加工には、例えば、せん断、プレス抜き及び曲げなどが含まれる。機械加工には、例えば、切削および研削などが含まれる。本実施形態では、金属部材134は、機械処理により粉砕されている。そして、図2に表したように、複数の金属部材134が格納部133の内部に設けられている。金属部材134は、例えば、四角の一辺が約10ミリメートル(mm)程度であって、厚さが約0.5mm程度の形状を有する。但し、金属部材134の形状は、これだけには限定されない。
本実施形態の酸性水生成装置120は、電解槽150を有する。電解槽150は、その内部に陽極板154および陰極板155を有し、制御装置180からの通電の制御によって、陽極板154と、陰極板155と、の間の空間(流路)を流れる水道水を電気分解できる。この際、陰極板155においては酸(H+)が消費され、陰極板155の近傍ではpHが上昇する。すなわち、陰極板155の近傍では、アルカリ水が生成される。一方、陽極板154においてはアルカリ(OH−)が消費され、陽極板154の近傍ではpHが下降する。すなわち、陽極板154の近傍では、酸性水が生成される。酸性水生成装置120により生成される酸性水のpH(potential Hydrogen)は、約1.0〜3.5程度である。
本実施形態の酸性水生成装置120は、電解槽150の下流側において、陽イオン交換樹脂システム160をさらに有していてもよい。酸性水生成装置120が陽イオン交換樹脂システム160を有する場合には、陽イオン交換樹脂システム160は、電解槽150の下流側であって、金属イオン水生成装置130の上流側に配置される。
なお、本実施形態では、陽イオン交換樹脂システム160は、必ずしも設けられていなくともよい。
金属イオン水生成装置130が金属イオン酸性水を生成する場合あるいは添加装置140が金属イオン酸性水を対象物に添加する場合には、制御装置180は、まず、バルブ110を開く(タイミングt1)。続いて、制御装置180は、酸性水生成装置120の駆動を開始し、酸性水生成装置120に酸性水を生成させる(タイミングt2)。このように、制御装置180がバルブ110を開いた後に酸性水生成装置120の駆動を開始することで、酸性水生成装置120の内部(電解槽150の内部)が空の状態のときに酸性水生成装置120に電流が流れることを防止できる。
本願明細書において「上水」とは、pH(potential Hydrogen)が3〜10の水をいうものとする。
図6は、アルミニウムの水酸化物の生成についての検討結果の一例を例示するグラフ図である。
図6(a)は、各pHのpH調整水にアルミニウムをそれぞれ24時間浸漬させた後に測定したX線回折(XRD:X-ray diffraction)の結果の一例を表すグラフ図である。図6(b)は、各pHのpH調整水にアルミニウムをそれぞれ48時間浸漬させた後に測定したX線回折の結果の一例を表すグラフ図である。図6(a)および図6(b)のそれぞれに表したグラフ図の横軸は、回折角2θ(度)を表す。図6(a)および図6(b)のそれぞれに表したグラフ図の縦軸は、回折強度を表す。
図8は、本検討における走査型電子顕微鏡によるアルミニウムの画像の一例を例示する表である。
図7に表したグラフ図の横軸は、浸漬時間(時間)を表す。図7に表したグラフ図の縦軸は、pHを表す。
図8(a)は、pH7のpH調整水にアルミニウムを所定時間浸漬させた後に撮影した走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)の画像の一例を表す表である。図8(b)は、pH3のpH調整水にアルミニウムを所定時間浸漬させた後に撮影した走査型電子顕微鏡の画像の一例を表す表である。
図9(a)は、pH7の上水を4時間毎に入れ替えた場合のアルミニウムイオン濃度の変化の一例を例示するグラフ図である。図9(b)は、pH7の上水を8時間毎に入れ替えた場合のアルミニウムイオン濃度の変化の一例を例示するグラフ図である。
図10は、本発明の実施の形態にかかる水回り機器を表す模式図である。
なお、図10においては、説明の便宜上、衛生洗浄装置を表す模式図は模式的平面図であり、洋式腰掛便器を表す模式図は模式的断面図である。
なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
残水の酸性度を高くすると、残水中のケイ酸の重合の進行を抑制することができる。すると、水分が蒸発する過程で溶質濃度が増加してもコーヒーステイン現象が起こらず、溶媒が中央方向に流動する現象が観察された。そして、生成した水垢と基材との密着力は小さく、水垢を剥離し易いことが確認された。また、水垢の生成が抑制され、さらに生成した水垢を容易に除去できるという効果は、ケイ酸成分の水垢だけではなく、カルシウムイオン成分またはマグネシウムイオン成分の水垢に対しても得られる。
また、酸性水に金属イオンを添加する場合において、酸性水に含まれる金属イオンは、例えば、アルミニウムイオン(Al3+)や銅イオン(Cu2+)や銀イオン(Ag+)や亜鉛イオン(Zn2+)などである。このような金属イオンは、酸性水に添加されると、生成した水垢においてケイ酸(SiO2)分子の間に介在する。そして、洗浄等により水が供給されると金属イオンが溶出する。すると、ケイ酸凝集体をより脆弱化させ、水垢を容易に除去できるようになると考えられる。金属イオンの濃度は、約3ppm以上である。
図11は、本実施形態にかかるトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。
なお、図11は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
あるいは、流路切替弁431は、本実施形態の水垢抑制効果を阻害しない範囲内において酸性水生成装置120から供給されたアルカリ性水を便器800へ流してもよい。
着座検知センサ455は、使用者が便座200に着座する直前において便座200の上方に存在する人体や、便座200に着座した使用者を検知することができる。すなわち、着座検知センサ455は、便座200に着座した使用者だけではなく、便座200の上方に存在する使用者を検知することができる。このような着座検知センサ455としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
図12は、本実施形態にかかるトイレ装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
金属イオン水の噴霧開始から所定時間T14(例えば約5〜10秒間程度)が経過すると、制御装置180は、バルブ413を閉じ、第2の流路切替弁431を排水側へ切り替える(タイミングt20)。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (6)
- 酸性水を生成する酸性水生成装置と、
金属部材が格納された格納部を有し前記酸性水生成装置により生成された前記酸性水を前記金属部材により水処理し金属イオン酸性水を生成する金属イオン水生成装置と、
前記金属イオン水生成装置により生成された前記金属イオン酸性水を対象物に添加する添加装置と、
を備え、
前記金属イオン水生成装置が前記金属イオン酸性水を生成した後において前記酸性水のpHよりも高いpHの水が前記格納部に通水され、前記金属部材は、前記水により浸漬状態とされることを特徴とする金属イオン酸性水添加装置。 - 前記金属部材を浸漬している前記水は、一定時間が経過すると前記格納部から排出され、
前記酸性水のpHよりも高いpHの新たな水が前記格納部に通水され、前記金属部材は、前記新たな水により浸漬状態とされることを特徴とする請求項1記載の金属イオン酸性水添加装置。 - 前記金属材料の主成分は、アルミニウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属イオン酸性水添加装置。
- 前記酸性水のpHは、3.5以下であり、
前記格納部に通水された前記酸性水は、前記酸性水のpHが4.5以上となる前に前記格納部から排出される又は前記添加装置へ通水されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の金属イオン酸性水添加装置。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の金属イオン酸性水添加装置を備えたことを特徴とする水回り機器。
- ボウルの表面に光触媒層が形成された便器と、
前記光触媒層に光を照射可能な照射手段と、
をさらに備え、
前記添加装置は、前記ボウルの表面に前記金属イオン酸性水を添加することを特徴とする請求項5記載の水回り機器。
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- 2012-11-16 JP JP2012252177A patent/JP6025044B2/ja active Active
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