JP2018104790A - 電解用電極および水回り機器 - Google Patents

電解用電極および水回り機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2018104790A
JP2018104790A JP2016254723A JP2016254723A JP2018104790A JP 2018104790 A JP2018104790 A JP 2018104790A JP 2016254723 A JP2016254723 A JP 2016254723A JP 2016254723 A JP2016254723 A JP 2016254723A JP 2018104790 A JP2018104790 A JP 2018104790A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electrolysis
catalyst layer
water
electrolyzed water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016254723A
Other languages
English (en)
Inventor
知弘 原
Tomohiro Hara
知弘 原
博彰 雨森
Hiroaki Amemori
博彰 雨森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP2016254723A priority Critical patent/JP2018104790A/ja
Publication of JP2018104790A publication Critical patent/JP2018104790A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bidet-Like Cleaning Device And Other Flush Toilet Accessories (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

【課題】大型化やコストの増加を抑制しつつ、寿命をさらに延ばすことが可能な電解用電極および水回り機器を提供する。【解決手段】実施形態に係る電解用電極は、チタンまたはチタン合金からなる基体と、前記基体の上に設けられ、酸化イリジウムと、酸化タンタルと、酸化ロジウムと、を少なくとも含む層が積層された触媒層と、を備え、前記触媒層の表面には、クラックが存在し、前記表面の面積に対する前記表面における前記クラックの面積の割合をy%とし、前記触媒層の厚さをxμmとした場合に、前記xが3.2以上4.0以下の範囲において、y≦5x+7を満たす。【選択図】図1

Description

本発明の態様は、一般的に、電解用電極および水回り機器に関する。
特許文献1には、電解槽内で塩化物イオン含む水を電解し、これにより発生した次亜塩素酸を含む殺菌水を便器に噴霧し、菌の繁殖を抑制する技術が開示されている。
このような電解には、主に水道水が使用される。このため、水道水に含まれるナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム等を主成分とするスケールが、陰極表面に付着する。電極に付着するスケールの量が多くなると、電解性能が低下し、殺菌水生成能力が低下する可能性がある。
そこで、スケールの付着を抑制するために、陰極と陽極の極性を定期的に切替える「ポールチェンジ」を行って陰極に付着したスケールを除去することが行われている。ただし、ポールチェンジを行うことで電極へのスケールの付着を抑制できるものの、電極の寿命が短くなることが知られている。そのため、特許文献2では、ポールチェンジを行った場合でも、電極の寿命を延ばし、殺菌水の生成能力を向上させるための技術が開示されている。
特許第5029930号公報 特許第5646677号公報
しかし、電解水生成装置については、さらなる長寿命化が望まれている。電解水生成装置の寿命を延ばすためには、電解槽内に設けられる電極の触媒層を厚く形成する方法や、電極を大型化する方法もあるが、この場合、電界水生成装置の大型化やコストの増加といった課題が生じる。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、大型化やコストの増加を抑制しつつ、寿命をさらに延ばすことが可能な電解用電極および水回り機器を提供することを目的とする。
第1の発明は、チタンまたはチタン合金からなる基体と、前記基体の上に設けられ、酸化イリジウムと、酸化タンタルと、酸化ロジウムと、を少なくとも含む層が積層された触媒層と、を備え、前記触媒層の表面には、クラックが存在し、前記表面の面積に対する前記表面における前記クラックの面積の割合をy%とし、前記触媒層の厚さをxμmとした場合に、前記xが3.2以上4.0以下の範囲において、y≦5x+7を満たす電解用電極である。
この電解用電極によれば、触媒層を厚膜化や大型化させずに、耐久寿命を延ばすことが可能である。
第2の発明は、第1の発明において、前記yは、14以上である電解用電極である。
この電解用電極によれば、耐久寿命を延ばしつつ、製造に要する時間やコストの増大を抑制することができる。
第3の発明は、第1または第2の発明に記載の前記電解用電極を有する電解水生成装置を備えた水回り機器である。
この水回り機器によれば、電解水生成装置の交換周期を長くすることができ、より長期間連続して使用することが可能である。
本発明の態様によれば、寿命をさらに延ばすことが可能な電解用電極および水回り機器を提供することができる。
実施形態に係る電解用電極を有するトイレ装置の斜視図である。 図1に表したトイレ装置の水路系の要部構成を表すブロック図である。 実施形態に係る電解用電極を有する電解水生成装置の断面図である。 実施形態に係る電解用電極の断面図である。 電解用電極の触媒層の膜厚が3.6μmの試料の観察結果である。 表1〜表3に表した各試料のクラック率と耐久寿命との関係を表すグラフである。 触媒層の膜厚と、耐久寿命の延びが止まるクラック率の境界値と、の関係を表すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る電解用電極を有するトイレ装置の斜視図である。
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)80と、その上に設けられた衛生洗浄装置10と、を備える。衛生洗浄装置10は、ケーシング40と、便座20と、便蓋30と、を有する。便座20と便蓋30とは、ケーシング40に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。
ケーシング40の内部には、便座20に座った使用者の「おしり」などの洗浄を実現する身体洗浄機能部が内蔵されている。また、ケーシング40の内部には、使用者のトイレ装置への接近および離反を検知する人体検知センサや、使用者が便座20に座ったことを検知する着座検知センサなどが適宜設けられる。
使用者は、例えばリモコン50を操作することで、洗浄ノズル44を便器80のボウル81内に進出させたり、洗浄ノズル44をケーシング40の内部に後退させたりすることができる。なお、図1に表した衛生洗浄装置10では、洗浄ノズル44がボウル81内に進出した状態を表している。
洗浄ノズル44の先端部には、複数の吐水口(噴出孔)45が設けられている。洗浄ノズル44は、その先端部に設けられた吐水口45から水を噴射して、便座20に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができる。
なお、本願明細書においては、便座20に座った使用者からみて上方を「上方」とし、便座20に座った使用者からみて下方を「下方」とする。また、便座20に座った使用者からみて前方を「前方」とし、便座20に座った使用者からみて後方を「後方」とする。便座20に座った使用者からみて右側を「右側方」とし、便座20に座った使用者からみて左側を「左側方」とする。
図2は、図1に表したトイレ装置の水路系の要部構成を表すブロック図である。
衛生洗浄装置10は、水道や貯水タンクなどの給水源から供給された水道水を、洗浄ノズル44の吐水口45に導く流路(配管)40aを有する。流路40aの上流側には、電磁弁などのバルブ42が設けられている。バルブ42は、ケーシング40の内部に設けられる制御部41からの指令に基づいて、流路40aへの水道水の供給を制御する。
バルブ42の下流には、電解水生成装置1が設けられる。なお、バルブ42と電解水生成装置1との間には、安全弁や、流路40aを流れる水の圧力を調整する調圧弁、水の流速を変化させるポンプ、水を加温する熱交換器などが適宜設けられていてもよい。
電解水生成装置1は、その内部に一対の電極を有し、制御部41からの通電の制御によって、内部を流れる水道水を電気分解する。水道水は、塩化物イオンを含んでいるため、塩化物イオンを電気分解することにより次亜塩素酸が生成される。その結果、電解水生成装置1において電気分解された水(電解水)は、次亜塩素酸を含む液に変化する。
次亜塩素酸は、殺菌成分として機能する。その次亜塩素酸を含む電解水は、洗浄ノズル44の吐水口45から噴射されたり、洗浄ノズル44の外周表面(胴体)や吐水口45へ向かって噴射される。これにより、電解水生成装置1よりも下流側の流路や、洗浄ノズル44の外周表面および吐水口45が、電解水により殺菌される。
電解水生成装置1の下流には、流路切替弁43が設けられている。流路切替弁43は、バキュームブレーカ(大気開放ポート)431と、流量調整弁432と、を有する。バキュームブレーカ431は、電解水生成装置1から供給された水あるいは電解水を洗浄ノズル44の吐水口45へ導く流路の途中に配置され、水あるいは電解水が逆流することを防止する。あるいは、バキュームブレーカ431は、空気を取り込むことにより、流路40a内の水抜きを促進させる。
バキュームブレーカ431の下流(大気開放側)には、流量調整弁432が設けられている。流量調整弁432は、おしり洗浄用の吐水口45に洗浄水を導く流路や、ビデ洗浄用の吐水口に洗浄水を導く流路、ノズル洗浄室47に洗浄水を導く流路などへの給水の開閉や切り替えを行う。つまり、流量調整弁432は、複数の吐水口45に選択的に連通可能な複数のポートを有する。
流量調整弁432の下流には、洗浄ノズル44が設けられている。洗浄ノズル44は、ノズルモータ46からの駆動力を受け、ケーシング40の内部から便器80のボウル81内へ向かって進出したり、ケーシング40の内部へ後退することができる。つまり、ノズルモータ46は、制御部41からの指令に基づいて洗浄ノズル44を進退させることができる。流量調整弁432は、洗浄ノズル44の進退動作に伴って移動する。つまり、流量調整弁432は、洗浄ノズル44と共に移動する。
流量調整弁432の下流には、ノズル洗浄室47が設けられている。ノズル洗浄室47は、ケーシング40の内部に固定され、ケーシング40の内部に後退した待機状態の洗浄ノズル44を洗浄することができる。あるいは、ノズル洗浄室47は、進退動作中の洗浄ノズル44の外周表面を洗浄することができる。具体的には、ノズル洗浄室47は、その内部に設けられた図示しない吐水部から電解水あるいは水を噴射することにより、洗浄ノズル44の外周表面を殺菌あるいは洗浄することができる。
図3は、実施形態に係る電解用電極を有する電解水生成装置の断面図である。
図3に表したように、電解水生成装置1は、電解槽2と、実施形態に係る一対の電解用電極(以下、単に電極ともいう)3および4と、を有する。電極3および4は、電解槽2の内部に設けられ、電源に接続されている。電極3および4に電圧が印加されることで、電解槽2の内部を通過する水道水が電気分解される。なお、図3(a)は、電極3が陰極となり、電極4が陽極となるように電圧が印加された状態を表し、図3(b)は、電極3が陽極となり、電極4が陰極となるように電圧が印加された状態を表している。
図3(a)に表したように、水道水を電気分解すると、陽極側の電極4では塩化物イオンから塩素が生成される。そして、発生した塩素が水に溶解し、次亜塩素酸が生成される。このとき、陰極側の電極3では、水道水中に含まれるカルシウム等のイオンからスケールが生成され、電極3の表面に付着する。このため、制御部41は、所定のタイミングで、図3(a)に表す状態から図3(b)に表す状態へとポールチェンジを行い、電極3と4に印加する電圧の極性を反転させる。
ポールチェンジを行うことで、陰極として機能していた電極3が陽極となり、陽極として機能していた電極4が陰極となる。スケールが付着していた電極3において酸が生成され、この酸によりスケールが溶解されるため、電極3に付着していたスケールを剥離させることができる。
制御部41は、例えば、直前のポールチェンジの後に電解水生成装置1で電解を行った時間の累積を計測する。また、制御部41には、予め、ポールチェンジを行う累積時間が設定されている。制御部41は、電解を行った時間の累積が、予め設定された累積時間に達した際に、電源を制御してポールチェンジを行う。例えば、電極3と4の間に印加される電圧が5Vの場合、ポールチェンジは60秒ごとに行われる。
図4は、実施形態に係る電解用電極の断面図である。
図4に表したように、電極3は、基体3aと、その上に設けられた触媒層3bと、を有する。なお、図4では、電極3の構成を例示しているが、電極4も同様の構成を有する。
基体3aは、例えば、チタンまたはチタン合金から構成される。チタン合金としては、チタンを主体とする耐食性のある導電性の合金が使用される。例えば、Ti−Ta−Nb、Ti−Pd、Ti−Zr、Ti−Alなどを用いることができる。
触媒層3bは、図4に表したように複数の層が積層されており、それぞれの層が、酸化イリジウムと、酸化タンタルと、酸化ロジウムと、を少なくとも含む。また、基体3aと触媒層3bとの間に、他の中間層が設けられていてもよい。
酸化イリジウムは、塩素が生成される際に触媒として作用し、塩素の生成を促進させると考えられている。一方、酸化ロジウムは水素が生成される際に触媒として作用し、水素の生成を促進させると考えられている。酸化タンタルは、酸化イリジウムおよび酸化ロジウムを担持している。
電極3および4は、例えば、以下の方法で製造される。
まず、基体を用意し、基体の表面を洗浄する。次に、基体の表面に対して、薬剤エッチングやブラスト処理などを行い、粗面化する。さらに、処理後の基体を大気中で焼成することにより、基体の表面を酸化してもよい。
次に、基体の表面上に、例えば、イリジウム化合物、タンタル化合物、およびロジウム化合物が溶解された溶液を塗布する。続いて、溶液が塗布された基体を焼成することで、イリジウム化合物、タンタル化合物、およびロジウム化合物が、それぞれ、酸化イリジウム、酸化タンタル、および酸化ロジウムに転化し、触媒層が形成される。これらの塗布工程および焼成工程を複数回繰り返すことで、酸化イリジウム、酸化タンタル、および酸化ロジウムを含む層が積層された触媒層が形成される。
作製された触媒層の表面には、クラックが存在する。本願発明者は、このクラックと電極の寿命との関係を調べるために、以下の試料1〜試料9を作成し、それらの耐久寿命を調べた。
表1〜表3には、試料1〜試料9のそれぞれの、触媒層の厚さの設計値、触媒層の1層当たりの厚さ、触媒層における積層数、触媒層の表面におけるクラック率、および耐久寿命が表されている。なお、これらの結果は、電解を行う前の未使用の電極を測定した結果である。


クラック率は、以下の方法により測定した。
まず、使用前の電極の表面を観察する。電極表面の観察は、Olympus製OLS4100のレーザ顕微鏡に、100倍の倍率の対物レンズを用いて行った。観察時に電極表面の画像を撮影し、得られた画像を三谷商事製のWin−Roof Ver7.4.5のソフトを用いて解析した。
具体的な解析の手順は、以下の通りである。
「画像処理」タブに含まれる「RGB分解」を実行する。抽出された赤色画像を選択する。「2値化処理」タブに含まれる「2つの閾値による2値化」を実行する。閾値を0〜54で実行し、2値化された後のクラックに対応する部分の面積割合を測定する。測定された面積割合をクラック率とする。
また、電極の耐久寿命は、以下の方法により測定した。
各試料の電極面積は、520mmである。電極同士の間隔は、0.4mmとした。電極間に通水させる流量は、450ml/minとした。印加電圧は、印加開始時に0.55Aの電流が流れる電圧に、3Vを加えた値とした。5秒間の電圧オンと、1秒間の電圧オフと、を繰り返し行った。
これらの条件のもとで電解を行い、電解前後での塩素濃度の上昇量を測定した。塩素濃度上昇量が0.5ppmを下回るまでの累計時間を、電極の耐久寿命とした。
ここで、クラック率の算出の具体例を、図5に表す。
図5(a)〜図5(c)は、電解用電極の触媒層の膜厚が3.6μmの試料の観察結果である。
図5(a)〜図5(c)の各画像は、試料表面の12675μmの範囲を観察し、その観察結果を上述した方法で2値化して得られたものであり、クラックは黒く表示されている。
例えば図5(a)に表した結果では、撮影された領域の全体の面積に対する黒く表示された部分の面積の割合を測定すると、14.40%であり、この値をクラック率としている。同様に、図5(b)および図5(c)についても、撮影領域の全体の面積に対する黒く表示された部分の面積の割合を測定し、それぞれ、25.44%と30.53%の結果が得られた。
図6は、表1〜表3に表した各試料のクラック率と耐久寿命との関係を表すグラフである。
図6のグラフから、触媒層のいずれの膜厚においても、クラック率が低い場合の方が、クラック率が高い場合よりも耐久寿命が長いことがわかる。また、それぞれの膜厚において、クラック率がある値よりも低くなると、耐久寿命の延びが止まり、耐久寿命はおおよそ一定の値となっていることがわかる。そして、耐久寿命の延びが止まるクラック率の境界値は、膜厚に応じて変化していることがわかる。
図7は、触媒層の膜厚と、耐久寿命の延びが止まるクラック率の境界値と、の関係を表すグラフである。
図7のグラフから、触媒層の膜厚が小さくなるほど、クラック率の境界値も小さくなっていることがわかる。また、膜厚と境界値との関係は、ほぼ線形的に変化していることもわかる。そこで、触媒層の膜厚をxμm、クラック率の境界値をy%として、図7に表したプロットの近似曲線を求めると、以下の式(1)が得られた。
y=5x+7 (1)
これらの結果から、xが3.2以上4.0以下の範囲において、yが以下の式(2)を満たす場合に、それぞれの膜厚xにおいて長い耐久寿命が得られることがわかる。
y≦5x+7 (2)
なお、表1〜表3に表した結果から、1層の厚さを小さくして触媒層における積層数を増加させるほど、クラック率が小さくなることがわかる。具体的には、それぞれの膜厚において、積層数が5以上のとき、または1層あたりの厚さが0.6μm以下のときに、高い耐久寿命が得られていることがわかる。これは、このような条件を満たすことで、焼成時に発生したクラックが、その後に塗布される溶液で埋め込まれ易くなるためと考えられる。従って、上述した製造方法において、1層の厚さを小さくし、塗布および焼成を繰り返し行う回数を増加させることでクラック率を小さくすることができ、式(2)を満たすクラック率を有する電極を作製することができる。
この他に、以下の方法でもクラック率を調整することが可能である。
例えば、溶液の塗布は、刷毛による塗装や、基体の溶液中への浸漬、スプレーによる吹き付けなどによって行われる。このうち、スプレーを用いて基体表面により均一に溶液を塗布することで、焼成後のクラック率を小さくすることができる。
また、溶液を塗布した後、焼成を行う前に、溶液を乾燥させることでも、クラック率を小さくすることができると考えられる。
焼成は、例えば、400℃〜600℃の範囲で行われる。このとき、溶液に含まれるイリジウム、タンタル、およびロジウムが焼結する範囲において、温度が比較的低い方が、クラックは発生し難いと考えられる。
また、触媒層形成時の基体の表面については、粗さが小さいと、基体と触媒層の密着性が低下するものの、粗さが過度に大きいと、クラック率が増大すると考えられる。従って、製造工程および電極の使用中において触媒層の剥離が生じない範囲で、基体の表面粗さは小さいことが望ましい。
なお、上述した通り、積層数を増加させるほどクラック率は小さくなるが、積層数を増加させると、触媒層の製造に要する時間やコストが増大する。従って、それぞれの膜厚において耐久寿命を延ばしつつ製造時間や製造コストの過度な増大を抑制するためには、クラック率の最小値は、現実的には、表1〜表3の結果に表されるように14%程度であると考えられる。
以上の通り、本実施形態によれば、触媒層を厚膜化や大型化させずに、電解用電極の耐久寿命を延ばすことが可能となる。例えば、耐久寿命が長い電解用電極を有する電解水生成装置を用いることで、電解水の生成に伴う次亜塩素酸の濃度の低下を抑制でき、殺菌作用の低下を抑制することができる。また、この電解水生成装置をトイレ装置に用いた場合、電解水生成装置の交換周期を長くすることができ、トイレ装置をより長期間連続して使用することが可能となる。
なお、ここでは、実施形態に係る電解用電極を有する電解水生成装置を、トイレ装置に適用した場合について説明したが、この電解水生成装置は、トイレ装置以外の他の水回り機器にも適用することが可能である。こうすることで、水回り機器における電解水生成装置の交換周期を長くすることができ、当該水回り機器をより長期間連続して使用することが可能となる。このような水回り機器としては、例えば、小便器や、浴室、キッチン、洗面所などが挙げられる。電解水生成装置で生成された電解水を、小便器のボウル面や、浴室の洗い場床、キッチンのシンク、洗面所のボウル面へ散布することで、これらの場所における菌の繁殖を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、電解水生成装置1が備える各要素の形状、寸法、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 電解水生成装置、 2 電解槽、 3、4 電解用電極、 3a 基体、 3b 触媒層、 10 衛生洗浄装置、 20 便座、 30 便蓋、 40 ケーシング、 40a 流路、 41 制御部、 42 バルブ、 43 流路切替弁、 431 バキュームブレーカ、 432 流量調整弁、 44 洗浄ノズル、 45 吐水口、 46 ノズルモータ、 47 ノズル洗浄室、 50 リモコン、 80 便器、 81 ボウル

Claims (3)

  1. チタンまたはチタン合金からなる基体と、
    前記基体の上に設けられ、酸化イリジウムと、酸化タンタルと、酸化ロジウムと、を少なくとも含む層が積層された触媒層と、
    を備え、
    前記触媒層の表面には、クラックが存在し、
    前記表面の面積に対する前記表面における前記クラックの面積の割合をy%とし、前記触媒層の厚さをxμmとした場合に、前記xが3.2以上4.0以下の範囲において、
    y≦5x+7
    を満たす電解用電極。
  2. 前記yは、14以上である請求項1記載の電解用電極。
  3. 請求項1または2に記載の前記電解用電極を有する電解水生成装置を備えた水回り機器。
JP2016254723A 2016-12-28 2016-12-28 電解用電極および水回り機器 Pending JP2018104790A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016254723A JP2018104790A (ja) 2016-12-28 2016-12-28 電解用電極および水回り機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016254723A JP2018104790A (ja) 2016-12-28 2016-12-28 電解用電極および水回り機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018104790A true JP2018104790A (ja) 2018-07-05

Family

ID=62786754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016254723A Pending JP2018104790A (ja) 2016-12-28 2016-12-28 電解用電極および水回り機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018104790A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020217817A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 電解用電極及び電解用電極の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020217817A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 電解用電極及び電解用電極の製造方法
JPWO2020217817A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29
CN113795612A (zh) * 2019-04-26 2021-12-14 松下知识产权经营株式会社 电解用电极和制造电解用电极的方法
JP7194911B2 (ja) 2019-04-26 2022-12-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 電解用電極及び電解用電極の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI699456B (zh) 電解水產生裝置
KR101585995B1 (ko) 살균수 생성장치
CN103866345B (zh) 杀菌水生成装置
JP6106396B2 (ja) 殺菌水生成装置
JP2013208569A (ja) 殺菌水生成装置
KR101183786B1 (ko) 전해용 전극
JP2018104790A (ja) 電解用電極および水回り機器
WO2015166642A1 (ja) 衛生洗浄装置
JP2015034457A (ja) トイレ装置
JP2018118241A (ja) 衛生デバイス及びそれを備えた給湯機
JP5646677B2 (ja) 殺菌水生成装置
JP6596862B2 (ja) 除菌水生成装置
JP6617864B2 (ja) 除菌水生成装置
JP5835543B2 (ja) 便器装置
WO2018100355A1 (en) Toilet assembly and method for its operation
JP2018122235A (ja) 酸性水生成装置およびトイレ装置
JP5886894B2 (ja) 電解水生成装置
JP2004154491A (ja) 食器洗浄機
JP2018083154A (ja) 除菌水生成装置
JP2017025561A (ja) トイレ装置
JP2014100621A (ja) 金属イオン酸性水添加装置および水回り機器
JP2012127617A (ja) 給湯装置
JP2007152150A (ja) 水処理装置
JP2000301150A (ja) 殺菌装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210205

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210302