JP2014100254A - 視覚検査装置及び視覚検査プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被検者の両眼(L,R)に対して暗順応を抑制するための光を呈示する画像表示ディスプレイ(13L,13R)と、一方の眼Lに対する視覚検査が終了する前にもう一方の眼Rに対して視標の呈示が行われるように、被検者の眼(L,R,又は両方)に対して視標を呈示する画像表示ディスプレイ(13L,13R)と、を有する視覚検査装置を提供する。
【選択図】図3
Description
本発明の一つの態様は、
被検者の両眼に対して暗順応を抑制するための光を呈示する暗順応抑制光呈示部と、
一方の眼に対する視覚検査が終了する前にもう一方の眼に対しても視標の呈示が行われるように、被験者の眼に対して視標を呈示する視標呈示部と、
を有する視覚検査装置である。
本実施形態においては、次の順序で説明を行う。
1.視覚検査装置
A)HMD部
a.画像表示ディスプレイ(暗順応抑制光呈示部&視標呈示部)
b.その他(光学系等)
B)制御コンピュータ部
2.HMD部と制御コンピュータ部との間の関係
3.視覚検査装置の使用方法
4.視覚検査プログラム及び記録媒体
5.実施の形態による効果
6.変形例等
なお、以下に記載が無い構成については、公知の視覚検査装置を用いても構わない。例えば、特許文献1(特開平9−47430号公報)や特開平7−67833に記載された構成を適宜採用しても構わない。
本実施形態においては、視覚検査装置がHMDである場合について述べる。図1は、本実施形態の視覚検査装置の概略図である。本実施形態の視覚検査装置は、大別すると、図1に示すように、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)部10と、制御コンピュータ部30とを備えて構成されている。そして、HMD部10は、暗順応抑制光呈示部と視標呈示部とを有しているが、本実施形態においては、暗順応抑制光呈示部と視標呈示部とが画像表示ディスプレイ13にまとめられている場合について述べる。
HMD部10は、筐体11とこれに接続された装着バンド12とを備えており、これらにより視覚検査の被検者(以降、単に「被検者」と言う。)の頭部に装着することが可能に構成されている。そして、筐体11には、暗順応抑制光呈示部と視標呈示部とが組み込まれている。本実施形態においては、左右眼各々のために設けられた画像表示ディスプレイ(13L,13R)が暗順応抑制光呈示部と視標呈示部とを兼ねている場合について述べる。以降、13Lは左眼用の画像表示ディスプレイ、13Rは右眼用の画像表示ディスプレイとしつつ、(13L,13R)をまとめて「画像表示ディスプレイ13」と表記する。
画像表示ディスプレイ13を図2にて概略的に示す。図2は、本実施形態の視覚検査装置の上面概略図である。
画像表示ディスプレイ13は、HMD部10の筐体11を装着した被検者の眼の前方に配されて、当該被検者に対する画像表示を行うものである。画像表示ディスプレイ13は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)を利用して構成されたものを用いることが考えられる。このような画像表示ディスプレイ13が表示出力する画像としては、詳細を後述するように、背景光と視標とを合わせたものが挙げられる。
更に言うと、動かない光の点(視標)を背景光に対して表示するような静的視野測定のみならず、視標を動く光の点とした動的視野測定を行っても構わない。
上述の通り、本実施形態においては、画像表示ディスプレイ(13L,13R)が暗順応抑制光呈示部と視標呈示部とを兼ねている。本実施形態における暗順応抑制光呈示部は、暗順応を抑制するための光(即ち背景光)を呈示するものである。そして、この光は、左右眼に対して光を呈示するものである。別の言い方をすると、被検者の左右眼のうち一方の眼に対する視覚検査が行われている際、仮に、もう一方の眼に対しては視覚検査が行われていないとすると、当該もう一方の眼に対しても、暗順応を抑制するための光を呈示するものである。
本実施形態における視標呈示部は、一方の眼に対する視覚検査が終了する前にもう一方の眼に対しても視標の呈示が行われるように、被検者の眼に対して視標を呈示する部分である。
HMD部10において、画像表示ディスプレイ13と被検者の眼との間に、被検者が視標を確認することが可能となるような光学系14を設けても構わない。また、図2に記載のように、左眼用の光学系14L及び右眼用の光学系14Rを各々設けても構わない。この光学系14としては、上述の特許文献に記載されている構成を用いても構わないし、その他、公知の視覚検査装置の光学系14を用いても構わない。このような光学系14としては、接眼レンズ、対物レンズ、ミラー等の光学要素の組み合わせが挙げられる。
制御コンピュータ部30は、所定プログラムで指示された情報処理を行うコンピュータ装置としての機能を有するものであり、具体的にはCPU(Central Processing Unit)、HDD(Hard disk drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、外部インタフェース(I/F)等の組み合わせによって構成されたものである。なお、制御コンピュータ部30は、HMD部10の筐体11に組み込まれたものであってもよいし、HMD部10とは別体で設けられたものであってもよい。HMD部10と別体で設けられる場合、制御コンピュータ部30は、HMD部10との間で、有線又は無線の通信回線を介して、通信を行うことが可能になっているものとする。
続いて、本実施形態における、制御コンピュータ部30とHMD部10との間の関係について説明する。
図4は、本実施形態における、制御コンピュータ部30とHMD部10との間の関係を示すブロック図である。
続いて、本実施形態における視覚検査装置の使用方法について説明する。
図5は、本実施形態における視覚検査装置の使用方法を示すフローチャートである。
そして、右眼Rに対する視標呈示ステップ(1/2)(S4)が終了した後、左眼Lに対する視標呈示ステップ(1/2)(S5)を行う。つまり、右眼Rに対する検査は、この時点では半分しか終わっていない。右眼Rに対する検査を一時中断した上で、左眼Lに対する検査を行う。
本実施形態においては、上記の構成を有する視覚検査装置に大きな特徴がある。その一方、コンピュータ装置を「暗順応抑制光呈示部」及び「視標呈示部」として機能させるプログラム及び記録媒体にも、大きな特徴がある。この場合、具体的な運用方法としては、制御コンピュータ部30が、暗順応抑制光呈示部に対して所定の光を呈示するよう命令する。同様に、制御コンピュータ部30が、視標呈示部に対して所定の条件で視標を呈示するよう命令する。この命令の内容は、データ取得部32により取得された被検者に関する情報に基づいて決定しても構わない。同様に、当該情報に基づき、命令の内容を画像生成部33に反映させ、その画像を画像表示ディスプレイ13に表示しても構わない。
本実施形態においては、視覚検査が行われている眼には自ずと視標とともに背景光が呈示されている。そして、仮に、視覚検査が行われていないもう一方の眼が存在するとしても、当該もう一方の眼に対しては、暗順応を抑制するための光が呈示されている。その結果、まずは、暗順応に起因する検査結果の精度の低下を抑制することが可能となる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
以下、暗順応抑制光呈示部の他の例について説明する。
まず、図6を用いて説明する。図6は、偏光フィルム13α及び偏光子15を使用した、別の実施形態の視覚検査装置の上面概略図である。矢印の先は、偏光フィルム13αの正面概略図である。
図6に示すように、上記の実施形態とは異なり、1つの画像表示ディスプレイ13を用意する。そして、画像表示ディスプレイ13に対し、偏光フィルム13αを貼り付ける。この偏光フィルム13αは、2種類の偏光パターン(P偏光パターン(符号P)、S偏光パターン(符号S))を有している。そして、左眼Lと光学系14との間にP偏光用の偏光子15L、そして右眼Rと光学系14との間にS偏光用の偏光子15Rを配置する。こうすることにより、1つの画像表示ディスプレイ13により発せられる背景光に対し、左眼LにはP偏光の背景光が呈示され、右眼RにはS偏光の背景光が呈示される。そのため、いずれか一方の眼に対し視覚検査が行われていても、もう一方の眼が暗順応することがなくなる。
次に、図7を用いて説明する。図7は、偏光子15及び偏光ビームスプリッタ16を使用した、別の実施形態の視覚検査装置の上面概略図である。
図7に示すように、上記の実施形態とは異なり、左右眼の正面に1つの画像表示ディスプレイ13aを用意し、それとは別に、画像表示ディスプレイ13aに表示される画像が鏡像関係となるような画像表示ディスプレイ13bを別途用意し、光学系14と画像表示ディスプレイ(13a,13b)との間に偏光ビームスプリッタ16を配置する。その上で、左眼Lと光学系14との間にP偏光用の偏光子15L、そして右眼Rと光学系14との間にS偏光用の偏光子15Rを配置する。こうすることにより、例えば、左眼Lには、P偏光用の偏光子15L及び偏光ビームスプリッタ16によって、別途用意された画像表示ディスプレイ13bの背景光及び視標が呈示される。その一方、右眼Rには、S偏光用の偏光子15R及び偏光ビームスプリッタ16によって、左右眼の正面の画像表示ディスプレイ13aの背景光及び視標が呈示される。
次に、図8を用いて説明する。図8は、偏光子及び偏光保持スクリーン17を使用した、別の実施形態の視覚検査装置の上面概略図である。
図8に示すように、上記の実施形態とは異なり、左右眼の正面に1つのドーム型の偏光保持スクリーン17を用意しつつ、暗順応抑制光呈示部は無偏光の光源18を用意して左右眼に共に背景光を呈示する。そして、視標呈示部は、左眼Lと偏光保持スクリーン17との間にP偏光用の偏光子15L、そして右眼Rと偏光保持スクリーン17との間にS偏光用の偏光子15Rを配置したものであり、且つ、暗順応抑制光呈示部とは別に用意された光源19から発せられた光が光学系20及び視標用の偏光子21を通過した光を、反射板22にて反射して偏光保持スクリーン17に照射するものであるという構成を有している。反射板22の角度を変動させることにより、視野マップにおける所定の場所に対応するスクリーンの部分に視標を呈示することができる。左右眼の各々に対して画像表示ディスプレイ13を設けなくとも、左右眼に共通したスクリーンを採用した構成でも、暗順応抑制光呈示部及び視標呈示部はそれらの機能を発揮することが可能となる。
次に、図9を用いて説明する。図9は、アクティブシャッター23及び時分割表示装置24を使用した、別の実施形態の視覚検査装置の上面概略図である。
図9に示すように、上記の実施形態とは異なり、画像表示ディスプレイ13から呈示される暗順応を抑制するための光を、眼に対して連続的に呈示し続けるのではなく、アクティブシャッター23により断続的に呈示する。この場合、被検者の眼が暗順応しない程度の周期でアクティブシャッター23の開閉を行う必要がある。
最後に、図10を用いて説明する。図10は、アクティブシャッター(23,26)及びスクリーン25を使用した、別の実施形態の視覚検査装置の上面概略図である。
図10に示すように、アクティブシャッター23を、図8に記載されたスクリーン方式に応用しても構わない。呈示される視標は、視標用の光源19から光学系20を経て、視標用のアクティブシャッター26を通過し、反射板22にて反射され、スクリーン25に投影される。右眼Rを検査する場合について考えると、右眼用のアクティブシャッター23Rと、視標用のアクティブシャッター26とを、開閉において同期させている。つまり、視標用のアクティブシャッター26が開いているとき、右眼用のアクティブシャッター23Rも開いている。その一方、左眼用のアクティブシャッター23Lと、視標用のアクティブシャッター26とを、開閉のタイミングにおいてずれを生じさせている。つまり、視標用のアクティブシャッター26が開いているとき、左眼用のアクティブシャッター23Lは閉じている。こうすることにより、右眼Rだけに対して視標を呈示することができる。その上、暗順応を抑制するための光は、検査装置内に照射されているため、検査を行っていない左眼Lに対して暗順応を抑制することができる。
被検者の両眼(L,R)に対して暗順応を抑制するための光を呈示する画像表示ディスプレイ(13L,13R)と、
一方の眼Lに対する視覚検査が終了する前にもう一方の眼Rに対して視標の呈示が行われるように、被検者の眼(L,R,又は両方)に対して視標を呈示する画像表示ディスプレイ(13L,13R)と、
を有する視覚検査装置。
Claims (5)
- 被検者の両眼に対して暗順応を抑制するための光を呈示する暗順応抑制光呈示部と、
一方の眼に対する視覚検査が終了する前にもう一方の眼に対しても視標の呈示が行われるように、被検者の眼に対して視標を呈示する視標呈示部と、
を有する視覚検査装置。 - 前記暗順応抑制光呈示部は、両眼各々に同じ明るさの背景光を呈示するものである請求項1に記載の視覚検査装置。
- 前記暗順応抑制光呈示部及び前記視標呈示部は、被検者の頭部に装着可能な筐体に組み込まれている請求項1又は2に記載の視覚検査装置。
- 被検者の両眼に対して暗順応を抑制するための光を呈示する暗順応抑制光呈示部、及び、
一方の眼に対する視覚検査が終了する前にもう一方の眼に対しても視標の呈示が行われるように、被検者の眼に対して視標を呈示する視標呈示部、
としてコンピュータ装置を機能させる視覚検査プログラム。 - 前記暗順応抑制光呈示部は、両眼各々に同じ明るさの背景光を呈示するものである請求項4に記載の視覚検査プログラム。
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