JP2014100022A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力電圧の制御応答性あるいは安定性を劣化させることなく、偏磁を抑制する。
【解決手段】上アームおよび下アームからなるスイッチング素子を順次切り替えて変圧器の1次巻線に一方向および逆方向の電圧を印加するスイッチング回路と、前記変圧器の2次巻線に発生する交流出力を整流する整流回路と、前記複数のスイッチング素子をオンオフ制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記変圧器の偏磁を検出する検出器を備え、該検出器出力にしたがって、前記一方向に印加する電圧の印加時間を所定量増加し、逆方向に印加する電圧の印加時間を前記所定量減少して、前記偏磁を低減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換装置に係り、特に使用される変圧器の偏磁を抑制することのできる電力変換装置に関する。
電力変換装置において、使用される変圧器の偏磁を抑制する技術に関しては、特許文献1が知られている。この文献には、変圧器の偏磁量を検出し、検出した偏磁量に応じて、インバータ部を構成するスイッチング素子の内、一対の上下アームを構成するスイッチング素子に供給するスイッチング信号(オン、オフ信号)のデューティ比を変化させることにより、偏磁量を減少させることが記載されている。
特開2003−37973号公報
しかしながら、前記特許文献1記載の技術は、偏磁量に応じて一対の上下アームを構成するスイッチング素子に供給するオン、オフ信号のデューティ比だけを変化させている。
このため、電力変換装置が出力する電圧は、電圧指令値に正確に追従しない。すなわち、このような偏磁抑制方式では、電力変換装置の出力電圧の制御応答性や安定性などが劣化することがある
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、出力電圧の制御応答性や安定性を劣化させることなく、偏磁を抑制することができる電力変換装置を提供するものである。
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
上アームおよび下アームからなるスイッチング素子を順次切り替えて変圧器の1次巻線に一方向および逆方向の電圧を印加するスイッチング回路と、前記変圧器の2次巻線に発生する交流出力を整流する整流回路と、前記複数のスイッチング素子をオンオフ制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記変圧器の偏磁を検出する検出器を備え、該検出器出力にしたがって、前記一方向に印加する電圧の印加時間を所定量増加し、逆方向に印加する電圧の印加時間を前記所定量減少して、前記偏磁を低減する。
本発明は、以上の構成を備えるため、出力電圧の制御応答性あるいは安定性を劣化させることなく、電力変換装置の偏磁を抑制することができる。
第1の実施形態にかかる電力変換装置を説明する図である。 電力変換装置の制御装置を説明する図である。 位相シフトPWM制御の概略を説明する図である。 正の偏磁量V21とデューティ補正量Dcompの関係を示す概略図である。 負の偏磁量V21とデューティ補正量Dcompの関係を示す概略図である。 デューティ補正量Dcompが負の値である場合のスイッチング指令H1〜H4とスイッチング指令補正値H1’〜H4’の関係を示す図である。 デューティ補正量Dcompが正の値である場合のスイッチング指令H1〜H4とスイッチング指令補正値H1’〜H4’の関係を示す図である。 電位差V20が正の値である場合に供給するゲート電圧V30〜V60と変圧器50の1次側巻線40に印加される電圧の関係を示す図である。 電位差V20が負の値である場合に供給するゲート電圧V30〜V60と変圧器50の1次側巻線40に印加される電圧の関係を示す図である。 センタータップ型のトランスとアクティブクランプ回路を用いたDC−DCコンバータを説明する図である。 カレントダブラ型のDC−DCコンバータを説明する図である。 第2の実施形態にかかる電力変換装置を説明する図である。 第3の実施形態にかかる電力変換装置を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる電力変換装置(直流−直流コンバータ)を説明する図である。
(一次側回路の説明)
電力変換装置の1次側(高圧側)は、平滑用キャパシタ20の一端と第1相の上アームのMOSFET210のドレインとダイオード250のカソードとスナバキャパシタ140の一端が接続された中点と、第2相の上アームのMOSFET270のドレインとダイオード270のカソードとスナバキャパシタ160の一端が接続された中点に接続される。
第1相の上アームのMOSFET210のソースとダイオード250のアノードとスナバキャパシタ140の一端が接続された中点は、第1相の下アームのMOSFET220のドレインとダイオード260のカソードとスナバキャパシタ150の一端が接続された中点と、共振用インダクタ30の一端に接続される。
共振用インダクタ30の他端は、変圧器50の1次側巻線40の一端に接続され、変圧器50の1次側巻線40の他端は、第2相の上アームのMOSFET230のソースとダイオード270のアノードとスナバキャパシタ160の一端が接続された中点と、第2相の下アームのMOSFET240のソース側とダイオード280のカソード側とスナバキャパシタ170の一端が接続された中点に接続される。
ここで、共振インダクタ30は、変圧器50の漏れインダクタンスあるいは配線インダクタンスで代替してもよい。
第1相の下アームのMOSFET220のソースとダイオード260のアノードとスナバキャパシタ150の一端が接続された中点は、第2相の下アームのMOSFET240のソースとダイオード280のアノードとスナバキャパシタ170の一端が接続された中点と、平滑キャパシタ20の一端と、直流電源10の低電位側に接続される。
(2次側回路の説明)
電力変換装置の2次側(低圧側)の直流電源100の高電位側は、負荷110の一端と、平滑キャパシタ90の一端と、平滑インダクタ80の一端に接続される。
平滑インダクタ80の他端は、電流センサ200を介して変圧器50の2次側巻線60と2次側巻線70の中点に接続される。
ここで、電流センサ200には、ホール電流センサあるいはシャント抵抗などが用いられる。
変圧器50の2次側巻線60の他端は、ローパスフィルタ135の抵抗120の一端と、整流ダイオード300のカソード側に接続される。
変圧器50の2次側巻線70の他端は、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の一端と、整流ダイオード290のカソード側に接続される。
2次側の整流ダイオード290のアノードは、整流ダイオード300のアノードと、平滑キャパシタ90の一端と、直流電源100の低電位側と、負荷110の一端に接続される。
ローパスフィルタ135の抵抗120の他端は、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の他端に接続される。
ここで、ローパスフィルタ135のカットオフ周波数は、一次側のMOSFET210〜240のスイッチング周波数成分を十分に減衰できる値とする。
具体的には、ローパスフィルタ135のカットオフ周波数を一次側のMOSFET210〜240のスイッチング周波数の1/10以下に設定することが望ましい。
電圧センサ180は、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の両端に接続され、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の両端の電位差を検出し、制御装置310に入力する。
ここで、電圧センサ180で検出したローパスフィルタ135のキャパシタ130の両端の電位差は、変圧器50の偏磁量となる。
変圧器50の偏磁は、一次側のMOSFET210〜240のオン抵抗のばらつき、あるいは、MOSFET210〜240のスイッチング時の立ち上がり時間あるいは立ち下り時間のばらつきあるいは、主回路配線のインピーダンスのばらつきあるいは、一次側の直流電源10の電圧変動などにより発生する。
電圧センサ190は、2次側の平滑キャパシタ90の両端に接続され、平滑キャパシタ90の両端の電位差を検出し、制御装置310に入力する。
ここで、電圧センサ180、190には、オペアンプで構成された非反転増幅回路などが用いられる。
電流センサ200は、変圧器50の2次側巻線60と2次側巻線70の中点と、平滑インダクタ80を接続している配線に取り付け、平滑インダクタ80に流れる電流を検出し、制御装置310に入力する。
電流センサ200を取り付ける位置は、2次側の整流ダイオード300のアノードと平滑キャパシタ90の一端を接続する配線部分であってもよい。また、2次側の整流素子として整流ダイオード290、300を用いているが、MOSFETに変更しても問題ない。
(制御装置の説明)
図2は、本発明の第1の実施形態にかかる電力変換装置の制御装置を説明する図である。
制御装置310は、A/D変換器320、デューティ指令生成部330、スイッチング指令生成部340、デューティ補正量Dcompを演算する補正量演算部350、スイッチング指令補正部360、ゲートドライブ回路370を備える。
デューティ指令生成部330は、出力電圧指令Vref(2次側の平滑キャパシタ90への電圧指令)、およびアナログ値をデジタル値に変換するA/D変換器320の出力、すなわち電圧センサ190で検出した平滑キャパシタ90の両端の電位の差V10を表すデジタル値V11、および電流センサ200で検出した平滑インダクタ200に流れる電流I10を表すデジタル値I11とを用いてデューティ指令Drefを生成する。
また、スイッチング指令生成部340は、デューティ指令Drefに基づいてスイッチング指令H1〜H4を生成する。
補正量演算部350は、電圧センサ180で検出したローパスフィルタ135を構成するキャパシタ180の両端の電位差V20のデジタル値V21に基づいてスイッチング指令H1〜H4のデューティ補正量Dcompを演算する。
更に、スイッチング指令補正部360はデューティ補正量Dcompに基づきスイッチング指令H1〜H4のデューティを補正する。ゲートドライブ回路370は、補正されたスイッチング指令H1’〜H4’を1次側のMOSFET210〜240のゲート電圧V30〜V60に変換する。
(制御装置を構成する各ブロックの説明)
(A/D変換器の説明)
A/D変換器320は、電圧センサ190で検出した平滑キャパシタ90の両端の電位差V10をデジタル値V11に変換し、変換したデジタル値V11(以下、出力電圧V11と記載する)をデューティ指令生成部330に入力する。
また、A/D変換器320は、電流センサ200で検出した平滑インダクタ80に流れる電流I10をデジタル値I11に変換し、変換したデジタル値I11(以下、平滑インダクタ電流I11と記載する)をデューティ指令生成部330に入力する。
また、A/D変換器320は、電圧センサ180で検出したローパスフィルタ135のキャパシタ130の両端の電位差V20をデジタル値V21に変換し、変換したデジタル値V21(以下、偏磁量V21と記載する)を補正量演算部350に入力する。
(デューティ指令生成部の説明)
デューティ指令生成部330は、出力電圧指令Vrefと出力電圧V11を比較して電圧偏差を算出し、算出した電圧偏差を比例積分制御などにより平滑インダクタ200の電流指令に変換し、変換した電流指令と平滑インダクタ電流I11を比較して電流偏差を算出し、算出した電流偏差を比例積分制御などによりデューティ指令Drefに変換し、変換したデューティ指令Drefをスイッチング指令生成部340に入力する。
なお、デューティ指令生成部330は、出力電圧指令Vrefと出力電圧V11を比較して電圧偏差を算出し、算出した電圧偏差を比例積分制御などによりデューティ指令Drefに直接変換してもよい
(スイッチング指令生成部の説明)
スイッチング指令生成部340は、入力されたデューティ指令Drefに基づきスイッチング指令H1〜H4を生成する。スイッチング指令H1〜H4は、それぞれ1次側のMOSFET210〜240をオンオフするスイッチング指令である。
デューティ指令Drefからスイッチング指令H1〜H4を生成する方法として、例えば位相シフトPWM制御がある。
図3は、第1の実施形態における位相シフトPWM制御の概略を説明する図である。
位相シフトPWM制御は、オン時間とオフ時間の割合を50%に固定し、各スイッチング信号H1〜H4の位相差を変化させる方法であり、H1とH4のオン重なり期間と、H2とH3のオン重なり期間を調整し、デューティ指令Drefに対応した電圧を出力する。
ここでは、一例として1次側のMOSFET240のスイッチング指令H4を基準とした場合のスイッチング指令H1〜H4の生成方法を説明する。
まず、スイッチング指令H4は、オン時間とオフ時間の割合を50%に固定したパルス信号で生成する。例えば、スイッチング周波数を100kHzとした場合、オン時間とオフ時間はそれぞれ5μsとなる。
スイッチング指令H3は、スイッチング指令H4のオン、オフ信号を反転させて生成する。これによって、スイッチング指令H3は、スイッチング指令H4のオン期間にオフし、スイッチング指令H4のオフ期間にオンする。
スイッチング指令H2は、スイッチング指令H3とスイッチング指令H2のオン重なり期間がデューティ指令と一致するタイミングでオンし、オンした瞬間からスイッチング1周期の50%の時間が経過した時にオフする。
スイッチング指令H1は、スイッチング指令H4とスイッチング指令H1のオン重なり期間がデューティ指令と一致するタイミングでオンし、オンした瞬間からスイッチング1周期の50%の時間が経過した時にオフする。
上述したように、スイッチング指令H1〜H4を生成することで、電力変換装置は、デューティ指令に対応した電圧を出力することができる。
なお、各相上下アームのMOSFETの短絡を防止するため、スイッチング指令H1〜H4にそれぞれデッドタイムを設けることが望ましいが、ここでは、デッドタイムを省略して説明する。
(補正量演算部の説明)
補正量演算部350は、スイッチングの1周期毎に、入力された偏磁量V21に基づいてスイッチング指令H1〜H4のデューティ補正量Dcompを演算し、演算したデューティ補正量Dcompをスイッチング指令補正部360に入力する。
図4は、第1の実施例における、正の偏磁量V21とデューティ補正量Dcompの関係を示す概略図である。
図5は、第1の実施例における、負の偏磁量V21とデューティ補正量Dcompの関係を示す概略図である。
補正量演算部350は、スイッチング指令H3の立ち下り時に、入力された偏磁量V21と指令値ゼロを比較して偏差を算出し、算出した偏差を比例積分制御などによりデューティ補正量Dcompに変換する。
偏磁量V21が正の値である場合には、デューティ補正量Dcompを負の値となるように変換し、偏磁量V21が負の値である場合には、デューティ補正量Dcompを正の値となるように変換する。
そして、補正量演算部350は、変換したデューティ補正量Dcompをスイッチング指令補正部360に入力する。
なお、ここでは、スイッチング指令H3の立ち下り時に、デューティ補正量Dcompを演算するように設定しているが、スイッチング指令H1〜H4のいずれかの立ち上がり時、もしくは、立ち下り時に演算してもよい。
(スイッチング指令補正部の説明)
スイッチング指令補正部360は、入力されたデューティ補正量Dcompに基づきスイッチング指令H1〜H4のデューティを補正する。
図6は、第1の実施形態において、デューティ補正量Dcompが負の値である場合のスイッチング指令H1〜H4とスイッチング指令補正値H1’〜H4’の関係を示す図である。
スイッチング指令補正部360は、入力されたデューティ補正量Dcompが負の値である場合、第1相の上アームのMOSFET210のスイッチング指令H1のオンするタイミングを、デューティ補正量Dcomp分だけ遅らせることによって、スイッチング指令補正値H1’を生成する。
また、スイッチング指令補正部360は、入力されたデューティ補正量Dcompが負の値である場合、第1相の下アームのMOSFET220のスイッチング指令H2のオフするタイミングを、デューティ補正量Dcomp分だけ遅らせることによって、スイッチング指令補正値H2’を生成する。
また、スイッチング指令補正部360は、入力されたデューティ補正量Dcompが負の値である場合、第2相の上アームのMOSFET230のスイッチング指令H3のオフするタイミングを、デューティ補正量Dcomp分だけ遅らせることによって、スイッチング指令補正値H3’を生成する。
また、スイッチング指令補正部360は、入力されたデューティ補正量Dcompが負の値である場合、第2相の下アームのMOSFET240のスイッチング指令H4のオンするタイミングを、デューティ補正量Dcomp分だけ遅らせることによって、スイッチング指令補正値H4’を生成する。
図7は、第1の実施例において、デューティ補正量Dcompが正の値である場合のスイッチング指令H1〜H4とスイッチング指令補正値H1’〜H4’の関係を示す。
スイッチング指令補正部360は、入力されたデューティ補正量Dcompが正の値である場合、第1相の上アームのMOSFET210のスイッチング指令H1のオフするタイミングを、デューティ補正量Dcomp分だけ遅らせることによって、スイッチング指令補正値H1’を生成する。
また、スイッチング指令補正部360は、入力されたデューティ補正量Dcompが正の値である場合、第1相の下アームのMOSFET220のスイッチング指令H2のオンするタイミングを、デューティ補正量Dcomp分だけ遅らせることによって、スイッチング指令補正値H2’を生成する。
また、スイッチング指令補正部360は、入力されたデューティ補正量Dcompが正の値である場合、第2相の上アームのMOSFET230のスイッチング指令H3のオンするタイミングを、デューティ補正量Dcomp分だけ遅らせることによって、スイッチング指令補正値H3’を生成する。
また、スイッチング指令補正部360は、入力されたデューティ補正量Dcompが正の値である場合、第2相の下アームのMOSFET240のスイッチング指令H4のオフするタイミングを、デューティ補正量Dcomp分だけ遅らせることによって、スイッチング指令補正値H4’を生成する。
(ゲートドライブ回路の説明)
ゲートドライブ回路370は、入力されたスイッチング指令補正値H1’〜H4’をゲート電圧V30〜V60に変換し、変換したゲート電圧V30〜V60をMOSFET210〜240のゲートに入力する。
これによって、MOSFET210〜240は、ゲート電圧V30〜V60のオン、オフ信号に従って駆動される。
(偏磁抑制法の説明)
変圧器50の偏磁は、電力変換装置のMOSFET210〜240のスイッチングを上述したように制御することで抑制できる。
図8は、第1の実施例において、電圧センサ180で検出したローパスフィルタのキャパシタ130の両端の電位差V20が正の値であった場合に供給するゲート電圧V30〜V60と変圧器50の1次側巻線40に印加される電圧の関係を示す図である。
電力変換装置のMOSFET210〜240のスイッチングを上述したようにオンオフ制御することにより、(1)電圧センサ180で検出したローパスフィルタのキャパシタ130の両端の電位差V20が正の値である場合には、ゲート信号V30のオン時間は、スイッチング1周期の50%未満となり、ゲート信号V30のオフ時間は、スイッチング1周期の50%以上となり、ゲート信号V40のオン時間は、スイッチング1周期の50%以上となり、ゲート信号V40のオフ時間は、スイッチング1周期の50%未満となり、ゲート信号V50のオン時間は、スイッチング1周期の50%以上となり、ゲート信号V50のオフ時間は、スイッチング1周期の50%未満となり、ゲート信号V60のオン時間は、スイッチング1周期の50%未満となり、ゲート信号V60のオフ時間は、スイッチング1周期の50%以上となる。
(2)このため、ゲート電圧V30とゲート電圧V60のオン重なり期間は、ゲート電圧V40とゲート電圧V50のオン重なり期間に対して短くなるため、変圧器50の1次側巻線40に印加される電圧は、正の電圧に対して負の電圧が印加される期間が長くなる。
(3)変圧器50の2次側巻線60、70には、変圧器50の巻数比によって、変圧器50の1次側巻線40に印加された電圧が変圧されて出力されるため、ローパスフィルタ130の両端の電位差は、負の方向に増加していく。
すなわち、図8に示した電圧センサ180で検出したローパスフィルタのキャパシタ130の両端の電位差V20が、ゼロに近づいていくため、変圧器50の偏磁が抑制される。
なお、ゲート電圧V30とゲート電圧V60のオン重なり期間は、デューティ指令値Drefよりデューティ補正量Dcomp分だけ短くなるため、電力変換装置が出力する電圧は、電圧指令値より小さな値となる。しかし、ゲート電圧V40とゲート電圧V50のオン重なり期間が、デューティ指令値Drefよりデューティ補正量Dcomp分だけ長くなるため、電力変換装置が出力する電圧は、電圧指令値より大きな値となる。
すなわち、ゲート電圧V30とゲート電圧V60のオン重なり期間が短くなった分だけゲート電圧V40とゲート電圧V50のオン重なり期間が長くなるため、スイッチング1周期において、電力変換装置が出力する電圧は電圧指令値と一致する。
これにより、電力変換装置の出力電圧の制御応答性あるいは安定性を劣化させることなく、偏磁を抑制することができる。なお、図8に記載したVhighは、1次側の直流電源10の電圧値である。
図9は、第1の実施例において、電圧センサ180で検出したローパスフィルタのキャパシタ130の両端の電位差V20が負の値であった場合のゲート電圧V30〜V60と変圧器50の1次側巻線40に印加される電圧の関係を示す図である。
電力変換装置のMOSFET210〜240のスイッチングを上述したようにオンオフ制御することによって、(1)電圧センサ180で検出したローパスフィルタのキャパシタ130の両端の電位差V20が負の値である場合には、ゲート信号V30のオン時間は、スイッチング1周期の50%以上となり、ゲート信号V30のオフ時間は、スイッチング1周期の50%未満となり、ゲート信号V40のオン時間は、スイッチング1周期の50%未満となり、ゲート信号V40のオフ時間は、スイッチング1周期の50%以上となり、ゲート信号V50のオン時間は、スイッチング1周期の50%未満となり、ゲート信号V50のオフ時間は、スイッチング1周期の50%以上となり、ゲート信号V60のオン時間は、スイッチング1周期の50%以上となり、ゲート信号V60のオフ時間は、スイッチング1周期の50%未満となる。
(2)このため、ゲート電圧V40とゲート電圧V50のオン重なり期間は、ゲート電圧V30とゲート電圧V60のオン重なり期間に対して短くなるため、変圧器50の1次側巻線40に印加される電圧は、正の電圧に対して負の電圧が印加される期間が短くなる。
(3)変圧器50の2次側巻線60、70には、変圧器50の巻数比によって、変圧器50の1次側巻線40に印加された電圧が変圧されて出力されるため、ローパスフィルタ130の両端の電位差は、正の方向に増加していく。
すなわち、図9に示した電圧センサ180で検出したローパスフィルタのキャパシタ130の両端の電位差V20が、ゼロに近づいていくため、変圧器50の偏磁が抑制される。
なお、ゲート電圧V30とゲート電圧V60のオン重なり期間は、デューティ指令値Drefよりデューティ補正量Dcomp分だけ長くなるため、電力変換装置が出力する電圧は、電圧指令値より大きな値となる。しかし、ゲート電圧V40とゲート電圧V50のオン重なり期間が、デューティ指令値Drefよりデューティ補正量Dcomp分だけ短くなるため、電力変換装置が出力する電圧は、電圧指令値より小さな値となる。
すなわち、ゲート電圧V30とゲート電圧V60のオン重なり期間が長くなった分だけゲート電圧V40とゲート電圧V50のオン重なり期間が短くなるため、スイッチング1周期において、電力変換装置が出力する電圧は電圧指令値と一致する。
これにより、電力変換装置の出力電圧の制御応答性あるいは安定性を劣化させることなく、偏磁を抑制することができる。
なお、上述した偏磁抑制法は、図1に示すセンタータップ型のトランスを用いたDC−DCコンバータに限らず、図10に示すセンタータップ型のトランスとアクティブクランプ回路を用いたDC−DCコンバータ、あるいは図11に示すカレントダブラ型のDC−DCコンバータに適用することができる。
(実施形態2)
図12は、第2の実施形態にかかる電力変換装置を説明する図である。
前述した第1の実施例では、変圧器50の2次側巻線60、70で発生する電圧をローパスフィルタ135を介して、電圧センサ180で検出し、変圧器50の偏磁を抑制したが、本実施形態では、変圧器50の1次側巻線40に印加される電圧をローパスフィルタ135を介して、電圧センサ180で検出し、上述した偏磁抑制法により、変圧器50の偏磁を抑制する。
なお、電力変換装置の回路方式と制御装置310は、実施形態1と同じであるため、説明を省略する。
ローパスフィルタ135の抵抗120の一端は、共振用インダクタ30の一端と変圧器50の1次側巻線40の一端が接続された中点に接続され、ローパスフィルタ135の抵抗120の他端は、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の一端に接続され、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の他端は、変圧器50の1次巻線40の他端に接続される。
電圧センサ180は、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の両端に接続され、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の両端の電位差を検出し、検出した電圧V20を制御装置310に入力する。
制御装置310は、実施形態1と同様な方法でMOSFET210〜240のゲート電圧V30〜V60を生成し、生成したゲート電圧V30〜V60をMOSFET210〜240のゲートにそれぞれ入力し、MOSFET210〜240をオン、オフする。これにより、変圧器50の偏磁が抑制される。
(実施形態3)
図13は、第3の実施形態にかかる電力変換装置を説明する図である。
上述した第1の実施形態では、ローパスフィルタ135を介して、変圧器50の2次側巻線60、70で発生する電圧を電圧センサ180で検出し、変圧器50の偏磁を抑制した。本実施形態では、共振用インダクタ30に流れる電流を電流センサ600で検出し、検出した電流値をローパスフィルタ135介して電圧値に変換し、変換した電圧値を電圧センサ180で検出し、検出した電圧を制御装置310に入力する。制御装置310は、実施形態1と同様な方法で変圧器50の偏磁を抑制する。
なお、電力変換装置の回路方式と制御装置310は、実施形態1と同じであるため、説明を省略する。
なお、電流センサ600の第1の端子は、共振用インダクタ30の一端と接続され、電流センサ600の第2の端子は変圧器50の1次側巻線40の一端と接続され、電流センサ600の第3の端子は、ローパスフィルタ135の抵抗120の一端に接続される。
ローパスフィルタ135を構成する抵抗120の他端は、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の一端に接続され、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の他端は、グラウンドに接続される。
電圧センサ180は、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の両端に接続され、ローパスフィルタ135のキャパシタ130の両端の電位差を検出し、検出した電圧V20を制御装置310に入力する。
制御装置310は、実施形態1と同様な方法でMOSFET210〜240のゲート電圧V30〜V60を生成する。生成したゲート電圧V30〜V60をMOSFET210〜240のゲートにそれぞれ入力し、MOSFET210〜240をオン、オフすることによって、変圧器50の偏磁が抑制される。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、オン時間とオフ時間の割合を、50%に固定し、各スイッチング指令(H1(ゲート電圧V30),H2(ゲート電圧V40),H3(ゲート電圧V50),H4(ゲート電圧V60))の位相差を変化させる位相シフトPWM制御装置を備えた電力変換装置において、キャパシタ130の両端の電位差V20が正の値である場合、ゲート電圧V30とゲート電圧V60のオン重なり期間を、ゲート電圧V40とゲート電圧V50のオン重なり期間に対して短くなるように補正する。このため、変圧器50の1次側巻線40に印加される電圧は、正の電圧に対して負の電圧が印加される期間が長くなる。このため、ローパスフィルタ130の両端の電位差は、負の方向に増加していく。
一方キャパシタ130の両端の電位差V20が負の値である場合、ゲート電圧V30とゲート電圧V60のオン重なり期間を、ゲート電圧V40とゲート電圧V50のオン重なり期間に対して長くなるように補正する。このため、変圧器50の1次側巻線40に印加される電圧は、正の電圧に対して負の電圧が印加される期間が短くなる。このため、ローパスフィルタ130の両端の電位差は、正の方向に増加していく。このようにして電圧センサ180で検出したローパスフィルタのキャパシタ130の両端の電位差V20が、ゼロに近づいてゆき変圧器50の偏磁は抑制される
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、ファイル等の情報は、メモリあるいは、ハードディスク、S S D(Solid State Drive)等の記録装置、または、I Cカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。また、制御線あるいは情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線あるいは情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
10…1次側の直流電源、20、90…平滑キャパシタ、30…共振用インダクタ、
40…変圧器の1次側巻線、50…変圧器、60、70…変圧器の2次側巻線、
80、490、500…平滑インダクタ、100…2次側の直流電源、110…負荷、
120…ローパスフィルタの抵抗、130…ローパスフィルタのキャパシタ、
135…ローパスフィルタ、140、150、160、170…スナバキャパシタ、
180、190…電圧センサ、200、600…電流センサ、
210、220、230、240、400、410、420、430…MOSFET、
250、260、270、280、290、300、440、450、460、470…ダイオード、310…制御装置、320…A/D変換器、330…デューティ指令生成部、
340…スイッチング指令生成部、350…補正量演算部、
360…スイッチング指令補正部、370…ゲートドライブ回路、
480…クランプキャパシタ

Claims (7)

  1. 上アームおよび下アームからなるスイッチング素子を順次切り替えて変圧器の1次巻線に一方向および逆方向の電圧を印加するスイッチング回路と、前記変圧器の2次巻線に発生する交流出力を整流する整流回路と、前記複数のスイッチング素子をオンオフ制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記変圧器の偏磁を検出する検出器を備え、該検出器出力にしたがって、前記一方向に印加する電圧の印加時間を所定量増加し、逆方向に印加する電圧の印加時間を前記所定量減少して、前記偏磁を低減することを特徴とする電力変換装置。
  2. 上アームおよび下アームからなる第1相のスイッチング素子および上アームおよび下アームからなる第2相のスイッチング素子を備え、直流入力をスイッチングして変圧器の1次巻線に供給するブリッジ型のスイッチング回路と、
    前記変圧器の2次巻線に発生する交流出力を整流する整流回路と、
    同一相の上アームおよび下アームを構成するスイッチング素子を逆相で駆動するとともに、第1相と第2相を構成するスイッチング素子を位相差を持たせて駆動する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記変圧器の偏磁を検出する検出器を備え、該検出器出力にしたがって、ブリッジ接続された第1相の上アームと第2相の下アームを構成するスイッチング素子により生成されるスイッチング出力のデューティ比、およびブリッジ接続された第2相の上アームと第1相の下アームを構成するスイッチング素子により生成されるスイッチング出力のデューティ比のいずれか一方を増加させ、他方を減少させることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項2記載の電力変換装置において、
    前記制御装置は、第1相の上アームをオンするタイミングおよび第2相の下アームをオンするタイミングを所定量遅延させ、
    第2相の上アームをオフするタイミングおよび第1相の下アームをオフするタイミングを前記所定量遅延させることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1または2記載の電力変換装置において、
    前記変圧器の偏磁量は、前記変圧器の1次側の交流電圧に含まれる直流分をもとに演算することを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1または2記載の電力変換装置において、
    前記変圧器の偏磁量は、前記変圧器の2次側の交流電圧に含まれる直流分をもとに演算することを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項1または2記載の電力変換装置において、
    前記変圧器の偏磁量は、前記変圧器の1次側に挿入した共振インダクタに流れる電流の直流分をもとに演算することを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項2に記載の電力変換装置において、
    第1相の上アームを構成するスイッチング素子と第2相の下アームを構成するスイッチング素子のオン時間は、第1相の下アームを構成するスイッチング素子と第2相の上アームを構成するスイッチング素子のオン時間の増加分だけ減少させ、また、第1相の下アームのMOSFETと第2相の上アームを構成するスイッチング素子のオン時間の減少分だけ増加させることを特徴とする電力変換装置。
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