JP2014099263A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】室温サイクル特性だけでなく、低温サイクル特性も良好な非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態の非水電解質二次電池10は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を含む正極極板11と、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質を含む負極極板12と、セパレータ13及び非水電解液とを備え、負極極板12は、炭素と、ケイ素(Si)及び酸化ケイ素(SiO、0.5≦x<1.6)の少なくとも1種とからなる負極活物質を含む負極合剤層を有し、非水電解液は、添加剤としてエチニルエチレンカーボネート及びアジポニトリルを含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、室温サイクル特性だけでなく、低温サイクル特性も良好な非水電解質二次電池に関する。
スマートフォンを含む携帯電話機、携帯型コンピュータ、PDA、携帯型音楽プレイヤー等の携帯型電子機器の駆動電源として、リチウムイオン電池に代表される非水電解質二次電池が多く使用されている。さらに、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV、PHEV)の駆動用電源、太陽光発電、風力発電等の出力変動を抑制するための用途や夜間に電力をためて昼間に利用するための系統電力のピークシフト用途等の定置用蓄電池システムにおいても、非水電解質二次電池が多く使用されるようになってきている。
これらの機器の高機能化にともない、非水電解質二次電池はより多くの容量が要求されている。容量の大きい非水電解質二次電池を作製するためには、正極、負極の各活物質材料を高密度で詰め込むことが一般的な手法として挙げられる。近年、活物質の高密度化が次第に困難となってきたことから、単位質量あたりの容量が従来の黒鉛よりも大きいケイ素や酸化ケイ素が負極活物質として注目されるようになってきた。しかしながら、ケイ素や酸化ケイ素単独では充放電に際する膨張/収縮が大きいため、例えば下記特許文献1にも開示されているように、黒鉛等の炭素材料とケイ素や酸化ケイ素との混合物からなる負極活物質が多く使用されている。
特開2012−169300号公報 特開2007−242496号公報
黒鉛等の炭素材料とケイ素又は酸化ケイ素との混合物からなる負極活物質を有する負極極板は、黒鉛のみを負極活物質とする負極極板よりも大きな容量を有する。しかしながら、このような構成の負極極板は、依然として、充放電サイクルを繰り返すとケイ素ないし酸化ケイ素粒子に割れが生じ、その割れの部分で非水電解液の分解反応が起こり、これが原因でサイクル特性が劣化するという課題がある。この課題を解決するためには、ケイ素ないし酸化ケイ素粒子の割れたケイ素の面で速やかに反応して保護皮膜を形成し、非水電解液とケイ素粒子界面との間の反応を抑えるような添加剤が有効である。
このような負極被膜形成用添加剤としては、例えば上記特許文献2にも示されているように種々のものが知られているが、特にエチニルエチレンカーボネート(EEC)は、負極被膜形成能が大きく、有用である。なお、EECは下記式(1)で表される環状カーボネートである。
Figure 2014099263
しかしながら、非水電解液の負極被膜形成用添加剤としてEECを用いると、低温下で充放電サイクルを繰り返した際に容量が低下することが見出された。
本発明の一実施形態によれば、非水電解液中にEECとともに特定の成分を添加することにより、室温サイクル特性だけでなく、低温サイクル特性も良好な非水電解質二次電池を提供することができるようになる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を含む正極極板と、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質を含む負極極板と、セパレータ及び非水電解液とを備え、前記負極極板は、炭素と、ケイ素(Si)及び酸化ケイ素(SiO、0.5≦x<1.6)の少なくとも1種とからなる負極活物質を含む負極合剤層を有し、前記非水電解液は、添加剤としてEEC及びアジポニトリル(AdCN:NC(CHCN)を含んでいる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池によれば、非水電解液中にEEC及びAdCNを含んでいることにより、室温サイクル特性だけでなく、低温サイクル特性も良好な非水電解質二次電池が得られる。
一実施形態の円筒形非水電解質二次電池を部分的に切断した斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を理解するために例示するものであって、本発明をこの実施形態に特定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。最初に、実験例1〜8で使用した円筒形非水電解質二次電池の製造方法について説明する。
[正極極板の作製]
出発原料としては、リチウム源には炭酸リチウム(LiCO)を用い、コバルト源にはコバルト(Co)と、マグネシウム(Mg)と、アルミニウム(Al)とジルコニウム(Zr)と、を共沈させ、熱分解反応させて得られた、マグネシウム・アルミニウム・ジルコニウム含有四酸化三コバルトを用いた。これらを所定量秤量して混合した後、空気雰囲気下において850℃で24時間焼成し、マグネシウム・アルミニウム・ジルコニウム含有コバルト酸リチウム(LiCo0.973Mg0.005Al0.02Zr0.002)を得た。次いで、正極活物質としてのマグネシウム・アルミニウム・ジルコニウム含有リチウムコバルト複合酸化物粉末と、導電剤としてのカーボンブラックと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)粉末とを、質量比で94:3:3となるように混合し、これをN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶媒と混合して正極合剤スラリーを調製した。
この正極合剤スラリーをドクターブレード法により、正極芯体としての厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布した。次に、乾燥機中で100〜150℃の温度で真空熱処理してNMPを除去した後、厚みが130μmとなるようにロールプレス機を用いて圧延した。そして、所定サイズに裁断して、実験例1〜8で共通して使用する正極極板を作製した。
[負極極板の作製]
負極バインダーとしては、下記式(2)で示される分子構造を有するポリイミド樹脂を用いた。このポリイミド樹脂は熱可塑性を有しており、ガラス転移温度は300℃である(以下、このポリイミド樹脂を「熱可塑性ポリイミド樹脂」という)。
Figure 2014099263
負極活物質合剤スラリーの調製にあたっては、上記熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸がNMPに溶解した状態のワニス(以下、「熱可塑性ポリイミド樹脂前駆体ワニス」という)として用いた。ポリアミド酸は、400℃の熱処理によるイミド化(脱水・縮合)反応によってポリイミド樹脂を生成する。この熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体であるワニスは、下記式(3)に示す3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジエステルと、下記式(4)に示すm−フェニレンジアミンとを等モルで重合させることにより調製した。それぞれの溶解濃度は、イミド化後のポリイミド樹脂換算で47質量%となる濃度とした。
Figure 2014099263
Figure 2014099263
上記式(3)に示す3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジエステルは、NMPの存在下において、下記式(5)に示す3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物に対して2当量のエタノールを反応させることにより調製した。
Figure 2014099263
天然黒鉛及びSiOx(x=1)の粒子からなる負極活物質粒子(質量比で97/3)と、平均粒径3.5μmの黒鉛粉末からなる負極導電剤と、熱可塑性ポリイミド樹脂前駆体ワニスとを、分散媒としてのNMP中で、負極活物質粒子と負極導電剤とイミド化後のポリイミド樹脂との質量比が100:3:8.6となるように混合し、実験例1〜8で共通して使用する負極合剤スラリーを調製した。
負極芯体としては、厚さ18μmの銅合金箔(C7025合金箔、組成;Cu:96.2質量%、Ni:3質量%、Si:0.65質量%、Mg:0.15質量%)を用いた。この銅合金は、銅中にNi−Si系化合物の析出物を形成させたものであり、コルソン合金として周知のものである。銅合金箔からなる負極芯体の両面を、電解粗面化法によって表面粗さRa(JIS B 0601−1994)が0.25μm、平均山間隔S(JIS B 0601−1994)が0.85μmとなるように処理した。次いで、25℃の空気中において、これらの負極芯体の両面に上記のようにして調製された負極合剤スラリーを塗布し、120℃の空気中において乾燥した後、25℃の空気中において圧延した。そして、400℃のアルゴン雰囲気下において10時間熱処理して、負極合剤層が形成された負極極板を作製した。この負極極板に形成された負極合剤層の量は5.6mg/cmであり、厚みは56μmであった。
正極極板の正極活物質及び負極極板の負極活物質それぞれの塗布量は、設計基準となる充電電圧において、正極極板と負極極板とが対向する部分での充電容量比(負極充電容量/正極充電容量)が1.1となるように調整した。
[非水電解質の調製]
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とを体積比で30:70の割合(1気圧、25℃換算)で混合した非水溶媒に、電解質塩としてLiPFを1.2mol/Lとなるように溶解して、実験例1で使用する非水電解液を調製した。すなわち、実験例1で使用する非水電解液には添加剤が添加されていない。
この実験例1で使用する非水電解液に対して、添加剤として、AdCNを1質量%添加したものを実験例2で使用する非水電解液とした。同じく、添加剤としてEECを0.5質量%添加したものを実験例3で使用する非水電解液とし、EECを0.5質量%及びAdCNを1.0質量%添加したものを実験例4で使用する非水電解液とし、EECを0.1質量%及びAdCNを1.0質量%添加したものを実験例5で使用する非水電解液とし、EECを1.0質量%及びAdCNを1.0質量%添加したものを実験例6で使用する非水電解液とし、EECを0.5質量%及びAdCNを0.3質量%添加したものを実験例7で使用する非水電解液とし、EECを0.5質量%及びAdCNを2.5質量%添加したものを実験例8で使用する非水電解液とした。なお、実験例1〜8の非水電解液の組成を下記表1に纏めて示した。
[電池の作製]
上述のようにして作製した正極極板、負極極板及び非水電解質と、所定の平均孔径を有し、厚さが16μmのポリエチレン製微多孔膜とを用いて、図1に示す構成の実験例1〜8の円筒形非水電解質二次電池(φ18mm×65mm、公称容量=3000mAh)を作製した。
この円筒形非水電解質二次電池10は、正極極板11と負極極板12とがセパレータ13を介して互いに絶縁された状態で巻回された巻回電極体14が用いられており、この巻回電極体14の上下にそれぞれ絶縁板15及び16が配置され、この巻回電極体14が負極端子を兼ねるスチール製の円筒形の電池外装缶17の内部に収容されている。そして、負極極板12の集電タブ12aが電池外装缶17の内側底部に溶接されているとともに、正極極板11の集電タブ11aが安全装置が組み込まれた電流遮断封口体18の底板部に溶接され、この電池外装缶17の開口部から所定の非水電解質が注入された後、電流遮断封口体18によって電池外装缶17が密閉された構成を有している。
[充放電試験]
上記のようにして作製された実験例1〜8の円筒形非水電解質二次電池のそれぞれについて、以下の充放電条件を採用し、室温下におけるサイクル特性及び0℃の低温下におけるサイクル特性を測定した。25℃において、負極活物質として用いているケイ素の電位がリチウム基準で約0.20Vであり、正極の電位をリチウム基準で4.40Vとするため、充電終止電圧は25℃及び0℃においても4.25Vとした。
室温下におけるサイクル特性の測定は以下のようにして測定した。充電条件は、25℃に維持された恒温槽中で、1It(=3000mA)の定電流で電池電圧が4.25Vとなるまで充電し、電池電圧が4.25Vに達した後は4.25Vの定電圧で1/50It(=60mA)となるまで充電を行うようにした。放電条件は、25℃において、1Itの定電流で電池電圧が3.00V(正極極板の電位はリチウム基準で3.20V)となるまで放電を行うようにした。最初の放電時に流れた電気量を1回目の放電容量として求めた。
上記充放電を繰り返し、200回目の放電時に流れた電気量を200回目の放電容量として求め、室温サイクル特性としての室温サイクル容量維持率(%)を以下の式を用いて算出した。
室温サイクル容量維持率(%)
=(200回目の放電容量/1回目の放電容量)×100
また、0℃の低温下におけるサイクル特性は以下のようにして測定した。最初に25℃において上記のようにして1回目の放電容量を測定したそれぞれの電池について、0℃に維持された恒温槽中で、1Itの定電流で電池電圧が4.25Vとなるまで充電し、電池電圧が4.25Vに達した後は4.25Vの定電圧で1/50Itとなるまで充電を行い、次いで1Itの定電流で電池電圧が3.00Vとなるまで放電することを、3回繰り返した。
その後、再度25℃の恒温槽中で、1Itの定電流で電池電圧が4.25Vとなるまで充電し、電池電圧が4.25Vに達した後は4.25Vの定電圧で1/50Itとなるまで充電を行い、1Itの定電流で電池電圧が3.00Vとなるまで放電を行って、この時に流れた電気量を低温サイクル後の放電容量として求めた。そして、低温サイクル特性としての低温サイクル容量維持率(%)を以下の式を用いて算出した。
低温サイクル容量維持率(%)
=(低温サイクル後の放電容量/1回目の放電容量)×100
上述のようにして測定された実験例1〜8のそれぞれの円筒形非水電解質二次電池についての室温サイクル容量維持率(%)及び低温サイクル容量維持率(%)の測定結果を纏めて表1に示した。
Figure 2014099263
表1に示した結果から、以下のことがわかる。非水電解液中にEEC及びAdCNともに添加されていない実験例1では、室温サイクル容量維持率は84%となり、低温サイクル容量維持率は90%となった。
これに対し、非水電解液中にAdCNのみを1.0質量%添加した実験例2では、室温サイクル容量維持率は78%となり、実験例1と比較して低い値となったが、低温サイクル容量維持率は95%となり、実験例1と比較して良好な結果が得られた。これは、非水電解質にAdCNを添加したことにより、正極極板の界面のイオン輸送能力が低下したことに起因して室温サイクル特性が低下したが、低温充電時に負極極板にかかる負担が軽減されたことに起因して低温サイクル特性が良好となったものと考えられる。
非水電解液中にEECのみ0.5質量%添加した実験例3では、室温サイクル容量維持率は89%となり、実験例1と比較して高い値となったが、低温サイクル容量維持率は86%となり、実験例1と比較して低い値となった。これは、非水電解液にEECを添加したことにより、負極活物質表面に保護被膜が効果的に形成されていることに起因して良好な室温サイクル特性が得られたものと考えられるが、EECの添加は低温サイクル特性低下の原因となっていることを示している。
非水電解液中にEEC0.5質量%及びAdCN1.0質量%添加した実験例4では、室温サイクル特性は88%となり、実験例1と比較して高い値となり、低温サイクル容量維持率は93%となり、これも実験例1と比較して高い値となった。このことは、EECの室温サイクル特性の向上効果とAdCNの低温サイクル特性の向上効果が相乗的に奏されていることを示しているものと考えられる。
非水電解液中にEEC0.1質量%及びAdCN1.0質量%添加した実験例5では、室温サイクル特性は85%となり、実験例1よりは僅かに高い値となり、低温サイクル容量維持率は94%となり、実験例1よりも高い値が得られた。また、非水電解液中にEEC1.0質量%及びAdCN1.0質量%添加した実験例6では、室温サイクル特性は90%となり実験例1と比較して高い値となり、低温サイクル容量維持率は91%となり、実験例1よりは僅かに高い値が得られた。
非水電解液中のAdCNの含有量が1.0質量%一定である実験例2、4〜6の結果を対比すると、EECの添加量の増加に伴い、室温サイクル容量維持率は高くなり、低温サイクル容量維持率は低下していくことがわかる。具体的には、室温サイクル容量維持率は、EECの添加量が0.1質量%添加の場合(実験例5)から高くなり出し、1.0質量%添加の場合(実験例6)が最も良好な結果が得られている。それに対し、低温サイクル容量維持率は、EECの添加量が0.1質量%添加の場合(実験例5)が最も良好な結果となり、1.0質量%添加の場合に(実験例6)は実質的に無添加の場合(実験例2)の結果に近づいていく。これらのことから、EECの添加量は、非水電解液全体に対して、0.1〜1.0質量%とすることが好ましいことがわかる。
また、非水電解液中にEEC0.5質量%及びAdCN0.3質量%添加した実験例7では、室温サイクル特性は88%となり実験例1と比較して高い値となった。また、低温サイクル容量維持率は91%となり、実験例1よりは僅かに高い値となった。非水電解液中にEEC0.5質量%及びAdCN2.5質量%添加した実験例8では、室温サイクル特性は85%となり、実験例1よりは僅かに高い値となったが、低温サイクル容量維持率は94%となり、実験例1と比較して高い値となった。
非水電解液中のEECの添加量が0.5質量%一定である実験例3、4、7及び8の結果を対比すると、AdCNの添加量の増加に伴い、室温サイクル容量維持率は低下し、低温サイクル容量維持率は高くなることがわかる。具体的には、室温サイクル容量維持率は、AdCN無添加の場合(実験例3)が最も良好な結果が得られており、1.0質量%添加の場合(実験例1)から低下し出し、2.5質量%添加の場合(実験例8)では実質的にEEC及びAdCN無添加の場合(実験例1)の結果に近づいていく。それに対し、低温サイクル容量維持率は、AdCNの添加量が0.3質量%添加の場合(実験例7)から高くなり出し、2.5質量%添加の場合(実験例8)が最も良好な結果が得られている。これらのことから、AdCNの添加量は、非水電解液全体に対して、0.3〜2.5質量%とすることが好ましいことがわかる。
以上述べた結果から、非水電解液中のEECの添加割合いは、非水電解液全体に対して、0.1〜1.0質量%とすることが好ましく、非水電解液中のAdCNの添加割合いは、非水電解液全体に対して、0.3〜2.5質量%とすることが好ましいことがわかる。
このようなEECを含む非水電解質を用いた場合の室温(25℃程度)下における充放電サイクル特性の向上効果は、EECの負極活物質表面における保護被覆を形成する能力の高さに起因すると考えられる。この効果は、特に、負極の負極活物質としてケイ素(Si)及び酸化ケイ素(SiO、0.5≦x<1.6)の少なくとも一方を含むものを用いた場合により顕著となる。
例えば、負極活物質として、ケイ素や酸化ケイ素、ケイ素合金等を用いた場合では、充放電サイクルの繰り返しに伴いケイ素粒子が割れ、この割れた部分で電解液の分解反応が起こり、これにより充放電サイクル特性の劣化が生じる。ここで、非水電解質としてEECを含むものを用いた場合、ケイ素粒子の割れた部分に効果的に被膜が形成され、この被膜がケイ素粒子と電解液との反応を抑制する。一方で、低温下においては、EECに起因する保護被膜は、リチウムイオンの移動を阻害する効果が大きくなり、これにより低温充放電特性の低下が生じていると考えられる。
非水電解液中にEEC及びAdCNを同時に添加すると、低温下及び室温下における充放電サイクル特性の劣化が抑制されることは、EECによる上述のような効果に加えAdCNの存在により充電時に負極にかかる負担が軽減され、ケイ素ないし酸化ケイ素粒子が割れ難くなることに起因すると推測される。AdCNは、具体的には、正極活物質粒子表面におけるリチウムイオンの移動能力を下げることで、充放電に伴うリチウムイオンの吸蔵・放出の繰り返しによる負極活物質への負担を軽減しているものと考えられる。
なお、上記実験例1〜8では、正極活物質として、マグネシウム・アルミニウム・ジルコニウム含有コバルト酸リチウム(LiCo0.973Mg0.005Al0.02Zr0.002)を用いた例を示したが、他の組成のマグネシウム・アルミニウム・ジルコニウム含有コバルト酸リチウムも、リチウムコバルト複合酸化物中のコバルトの一部を他の元素で置換したものも使用し得る。このコバルトの置換元素としては、Mg、Al、Zr以外にも、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、カルシウム(Ca)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ストロンチウム(Sr)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、ケイ素(Si)、リン(P)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、硫黄(S)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。正極活物質としてのコバルトの置換元素を含むリチウムコバルト複合酸化物は、式LiCo1−y(0.9≦x≦1.5、0.5<y<1.0)として表され、式中のMは、Ni、Mn、Ca、Cu、Zn、Sr、Ge、Sn、Si、P、Nb、Mo、S及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
さらに、本発明においては、正極活物質としては、他にリチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出することが可能なLiMO(但し、MはCo、Ni、Mnの少なくとも1種である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、すなわち、LiCoO、LiNiO、LiNiCo1−y(y=0.01〜0.99)、LiMnO、LiCoMnNi(x+y+z=1)や、LiMn又はLiFePOなどを一種単独もしくは複数種を混合して用いることができる。
上記実験例1〜8では、負極活物質として天然黒鉛及びSiOx(x=1)の粒子の混合物を用いた例を示した。しかしながら、本発明においては、天然黒鉛に換えて人造黒鉛、カーボンブラック、コークス、ガラス状炭素、炭素繊維等、あるいはこれらの焼成体の一種又は複数種混合したものを用いることができる。また、SiOx(x=1)の粒子に換えてケイ素及び酸化ケイ素(SiO、0.5≦x<1.6)から選択される少なくとも1種を使用し得る。
上記実験例1〜8では、非水電解液の非水溶媒として、EC及びMECを用いた例を示したが、他に、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状炭酸エステル;フッ素化された環状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン(γ−BL)やγ−バレロラクトン(γ−VL)等の環状カルボン酸エステル;ジメチルカーボネート(DMC)やジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、ジブチルカーボネート(DBC)等の鎖状炭酸エステル;フッ素化された鎖状炭酸エステル;ピバリン酸メチルやピバリン酸エチル、メチルイソブチレート、メチルプロピオネート等の鎖状カルボン酸エステル;N,N'−ジメチルホルムアミドやN−メチルオキサゾリジノン等のアミド化合物;スルホラン等の硫黄化合物;テトラフルオロ硼酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等の常温溶融塩;等を用いることができる。また、これらを2種以上混合して用いるようにしてもよい。
非水電解質における非水溶媒中に溶解させる電解質塩としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を用いた例を示したが、他にも非水電解質二次電池において一般に電解質塩として用いられるリチウム塩を用いることができる。このようなリチウム塩としては、例えば、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiAsF、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12等を一種単独又はこれらから複数種を混合したものを用いることができる。なお、非水溶媒に対する電解質塩の溶解量は、0.8〜1.5mol/Lとするのが好ましい。
非水電解質における電解質中には、電極の安定化用化合物として、例えば、ビニレンカーボネート(VC)や、ビニルエチルカーボネート(VEC)、無水コハク酸(SUCAH)、無水マイレン酸(MAAH)、グリコール酸無水物、エチレンサルファイト(ES)、ジビニルスルホン(VS)、ビニルアセテート(VA)、ビニルピバレート(VP)、カテコールカーボネート、ビフェニル(BP)等を添加するようにしてもよい。これらの化合物は、2種以上を適宜に混合して用いるようにしてもよい。
セパレータとしては、従来から用いられてきたセパレータを用いることができる。具体的には、ポリエチレンからなるセパレータのみならず、ポリエチレン層の表面にポリプロピレンからなる層が形成されたものや、ポリエチレンのセパレータの表面にアラミド系の樹脂等の樹脂が塗布されたものを用いてもよい。
また、上記実施形態においては、円筒形の非水電解質二次電池を用いて説明したが、これに限らず、角形非水電解質二次電池やラミネート外装体を用いた非水電解質二次電池に対しても適用することができる。
10…非水電解質二次電池
11…正極極板
11a…正極集電タブ
12…負極極板
12a…負極集電タブ
13…セパレータ
14…巻回電極体
15…絶縁板
16…絶縁板
17…電池外装缶
18…電流遮断封口体

Claims (2)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を含む正極極板と、
    リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質を含む負極極板と、
    セパレータ及び非水電解液とを備え、
    前記負極極板は、炭素と、ケイ素(Si)及び酸化ケイ素(SiO、0.5≦x<1.6)の少なくとも1種とからなる負極活物質を含む負極合剤層を有し、
    前記非水電解液は、添加剤としてエチニルエチレンカーボネート及びアジポニトリルを含む、
    非水電解質二次電池。
  2. 前記非水電解液は、全非水電解液質量に対し、エチニルエチレンカーボネートを0.1〜1.0質量%、アジポニトリルを0.3〜2.5質量%含有している、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108346824A (zh) * 2017-01-25 2018-07-31 索尼公司 非水电解液和非水电解液二次电池

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