JP2014099220A - 情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トレイから持ち上げられた光ディスクが他の部材に接触することを抑制できる情報処理装置を提供する。
【解決手段】一つの実施の形態に係る情報処理装置は、第1のトレイと、ステージと、チャック部と、回動部とを備える。前記第1のトレイは光ディスクが載置される載置部を有する。前記チャック部は、前記載置部に載置された前記光ディスクを取り外し可能に保持する。前記回動部は、前記ステージに回動可能に連結された第1の支点を有するとともに前記チャック部に接続され、前記第1の支点まわりに第1の方向へ回動することで、前記チャック部を、前記載置部に載置された前記光ディスクを保持可能な第1の位置から、前記第1の位置に対して前記第1のトレイの前記載置部から斜め方向に遠ざかった第2の位置に移動させる。
【選択図】 図12
【解決手段】一つの実施の形態に係る情報処理装置は、第1のトレイと、ステージと、チャック部と、回動部とを備える。前記第1のトレイは光ディスクが載置される載置部を有する。前記チャック部は、前記載置部に載置された前記光ディスクを取り外し可能に保持する。前記回動部は、前記ステージに回動可能に連結された第1の支点を有するとともに前記チャック部に接続され、前記第1の支点まわりに第1の方向へ回動することで、前記チャック部を、前記載置部に載置された前記光ディスクを保持可能な第1の位置から、前記第1の位置に対して前記第1のトレイの前記載置部から斜め方向に遠ざかった第2の位置に移動させる。
【選択図】 図12
Description
本発明の実施形態は、情報処理装置に関する。
光ディスクに対して情報を書き込みまたは読み取る光学式ディスクドライブ(ODD)と、当該光ディスクを移動させる搬送機構と、を備える情報処理装置が知られる。前記搬送機構は、前記情報処理装置の内部において、自動で前記光ディスクを前記ODDのトレイにセットする。
例えば、当該情報処理装置に光ディスクが収容されたカセットが挿入されると、前記搬送機構は、前記カセットに収容された前記光ディスクを取り上げる。前記搬送機構は、保持した前記光ディスクを移動させ、前記ODDのトレイに載置する。このように、前記搬送機構が自動で光ディスクを扱うため、光ディスクに傷や粉塵が付くことが抑制される。
一般に、光ディスクを保持し移動させる前記搬送機構のディスクピッカーは、鉛直に延びるレールや柱に沿って動く。このため、前記ディスクピッカーは、例えば前記ODDのトレイから前記光ディスクを取り上げるとき、前記光ディスクを鉛直に持ち上げる。
前記ODDの種類によっては、前記トレイが完全に引き出されても、前記光ディスクの端部が前記ODDのベゼルに覆われることがある。このような前記ODDのトレイから前記光ディスクを鉛直に持ち上げると、前記光ディスクが前記ODDのベゼルに接触し、前記搬送機構が停止したり、前記光ディスクが前記ピッカーから脱落したりするおそれがある。
本発明の目的は、トレイから持ち上げられた光ディスクが他の部材に接触することを抑制できる情報処理装置を提供することにある。
一つの実施の形態に係る情報処理装置は、第1のトレイと、移動可能なステージと、チャック部と、回動部とを備える。前記第1のトレイは、光ディスクが載置される載置部を有する。前記チャック部は、前記載置部に載置された前記光ディスクを取り外し可能に保持する。前記回動部は、前記ステージに回動可能に連結された第1の支点を有するとともに前記チャック部に接続され、前記第1の支点まわりに第1の方向へ回動することで、前記チャック部を、前記載置部に載置された前記光ディスクを保持可能な第1の位置から、前記第1の位置に対して前記第1のトレイの前記載置部から斜め方向に遠ざかった第2の位置に移動させる。
以下に、第1の実施の形態について、図1から図21を参照して説明する。なお、本明細書において、手前側(即ちユーザ側)を前方、ユーザから見て遠い側を後方、ユーザから見て左側を左方、ユーザから見て右側を右方、ユーザから見て上方を上方、ユーザから見て下方を下方と定義する。さらに、複数の表現が可能な各要素に、一つ以上の他の表現の例を付すことがある。しかし、これは、他の表現が付されていない要素について異なる表現がされることを否定するものではないし、例示されていない他の表現がされることを制限するものでもない。
図1は、第1の実施の形態に係るカセット1とチェンジャ装置100とを示す斜視図である。図2は、チェンジャ装置100の内部構成を概略的に示す断面図である。チェンジャ装置100は、情報処理装置の一例である。チェンジャ装置100は、例えば、ホストコンピュータのデータを一時的または長期間、カセット1に保存するために用いられる。なお、情報処理装置は、チェンジャ装置100に限らず、他の装置であっても良い。
カセット1は、五枚の光ディスクを格納している。チェンジャ装置100は、当該光ディスクの読み込みおよび書き込みを行う五台の光学式のディスクドライブ110と、当該ディスクドライブ110を収容する筐体120とを備える。例えば、図1および図2に示すように、ディスクドライブ110は、筐体120の前面121に沿って、鉛直方向に並んで配置されている。
チェンジャ装置100は、カセット1が挿入されるスロット101を有している。スロット101は、最上段のディスクドライブ110よりも高い位置で、筐体120の前面121に開口している。
各ディスクドライブ110のトレイ111は、スロット101が開口している側と反対方向へ引き出される。言い換えると、トレイ111は、筐体120の後方へ引き出される。トレイ111は、第1のトレイの一例である。
図2に示すように、カセット1がスロット101から挿入されると、チェンジャ装置100の内部に設けられた搬送機構8が、カセット1から光ディスクを取り出す。搬送機構8は、当該光ディスクをそれぞれディスクドライブ110に装填する。
チェンジャ装置100は、例えばホストコンピュータから記録指令とともに出力されたデータを受け取ると、データを分割して各光ディスクに対してディスクドライブ110で並列的に記録処理を行う。同様に、ホストコンピュータから読み取り指令を受けると、各光ディスクに分割記録されているデータをそれぞれディスクドライブ110で読み取り、一つのデータに結合したのち、ホストコンピュータへ出力する。
カセット1をチェンジャ装置100から取り出す場合、記録の後処理等を行った後、搬送機構8がそれぞれの光ディスクをトレイ111から取り上げ、カセット1に戻す。全ての光ディスクがカセット1に戻されると、チェンジャ装置100は、スロット101からカセット1を排出する。
カセット1の構成について詳しく説明する。なお、チェンジャ装置100は、以下に説明するカセット1以外のカセットに対応しても良い。図3は、カセット1を示す斜視図である。図4は、カセット1を下方から示す斜視図である。図5は、カセット1を分解して示す斜視図である。
図5に示すように、カセット1は、外殻2と、五つのトレイ(リングトレイ)3と、シャッタ4と、ロック機構5とを備える。トレイ3は、第1または第2のトレイの一例である。カセット1は、円柱と直方体をそれぞれ半分ずつ足し合わせたような外観を有している。
外殻2は、方形および円形をそれぞれ組み合わせた形状の上壁21および下壁22と、上壁21および下壁22のそれぞれ方形の縁211,221の間を接続する側壁23と、を有している。外殻2に、円形の縁212,222の間を全て開口させた開口部20が設けられている。外殻2は、上殻(アッパーシェル)2Aと下殻(ロアーシェル)2Bに分割して作られている。
五つのトレイ3は、それぞれ同じ形状を有し、上壁21と下壁22の間に重ねて配置されている。言い換えると、外殻2は、五つのトレイ3を収容する。トレイ3の数は、ディスクドライブ110の数に対応している。なお、トレイ3の数とディスクドライブ110の数が異なっても良い。
各トレイ3は、光ディスクDの外周縁D1を支持する環状に形成され、中央部分は開口している。このようなトレイ3は、光ディスクDを取り扱う搬送機構8の多様性にも対処しやすく、軽量になる。
図6は、カセット1の一部を示す断面図である。図6に示すように、トレイ3は、光ディスクDを載置する凹部31を有している。凹部31は、載置部の一例である。凹部31の底面(載置面)31aは、光ディスクDの外周縁D1から中心に向かうにしたがって、光ディスクDから離れる方向へ、僅かなテーパ状に形成されている。これにより、光ディスクDの記録面(再生光の入射面)が凹部31の底面31aに直接触れない。したがって、搬送機構8から受けた外力によって光ディスクDが撓んだりトレイ3が歪んだりしても、当該記録面に傷が付かない。
図7は、上殻2Aを除いて示すカセット1の平面図である。図7に示すように、シャッタ4は、上壁21および下壁22のそれぞれ円形の縁212,222に沿って、おおよそ180°に亘って設けられる円弧状に形成されている。
図5に示すように、シャッタ4は、外周壁41に設けられたギア411と、内周壁42に設けられた複数の棚421を有している。ギア411は、少なくとも半周に亘って形成される。棚421は、格納されるトレイ3にそれぞれ対応し、トレイ3を少なくとも半周に亘って支持する。棚421に支持された複数のトレイ3は、互いに隙間を介して配置される。
シャッタ4は、下壁22側に沿う円形のベースプレート43を有している。このベースプレート43は、下壁22に向かって折り返されたリム431を有している。このリム431は、下壁22に形成された環状の溝223に遊嵌する。
図6に示すように、シャッタ4は、下壁22に向かって突出した摺動面44を有している。この摺動面44は、円弧状に形成されたシャッタ4のほぼ全長に形成されている。シャッタ4は、ベースプレート43のリム431と摺動面44によって、下壁22に対する接触面積を小さくし、回動抵抗を減らしている。
図8は、シャッタ4が開いたカセット1を示す斜視図である。シャッタ4は、図3に示すような開口部20を塞ぐ閉位置から、図8に示すような開口部20を開放する開位置まで、円形の縁212,222に沿って回動する。シャッタ4は、開位置に移動することで、外殻2の内部に格納されたトレイ3を露出させる。
図9は、上殻2Aを除いて示すシャッタ4が開いたカセット1の平面図である。図9に示すように、トレイ3は、棚421に保持された状態で、シャッタ4の回動方向にシャッタ4の内周壁42に係合する直線部分32を有している。これによって、トレイ3は、シャッタ4とともに閉位置から開位置まで回動する。
図3に示すように、外殻2は、側壁23の下殻2B側に開口したベイ24を有している。ベイ24は、シャッタ4の外周壁41に形成されたギア411を覗かせる。ベイ24は、シャッタ4が閉位置から開位置まで移動する間、チェンジャ装置100側に用意される駆動用ギア104と噛合できる位置であって、トレイ3をカセット1から引き出すために必要となる動作に干渉しない位置に配置される。ベイ24は、シャッタ4によって塞がれている。
図7に示すように、ベイ24が設けられた側と反対側の側壁23の開口部20寄りの内部に、ストッパ231が設けられている。ストッパ231は、閉位置および開位置に位置するシャッタ4に突き当たる。
図4に示すように、外殻2は、少なくとも二つの嵌合孔224と、四つの脚225とを有している。嵌合孔224は、チェンジャ装置100内の位置決めピンに嵌合する。脚225は、底面からそれぞれ突出している。
嵌合孔224が位置決めピンに嵌合することによって、カセット1の外殻2は、チェンジャ装置100内において回動が規制される。言い換えると、カセット1の外殻2は、シャッタ4が回動する中心軸に対して回転方向の位置決めが成される。
例えば本実施形態のチェンジャ装置100と異なる装置において、カセット1は、複数積み重ねた状態で使用されても良い。そのような場合にも、脚225を有しているので、下段のカセット1の上壁21に上段のカセット1の下壁22が直接接しない。上壁21又は下壁22が歪んだ場合でも、面接触することで不安定になることを防止する。
外殻2は、落下衝撃に強く傷が付き難い材料、例えばポリカーボネートで作られる。またトレイ3およびシャッタ4は、摩耗に強い材料、例えばPOM(ポリアセタール樹脂)で作られる。
さらに外殻2は、上壁21および下壁22の円形の縁212,222の両方の端部に隣接した側壁23に設けられた、複数のガイド穴26を有している。本実施形態において、トレイ3に対応した五つのガイド穴26が、側壁23にそれぞれ設けられる。ガイド穴26は、一列に並んで配置される。
図9に示すように、トレイ3は、一対のノッチ33と、一対のタブ34とを有している。ノッチ33およびタブ34は、トレイ3の鍔部301にそれぞれ形成されている。トレイ3が開位置までシャッタ4とともに回動したときに、ノッチ33およびタブ34は、開口部20から露出される。
図7に示すように、ロック機構5は、外殻2の内部に設けられている。ロック機構5は、側壁23と開位置のシャッタ4との間に配置されている。シャッタ4が閉位置にある場合、ロック機構5は、シャッタ4を閉位置に係止する係合位置に弾性力によって保持される。また、ロック機構5は、外殻2の外から付加される磁力によって、シャッタ4から離れた解除位置に移動させられる。
ロック機構5は、アーム51と弾性部材52と解除部材53とを備える。アーム51の基部511は、外殻2の内部に設けられたボス27に回動可能に支持されている。アーム51の先端512は、シャッタ4の外周壁41に形成された係合凹部412に係合する。弾性部材52は、捩りコイルバネであって、アーム51の先端512をシャッタ4の外周壁41に向けて押し当てる弾性力を発生させている。解除部材53は、鉄のような磁性体で作られており、アーム51に取り付けられている。
カセット1は、RFID(Radio Frequency IDentification)6を備えている。RFID6は、情報を記録する部品の一例である。RFID6は、外殻2に組み込まれている。RFID6は、カセット1に関する識別情報、格納している光ディスクDに関連する識別情報、および、光ディスクDの種類に関する情報を記録する。識別情報とは、カセット1の製造ロット番号、あるいはシリアル番号等、光ディスクDに固有の番号を含む。
また、光ディスクDの種類に関する情報を有していることによって、その光ディスクDに適合する波長を確認する作業を省略することができる。つまり光ディスクDに対してアクセスする際の初期動作に要する時間が短縮される。
次に、チェンジャ装置100について詳しく説明する。上述のように、チェンジャ装置100は、搬送機構8を有している。図2に示すように、搬送機構8は、筐体120の内部に配置されている。
図10は、搬送機構8を拡大して示すチェンジャ装置100の断面図である。図11は、搬送機構8の平面図である。図10に示すように、搬送機構8は、昇降装置81と、ディスクピッカー82と、一対のガイドレール83と、トレイピッカー84とを有している。
図11に示すように、昇降装置81は、支柱811と、ステッピングモータ812と、ベルト813とを有している。ベルト813と、ベルト813が取り付けられる二つのプーリとは、二点鎖線で示される。
支柱811は、筐体120の後面122に沿って配置されている。図2に示すように、支柱811と各ディスクドライブ110との間には、トレイ111が完全に引き出され、且つ、ディスクピッカー82が上下動できるスペースが設けられている。支柱811は、外周面にスクリューが切られており、鉛直方向に延びている。支柱811の両端は、例えばベアリングによって回転可能に支持されている。
図11に示すように、ステッピングモータ812は、ベルト813によって、支柱811の上端に連結されたプーリに接続される。ステッピングモータ812が駆動すると、ベルト813を介して、支柱811にトルクが伝達される。これにより、支柱811が回転する。
図10に示すように、ディスクピッカー82は、ステージ821と、回動部822と、チャック部823とを備える。回動部822は、第1のアーム824と、第2のアーム825と、第1の支点826と、第2の支点827と、第3の支点828と、第4の支点829と、を有している。
ステージ821は、支柱811に取り付けられるとともに、例えばチェンジャ装置100の内部で鉛直方向に延びるガイドバーに移動可能に取り付けられている。ステージ821は、支柱811に切られたスクリューに対応する雌ネジが設けられる。ステージ821は、ガイドバーによって回転を規制されるが、ガイドバーに沿って鉛直方向に移動可能である。
ステッピングモータ812によって支柱811が回転すると、ステージ821は、支柱811の回転方向に応じて上下動する。言い換えると、昇降装置81は、ステージ821を上下動させる。なお、昇降装置81は、例えばチェーンベルトや油圧ピストンによって、ステージ821を上下動させても良い。
図12は、ディスクピッカー82を示す側面図である。図12に示すように、チャック部823は、その一部が光ディスクDに設けられた孔に挿入される。チャック部823は、例えば電磁的に移動する係合突起823aを光ディスクDに係合することで、光ディスクDを保持する。チャック部823は、係合突起823aを移動させ(引込め)、光ディスクDから取り外されることができる。
チャック部823は、回動部822によってステージ821に連結されている。チャック部823は、回動部822が回動することによって、二つの位置の間で移動する。下に、回動部822について説明する。
第1のアーム824は、筐体120の前方に向かって延びる部分と、当該部分の基端から下方に延びる他の部分とを有する。言い換えると、第1のアーム824は、L字型に形成されている。
第1の支点826は、第1のアーム824の上記二つの部分が交差する部分において、第1のアーム824をステージ821に回動可能に連結している。なお、第1の支点826は、第1のアーム824の他の部分をステージ821に連結しても良い。
第2の支点827は、筐体120の前方に向かう第1のアーム824の端部において、第1のアーム824をチャック部823に回動可能に連結している。なお、第2の支点827は、第1のアーム824の他の部分をチャック部823に連結しても良い。
第2のアーム825は、筐体120の前方に向かって延びる部分と、当該部分の基端から下方に延びる他の部分とを有する。言い換えると、第2のアーム825は、L字型に形成されている。
第3の支点828は、下方に延びる第2のアーム825の端部において、第2のアーム825をステージ821に回動可能に連結している。なお、第3の支点828は、第2のアーム825の他の部分をステージ821に連結しても良い。
第4の支点829は、筐体120の前方に向かう第2のアーム825の端部において、第2のアーム825をチャック部823に回動可能に連結している。なお、第4の支点829は、第2のアーム825の他の部分をチャック部823に連結しても良い。
第1の支点826は、第3の支点828よりも高い位置でステージ821に連結される。第2の支点827は、第4の支点829よりも高い位置でチャック部823に連結される。第1ないし第4の支点826〜829は、筐体120の左右方向に延びる軸である。このため、第1ないし第4の支点826〜829まわりに回動する部材は、鉛直平面上で回動する。なお、第1ないし第4の支点826〜829は、傾いていても良い。
下方に延びる第1のアーム824の端部に、レバー85が設けられている。言い換えると、第1のアーム824の一方の端部に第2の支点827が設けられ、他方の端部にレバー85が設けられる。図11に示すように、レバー85は水平方向に延びている。
レバー85の近傍に、押圧部86が設けられている。押圧部86は、レバー85よりも、筐体120の後方に配置されている。押圧部86は、例えばモータによって鉛直方向に延びる軸を中心に回動する。回動する押圧部86は、レバー85を筐体120の前方に向かって押す。
図12に示すように、ディスクピッカー82のチャック部823は、回動部822が回動することにより、実線で示す第1の位置P1から、二点鎖線で示す第2の位置P2に移動する。第1および第2の位置P1,P2は、ステージ821に対するチャック部823の相対的な位置である。チャック部823の移動について、下に詳しく説明する。
通常、チャック部823は、第1の位置P1に位置している。第1の位置P1に位置するチャック部823は、ディスクドライブ110からトレイ111が引き出された場合に、当該トレイ111に載置された光ディスクDの孔の鉛直上方に位置する。
押圧部86がレバー85を押すと、第1のアーム824は、第1の支点826まわりに、第1の方向R1へ回動する。第1の方向R1は、図12に示すように側面から第1の支点826を見た場合における時計回りである。
第1のアーム824の動きに連動し、第2のアーム825とチャック部823とが回動する。第2のアーム825は、第3の支点828まわりに、第1の方向R1へ回動する。チャック部823は、第2および第4の支点827,829まわりに、第2の方向R2へ回動する。第2の方向R2は、第1の方向R1の反対方向であって、図12に示すように側面から第1の支点826を見た場合における反時計回りである。
上記のように、チャック部823と、第1および第2のアーム824,825とが回動することで、チャック部823は、第1の位置P1から第2の位置P2に移動する。第2の位置P2は、鉛直方向において第1の位置P1よりも高く、水平方向において第1の位置P1よりも支柱811およびステージ821に近い。言い換えると、チャック部823は、第1の位置P1から、支柱811に近づくように斜め上方に移動する。
チャック部823が第1の位置P1から第2の位置P2に移動する過程において、ステージ821に対する第1のアーム824の回転角度は、第1のアーム824に対するチャック部823の回転角度に対応する。言い換えると、回動部822は、チャック部823を平行移動させる。
また、チャック部823が第1の位置P1に位置するとき、第2の支点827は、第1の支点826よりも僅かに高い位置に配置される。言い換えると、鉛直方向において、チャック部823が第1の位置P1に位置するときの第2の支点827は、第1の支点826と、チャック部823が第2の位置P2に位置するときの第2の支点827との間に位置する。さらに別の表現をすれば、第1のアーム824は、第1の支点826から斜め上方に延びている。
押圧部86が、例えばモータによって元の位置に戻されると、レバー85に作用する押圧力が除かれる。当該押圧力が除かれると、回動部822は、自重によって上記の逆方向に回動する。これにより、チャック部823は、第2の位置P2から第1の位置P1に移動する。なお、チャック部823は、例えばバネによって第1の位置P1に戻るように付勢されても良い。
図13は、ガイドレール83とトレイピッカー84とを示す斜視図である。図13に示すように、一対のガイドレール83は、一対のフレーム87に移動可能に取り付けられている。一対のフレーム87は、筐体120の内部に取り付けられ、筐体120の前後方向にそれぞれ延びている。フレーム87は、例えばアクチュエータによって、または他の部品の動きに連動して、鉛直方向に移動可能である。
ガイドレール83は、摩耗に強い材料、例えばPOMによって、筐体120の前後方向に延びる板状に形成される。ガイドレール83は、例えばアクチュエータによって、または他の部品の動きに連動して、フレーム87に沿って筐体120の前後方向に移動する。ガイドレール83は、レール部831と、嵌合ピン832とをそれぞれ有している。
レール部831は、筐体120の前後方向に延び、上下方向に並んだ一対の板状の部分によって形成される。当該一対の板状の間隔は、トレイ3の厚みよりも広い。このため、トレイ3は、レール部831に沿って移動するとともに、レール部831に支持されることができる。
レール部831の中央部よりもやや後方に、切欠き833が設けられている。切欠き833は、前記一対の板状の部分の両方に設けられる。切欠き833は、光ディスクDの半径よりも大きい曲率半径を有し、トレイ3の半径よりも小さい曲率半径を有する円弧状に形成される。
嵌合ピン832は、筺体120の前方に向くガイドレール83の先端834から突出している。嵌合ピン832は、外殻2のガイド穴26に挿入可能な角柱形または円柱形に形成されている。嵌合ピン832の先端部は、丸まっているか、テーパ状に形成される。言い換えると、嵌合ピン832の先端部は、筐体120の前方に向かうに従って細くなっている。本実施形態において、嵌合ピン832は、先細りになるよう面取り加工が施されており、四角錐台形に形成されている
図14は、カセット1とガイドレール83とを示す斜視図である。図14に示すように、嵌合ピン832は、搬送機構8がカセット1からトレイ3を引き出す際に、ガイドレール83を所望のトレイ3の配置に対応して位置決めするために利用される。嵌合ピン832がガイド穴26に差し込まれると、ガイドレール83のレール部831が、当該ガイド穴26に対応するトレイ3に対応した位置に配置される。
図14は、カセット1とガイドレール83とを示す斜視図である。図14に示すように、嵌合ピン832は、搬送機構8がカセット1からトレイ3を引き出す際に、ガイドレール83を所望のトレイ3の配置に対応して位置決めするために利用される。嵌合ピン832がガイド穴26に差し込まれると、ガイドレール83のレール部831が、当該ガイド穴26に対応するトレイ3に対応した位置に配置される。
図13に示すように、トレイピッカー84は、ベース841と、一対の移動軸842と、一対のフック843とを有している。ベース841は、筐体120の左右方向に向かって延びる板状に形成されている。ベース841は、ガイドレール83の下方に配置されている。ベース841は、例えばアクチュエータによって、または他の部品の動きに連動して、筐体120の前後方向に移動する。
一対の移動軸842は、それぞれベース841から鉛直上方に突出している。一対の移動軸842は、一対のガイドレール83の間に配置される。移動軸842に、フック843が回動可能に取り付けられている。
図15は、ガイドレール83とフック843とを示す平面図である。図15に示すように、フック843は、突起844と、張出部845とを有している。フック843は、摩耗に強い材料、例えばPOMによって形成されている。
フック843の一部は、ガイドレール83のレール部831に入り込んでいる。ベース841が移動すると、フック843は、移動軸842とともにレール部831に沿って移動する。フック843は、レール部831の後端部から前端部まで移動できる。
突起844は、レール部831の縁に隣接している。突起844は、円柱状に形成され、鉛直上方に向かって突出している。突起844は、移動軸842よりも、ガイドレール83に近い位置に配置される。
張出部845は、レール部831に入り込んだフック843の一部である。張出部845は、突起844よりも筐体120の前方に配置され、筐体120の側方に向かって突出している。
図16は、ガイドレール83と回動するフック843とを示す平面図である。図16に示すように、レール部831の前端部に、カム835が形成されている。カム835は、筐体120の内側に向かって突出した部分である。フック843がレール部831の前端部まで移動すると、突起844はカム835に当接する。
フック843がガイドレール83に対して、筐体120の前方に向かって移動すると、カム835が突起844を押す。突起844が押されることで、フック843は、移動軸842まわりに回動する。言い換えると、一対のフック843が開く。
フック843が回動すると、張出部845の一部が、ガイドレール83に設けられた孔836に入り込む。孔836は、レール部831に開口している。この場合において、張出部845は、孔836の縁に接触している。
フック843がガイドレール83に対して、筐体120の後方に向かって移動すると、孔836の縁が張出部845を押す。張出部845が押されることで、フック843は、移動軸842まわりに回動する。言い換えると、一対のフック843が閉じる。
図15および図16に二点鎖線で示すように、一対のフック843は、上記のように開閉することで、トレイ3に設けられたノッチ33に係合され、またはノッチ33との係合を解除される。言い換えると、トレイピッカー84は、トレイ3をチャッキングする。
次に、チェンジャ装置100がカセット1から光ディスクDを取り出す方法の一例について説明する。まず、スロット101からカセット1が挿入されると、カセット1がチェンジャ装置100内の所定の位置に配置される。
図7に示すように、チェンジャ装置100は、RFID認識装置7を有している。RFID認識装置7は、情報を認識する部品の一例である。RFID認識装置7は、カセット1がチェンジャ装置100に装填されると、側壁23を介してRFID6に対向する。
RFID認識装置7は、外殻2に内蔵されているRFID6からこのカセット1のIDやこのカセット1に格納されているメディアである光ディスクDのID等を読み取る。この場合、RFID6には、カセット1に格納されている光ディスクDの種類、五枚の光ディスクDのID情報、カセット1のID情報、バーコード情報等が記録されている。光ディスクの種類に係る情報は、その光ディスクDが挿入されるディスクドライブ110に送られる。この情報を参照することで、挿入された光ディスクDからその種類を直接読み取る確認動作が不要となる。
一般に光学式のマルチディスクドライブでは、CDは近赤外線(例えば、λ=780nm)、DVDは赤色光(例えば、λ=635nm)、BD(ブルーレイディスク)は紫色光(例えば、λ=405nm)のレーザを使って光ディスクDに情報の記録および再生(読み出し)が行われている。どのディスクが挿入されたか事前に情報が無い場合は、近赤外線、赤色光、紫色光の波長のレーザを順番に光ディスクに照射し、信号が再生されることを検知することで、ディスクの種類を判別する必要がある。このRFID6によって、光ディスクDの種類に関する情報が提供されることで、ディスクドライブ110は、光ディスクDに対しすぐに適合したレーザを照射して情報を読み取りまたは書き込むことができる。
なお、光ディスクDの種類に係る情報は、RFID6に限らず、例えば一次元コードや二次元コードに記録されても良い。この場合、チェンジャ装置100は一次元コードまたは二次元コードの認識装置を備える。
チェンジャ装置100に挿入された状態のカセット1は、図3および図7に示すように、外殻2の開口部20がシャッタ4で閉じられている。シャッタ4は、係合位置に保持されたロック機構5によって閉位置に係止されている。
図17は、ロック機構5が解除されたカセット1を示す平面図である。図17に示すように、外殻2の側壁23の外から磁石103が解除部材53に近づけられる。磁性体である解除部材53は、磁力によって磁石103に引き寄せられる。このため、ロック機構5のアーム51は、解除位置へ保持される。アーム51の先端512がシャッタ4の係合凹部412から外れ、シャッタ4が回動可能な状態となる。磁石103は、ネオジム系材料で作られた永久磁石でもよいし、ソレノイドコイルで磁力を発生させる電磁石でもよい。
次に、駆動用ギア104をベイ24に振り込み、シャッタ4のギア411に噛合させる。駆動用ギア104が回転することにより、シャッタ4は、反時計回りに回動されて外殻2の中に収納される。これにより、図9に示すように外殻2の開口部20が開放される。
次に、対象の光ディスクDの高さにフレーム87を合わせ、ガイドレール83をカセット1に向かって移動させる。これにより、図14に示すように、ガイドレール83の嵌合ピン832が、取り出す対象となる光ディスクが格納されているトレイ3の位置に対応したガイド穴26に差し込まれる。
図14では、上から二段目のトレイ3を狙ってガイドレール83が繰り出されている。上述のように、嵌合ピン832は、ガイド穴26に向かうに従って細くなる。このため、ガイドレール83とカセット1との位置決めが、1mm程度位置ずれを起こしていても、嵌合ピン832がガイド穴26に倣って正しく位置決めされる。
次に、トレイピッカー84のベース841が、筐体120の前方に向かって移動する。言い換えると、ベース841がカセット1に近づけられる。フック843がトレイ3に近接すると、図16に示すように、ガイドレール83がフック843に対して移動し、フック843が開かれる。開かれたフック843は、ベース841を奥側に引っ張ることで、トレイ3のノッチ33に係合する。
図18は、トレイ3が引き出されるカセット1を示す斜視図である。図18に示すように、引き出す対象となっているトレイ3にフック843がかけられると、ベース841が筐体120の後方に向かって移動する。言い換えると、ベース841がカセット1から遠ざけられる。これにより、フック843が係合されたトレイ3が引き出される。言い換えると、トレイピッカー84は、ガイドレール83に沿ってトレイ3を外殻2から引き出す。
トレイ3が引き出される際、トレイ3は、シャッタ4の棚421からレール部831に水平に移動する。ベース841が移動することで、トレイ3は、レール部831に支持されながら筐体120の後方に向かって移動する。
図19は、トレイ3が完全に引き出されたカセット1を示す斜視図である。図19に示すように、トレイ3に載置された光ディスクDが完全に露出されると、ベース841が停止する。この際、引き出されたトレイ3の鍔部301の端部は、外殻2の内部に残る。このため、引き出されたトレイ3の端部は、外殻2に収容された隣接するトレイ3に重ねられている。図19においては、引き出された上から二段目のトレイ3の端部が、上から一段目と三段目とのトレイ3に重ねられる。
次に、ディスクピッカー82が、光ディスクDを斜め上方に摘出する。トレイ3が引き出される前に、ステージ821は、昇降装置81によって支柱811の上端部に移動している。さらに、回動部822によって、チャック部823は第2の位置P2に移動している。
トレイ3が引き出された後、回動部822は自重によって回動し、チャック部823を第1の位置P1に移動させる。第1の位置P1に移動すると、チャック部823の一部は、光ディスクDの孔に挿入される。チャック部823は、係合突起823aを光ディスクDに係合させ、光ディスクDをチャッキングする。言い換えると、第1の位置P1に位置するチャック部823は、トレイ3に載置された光ディスクDを保持できる。
次に、回動部822が回動することで、光ディスクDを保持したチャック部823を第2の位置P2に移動させる。言い換えると、チャック部823は、第1の位置P1よりもステージ821に近く、且つトレイ3の凹部31から遠い位置に移動する。さらに別の表現をすれば、チャック部823は、トレイ3の凹部31から斜め方向に遠ざかる。
上述のように、チャック部823は、トレイ3の凹部31に対して平行移動する。このため、チャック部823に保持された光ディスクDは、記録面を下方に向けたまま平行移動する。
トレイ3が引き出されたとき、ガイドレール83の切欠き833の中心は、光ディスクDの中心よりも僅かに筐体120の後方にずれている。ディスクピッカー82が光ディスクDを斜め上方に取り上げることで、チャック部823に保持された光ディスクDは、切欠き833を通過する。なお、切欠き833の位置は、第2の位置P2に位置するチャック部823に保持された光ディスクDに対応している。
光ディスクDが取り出された空のトレイ3は、トレイピッカー84のフック843で外殻2に向かって押し戻される。トレイ3が外殻2に収められると、ガイドレール83がフック843より先行してカセット1から引き離される。これにより、突起844がカム835に押されて、フック843はトレイ3のノッチ33から外される。ノッチ33から外されたフック843は、ベース841によってレール部831の後端部まで戻される。
次に、チャック部823が第2の位置P2に位置した状態で、昇降装置81によって、ステージ821が下降させられる。この際、チャック部823に保持された光ディスクDは、切欠き833を通過する。
ディスクピッカー82に保持されている光ディスクDは、繰り出されているディスクドライブ110のトレイ111に対応する位置まで降ろされる。回動部822は、チャック部823を第1の位置P1に移動させる。言い換えると、チャック部823は、第2の位置P2から、トレイ111の載置部112に斜め方向に近づく。これにより、図12に示すように、チャック部823に保持された光ディスクDは、トレイ111の載置部112に載置される。
光ディスクDが載置部112に乗ると、チャック部823は光ディスクDから取り外される。回動部822は、チャック部823を第2の位置P2に移動させることで、チャック部823の一部を光ディスクDの孔から引き抜く。
上記のように光ディスクDがカセット1からディスクドライブ110へ乗せ換えられると、ディスクドライブ110のトレイ111が引き込まれ、光ディスクDの読み取りまたは書き込みが開始される。上述した一連の動作を繰り返し、他の四枚の光ディスクDについてもディスクドライブ110にそれぞれ装填される。
以下に、各ディスクドライブ110に装填された光ディスクDをカセット1に回収する方法の一例について説明する。まず、各光ディスクDをディスクドライブ110から取り外すための処理(アンマウント)を施す。ディスクドライブ110から、光ディスクDが載置されたトレイ111が繰り出される。
図20は、ディスクドライブ110を示す平面図である。図20に示すように、トレイ111が完全に引き出された場合であっても、光ディスクDの端部がディスクドライブ110のベゼル113に覆われる。なお、光ディスクDが完全に露出するディスクドライブ110が用いられても良い。
次に、昇降装置81によって、回収の対象となる光ディスクDが載置されたトレイ111に対応する位置に、ディスクピッカー82が下降する。この際、チャック部823は第2の位置P2に位置する。回動部822によって、チャック部823が第1の位置P1に移動させられ、チャック部823の一部が光ディスクDの孔に挿入される。チャック部823は、係合突起823aを光ディスクDに係合させ、光ディスクDを保持する。
次に、回動部822が回動することで、光ディスクDを保持したチャック部823を第2の位置P2に移動させる。言い換えると、チャック部823は、第1の位置P1よりもステージ821に近く、且つトレイ111の載置部112から遠い位置に移動する。さらに別の表現をすれば、チャック部823は、トレイ111の載置部112から斜め方向に遠ざかる。
チャック部823によって、光ディスクDは、載置部112から斜め上方に取り上げられる。このため、ベゼル113に覆われた光ディスクDの端部は、ベゼル113を避けて移動する。
光ディスクDをチャッキングしたディスクピッカー82は、昇降装置81によって支柱811の上端部まで上昇する。この際、光ディスクDは、ガイドレール83の切欠き部833を通過する。
次に、トレイピッカー84が、外殻2からトレイ3を引き出す。ディスクピッカー82は、光ディスクDをトレイ3に載せて、光ディスクDを取り外す。チャック部823は、回動部822によって第2の位置に退避させられる。
次に、トレイピッカー84が、トレイ3を押し戻す。さらにベース841を手前に押すことで、フック843がトレイ3から切り離される。以上の動作を五枚の光ディスクDのそれぞれについて行う。なお、昇降装置81、ディスクピッカー82、ガイドレール83、およびトレイピッカー84の詳細な動作については、カセット1から光ディスクDを取り出す場合と同様またはその逆であるため、省略する。
すべての光ディスクDがカセット1に戻されると、ギア411に噛合している駆動用ギア104を反時計回りに回転させ、開位置のシャッタ4を閉位置に戻す。磁石103をカセット1から遠ざけることで、弾性部材52の付勢力でアーム51が係合位置に戻され、シャッタ4が係止される。シャッタ4がロックされたカセット1は、チェンジャ装置100のスロット101から排出される。
第1の実施形態のチェンジャ装置100によれば、回動部822が第1の支点826まわりに第1の方向R1へ回動し、チャック部823が第2の支点827まわりに第2の方向R2へ回動することで、チャック部823がステージ821に近づき且つトレイ3の凹部31またはトレイ111の載置部112から遠ざかる方向に移動する。これにより、トレイ111の載置部112に載置された光ディスクDの端部が、例えばディスクドライブ110のベゼル113のような部材に覆われていたとしても、光ディスクDが当該部材に接触することを抑制できる。したがって、光ディスクDが他の部材に接触することにより搬送機構8が停止したり、ディスクピッか82から光ディスクDが脱落したりすることを抑制できる。
また、上記のように、光ディスクDがベゼル113に接触することを抑制できるため、チェンジャ装置100が、光ディスクDの端部をベゼル113が覆うディスクドライブ110を利用することができる。このため、チェンジャ装置100に搭載されるディスクドライブの選択範囲が広がり、所望のコストや要求性能を持つディスクドライブ110を採用することができる。
昇降装置81がディスクピッカー82を高速で移動させると、チャック部823に保持された光ディスクDが振動することがある。しかし、本実施形態のステージ821は、チャック部823が第2の位置P2に移動させられた状態で、昇降装置81によって移動させられる。言い換えると、ステージ821は、光ディスクDが筐体120の後方(支柱811側)に退避した状態で上下動する。これにより、チャック部823が保持した光ディスクDが振動したとしても、当該光ディスクDがカセット1の外殻2やディスクドライブ110のような、他の部材に接触することを抑制できる。
第1および第2のアーム824,825が、それぞれ回動可能にステージ821およびチャック部823に連結される。これにより、第1のアーム824を回動させればチャック部823を回動させることができ、回動部822の構造を簡素化できる。
第1および第2のアーム824,825の長さを長くすれば、チャック部823が第1の位置P1から第2の位置P2に移動するときの、第1のアーム824の回動角度あたりの移動距離が長くなる。このように、第1および第2のアーム824,825の長さを調整することで、チャック部823の移動距離を調整することができる。
図21は、ディスクピッカー82を説明の為に概略的に示す図である。図21においては、ディスクピッカー82の特徴を理解しやすくするため、その寸法や角度が極端に描かれる。
図21に示すように、チャック部823が第1の位置P1に位置するとき、第2の支点827は第1の支点826よりも高い位置に配置される。言い換えると、チャック部823が第1の位置P1に位置するときの第1のアーム824は、斜め上方に延びている。このため、第1の支点826と第2の支点827とが同じ高さに配置された場合(図21の位置P0)よりも、第1の位置P1におけるチャック部823と第2の位置P2におけるチャック部823との間の角度が鋭角になる。したがって、チャック部823が保持した光ディスクDが、例えばベゼル113のような他の部材に接触することを抑制できる。
チャック部823が第1の位置P1に位置するときの第1のアーム824の傾斜角度が大きいほど、第1の位置P1におけるチャック部823と第2の位置P2におけるチャック部823との間の角度が鋭角になる。このため、チャック部823が第1の位置P1に位置するときの第1のアーム824の傾斜角度を調整することで、チャック部823の鉛直方向の移動量を調整することができる。
光ディスクDを保持するチャック部823は、トレイ3の凹部31またはトレイ111の載置部112に対して平行移動する。これにより、チャック部823が保持する光ディスクDが傾いてベゼル113のような他の部材に接触することを抑制できる。
チャック部823が第2の位置P2に位置するとき、押圧部86による押圧力が除かれると、回動部822は自重によって回動する。これにより、チャック部823を第1の位置P1に戻すためのバネなどが不要となり、チェンジャ装置100の構造を簡素化できる。
嵌合ピン832によって位置決めされたガイドレール83に沿って、トレイ3が引き出される。これにより、ガイドレール83と外殻2との間の位置ずれが抑制され、チャック部823が光ディスクDを保持可能な位置に、トレイ3が精度良く引き出される。
さらに、嵌合ピン832が設けられることで、ガイドレール83とトレイ3との間の位置合わせ精度を高くする必要が無くなる。このため、ガイドレール83を、剛性の低い安価な材料によって製造できる。
また、カセット1は光ディスクDを載置するトレイ3のみを有し、トレイ3を支持するガイドレール83はチェンジャ装置100に設けられる。これにより、カセット1の構造を簡素化および軽量化できる。
嵌合ピン832は、ガイド穴26に向かうに従って細くなる。これにより、ガイドレール83の位置合わせ制度が低かったとしても、嵌合ピン832をガイド穴26に容易に挿入することができる。
ガイドレール83が切欠き833を有することで、ステージ821が移動したときに、光ディスクDがガイドレール83に接触することが抑制される。これにより、ステージ821が移動する際にガイドレール83を退避させる必要が無くなり、チェンジャ装置100の動作を高速化できる。
外殻2からトレイ3を引き出した時、トレイ3はカセットから完全に取り出さず、隣接するトレイ3と重なる位置で引き出すのを止める。これにより、トレイ3を戻すときに隣接するトレイ3と接触して入らなくなることを抑制できる。
ガイドレール83がフック843に対して移動することで、突起844を押してフック843を回動させる。フック843が回動することで、フック843とノッチ33が係合し、または係合が解除される。これにより、フック843とノッチ33を係合させ、または係合を解除するための他の部品が不要となり、チェンジャ装置100の構造を簡素化できる。
次に、図22を参照して、第2の実施の形態について説明する。なお、以下に開示する実施形態において、第1の実施形態のチェンジャ装置100と同様の機能を有する構成部分には同一の参照符号を付す。さらに、当該構成部分については、その説明を一部または全て省略することがある。
図22は、第2の実施の形態に係るディスクピッカー82を示す側面図である。第2の実施の形態における第2の位置P2において、チャック部823は、筐体120の後方側(ステージ821側)が高く、筐体120の前方側(トレイ3またはトレイ111側)が低くなるように傾いている。言い換えると、ステージ821から遠いチャック部823の端部がトレイ3またはトレイ111に近く、ステージ821に近いチャック部823の端部がトレイ3またはトレイ111から遠くなるように、チャック部823が傾いている。
上記のディスクピッカー82によれば、チャック部823が第1の位置P1から第2の位置P2に移動するとき、チャック部823に保持された光ディスクDは、筐体120の後方に掬い上がるように移動する。言い換えると、光ディスクDの前方の端部よりも、光ディスクDの後方の端部がより高く持ち上げられる。
このような第2の実施形態のディスクピッカー82によれば、光ディスクDの前方の端部が低い位置に保たれたまま、チャック部823が第2の位置P2に移動する。このため、光ディスクDの前方の端部が例えばディスクドライブ110のベゼル113に覆われていたとしても、光ディスクDがベゼル113に接触することを抑制できる。
次に、第3の実施の形態のチェンジャ装置100について、図23を参照して説明する。図23は、第3の実施の形態に係るディスクピッカー82を示す側面図である。図23に示すように、第3の実施の形態の回動部822は、第1のアーム824と、第1の支点826と、第2の支点827とを有している。
回動部822は、例えば第1の支点826に設けられたステッピングモータによって、第1の支点826まわりに回動するとともに、回動した位置に保持される。さらに、チャック部823は、例えば第2の支点827に設けられたステッピングモータによって、第2の支点827まわりに回動するとともに、回動した位置に保持される。なお、回動部822およびチャック部823は、梃や自重のような他の手段によって回動しても良い。
ディスクピッカー82が、トレイ3またはトレイ111から光ディスクDを取り上げる際、回動部822が第1の支点826のまわりに第1の方向R1に回動するとともに、チャック部823が第2の支点827まわりに第2の方向R2に回動する。これにより、チャック部823が第1の位置P1から、トレイ3またはトレイ111から斜め上方に遠ざかった第2の位置P2に移動する。この際、チャック部823は平行移動する。
上記の第3の実施形態のチェンジャ装置100によれば、第1の実施の形態と同様に、例えばトレイ111に載置された光ディスクDの端部が、ベゼル113のような部材に覆われていたとしても、光ディスクDが当該部材に接触することを抑制できる。
次に、第4の実施の形態のチェンジャ装置100について、図24を参照して説明する。図24は、第4の実施の形態に係るディスクピッカー82を示す側面図である。図24に示すように、第4の実施の形態の回動部822は、第1のアーム824と、第1の支点826とを有している。
回動部822は、例えば第1の支点826に設けられたモータによって、第1の支点826まわりに回動するとともに、回動した位置に保持される。一方、第4の実施の形態において、回動部822の一方の端部822aとチャック部823とは、互いに固定され、回動しない。
ディスクピッカー82が、トレイ3またはトレイ111から光ディスクDを取り上げる際、回動部822およびチャック部823が、第1の支点826まわりに第1の方向R1に回動する。これにより、チャック部823が第1の位置P1から、トレイ3またはトレイ111から斜め上方に遠ざかった第2の位置P2に移動する。この際、チャック部823および光ディスクDは傾斜する。
ここで、水平方向と、第1の支点826と回動部822の端部822aとを結ぶ線との間の角度をθとする。回動部822が第1の支点826まわりに回動するとき、チャック部823の回動角度あたりの水平方向への移動距離は、cosθで表される。一方、チャック部823の回動角度あたりの鉛直方向への移動距離は、sinθで表される。このため、角度θが大きいほど、チャック部823が回動したときの水平方向への移動距離は増加し、鉛直方向への移動距離は抑えられる。このため、図24に示すように、角度θを大きく取ることで、チャック部823が回動しなくても、チャック部823に保持された光ディスクDは、ベゼル113を避ける。
上記の第4の実施形態のチェンジャ装置100によれば、回動部822が第1の支点826まわりに回動することで、チャック部823が第1の位置P1から第2の位置P2に移動する。これにより、光ディスクDが例えばベゼル113のような部材に接触することを抑制できる。
以上述べた少なくとも一つのチェンジャ装置によれば、回動部が第1の支点まわりに第1の方向へ回動することで、チャック部が第1のトレイの載置部から斜め方向に遠ざかる。これにより、第1のトレイの載置部に載置された光ディスクの端部が、例えばディスクドライブのベゼルのような部材に覆われていたとしても、光ディスクが当該部材に接触することを抑制できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…カセット、2…外殻、26…ガイド穴、3…トレイ、33…ノッチ、100…チェンジャ装置、101…スロット、111…トレイ、112…載置部、120…筐体、821…ステージ、822…回動部、823…チャック部、824…第1のアーム、825…第2のアーム、826…第1の支点、827…第2の支点、828…第3の支点、829…第4の支点、83…ガイドレール、832…嵌合ピン、833…切欠き、842…移動軸、843…フック、844…突起、86…押圧部、D…光ディスク、R1…第1の方向、R2…第2の方向、P1…第1の位置、P2…第2の位置。
Claims (16)
- 光ディスクが載置される載置部を有する第1のトレイと、
移動可能なステージと、
前記載置部に載置された前記光ディスクを取り外し可能に保持するチャック部と、
前記ステージに回動可能に連結された第1の支点を有するとともに前記チャック部に接続され、前記第1の支点のまわりに第1の方向へ回動することで、前記チャック部を、前記載置部に載置された前記光ディスクを保持可能な第1の位置から、前記第1の位置に対して前記第1のトレイの前記載置部から斜め方向に遠ざかった第2の位置に移動させる回動部と、
を具備する情報処理装置。 - 前記回動部は、前記チャック部に回動可能に連結された第2の支点を有し、前記第1の支点まわりに第1の方向へ回動するときに、前記チャック部を前記第2の支点まわりに前記第1の方向の反対方向である第2の方向へ回動させる、請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記ステージは、前記チャック部が前記第2の位置に位置する状態で移動する請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
- 前記回動部は、前記第1および第2の支点を有する第1のアームと、前記ステージに回動可能に連結された第3の支点、および前記チャック部に回動可能に連結された第4の支点を有する第2のアームと、を有し、
前記第1のアームが前記第1の支点まわりに前記第1の方向へ回動することで、前記第2のアームが前記第3の支点まわりに前記第1の方向へ回動し、前記チャック部が前記第2および第4の支点まわりに前記第2の方向へ回動する、請求項1または請求項3に記載の情報処理装置。 - 前記第1のトレイの前記載置部に垂直な方向において、前記チャック部が前記第1の位置に位置するときの前記第2の支点は、前記第1の支点と前記チャック部が前記第2の位置に位置するときの前記第2の支点との間に位置する請求項1または請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記回動部は、前記チャック部を前記第1のトレイの前記載置部に対して平行移動させる請求項1または請求項5に記載の情報処理装置。
- 前記回動部を押圧することで前記回動部を回動させる押圧部をさらに具備し、
前記押圧部によって前記回動部が回動させられることで、前記回動部は前記チャック部を前記第2の位置に移動させ、前記押圧部による押圧力が前記回動部から除かれると、前記回動部は自重によって回動し、前記チャック部を前記第1の位置に移動させる請求項1または請求項6に記載の情報処理装置。 - 前記光ディスクが載置される第2のトレイと、前記第2のトレイを引き出し可能に収容する外殻と、前記外殻に設けられたガイド穴と、を有するカセットが装填されるとともに、前記第1のトレイ、前記ステージ、前記チャック部、および前記回動部が収容される筐体と、
前記筐体に収容され、前記ガイド穴に差し込まれる嵌合ピンを有するガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って前記第2のトレイを前記外殻から引き出すトレイピッカーと、
をさらに具備し、
前記ステージが移動することで、前記第1の位置に位置する前記チャック部が、前記外殻から引き出された前記第2のトレイに載置された前記光ディスクを保持可能となる請求項1または請求項7に記載の情報処理装置。 - 前記嵌合ピンは、前記ガイド穴に向かうに従って細くなる請求項8に記載の情報処理装置。
- 前記ガイドレールは、前記ステージが移動したときに、前記チャック部が保持した光ディスクが通過する切欠き部を有する請求項8または請求項9に記載の情報処理装置。
- 前記トレイピッカーは、前記第2のトレイを引き出すときに、前記第2のトレイの一部を前記外殻の中に残して止まる請求項8または請求項10に記載の情報処理装置。
- 前記トレイピッカーは、前記ガイドレールに沿って移動する移動軸と、前記移動軸に回動可能に取り付けられるとともに前記第2のトレイに設けられたノッチに係合するフックと、を有し、
前記ガイドレールは、前記フックに対して移動することで、前記フックの一部を押して前記フックを回動させ、前記フックを前記ノッチに係合させまたは前記フックと前記ノッチとの係合を解除する、請求項8または請求項11に記載の情報処理装置。 - 光ディスクを載置するトレイを複数重ねて格納し外周壁に沿って回動する円弧形状のシャッタが組み込まれた外殻を有したカセットを、少なくとも1つ装填される情報処理装置であって、
前記シャッタの外周壁に形成されたギアに係合し前記シャッタを開く駆動用ギアと、
前記トレイの位置に対応して前記外殻に形成されたガイド穴に差し込まれるガイドレールと、
前記トレイに形成されたノッチに係合し前記ガイドレールに沿って前記トレイを引き出すトレイピッカーと、
前記カセットから取り出された前記光ディスクが個々に装填される複数のディスクドライブと、
前記光ディスクを、前記トレイピッカーによって引き出された前記トレイから、前記ディスクドライブに移す搬送装置と、
を備える情報処理装置。 - 前記ガイドレールは、前記ガイド穴に差し込まれるとともに前記ガイド穴に向かうに従って細くなる嵌合ピンを有する請求項13に記載の情報処理装置。
- 前記ガイドレールは、前記搬送装置に保持された前記光ディスクが通過する切欠き部を有する請求項13または請求項14に記載の情報処理装置。
- 前記トレイピッカーは、前記トレイを引き出すときに、前記トレイの一部を前記外殻の中に残して止まる請求項13または請求項15に記載の情報処理装置。
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