JP2014098843A - 光スイッチおよび波長選択スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に構成でき、光反射面の応答特性の低下による影響を低減しつつ、光反射面の共振振動を誘発するノイズ成分を電圧信号から除去することができる光スイッチおよび波長選択スイッチを提供する。
【解決手段】波長選択スイッチは、MEMSミラーの光反射面の角度を制御する制御部を備える。制御部は、光反射面の角度を制御するための電圧信号V1,V2をそれぞれ出力する電圧生成部26,27と、電圧生成部26,27から出力される電圧信号V1のいずれかを選択的に出力するスイッチ28とを有する。電圧生成部26とスイッチ28との間にはローパスフィルタ回路29が設けられており、電圧生成部27とスイッチ28との間にはローパスフィルタ回路が設けられていない。
【選択図】図4

Description

本発明は、光スイッチおよび波長選択スイッチに関するものである。
特許文献1には、光通信用光スイッチの制御装置に関する技術が開示されている。この文献に記載された装置は、複数の可動ミラーを用い、複数の入出力ポート間を接続する光パスの切り替えを行う光スイッチを制御する装置であって、制御量演算部、駆動回路、電圧信号モニタ部、差分検出部、及びノイズ補正部を備えている。制御量演算部は、光パスの設定に応じて各可動ミラーに対する制御量を演算する。駆動回路は、制御量演算部から伝えられる制御量を電圧に変換して可動ミラーの駆動信号を生成する。電圧信号モニタ部は、駆動回路で生成された駆動信号の電圧値をモニタする。差分検出部は、電圧信号モニタ部でモニタされた電圧値の制御量演算部で演算された制御量に対する差分を検出すると共に、電圧信号モニタ部でモニタされた電圧値の時間変化を基に当該駆動信号に含まれる周期的なノイズ成分を検出する。ノイズ補正部は、差分検出部で検出された差分およびノイズ成分に基づいて、制御量演算部から駆動回路に伝えられる制御量の補正を行う。
特許文献2には、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー制御装置に関する技術が開示されている。この文献に記載された装置は、反射ミラーを有する可動体が磁束の方向と直交する方向に配置されたトーションバーに支持され、可動体に設けられた駆動コイルに入力される電気信号レベルに応じて可動体が所定の振角で揺動するMEMSミラーを制御する装置である。この装置は、振動抑制制御部を備えている。振動抑制制御部は、駆動コイルに電気信号が印加されたとき、可動体やトーションバーの機械的要素に起因して当該可動体に発生する共振周波数の振動を検出し、その反転信号を駆動コイルと併設される振動抑制コイルに加えて振動を抑制する。
特許文献3には、MEMSミラーの偏向角を制御するミラー制御回路に関する技術が開示されている。この文献に記載された回路は、制御回路および駆動回路を備えている。制御回路は、MEMSミラーの偏向角を制御するための制御信号を生成する。駆動回路は、MEMSミラーの共振振動をキャンセルするための補償信号を生成し、制御信号の変化点近傍位置に補償信号を付加した駆動信号をMEMSミラーに出力する。
特許文献4には、MEMSミラーを用いた光スイッチの制御装置に関する技術が開示されている。この文献に記載された装置は、MEMSへ提供される電圧信号の共振成分を除去するためのフィルタ回路を備えている。
特開2007−101675号公報 特開2011−180528号公報 特開2006−279888号公報 特開2004−219469号公報
光スイッチの一つとして、電圧信号によって光反射面の角度を変更することが可能なMEMSミラーを利用したものがある。このような光スイッチは、一又は複数の入力ポートと一又は複数の出力ポートとの間の光路をMEMSミラーによって切り替えることにより、スイッチングを実現する。
このようなMEMSミラーでは、電圧信号に重畳される高周波ノイズによって、光反射面を支持する部材の共振振動が誘発され、光反射面に揺れが生じることがある。このような揺れを抑えるために、例えば特許文献1では、電圧信号に重畳するノイズ成分を検出し、ノイズ成分を抑えるように電圧信号を補正している。また、特許文献2では、光反射面の共振振動を検出し、光反射面の角度を制御するコイルとは別に設けられた振動抑制コイルを用いて該共振振動を抑制している。また、特許文献3では、MEMSミラーの共振振動をキャンセルするための補償信号を生成し、この補償信号を付加した電圧信号をMEMSミラーに提供している。また、特許文献4では、電圧信号の共振成分を除去するためのフィルタ回路が設けられている。
しかしながら、光反射面の揺れや共振振動を検出するためには、その揺れや共振振動の周期よりも十分に短い周期で光反射面の角度を検出しなければならない。また、ノイズ成分や共振振動を抑えるように電圧信号を補正する場合、ノイズ成分や共振振動と補正電圧とを同期させなければならない。更に、この同期のためには、演算時間や回路の遅延時間を考慮しなければならない。したがって、制御装置の構成が極めて複雑になってしまうという問題がある。
また、光反射面の共振振動を誘発するノイズ成分を電圧信号から除去するためにフィルタ回路を設けると、電圧信号の変化に遅れが生じ、光反射面の応答特性が低下してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、容易に構成でき、光反射面の応答特性の低下による影響を低減しつつ、光反射面の共振振動を誘発するノイズ成分を電圧信号から除去することができる光スイッチおよび波長選択スイッチを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明による光スイッチは、M個の光入力ポート及びN個の光出力ポート(但し、M、NはM+N≧3を満たす1以上の整数)を備え、M個の光入力ポートの何れかと、N個の光出力ポートの何れかとを選択的に光結合する光スイッチであって、光反射面の角度を変更可能に構成されており、M個の光入力ポートの何れかから入力された光をN個の出力ポートの何れかへ選択的に反射するMEMSミラーと、MEMSミラーの光反射面の角度を制御する制御部とを備え、制御部が、光反射面の角度を制御するための電圧信号をそれぞれ出力する第1及び第2の電圧生成部と、第1及び第2の電圧生成部のそれぞれに接続された第1及び第2の入力端、およびMEMSミラーに接続された出力端を含んでおり第1及び第2の入力端を出力端に選択的に接続するスイッチとを有し、第1の電圧生成部とスイッチとの間には、第1の時定数を有するローパスフィルタ回路が設けられており、第2の電圧生成部とスイッチとの間には、第1の時定数よりも短い第2の時定数を有するローパスフィルタ回路が設けられているか、またはローパスフィルタ回路が設けられていないことを特徴とする。
この光スイッチでは、MEMSミラーの光反射面の角度を制御する制御部が、第1及び第2の電圧生成部を有する。これら第1及び第2の電圧生成部は、いずれも光反射面の角度を制御するための電圧信号を出力するものであって、スイッチによる切り替えに従っていずれか一方が選択的に用いられる。そして、第1の電圧生成部とスイッチとの間には、第1の時定数T1を有するローパスフィルタ回路が設けられており、このローパスフィルタ回路によって、光反射面の共振振動を誘発するノイズ成分を電圧信号から除去することができる。また、第2の電圧生成部とスイッチとの間には、第2の時定数T2(<T1)を有するローパスフィルタ回路が設けられているか、またはローパスフィルタ回路が設けられていない。したがって、第2の電圧生成部から出力される電圧信号は、ローパスフィルタ回路による遅延がないので(若しくは第1の電圧生成部から出力される電圧信号と比較して遅延が抑えられるので)、光反射面の応答特性の低下を抑えることができる。制御部は、スイッチを切り替えることによって、これらの電圧信号の何れか一方を選択的にMEMSミラーに提供することができる。
このように、上記の光スイッチでは、フィルタ時定数が比較的長くノイズ成分が除去された電圧信号と、フィルタ時定数が比較的短いか若しくはフィルタ回路を経由しないことによって光反射面の応答特性が良好となる電圧信号とを選択的にMEMSミラーに提供することができる。したがって、必要に応じて光反射面の共振振動を抑え、また必要に応じて光反射面の応答特性を高めることができる。一例を挙げると、光反射面の角度を変更する間は、フィルタ時定数が比較的短いか若しくはフィルタ回路を経由しない電圧信号を選択して光反射面の応答特性を高め、また、光反射面の角度が一定である間は、フィルタ時定数が比較的長い電圧信号を選択して光反射面の共振振動を抑えるとよい。
以上に述べたように、上記の光スイッチによれば、光反射面の応答特性の低下による影響を低減しつつ、光反射面の共振振動を誘発するノイズ成分を電圧信号から除去することができる。また、上記の光スイッチは、電圧生成部、ローパスフィルタ回路、及びスイッチといった簡易な構成要素によって実現可能であるため、特許文献1〜4に記載された光スイッチと比較して容易に構成できる。
また、光スイッチは、制御部が、電圧信号の大きさを演算して該電圧信号の大きさを示す制御信号を第1及び第2の電圧生成部へ提供するとともにスイッチの動作を制御する駆動演算回路を更に有し、駆動演算回路が、電圧信号の大きさを変化させるタイミングを含む第1の期間では第2の入力端を出力端に接続させ、第1の期間を除く期間では第1の入力端を出力端に接続させることを特徴としてもよい。このように、電圧信号の大きさを変化させる第1の期間(すなわち光反射面の角度を変更する期間)では、第2の入力端を出力端に接続させることにより、フィルタ時定数が比較的短いか若しくはフィルタ回路を経由しない電圧信号を選択し、また、第1の期間を除く期間(すなわち光反射面の角度が一定である期間)では、第1の入力端を出力端に接続させ、フィルタ時定数が比較的長い電圧信号を選択することにより、光反射面の共振振動を抑えつつ、光反射面の応答特性を高めることができる。
また、光スイッチは、駆動演算回路が、第1の期間において、第1の電圧生成部から出力される電圧信号がオーバーシュート若しくはアンダーシュートを伴うような制御信号を第1の電圧生成部に提供することを特徴としてもよい。これにより、第1の電圧生成部から出力される電圧信号が選択されていない第1の期間において該電圧信号を目標電圧に素早く収束させ、第2の期間への切り替えを早めることができる。
また、光スイッチは、スイッチがショーティング型であることを特徴としてもよい。これにより、スイッチの切り替えの際に電圧信号がMEMSミラーに供給されない瞬間(電圧不定状態)が生じることを防ぐことができる。
また、光スイッチは、制御部が、光反射面の角度を制御するための電圧信号を出力する第3の電圧生成部を更に有しており、スイッチが、第3の電圧生成部に接続された第3の入力端を更に有し、第1〜第3の入力端を出力端に選択的に接続し、第3の電圧生成部とスイッチとの間には、第1の時定数よりも長い第3の時定数を有するローパスフィルタ回路が設けられていることを特徴としてもよい。これにより、除去すべきノイズの周波数や、複数の光反射面間での共振周波数の相違などに応じて、時定数が異なる3つの電圧信号から最適なものを選択してMEMSミラーに提供することができる。したがって、光反射面の共振振動をより効果的に抑えつつ、光反射面の応答特性を高めることができる。
また、本発明による波長選択スイッチは、光入力ポート、及び所定方向に並んだ複数の光出力ポートを備え、光入力ポートに入力された光を波長成分毎に分光して複数の光出力ポートのそれぞれから出力する波長選択スイッチであって、光入力ポートから入力された光を受けて、その光を各波長成分に分光して出力する分光素子と、複数の光反射面の角度を個別に変更可能に構成されており、分光素子から出力された複数の波長成分それぞれを複数の光反射面それぞれが受けて複数の出力ポートの何れかへ選択的に反射するMEMSミラーと、MEMSミラーの複数の光反射面の角度を個別に制御する制御部とを備え、制御部は、複数の光反射面毎に設けられ、反射後の各波長成分の光路が所定方向に移動するように光反射面の角度を制御するための電圧信号をそれぞれ出力する複数の第1の電圧出力回路と、複数の光反射面毎に設けられ、反射後の各波長成分の光路が所定方向と交差する方向に移動するように光反射面の角度を制御するための電圧信号をそれぞれ出力する複数の第2の電圧出力回路とを有し、複数の第1の電圧出力回路それぞれは、電圧信号をそれぞれ出力する第1及び第2の電圧生成部と、第1及び第2の電圧生成部のそれぞれに接続された第1及び第2の入力端およびMEMSミラーに接続された出力端を有し、第1及び第2の入力端を出力端に選択的に接続するスイッチとを含み、第1の電圧生成部とスイッチとの間には、第1の時定数を有するローパスフィルタ回路が設けられており、第2の電圧生成部とスイッチとの間には、第1の時定数よりも短い第2の時定数を有するローパスフィルタ回路が設けられているか、またはローパスフィルタ回路が設けられていないことを特徴とする。
この波長選択スイッチの複数の第1の電圧出力回路は、上述した光スイッチと同様に、第1及び第2の電圧生成部を有する。したがって、フィルタ時定数が比較的長くノイズ成分が除去された電圧信号と、フィルタ時定数が比較的短いか若しくはフィルタ回路を経由しない電圧信号とを選択的にMEMSミラーに提供することができる。これにより、必要に応じてノイズ成分を除去し、また必要に応じて光反射面の応答特性を高めることができるので、光反射面の応答特性の低下による影響を低減しつつ、光反射面の共振振動を誘発するノイズ成分を電圧信号から除去することができる。
また、この波長選択スイッチの制御部は、第1及び第2の電圧出力回路を複数の光反射面毎に有している。第1の電圧出力回路は、反射後の各波長成分の光路が所定方向(すなわち複数の光出力ポートの並び方向)に移動するように光反射面の角度を制御する。また、第2の電圧出力回路は、反射後の各波長成分の光路が前記所定方向と交差する方向に移動するように光反射面の角度を制御する。そして、上述した第1及び第2の電圧生成部は、第1の電圧出力回路に設けられている。
波長選択スイッチの動作において、或る波長成分の出力先を一の光出力ポートから別の光出力ポートへ移動する際、一の光出力ポートと別の光出力ポートとの間に他の光出力ポートが存在することがある。このような場合、光出力ポートの並び方向と交差する方向への当該波長成分の光路の移動と、光出力ポートの並び方向への当該波長成分の光路の移動とを組み合わせることにより、他の光出力ポートへの当該波長成分の入射を避けることが好ましい。このような場合、光出力ポートの並び方向の移動距離は、光出力ポートの並び方向と交差する方向の移動距離よりも長くなる傾向がある。したがって、光出力ポートの並び方向での光路の移動に際して、第1の電圧出力回路が第1及び第2の電圧生成部からの電圧信号を選択的に出力することにより、移動距離が長い方向での光路の移動を、光反射面の共振振動を抑えつつ素早く行うことができる。
また、波長選択スイッチでは、光入力ポートおよび光出力ポートとMEMSミラーとの間にビーム拡大光学系が設けられることがある。ビーム拡大光学系は、光入力ポートから入力された光を、光出力ポートの並び方向と交差する面内にて拡大する。また、ビーム拡大光学系は、MEMSミラーの光反射面において反射された光を、上記面内において縮小する。このようなビーム拡大光学系が設けられる場合、光出力ポートの並び方向と交差する方向における光反射面の振動は、光出力ポートの並び方向における光反射面の振動と比較して、光出力ポートから出力される光の強度変動への影響が小さい。したがって、上述した波長選択スイッチのように、第1及び第2の電圧生成部、スイッチ並びにローパスフィルタ回路を含む構成が、第1及び第2の電圧出力回路のうち第1の電圧出力回路に設けられることによって、出力光への影響が比較的大きい光出力ポートの並び方向における光反射面の振動を効果的に抑制しつつ、第2の電圧出力回路の回路構成を簡素化して制御部の回路規模を小さくすることができる。
本発明による光スイッチおよび波長選択スイッチによれば、容易に構成でき、光反射面の応答特性の低下による影響を低減しつつ、光反射面の共振振動を誘発するノイズ成分を電圧信号から除去することができる。
図1は、本発明の一実施形態として、光スイッチの一種である波長選択スイッチの構成を概略的に示す平面図である。 図2は、図1に示された波長選択スイッチのII−II線に沿った側断面図である。 図3は、制御部の内部構成を示すブロック図である。 図4は、電圧出力回路の内部構成を示す図である。 図5は、電圧出力回路の内部構成を示す図である。 図6は、ローパスフィルタ回路を経由した電圧信号と、ローパスフィルタ回路を経由しない電圧信号とを使い分ける制御の一例を示す図である。 図7は、波長成分の光軸方向から見た複数の光出力ポートを示す図である。 図8は、波長成分の光軸方向から見た複数の光出力ポートを示す図である。 図9(a)及び図9(b)は、波長選択スイッチの動作の変形例を示す図である。 図10は、第2変形例として、電圧出力回路の内部構成を示す図である。 図11は、第3変形例として、電圧出力回路の内部構成を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明による光スイッチおよび波長選択スイッチの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態として、光スイッチの一種である波長選択スイッチ1Aの構成を概略的に示す平面図である。また、図2は、図1に示された波長選択スイッチ1AのII−II線に沿った側断面図である。なお、理解の容易のため、図1及び図2にはXYZ直交座標系が示されている。波長選択スイッチ1Aは、YZ平面に沿った上面及び底面と、X軸方向に沿った4つの側面とを有する略直方体状を呈している。
図1及び図2に示されるように、この波長選択スイッチ1Aは、光入力ポート11と、複数の光出力ポートとを備えている。光入力ポート11には、複数の波長成分を含む光(例えば波長多重光通信における信号光)L1が波長選択スイッチ1Aの外部から入力される。波長選択スイッチ1Aは、光入力ポート11に入力された光L1を波長成分毎に分光して、各波長成分を、複数の光出力ポート12のそれぞれから出力する。なお、図1では一例として3つの波長成分L21、L22及びL23と4つの光出力ポート12とが図示されており、3つの波長成分L21、L22及びL23それぞれが、4つの光出力ポート12のうち3つの光出力ポート12それぞれから出力される。
複数の光出力ポート12は、所定方向(例えばX軸方向)に並んで配置されており、本実施形態では光入力ポート11と複数の光出力ポート12とがX軸方向に一列に並んで配置されている。光入力ポート11及び複数の光出力ポート12は、例えば光ファイバといった光導波部材によって好適に構成される。
波長選択スイッチ1Aは、更に、コリメータレンズ13と、ビーム拡大光学系14と、分光素子15と、集光レンズ16と、MEMSミラー17と、制御部20とを備えている。
コリメータレンズ13は、光入力ポート11と光学的に結合されており、光入力ポート11から入力された光L1を平行化(コリメート)する。また、コリメータレンズ13は、複数の光出力ポート12と光学的に結合されており、分光後の各波長成分L21〜L23を、各々に対応する光出力ポート12に向けて集光する。
ビーム拡大光学系14は、コリメータレンズ13を介して光L1を受け、光L1の光軸と直交する一方向(本実施形態ではY軸方向)に光L1の幅を拡大する。このとき、光L1の幅はX軸方向には拡大されないので、光軸に対して垂直な光L1の断面は、Y軸方向に延びる偏平形状となる。また、ビーム拡大光学系14は、コリメータレンズ13を介して複数の光出力ポート12と光学的に結合されており、分光後の各波長成分L21〜L23の幅を、各々に対応する光出力ポート12に向けて縮小する。ビーム拡大光学系14は、例えばプリズムペア14a,14bによって好適に構成される。また、ビーム拡大光学系14を、Y軸方向にのみ光パワーを有する光学部品(例えばシリンドリカルレンズ)によって構成することもできる。
分光素子15は、光入力ポート11から入力された光L1を受けて、その光L1を各波長成分L21〜L23に分光する。本実施形態の分光素子15は、コリメータレンズ13及びビーム拡大光学系14を介して光L1を受ける。分光素子15は、例えば表面に回折格子が形成された板状部材によって好適に構成される。分光素子15によって分光された光L1の各波長成分L21〜L23は、それぞれ異なる光軸方向に進む。本実施形態では、各波長成分L21〜L23は、複数の光出力ポート12の並び方向と交差する方向(例えばY軸方向)に分光される。
集光レンズ16は、分光素子15とMEMSミラー17とを光学的に結合しており、分光素子15から出力された各波長成分L21〜L23を、MEMSミラー17に向けて集光する。上述したように、各波長成分L21〜L23はY軸方向に拡大された偏平形状を有するが、集光レンズ16は、YZ平面内での焦点距離とXZ平面内での焦点距離とが等しくなるように構成されている。
MEMSミラー17は、MEMS技術によって形成された複数の微小な光反射面17aを有する。これら複数の光反射面17aは、例えば可撓性の支持部材によって支持され、各々に設けられたアクチュエータに印加される電圧の大きさに応じて、その角度を個別に変更可能なように構成されている。複数の光反射面17aは、各波長成分L21〜L23の分光方向(本実施形態ではY軸方向)に並んで配置されている。各光反射面17aは、分光素子15から出力された各波長成分L21〜L23を受けて、複数の出力ポート12の何れかへ選択的に反射する。例えば、或る光反射面17aは波長成分L21を受け、該波長成分L21を第1番目の出力ポート12へ向けて反射する。また、別の光反射面17aは波長成分L22を受け、該波長成分L22を第2番目の出力ポート12へ向けて反射する。また、更に別の光反射面17aは波長成分L23を受け、該波長成分L23を第3番目の出力ポート12へ向けて反射する。こうしてMEMSミラー17により反射された各波長成分L21〜L23は、集光レンズ16によって平行化されたのち、ビーム拡大光学系14及びコリメータレンズ13を経て、それぞれ対応する出力ポート12に到達する。
制御部20は、MEMSミラー17の複数の光反射面17aの角度を個別に制御する。図3は、制御部20の内部構成を示すブロック図である。図3に示されるように、本実施形態の制御部20は、複数の光反射面制御回路21と、駆動演算回路22と、メモリ23とを有する。光反射面制御回路21は複数の光反射面17a毎に設けられ、各々に対応する光反射面17aの角度を制御するための電圧信号V1,V2を生成する。
電圧信号V1は、光出力ポート12の並び方向(X軸方向)に光反射面17aを傾けるための電圧であって、光反射面17aのY軸周りの角度を規定する。この電圧信号V1により、反射後の各波長成分L21〜L23の光路が光出力ポート12の並び方向(X軸方向)に移動するように、光反射面17aの角度が制御される。
また、電圧信号V2は、波長成分L21〜L23の分光方向(Y軸方向)に光反射面17aを傾けるための電圧であって、光反射面17aのX軸周りの角度を規定する。この電圧信号V2により、反射後の各波長成分L21〜L23の光路が分光方向(Y軸方向)に移動するように、光反射面17aの角度が制御される。
駆動演算回路22は、電圧信号V1,V2の基となるディジタル信号である制御信号S1,S2を、各光反射面制御回路21に提供する。駆動演算回路22は、例えば中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)によって構成されてもよく、或いはプログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP;Digital Signal Processor)等の書き換え可能なハードウェアによって構成されてもよい。駆動演算回路22は、複数の光反射面17aの制御に必要な情報をメモリ23から読み出し、制御信号S1,S2を演算して出力する。
ここで、光反射面制御回路21の内部構成について更に詳細に説明する。図3に示されるように、本実施形態の光反射面制御回路21は、制御信号S1に基づいて電圧信号V1を生成するための電圧出力回路24a(第1の電圧出力回路)、高電圧増幅部24b、及び駆動部24cを含む。また、光反射面制御回路21は、制御信号S2に基づいて電圧信号V2を生成するための電圧出力回路25a(第2の電圧出力回路)、高電圧増幅部25b、及び駆動部25cを含む。
電圧出力回路24aは、制御信号S1のディジタル/アナログ変換を行うことによって、電圧信号V1を出力する。電圧信号V1は、反射後の各波長成分L21〜L23の光路が光出力ポート12の並び方向(X軸方向)に移動するように光反射面17aの角度を制御するための電圧信号である。また、電圧出力回路25aは、制御信号S2のディジタル/アナログ変換を行うことによって、電圧信号V2を出力する。電圧信号V2は、反射後の各波長成分L21〜L23の光路が分光素子15の分光方向(Y軸方向)に移動するように光反射面17aの角度を制御するための電圧信号である。
高電圧増幅部24bは、電圧出力回路24aから出力された電圧信号V1を増幅し、その増幅後の電圧信号V1を駆動部24cへ出力する。駆動部24cは、増幅後の電圧信号V1を、当該光反射面制御回路21に対応する光反射面17aを駆動するアクチュエータへ供給する。これと同様に、高電圧増幅部25bは、電圧出力回路25aから出力された電圧信号V2を増幅し、その増幅後の電圧信号V2を駆動部25cへ出力する。駆動部25cは、増幅後の電圧信号V2を、当該光反射面制御回路21に対応する光反射面17aを駆動するアクチュエータへ供給する。
図4及び図5は、電圧出力回路24aの内部構成を示す図である。本実施形態の電圧出力回路24aは、電圧生成部26(第1の電圧生成部)と、電圧生成部27(第2の電圧生成部)と、スイッチ28と、ローパスフィルタ回路29とを含む。なお、図4はスイッチ28が一方の入力端28bに切り替えられた状態を示しており、図5はスイッチ28が他方の入力端28aに切り替えられた状態を示している。
電圧生成部26及び27は、駆動演算回路22と電気的に接続されており、駆動演算回路22から提供される制御信号S1のディジタル/アナログ変換をそれぞれ行い、電圧信号V1をそれぞれ出力する。このとき必要な電圧信号V1の大きさは駆動演算回路22によって演算され、その電圧信号V1の大きさを示す制御信号S1が駆動演算回路22から電圧生成部26及び27へ提供される。
ローパスフィルタ回路29は、第1の時定数T1を有しており、電圧生成部26とスイッチ28との間に設けられている。電圧生成部26から出力された電圧信号V1は、ローパスフィルタ回路29を経てスイッチ28の一方の入力端28a(第1の入力端)に提供される。これに対し、電圧生成部27とスイッチ28との間にはローパスフィルタ回路が設けられておらず、電圧生成部27から出力された電圧信号V2は、ローパスフィルタ回路を経ずにスイッチ28の他方の入力端28b(第2の入力端)に提供される。なお、図4及び図5には、ローパスフィルタ回路29として、電圧生成部26とスイッチ28との間に接続された抵抗素子29a、及び該抵抗素子29aの一端と接地電位線50との間に接続された容量素子29bを含むRCフィルタ回路が例示されているが、ローパスフィルタ回路29の構成はこれに限られるものではない。
スイッチ28は、電圧生成部26及び27のそれぞれに電気的に接続された入力端28a及び28b、並びにMEMSミラー17(図3を参照)に電気的に接続された出力端28dを有する。なお、本実施形態では、スイッチ28の出力端28dは高電圧増幅部24bおよび駆動部24cを介してMEMSミラー17に接続されている。スイッチ28は、入力端28a,28bを出力端28dに選択的に接続する。本実施形態のスイッチ28としては、ショーティング型のものが好適に用いられる。なお、ショーティング型のスイッチとは、切り替えの際、入力端同士が短絡する瞬間を設けることにより、入力端と出力端との導通が全て遮断される瞬間を無くした構成のものをいう。このスイッチ28は、駆動演算回路22から提供されるスイッチ制御信号S3に応じて切り替え動作を行う。
以上の構成を備える本実施形態の波長選択スイッチ1Aでは、光反射面17aの角度を制御する制御部20が、2つの電圧生成部26,27を有する。これら電圧生成部26,27は、いずれも光反射面17aの角度を制御するための電圧信号V1を出力するものであって、スイッチ28による切り替えに従っていずれか一方が選択的に用いられる。そして、電圧生成部26とスイッチ28との間には、第1の時定数T1を有するローパスフィルタ回路29が設けられており、このローパスフィルタ回路29によって、光反射面17aの共振振動を誘発するノイズ成分を電圧信号V1から除去することができる。また、電圧生成部27とスイッチ28との間にはローパスフィルタ回路が設けられていない。したがって、電圧生成部27から出力される電圧信号V1には、ローパスフィルタ回路による遅延がないので、光反射面17aの応答特性の低下を抑えることができる。制御部20は、スイッチ28を切り替えることによって、これらの電圧信号V1の何れか一方を選択的にMEMSミラー17に提供することができる。
このように、本実施形態の波長選択スイッチ1Aでは、フィルタ時定数が比較的長くノイズ成分が除去された電圧信号V1と、フィルタ回路を経由しないことによって光反射面17aの応答特性が良好となる電圧信号V1とを選択的にMEMSミラー17に提供することができる。したがって、必要に応じて光反射面17aの共振振動を抑え、また必要に応じて光反射面17aの応答特性を高めることができる。
図6は、ローパスフィルタ回路29を経由した電圧信号V1と、ローパスフィルタ回路を経由しない電圧信号V1とを使い分ける制御の一例を示す図である。図6の横軸は経過時間を表しており、縦軸は電圧信号V1の大きさを表している。なお、グラフG11は電圧生成部26から出力される(ローパスフィルタ回路29を経由した)電圧信号V1の変化を示しており、グラフG12は電圧生成部27から出力される(ローパスフィルタ回路を経由しない)電圧信号V1の変化を示している。
同図に示されるように、例えば、電圧信号V1の大きさが変化して光反射面17aの角度が変更される第1の期間P1では、図4に示されるように、入力端28bを出力端28dに接続させることにより、フィルタ回路を経由しない電圧信号V1を選択して、光反射面17aの応答特性を高めるとよい。また、第1の期間P1を除く期間、すなわち光反射面17aの角度が一定である期間P2では、図5に示されるように、入力端28aを出力端28dに接続させ、ローパスフィルタ回路29を経由することによりフィルタ時定数が比較的長い電圧信号V1を選択して、光反射面17aの共振振動を抑えるとよい。これにより、光反射面17aの共振振動を抑えつつ、光反射面17aの応答特性を高めることができる。
以上に述べたように、本実施形態の波長選択スイッチ1Aによれば、光反射面17aの応答特性の低下による影響を低減しつつ、光反射面17aの共振振動を誘発するノイズ成分を電圧信号V1から除去することができる。また、本実施形態の波長選択スイッチ1Aは、電圧生成部26及び27、スイッチ28、及びローパスフィルタ回路29といった簡易な構成要素によって実現可能であるため、特許文献1〜4に記載された光スイッチと比較して容易に構成され得る。
なお、一実施例として、時定数が0.01秒であるローパスフィルタ回路を電圧生成部としてのDAコンバータの後段に接続してその出力電圧を計測したところ、応答時間は50μs(ローパスフィルタ回路無し)が150ms(ローパスフィルタ回路有り)となったが、共振周波数1kHzであるMEMSミラーの共振現象は、このローパスフィルタ回路によって完全に抑制された。
また、上述した波長選択スイッチ1Aの制御部20は、2つの電圧出力回路24a,25aを複数の光反射面17a毎に有している。一方の電圧出力回路24aは、反射後の波長成分の光路が光出力ポート12の並び方向に移動するように、光反射面17aの角度を制御する。また、他方の電圧出力回路25aは、反射後の波長成分の光路が分光素子15の分光方向(すなわち光出力ポート12の並び方向と交差する方向)に移動するように、光反射面17aの角度を制御する。そして、本実施形態では、上述した電圧生成部26,27が、一方の電圧出力回路24aに設けられている。
ここで、図7は、波長成分の光軸方向から見た複数の光出力ポート12a〜12dを示す図である。同図に示されるように、波長選択スイッチ1Aの動作において、或る波長成分の出力先を一の光出力ポート12bから別の光出力ポート12dへ移動する際、一の光出力ポート12bと別の光出力ポート12dとの間に他の光出力ポート12cが存在することがある。このような場合、光出力ポート12a〜12dの並び方向(X軸方向)と交差する方向(例えばY軸方向)への当該波長成分の光路の移動(図中の移動経路A1)と、光出力ポート12a〜12dの並び方向(X軸方向)への当該波長成分の光路の移動(図中の移動経路A2)とを組み合わせることにより、他の光出力ポート12cへの当該波長成分の入射を避けることが好ましい(ヒットレス動作)。
このような場合、移動経路A2における移動距離は、移動経路A1における移動距離よりも長くなる傾向がある。したがって、本実施形態のように、光出力ポート12の並び方向(X軸方向)での光路の移動を制御する電圧出力回路24aが、電圧生成部26又は27からの電圧信号V1を選択的に出力することにより、移動距離が長い方向での光路の移動を、光反射面17aの共振振動を抑えつつ素早く行うことができる。なお、光出力ポート12a〜12dの並び方向(X軸方向)における光路の移動を必ずしも一度に行う必要はなく、図8に示されるように、該方向の移動を複数回に分けて行ってもよい。
また、本実施形態に示されたように、波長選択スイッチ1Aでは、光入力ポート11および光出力ポート12とMEMSミラー17との間にビーム拡大光学系14が設けられることがある。上述したように、ビーム拡大光学系14は、光入力ポート11から出力された光の幅を、主に光出力ポート12の並び方向と交差する面内(本実施形態ではYZ平面内)にて拡大する。また、ビーム拡大光学系14は、光反射面17aにおいて反射された各波長成分L21〜L23の光の幅を、上記面内において縮小する。このようなビーム拡大光学系14が設けられる場合、光出力ポート12の並び方向と交差する方向(Y軸方向)における光反射面17aの振動は、光出力ポート12の並び方向(X軸方向)における光反射面17aの振動と比較して、光出力ポート12から出力される光の強度変動への影響が小さい。したがって、本実施形態のように、電圧生成部26及び27、スイッチ28並びにローパスフィルタ回路29を含む構成は、2つの電圧出力回路24a,25aのうち電圧出力回路24aにのみ設けられるとよい。これにより、出力光への影響が比較的大きい光出力ポート12の並び方向(X軸方向)における光反射面17aの振動を効果的に抑制しつつ、電圧出力回路25aの回路構成を簡素化して制御部20の回路規模を小さくすることができる。
但し、電圧生成部26及び27、スイッチ28並びにローパスフィルタ回路29を含む構成は、必要に応じて電圧出力回路25aにも設けられることができる。
また、本実施形態のように、スイッチ28はショーティング型であることが好ましい。これにより、スイッチ28の切り替えの際に電圧信号V1が出力されない(すなわち電圧信号V1がMEMSミラー17に供給されない)電圧不定状態が生じることを防ぐことができる。
(第1の変形例)
図9(a)及び図9(b)は、上記実施形態に係る波長選択スイッチ1Aの動作の変形例を示す図である。これらの図において、横軸は経過時間を表しており、縦軸は電圧信号V1の大きさを表している。また、グラフG21は電圧生成部26から出力される(ローパスフィルタ回路29を経由した)電圧信号V1の変化を示しており、グラフG22は電圧生成部27から出力される(ローパスフィルタ回路を経由しない)電圧信号V1の変化を示している。
上記実施形態において説明したように、波長選択スイッチ1Aの動作の一例では、光反射面17aの角度が変更される期間P1において、フィルタ回路を経由しない電圧信号V1(グラフG22)が選択的に出力される。また、光反射面17aの角度が一定である期間P2では、ローパスフィルタ回路29を経由する電圧信号V1(グラフG21)が選択的に出力される。
しかし、期間P1において、ローパスフィルタ回路29を経由する電圧信号V1の目標電圧への収束に長時間を要すると、期間P1から期間P2への切り替えに時間が掛かってしまう。そのような場合には、図9(a)に示されるように、期間P1において、電圧生成部26から出力される電圧信号V1がオーバーシュート若しくはアンダーシュートを伴うような制御信号S1が、駆動演算回路22から電圧生成部26に提供されるとよい。これにより、電圧生成部26から出力される電圧信号V1が選択されていない期間P1において該電圧信号V1を目標電圧に素早く収束させ、期間P2への切り替えを早めることができる。
或いは、図9(b)に示されるように、フィルタ回路を経由する電圧信号V1(グラフG21)の変化開始タイミングと、フィルタ回路を経由しない電圧信号V1(グラフG22)の変化開始タイミングとに差を設け、フィルタ回路を経由する電圧信号V1の変化を時間Δtだけ先に開始させてもよい。このような方法によって、上記の方法と同様に、電圧生成部26から出力される電圧信号V1を期間P1において目標電圧に素早く収束させ、期間P2への切り替えを早めることができる。
(第2の変形例)
図10は、上記実施形態の第2変形例として、電圧出力回路24dの内部構成を示す図である。上記実施形態の波長選択スイッチ1Aは、電圧出力回路24aに代えて、本変形例の電圧出力回路24dを備えても良い。本変形例の電圧出力回路24dが上記実施形態の電圧出力回路24aと相違する点は、ローパスフィルタ回路31が設けられている点である。
本変形例では、電圧生成部27とスイッチ28との間にローパスフィルタ回路31が設けられている。このローパスフィルタ回路31の時定数T2(第2の時定数)は、ローパスフィルタ回路29の時定数T1よりも短い。電圧生成部27から出力された電圧信号V1は、ローパスフィルタ回路31を経てスイッチ28の入力端28bに提供される。なお、図10には、ローパスフィルタ回路31として、電圧生成部27とスイッチ28との間に接続された抵抗素子31a、及び該抵抗素子31aの一端と接地電位線50との間に接続された容量素子31bを含むRCフィルタ回路が例示されているが、ローパスフィルタ回路31の構成はこれに限られるものではない。
本変形例のように、電圧生成部27とスイッチ28との間には、ローパスフィルタ回路29よりも時定数が短いローパスフィルタ回路31が設けられてもよい。このような構成であっても、電圧生成部27から出力される電圧信号V1では、電圧生成部26から出力される電圧信号V1と比較して遅延が抑えられるので、光反射面17aの応答特性の低下を抑えることができる。
(第3の変形例)
図11は、上記実施形態の第3変形例として、電圧出力回路24eの内部構成を示す図である。上記実施形態の波長選択スイッチ1Aは、電圧出力回路24aに代えて、本変形例の電圧出力回路24eを備えても良い。本変形例の電圧出力回路24eが上記実施形態の電圧出力回路24aと相違する点は、電圧生成部32(第3の電圧生成部)と、ローパスフィルタ回路33とを更に含む点である。また、本変形例のスイッチ28は、電圧生成部32に接続された第3の入力端28cを更に有し、入力端28a〜28cを出力端28dに選択的に接続する。
電圧生成部32は、駆動演算回路22と電気的に接続されており、駆動演算回路22から提供される制御信号S1のディジタル/アナログ変換を行い、電圧信号V1を出力する。このとき必要な電圧信号V1の大きさは駆動演算回路22によって演算され、その電圧信号V1の大きさを示す制御信号S1が駆動演算回路22から電圧生成部32へ提供される。
ローパスフィルタ回路33は、第3の時定数T3を有しており、電圧生成部32とスイッチ28との間に設けられている。電圧生成部32から出力された電圧信号V1は、ローパスフィルタ回路33を経てスイッチ28の入力端28cに提供される。なお、図11には、ローパスフィルタ回路33として、電圧生成部32とスイッチ28との間に接続された抵抗素子33a、及び該抵抗素子33aの一端と接地電位線50との間に接続された容量素子33bを含むRCフィルタ回路が例示されているが、ローパスフィルタ回路33の構成はこれに限られるものではない。
本変形例の構成によれば、除去すべきノイズの周波数や、複数の光反射面17aの間での共振周波数の相違などに応じて、時定数が異なる3つの電圧信号V1から最適なものを選択してMEMSミラー17に提供することができる。したがって、光反射面17aの共振振動をより効果的に抑えつつ、光反射面17aの応答特性を高めることができる。
本発明による光スイッチおよび波長選択スイッチは、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上述した波長選択スイッチ(光スイッチ)は、一つの光入力ポートと複数の光出力ポートとを備えているが、光入力ポートは複数設けられてもよく、また光出力ポートは一つのみ設けられてもよい。すなわち、本発明は、M個の光入力ポート及びN個の光出力ポート(但し、M、NはM+N≧3を満たす1以上の整数)を備え、M個の光入力ポートの何れかと、N個の光出力ポートの何れかとを選択的に光結合する光スイッチに適用可能である。その場合、MEMSミラーは、M個の光入力ポートの何れかから入力された光を、N個の出力ポートの何れかへ選択的に反射するとよい。
1A…波長選択スイッチ、11…光入力ポート、12,12a〜12d…光出力ポート、13…コリメータレンズ、14…ビーム拡大光学系、14a,14b…プリズムペア、15…分光素子、16…集光レンズ、17…MEMSミラー、17a…光反射面、20…制御部、21…光反射面制御回路、22…駆動演算回路、23…メモリ、24a,24d,24e,25a…電圧出力回路、24b,25b…高電圧増幅部、24c,25c…駆動部、26,27,32…電圧生成部、28…スイッチ、29,31,33…ローパスフィルタ回路、50…接地電位線、A1,A2…移動経路、L1…光、L21〜L23…波長成分、S1,S2…制御信号、S3…スイッチ制御信号、V1,V2…電圧信号。

Claims (6)

  1. M個の光入力ポート及びN個の光出力ポート(但し、M、NはM+N≧3を満たす1以上の整数)を備え、前記M個の光入力ポートの何れかと、前記N個の光出力ポートの何れかとを選択的に光結合する光スイッチであって、
    光反射面の角度を変更可能に構成されており、前記M個の光入力ポートの何れかから入力された光を前記N個の出力ポートの何れかへ選択的に反射するMEMSミラーと、
    前記MEMSミラーの前記光反射面の角度を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記光反射面の角度を制御するための電圧信号をそれぞれ出力する第1及び第2の電圧生成部と、
    前記第1及び第2の電圧生成部のそれぞれに接続された第1及び第2の入力端、および前記MEMSミラーに接続された出力端を含んでおり前記第1及び第2の入力端を前記出力端に選択的に接続するスイッチと
    を有し、
    前記第1の電圧生成部と前記スイッチとの間には、第1の時定数を有するローパスフィルタ回路が設けられており、
    前記第2の電圧生成部と前記スイッチとの間には、前記第1の時定数よりも短い第2の時定数を有するローパスフィルタ回路が設けられているか、またはローパスフィルタ回路が設けられていないことを特徴とする、光スイッチ。
  2. 前記制御部は、前記電圧信号の大きさを演算して該電圧信号の大きさを示す制御信号を前記第1及び第2の電圧生成部へ提供するとともに前記スイッチの動作を制御する駆動演算回路を更に有し、
    前記駆動演算回路は、前記電圧信号の大きさを変化させるタイミングを含む第1の期間では前記第2の入力端を前記出力端に接続させ、前記第1の期間を除く期間では前記第1の入力端を前記出力端に接続させることを特徴とする、請求項1に記載の光スイッチ。
  3. 前記駆動演算回路は、前記第1の期間において、前記第1の電圧生成部から出力される前記電圧信号がオーバーシュート若しくはアンダーシュートを伴うような前記制御信号を前記第1の電圧生成部に提供することを特徴とする、請求項2に記載の光スイッチ。
  4. 前記スイッチがショーティング型であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  5. 前記制御部が、前記光反射面の角度を制御するための電圧信号を出力する第3の電圧生成部を更に有しており、
    前記スイッチが、前記第3の電圧生成部に接続された第3の入力端を更に有し、前記第1〜第3の入力端を前記出力端に選択的に接続し、
    前記第3の電圧生成部と前記スイッチとの間には、前記第1の時定数よりも長い第3の時定数を有するローパスフィルタ回路が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  6. 光入力ポート、及び所定方向に並んだ複数の光出力ポートを備え、前記光入力ポートに入力された光を波長成分毎に分光して前記複数の光出力ポートのそれぞれから出力する波長選択スイッチであって、
    前記光入力ポートから入力された光を受けて、その光を各波長成分に分光して出力する分光素子と、
    複数の光反射面の角度を個別に変更可能に構成されており、前記分光素子から出力された前記複数の波長成分それぞれを前記複数の光反射面それぞれが受けて前記複数の出力ポートの何れかへ選択的に反射するMEMSミラーと、
    前記MEMSミラーの前記複数の光反射面の角度を個別に制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記複数の光反射面毎に設けられ、反射後の各波長成分の光路が前記所定方向に移動するように前記光反射面の角度を制御するための電圧信号をそれぞれ出力する複数の第1の電圧出力回路と、
    前記複数の光反射面毎に設けられ、反射後の各波長成分の光路が前記所定方向と交差する方向に移動するように前記光反射面の角度を制御するための電圧信号をそれぞれ出力する複数の第2の電圧出力回路と
    を有し、
    前記複数の第1の電圧出力回路それぞれは、
    前記電圧信号をそれぞれ出力する第1及び第2の電圧生成部と、
    前記第1及び第2の電圧生成部のそれぞれに接続された第1及び第2の入力端および前記MEMSミラーに接続された出力端を有し、前記第1及び第2の入力端を前記出力端に選択的に接続するスイッチと
    を含み、
    前記第1の電圧生成部と前記スイッチとの間には、第1の時定数を有するローパスフィルタ回路が設けられており、
    前記第2の電圧生成部と前記スイッチとの間には、前記第1の時定数よりも短い第2の時定数を有するローパスフィルタ回路が設けられているか、またはローパスフィルタ回路が設けられていないことを特徴とする、波長選択スイッチ。
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