JP2014098082A - エアフィルタ用撥水撥油剤組成物、その製造方法およびエアフィルタ - Google Patents

エアフィルタ用撥水撥油剤組成物、その製造方法およびエアフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】含フッ素共重合体が、炭素数が7以上のペルフルオロアルキル基(R基)を有さない場合であっても、濾材に充分な撥水性を付与できるエアフィルタ用撥水撥油剤組成物、その製造方法およびエアフィルタの提供。
【解決手段】含フッ素共重合体と、脂肪酸アミドと、媒体とを含むエアフィルタ用撥水撥油剤組成物であり、含フッ素共重合体としては、炭素数が6以下のR基を有する単量体に基づく構成単位を有し、炭素数が8以上のR基を有する単量体に基づく構成単位を有さないものが好ましく、媒体としては水のみが好ましく、界面活性剤を含む場合は、ノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、エアフィルタ用撥水撥油剤組成物、その製造方法およびエアフィルタに関する。
クリーンルームで用いられるエアフィルタとしては、ガラス繊維からなる濾材を撥水撥油剤組成物で処理したものがよく知られている。また、エアフィルタに用いられる撥水撥油剤組成物としては、ペルフルオロアルキル基を有する含フッ素樹脂のエマルションも知られている(特許文献1)。含フッ素樹脂としては、撥水性の点から、炭素数が7以上のペルフルオロアルキル基を有するものを用いるのが従来では常識とされている。
ところが最近、EPA(米国環境保護庁)によって、炭素数が7以上のペルフルオロアルキル基(以下、ペルフルオロアルキル基をR基と記す。)を有する化合物は、環境、生体中で分解し、分解生成物が蓄積する点、すなわち環境負荷が高い点が指摘されている。そのため、炭素数が6以下のR基を有し、炭素数が7以上のR基を有さない撥水撥油剤組成物用の含フッ素樹脂が要求されている。
該含フッ素樹脂を含む撥水撥油剤組成物としては、たとえば、下記の撥水撥油剤組成物が提案されている。
下記単量体(a)に基づく構成単位、下記単量体(b)に基づく構成単位および下記単量体(c)に基づく構成単位を有する含フッ素共重合体と、媒体とを含む撥水撥油剤組成物(特許文献2)。
単量体(a):炭素数が6以下のR基を有する単量体。
単量体(b):炭素数が20〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート。
単量体(c):塩化ビニリデン。
しかし、炭素数が6以下のR基を有する単量体に基づく構成単位を有し、炭素数が7以上のR基を有する単量体に基づく構成単位を有さない含フッ素共重合体を含む撥水撥油剤組成物で濾材を処理してなるエアフィルタは、撥水性が不充分である。
特開昭62−090395号公報 国際公開第2008/136435号パンフレット
本発明は、含フッ素共重合体が、炭素数が7以上のR基を有さない場合であって、環境負荷の少ない、濾材に充分な撥水性を付与できるエアフィルタ用撥水撥油剤組成物、その製造方法およびエアフィルタを提供する。
本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物は、下記単量体(a)に基づく構成単位および下記単量体(b)に基づく構成単位および下記単量体(c)に基づく構成単位を有する含フッ素共重合体と、脂肪酸アミドと、媒体とを含むことを特徴とする。
前記含フッ素共重合体は、下記単量体(a)に基づく構成単位および下記単量体(b)および下記単量体(c)に基づく構成単位に基づく構成単位を有することが好ましい。
単量体(a):下式(1)で表される化合物。
(Z−Y)X ・・・(1)。
ただし、Zは、炭素数が1〜6のポリフルオロアルキル基(以下、ポリフルオロアルキル基をR基と記す。)、または下式(2)で表される基であり、Yは、2価有機基または単結合であり、nは、1または2であり、Xは、nが1の場合は、下式(3−1)〜(3−5)で表される基のいずれかであり、nが2の場合は、下式(4−1)〜(4−4)で表される基のいずれかである。
2i+1O(CFXCFO)CFX− ・・・(2)。
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、XおよびXは、それぞれフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
−CR=CH ・・・(3−1)、
−C(O)OCR=CH ・・・(3−2)、
−OC(O)CR=CH ・・・(3−3)、
−OCH−φ−CR=CH ・・・(3−4)、
−OCH=CH ・・・(3−5)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
−CH[−(CHCR=CH]− ・・・(4−1)、
−CH[−(CHC(O)OCR=CH]− ・・・(4−2)、
−CH[−(CHOC(O)CR=CH]− ・・・(4−3)、
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・(4−4)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは0〜4の整数である。
単量体(b):R基を有さず、炭素数が20〜30のアルキル基を有する単量体。
単量体(c):ハロゲン化オレフィン。
前記脂肪酸アミドの配合量は、前記含フッ素共重合体の100質量部に対して、5〜15質量部であることが好ましい。
前記媒体は、水であることが好ましい。
本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物は、さらに界面活性剤を含み、かつ該界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤であることが好ましい。
本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物の製造方法は、界面活性剤および重合開始剤の存在下、媒体中にて前記単量体(a)および前記単量体(b)を含む単量体混合物を重合して含フッ素共重合体のエマルションを得た後、該エマルションに脂肪酸アミドを配合することを特徴とする。
前記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤であることが好ましい。
本発明のエアフィルタは、濾材を本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物で処理してなるものであることを特徴とする。
前記濾材は、ガラス繊維からなるものであることが好ましい。
本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物は、含フッ素共重合体が、炭素数が7以上のR基を有さない場合であって、環境負荷が少なく、濾材に充分な撥水性を付与できる。
本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物の製造方法によれば、含フッ素共重合体が、炭素数が7以上のR基を有さない場合であっても、濾材に充分な撥水性を付与できるエアフィルタ用撥水撥油剤組成物を製造できる。
本発明のエアフィルタは、充分な撥水性を有する。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。また、本明細書においては、式(2)で表される基を基(2)と記す。他の式で表される基も同様に記す。また、本明細書における(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。また、本明細書における単量体は、重合性不飽和基を有する化合物を意味する。また、本明細書におけるR基は、アルキル基の水素原子の一部またはすべてがフッ素原子に置換された基であり、R基は、アルキル基の水素原子のすべてがフッ素原子に置換された基である。
<エアフィルタ用撥水撥油剤組成物>
本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物は、含フッ素共重合体と、脂肪酸アミドと、媒体とを必須成分として含み、必要に応じて、界面活性剤、添加剤を含む。
(含フッ素共重合体)
含フッ素共重合体は、単量体(a)に基づく構成単位および単量体(b)に基づく構成単位、必要に応じて単量体(c)に基づく構成単位、単量体(d)に基づく構成単位を有する共重合体である。
単量体(a):
単量体(a)は、化合物(1)である。なお、式(1)において、ZとYの境界はZの炭素数が最も少なくなるように定める。
(Z−Y)X ・・・(1)。
Zは、炭素数が1〜6のR基(ただし、該R基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)、または基(2)である。
2i+1O(CFXCFO)CFX− ・・・(2)。
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、XおよびXは、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
基としては、R基が好ましい。R基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状が好ましい。
Zとしては、下記の基が挙げられる。
F(CF−、
F(CF−、
F(CF−、
(CFCF(CF−、
2k+1O[CF(CF)CFO]−CF(CF)−等。
ただし、kは、1〜6の整数であり、hは0〜10の整数である。
Yは、2価有機基(ただし、ポリフルオロアルキレン基を除く)または単結合である。
2価有機基としては、アルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。アルキレン基は、−O−、−NH−、−CO−、−S−、−SO−、−CD=CD−(ただし、D、Dは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基である。)等を有していてもよい。
Yとしては、下記の基が挙げられる。
−CH−、
−CHCH−、
−(CH−、
−CHCHCH(CH)−、
−CH=CH−CH−、
−S−CHCH−、
−CHCH−S−CHCH−、
−CHCH−SO−CHCH−、
−W−OC(O)NH−A−NHC(O)O−(C2p)−等。
ただし、pは、2〜30の整数である。
Aは、分岐のない対照的なアルキレン基、アリレン基またはアラルキレン基であり、−C12−、−φ−CH−φ−、−φ−(ただし、φはフェニレン基である。)が好ましい。
Wは、下記の基のいずれかである。
−SON(R)−C2d−、
−CONHC2d−、
−CH(RF1)−C2e−、
−C2q−。
ただし、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、dは、2〜8の整数であり、RF1は、炭素数1〜20のR基であり、eは、0〜6の整数であり、qは、1〜20の整数である。RF1としては、炭素数1〜6のR基が好ましく、炭素数4または6のR基がより好ましい。
nは、1または2である。
Xは、nが1の場合は、基(3−1)〜基(3−5)のいずれかであり、nが2の場合は、基(4−1)〜基(4−4)のいずれかである。
−CR=CH ・・・(3−1)、
−C(O)OCR=CH ・・・(3−2)、
−OC(O)CR=CH ・・・(3−3)、
−OCH−φ−CR=CH ・・・(3−4)、
−OCH=CH ・・・(3−5)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
−CH[−(CHCR=CH]− ・・・(4−1)、
−CH[−(CHC(O)OCR=CH]− ・・・(4−2)、
−CH[−(CHOC(O)CR=CH]− ・・・(4−3)、
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・(4−4)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは0〜4の整数である。
化合物(1)としては、他の単量体との重合性、含フッ素共重合体を含む皮膜の柔軟性、濾材に対する含フッ素共重合体の接着性、媒体に対する分散性、乳化重合の容易性等の点から、炭素数が4〜6のR基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
化合物(1)としては、Zが炭素数4〜6のR基であり、Yが炭素数1〜4のアルキレン基であり、nが1であり、Xが基(3−3)である化合物が好ましい。
単量体(b):
単量体(b)は、R基を有さず、炭素数が20〜30のアルキル基を有する単量体である。アルキル基の炭素数が20以上であれば、撥水性が良好となる。アルキル基の炭素数が30以下であれば、相対的に融点が低く、ハンドリングしやすい。
単量体(b)としては、炭素数が20〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、ベヘニル(メタ)アクリレートがより好ましく、ベヘニルメタクリレートが特に好ましい。
単量体(c):
単量体(c)は、ハロゲン化オレフィンである。単量体(c)に基づく構成単位を有することにより、撥水特性、および、基材との密着性が向上する。
ハロゲン化オレフィンとしては、塩素化オレフィンまたはフッ素化オレフィンが好ましく、具体的には、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンが挙げられ、基材との密着の点から、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンが特に好ましい。
単量体(d):
単量体(d)は、単量体(a)、単量体(b)および単量体(c)を除く単量体である。単量体(d)としては、単量体(a)、単量体(b)および単量体(c)を除く(メタ)アクリレート類、アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等が挙げられる。
単量体(a)に基づく構成単位の割合は、撥水性の点から、全ての単量体に基づく構成単位(100質量%)のうち、50〜90質量%が好ましく、60〜89質量%がより好ましく、70〜89質量%が特に好ましい。
単量体(b)に基づく構成単位の割合は、撥水性の点から、全ての単量体に基づく構成単位(100質量%)のうち、10〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、10〜20質量%が特に好ましい。
単量体(c)に基づく構成単位の割合は、全ての単量体に基づく構成単位(100質量%)のうち、0〜30質量%が好ましく、基材との密着性の点から、1〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
単量体(d)に基づく構成単位の割合は、全ての単量体に基づく構成単位(100質量%)のうち、0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
本発明における単量体に基づく構成単位の割合は、NMR分析および元素分析から求める。なお、NMR分析および元素分析から求められない場合は、エアフィルタ用撥水撥油剤組成物の製造時の単量体の仕込み量に基づいて算出してもよい。
含フッ素共重合体の質量平均分子量(Mw)は、10000〜100000が好ましく、30000〜80000がより好ましい。含フッ素共重合体の質量平均分子量(Mw)が30000以上であれば、撥水性が良好となる。含フッ素共重合体の質量平均分子量(Mw)が80000以下であれば、造膜性が良好となり、その結果、撥水性を充分に発揮できる。
含フッ素共重合体の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)で測定される、ポリスチレン換算の分子量である。
(脂肪酸アミド)
脂肪酸アミドは、高級脂肪酸をアミド化したものである。
脂肪酸アミドとしては、撥水性の点から、化合物(5)(sが2以上の場合、酸性化合物(塩酸等)との塩も含む。)が好ましく、化合物(5−1)が特に好ましい。
R−C(O)−{NH−(CH−NH−C(O)−R ・・・(5)。
ただし、Rは炭素数4〜18のアルキル基であり、sは1〜30の整数であり、tは1〜10の整数である。
[C1735−C(O)−NH−(CH−N−(CH−NH−C(O)−C1735]・Cl ・・・(5−1)。
脂肪酸アミドの市販品としては、三洋化成工業社製のサファノールN−750(化合物(5−1))、明成化学工業社製のエレガノール、一方社油脂工業社製のビクロン、日本油脂社製のアルフローH−50ES等が挙げられる。
脂肪酸アミドの配合量は、含フッ素共重合体(100質量部)に対して、1〜20質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。脂肪酸アミドの配合量が5質量部以上であれば、撥水性が充分に発揮される。脂肪酸アミドの配合量が15質量部以下であれば、後述するアニオン性アクリル樹脂とエアフィルタ用撥水撥油剤組成物との相溶性が良好となる。
(媒体)
媒体としては、水、有機溶媒(アルコール、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化合物、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、窒素化合物、硫黄化合物等)が挙げられる。
エアフィルタには、エアフィルタに残存する化学物質の揮散(アウトガス)を抑えることが求められる。したがって、媒体としては、アウトガスとなるキュア温度以上の沸点を有する有機溶媒を含まないものが好ましく、水のみが特に好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、または両性界面活性剤が挙げられる。
エアフィルタ用撥水撥油剤組成物は、アニオン性アクリル樹脂等の併用剤と併用されることがある。よって、エアフィルタ用撥水撥油剤組成物には、アニオン性アクリル樹脂との相溶性が高いこと(アニオン性アクリル樹脂を凝集、沈降させないこと)が求められる。したがって、界面活性剤としては、アニオン性アクリル樹脂とイオン的な相互作用を起こさないノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤が好ましい。
界面活性剤としては、公知のものが挙げられ、たとえば、国際公開第2005/103176号パンフレットに記載されたノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル、およびポリオキシアルキレンモノポリフルオロアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤(s1)と、分子中に1個以上の炭素−炭素三重結合および1個以上の水酸基を有する化合物にアルキレンオキシドが付加したノニオン性界面活性剤(s2)との組み合わせが好ましい。
界面活性剤の配合量は、含フッ素共重合体(100質量部)に対して、1〜10質量部が好ましく、1〜7質量部がより好ましい。
(添加剤)
添加剤としては、公知の撥水撥油剤組成物用の各種添加剤が挙げられる。ただし、アウトガスを抑える点からは、エアフィルタ用撥水撥油剤組成物は、揮発性のある添加剤を含まないことが好ましい。
(エアフィルタ用撥水撥油剤組成物の製造方法)
本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物は、界面活性剤および重合開始剤の存在下、媒体中にて単量体(a)および単量体(b)を含み、必要に応じて単量体(c)、単量体(d)を含む単量体混合物を重合して含フッ素共重合体のエマルションを得た後、該エマルションに脂肪酸アミド、必要に応じて他の媒体、他の界面活性剤、添加剤を配合する方法によって製造される。
単量体混合物の重合法としては、乳化重合法、分散重合法、懸濁重合法等が挙げられ、乳化重合法が好ましい。また、一括重合であってもよく、多段重合であってもよい。
含フッ素共重合体の収率が向上する点から、乳化重合の前に、単量体、界面活性剤および媒体からなる混合物を前乳化することが好ましい。たとえば、単量体、界面活性剤および媒体からなる混合物を、ホモミキサーまたは高圧乳化機で混合分散する。
重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤、放射線重合開始剤、ラジカル重合開始剤、イオン性重合開始剤等が挙げられ、水溶性または油溶性のラジカル重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系開始剤等の汎用の開始剤が、重合温度に応じて用いられる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物が特に好ましい。重合温度は20〜150℃が好ましい。
重合開始剤の添加量は、単量体混合物の100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
単量体混合物の重合の際には、分子量調整剤を用いてもよい。分子量調整剤としては、芳香族系化合物、メルカプトアルコール類またはメルカプタン類が好ましく、アルキルメルカプタン類が特に好ましい。分子量調整剤としては、メルカプトエタノール、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマ(CH=C(Ph)CHC(CHPh、Phはフェニル基である。)等が挙げられる。
分子量調整剤の添加量は、単量体混合物の100質量部に対して、0〜5質量部が好ましく、0〜3質量部がより好ましい。
また、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、2,4,6−トリメルカプトトリアジン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等の多官能メルカプト化合物の存在下で、単量体混合物を重合してもよい。
単量体(a)の割合は、撥水性の点から、単量体混合物(100質量%)のうち、50〜90質量%が好ましく、60〜90質量%がより好ましく、70〜90質量%が特に好ましい。
単量体(b)の割合は、撥水性の点から、単量体混合物(100質量%)のうち、10〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、10〜20質量%が特に好ましい。
単量体(c)の割合は、単量体混合物(100質量%)のうち、0〜30質量%が好ましく、基材との密着性の点から、1〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
単量体(d)の割合は、単量体混合物(100質量%)のうち、0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物は、含フッ素共重合体が媒体中に粒子として分散していることが好ましい。含フッ素共重合体の平均粒子径は、50〜300nmが好ましく、100〜250nmがより好ましい。平均粒子径が250nm以上であれば、界面活性剤を多量に用いる必要がない。平均粒子径が300nm以下であれば、造膜性が良好となり、その結果、撥水性を充分に発揮できる。
含フッ素共重合体の平均粒子径は、動的光散乱装置、電子顕微鏡等により測定できる。
エアフィルタ用撥水撥油剤組成物の固形分濃度は、製造直後においては、エアフィルタ用撥水撥油剤組成物(100質量%)中、20〜40質量%が好ましい。なお、該固形分濃度は、含フッ素共重合体の他、界面活性剤、脂肪酸アミドも含む濃度である。
エアフィルタ用撥水撥油剤組成物の固形分濃度は、加熱前のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物の質量と、120℃の対流式乾燥機にて4時間乾燥した後の質量とから計算される。
(作用効果)
以上説明した本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物にあっては、脂肪酸アミドを含むため、含フッ素共重合体が、炭素数が7以上のR基を有さない場合であっても、濾材に充分な撥水性を付与できる。
また、本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物にあっては、含フッ素共重合体が、単量体(a)に基づく構成単位および単量体(b)に基づく構成単位を有し、炭素数が7以上のR基を有する単量体に基づく構成単位を有さなければ、環境負荷を低く抑えることができる。具体的には、環境への影響が指摘されている、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびその前駆体、類縁体の含有量(固形分濃度20%とした場合の含有量)を国際公開第2009/081822号パンフレットに記載の方法によるLC−MS/MSの分析値として検出限界以下にすることができる。
また、本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物にあっては、媒体が水のみであれば、エアフィルタからのアウトガスを抑えることができる。
また、本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物にあっては、界面活性剤がノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤であれば、併用剤として用いるアニオン性アクリル樹脂との相溶性が高くなる。
<エアフィルタ>
本発明のエアフィルタは、濾材を本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物で処理してなるものである。
濾材の材料としては、ガラス繊維、ポリオレフィン繊維、天然繊維等が挙げられ、クリーンルーム用としてはガラス繊維が好ましい。ガラス繊維からなる濾材の形態としては、不織布が好ましい。
処理方法としては、たとえば、濾材を、エアフィルタ用撥水撥油剤組成物を含む処理液に浸漬した後、乾燥する方法が挙げられる。
処理液は、本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物を、必要に応じて希釈用媒体で希釈した後、必要に応じて併用剤を配合することにより調製される。
希釈用媒体としては、水が好ましい。
併用剤としては、アニオン性アクリル樹脂、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
処理液の固形分濃度は、撥水撥油剤組成物(100質量%)中、0.2〜5質量%が好ましい。
処理液の固形分濃度は、加熱前の処理液の質量と、120℃の対流式乾燥機にて4時間乾燥した後の質量とから計算される。
以上説明した本発明のフィルタにあっては、濾材を本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物で処理して得られたものであるため、充分な撥水性を有する。
また、本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物に含まれる含フッ素共重合体が、単量体(a)に基づく構成単位および単量体(b)に基づく構成単位を有し、炭素数が7以上のR基を有する単量体に基づく構成単位を有さなければ、環境負荷が低い。
また、本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物の媒体が水のみであれば、アウトガスを抑えることができる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例1〜6、9は実施例であり、例7、8は比較例である。
<含フッ素共重合体の物性>
下記の回収方法にて回収された含フッ素共重合体について、分子量の測定を行った。
(回収方法)
エマルションの6gを、2−プロパノール(以下、IPAと記す。)の60gに滴下し、撹拌して固体を析出させた。3000rpmで5分間遠心分離した後、得られた固体をデカントした。再度、IPAの12gを加えてよく撹拌した。3000rpmで5分間遠心分離した後、得られた固体を上澄み液から分離し、35℃で一晩真空乾燥して共重合体を得た。
(分子量)
回収した含フッ素共重合体を、フッ素系溶媒(旭硝子社製、AK−225)/テトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)=6/4(体積比)の混合溶媒に溶解させ、1質量%の溶液とし、0.2μmのフィルタに通し、分析サンプルとした。該サンプルについて、質量平均分子量(Mw)を測定した。測定条件は下記のとおりである。
装置:東ソー社製、HLC−8220GPC、
カラム:Polymer laboratories社製、MIXED−Cおよび100Aを直列でつなげたもの、
測定温度:37℃、
注入量:50μL、
流出速度:1mL/分、
標準試料:Polymer laboratories社製、EasiCal PM−2、
溶離液:フッ素系溶媒(旭硝子社製、AK−225)/THF=6/4(体積比)の混合溶媒。
(平均粒子径)
エマルション中の含フッ素共重合体の平均粒子径は、動的光散乱装置(大塚電子社製、FPAR−1000)を用いて測定した。
<エアフィルタ用撥水撥油剤組成物の評価>
(相溶性)
エアフィルタ用撥水撥油剤組成物を水で希釈して調製された処理液と、アニオン性アクリル樹脂(DIC社製、ディックファインGM−3K)とを、固形分比で1:1となるように混合し、沈降の発生を観察した。
○(良好):全く沈降なし。
△(可):わずかに沈降あり。
×(不良):多く沈降あり。
<エアフィルタの評価>
(耐水圧)
JIS L 1092の耐水度測定により、昇圧速度:60mbar/分の条件で、三点水滴が通過した圧力、またはエアフィルタが破断した圧力を耐水圧とした。
(吸水率)
耐水圧測定の前後のエアフィルタの質量変化から、下式(6)により吸水率を算出した。
吸水率=(測定後のエアフィルタ質量−測定前のエアフィルタ質量)/測定前のエアフィルタ質量×100 ・・・(6)。
(アウトガス)
ダイナミックヘッドスペース法により測定を行った。
(略号)
単量体(a):
FMA:C13OC(O)C(CH)=CH
単量体(b):
VMA:ベヘニルメタクリレート(日本油脂社製、VMA−70)。
単量体(c):
VCM:塩化ビニル。
ノニオン性界面活性剤:
E430:ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王社製、エマルゲン430、エチレンオキシド約20モル付加物)、
S465:アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物(日信化学工業社製、サーフィノール465、エチレンオキシド付加モル数10)。
アニオン性界面活性剤:
ラウリル硫酸ナトリウム。
分子量調整剤:
DoSH:n−ドデシルメルカプタン。
重合開始剤:
V601:ジメチル2、2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬社製、VA−061)。
媒体:
水:イオン交換水。
脂肪酸アミド:
N750:脂肪酸アミド(三洋化成社製、サファノールN−750)、
エレガノール:脂肪酸アミド(明成化学工業社製、エレガノール)、
ビクロン:脂肪酸アミド(一方社油脂工業社製、ビクロン)。
ワックス:
MAX90A:ポリエチレンワックス(三洋化成工業社製、サンソフナーMAX−90A)。
〔例1〕
ガラス製オートクレーブに、FMAの180.0g、VMAの48.0g、E430の7.20g、S465の7.20g、イオン交換水の444g、DoSHの0.84gを入れて、55℃で60分間加温した後、高圧乳化機(日本精機社製)を用いて10MPaで前処理し、50MPaで本処理して乳化液を得た。
得られた乳化液の687.3gを、ステンレス製反応容器に入れ、V601の0.72gを加えて、30℃以下に冷却した。気相を窒素置換し、VCMの12.0gを導入した後、撹拌しながら65℃で15時間重合反応を行い、固形分濃度34.0質量%のエマルションを得た。
含フッ素共重合体100質量部に対するN750の配合量が5質量部となるように、エマルションにN750を配合し、淡黄白色のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物を得た。
〔例2〕
例1と同様にしてエマルションを得た。
含フッ素共重合体100質量部に対するN750の配合量が8質量部となるように、エマルションにN750を配合し、エアフィルタ用撥水撥油剤組成物を得た。
〔例3〕
ガラス製オートクレーブに、FMAの163.2g、VMAの74.4g、E430の7.20g、S465の7.20g、イオン交換水の444g、DoSHの0.84gを入れて、55℃で60分間加温した後、高圧乳化機(日本精機社製)を用いて10MPaで前処理し、50MPaで本処理して乳化液を得た。
得られた乳化液の696.8gを、ステンレス製反応容器に入れ、V601の0.72gを加えて、30℃以下に冷却した。気相を窒素置換し、VCMの2.4gを導入した後、撹拌しながら65℃で15時間重合反応を行い、固形分濃度34.1質量%のエマルションを得た。
含フッ素共重合体100質量部に対するN750の配合量が5質量部となるように、エマルションにN750を配合し、淡黄白色のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物を得た。
〔例4〕
ガラス製オートクレーブに、FMAの216.0g、VMAの12.0g、E430の7.20g、S465の7.20g、イオン交換水の444g、DoSHの0.84gを入れて、55℃で60分間加温した後、高圧乳化機(日本精機社製)を用いて10MPaで前処理し、50MPaで本処理して乳化液を得た。
得られた乳化液の687.3gを、ステンレス鋼製反応容器に入れ、V601の0.72gを加えて、30℃以下に冷却した。気相を窒素置換し、VCMの12.0g導入した後、撹拌しながら65℃で15時間重合反応を行い、固形分濃度34.2質量%のエマルションを得た。
含フッ素共重合体100質量部に対するN750の配合量が5質量部となるように、エマルションにN750を配合し、淡黄白色のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物を得た。
〔例5〕
脂肪酸アミドを、N750からエレガノールに変更した以外は、例1と同様にしてエアフィルタ用撥水撥油剤組成物を得た。
〔例6〕
脂肪酸アミドを、N750からビクロンに変更した以外は、例1と同様にしてエアフィルタ用撥水撥油剤組成物を得た。
〔例7〕
例1と同様にしてエマルションを得た。
エマルションに脂肪酸アミドを配合することなく、そのままエアフィルタ用撥水撥油剤組成物として用いた。
〔例8〕
例1と同様にしてエマルションを得た。
含フッ素共重合体100質量部に対するMAX90Aの配合量が5質量部となるように、エマルションにMAX90Aを配合し、エアフィルタ用撥水撥油剤組成物を得た。
〔例9〕
E430の7.20gおよびS465の7.20gを、ラウリル硫酸ナトリウム(アニオン性界面活性剤)の7.20gに変更した以外は、例1と同様にしてエアフィルタ用撥水撥油剤組成物を得た。
〔評価〕
エアフィルタ用撥水撥油剤組成物を、固形分濃度が0.5質量%になるように水で希釈して処理液を調製した。処理液の相溶性を評価した。
ガラス繊維ろ紙(アドバンテック東洋ろ紙社製、GB−100R)を処理液に浸漬した後、吸水紙で挟み、重しを乗せることで余分な処理液を除去し、ウェットピックアップ600%とした。ガラス繊維ろ紙を130℃で15分間熱処理し、エアフィルタ相当の試験用サンプルを得た。サンプルの撥水性(耐水圧および吸水率)を評価した。結果を表1及び2に示す。
Figure 2014098082
Figure 2014098082
本発明のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物は、クリーンルームで用いられるエアフィルタに撥水撥油性を付与するものとして有用である。

Claims (10)

  1. 下記単量体(a)に基づく構成単位および下記単量体(b)に基づく構成単位および下記単量体(c)に基づく構成単位を有する含フッ素共重合体と、脂肪酸アミドと、媒体とを含む、エアフィルタ用撥水撥油剤組成物。
    単量体(a):下式(1)で表される化合物。
    (Z−Y)X ・・・(1)。
    ただし、Zは、炭素数が1〜6のポリフルオロアルキル基、または下式(2)で表される基であり、Yは、2価有機基または単結合であり、nは、1または2であり、Xは、nが1の場合は、下式(3−1)〜(3−5)で表される基のいずれかであり、nが2の場合は、下式(4−1)〜(4−4)で表される基のいずれかである。
    2i+1O(CFXCFO)CFX− ・・・(2)。
    ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、XおよびXは、それぞれフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
    −CR=CH ・・・(3−1)、
    −C(O)OCR=CH ・・・(3−2)、
    −OC(O)CR=CH ・・・(3−3)、
    −OCH−φ−CR=CH ・・・(3−4)、
    −OCH=CH ・・・(3−5)。
    ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
    −CH[−(CHCR=CH]− ・・・(4−1)、
    −CH[−(CHC(O)OCR=CH]− ・・・(4−2)、
    −CH[−(CHOC(O)CR=CH]− ・・・(4−3)、
    −OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・(4−4)。
    ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは0〜4の整数である。
    単量体(b):ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が20〜30のアルキル基を有する単量体。
    単量体(c):ハロゲン化オレフィン。
  2. 前記脂肪酸アミドの配合量が、前記含フッ素共重合体の100質量部に対して、5〜15質量部である、請求項1に記載のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物。
  3. 前記媒体が、水である、請求項1または2に記載のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物。
  4. さらに界面活性剤を含み、かつ該界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤である、請求項1〜3のいずれかに記載のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物。
  5. 界面活性剤および重合開始剤の存在下、媒体中にて下記単量体(a)および下記単量体(b)を含む単量体および下記単量体(c)に基づく構成単位混合物を重合して含フッ素共重合体のエマルションを得た後、該エマルションに脂肪酸アミドを配合する、エアフィルタ用撥水撥油剤組成物の製造方法。
    単量体(a):下式(1)で表される化合物。
    (Z−Y)X ・・・(1)。
    ただし、Zは、炭素数が1〜6のポリフルオロアルキル基、または下式(2)で表される基であり、Yは、2価有機基または単結合であり、nは、1または2であり、Xは、nが1の場合は、下式(3−1)〜(3−5)で表される基のいずれかであり、nが2の場合は、下式(4−1)〜(4−4)で表される基のいずれかである。
    2i+1O(CFXCFO)CFX− ・・・(2)。
    ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、XおよびXは、それぞれフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
    −CR=CH ・・・(3−1)、
    −C(O)OCR=CH ・・・(3−2)、
    −OC(O)CR=CH ・・・(3−3)、
    −OCH−φ−CR=CH ・・・(3−4)、
    −OCH=CH ・・・(3−5)。
    ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
    −CH[−(CHCR=CH]− ・・・(4−1)、
    −CH[−(CHC(O)OCR=CH]− ・・・(4−2)、
    −CH[−(CHOC(O)CR=CH]− ・・・(4−3)、
    −OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・(4−4)。
    ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは0〜4の整数である。
    単量体(b):ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が20〜30のアルキル基を有する単量体。
    単量体(c):ハロゲン化オレフィン。
  6. 前記脂肪酸アミドの配合量が、前記含フッ素共重合体の100質量部に対して、5〜15質量部である、請求項5に記載のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物の製造方法。
  7. 前記媒体が、水である、請求項5または6に記載のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物の製造方法。
  8. 前記界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤である、請求項5〜7のいずれかに記載のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物の製造方法。
  9. 濾材を、請求項1〜5のいずれかに記載のエアフィルタ用撥水撥油剤組成物で処理してなる、エアフィルタ
  10. 前記濾材が、ガラス繊維からなる、請求項9に記載のエアフィルタ。
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