JP2019137811A - 抗菌撥水撥油剤組成物、その製造方法、及び物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機系の抗菌剤粒子の分散安定性に優れた、抗菌撥水撥油剤組成物の提供。【解決手段】フルオロアルキル基を有する含フッ素重合体、界面活性剤及び水性媒体を含み、前記含フッ素重合体を含む粒子のゼータ電位が2〜100mVである含フッ素重合体水性分散体と、銀、銅又は亜鉛が無機担体に担持された抗菌剤粒子と、アニオン性官能基を有する水溶性重合体とを混合して抗菌撥水撥油剤組成物を製造する。【選択図】なし
Description
本発明は、抗菌撥水撥油剤組成物、抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法、及び抗菌撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品に関する。
各種材料の物品に抗菌性を付与する方法が提案されている。
特許文献1には、繊維製品に抗菌性を付与する方法として、菌付着抑制成分と抗菌成分と水とからなる処理剤に、繊維製品を浸し、絞った後に、熱処理する方法が記載されている。菌付着抑制成分としてシリコーン又はポリフルオロアルキル基を有する重合体を用い、抗菌成分としてポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩を用いた例が記載されている。
特許文献2には、撥水撥油剤に防菌防カビ性を付与する方法として、アミノ基を特定量含む含フッ素重合体の水性分散体にイソチアゾリン系の防菌防カビ剤を添加した例が記載されている。
特許文献1には、繊維製品に抗菌性を付与する方法として、菌付着抑制成分と抗菌成分と水とからなる処理剤に、繊維製品を浸し、絞った後に、熱処理する方法が記載されている。菌付着抑制成分としてシリコーン又はポリフルオロアルキル基を有する重合体を用い、抗菌成分としてポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩を用いた例が記載されている。
特許文献2には、撥水撥油剤に防菌防カビ性を付与する方法として、アミノ基を特定量含む含フッ素重合体の水性分散体にイソチアゾリン系の防菌防カビ剤を添加した例が記載されている。
特許文献1、2で使用された抗菌成分又は防菌防カビ剤は、有機合成系抗菌剤である。非特許文献1に記載されているように、有機合成系抗菌剤は抗菌スペクトル(殺菌できる微生物の範囲)が狭いものが多い。
これに対して、非特許文献2に記載されているように、ゼオライト等の担体に銀イオンを担持させた銀系抗菌剤は、多種類の菌に対して抗菌力を発現し抗菌スペクトルが広い。
これに対して、非特許文献2に記載されているように、ゼオライト等の担体に銀イオンを担持させた銀系抗菌剤は、多種類の菌に対して抗菌力を発現し抗菌スペクトルが広い。
幅靖志、「有機系抗菌剤の分類と特徴」、愛産研ニュース2003年10月号増補版、愛知県産業技術研究所、2003年10月3日、第3頁。
「抗菌・防カビ技術」、株式会社 東レリサーチセンター、2004年5月出版、第107頁。
近年、無機粒子に、銀、銅、亜鉛などの抗菌性を有する金属を担持させた、無機系の抗菌剤粒子が注目されている。
物品の表面に、撥水撥油性を有する皮膜を形成することによって菌の付着を抑制できるが、前記皮膜が抗菌剤粒子を含むと、より優れた抗菌性が期待できる。
本発明者等は、含フッ素重合体を含む撥水撥油性組成物への抗菌剤粒子の添加を試みたところ、無機系の抗菌剤粒子は沈殿しやすいことがわかった。優れた抗菌性を安定して得るためには、抗菌剤粒子の分散安定性が求められる。
本発明は、無機系の抗菌剤粒子の分散安定性に優れた、抗菌撥水撥油剤組成物、抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法、及び前記抗菌撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品の提供を目的とする。
物品の表面に、撥水撥油性を有する皮膜を形成することによって菌の付着を抑制できるが、前記皮膜が抗菌剤粒子を含むと、より優れた抗菌性が期待できる。
本発明者等は、含フッ素重合体を含む撥水撥油性組成物への抗菌剤粒子の添加を試みたところ、無機系の抗菌剤粒子は沈殿しやすいことがわかった。優れた抗菌性を安定して得るためには、抗菌剤粒子の分散安定性が求められる。
本発明は、無機系の抗菌剤粒子の分散安定性に優れた、抗菌撥水撥油剤組成物、抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法、及び前記抗菌撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品の提供を目的とする。
本発明は、下記の態様を有する。
[1]フルオロアルキル基を有する含フッ素重合体、界面活性剤及び水性媒体を含み、前記含フッ素重合体を含む粒子のゼータ電位が2〜100mVである含フッ素重合体水性分散体と、銀、銅又は亜鉛が無機担体に担持された抗菌剤粒子と、アニオン性官能基を有する水溶性重合体とを混合する、抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[2]前記抗菌剤粒子、前記水溶性重合体及び水を含む抗菌剤分散液と、前記含フッ素重合体水性分散体とを混合する、[1]の抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[3]前記含フッ素重合体を、カチオン性重合開始剤を用いて重合して得る、[1]又は[2]の抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[4]前記含フッ素重合体を含む粒子が、カチオン性界面活性剤を含む、[1]〜[3]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[5]前記無機担体が、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸塩ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、粘土鉱物、酸化マグネシウム、又はアルミナである、[1]〜[4]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[6]前記アニオン性官能基が、−OH、−COOH、−PO3H、及び−SO3Hからなる群から選ばれる1種以上である、[1]〜[5]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[7]フルオロアルキル基を有する含フッ素重合体と、界面活性剤と、銀、銅又は亜鉛が無機担体に担持された抗菌剤粒子と、アニオン性官能基を有する水溶性重合体と、水性媒体とを含む分散体であって、前記含フッ素重合体を含む粒子のゼータ電位が2〜100mVである、抗菌撥水撥油剤組成物。
[8]前記含フッ素重合体を含む粒子が、前記含フッ素重合体及びカチオン性界面活性剤を含む粒子、又はカチオン性重合開始剤に由来する末端基を有する含フッ素重合体及びノニオン性界面活性剤を含む粒子である、[7]の抗菌撥水撥油剤組成物。
[9]前記無機担体が、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸塩ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、粘土鉱物、酸化マグネシウム、又はアルミナである、[7]又は[8]の抗菌撥水撥油剤組成物。
[10]前記アニオン性官能基が、−OH、−COOH、−PO3H、及び−SO3Hからなる群から選ばれる1種以上である、[7]〜[9]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物。
[11] 前記抗菌剤粒子の含有量が、前記含フッ素重合体と界面活性剤の合計質量に対して500〜10,000質量ppmである、[7]〜[10]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物。
[12] 前記水溶性重合体の含有量が、前記含フッ素重合体と界面活性剤の合計質量に対して1,000〜20,000質量ppmである、[7]〜[11]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物。
[13][7]〜[12]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品。
[1]フルオロアルキル基を有する含フッ素重合体、界面活性剤及び水性媒体を含み、前記含フッ素重合体を含む粒子のゼータ電位が2〜100mVである含フッ素重合体水性分散体と、銀、銅又は亜鉛が無機担体に担持された抗菌剤粒子と、アニオン性官能基を有する水溶性重合体とを混合する、抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[2]前記抗菌剤粒子、前記水溶性重合体及び水を含む抗菌剤分散液と、前記含フッ素重合体水性分散体とを混合する、[1]の抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[3]前記含フッ素重合体を、カチオン性重合開始剤を用いて重合して得る、[1]又は[2]の抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[4]前記含フッ素重合体を含む粒子が、カチオン性界面活性剤を含む、[1]〜[3]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[5]前記無機担体が、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸塩ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、粘土鉱物、酸化マグネシウム、又はアルミナである、[1]〜[4]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[6]前記アニオン性官能基が、−OH、−COOH、−PO3H、及び−SO3Hからなる群から選ばれる1種以上である、[1]〜[5]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
[7]フルオロアルキル基を有する含フッ素重合体と、界面活性剤と、銀、銅又は亜鉛が無機担体に担持された抗菌剤粒子と、アニオン性官能基を有する水溶性重合体と、水性媒体とを含む分散体であって、前記含フッ素重合体を含む粒子のゼータ電位が2〜100mVである、抗菌撥水撥油剤組成物。
[8]前記含フッ素重合体を含む粒子が、前記含フッ素重合体及びカチオン性界面活性剤を含む粒子、又はカチオン性重合開始剤に由来する末端基を有する含フッ素重合体及びノニオン性界面活性剤を含む粒子である、[7]の抗菌撥水撥油剤組成物。
[9]前記無機担体が、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸塩ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、粘土鉱物、酸化マグネシウム、又はアルミナである、[7]又は[8]の抗菌撥水撥油剤組成物。
[10]前記アニオン性官能基が、−OH、−COOH、−PO3H、及び−SO3Hからなる群から選ばれる1種以上である、[7]〜[9]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物。
[11] 前記抗菌剤粒子の含有量が、前記含フッ素重合体と界面活性剤の合計質量に対して500〜10,000質量ppmである、[7]〜[10]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物。
[12] 前記水溶性重合体の含有量が、前記含フッ素重合体と界面活性剤の合計質量に対して1,000〜20,000質量ppmである、[7]〜[11]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物。
[13][7]〜[12]のいずれかの抗菌撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品。
本発明によれば、無機系の抗菌剤粒子を含み、抗菌剤粒子の分散安定性に優れた抗菌撥水撥油剤組成物が得られる。
本発明の物品は、無機系の抗菌剤粒子による抗菌性と、撥水撥油性を有し、抗菌効果に優れる。
本発明の物品は、無機系の抗菌剤粒子による抗菌性と、撥水撥油性を有し、抗菌効果に優れる。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「〜」で表される数値範囲は、〜の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を意味する。
式1で表される化合物を「化合物1」と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
式2で表される基を「基2」と記す。他の式で表される基も同様に記す。
単量体aに基づく単位を「単位a」と記す。他の単量体に基づく単位も同様に記す。
「単量体に基づく単位」とは、単量体の重合によって直接形成された原子団と、原子団の一部の化学変換によって得られる原子団との総称である。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
「フルオロアルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又はすべてがフッ素原子に置換された基を意味する。
「ペルフルオロアルキル基」は、アルキル基の水素原子のすべてがフッ素原子に置換された基を意味する。
「カチオン性界面活性剤」は、1分子中に親水基と疎水基を有し、水中で電離してカチオンとなる化合物を意味する。
「ノニオン性界面活性剤」は、1分子中に親水基と疎水基を有し、水中でイオンにならない化合物を意味する。
「カチオン性重合開始剤」は、分子が熱により開裂しラジカルを発生すると共に、分子中にカチオン性の官能基を有する化合物を意味する。
「水溶性重合体」は、25℃のイオン交換水1000gに10g以上溶解する重合体を意味する。
「〜」で表される数値範囲は、〜の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を意味する。
式1で表される化合物を「化合物1」と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
式2で表される基を「基2」と記す。他の式で表される基も同様に記す。
単量体aに基づく単位を「単位a」と記す。他の単量体に基づく単位も同様に記す。
「単量体に基づく単位」とは、単量体の重合によって直接形成された原子団と、原子団の一部の化学変換によって得られる原子団との総称である。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
「フルオロアルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又はすべてがフッ素原子に置換された基を意味する。
「ペルフルオロアルキル基」は、アルキル基の水素原子のすべてがフッ素原子に置換された基を意味する。
「カチオン性界面活性剤」は、1分子中に親水基と疎水基を有し、水中で電離してカチオンとなる化合物を意味する。
「ノニオン性界面活性剤」は、1分子中に親水基と疎水基を有し、水中でイオンにならない化合物を意味する。
「カチオン性重合開始剤」は、分子が熱により開裂しラジカルを発生すると共に、分子中にカチオン性の官能基を有する化合物を意味する。
「水溶性重合体」は、25℃のイオン交換水1000gに10g以上溶解する重合体を意味する。
含フッ素重合体又は水溶性重合体の「数平均分子量」及び「質量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によってポリスチレン換算で求めた値である。
含フッ素重合体を構成する、単量体に基づく単位の割合は、NMR分析及び元素分析により測定できる。単量体の反応率を100%とみなして、含フッ素重合体の製造時の単量体の仕込み量に基づいて算出してもよい。
含フッ素重合体水性分散体中の「含フッ素重合体を含む粒子のゼータ電位」は、含フッ素重合体水性分散体を、含フッ素重合体と界面活性剤の合計の含有量が0.05質量%になるように0.01NのKCl水溶液で希釈して測定液とし、電気泳動光散乱法により測定液中の含フッ素重合体を含む粒子のゼータ電位を測定して得られる値である。
含フッ素重合体を含む粒子の「平均粒子径」は、位相ドップラー法にて測定した値である。
抗菌剤粒子の「平均粒子径」は、電子顕微鏡にて測定した値である。
含フッ素重合体を構成する、単量体に基づく単位の割合は、NMR分析及び元素分析により測定できる。単量体の反応率を100%とみなして、含フッ素重合体の製造時の単量体の仕込み量に基づいて算出してもよい。
含フッ素重合体水性分散体中の「含フッ素重合体を含む粒子のゼータ電位」は、含フッ素重合体水性分散体を、含フッ素重合体と界面活性剤の合計の含有量が0.05質量%になるように0.01NのKCl水溶液で希釈して測定液とし、電気泳動光散乱法により測定液中の含フッ素重合体を含む粒子のゼータ電位を測定して得られる値である。
含フッ素重合体を含む粒子の「平均粒子径」は、位相ドップラー法にて測定した値である。
抗菌剤粒子の「平均粒子径」は、電子顕微鏡にて測定した値である。
本発明の抗菌撥水撥油剤組成物は、フルオロアルキル基を有する含フッ素重合体(以下、「含フッ素重合体PF」とも記載する。)、界面活性剤及び水性媒体を含む含フッ素重合体水性分散体と、抗菌剤粒子と、アニオン性官能基を有する水溶性重合体(以下、「水溶性重合体Q」とも記載する。)を混合する方法で得られる。必要に応じて水を混合してもよい。さらに添加剤を混合してもよい。
前記含フッ素重合体水性分散体は、水性媒体中に、含フッ素重合体PFを含む粒子(以下、「含フッ素重合体粒子」という。)が分散している分散体である。含フッ素重合体水性分散体中の界面活性剤の一部または全部が、含フッ素重合体粒子に含まれてもよい。
含フッ素重合体水性分散体と、抗菌剤粒子と、水溶性重合体Qとを混合する方法は限定されない。
例えば、抗菌剤粒子と水溶性重合体Qと水とを混合して抗菌剤分散液を調製し、得られた抗菌剤分散液と含フッ素重合体水性分散体とを混合する方法が好ましい。
前記含フッ素重合体水性分散体は、水性媒体中に、含フッ素重合体PFを含む粒子(以下、「含フッ素重合体粒子」という。)が分散している分散体である。含フッ素重合体水性分散体中の界面活性剤の一部または全部が、含フッ素重合体粒子に含まれてもよい。
含フッ素重合体水性分散体と、抗菌剤粒子と、水溶性重合体Qとを混合する方法は限定されない。
例えば、抗菌剤粒子と水溶性重合体Qと水とを混合して抗菌剤分散液を調製し、得られた抗菌剤分散液と含フッ素重合体水性分散体とを混合する方法が好ましい。
含フッ素重合体PFは、炭素数が1〜6のペルフルオロアルキル基(以下、RF基とも記す。)を有する単量体aに基づく単位aを有することが好ましい。単位aは撥水撥油性に寄与する。
含フッ素重合体PFは、単位aのほかに、撥水撥油剤の分野で公知の単量体に基づく単位の1種以上を有してよい。
含フッ素重合体PFは、単位aのほかに、撥水撥油剤の分野で公知の単量体に基づく単位の1種以上を有してよい。
単量体aは、撥水撥油性に優れる点から、化合物1が好ましい。
(Z−Y)nX ・・・式1
Zは、炭素数が1〜6のRF基、又は基2である。
CiF2i+1(CH2CF2)p(CF2CF2)q− ・・・式2
iは、1〜6の整数であり、pは1〜4の整数であり、qは1〜3の整数である。
Yは、フッ素原子を有しない2価有機基又は単結合である。
nは、1又は2である。
(Z−Y)nX ・・・式1
Zは、炭素数が1〜6のRF基、又は基2である。
CiF2i+1(CH2CF2)p(CF2CF2)q− ・・・式2
iは、1〜6の整数であり、pは1〜4の整数であり、qは1〜3の整数である。
Yは、フッ素原子を有しない2価有機基又は単結合である。
nは、1又は2である。
RF基の炭素数は、4〜6が好ましい。RF基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状が好ましい。
Zとしては、F(CF2)4−、F(CF2)5−、F(CF2)6−、(CF3)2CF(CF2)2−が例示できる。
Xは、nが1の場合は、基(3−1)〜基(3−5)のいずれかであり、nが2の場合は、基(4−1)〜基(4−4)のいずれかである。
Zとしては、F(CF2)4−、F(CF2)5−、F(CF2)6−、(CF3)2CF(CF2)2−が例示できる。
Xは、nが1の場合は、基(3−1)〜基(3−5)のいずれかであり、nが2の場合は、基(4−1)〜基(4−4)のいずれかである。
−CR=CH2 ・・・(3−1)、
−C(O)OCR=CH2 ・・・(3−2)、
−OC(O)CR=CH2 ・・・(3−3)、
−OCH2−φ−CR=CH2 ・・・(3−4)、
−OCH=CH2 ・・・(3−5)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
−C(O)OCR=CH2 ・・・(3−2)、
−OC(O)CR=CH2 ・・・(3−3)、
−OCH2−φ−CR=CH2 ・・・(3−4)、
−OCH=CH2 ・・・(3−5)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
−CH[−(CH2)mCR=CH2]− ・・・(4−1)、
−CH[−(CH2)mC(O)OCR=CH2]− ・・・(4−2)、
−CH[−(CH2)mOC(O)CR=CH2]− ・・・(4−3)、
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・(4−4)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、mは0〜4の整数である。Rとしては、水素原子、メチル基又は塩素原子が好ましい。
−CH[−(CH2)mC(O)OCR=CH2]− ・・・(4−2)、
−CH[−(CH2)mOC(O)CR=CH2]− ・・・(4−3)、
−OC(O)CH=CHC(O)O− ・・・(4−4)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、mは0〜4の整数である。Rとしては、水素原子、メチル基又は塩素原子が好ましい。
化合物1としては、Zが炭素数4〜6のRF基であり、Yが炭素数1〜4のアルキレン基、又はCH2CH2OC(O)−φ−であり、nが1であり、Xが基(3−3)であり、Rが水素原子、メチル基又は塩素原子である化合物が特に好ましい。
化合物1としては、C6F13C2H4OC(O)C(CH3)=CH2、C6F13C2H4OC(O)CH=CH2、C6F13C2H4OC(O)CCl=CH2、C4F9C2H4OC(O)C(CH3)=CH2、C4F9C2H4OC(O)CH=CH2、C4F9C2H4OC(O)CCl=CH2、F(CF2)6CH2CH2OC(O)−φ−OC(O)CH=CH2、F(CF2)6CH2CH2OC(O)−φ−OC(O)C(CH3)=CH2、F(CF2)4CH2CH2OC(O)−φ−OC(O)CH=CH2、F(CF2)4CH2CH2OC(O)−φ−OC(O)C(CH3)=CH2が例示できる。
化合物1としては、C6F13C2H4OC(O)C(CH3)=CH2、C6F13C2H4OC(O)CH=CH2、C6F13C2H4OC(O)CCl=CH2、C4F9C2H4OC(O)C(CH3)=CH2、C4F9C2H4OC(O)CH=CH2、C4F9C2H4OC(O)CCl=CH2、F(CF2)6CH2CH2OC(O)−φ−OC(O)CH=CH2、F(CF2)6CH2CH2OC(O)−φ−OC(O)C(CH3)=CH2、F(CF2)4CH2CH2OC(O)−φ−OC(O)CH=CH2、F(CF2)4CH2CH2OC(O)−φ−OC(O)C(CH3)=CH2が例示できる。
含フッ素重合体PFは、単量体aと、他の単量体の1種以上との共重合体が好ましい。他の単量体は、要求特性に応じて選択される。
他の単量体が、下記単量体b〜dからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
他の単量体が、下記単量体b〜dからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
単量体bは、ハロゲン化オレフィンである。単位bは含フッ素重合体PFと基材との密着性の向上に寄与し、洗濯耐久性の向上に寄与する。
単量体bとして、塩素化オレフィン、フッ素化オレフィンが好ましい。
単量体bとして、含フッ素重合体PFと基材との密着性が優れる点から、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンが好ましく、塩化ビニル、塩化ビニリデンがより好ましい。
単量体bとして、塩素化オレフィン、フッ素化オレフィンが好ましい。
単量体bとして、含フッ素重合体PFと基材との密着性が優れる点から、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンが好ましく、塩化ビニル、塩化ビニリデンがより好ましい。
単量体cは、架橋し得る官能基を有する単量体である。単位cは洗濯耐久性の向上に寄与する。
架橋し得る官能基としては、共有結合、イオン結合又は水素結合のうち少なくとも1つ以上の結合を有する官能基、又は、前記結合の相互作用により架橋構造を形成できる官能基が好ましい。
架橋し得る官能基としては、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、アルコキシメチルアミド基、シラノール基、アンモニウム基、アミド基、エポキシ基、水酸基、オキサゾリン基、カルボキシル基、アルケニル基、スルホン酸基が例示できる。エポキシ基、水酸基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、又はカルボキシル基が好ましい。
架橋し得る官能基としては、共有結合、イオン結合又は水素結合のうち少なくとも1つ以上の結合を有する官能基、又は、前記結合の相互作用により架橋構造を形成できる官能基が好ましい。
架橋し得る官能基としては、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、アルコキシメチルアミド基、シラノール基、アンモニウム基、アミド基、エポキシ基、水酸基、オキサゾリン基、カルボキシル基、アルケニル基、スルホン酸基が例示できる。エポキシ基、水酸基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、又はカルボキシル基が好ましい。
単量体dは、フルオロアルキル基を有さず、炭素数が12〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリレートである。
アルキル基の炭素数が前記範囲の下限値以上であると、洗濯耐久性に優れる。アルキル基の炭素数が前記範囲の上限値以下であると、重合操作における取り扱いが容易であり、含フッ素重合体PFの収率に優れる。
単量体dのアルキル基の炭素数は、20〜30が好ましく、20〜24がより好ましい。
単量体dとしては、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレートが例示できる。
アルキル基の炭素数が前記範囲の下限値以上であると、洗濯耐久性に優れる。アルキル基の炭素数が前記範囲の上限値以下であると、重合操作における取り扱いが容易であり、含フッ素重合体PFの収率に優れる。
単量体dのアルキル基の炭素数は、20〜30が好ましく、20〜24がより好ましい。
単量体dとしては、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレートが例示できる。
含フッ素重合体PFの全単位に対して、単位aは60〜95質量%が好ましく、60〜90質量%がより好ましく、65〜90質量%がさらに好ましい。
単位bは0〜40質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜35質量%がさらに好ましい。
単位cは0〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましい。
単位dは0〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、5〜25質量%がさらに好ましい。
含フッ素重合体PFの全単位に対して、単位aと単位bと単位cと単位dの合計は80〜100質量%が好ましく、90〜100質量%がより好ましい。
単位bは0〜40質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜35質量%がさらに好ましい。
単位cは0〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましい。
単位dは0〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、5〜25質量%がさらに好ましい。
含フッ素重合体PFの全単位に対して、単位aと単位bと単位cと単位dの合計は80〜100質量%が好ましく、90〜100質量%がより好ましい。
含フッ素重合体PFの質量平均分子量(Mw)は、8,000〜1,000,000が好ましく、10,000〜800,000がより好ましい。Mwが前記範囲内であれば、撥水性及ぶ撥油性を充分に発現できる。
含フッ素重合体PFの数平均分子量(Mn)は、3,000〜800,000が好ましく、5,000〜600,000がより好ましい。Mnが前記範囲内であれば、撥水性及び撥油性を充分に発現できる。
含フッ素重合体PFの数平均分子量(Mn)は、3,000〜800,000が好ましく、5,000〜600,000がより好ましい。Mnが前記範囲内であれば、撥水性及び撥油性を充分に発現できる。
含フッ素重合体水性分散体に含まれる界面活性剤としては、炭化水素系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤が例示できる。それぞれ、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤が例示できる。
なお、含フッ素重合体水性分散体中の界面活性剤は、後述の浸透剤を含まない。
ノニオン性界面活性剤としては、国際公開第2010/047258号、国際公開第2010/123042号に記載された界面活性剤s1〜s6からなる群、及び特許第5569614号公報に記載のアミドアミン界面活性剤から選ばれる1種以上が好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、国際公開第2010/047258号、国際公開第2010/123042号に記載された界面活性剤s7が好ましい。
界面活性剤が両性界面活性剤を含む場合、両性界面活性剤としては、国際公開第2010/047258号、国際公開第2010/123042号に記載された界面活性剤s8が好ましい。
また、界面活性剤として、国際公開第2010/047258号、国際公開第2010/123042号に記載された界面活性剤s9(高分子界面活性剤)を用いてもよい。
なお、含フッ素重合体水性分散体中の界面活性剤は、後述の浸透剤を含まない。
ノニオン性界面活性剤としては、国際公開第2010/047258号、国際公開第2010/123042号に記載された界面活性剤s1〜s6からなる群、及び特許第5569614号公報に記載のアミドアミン界面活性剤から選ばれる1種以上が好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、国際公開第2010/047258号、国際公開第2010/123042号に記載された界面活性剤s7が好ましい。
界面活性剤が両性界面活性剤を含む場合、両性界面活性剤としては、国際公開第2010/047258号、国際公開第2010/123042号に記載された界面活性剤s8が好ましい。
また、界面活性剤として、国際公開第2010/047258号、国際公開第2010/123042号に記載された界面活性剤s9(高分子界面活性剤)を用いてもよい。
含フッ素重合体水性分散体は、カチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の一方又は両方を含むことが好ましい。
含フッ素重合体粒子の安定性の点からは、カチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との併用が好ましい。
含フッ素重合体PFの100質量部に対して、界面活性剤の合計量は1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤を併用する場合、ノニオン性界面活性剤/カチオン性界面活性剤の質量比は、97/3〜40/60(質量比)が好ましい。
含フッ素重合体粒子の安定性の点からは、カチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との併用が好ましい。
含フッ素重合体PFの100質量部に対して、界面活性剤の合計量は1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤を併用する場合、ノニオン性界面活性剤/カチオン性界面活性剤の質量比は、97/3〜40/60(質量比)が好ましい。
前記界面活性剤及び重合開始剤の存在下、水性媒体中にて単量体を重合することにより含フッ素重合体粒子が形成され、含フッ素重合体粒子及び水性媒体を含む含フッ素重合体水性分散体が得られる。重合反応後にさらに界面活性剤を添加して含フッ素重合体水性分散体としてもよい。含フッ素重合体水性分散体は市販品を用いてもよい。
含フッ素重合体水性分散体は、後述の添加剤を含んでもよい。
含フッ素重合体水性分散体は、後述の添加剤を含んでもよい。
重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤、放射線重合開始剤、ラジカル重合開始剤、イオン性重合開始剤が例示できる。水溶性又は油溶性のラジカル重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系開始剤が例示できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物が好ましい。水性媒体中で重合を行う場合、アゾ系化合物の塩がより好ましい。
重合開始剤としてカチオン性重合開始剤を用いて、含フッ素重合体PFにカチオン性重合開始剤に由来する末端基を導入すると、含フッ素重合体水性分散体中でプラスに帯電する含フッ素重合体粒子を形成できる。
カチオン性重合開始剤としては、水溶性アゾ系重合開始剤が挙げられる。10時間半減期温度の点で和光純薬工業製VA−061の酢酸塩(製品名:VA−061A)が好ましい。
重合開始剤としてカチオン性重合開始剤を用いて、含フッ素重合体PFにカチオン性重合開始剤に由来する末端基を導入すると、含フッ素重合体水性分散体中でプラスに帯電する含フッ素重合体粒子を形成できる。
カチオン性重合開始剤としては、水溶性アゾ系重合開始剤が挙げられる。10時間半減期温度の点で和光純薬工業製VA−061の酢酸塩(製品名:VA−061A)が好ましい。
単量体成分の重合の際には、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、メルカプトグリセロール、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマ(CH2=C(Ph)CH2C(CH3)2Ph。ただし、Phはフェニル基である。)が例示できる。
水性媒体としては、水、又は水と水溶性有機溶媒との混合物が例示できる。
水溶性有機溶媒としては、tert−ブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールが例示できる。
水性媒体が水溶性有機溶媒を含む場合、水の100質量部に対して、水溶性有機溶媒は1〜80質量部が好ましく、10〜60質量部がより好ましい。
水溶性有機溶媒としては、tert−ブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールが例示できる。
水性媒体が水溶性有機溶媒を含む場合、水の100質量部に対して、水溶性有機溶媒は1〜80質量部が好ましく、10〜60質量部がより好ましい。
含フッ素重合体粒子の平均粒子径は10〜1,000nmが好ましく、10〜500nmがより好ましく、50〜300nmがさらに好ましい。平均粒子径が前記範囲であれば、分散安定性に優れる。また撥水撥油性にも優れる。
含フッ素重合体水性分散体に対して、含フッ素重合体PFと界面活性剤の合計の含有量は、5〜40質量%が好ましく、25〜40質量%がより好ましい。
抗菌撥水撥油剤組成物に対して、含フッ素重合体PFと界面活性剤の合計の含有量は、0.5〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
含フッ素重合体水性分散体に対して、含フッ素重合体PFと界面活性剤の合計の含有量は、5〜40質量%が好ましく、25〜40質量%がより好ましい。
抗菌撥水撥油剤組成物に対して、含フッ素重合体PFと界面活性剤の合計の含有量は、0.5〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
含フッ素重合体水性分散体中で含フッ素重合体粒子はプラスに帯電する。含フッ素重合体粒子のゼータ電位は2〜100mVであり、2〜50mVが好ましく、2〜40mVがより好ましい。
前記ゼータ電位が前記範囲の下限値以上であると水性媒体中での分散性に優れ、上限値以下であると布への適度な吸着力が得られ加工性に優れる。
前記ゼータ電位が前記範囲の下限値以上であると水性媒体中での分散性に優れ、上限値以下であると布への適度な吸着力が得られ加工性に優れる。
含フッ素重合体粒子のゼータ電位は、含フッ素重合体粒子を形成する際に用いる、開始剤又は界面活性剤の種類及び組成、含フッ素重合体PFを合成した後に追加に添加する界面活性剤の種類及び組成によって調整できる。
例えば、水性媒体及びカチオン性界面活性剤の存在下で含フッ素重合体粒子を形成する方法で、ゼータ電位が前記範囲である含フッ素重合体粒子を含み、含フッ素重合体粒子が含フッ素重合体PFとカチオン性界面活性剤を含む、含フッ素重合体水性分散体を製造できる。
又は、水性媒体及びノニオン性界面活性剤の存在下で、カチオン性重合開始剤を用いて含フッ素重合体粒子を形成する方法で、ゼータ電位が前記範囲である含フッ素重合体粒子を含み、含フッ素重合体粒子が含フッ素重合体PFとノニオン性界面活性剤を含む、含フッ素重合体水性分散体を製造できる。これらの製造方法を組み合わせてもよい。
繊維への加工性の点からは、水性媒体及びカチオン性界面活性剤の存在下で含フッ素重合体粒子を形成する方法が好ましい。すなわち、含フッ素重合体粒子がカチオン性界面活性剤を含むことが好ましい。
特に、水性媒体、カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の存在下で、カチオン性重合開始剤を用いて重合して含フッ素重合体粒子を形成する方法が好ましい。すなわち、含フッ素重合体粒子が、カチオン性重合開始剤に由来する末端基を有する含フッ素重合体PF、カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。
例えば、水性媒体及びカチオン性界面活性剤の存在下で含フッ素重合体粒子を形成する方法で、ゼータ電位が前記範囲である含フッ素重合体粒子を含み、含フッ素重合体粒子が含フッ素重合体PFとカチオン性界面活性剤を含む、含フッ素重合体水性分散体を製造できる。
又は、水性媒体及びノニオン性界面活性剤の存在下で、カチオン性重合開始剤を用いて含フッ素重合体粒子を形成する方法で、ゼータ電位が前記範囲である含フッ素重合体粒子を含み、含フッ素重合体粒子が含フッ素重合体PFとノニオン性界面活性剤を含む、含フッ素重合体水性分散体を製造できる。これらの製造方法を組み合わせてもよい。
繊維への加工性の点からは、水性媒体及びカチオン性界面活性剤の存在下で含フッ素重合体粒子を形成する方法が好ましい。すなわち、含フッ素重合体粒子がカチオン性界面活性剤を含むことが好ましい。
特に、水性媒体、カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の存在下で、カチオン性重合開始剤を用いて重合して含フッ素重合体粒子を形成する方法が好ましい。すなわち、含フッ素重合体粒子が、カチオン性重合開始剤に由来する末端基を有する含フッ素重合体PF、カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。
抗菌剤粒子は、抗菌性を有する金属を無機担体に担持させたものである。抗菌性を有する金属としては、銀、銅又は亜鉛が用いられる。抗菌力が高い点で銀が好ましい。無機担体に担持されている金属は1種でもよく、2種以上でもよい。無機担体が少なくとも銀を担持していることが好ましい。
抗菌剤粒子は、無機担体の水懸濁液に、前記金属のイオンを含む水溶液を加え、イオン交換反応により無機担体中に前記金属を存在させる方法で製造できる。
無機担体は、イオン交換反応により前記金属イオンを担持できるものであればよい。
具体的には、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸塩ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、粘土鉱物、酸化マグネシウム、又はアルミナが例示できる。粘土鉱物としてはカオリン、モンモリロナイト、タルクが例示できる。
例えばゼオライト系の抗菌剤は、A型合成ゼオライトの水懸濁液に、硝酸銀の水溶液、硝酸銀と塩化亜鉛の水溶液、硝酸銀と硫酸銅の水溶液、又は硝酸銀と塩化亜鉛と硫酸銅の水溶液を加え、イオン交換反応により結晶構造中のNaの位置に金属イオンを一定量置換し、乾燥した後に焼成して製造できる。
無機担体は、イオン交換反応により前記金属イオンを担持できるものであればよい。
具体的には、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸塩ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、粘土鉱物、酸化マグネシウム、又はアルミナが例示できる。粘土鉱物としてはカオリン、モンモリロナイト、タルクが例示できる。
例えばゼオライト系の抗菌剤は、A型合成ゼオライトの水懸濁液に、硝酸銀の水溶液、硝酸銀と塩化亜鉛の水溶液、硝酸銀と硫酸銅の水溶液、又は硝酸銀と塩化亜鉛と硫酸銅の水溶液を加え、イオン交換反応により結晶構造中のNaの位置に金属イオンを一定量置換し、乾燥した後に焼成して製造できる。
抗菌剤粒子は、市販品を用いることもできる。
リン酸ジルコニウム−銀系抗菌剤の例としては、東亞合成社製のノバロン(登録商標)AG300、AG1100、AGZ330が例示できる。
ゼオライト−銀系抗菌剤の例としては、シナネンゼオミック社製のゼオミック(登録商標)、鐘紡社製のバクテキラー(登録商標)が例示できる。
シリカゲル−銀系抗菌剤の例としては、ゲルテクノロジー社製のバクテノン(登録商標)が例示できる。
ケイ酸塩ガラス−銀系抗菌剤の例としては、石塚硝子社製のイオンピュア(登録商標)が例示できる。
リン酸カルシウム−銀系抗菌剤の例としては、サンギ社製のアパサイダーA(登録商標)が例示できる。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム−銀系抗菌剤の例としては、触媒化成工業社製のAIS(登録商標)が例示できる。
リン酸ジルコニウム−銀系抗菌剤の例としては、東亞合成社製のノバロン(登録商標)AG300、AG1100、AGZ330が例示できる。
ゼオライト−銀系抗菌剤の例としては、シナネンゼオミック社製のゼオミック(登録商標)、鐘紡社製のバクテキラー(登録商標)が例示できる。
シリカゲル−銀系抗菌剤の例としては、ゲルテクノロジー社製のバクテノン(登録商標)が例示できる。
ケイ酸塩ガラス−銀系抗菌剤の例としては、石塚硝子社製のイオンピュア(登録商標)が例示できる。
リン酸カルシウム−銀系抗菌剤の例としては、サンギ社製のアパサイダーA(登録商標)が例示できる。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム−銀系抗菌剤の例としては、触媒化成工業社製のAIS(登録商標)が例示できる。
抗菌剤粒子の平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましく、0.2〜2μmがより好ましく、0.5〜1.5μmが特に好ましい。抗菌剤粒子の平均粒子径が、前記範囲の下限値以上であると抗菌剤粒子による抗菌性能が充分に発現する。上限値以下であると水分散性に優れる。
抗菌剤粒子の含有量は、含フッ素重合体PFと界面活性剤の合計質量に対して100〜100,000質量ppmが好ましく、500〜10,000質量ppmがより好ましく、500〜5,000質量ppmがさらに好ましく、1,000〜3,000質量ppmが特に好ましい。前記範囲の下限値以上であると抗菌性に優れ、上限値以下であると水分散性に優れる。
水溶性重合体Qは、アニオン性官能基を有し、抗菌撥水撥油剤組成物中でマイナスに帯電する。
アニオン性官能基としては、−OH、−COOH、−PO3H、及び−SO3Hからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。アニオン性官能基は塩を形成していてもよい。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、又はマグネシウム塩が例示できる。
アニオン性官能基は、重合反応に関与しない。例えば、活性水素供与基として重合反応に関与するOHは、アニオン性官能基に含まれない。
水溶性重合体Qは、アニオン性官能基を有する単量体の1種以上を含む全単量体を重合した重合体が好ましい。全単量体に対して、アニオン性官能基を有する単量体は30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。100質量%でもよい。
分散安定性の点で、水溶性重合体Qは、アニオン性官能基を有する単量体の単独重合体が好ましい。
アニオン性官能基としては、−OH、−COOH、−PO3H、及び−SO3Hからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。アニオン性官能基は塩を形成していてもよい。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、又はマグネシウム塩が例示できる。
アニオン性官能基は、重合反応に関与しない。例えば、活性水素供与基として重合反応に関与するOHは、アニオン性官能基に含まれない。
水溶性重合体Qは、アニオン性官能基を有する単量体の1種以上を含む全単量体を重合した重合体が好ましい。全単量体に対して、アニオン性官能基を有する単量体は30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。100質量%でもよい。
分散安定性の点で、水溶性重合体Qは、アニオン性官能基を有する単量体の単独重合体が好ましい。
アニオン性官能基を有する単量体としては、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、3−プロピオン酸、α−トリフルオロアクリル酸、4−ブタノン酸、4−ビニル安息香酸、アリルアルコール、ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、セルロース、カルボキシメチルセルロースビニルスルホン酸、又はこれらの塩が例示できる。
水溶性重合体Qの数平均分子量(Mn)は、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜100,000がより好ましく、3,000〜50,000がさらに好ましい。Mnが前記範囲の下限値以上であると水分散性に優れ、上限値以下であると水溶性に優れる。
水溶性重合体Qの含有量は、含フッ素重合体PFと界面活性剤の合計質量に対して100〜100,000質量ppmが好ましく、1,000〜50,000質量ppmがより好ましく、1,000〜20,000質量ppmがさらに好ましく、2,000〜10,000質量ppmが特に好ましい。前記範囲の下限値以上であると抗菌剤粒子の分散安定性に優れ、上限値以下であると撥水性に優れる。
水溶性重合体Q/抗菌剤粒子で表される、抗菌剤粒子の含有量に対する水溶性重合体Qの含有量の質量比は10/1〜1/1が好ましく、5/1〜1.5/1がより好ましく、4/1〜2/1がさらに好ましい。
水溶性重合体Q/抗菌剤粒子で表される、抗菌剤粒子の含有量に対する水溶性重合体Qの含有量の質量比は10/1〜1/1が好ましく、5/1〜1.5/1がより好ましく、4/1〜2/1がさらに好ましい。
添加剤としては、浸透剤(アセチレン基を中央に持ち左右対称の構造をした非イオン性界面活性剤や、日油社製ディスパノールシリーズ等)、消泡剤(日信化学工業社製オルフィンシリーズ、東レダウコーニング社製FSアンチフォームシリーズ等)、吸水剤、帯電防止剤(明成化学社製ディレクトールシリーズ等)、防しわ剤、風合い調整剤、造膜助剤、水溶性高分子(親水性ポリエステル及びその誘導体、親水性ポリエチレングリコール及びその誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等)、コロイダルシリカ(日産化学工業社製スノーテックス(登録商標)シリーズ、ADEKA社製アデライトシリーズ等)、pH調整剤(ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、酢酸、クエン酸等)、架橋剤、熱硬化触媒、架橋触媒、合成樹脂、繊維安定剤、非フッ素の撥水剤、含フッ素重合体PF以外のフッ素系重合体が例示できる。
抗菌撥水撥油剤組成物を用いて各種物品を処理することにより、物品に優れた抗菌性を付与できる。
抗菌撥水撥油剤組成物による処理は、物品に抗菌撥水撥油剤組成物を付着させ、乾燥させて水性媒体を除去する方法で実施できる。物品に抗菌撥水撥油剤組成物を付着させる方法は、浸漬法、塗布法、スプレー法が例示できる。
物品の材質としては、繊維(天然繊維、合成繊維、混紡繊維等)、樹脂、紙、皮革、木材、金属、石、コンクリート、石膏、ガラスが例示できる。
材質が繊維である物品としては各種繊維製品、不織布、紙が例示できる。
材質が樹脂である物品としてはフィルム、壁紙ができる。
抗菌撥水撥油剤組成物による処理は、物品に抗菌撥水撥油剤組成物を付着させ、乾燥させて水性媒体を除去する方法で実施できる。物品に抗菌撥水撥油剤組成物を付着させる方法は、浸漬法、塗布法、スプレー法が例示できる。
物品の材質としては、繊維(天然繊維、合成繊維、混紡繊維等)、樹脂、紙、皮革、木材、金属、石、コンクリート、石膏、ガラスが例示できる。
材質が繊維である物品としては各種繊維製品、不織布、紙が例示できる。
材質が樹脂である物品としてはフィルム、壁紙ができる。
抗菌撥水撥油剤組成物で処理された物品の表面には、抗菌剤粒子と含フッ素重合体PFが付着しており、含フッ素重合体PFによる撥水撥油性が発揮されて菌の付着が抑制されるとともに、抗菌剤粒子による抗菌効果が得られる。
特に抗菌撥水撥油剤組成物中での抗菌剤粒子の分散性に優れるため、抗菌剤粒子による抗菌効果を充分に、安定して発揮できる。
抗菌撥水撥油剤組成物中での抗菌剤粒子の良好な分散性が得られる理由としては、抗菌撥水撥油剤組成物中で、プラスに帯電する含フッ素重合体粒子と、抗菌剤粒子との間に、マイナスに帯電する水溶性重合体Qが介在することで、抗菌剤粒子の分散性が安定化すると考えられる。
特に抗菌撥水撥油剤組成物中での抗菌剤粒子の分散性に優れるため、抗菌剤粒子による抗菌効果を充分に、安定して発揮できる。
抗菌撥水撥油剤組成物中での抗菌剤粒子の良好な分散性が得られる理由としては、抗菌撥水撥油剤組成物中で、プラスに帯電する含フッ素重合体粒子と、抗菌剤粒子との間に、マイナスに帯電する水溶性重合体Qが介在することで、抗菌剤粒子の分散性が安定化すると考えられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、濃度の単位としての「%」は「質量%」である。
[抗菌剤粒子]
抗菌剤粒子1:ノバロン(登録商標)AG300、東亞合成社製、平均粒子径0.9μmの粉末状。
[抗菌剤粒子]
抗菌剤粒子1:ノバロン(登録商標)AG300、東亞合成社製、平均粒子径0.9μmの粉末状。
[水溶性重合体溶液]
水溶性重合体Qの水溶液として以下を用いた。
PAANa:ポリアクリル酸ナトリウム、Mn25,000、固形分濃度35%の水溶液。
CMC:カルボキシメチルセルロース、Mn20,000、固形分濃度2%の水溶液。
水溶性重合体Qの水溶液として以下を用いた。
PAANa:ポリアクリル酸ナトリウム、Mn25,000、固形分濃度35%の水溶液。
CMC:カルボキシメチルセルロース、Mn20,000、固形分濃度2%の水溶液。
[比較の水溶性重合体溶液]
PVP:ポリビニルピロリドン、Mn30,000、固形分濃度10%の水溶液。
P−204:プロノン(登録商標)204、日本油脂社製、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのブロック共重合体、ポリエチレングリコールの割合40質量%、平均分子量3330、固形分濃度10%の水溶液。
PVP:ポリビニルピロリドン、Mn30,000、固形分濃度10%の水溶液。
P−204:プロノン(登録商標)204、日本油脂社製、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのブロック共重合体、ポリエチレングリコールの割合40質量%、平均分子量3330、固形分濃度10%の水溶液。
[含フッ素重合体の原料]
(単量体a)
C6FMA:F(CF2)6CH2CH2OC(O)C(CH3)=CH2
(単量体b)
VCl:塩化ビニル。
VdCl:塩化ビニリデン。
(単量体c)
D−BP:2−イソシアナトエチルメタクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体。
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート。
(単量体d)
StA:ステアリルアクリレート。
(単量体a)
C6FMA:F(CF2)6CH2CH2OC(O)C(CH3)=CH2
(単量体b)
VCl:塩化ビニル。
VdCl:塩化ビニリデン。
(単量体c)
D−BP:2−イソシアナトエチルメタクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体。
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート。
(単量体d)
StA:ステアリルアクリレート。
(ノニオン性界面活性剤)
PEO−20:エマルゲン(登録商標)E430、花王社製、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、エチレンオキシド約26モル付加物、10%水溶液。
P−204:プロノン(登録商標)204、日本油脂社製、10%水溶液。
S−465:サーフィノール(登録商標)465。
(カチオン性界面活性剤)
TMAC:ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、10%水溶液。
AC−C:アーカード(登録商標)C、ライオン社製、10%水溶液。
PEO−20:エマルゲン(登録商標)E430、花王社製、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、エチレンオキシド約26モル付加物、10%水溶液。
P−204:プロノン(登録商標)204、日本油脂社製、10%水溶液。
S−465:サーフィノール(登録商標)465。
(カチオン性界面活性剤)
TMAC:ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、10%水溶液。
AC−C:アーカード(登録商標)C、ライオン社製、10%水溶液。
(連鎖移動剤)
nDoSH:n−ドデシルメルカプタン。
(重合開始剤)
VA−061A:製品名、和光純薬工業社製、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]酢酸塩の10%水溶液。
(媒体)
DPG:ジプロピレングリコール。
水:イオン交換水。
nDoSH:n−ドデシルメルカプタン。
(重合開始剤)
VA−061A:製品名、和光純薬工業社製、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]酢酸塩の10%水溶液。
(媒体)
DPG:ジプロピレングリコール。
水:イオン交換水。
<製造例A〜C>
表1に示す配合で含フッ素重合体水性分散体A、Bを製造した。下記製造例Cの方法で含フッ素重合体水性分散体Cを製造した。製造例A、Bは実施例、製造例Cは比較例である。
表1に示す配合で含フッ素重合体水性分散体A、Bを製造した。下記製造例Cの方法で含フッ素重合体水性分散体Cを製造した。製造例A、Bは実施例、製造例Cは比較例である。
[製造例A]
ガラス製の容器に、C6FMAの181.6g、StAの17.2g、D−BPの7.6g、HEMAの2.5g、nDoSHの0.5g、PEO−20の76.1g、TMACの22.2g、P−204の22.2g、DPGの74.6g、水の290.6gを入れ、60℃で30分間加温した後、ホモミキサー(日本精機製作所社製、バイオミキサー)を用いて混合して混合液を得た。
得られた混合液を、60℃に保ちながら高圧乳化機(APVラニエ社製、ミニラボ)を用いて、乳化圧40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化液をステンレス鋼製反応器に入れ、40℃以下となるまで冷却した。VA−061Aの19.6gを加えて、気相を窒素置換した。VClの36.5gを導入し、撹拌しながら65℃で15時間重合反応を行い、含フッ素重合体のエマルション(含フッ素重合体と界面活性剤の合計の含有量40%)を得た。イオン交換水を加えて含フッ素重合体と界面活性剤の合計の含有量を30%に調整し、含フッ素重合体水性分散体Aとした。
本例で用いた単量体の総質量に対する各単量体の割合(単量体組成、単位:質量%)、及び単量体の総質量100質量部に対する、単量体以外の成分の添加量(単位:質量部)を表1に示す(製造例Bにおいても同様)。
含フッ素重合体水性分散体A中の含フッ素重合体粒子のゼータ電位、含フッ素重合体粒子の平均粒子径、含フッ素重合体のMwを表2に示す(製造例B、Cにおいても同様)。
ガラス製の容器に、C6FMAの181.6g、StAの17.2g、D−BPの7.6g、HEMAの2.5g、nDoSHの0.5g、PEO−20の76.1g、TMACの22.2g、P−204の22.2g、DPGの74.6g、水の290.6gを入れ、60℃で30分間加温した後、ホモミキサー(日本精機製作所社製、バイオミキサー)を用いて混合して混合液を得た。
得られた混合液を、60℃に保ちながら高圧乳化機(APVラニエ社製、ミニラボ)を用いて、乳化圧40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化液をステンレス鋼製反応器に入れ、40℃以下となるまで冷却した。VA−061Aの19.6gを加えて、気相を窒素置換した。VClの36.5gを導入し、撹拌しながら65℃で15時間重合反応を行い、含フッ素重合体のエマルション(含フッ素重合体と界面活性剤の合計の含有量40%)を得た。イオン交換水を加えて含フッ素重合体と界面活性剤の合計の含有量を30%に調整し、含フッ素重合体水性分散体Aとした。
本例で用いた単量体の総質量に対する各単量体の割合(単量体組成、単位:質量%)、及び単量体の総質量100質量部に対する、単量体以外の成分の添加量(単位:質量部)を表1に示す(製造例Bにおいても同様)。
含フッ素重合体水性分散体A中の含フッ素重合体粒子のゼータ電位、含フッ素重合体粒子の平均粒子径、含フッ素重合体のMwを表2に示す(製造例B、Cにおいても同様)。
[製造例B]
ガラス製の容器に、C6FMAの184.2g、StAの15.4g、D−BPの5.1g、PEO−20の5.12g、S−465の2.56g、P−204の2.56g、TMACの2.56g、AC−Cの1.28g、水の378.9g、及びDPGの76.8gを入れ、65℃で40分間加温した後、ミキサー(SMT社製、HIGH−FLEX DISPERSER HG−92)を用いて混合し混合液を得た。
得られた混合液を、50℃に保ちながら、高圧乳化機(ゴーリン社製、LAB60)を用いて、乳化圧40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化液をステンレス製の反応容器に入れ、10℃まで冷却し、VdClの25.6gを投入し、VA−061Aの1.28gを加えて、気相を窒素置換した。VClを吹き込み、60℃で10時間の重合反応を行い、含フッ素重合体のエマルション(含フッ素重合体と界面活性剤の合計の含有量35%)を得た。イオン交換水を加えて含フッ素重合体と界面活性剤の合計の含有量を30%に調整し、含フッ素重合体水性分散体Bとした。VClは合計で25.6g吹き込んだ。
ガラス製の容器に、C6FMAの184.2g、StAの15.4g、D−BPの5.1g、PEO−20の5.12g、S−465の2.56g、P−204の2.56g、TMACの2.56g、AC−Cの1.28g、水の378.9g、及びDPGの76.8gを入れ、65℃で40分間加温した後、ミキサー(SMT社製、HIGH−FLEX DISPERSER HG−92)を用いて混合し混合液を得た。
得られた混合液を、50℃に保ちながら、高圧乳化機(ゴーリン社製、LAB60)を用いて、乳化圧40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化液をステンレス製の反応容器に入れ、10℃まで冷却し、VdClの25.6gを投入し、VA−061Aの1.28gを加えて、気相を窒素置換した。VClを吹き込み、60℃で10時間の重合反応を行い、含フッ素重合体のエマルション(含フッ素重合体と界面活性剤の合計の含有量35%)を得た。イオン交換水を加えて含フッ素重合体と界面活性剤の合計の含有量を30%に調整し、含フッ素重合体水性分散体Bとした。VClは合計で25.6g吹き込んだ。
[製造例C]
内容積200mlのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ中に、エチルビニルエーテル(EVE)16.4g、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)16.6g、親水性マクロモノマー(EOVE)3.8g、水酸基含有単量体(HCVE)15.5g、イオン交換水105g、炭酸カリウム(K2CO3)0.22g、亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)0.02g、過硫酸アンモニウム(APS)0.07g、ノニオン性界面活性剤(Newcol−1110(製品名)、日本乳化剤社製)3.1g、アニオン性界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)0.1gを仕込み、氷で冷却して、窒素ガスを3.5kg/cm2になるよう加圧し脱気した。この加圧脱気を2回繰り返した後10mmHgまで脱気して溶存空気を除去した後、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)52.7gを仕込み、30℃で12時間反応を行った。反応後、200メッシュのナイロン布で水性分散液を濾過して凝集物を除去し、含フッ素重合体水性分散体Cとした。
なお単量体の構造は次の通りである。
EOVE:CH2=CHOCH2−cycloC6H10−CH2O(CH2CH2O)nH(平均分子量830)。
HCVE:CH2=CHOCH2−cycloC6H10−CH2OH。
内容積200mlのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ中に、エチルビニルエーテル(EVE)16.4g、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)16.6g、親水性マクロモノマー(EOVE)3.8g、水酸基含有単量体(HCVE)15.5g、イオン交換水105g、炭酸カリウム(K2CO3)0.22g、亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)0.02g、過硫酸アンモニウム(APS)0.07g、ノニオン性界面活性剤(Newcol−1110(製品名)、日本乳化剤社製)3.1g、アニオン性界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)0.1gを仕込み、氷で冷却して、窒素ガスを3.5kg/cm2になるよう加圧し脱気した。この加圧脱気を2回繰り返した後10mmHgまで脱気して溶存空気を除去した後、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)52.7gを仕込み、30℃で12時間反応を行った。反応後、200メッシュのナイロン布で水性分散液を濾過して凝集物を除去し、含フッ素重合体水性分散体Cとした。
なお単量体の構造は次の通りである。
EOVE:CH2=CHOCH2−cycloC6H10−CH2O(CH2CH2O)nH(平均分子量830)。
HCVE:CH2=CHOCH2−cycloC6H10−CH2OH。
<製造例1〜8>
表3に示す配合で、抗菌剤粒子と水溶性重合体溶液と水とを、下記の撹拌条件で混合して、抗菌剤分散液1〜8を製造した。製造例1〜5は実施例、製造例6〜8は比較例である。
撹拌終了の直後及び3時間静置後の混合液を目視で観察し、下記の基準で分散安定性を評価した。結果を表3に示す。
(撹拌条件)
被撹拌物をスクリュー管(日電理化社製、品番:SV50)に入れ、ミックスローター(アズワン社製)にて、100rpmで1時間回転させて攪拌した。
(分散安定性の評価基準)
〇:撹拌終了直後に沈殿は無く、3時間静置後にも沈殿が無い。
△:撹拌終了直後に沈殿は無いが、3時間静置後に沈殿がある。
×:撹拌終了直後に沈殿がある。
表3に示す配合で、抗菌剤粒子と水溶性重合体溶液と水とを、下記の撹拌条件で混合して、抗菌剤分散液1〜8を製造した。製造例1〜5は実施例、製造例6〜8は比較例である。
撹拌終了の直後及び3時間静置後の混合液を目視で観察し、下記の基準で分散安定性を評価した。結果を表3に示す。
(撹拌条件)
被撹拌物をスクリュー管(日電理化社製、品番:SV50)に入れ、ミックスローター(アズワン社製)にて、100rpmで1時間回転させて攪拌した。
(分散安定性の評価基準)
〇:撹拌終了直後に沈殿は無く、3時間静置後にも沈殿が無い。
△:撹拌終了直後に沈殿は無いが、3時間静置後に沈殿がある。
×:撹拌終了直後に沈殿がある。
<例1〜10>
前記製造例で得た含フッ素重合体水性分散体A〜C、抗菌剤分散液1、4、6、7を用い、表4に示す配合で、抗菌撥水撥油剤組成物を製造した。例1〜4、7は実施例、例5、6、8〜10は比較例である。
例1〜8では、含フッ素重合体水性分散体、抗菌剤分散液、及び水を混合して、抗菌撥水撥油剤組成物を得た。
例9では、抗菌剤分散液を用いず、フッ素重合体水性分散体と水を混合した。
例10では、含フッ素重合体水性分散体、粉末状の抗菌剤粒子、及び水を混合した。
前記製造例で得た含フッ素重合体水性分散体A〜C、抗菌剤分散液1、4、6、7を用い、表4に示す配合で、抗菌撥水撥油剤組成物を製造した。例1〜4、7は実施例、例5、6、8〜10は比較例である。
例1〜8では、含フッ素重合体水性分散体、抗菌剤分散液、及び水を混合して、抗菌撥水撥油剤組成物を得た。
例9では、抗菌剤分散液を用いず、フッ素重合体水性分散体と水を混合した。
例10では、含フッ素重合体水性分散体、粉末状の抗菌剤粒子、及び水を混合した。
下記の撹拌条件で混合し、撹拌終了の直後及び3時間静置後の混合液を目視で観察し、下記の基準で分散安定性を評価した。結果を表4に示す。
(撹拌条件)
被撹拌物をスクリュー管(日電理化社製、品番:SV50)に入れ、ミックスローター(アズワン社製)にて、100rpmで1時間回転させて攪拌した。
(分散安定性の評価基準)
〇:撹拌終了直後に沈殿は無く、3時間静置後にも沈殿が無い。
△:撹拌終了直後に沈殿は無いが、3時間静置後に沈殿がある。
×:撹拌終了直後に沈殿がある。
(撹拌条件)
被撹拌物をスクリュー管(日電理化社製、品番:SV50)に入れ、ミックスローター(アズワン社製)にて、100rpmで1時間回転させて攪拌した。
(分散安定性の評価基準)
〇:撹拌終了直後に沈殿は無く、3時間静置後にも沈殿が無い。
△:撹拌終了直後に沈殿は無いが、3時間静置後に沈殿がある。
×:撹拌終了直後に沈殿がある。
各例の抗菌撥水撥油剤組成物に、染色済みナイロン布、又はPET布をそれぞれ浸漬してウェットピックアップが42質量%となるように絞った。110℃で90秒間乾燥した後、170℃で60秒間乾燥したものを試験布とした。試験布について、下記の方法で撥水性(風乾後撥水性)、撥油性、抗菌性を評価した。結果を表4に示す。
なお、分散安定性の評価が×であった場合は、撥水性、撥油性、抗菌性の評価は行わない。
なお、分散安定性の評価が×であった場合は、撥水性、撥油性、抗菌性の評価は行わない。
(撥油性の評価方法)
前記試験布について、AATCC−TM118−1966の試験方法にしたがって撥油性を評価した。撥油性は、表5に示す等級で表した。等級に+(−)を記したものは、それぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。
前記試験布について、AATCC−TM118−1966の試験方法にしたがって撥油性を評価した。撥油性は、表5に示す等級で表した。等級に+(−)を記したものは、それぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。
(撥水性の評価方法)
前記試験布について、JIS L1092−1992のスプレー試験にしたがって撥水性を評価した。撥水性は、1〜5の5段階の等級で表した。点数が大きいほど撥水性が良好であることを示す。3等級以上であるものを撥水性が発現しているものとみなす。等級に+(−)を記したものは、当該等級の標準的なものと比べてそれぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。
前記試験布について、JIS L1092−1992のスプレー試験にしたがって撥水性を評価した。撥水性は、1〜5の5段階の等級で表した。点数が大きいほど撥水性が良好であることを示す。3等級以上であるものを撥水性が発現しているものとみなす。等級に+(−)を記したものは、当該等級の標準的なものと比べてそれぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。
(抗菌性の評価方法)
前記試験布(染色済みナイロン布)、及び抗菌撥水撥油剤組成物を浸漬しない未処理布についてJISZ2801に準拠した形で抗菌性を評価した。
大腸菌を普通寒天プレートに接種し、36℃で一晩静置培養した。これを新しい普通寒天プレートに菌を植え継ぎ、さらに一晩培養した。培養された菌のループ1μL分の菌体を500μLの1/500のNB培地に懸濁して菌液とした。菌液100μLを生理食塩水で10倍希釈して、OD600値を測定した。検量線から菌濃度を算出し、1/500のNB培地培地で菌体濃度2×106/mL程度に濃度調整した。
35mm×35mmに裁断した試験布(染色済みナイロン布)及び未処理布を、70%エタノールで除菌し乾燥させた後、クリーンベンチ内で1/500のNB培地に5時間浸漬させてプレウェット試験片とした。プレウェット試験片を滅菌シャーレに置き、濃度調整した菌液200μLをプレウェット試験片に乗せた。その上に、40mm×40mmに裁断して減菌したPETフィルムを被せた。シャーレに蓋をして、36℃、24時間、湿度90%RH超で培養した。培養後、生理食塩水10mLで試験片から菌体を洗い出した。生理食塩水で10倍希釈系列を3〜4点(10倍、100倍、1000倍、10000倍)調製し、各1mLを調整済み培地(サニタくん)に播種した。コロニーが出現するまで36℃、24時間で培養した。出現したコロニーをカウントし、未処理布と試験布のコロニー数から、下式により抗菌活性値Rを算出した。LOG10は常用対数を表す。
R=LOG10(未処理布のコロニー数)−LOG10(試験布のコロニー数)
Rが2以上(死滅率99%以上)であれば充分な抗菌性を有すると評価できる。Rが3以上(死滅率99.9%以上)であると抗菌性に優れる。
前記試験布(染色済みナイロン布)、及び抗菌撥水撥油剤組成物を浸漬しない未処理布についてJISZ2801に準拠した形で抗菌性を評価した。
大腸菌を普通寒天プレートに接種し、36℃で一晩静置培養した。これを新しい普通寒天プレートに菌を植え継ぎ、さらに一晩培養した。培養された菌のループ1μL分の菌体を500μLの1/500のNB培地に懸濁して菌液とした。菌液100μLを生理食塩水で10倍希釈して、OD600値を測定した。検量線から菌濃度を算出し、1/500のNB培地培地で菌体濃度2×106/mL程度に濃度調整した。
35mm×35mmに裁断した試験布(染色済みナイロン布)及び未処理布を、70%エタノールで除菌し乾燥させた後、クリーンベンチ内で1/500のNB培地に5時間浸漬させてプレウェット試験片とした。プレウェット試験片を滅菌シャーレに置き、濃度調整した菌液200μLをプレウェット試験片に乗せた。その上に、40mm×40mmに裁断して減菌したPETフィルムを被せた。シャーレに蓋をして、36℃、24時間、湿度90%RH超で培養した。培養後、生理食塩水10mLで試験片から菌体を洗い出した。生理食塩水で10倍希釈系列を3〜4点(10倍、100倍、1000倍、10000倍)調製し、各1mLを調整済み培地(サニタくん)に播種した。コロニーが出現するまで36℃、24時間で培養した。出現したコロニーをカウントし、未処理布と試験布のコロニー数から、下式により抗菌活性値Rを算出した。LOG10は常用対数を表す。
R=LOG10(未処理布のコロニー数)−LOG10(試験布のコロニー数)
Rが2以上(死滅率99%以上)であれば充分な抗菌性を有すると評価できる。Rが3以上(死滅率99.9%以上)であると抗菌性に優れる。
表3の結果に示されるように、アニオン性官能基を有する水溶性重合体を添加することにより、水中における抗菌剤粒子の分散安定性を向上できる。
表4の結果に示されるように、含フッ素重合体PFを含むカチオン性の水性分散体と、アニオン性官能基を有する水溶性重合体と、抗菌剤粒子とを組み合わせることにより、抗菌剤粒子の分散安定性に優れた抗菌撥水撥油剤組成物が得られる。
表4の結果に示されるように、含フッ素重合体PFを含むカチオン性の水性分散体と、アニオン性官能基を有する水溶性重合体と、抗菌剤粒子とを組み合わせることにより、抗菌剤粒子の分散安定性に優れた抗菌撥水撥油剤組成物が得られる。
Claims (13)
- フルオロアルキル基を有する含フッ素重合体、界面活性剤及び水性媒体を含み、前記含フッ素重合体を含む粒子のゼータ電位が2〜100mVである含フッ素重合体水性分散体と、
銀、銅又は亜鉛が無機担体に担持された抗菌剤粒子と、
アニオン性官能基を有する水溶性重合体とを混合する、抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。 - 前記抗菌剤粒子、前記水溶性重合体及び水を含む抗菌剤分散液と、前記含フッ素重合体水性分散体とを混合する、請求項1に記載の抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
- 前記含フッ素重合体を、カチオン性重合開始剤を用いて重合して得る、請求項1又は2に記載の抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
- 前記含フッ素重合体を含む粒子が、カチオン性界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
- 前記無機担体が、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸塩ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、粘土鉱物、酸化マグネシウム、又はアルミナである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
- 前記アニオン性官能基が、−OH、−COOH、−PO3H、及び−SO3Hからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抗菌撥水撥油剤組成物の製造方法。
- フルオロアルキル基を有する含フッ素重合体と、界面活性剤と、銀、銅又は亜鉛が無機担体に担持された抗菌剤粒子と、アニオン性官能基を有する水溶性重合体と、水性媒体とを含む分散体であって、
前記含フッ素重合体を含む粒子のゼータ電位が2〜100mVである、抗菌撥水撥油剤組成物。 - 前記含フッ素重合体を含む粒子が、前記含フッ素重合体及びカチオン性界面活性剤を含む粒子、又はカチオン性重合開始剤に由来する末端基を有する含フッ素重合体及びノニオン性界面活性剤を含む粒子である、請求項7に記載の抗菌撥水撥油剤組成物。
- 前記無機担体が、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸塩ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、粘土鉱物、酸化マグネシウム、又はアルミナである、請求項7又は8に記載の抗菌撥水撥油剤組成物。
- 前記アニオン性官能基が、−OH、−COOH、−PO3H、及び−SO3Hからなる群から選ばれる1種以上である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の抗菌撥水撥油剤組成物。
- 前記抗菌剤粒子の含有量が、前記含フッ素重合体と界面活性剤の合計質量に対して500〜10,000質量ppmである、請求項7〜10のいずれか一項に記載の抗菌撥水撥油剤組成物。
- 前記水溶性重合体の含有量が、前記含フッ素重合体と界面活性剤の合計質量に対して1,000〜20,000質量ppmである、請求項7〜11のいずれか一項に記載の抗菌撥水撥油剤組成物。
- 請求項7〜12のいずれか一項に記載の抗菌撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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RU2750005C1 (ru) * | 2020-11-23 | 2021-06-21 | Общество с ограниченной ответственностью "Чайковская текстильная компания" (ООО "Чайковская текстильная компания") | Способ изготовления антибактериальной ткани с масло-, водо-, грязеотталкивающими свойствами |
WO2023027090A1 (ja) | 2021-08-26 | 2023-03-02 | キリンホールディングス株式会社 | カチオン性ポリマーを含有する抗菌粒子 |
-
2018
- 2018-02-14 JP JP2018024203A patent/JP2019137811A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2750005C1 (ru) * | 2020-11-23 | 2021-06-21 | Общество с ограниченной ответственностью "Чайковская текстильная компания" (ООО "Чайковская текстильная компания") | Способ изготовления антибактериальной ткани с масло-, водо-, грязеотталкивающими свойствами |
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