JP2014096872A - 結合共振器型の無線電力伝送システム、及び結合共振器型の無線電力伝送システムに用いる受電側共振器 - Google Patents

結合共振器型の無線電力伝送システム、及び結合共振器型の無線電力伝送システムに用いる受電側共振器 Download PDF

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Abstract

【課題】送電側共振器と受電側共振器との間の誘電体の影響が少なく、電力の伝送効率の低下を抑制できる結合共振器型の無線電力伝送システムを提供する。
【解決手段】この結合共振器型の無線電力伝送システムは、近接して配置された第1のコイル21及び第2のコイル22と、コンデンサ23と、を有して構成され、第1のコイル21の両端のうちの一つと第2のコイル22の両端のうちの一つがコンデンサ23を介して、第1のコイル21の両端のうちの他の一つと第2のコイル22の両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ接続される一の送電側共振器2と、この一の送電側共振器2の励振を制御する制御器4と、一の送電側共振器2の両コイル21、22の外方に配置されて、一の送電側共振器2から伝送される電力を受電する受電側共振器と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、非放射電磁界による共振器間結合を用いて無線で電力伝送を行う結合共振器型の無線電力伝送システム、及び結合共振器型の無線電力伝送システムに用いる受電側共振器、に関する。
近年、結合共振器型の無線電力伝送システムは、送電側共振器から受電側共振器に、ある程度の距離があっても高効率の電力伝送が可能であるため、非常に注目されている。
結合共振器型の無線電力伝送システムに関しては、これまでに種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、送信側と受信側のいずれにも設けられたループ状の導体などの共振器に共振を起こさせて電力伝送を行う無線電力伝送システムの基本的な構成が記載されている。特許文献2には、送電側共振器のコイルと受電側共振器のコイルに共振を起こさせて電力伝送を行う無線電力伝送システムにおいて、送電側共振器と受電側共振器との間の距離を検出し、それに基づいて共振周波数を変更するものが記載されている。
特表2009−501510号公報 特開2010−239769号公報
ところで、送電側共振器と受電側共振器との間には、通常、物や人などが存在する。物や人などはほぼ誘電体として振る舞い、送電側共振器と受電側共振器との間の空間の特性(電磁気的な特性)はその誘電体の影響を受ける。そして、その誘電体或いは受電側共振器が動くと、誘電体の有無又は位置の変化により、或いは、受電側共振器の位置の変化により、送電側共振器と受電側共振器との間の空間の特性は時間的に変化する。その変化により、送電側共振器と受電側共振器の共振周波数がそれぞれ変化し、伝送効率が低下し易くなる。
しかしながら、特許文献1、2を含め従来から提案されている結合共振器型の無線電力伝送システムは、送電側共振器と受電側共振器との間の誘電体の影響が考慮されていないことが多い。
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、送電側共振器と受電側共振器との間の誘電体の影響が少なく、電力の伝送効率の低下を抑制できる結合共振器型の無線電力伝送システム及び結合共振器型の無線電力伝送システムに用いる受電側共振器を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムは、近接して配置された第1のコイル及び第2のコイルと、コンデンサと、を有して構成され、第1のコイルの両端のうちの一つと第2のコイルの両端のうちの一つが前記コンデンサを介して、第1のコイルの両端のうちの他の一つと第2のコイルの両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ接続される少なくとも1個の送電側共振器と、該少なくとも1個の送電側共振器の内の一の送電側共振器の励振を制御する制御器と、前記一の送電側共振器の前記両コイルの外方に配置されて、前記一の送電側共振器から伝送される電力を受電する受電側共振器と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムは、請求項1に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムにおいて、前記少なくとも1個の送電側共振器は、前記一の送電側共振器とは別の他の送電側共振器を含んでおり、該他の送電側共振器は、近接して配置された第1のコイル及び第2のコイルと、コンデンサと、を有して構成され、第1のコイルの両端のうちの一つと第2のコイルの両端のうちの一つが前記コンデンサを介して、第1のコイルの両端のうちの他の一つと第2のコイルの両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ接続されており、前記受電側共振器は、前記一の送電側共振器と前記他の送電側共振器の間に配置されて、前記他の送電側共振器から伝送される電力をも受電することを特徴とする。
請求項3に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムは、請求項1又は2に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムにおいて、前記受電側共振器は、近接して配置された第1のコイル及び第2のコイルと、コンデンサと、を有して構成され、第1のコイルの両端のうちの一つと第2のコイルの両端のうちの一つが前記コンデンサを介して、第1のコイルの両端のうちの他の一つと第2のコイルの両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ接続されていることを特徴とする。
請求項4に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムにおいて、前記第1のコイルと前記第2のコイルは、スパイラルコイルであることを特徴とする。
請求項5に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムに用いる受電側共振器は、近接して配置された第1のコイル及び第2のコイルと、コンデンサと、を有して構成され、第1のコイルの両端のうちの一つと第2のコイルの両端のうちの一つが前記コンデンサを介して、第1のコイルの両端のうちの他の一つと第2のコイルの両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ接続されていることを特徴とする。
請求項6に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムに用いる受電側共振器は、請求項5に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムに用いる受電側共振器において、前記第1のコイルと前記第2のコイルは、スパイラルコイルであることを特徴とする。
本発明に係る結合共振器型の無線電力伝送システムによれば、送電側共振器の両コイルの外方の電界強度を小さくすることができるので、送電側共振器と受電側共振器との間の誘電体の影響が少なく、電力の伝送効率の低下の抑制が可能になる。また、本発明に係る結合共振器型の無線電力伝送システムに用いる受電側共振器によれば、受電側共振器から生じる受電側共振器の外方の電界強度を小さくすることができるので、受電側共振器の周囲の誘電体の影響が少なく、電力の伝送効率の低下の抑制が可能になる。
本発明の実施形態に係る結合共振器型の無線電力伝送システムの構成のブロック図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの一の送電側共振器を示すもので、(a)は一の送電側共振器及び制御器の配線図、(b)は一の送電側共振器を構成するコイルの概略正面図、(c)は2個のコイルの概略側面図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの一の送電側共振器の配線の変形例の2つの場合を示す配線図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの他の送電側共振器を示すもので、(a)は他の送電側共振器の配線図、(b)は他の送電側共振器を構成するコイルの概略正面図、(c)は2個のコイルの概略側面図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの一の送電側共振器と制御器の配線の変形例を示す配線図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの受電側共振器を拡大して示すもので、(a)は受電側共振器及び負荷回路の配線図、(b)は受電側共振器を構成するコイルの概略正面図、(c)は2個のコイルの概略側面図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの受電側共振器と負荷回路の配線の変形例を示す配線図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの奇モードの電界分布と磁界分布を示すもので、(a)は電界分布、(b)は磁界分布、の簡略波形図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの送電側共振器のコイル巻き数に対するインダクタンス値と容量値の変化を示す特性図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの一の送電側共振器と他の送電側共振器の間の電界強度と磁界強度を示すもので、(a)は電界強度、(b)は磁界強度、の特性図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの一の送電側共振器と他の送電側共振器の間の電界強度を示すもう1つの特性図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの共振周波数シフト量のシミュレーション及び実験の構成を示す模式図である。 図12の構成を用いたシミュレーションの結果を示す特性図である。 図12の構成を用いた実際のサンプルによる実験の結果を示す特性図である。 図12の構成を用いた実際のサンプルによる実験の結果を示す別の特性図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの受電側共振器の実験の構成を示す模式図である。 図16の構成を用いた実際のサンプルによる実験の結果を示す特性図である。 図16の構成を用いた実際のサンプルによる実験の結果を示す別の特性図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システム全体の実験の構成を示す模式図である。 図19の構成を用いた実際のサンプルによる実験の結果を示す特性図である。 同上の結合共振器型の無線電力伝送システムの変形例を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る結合共振器型の無線電力伝送システム1は、図1に示すように、2個の送電側共振器、すなわち一の送電側共振器2及び他の送電側共振器3と、制御器4と、1個の受電側共振器5と、負荷回路6と、を備えている。
一の送電側共振器2は、図2(a)に示すように、近接して配置された2個のコイル(第1のコイル21及び第2のコイル22)とコンデンサ23とを有して構成されている。両コイル21、22は、同じ向きの磁界が生じるように配置される。両コイル21、22は、実質的に同じ巻き数で同じ大きさのものを用いればよいが、巻き数又は大きさが違っていても構わない。また、両コイル21、22は、図2(b)に示すように、電気導線が平面的でスパイラル状に巻かれて形成されるコイル、すなわちスパイラルコイルとすることができる。その場合、両コイル21、22は、図2(c)に示すように、所定距離Aだけ離して互いに略平行に配置され、スパイラルの中心軸(z軸)が略一致するように配置される。
第1のコイル21及び第2のコイル22の接続については、第1のコイル21の両端のうちの一つと第2のコイル22の両端のうちの一つがコンデンサ23を介して、第1のコイル21の両端のうちの他の一つと第2のコイル22の両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ電気的に接続されるようにする。より詳細には、図2(a)に示すように、第1のコイル21と第2のコイル22の電気導線が巻かれる向きを同じにして、第1のコイル21の一端21aと第2のコイル22の他端22bがコンデンサ23を介して、第1のコイル21の他端21bと第2のコイル22の一端22aがコンデンサを介さずに、それぞれ接続される。或いは、図3(a)に示すように、第1のコイル21の一端21aと第2のコイル22の他端22bがコンデンサを介さずに、第1のコイル21の他端21bと第2のコイル22の一端22aがコンデンサ23を介して、それぞれ接続されるようにすることも可能である。また、或いは、図3(b)に示すように、第1のコイル21と第2のコイル22の電気導線が巻かれる向きを逆にして、第1のコイル21の一端21aと第2のコイル22の一端22aがコンデンサ23を介して、第1のコイル21の他端21bと第2のコイル22の他端22bがコンデンサを介さずに、それぞれ接続されるようにすることも可能である。また、或いは、図示しないが、第1のコイル21及び第2のコイル22のその他の接続方法も可能である。
他の送電側共振器3も、一の送電側共振器2と同様の構成である。すなわち、他の送電側共振器3は、図4(a)に示すように、近接して配置された2個のコイル(第1のコイル31及び第2のコイル32)とコンデンサ33とを有して構成されている。両コイル31、32は、同じ向きの磁界が生じるように配置される。両コイル31、32は、実質的に同じ巻き数で同じ大きさのものを用いればよい。また、両コイル31、32は、図4(b)に示すように、スパイラルコイルとすることができる。その場合、両コイル31、32は、図4(c)に示すように、所定距離A’だけ離して互いに略平行に配置され、スパイラルの中心軸(z軸)が略一致するように配置される。第1のコイル31及び第2のコイル32の接続については、第1のコイル31の両端のうちの一つと第2のコイル32の両端のうちの一つがコンデンサ33を介して、第1のコイル31の両端のうちの他の一つと第2のコイル32の両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ電気的に接続されるようにする。第1のコイル31及び第2のコイル32の具体的な接続方法については、上記の一の送電側共振器2の第1のコイル21及び第2のコイル22の場合と同様な複数の接続方法が可能である。
一の送電側共振器2と他の送電側共振器3は、それらの中心軸が略一致するように、所定の距離Bだけ離して、対向して配置されている。
制御器4は、一の送電側共振器2の励振を制御するものである。制御器4は、詳細には、図1及び図2(a)に示すように、高周波電源41と結合ループ42を有して構成される。高周波電源41は、インピーダンスの整合を行う結合ループ42を介して一の送電側共振器2を励振する。つまり、高周波電源41はその出力信号を結合ループ42に出力し、結合ループ42は一の送電側共振器2に電磁界結合している。結合ループ42は、他の公知のインピーダンス整合手段で置き換えることも可能である。また、図5に示すように、一の送電側共振器2の回路に高周波電源41の出力端子を電気的に直結し、両コイル21、22の巻き数やコンデンサ23の容量値などを調整してインピーダンス整合を行うことで、結合ループ42などのインピーダンス整合手段を省略できる場合もある。
他の送電側共振器3は、制御器4又は他の制御器によって励振されることはなく、後述するように一の送電側共振器2が発生する電磁界を受けてそれによって励振される。
受電側共振器5は、2個の送電側共振器2、3よりも通常は小型であるが、2個の送電側共振器2、3と同様の構成である。すなわち、受電側共振器5は、図6(a)に示すように、近接して配置された2個のコイル(第1のコイル51及び第2のコイル52)とコンデンサ53とを有して構成されている。両コイル51、52は、同じ向きの磁界が生じるように配置される。両コイル51、52は、実質的に同じ巻き数で同じ大きさのものを用いればよい。また、両コイル51、52は、図6(b)に示すように、スパイラルコイルとすることができる。その場合、両コイル51、52は、図6(c)に示すように、所定距離A’’だけ離して互いに略平行に配置され、スパイラルの中心軸が略一致するように配置される。第1のコイル51及び第2のコイル52の接続については、第1のコイル51の両端のうちの一つと第2のコイル52の両端のうちの一つがコンデンサ23を介して、第1のコイル51の両端のうちの他の一つと第2のコイル52の両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ電気的に接続されるようにする。第1のコイル51及び第2のコイル52の具体的な接続方法については、上記の一の送電側共振器2の第1のコイル21及び第2のコイル22の場合と同様な複数の接続方法が可能である。
受電側共振器5は、一の送電側共振器2の両コイル21、22の外方及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の外方で、送電側共振器2と送電側共振器3の間に配置されて、送電側共振器2及び送電側共振器3から伝送される電力を受電するものである。受電側共振器5と一の送電側共振器2の間の距離及び受電側共振器5と他の送電側共振器3の間の距離は、一の送電側共振器2の両コイル21、22の間の距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の間の距離A’、及び受電側共振器5の両コイル51、52の間の距離A’’)よりも、非常に大きい。受電側共振器5は、移動可能なものとすることができる。
受電側共振器5には、負荷回路6が結合している。負荷回路6は、詳細には、結合ループ61と、負荷62と、を有して構成されている。結合ループ61は、受電側共振器3に電磁界結合しており、インピーダンスの整合を行う。後述するように一の送電側共振器2と他の送電側共振器3から受電側共振器5に伝送された電力は、結合ループ61を介して、負荷62に供給される。負荷62は、通信分野における携帯機器の充電回路や医療分野における体内の自走式マイクロカプセルの電源回路など、機器の所要の機能のための回路である。なお、結合ループ61は、他の公知のインピーダンス整合手段で置き換えることも可能である。また、図7に示すように、受電側共振器2の回路に負荷62の入力端子を電気的に直結し、両コイル51、52の巻き数やコンデンサ53の容量値などを調整してインピーダンス整合を行うことで、結合ループ61などのインピーダンス整合手段を省略できる場合もある。
このような構成の結合共振器型の無線電力伝送システム1では、制御器4によって励振された一の送電側共振器2は、周囲の領域(特に中心軸の方向)に電磁界(非放射電磁界)を発生させる。そうすると、他の送電側共振器3は、一の送電側共振器2が発生する電磁界に結合して励振される。そして、他の送電側共振器3も周囲の領域(特に中心軸の方向)に電磁界を発生させる。それにより、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間に分布する電磁界は、一の送電側共振器2が発生する電磁界と他の送電側共振器3が発生する電磁界が合成されたものとなる。
一の送電側共振器2と他の送電側共振器3のように複数の共振器によって分布する電磁界は、複数の共振モードを有するものになり、それらの共振モードそれぞれに対応する周波数が少しだけ異なる複数の共振周波数が発生する。一の送電側共振器2と他の送電側共振器3によって分布する電磁界は、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の電界が逆相で共振する奇モードと同相で共振する偶モードを有する。奇モードの共振周波数は、偶モードの共振周波数よりも低い周波数である。
奇モードの電界分布E1は、近似的には、一の送電側共振器2単体からの電界分布E2と他の送電側共振器3単体からの電界分布E3の和となり、そして、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の電界が逆相であるので、図8(a)に示すように、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の中央では0となり半分の領域で正値、もう半分の領域で負値となる。奇モードの磁界分布H1は、近似的には、一の送電側共振器2単体からの磁界分布H2と他の送電側共振器3からの磁界分布H3の和となり、そして、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の磁界が同相であるので、図8(b)に示すように、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の中央では若干強度が下がるが、一の送電側共振器2から他の送電側共振器3にかけて変化が少ないものとなる。
また、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間に配置される受電側共振器5は、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3によって分布する電磁界に結合して共振し、それによって一の送電側共振器2と他の送電側共振器3から電力伝送が行われる。この電磁界による共振器間結合に主に影響を与えるのは磁界である。
従って、奇モードを用いて結合共振器型の無線電力伝送システム1を構成すると、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間で場所による依存性が少なく、しかも低い周波数で電力伝送が可能になる。
次に、2個のコイル21、22を互いに近接配置して一の送電側共振器2を構成し、2個のコイル31、32を互いに近接配置して他の送電側共振器3を構成したことによる電界の閉じ込めの効果について説明する。
一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間のいずれかの箇所に誘電体が存在すると、磁界よりも電界の方が影響を受けやすい。電界が影響を受けると、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の共振周波数がシフトし、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3から受電側共振器5への電力の伝送効率が低下することになる。
一の送電側共振器2の近接配置した第1のコイル21と第2のコイル22の間は、容量結合によって電界強度が大きく、そのため、両コイル21、22の外方は電界強度が小さくなる。両コイル21、22の外方の磁界強度は、両コイル21、22の合わせた巻き数の単一のコイルの場合と余り変わらない。他の送電側共振器3についても同様である。このように、一の送電側共振器2及び他の送電側共振器3の内部で、電界の閉じ込めが生じる。
従って、両コイル21、22の外方及び両コイル31、32の外方の一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間の電界強度は小さくなっているので、受電側共振器5と一の送電側共振器2の間或いは受電側共振器5と他の送電側共振器3の間に誘電体が存在してもその影響が少なく、一の送電側共振器2及び他の送電側共振器3の共振周波数がシフトして一の送電側共振器2と他の送電側共振器3から受電側共振器5への電力の伝送効率が低下すること、を抑制することができる。
次に、第1のコイル51及び第2のコイル52を互いに近接配置して受電側共振器5を構成したことによる電界の閉じ込めの効果について説明する。
受電側共振器5は、その周囲に誘電体が存在すると、磁界よりも電界の方が影響を受けやすい。電界が影響を受けると、受電側共振器5の共振周波数がシフトし、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3から受電側共振器5への電力の伝送効率が低下することになる。
受電側共振器5が共振するとき、受電側共振器5の近接配置した第1のコイル51と第2のコイル52の間は、容量結合によって電界強度が大きく、そのため、両コイル51、52の外方は受電側共振器5によって生じる電界の強度が小さくなる。両コイル51、52の外方の受電側共振器5によって生じる磁界の強度は、両コイル21、22の合わせた巻き数の単一のコイルの場合と余り変わらない。このように、受電側共振器5の内部で、電界の閉じ込めが生じる。
従って、受電側共振器5の両コイル51、52の外方の受電側共振器5によって生じる電界強度は小さくなっているので、受電側共振器5と一の送電側共振器2の間或いは受電側共振器5と他の送電側共振器3の間に誘電体が存在したとしても受電側共振器5の周囲の誘電体の影響が少なく、受電側共振器5の共振周波数がシフトして一の送電側共振器2と他の送電側共振器3から受電側共振器5への電力の伝送効率が低下すること、を抑制することができる。
次に、本願発明者が行った一の送電側共振器2と他の送電側共振器3についてのシミュレーションと実際のサンプルを用いた実験について述べる。
一の送電側共振器2の励振は、1Wの電力を入力し、第1のコイル21及び第2のコイル22の巻き数によらずその反射係数S11がいつも−1dBになるよう結合ループ42の配置等を調整し、同じ量の電力が一の送電側共振器2に伝わるようにした。一の送電側共振器の両コイル21、22と他の送電側共振器3の両コイル31、32は、直径を30cmとした。また、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間の距離Bは20cmとした。一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の中心軸をZ軸とし、それらの中心の位置を座標値0とした。共振は前述した奇モードを用い、共振周波数は1MHzとした。また、一の送電側共振器2の両コイル21、22と他の送電側共振器3の両コイル31、32の巻き数を変化させたときは、それらのインダクタンス値が図9の曲線aに示すように変わるので、共振周波数を合わせるために、コンデンサ23とコンデンサ33の容量値を図9の曲線bに示すように変化させた。
シミュレーションによる一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間の中心軸(z軸)上の電界強度を図10(a)に、磁界強度を図10(b)にそれぞれ示す。シミュレーションソフトは、WIPL−Dを使用した。図10(a)に示す電界強度は絶対値表示であり、負値は正値に変更されている。後述する電界強度を示す全ての図においても同様の表示を行う。図10(a)の曲線c1と図10(b)の曲線e1は、一の送電側共振器2の両コイル21、22の総巻き数と他の送電側共振器3の両コイル31、32の総巻き数が15回のものの特性を示している。図10(a)の曲線c2と図10(b)の曲線e2は、一の送電側共振器2の両コイル21、22の総巻き数と他の送電側共振器3の両コイル31、32の総巻き数が25回のものの特性を示している。このとき、一の送電側共振器2の2個の両コイル21、22の互いの距離Aと他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’を2mmとしている。図10(a)の曲線d1、d2と図10(b)の曲線f1、f2は、比較例であり、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3がそれぞれ単一のコイルで構成されたものの特性を示している。曲線d1と曲線f1は、一の送電側共振器2の単一のコイルの巻き数と他の送電側共振器3の単一のコイルの巻き数が15回のものの特性を示している。曲線d2と曲線f2は、一の送電側共振器2の単一のコイルの巻き数と他の送電側共振器3の単一のコイルの巻き数が25回のものの特性を示している。
図10(a)の曲線c1と曲線d1及び曲線c2と曲線d2を比べると、一の送電側共振器2を両コイル21、22で構成し、他の送電側共振器3を両コイル31、32で構成した方が、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3をそれぞれ単一コイルで構成するよりも、電界強度が小さくなっている。一方、図10(b)の曲線e1と曲線f1及び曲線e2と曲線f2を比べると、一の送電側共振器2を両コイル21、22で構成し、他の送電側共振器3を両コイル31、32で構成した方が、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3をそれぞれ単一コイルで構成するよりも、磁界強度が大きくなっている。これより、一の送電側共振器2を両コイル21、22で構成し、他の送電側共振器3を両コイル31、32で構成すると、一の送電側共振器2及び他の送電側共振器3の内部で電界の閉じ込めが生じて、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間の電界強度は小さくなる一方、磁界強度は小さくはならないことが分かる。
また、図10(a)の曲線c1と曲線c2を比べ、図10(b)の曲線e1と曲線e2を比べると、総巻き数が少ないほど、電界強度が小さく磁界強度も小さくなる傾向がある。
一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’を変えたときの一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間の中心軸(z軸)上の電界強度を図11に示す。曲線g1、g2、g3、g4はそれぞれ、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’が1mm、2mm、5mm、10mmとしたときの特性を示している。このとき、一の送電側共振器の両コイル21、22の総巻き数と他の送電側共振器3の両コイル31、32の総巻き数を15回としている。図11によると、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’が短いほど、電界強度が小さくなる傾向がある。これより、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’を短くした方が、より電界の閉じ込めを大きくすることができることがわかる。なお、磁界に関しては、図示は省略するが、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’を変えても、ほとんど違いがなかった。
次に、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3に関して本願発明者が行った別のシミュレーションについて述べる。一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間に、図12に示すように、誘電体7が配置されたときのそれが配置されないときに対する一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の共振周波数のシフト量を計算した。誘電体7は、中心軸方向が18cm、それに直交する方向が10cmの大きさのものである。図13の曲線hは、一の送電側共振器2の両コイル21、22の総巻き数と他の送電側共振器3の両コイル31、32の総巻き数を15回とし、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’を2mmとして、誘電体7の誘電率に対する共振周波数のシフト量の依存性の特性を示している。曲線iは、比較例であり、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3がそれぞれ単一のコイルで構成して、誘電体7の誘電率に対する共振周波数のシフト量の依存性の特性を示している。
曲線hと曲線iを比べると、一の送電側共振器2を両コイル21、22で構成し、他の送電側共振器3を両コイル31、32で構成した方が、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3をそれぞれ単一コイルで構成するよりも、共振周波数のシフト量が少なくなっている。これより、一の送電側共振器2を両コイル21、22で構成し、他の送電側共振器3を両コイル31、32で構成することにより、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間で誘電体の誘電率が変化、つまり誘電体の有無又は位置などの状態が変化しても、一の送電側共振器2及び他の送電側共振器3の共振周波数のシフトが抑制されることが分かる。
次に、本願発明者が行った実際のサンプルを用いた一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の実験について述べる。一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間に、前述した図12に示したように、誘電体7として水が入ったプラスチック容器が配置されたときのそれが配置されないときに対する一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の共振周波数のシフト量を測定した。図14の曲線j1、j2、j3はそれぞれ、一の送電側共振器2の両コイル21、22の総巻き数と他の送電側共振器3の両コイル31、32の総巻き数が7.5回のもの、15回のもの、22回のものについて、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’に対する共振周波数のシフト量の依存性の特性を示している。曲線j1、j2、j3のそれぞれにおいて、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’が0のときの値は、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3がそれぞれ単一のコイルで構成されたものを用いた場合のものを示している。
図14によると、一の送電側共振器2を両コイル21、22で構成し、他の送電側共振器3を両コイル31、32で構成した方が、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3をそれぞれ単一コイルで構成するよりも、共振周波数のシフト量が少なくなっている。これより、一の送電側共振器2を両コイル21、22で構成し、他の送電側共振器3を両コイル31、32で構成することにより、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間の誘電体の有無による一の送電側共振器2及び他の送電側共振器3の共振周波数のシフトが抑制されることが分かる。
また、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’を短くするほど共振周波数のシフト量が少なくなり、巻き数を少なくするほど共振周波数のシフト量が少なくなる傾向がある。
図15に示すのは、無負荷Q値の測定値である。これは、一の送電側共振器2を両コイル21、22で構成し、他の送電側共振器3を両コイル31、32で構成することによって、無負荷Q値が低下しないことを示すためのものである。図15の曲線k1、k2、k3はそれぞれ、一の送電側共振器2の両コイル21、22の総巻き数と他の送電側共振器3の両コイル31、32の総巻き数が7.5回のもの、15回のもの、22回のものについて、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’に対する無負荷Q値の依存性の特性を示している。曲線k1、k2、k3のそれぞれにおいて、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’が0のときの値は、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3がそれぞれ単一のコイルで構成されたものを用いた場合のものを示している。図15によると、一の送電側共振器2を両コイル21、22で構成し、他の送電側共振器3を両コイル31、32で構成した方が、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3をそれぞれ単一コイルで構成するよりも、無負荷Q値は良くなっている。また、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’を変えると、無負荷Q値は若干変化し、巻き数を増やすほど無負荷Q値は良くなる傾向がある。
次に、本願発明者が行った実際のサンプルを用いた受電側共振器5の実験について述べる。受電側共振器5の両コイル51、52は、直径が3cmとした。共振周波数は1MHzとした。また、受電側共振器5の両コイル51、52の巻き数を変化させたときは、共振周波数を合わせるために、コンデンサ53の容量値を変化させた。
受電側共振器5の両側に、図16に示すように、誘電体として水が入ったプラスチック容器7A、7Bが配置されたときと、それが配置されないときに対する受電側共振器5の共振周波数のシフト量を測定した。水が入ったプラスチック容器7A、7Bは、中心軸方向が9cm、それに直交する方向が10cmの大きさのものである。図17の曲線m1、m2、m3はそれぞれ、受電側共振器5の両コイル51、52の総巻き数が4回のもの、8回のもの、15回のものについて、受電側共振器5の両コイル51、52の互いの距離A’’に対する共振周波数のシフト量の依存性の特性を示している。曲線m1、m2、m3のそれぞれにおいて、受電側共振器5の両コイル51、52の互いの距離A’’が0のときの値は、受電側共振器5が単一のコイルで構成されたものを用いた場合のものを示している。
図17によると、受電側共振器5を両コイル51、52の互いの距離A’’が1mm近傍として構成すると、受電側共振器5を単一コイルで構成するよりも、共振周波数のシフト量が少なくなっている。これより、受電側共振器5を両コイル51、52で構成することにより、受電側共振器5の周囲の誘電体の有無による受電側共振器5の共振周波数のシフトが抑制可能であることが分かる。
また、送受電側共振器5を両コイル51、52の互いの距離A’’を短くするほど共振周波数のシフト量が少なくなり、巻き数を増やすほど共振周波数のシフト量が小さくなる傾向がある。
図18に示すのは、無負荷Q値の測定値である。これは、受電側共振器5を両コイル51、52で構成することによって、無負荷Q値が低下しないことを示すためのものである。図18の曲線n1、n2、n3はそれぞれ、受電側共振器5の両コイル51、52の総巻き数が4回のもの、8回のもの、15回のものについて、受電側共振器5の両コイル51、52の互いの距離A’’に対する無負荷Q値の依存性の特性を示している。曲線n1、n2、n3のそれぞれにおいて、受電側共振器5の両コイル51、52の互いの距離A’’が0のときの値は、受電側共振器5がそれぞれ単一のコイルで構成されたものを用いた場合のものである。図18によると、受電側共振器5を両コイル51、52で構成した方が、受電側共振器5を単一コイルで構成するよりも、無負荷Q値は良くなっている。また、受電側共振器5の両コイル51、52の互いの距離A’’を変えても、無負荷Q値はほとんど変化せず、巻き数を増やすほど無負荷Q値は良くなる傾向がある。
次に、本願発明者が行った実際のサンプルを用いた結合共振器型の無線電力伝送システム1全体の実験について述べる。ここでは、一の送電側共振器2の両コイル21、22の総巻き数と他の送電側共振器3の両コイル31、32の総巻き数を15回とし、一の送電側共振器2の両コイル21、22の互いの距離A及び他の送電側共振器3の両コイル31、32の互いの距離A’を2mmとし、受電側共振器5の両コイル51、52の総巻き数を15回とし、受電側共振器5の両コイル51、52の互いの距離A’’を1mmとした。測定は、一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間の中央、すなわち中心軸(z軸)の座標値が0の箇所で行った。
一の送電側共振器2と他の送電側共振器3の間において、受電側共振器5の両側に、図19に示すように、誘電体7として水が入ったプラスチック容器7A、7Bが配置されたときの伝送効率S21の周波数依存性を図20の曲線oに示す。曲線pは、そのプラスチック容器7A、7Bが配置されないときの伝送効率S21の周波数依存性を示している。曲線oと曲線pはほぼ重なっており、伝送効率S21について誘電体7の影響はほとんどないことが分かる。
このように、本願発明者が行った上記のシミュレーションと上記の実際のサンプルを用いた実験により、結合共振器型の無線電力伝送システム1によれば、受電側共振器5と一の送電側共振器2の間或いは受電側共振器5と他の送電側共振器3の間に誘電体が存在しても、その誘電体の影響が少なく、伝送効率の低下の抑制が可能になることが分かる。
以上、本発明の実施形態に係る無線電力伝送装置について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、結合共振器型の無線電力伝送システム1は、構成を簡略化する場合は、図21に示すように、他の送電側共振器3を省略した結合共振器型の無線電力伝送システム1’に変形することも可能である。この場合、磁界は図8(b)に示した磁界分布H2のように変化が比較的大きいものとなるが、一の送電側共振器2の両コイル21、22の外方の電界強度は小さくなるので、一の送電側共振器2の両コイル21、22の外方に配置された受電側共振器5に電力を伝送するとき、受電側共振器5と一の送電側共振器2の間に誘電体が存在してもその影響が少なく、一の送電側共振器2の共振周波数がシフトして一の送電側共振器2から受電側共振器5への電力の伝送効率が低下すること、を抑制することができる。
また、上記の結合共振器型の無線電力伝送システム1は、受電側共振器5とともに或いはそれにかえて他の構成のいろいろな受電側共振器(例えば、ソレノイド型コイル共振器など)を使用することも可能である。
また、受電側共振器5は、他の結合共振器型の無線電力伝送システムにも使用可能である。この場合、受電側共振器5の周囲に誘電体が存在したとしても、上記と同様な効果が期待できる。
1 結合共振器型の無線電力伝送システム
2 一の送電側共振器
21 送電側共振器2を構成する第1のコイル
21a、21b 第1のコイルの両端
22 送電側共振器2を構成する第2のコイル
22a、22b 第1のコイルの両端
23 送電側共振器2を構成するコンデンサ
3 他の送電側共振器
31 送電側共振器3を構成する第1のコイル
32 送電側共振器3を構成する第2のコイル
33 送電側共振器3を構成するコンデンサ
4 制御器
5 受電側共振器
51 受電側共振器5を構成する第1のコイル
52 受電側共振器5を構成する第2のコイル
53 受電側共振器5を構成するコンデンサ
6 負荷回路

Claims (6)

  1. 近接して配置された第1のコイル及び第2のコイルと、コンデンサと、を有して構成され、第1のコイルの両端のうちの一つと第2のコイルの両端のうちの一つが前記コンデンサを介して、第1のコイルの両端のうちの他の一つと第2のコイルの両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ接続される少なくとも1個の送電側共振器と、
    該少なくとも1個の送電側共振器の内の一の送電側共振器の励振を制御する制御器と、
    前記一の送電側共振器の前記両コイルの外方に配置されて、前記一の送電側共振器から伝送される電力を受電する受電側共振器と、
    を備えることを特徴とする結合共振器型の無線電力伝送システム。
  2. 請求項1に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムにおいて、
    前記少なくとも1個の送電側共振器は、前記一の送電側共振器とは別の他の送電側共振器を含んでおり、
    該他の送電側共振器は、近接して配置された第1のコイル及び第2のコイルと、コンデンサと、を有して構成され、第1のコイルの両端のうちの一つと第2のコイルの両端のうちの一つが前記コンデンサを介して、第1のコイルの両端のうちの他の一つと第2のコイルの両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ接続されており、
    前記受電側共振器は、前記一の送電側共振器と前記他の送電側共振器の間に配置されて、前記他の送電側共振器から伝送される電力をも受電することを特徴とする結合共振器型の無線電力伝送システム。
  3. 請求項1又は2に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムにおいて、
    前記受電側共振器は、近接して配置された第1のコイル及び第2のコイルと、コンデンサと、を有して構成され、第1のコイルの両端のうちの一つと第2のコイルの両端のうちの一つが前記コンデンサを介して、第1のコイルの両端のうちの他の一つと第2のコイルの両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ接続されていることを特徴とする結合共振器型の無線電力伝送システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムにおいて、
    前記第1のコイルと前記第2のコイルは、スパイラルコイルであることを特徴とする結合共振器型の無線電力伝送システム。
  5. 近接して配置された第1のコイル及び第2のコイルと、コンデンサと、を有して構成され、第1のコイルの両端のうちの一つと第2のコイルの両端のうちの一つが前記コンデンサを介して、第1のコイルの両端のうちの他の一つと第2のコイルの両端のうちの他の一つがコンデンサを介さずに、それぞれ接続されていることを特徴とする結合共振器型の無線電力伝送システムに用いる受電側共振器。
  6. 請求項5に記載の結合共振器型の無線電力伝送システムに用いる受電側共振器において、
    前記第1のコイルと前記第2のコイルは、スパイラルコイルであることを特徴とする結合共振器型の無線電力伝送システムに用いる受電側共振器。
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