JP2014094726A - 駐車支援装置 - Google Patents

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啓子 秋山
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Abstract

【課題】車両が駐車車両の側方通路移動時に、駐車車両の傾斜角を精度良く検知できる駐車支援装置を提供する。
【解決手段】車両5には周囲の障害物までの距離を検知する測距センサが搭載され、測距センサには車両5の斜め後方に向いた側方センサ21Lと斜め前方に向いたコーナーセンサ22Lとを含む。車両5が側方通路100を移動している時に測距センサが距離検知を開始すると距離検知方向に向けて車両5を自動操舵する。検知方向への自動操舵中に測距センサが検知した検知距離が閾値以下となると、検知方向と逆の逆検知方向に車両5を自動操舵する。検知距離に基づき駐車車両61、62の輪郭点としての反射点7を算出し、反射点7の点列の中から駐車車両61、62の側面611、621の側面反射点712、722の点列を抽出する。抽出した側面反射点712、722の点列から駐車車両61、62の傾斜角を算出する。
【選択図】図7

Description

本発明は駐車支援装置に関し、特に並列駐車を支援する駐車支援装置に関する。
従来、超音波センサ等の測距センサを利用して駐車空間(駐車車両)を検知し、検知した駐車空間に移動するように車両の操舵を支援する駐車支援装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この種の駐車支援装置では、測距センサを車両の側方に向けて搭載し、車両が駐車空間の側方通路を移動している時にその測距センサで車両の側方に探査波を送信する。そして、送信した探査波が駐車車両に当たって反射した反射波を測距センサで受信して、その反射波に基づき駐車車両までの距離を逐次検知する。その距離検知結果から駐車車両のコーナー位置、すなわち駐車空間のコーナー位置を求めている。
特開2011−522737号公報
ところで、並列駐車の支援を行うためには、駐車車両のコーナー位置に加えて、駐車空間での車両の目標方向を決定するために駐車車両の傾斜角を検知する必要がある。ところが、側方通路移動時には、測距センサは、駐車車両のフロント面(側方通路にリア面が面している場合にはリア面)からの反射波しか受信できない。つまり、測距センサは、側方通路移動時には、駐車車両の傾斜角の情報を与える駐車車両の側面を距離検知できない。そこで、従来では、車両が対象とする駐車車両の側方を通過し始めた時など基準時点の車両の進行方向に垂直な方向を駐車車両の傾斜角と仮決めし、検知した駐車空間への駐車動作中に、測距センサの検知結果に基づいて仮決めした傾斜角を補正していた。
このように、従来では、側方通路移動時では駐車車両の傾斜角を仮決めしていただけなので、その傾斜角の精度が低いという問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、車両が駐車車両の側方通路を移動している時に、その駐車車両の傾斜角を精度良く検知できる駐車支援装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の駐車支援装置は、並列駐車した駐車車両に隣接する駐車空間の側方通路を車両が移動している時に、前記車両が斜め方向から前記駐車空間に近づいた後、逆方向に操舵されて前記駐車空間から遠ざかる前記車両の走行であるV字走行を伴い前記駐車車両の傾斜角を検知する角度検知手段を備えることを特徴とする。
車両がV字走行をした場合には、直進走行をした場合に比べて、駐車車両の側面が車両から臨みやすくなる。また、ドライバーが自発的に車両をV字走行させる場合には、ドライバーは、駐車車両の傾斜角(駐車空間の向き)を考慮してV字走行をさせると考えられるので、V字走行をした時の車両の経路(V字経路)は駐車車両の傾斜角(駐車空間の向き)が反映されている確率が高い。本発明によれば、駐車車両の側面が臨みやすくなり、駐車車両の傾斜角を反映した経路となる確率が高いV字走行を伴い駐車車両の傾斜角を検知する角度検知手段を備えているので、側方通路移動時であっても駐車車両の傾斜角を精度良く検知ができる。
本発明の第1の具体的態様として、本発明における角度検知手段は、
前記車両が前記側方通路を移動している時に前記車両の周囲に探査波を逐次送信し、その探査波が前記駐車車両に当たって反射した反射波を受信して、受信した反射波に基づき前記駐車車両までの距離を逐次検知する距離検知手段と、
前記距離検知結果に基づいて前記V字走行するように前記車両を誘導する誘導手段と、
前記距離検知手段による距離検知結果に基づいて前記駐車車両の輪郭点を推定する輪郭点推定手段と、
前記輪郭点の点列の中から前記駐車車両の側面の前記輪郭点である側面輪郭点の点列を抽出する抽出手段と、
前記側面輪郭点の点列に基づいて前記駐車車両の傾斜角を算出する角度算出手段とを備え、
前記距離検知手段は、前記車両が前記V字走行をした時に前記駐車車両の側面を距離検知可能な搭載位置及び搭載角度で前記車両に搭載されていることを特徴とする。
距離検知手段による距離検知結果は駐車車両の位置や距離を反映しているので、誘導手段はその距離検知結果に基づいて車両をV字走行させることができる。V字走行時には距離検知手段から駐車車両の側面を臨みやすくでき、なおかつ、距離検知手段はV字走行時に駐車車両の側面を距離検知可能な搭載位置及び搭載角度で車両に搭載されているので、V字走行時に距離検知手段で駐車車両の側面を距離検知できる。そのため、輪郭点推定手段により推定される輪郭点の中には、駐車車両の側面の輪郭点(側面輪郭点)が含まれる。本発明では、側面輪郭点の点列を抽出し(抽出手段)、その側面輪郭点の点列は駐車車両の傾斜角を反映しているので、側面輪郭点の点列からその傾斜角を算出することができる(角度算出手段)。このように、本発明では、駐車車両の側面を実際に距離検知し、その距離検知結果に基づき傾斜角を算出しているので、傾斜角を仮決めする従来の方法に比べて、傾斜角を精度良く検知できる。
本発明の第2の具体的態様として、本発明における角度検知手段は、
前記車両が前記V字走行をしたことを判定する走行判定手段と、
前記車両が前記V字走行をした場合に、前記V字走行をした時の前記車両の移動経路であるV字経路の変曲点での前記車両の進行方向に対して垂直な方向を前記駐車車両の傾斜角として算出する角度算出手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ドライバーが自発的に車両をV字走行させた場合には、走行判定手段により車両がV字走行したと判定される。ドライバーは、V字走行をする場合には、駐車車両(駐車空間)に最も近づいたとき、すなわちV字経路の変曲点において、車両を駐車車両に対して垂直となるように走行する確率が高い。本発明では、その変曲点での車両の進行方向に対して垂直な方向を駐車車両の傾斜角とするので、車両が対象とする駐車車両の側方を通過し始め時やV字経路の変曲点以外の位置での車両の進行方向に対して垂直な方向を傾斜角とする場合に比べて、駐車車両の傾斜角を精度良く検知できる。この方法は特に、例えば、ドライバーの操舵量が不十分であったり、あるいは距離検知手段の搭載角度が駐車車両の側面検知に適していなかったりしたために、駐車車両側面の輪郭点を抽出できなかった場合に有効である。
駐車支援装置1の構成を示したブロック図である。 測距センサ2の搭載位置及び搭載角度等を説明する図である。 第1実施形態の駐車支援処理のフローチャートである。 図3のS14の詳細のフローチャートである。 側方通路移動時に測距センサで駐車車両61の距離検知が開始された場面の図である。 図5の場面に続く場面であり、車両5が斜め方向から駐車空間101へ近づいた場面の図である。 図6の場面に続く場面であり、車両5が2台目の駐車車両62に接近した場面の図である。 測距センサで距離検知を開始した時の場面であり、距離検知開始時の車両5が駐車車両61に近くなっている場面の図である。 図8の場面に続く場面であり、V字走行前に車両5が逆検知方向に操舵されている場面の図である。 V字走行時の時間tの経過に対する検知距離Lの変化を模式的に示した図である。 検知距離LとV字走行時の操舵量のマップ501である。 検知距離とセンサ位置とで構成される三角形200を示した図である。 図3のS16の詳細のフローチャートである。 コーナー位置の算出の第2例を説明するための図であり、側面反射点を含む全ての反射点71、72を図示した図である。 V字走行の終盤の場面の図である。 第2、第3実施形態の想定場面であり、駐車車両61、62の側方通路100を車両5がV字走行している場面の図である。 第2実施形態の駐車支援処理のフローチャートである。 操舵角の履歴を例示した図である。 車両位置の履歴を例示した図である。 V字経路110の変曲点115での車両5の進行方向C3に垂直な方向C4を駐車車両61、62の傾斜角とした図である。 従来の傾斜角の検知方法を説明する図であり、車両5が駐車車両61、62を検知している時の、車両5の進行方向に垂直な方向C5、C6を駐車車両61、62の傾斜角とした図である。 従来の傾斜角の検知方法を説明する図であり、処理開始時の車両5の進行方向C7に垂直な方向C9を駐車車両61、62の傾斜角とした図である。 第3実施形態の駐車支援処理のフローチャートである。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る駐車支援装置の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。本実施形態は、駐車空間の側方移動時に車両をV字走行させ、V字走行時に検知された駐車車両の側面の輪郭点に基づいて駐車車両の傾斜角を検知する発明の実施形態である。図1は、本実施形態の駐車支援装置1の構成を示したブロック図である。その駐車支援装置1は、車両5(図2参照)に搭載されている。駐車支援装置1は、測距センサ2と車速センサ31と操舵角センサ32と操舵制御装置33と走行制御装置34とそれらと接続したECU10とを備えている。
測距センサ2は、その周囲に存在する駐車車両等の障害物までの距離を検知するセンサである。具体的には、測距センサ2は、ECU10からの指示に基づき、測距センサ2の正面方向に所定間隔おきに(例えば100ミリ秒おきに)超音波等の探査波を送信する。測距センサ2は、送信した探査波が障害物に当たって反射した反射波を受信する。そして、測距センサ2は、探査波の送信タイミングと反射波の受信タイミングとに基づき、障害物までの距離を算出する。測距センサ2で検知された検知情報(検知距離)はECU10に入力される。なお、検知距離の算出はECU10が行っても良い。測距センサ2は、探査波を送信しその探査波の反射波を受信するセンサであれば良く、音波を用いるものであっても、光波を用いるものであっても、電波を用いるものであっても良い。測距センサ2としては、例えば超音波センサ、レーザレーダ、ミリ波レーダ等のセンサを用いることができる。
図2は、車両5における測距センサ2の搭載位置及び搭載角度等を説明する図であり、車両5を上から見た図を示している。図2に示すように、測距センサ2は、車両5の左側面51の前部に搭載された左側方センサ21Lと、右側面52の前部に搭載された右側方センサ21Rと、左コーナー54に搭載された左コーナーセンサ22Lと、右コーナー55に搭載された右コーナーセンサ22Rとを少なくとも含む。以下では、左側方センサ21L及び右側方センサ21Rを区別しないときには「側方センサ21」と言い、左コーナーセンサ22L及び右コーナーセンサ22Rを区別しないときには「コーナーセンサ22」と言う。
側方センサ21は、その正面方向D2が車両5の進行方向D0に対して斜め後方となる搭載角度φ1(車両5の側面51、52に垂直な方向D1と正面方向D2との成す角度)で車両5に搭載されている。詳細には、左側方センサ21Lの正面方向D2は進行方向D0に対して左斜め後方となっている。右側方センサ21Rの正面方向D2は進行方向D0に対して右斜め後方となっている。搭載角度φ1は例えば20°〜60°程度に設定される。
コーナーセンサ22は、その正面方向D3が車両5の進行方向D0に対して斜め前方となる搭載角度φ2(方向D1と正面方向D3との成す角度)で車両5に搭載されている。詳細には、左コーナーセンサ22Lの正面方向D3は進行方向D0に対して左斜め前方となっている。右コーナーセンサ22Rの正面方向D3は進行方向D0に対して右斜め前方となっている。搭載角度φ2は、車両5のコーナー54、55の形状で定まってくるが、例えば20°〜60°程度となっている。
なお、測距センサ2は、側方センサ21、コーナーセンサ22以外の測距センサ(例えば、車両5のフロント面53にて進行方向D0の前方に向けて搭載された前方センサなど)を含んでいたとしても良い。
図2には、各測距センサ21、22の障害物の検知範囲23(探査波の送信範囲)を図示している。各検知範囲23の指向性θ(探査波の指向性)は例えば70°〜120°程度となっている。また、各測距センサ2が検知可能な最大検知距離MaxLは例えば4m〜10m程度となっている。検知範囲23(指向性θ、最大検知距離MaxL)は、測距センサ21L、21R、22L、22R間で同じであっても良いし、異なっていても良い。
図1の説明に戻り、車速センサ31は車両5の車速を検知するセンサである。操舵角センサ32は、車両5のステアリングの角度(操舵角)を検知するセンサである。操舵角センサ32は、車両5が直進移動するときの操舵角を中立位置(0度)とし、その中立位置からの回転角度を操舵角として出力する。車速センサ31、操舵角センサ32で検知された検知情報(車速、操舵角)はECU10に入力される。操舵制御装置33は、ドライバーによるステアリング操作が無くても車両5を操舵可能とする装置(車両5を自動操舵する装置)であり、具体的にはステアリングモータ等を制御してステアリングを自動で回転させる装置である。走行制御装置34は、ドライバーによるアクセル操作やブレーキ操作が無くても車両5を走行可能とする装置であり、具体的には車両5のエンジン及びブレーキを制御して車両5を設定した速度で自動走行させる装置である。
ECU10は、CPU、ROM、RAM等から構成されたマイコンを主体として構成され、測距センサ2、車速センサ31、操舵角センサ32から入力された各検知情報に基づき操舵制御装置33及び走行制御装置34に指示をしつつ車両5の駐車を支援する駐車支援処理を実行する。その駐車支援処理の詳細は後述する。また、ECU10は、自身が実行する駐車支援処理に必要な各種情報を記憶するROM、RAM等のメモリ11を備えている。
ここで、図5は、ECU10による駐車支援処理が実行される想定場面を示している。図5では、並列駐車した2台の駐車車両61、62の側方通路100を車両5が移動している場面を示している。詳細には、側方通路100を車両5が直進移動している時に、測距センサ2(図5では左コーナーセンサ22L)で1台目の駐車車両61の距離検知が開始された場面を示している。ECU10は、駐車支援処理として、側方通路移動時に駐車車両61、62のコーナー61a、62a及び駐車車両61、62の傾斜角(向き)を、駐車車両61、62の間に挟まれた駐車空間101として検知する。以下では、駐車車両61、62を区別しないときには符号6を使用する。以下、図5の場面を想定して、駐車支援処理の詳細を説明する。図3は、駐車支援処理のフローチャートを示している。図3のフローチャートの処理は例えばドライバーによって支援開始スイッチ(図示外)が操作された時に開始される。
図3の処理を開始すると、ECU10は操舵制御装置33及び走行制御装置34に指示をして、車両5を所定速度で直進移動させる。なお、最初はドライバー自らの運転操作で車両5を移動させても良い。図5には、直進移動時の車両5の経路(直進経路)111を図示している。また、図3の処理を開始すると、先ず、以降の処理で使用する各パラメータを初期化する(S11)。具体的には、測距センサ2で距離検知を行うときの時間t[n]をゼロに設定する(S11)。また、測距センサ2が距離検知を試みた回数(計測カウント)nを1に設定する(S11)。また、車両5の操舵を現在制御しているか否かや制御している場合にはどのように制御しているかを示した操舵フラグSteerFlagを、操舵制御の開始前であることを示した値であるゼロに設定する(S11)。また、駐車車両の側面を検知したか否かを示した側面フラグFlagSを、側面未検知であることを示した値であるゼロに設定する(S11)。ECU10は、各計測カウントnでの時間t[n](t[1]を基準とした時間)を計測している。なお、各パラメータの値はメモリ11に記憶しておく。
また、S11では、車両5が移動する平面の座標系を設定する。具体的には例えば、S11の時点における車両5の所定の基準点(例えば車両5の後輪軸中心)を原点O、車両5の進行方向をX軸、そのX軸に垂直な方向をY軸とした座標系(図5参照)を設定する。
次に、各測距センサ2に指示をして探査波を送信させ、各測距センサ2に障害物までの距離検知を行わせる(S12)。そして、障害物までの距離(検知距離)L[n]を各測距センサ2から取得する(S12)。なお、ECU10自身が検知距離Lを算出する構成の場合には、S12では、測距センサ2から反射波の受信タイミングを取得して、送信タイミングと受信タイミングとに基づき検知距離L[n]を算出する。なお、測距センサ2の検知範囲23(図2参照)に障害物が存在しない場合、つまり障害物非検知の場合には検知距離L[n]=0とする。S12で取得した検知距離L[n]は計測カウントnに関連付けてメモリ11に蓄積する。
次に、現在の計測カウントnでの各測距センサ2の位置(センサ位置)SenPosを算出する(S13)。具体的には、S11で設定した座標系での座標(SenPosX[n]、SenPosY[n])としてセンサ位置SenPosを算出する。より具体的には、車速センサ31、操舵角センサ32の検知情報に基づき、センサ位置SenPosを算出する(S13)。このとき、車速センサ31から入力された車速と時間t[n]とから、前回の計測カウントn−1のセンサ位置からの測距センサ2の移動距離を算出できる。また、操舵角センサ32から入力された操舵角から、前回の計測カウントn−1のセンサ位置からの測距センサ2の移動方向を算出できる。それら移動距離、移動方向を前回のセンサ位置に加えることで、今回のセンサ位置を算出できる。S13で算出したセンサ位置SenPosは計測カウントnに関連付けてメモリ11に蓄積する。
次に、駐車空間に対して車両5がV字走行するように車両5を操舵制御する(S14)。図4はS14の詳細のフローチャートである。図4の処理に移行すると、先ず、現在の操舵フラグSteerFlagの値を確認する。操舵フラグSteerFlag=0の場合、つまり現在が操舵制御の開始前である場合には、S32に移行する。S32では、各測距センサ2で検知されたいずれかの検知距離L[n]がゼロより大きいか否か、つまり距離検知有り(障害物検知有り)か否かを判断する。検知距離L[n]=0の場合、つまり距離検知無しの場合には(S32:No)、図4のフローチャートの処理を終了する。この場合は、図5の車両5の位置までまだ車両5が進行していないことになる。
S32において、検知距離L[n]>0の場合、つまり距離検知有りの場合には(S32:Yes)、S33に移行する。この場合には、図5の位置まで車両5が進行したことになる。なお、図5では、左コーナーセンサ22Lが1台目の駐車車両61の最初のコーナー61b付近を検知し、左コーナーセンサ22Lから左コーナーセンサ22Lの正面方向に検知距離だけ離れた点630(測距点)を図示している。
S33では、以降の処理態様を決定するパラメータModeの値を確認する。このパラメータModeの値はメモリ11にて予め設定されている。
(Mode=1の場合)
以下では、先ず、Mode=1に設定されている場合の処理態様を説明する。S33においてMode=1又は3の場合にはS34に移行する。S34では、操舵フラグSteerFlagの値を2に設定する。次に、S35に移行し、パラメータModeの値が3か否かを判断する。Mode≠3の場合、つまりMode=1又は2の場合には(S35:No)、S37に移行する。つまり、S33でMode=1の場合には、S34で操舵フラグSteerFlag=2に設定し、その後、S37に移行する。
S37では、操舵フラグSteerFlagの値を確認する。操舵フラグSteerFlag=2の場合には、S38に移行する。そして、操舵制御装置33に指示をして、駐車空間101(図5参照)に近づくように車両5を操舵する(S38)。具体的には、S38では、先ず、距離検知を開始した(検知距離L[n]>0の)測距センサ2が、車両5の左側に搭載された測距センサ(左側方センサ21L、左コーナーセンサ22L(図2参照))であるか、右側に搭載された測距センサ(右側方センサ21R、右コーナーセンサ22R(図2参照))であるかを判断する。そして、左側の測距センサ2が距離検知を開始した場合には、距離検知の方向(検知方向)が車両の進行方向に対して左方向であるとする。そして、操舵制御装置33に指示をして、車両5の現時点の直進方向C1(図5参照)に対して、車両5の進行方向を所定角度α1(図5参照)だけ左方向に傾かせる(ステアリングを中立位置から所定角度だけ左回転(反時計回りの回転)させる)。他方、右側の測距センサ2が距離検知を開始した場合には、距離検知の方向(検知方向)が車両の進行方向に対して右方向であるとする。そして、操舵制御装置33に指示をして、車両5の現時点の直進方向C1に対して、車両5の進行方向を所定角度α1だけ右方向に傾かせる(ステアリングを中立位置から所定角度だけ右回転(時計回りの回転)させる)。
図5には、左方向に傾いた経路112を図示している。また、図6は、図5の場面に続く場面を示しており、詳細には車両5が斜め方向から駐車空間101へ近づいた場面を示している。このように、Mode=1の場合には、距離検知が開始されると(S32:Yes)、進行方向を変更して、斜め方向から駐車空間101へ近づくV字走行が開始される(S34、S37、S38)。S38の後、図4のフローチャートの処理を終了する。
その後、後述する図3のS15〜S21の処理及び更新後の計測カウントnでのS12、S13の処理を経て、再び、図4の処理が実行される。この場合、前回の図4のS34の処理で操舵フラグSteerFlag=2に設定したので、今回のS31では操舵フラグSteerFlag=2と判断されて、S39に移行する。S39では、検知距離L[n]が予め定められた第1閾値ThMin未満か否かを判断する。各測距センサ2で検知された全ての検知距離L[n]が第1閾値ThMin以上の場合には(S39:No)、S35、S37を経てS38に移行する。この場合には、S38において、駐車空間に斜め方向から近づく操舵制御が継続される。よって、計測カウントn(時間t[n])の更新を重ねていくにしたがって、より駐車空間に近い位置まで車両5を移動させることができる。
S39において、各測距センサ2で検知された検知距離L[n]のうち1つでも第1閾値ThMin未満の場合には(S39:Yes)、S40に移行する。図7は、図6の場面に続く場面を示しており、検知距離L[n]が第1閾値ThMin未満となる場面を示している。詳細には、図7は、2台目の駐車車両62に近い位置まで車両5が接近した場面を示している。なお、図7の例では、車両5の左コーナー54が駐車車両62のコーナー付近に接近し、左コーナーセンサ22Lによりコーナー付近の点625(黒丸の点)が距離検知されている。
S40では、操舵フラグSteerFlagの値を3に設定する。次にS35を経てS37に移行する。S37では、操舵フラグSteerFlag=3であると判断されて、S41に移行する。S41では、操舵制御装置33に指示をして、駐車空間101から遠ざかるように車両5を操舵する。具体的には、S39で検知距離L[n]が第1閾値ThMin未満となった時点における車両5の進行方向C2(図7参照)に対して、車両5の進行方向を所定角度α2(図7参照)だけ、S32で距離検知をした方向(検知方向)と逆の逆検知方向に傾かせる(ステアリングを所定角度だけ右回転又は左回転(図7の例では右回転)させる)。なお、検知方向が車両5の進行方向に対して左方向の場合には(図5〜図7の場合)、逆検知方向は車両5の進行方向に対して右方向となる。他方、検知方向が車両5の進行方向に対して右方向の場合には、逆検知方向は車両5の進行方向に対して左方向となる。これによって、車両5と駐車車両6(図7の場合は2台目の駐車車両62)との接触を防止でき、車両5を駐車空間101から斜め方向に遠ざけることができる。S41の後、図4のフローチャートの処理を終了する。
その後、後述する図3のS15〜S21の処理及び更新後の計測カウントnでのS12、S13の処理を経て、再び、図4の処理が実行される。この場合、前回のS40で操舵フラグSteerFlag=3に設定したので、今回のS31では操舵フラグSteerFlag=3と判断されて、S35、S37を経てS41に移行する。そして、S41において、駐車空間から遠ざかる操舵制御が継続される。よって、計測カウントn(時間t[n])の更新を重ねていくにしたがって、より駐車空間から離れた位置まで車両5を移動させることができる。
図7には、駐車空間101から遠ざかるときの車両5の経路113を図示している。このように、S38の処理を実行し、その後にS41の処理を実行することで、図7に示すように、S38の処理時の経路112と、S41の処理時の経路113とから構成されたV字経路110で車両5を移動させることができる。つまり、車両5を自動でV字走行させることができる。
(Mode=2の場合)
次に、Mode=2に設定されている場合の処理態様を説明する。S33において、Mode=2の場合にはS42に移行する。S42では、距離検知を開始した時の検知距離L[n]が予め定められた第2閾値ThIni未満か否かを判断する。検知距離L[n]が第2閾値ThIni未満の場合には(S42:Yes)、S43に移行する。ここで、図8は、車両5の位置以外は図5と同じ場面を示した図である。図8では、距離検知を開始した時の車両5の位置が、図5の位置よりも、駐車車両61に近くなっている。検知距離L[n]が第2閾値ThIni未満(S42:Yes)は、図8の場面を想定している。
図8の場面のように、距離検知を開始した時の車両5が駐車車両6に近づきすぎると、その後にV字走行をさせようとするとV字経路の角度(V字角度)を十分にとれず(操舵量不足となり)、駐車車両6の側面からの反射波を測距センサ2で受信できなくなってしまう。その結果、後述するS15の処理で、駐車車両6の側面の反射点を検知できなくなってしまう。そこで、S43では、操舵フラグSteerFlagの値を1に設定する。次に、S37に移行し、操舵フラグSteerFlagの値を確認する。操舵フラグSteerFlag=1の場合には、S41に移行し、操舵制御装置33に指示をして、駐車空間から離れるように、つまり逆検知方向に車両5を操舵する。具体的には、距離検知開始時の車両5の進行方向に対して、車両5の進行方向を所定角度だけ逆検知方向に傾かせる。図9は、図8の場面に続く場面を示しており、詳細には車両5が逆検知方向(図9の例では距離検知開始時の車両の進行方向に対して右方向)に操舵されている場面を示している。図9には、逆検知方向に操舵されている時の車両5の経路114を図示している。
S41で車両5を最初に逆検知方向に操舵した後、図4のフローチャートの処理を終了する。そして、次回の図4の処理では、S31では操舵フラグSteerFrag=1であると判断されて、S42に移行する。S42において、依然として検知距離L[n]が第2閾値ThIni未満の場合には(S42:Yes)、操舵フラグSteerFrag=1が維持されて(S43)、逆検知方向への操舵制御が継続される(S41)。これによって、車両5を駐車車両6から遠ざけることができる。
その後、S42において、検知距離L[n]が第2閾値ThIni以上となった場合には(S42:No)、S34に移行し、操舵フラグSteerFlagの値を2に設定する。以降の処理は、上述したMode=1における処理と同じであり、車両5をV字走行させる。図9には、経路114に続くV字経路110(S38の処理による経路112及びS41の処理による経路113)を図示している。
一方、距離検知を開始した時の検知距離L[n]が第2閾値ThIni以上の場合、つまり距離検知を開始した時の車両5が駐車車両6からある程度離れている場合には(S42:No)、S34に移行する。この場合には、逆検知方向への操舵が行われず、上述のMode=1の場合の処理と同じとなる。
このように、Mode=2の場合には、距離検知を開始した時の車両5の位置が駐車車両6に近すぎると、V字走行の前に、逆検知方向に車両5が操舵されるので、V字走行時に駐車車両6の側面からの反射波を受信できる程度に深いV字経路を確保できる(十分なV字角度をとれる)。
(Mode=3の場合)
次に、Mode=3に設定されている場合の処理態様を説明する。Mode=3の場合には、S36の処理以外は上述のMode=1の処理態様と同じである。すなわち、S35において、Mode=3の場合には(S35:Yes)、S36に移行する。S36では、検知距離L[n]と操舵フラグSteerFlagに応じてV字走行時の車両5の操舵量(操舵角)を設定する。ここで、図10は、V字走行時の時間tの経過に対する検知距離Lの変化を模式的に示している。破線のライン241はMode=1の場合を示し、実線のライン242はMode=3の場合を示している。この図10を参照して、S36による操舵量の設定の考え方を説明すると、S36では、V字走行時に検知される検知距離Lが、予め定められた距離Llowerを下限、その下限Llowerよりも大きい予め定められた距離Lupperを上限とした所定範囲内で可能な限り長時間、推移するように、検知距離Lに応じた操舵量を設定する。具体的には、図11に示すように、図10のライン242を確保できるように予め設定された検知距離Lと操舵量のマップ501をメモリ11に記憶しておく。そのマップ501として、車両5が駐車空間に近づくとき(操舵フラグSteerFlag=2)用のマップと、車両5が駐車空間から遠ざかるとき(操舵フラグSteerFlag=3)用のマップとを別々に用意する。そして、S36では、操舵フラグSteerFlagの値に応じたマップ501を参照して現在の検知距離L[n]に対応する操舵量を読み出し、その操舵量を計測カウントnにおける操舵量として設定する。
これによって、その後のS38の処理及びS41の処理で車両5がV字走行をした時に、図10のライン242のように、できるだけ長時間、検知距離Lを所定範囲内で推移させることができる。その結果、できるだけ長時間、車両5を駐車空間に接近した位置で移動させることができ、後述するS15の処理で、駐車車両6の側面の反射点をより多く検知できる。なお、Mode=1の場合では、検知距離Lに関わらず、一律の操舵量(図5の角度α1、図7の角度α2を与える操舵量)で操舵制御を行っていたので、図10のライン241が示すように、検知距離Lの所定範囲内での推移時間t1は、Mode=3の場合の推移時間t2よりも短くなる。なお、図10の下限Llowerは、S39の第1閾値ThMinに相当する。
S36の後、S37に移行し、操舵フラグSteerFlagの値を確認する。そして、操舵フラグSteerFlag=2の場合には、駐車空間に近づくように操舵制御し(S38)、操舵フラグSteerFlag=3の場合には、駐車空間から遠ざかるように操舵制御する(S41)。このとき、先のS36で設定した操舵量で車両5を操舵する(S38、S41)。
図3の説明に戻り、S14で車両5を操舵制御した後、S15に移行する。S15では、メモリ11に蓄積された検知距離Lの履歴とセンサ位置SenPosの履歴とに基づき、探査波が駐車車両6に当たって反射したときの反射点Rflt[n]を算出する。この反射点Rflt[n]は、S11で設定した座標系での座標(RfltX[n]、RfltY[n])として算出する。具体的には、検知距離Lの履歴とセンサ位置SenPosの履歴とを用いて三角測量の原理により、反射波の到来方向を推定する。そして、センサ位置SenPos[n]から反射波の到来方向に検知距離L[n]だけ離れた点を反射点Rflt[n]として求める。ここで、図12は、反射波の到来方向及び反射点Rfltの算出方法を説明する図である。具体的には、図12は、計測カウントnにおけるセンサ位置SenPos[n]及び検知距離L[n]と、計測カウントn−1におけるセンサ位置SenPos[n−1]及び検知距離L[n−1]とで構成される三角形200を示している。
S15では、センサ位置SenPos[n]、SenPos[n−1]の座標成分に基づいて、それら位置間の辺201のベクトル成分(SenPosBktX、SenPosBktY)とそのベクトルの絶対値SenPosBktとを算出する。また、辺201と検知距離L[n]の辺202との成す角度をθ[n]とすると、角度θ[n]を次の式1で算出する。この角度θ[n]が計測カウントnでの反射波の到来方向に相当する。
Figure 2014094726
そして、角度θ[n]、上記のベクトル成分(SenPosBktX、SenPosBktY)、絶対値SenPosBktを以下の式2〜式6に代入して、三角形200の頂点7の座標(RfltX[n]、RfltY[n])を反射点Rflt[n]として算出する。
Figure 2014094726
Figure 2014094726
Figure 2014094726
Figure 2014094726
Figure 2014094726
図6には、S15で検知された反射点7の点列を図示している。反射点7は駐車車両6の面に略一致した位置に検知される。図6に示すように、車両5が進行するにしたがって、先ず、1台目の駐車車両61のフロント面612上に反射点711が検知される。V字走行時では、主に左側方センサ21Lが検知した検知距離に基づき1台目の駐車車両61の側面611上に反射点712が検知される。また、V字走行時では、主に左コーナーセンサ22Lが検知した検知距離に基づき2台目の駐車車両62の側面621上に反射点722が検知される。V字走行の終盤(車両5が駐車空間101から遠ざかる時)には、駐車車両62のフロント面622上に反射点が検知される。なお、図6では、V字走行の終盤に未だ至っていないので、フロント面622上には未だ反射点は検知されていない。
S15の後、S16に移行し、S15で検知した反射点Rfltの点列の中から駐車車両6の側面の反射点SideRflt(以下、側面反射点という)を抽出する。図13はS16の詳細のフローチャートである。図13の処理に移行すると、先ず、車両5の初期進行方向(図3の処理開始時点における車両5の進行方向、図6の原点Oにおける車両5の進行方向)に対して略直角を示した所定範囲、具体的には90度±β(βは例えば10度)の範囲に含まれる反射点Rfltを側面反射点SideRfltとして抽出する(S51)。図6の例では、1台目の駐車車両61の反射点71の点列の中から初期進行方向に対して90度±βの範囲に含まれる反射点712を、駐車車両61の側面611上に検知された側面反射点として抽出する。同様に、2台目の駐車車両62の反射点72の点列の中から初期進行方向に対して90度±βの範囲に含まれる反射点722を、駐車車両62の側面621上に検知された側面反射点として抽出する。なお、1台目の駐車車両61の反射点71と2台目の駐車車両62の反射点72とはある程度離れた位置に検知されるので、反射点間の距離に基づいて反射点71の点列と反射点72の点列とを区別できる。
次に、各駐車車両61、62ごとに、S51で抽出した側面反射点SideRfltの個数Nが予め定められた閾値Nth以上か否かを判断する。図6の例では、1台目の駐車車両61の側面反射点712の個数N1が閾値Nth以上か否かを判断し、2台目の駐車車両62の側面反射点722の個数N2が閾値Nth以上か否かを判断する。個数Nが閾値Nth未満の場合には(S52:No)、図13のフローチャートの処理を終了する。この場合には、駐車車両6の傾斜角を検知できるだけの個数Nが揃っていないとして、側面フラグFlagS=0(側面未検知)のままとなる。個数Nが閾値Nth以上の場合には(S52:Yes)、S53に移行し、側面フラグFlagSを、側面検知済みであることを示した値である1に設定する。なお、側面フラグFlagSの値は、駐車車両61、62ごとに設定される。その後、図13のフローチャートの処理を終了する。
図3の説明に戻り、S16の後、S17に移行し、側面フラグFlagSが1か否かを判断する。側面フラグFlagS=1の場合、つまり側面検知済みの場合には(S17:Yes)、S18に移行し、S16で抽出した側面反射点SideRfltに基づいて駐車車両6の傾斜角を算出する。図7には、反射点のうち側面反射点712、722だけを図示している。図7を参照して、S18の処理の詳細を説明すると、先ず、側面反射点712の点列を直線近似し、側面反射点722の点列を直線近似する。図7には、側面反射点712の点列に対する近似直線211と、側面反射点722の点列に対する近似直線212とを図示している。次に、初期進行方向の垂直方向(Y軸方向)に相当する直線210に対する近似直線211の角度γ1を、1台目の駐車車両61の傾斜角として算出する。同様に、直線210に対する近似直線212の角度γ2を、2台目の駐車車両62の傾斜角として算出する。
S18の後、S19に移行し、反射点Rfltの点列に基づいて駐車車両6のコーナー位置(駐車空間101のコーナー位置)を算出する。具体的には、第1例として、側面反射点SideRfltの点列の中で最も側方通路寄り、つまりY座標の値が最も小さい側面反射点をコーナー位置とする。図7の例では、側面反射点712の点列の中で最もY座標が小さい側面反射点713を1台目の駐車車両61のコーナー位置とする。また、側面反射点722の点列の中で最もY座標が小さい側面反射点723を2台目の駐車車両62のコーナー位置とする。この第1例によれば、側面反射点だけでコーナー位置を検知するので、簡単にその検知ができる。
コーナー位置の算出の第2例を図14を参照して説明する。図14は、駐車車両61、62を上から見た図であり、側面反射点を含む全ての反射点71、72を図示している。第2例では、1台目の駐車車両61の全ての反射点71の中でX座標が最大の反射点714(最も駐車空間101寄りの反射点)を、駐車車両61のコーナー61aのX軸方向の位置(X座標)とし、Y座標が最小の反射点715(最も側方通路100寄りの反射点)をコーナー61aのY軸方向の位置(Y座標)とする(S19)。図14には、そのようにして求めたコーナー位置716を図示している。2台目の駐車車両62に対しては、駐車車両62の全ての反射点72の中でX座標が最小の反射点724(最も駐車空間101寄りの反射点)を、駐車車両62のコーナー62aのX軸方向の位置(X座標)とし、Y座標が最小の反射点725(最も側方通路100寄りの反射点)をコーナー62aのY軸方向の位置(Y座標)とする(S19)。図14には、そのようにして求めたコーナー位置726を図示している。この第2例によれば、全ての反射点を用いて余裕のある位置にコーナー位置を検知しているので、駐車動作中に車両5が駐車車両6に接触するのを防止できる。
S19の後、S20に移行し、駐車空間を検知できてその駐車空間への駐車経路が生成可能か否かを判断する。具体的には、先のS18、S19で、2台の駐車車両61、62それぞれの傾斜角及びコーナー位置を検知できたか否かを判断する。そして、傾斜角、コーナー位置を検知できた場合には、例えば検知した両コーナー位置間の幅と車両5の車幅を比較することで、検知した駐車空間が、車両5が駐車できる広さを持った空間であるか否かを判断する。さらに、車両5が駐車できる広さを持った駐車空間を検知したと判断した場合には、車両5が、検知した駐車空間にバック駐車できる位置まで移動したか否かを判断する。図15は、V字走行の終盤の場面を示し、検知した駐車空間101からある程度離れた位置で、側方通路100が延びている方向に対して車両5が斜めになっている状態(駐車空間101にバック駐車できる状態)を示している。なお、図15には、S19の第1例の方法で検知されたコーナー位置713、723と、S18で検知された駐車車両61の傾斜角γ1(図7参照)で定まる方向P21及び駐車車両62の傾斜角γ2(図7参照)で定まる方向P22を図示している。
S20において、駐車経路を未だ生成できないと判断したときには(S20:No)、S21に移行し、計測カウントnを次の値に更新する。その後、S12に戻って、更新後の計測カウントnに対して上述のS12〜S20の処理を実行して、駐車車両6の最新の傾斜角及びコーナー位置を検知する。
駐車経路を生成できると判断した場合には(S20:Yes)、図3のフローチャートの処理を終了する。この場合には、ECU10は、図15に示すように、検知した駐車空間101(コーナー位置713、723)に基づいて、駐車空間101での車両5の目標位置81を設定する。また、ECU10は、駐車車両61の方向P21及び駐車車両62の方向P22に基づいて、駐車空間101での車両5の目標方向P1を設定する。具体的には例えば方向21と方向22を平均した方向を目標方向P1として設定する。次に、ECU10は、車両5の現在位置及び現在方向から、設定した目標位置81及び目標方向P1に至るまでの車両5の経路(駐車経路)を設定する。次に、ECU10は、操舵制御装置33及び走行制御装置34に指示をして、設定した駐車経路に沿って車両5を誘導する。
以上説明したように、本実施形態では、側方通路の移動時に車両をV字走行させているので、そのV字走行時に駐車車両の側面反射点を検知できる。そのため、従来の仮決めの傾斜角に比べて、側面反射点の点列から精度の良い傾斜角を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る駐車支援装置の第2実施形態を第1実施形態と異なる部分を中心にして説明する。この第2実施形態は、駐車空間の側方移動時にドライバーが自発的に(ドライバー自らの運転操作で)V字走行をした場合にそのV字走行時の経路(V字経路)に基づき駐車車両の傾斜角を検知する発明の実施形態である。
本実施形態の駐車支援装置の構成は図1の第1実施形態の構成と同じである。ただし、本実施形態の測距センサ2は、図16に示すように、車両5の側面51(図16では左側面51)に搭載されて車両5の側方に探査波を送信する側方センサ24を少なくとも含んでおれば良く、他の車体面(フロント面、リア面、コーナー)に搭載された測距センサを必ずしも含んでいなくても良い。側方センサ24は側面51の前部に搭載されている。側方センサ24の搭載角度は、車両5の進行方向に対して斜め前方又は斜め後方に傾いていても良い。
また、ECU10が実行する駐車支援処理が第1実施形態と異なっている。本実施形態の駐車支援処理の詳細を説明する前に先ずその駐車支援処理が実行される想定場面を説明する。図16はその想定場面を示した図であり、詳細には、第1実施形態と同様に、並列駐車した2台の駐車車両61、62の側方通路100を車両5が移動している場面を示している。その車両5はドライバー自らの運転操作でV字走行をしている。図15には、V字走行序盤での車両を符号5aで図示し、V字走行終盤での車両を符号5bで図示している。図16の場面を想定して、本実施形態の駐車支援処理の詳細を説明する。図17はその駐車支援処理のフローチャートを示している。図17のフローチャートの処理は例えばドライバーによって支援開始スイッチ(図示外)が操作された時に開始される。
図17の処理を開始すると、先ず、以降の処理で使用する各パラメータを初期化する(S61)。具体的には、測距センサ2で距離検知を行うときの時間t[n]をゼロに設定する(S61)。また、測距センサ2が距離検知を試みた回数(計測カウント)nを1に設定する(S61)。また、車両5がV字走行の前半の走行(駐車空間101に斜め方向から接近する走行)をしていると判断したときに1に設定される第1操舵フラグFlag1をゼロに設定する(S61)。また、車両5がV字走行の後半の走行(駐車空間101から斜め方向に遠ざかる走行)をしていると判断したときに1に設定される第2操舵フラグFlag2をゼロに設定する(S61)。ECU10は、各計測カウントnでの時間t[n](t[1]を基準とした時間)を計測している。なお、各パラメータの値はメモリ11に記憶しておく。
また、S61では、図3のS11と同様にして車両5が移動する平面の座標系を設定する。図16にはS61で設定した座標系(原点O、X軸、Y軸)を図示している。
次に、図3のS12と同様にして各測距センサ2(側方センサ24)が検知した検知距離L[n]を取得する(S62)。取得した検知距離L[n]は計測カウントnに関連付けてメモリ11に蓄積する。次に、図3のS13と同様にしてセンサ位置SenPosを算出する(S63)。算出したセンサ位置SenPosは計測カウントnに関連付けてメモリ11に蓄積する。
図16には、センサ位置SenPosから側方センサ24の正面方向に検知距離Lだけ離れた点4(測距点)の点列を図示している。ECU10は、S64以降の処理で駐車車両6の傾斜角を検知するのと並行して、メモリ11に蓄積された検知距離Lの履歴とセンサ位置SenPosの履歴とに基づいて三角測量の原理により(上記式1〜式6により)反射点を算出する。そして、反射点の点列に基づき駐車車両61、62のコーナー位置73、74(図16参照)を算出する。例えば、駐車車両61の反射点の点列の端点をコーナー位置73とし、駐車車両62の反射点の点列の端点をコーナー位置74とする。これによって、測距点4の点列の端点をコーナー位置とする場合に比べて、コーナー位置を精度良く検知できる。
S63の後、S64に移行し、操舵角センサ32(図1参照)が検知した計測カウントnでの操舵角Steer[n]を取得する(S64)。その操舵角Steer[n]は、ステアリングの回転位置が中立位置のときにゼロとなり、中立位置からステアリングが左回転(反時計回り)したときと右回転(時計回り)したときの一方で正の値となり他方で負の値となる。本実施形態では、Steer[n]は、ステアリングが中立位置から右回転したときに正の値となり、左回転したときに負の値となるとする。この場合、ステアリングを右回転した場合には、ステアリングの回転に伴い操舵角Steer[n]は増加していく。反対に、ステアリングを左回転した場合には、ステアリングの回転に伴い操舵角Steer[n]は減少していく。
S64で取得した操舵角Steer[n]は計測カウントnに関連付けてメモリ11に蓄積する。図18は、メモリ11に蓄積された操舵角Steerの履歴を例示している。図18の横軸は計測カウントn(時間)を示し、縦軸は操舵角Steerを示している。
次に、メモリ11に蓄積された操舵角Steerの履歴から、最小又は最大の操舵角SteerV、及びその操舵角SteerVを示した時の計測カウントVCountを特定する(S65)。図18を参照してS65の処理を説明する。図18では計測カウントがn1前では(n1後の操舵角Steerを未だ検知していない時)、操舵角Steerは正の値を示している(ステアリングを右に傾けている)ので、S65では操舵角Steerの最大値SteerVを特定する。一方、計測カウントがn1後では操舵角Steerは負の値を示している(ステアリングを左に傾けている)ので、S65では操舵角Steerの最小値SteerVを特定する。具体的には、点123での操舵角SteerVを特定する。また点123での計測カウントVCountを特定する。
次に、第1操舵フラグFlag1がゼロか否かを判断する(S66)。ゼロの場合には(S66:Yes)、S67に移行し、計測カウントnが1における、つまり図17の処理開始時における操舵角Steer[1]と、操舵角の最大値又は最小値SteerVの差の絶対値が、予め定められた閾値THより大きいか否かを判断する。図18の例では、Steer[1]の点124とSteerVの点123の差125の絶対値が閾値THより大きいか否かを判断する。
Steer[1]とSteerVの差の絶対値が閾値THより小さい場合には(S67:No)、S70に移行し、計測カウントnを次の値に更新する。この場合には、車両5はV字走行をしていないとして、第1操舵フラグFlag1はゼロに維持される。つまり、ステアリングが左右に多少ふらついただけではV字走行をしたとは判断されない。その後、S62に戻り、更新後の計測カウントnに対して上述のS62〜S67の処理を実行する。
一方、Steer[1]とSteerVの差の絶対値が閾値THより大きい場合には(S67:Yes)、S68に移行する。そして、車両5がV字走行の前半の走行をしているとして、第1操舵フラグFlag1を1に設定する(S68)。図16の例では、車両5はV字経路110の前半経路110aを走行していることになる。次に、図17の処理の終了指示の有無を判断する(S69)。例えば、ドライバーよって、図17の処理の終了を指示するスイッチ(図示外)が操作されたときや、駐車空間を検知できたとき(駐車車両のコーナー及び傾斜角を検知できたとき)に、図17の処理の終了指示が有ると判断する。終了指示が未だ無い場合には(S69:No)、S70に移行し、計測カウントnを次の値に更新する。その後、S62に戻って、更新後の計測カウントnに対して上述の処理を実行する。このとき、前回のS68で第1操舵フラグFlag1が1に設定されているので、今回のS66では、第1操舵フラグFlag1が1に設定されていると判断して(S66:No)、S71に移行する。
S71では、第2操舵フラグFlag2がゼロか否かを判断する。ゼロの場合には(S71:Yes)、S72に移行し、最新の計測カウントn(現時点)における操舵角Steer[n]と操舵角の最大値又は最小値SteerVの差の絶対値が予め定められた閾値THより大きいか否かを判断する。図18の例では、Steer[n]の点126とSteerVの点123の差127の絶対値が閾値THより大きいか否かを判断する。
Steer[n]とSteerVの差の絶対値が閾値THより小さい場合には(S72:No)、S70に移行し、計測カウントnを次の値に更新する。この場合には、車両5はV字走行の後半走行(駐車空間から遠ざかる走行)をしていないとして、第2操舵フラグFlag2はゼロに維持される。その後、S62に戻り、更新後の計測カウントnに対して上述の処理を実行する。
一方、Steer[n]とSteerVの差の絶対値が閾値THより大きい場合には(S72:Yes)、S73に移行する。そして、車両5がV字走行の後半の走行をしているとして、第2操舵フラグFlag2を1に設定する(S73)。図16の例では、車両5はV字経路110の後半経路110bを走行していることになる。
ドライバーは、V字走行をする場合には、駐車車両(駐車空間)に最も近づいたとき、すなわちV字経路の変曲点において、車両を駐車車両に対して垂直となるように走行する確率が高い。そこで、S73の後、S74に移行し、S74では、車両5がV字走行をしたとして、そのV字走行時の経路(V字経路)の変曲点、具体的にはS65で特定した計測カウントVCountでの車両5の進行方向に垂直な方向を駐車車両61、62の傾斜角として算出する。なお、ECU10は、各計測カウントnの車両5の進行方向を車速センサ31や操舵角センサ32の検知情報に基づいて算出しており、算出した進行方向をメモリ11に蓄積している。S74では、メモリ11に蓄積された進行方向の履歴から、計測カウントVCountでの車両5の進行方向を特定する。
ここで、図19は、操舵角の履歴が図18の履歴のときの車両5の位置の履歴を示している。図19の横軸は車両5のX軸方向における位置を示し、縦軸は車両5のY軸方向における位置を示している。図18、図19に示すように、操舵角の履歴がV字となる場合には車両5の位置の履歴もV字となる。つまり車両5はV字走行をする。図19には、図18の点123(操舵角の変曲点)の時点における車両5の位置を点121で示している。このように、操舵角の変曲点123での車両位置121は、V字経路の実際の変曲点128(図19参照)に非常に近い。つまり、操舵角の履歴の変曲点を検知することで、V字経路の変曲点を検知できる。
図16と同じ場面を示した図20を参照して、S74の処理を説明すると、計測カウントVCountでの(V字経路110の変曲点115での)車両5の進行方向C3に垂直な方向C4を駐車車両61、62の傾斜角として算出する。図20には、S74で求めた傾斜角を反映した駐車車両を破線610、620で図示している。検知した駐車車両610、620は、実際の駐車車両61、62と一致している。これに対して、図21、図22は、従来の方法で検知された駐車車両615、625、616、626を示している。詳細には、図21では、車両5が駐車車両61、62の正面位置116、117を移動している時(車両5が駐車車両61、62を検知している時)の、車両5の進行方向に垂直な方向C5、C6を駐車車両61、62の傾斜角とし、その傾斜角を反映した駐車車両を破線615、625で示している。図21に示すように、車両5がV字走行をした場合には、実際の駐車車両61、62の傾斜角が側方通路100に対して略垂直となっているにもかかわらず、ハの字となる傾斜角C5、C6を検知してしまう。
また、図22では、原点O(図17の処理開始時)における車両5の進行方向C7に垂直な方向C9を駐車車両61、62の傾斜角とし、その傾斜角を反映した駐車車両を破線616、626で示している。なお、図22では、進行方向C7が駐車車両61、62の向きに垂直な方向C8から傾いている例を示している。図22の方法では、進行方向C7が最初から傾いている場合には、検知される駐車車両616、626も傾いてしまう。
S74の後、S69に移行し、終了指示の有無を判断する。終了指示が未だ無い場合には(S69:No)、S70に移行し、計測カウントnを次の値に更新する。その後、S62に戻って、更新後の計測カウントnに対して上述の処理を実行する。このとき、第1操舵フラグFlag1は既に1に設定されており、前回のS73で第2操舵フラグFlag2も1に設定されたので、今回のS71では、第2操舵フラグFlag2が1に設定されていると判断して(S71:No)、S69に移行する。つまり、一旦V字走行をしたと判断してS74で傾斜角を算出した後は、S67、S68、S72〜S74の処理を省略している。この場合であっても、S62、S63は継続されるので、検知距離Lの履歴とセンサ位置SenPosの履歴とに基づく反射点の算出は継続される。そして、その反射点に基づく駐車車両のコーナー位置の検知が継続される。
S69において、終了指示があった場合には(S69:Yes)、図17のフローチャートの処理を終了する。その後、図15で説明したように、ECU10は、駐車経路を設定し、操舵制御装置33及び走行制御装置34に指示をして、設定した駐車経路に沿って車両5を誘導する。
以上説明したように、本実施形態では、側方通路の移動時にドライバー自らの運転操作で車両をV字走行させた場合であっても、そのV字走行時の経路(V字経路)を反映した駐車車両の傾斜角を算出しているので、従来の仮決めの傾斜角に比べて精度の良い傾斜角を得ることができる。また、操舵角の履歴に基づいてV字走行を判定しているので、車両の移動経路(車両位置の履歴)を蓄積する必要がない。また、操舵角の増加量又は減少量が閾値未満の場合にはV字走行と判定しないので、ステアリングのふらつきによるV字走行の誤判定を防止できる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る駐車支援装置の第3実施形態を第1、第2実施形態と異なる部分を中心にして説明する。この第3実施形態は、第2実施形態を少し変形させた実施形態であり、ECU10が実行する駐車支援処理が、第2実施形態の処理(図17)と異なっており、それ以外は第2実施形態と同じである。
図23は本実施形態の駐車支援処理のフローチャートである。なお、図23において、図17と同じ処理には同一符号を付している。図23の処理を開始すると、先ず各パラメータの初期化を行い(S61)、次に、検知距離L、センサ位置SenPosを検知する(S62、S63)。次に、計測カウントnにおける車両位置CarPosを算出する(S641)。その車両位置CarPosは、S11で設定した座標系での座標(CarPosX[n]、CarPosY[n])として算出する。例えば車両5の後輪軸中心56(図16参照)の位置を車両位置CarPosとして算出する。なお、S63で算出したセンサ位置SenPosを車両位置CarPosに代用しても良い。この場合には、S641の処理を省略できる。車両位置CarPosは、センサ位置SenPosと同様に、車速センサ31から入力される車速と、操舵角センサ32から入力される操舵角とに基づいて算出する。算出した車両位置CarPosは計測カウントnに関連付けてメモリ11に蓄積する。メモリ11には、図19に示すような車両位置の履歴が蓄積される。
以降の処理では、メモリ11に蓄積された車両位置CarPosの履歴、つまり車両5の移動経路から直接、車両5がV字走行しているかを判定する。すなわち、駐車空間の奥行き方向に対応する方向、具体的にはY軸方向における車両位置CarPosの最小値又は最大値CarposVと、最小値又は最大値CarposVを示した時の計測カウントVCountを特定する(S651)。図19の例では、変曲点128を最小値又は最大値CarposVとして特定するとともに、その変曲点128での計測カウントVCountを特定する。
次に、第1操舵フラグFlag1がゼロか否かを判断する(S66)。ゼロの場合には(S66:Yes)、図17のS67と同様に、計測カウントnが1における、つまり図23の処理開始時における車両位置CarPos[1]と、車両位置の最小値又は最大値CarposVの差の絶対値が、予め定められた閾値THより大きいか否かを判断する(S671)。大きい場合には(S671:Yes)、S68に移行し、車両5がV字走行の前半の走行をしているとして、第1操舵フラグFlag1を1に設定する。小さい場合には(S671:No)、車両5はV字走行をしていないとして、S70に移行し、計測カウントnを次の値に更新する。
第1操舵フラグFlag1が1に設定された場合には、S66からS71に移行し、第2操舵フラグFlag2がゼロか否かを判断する。ゼロの場合には(S71:Yes)、S721に移行し、図17のS72と同様に、最新の計測カウントnにおける車両位置CarPos[n]と車両位置の最小値又は最大値CarPosVの差の絶対値が予め定められた閾値THより大きいか否かを判断する。大きい場合には(S721:Yes)、車両5はV字走行の後半の走行をしているとして、第2操舵フラグFlag2を1に設定する(S73)。次に、図17のS74と同様に、S651で特定した計測カウントVCountでの(V字経路の変曲点での)車両5の進行方向に垂直な方向を駐車車両61、62の傾斜角として算出する(S741、図20参照)。その他の処理は図17の処理と同じである。
以上説明したように、本実施形態では、第2実施形態の効果に加えて、車両位置の履歴を蓄積してその履歴から直接V字走行を判定しているので、その判定を正確に行うことができる。
(変形例)
次に、上記第2実施形態、第3実施形態の変形例を説明する。ドライバーが自発的にV字走行をしたときには、測距センサの搭載位置及び搭載角度によっては駐車車両の側面を距離検知できる場合がある。そこで、ドライバーが自発的にV字走行をしたときに、駐車車両の側面を距離検知できた場合には、その側面の距離検知結果を利用して駐車車両の傾斜角を算出しても良い。この場合には、V字経路の変曲点に基づいて駐車車両の傾斜角を算出する方法を中止する。
具体的には、第1実施形態の駐車支援処理(図3のフローチャート)のS14を除く処理(S11〜S21)と、第2、第3実施形態の駐車支援処理(図17、図23)の主要処理(図17のS64以降の処理又は図23のS641以降の処理)とを組み合わせた駐車支援処理を実行する。すなわち、先ず図3のS11〜S13、S15、S16の処理を実行する。そして、側面反射点SideRfltを抽出できた場合、つまり側面フラグFlagS=1の場合には(S17:Yes)、抽出した側面反射点SideRfltの点列に基づいて駐車車両の傾斜角を算出する(S18)。これによって、V字経路の変曲点での車両の進行方向に対して垂直な方向を駐車車両の傾斜角とする場合に比べて、精度の良い傾斜角を得ることができる。
側面反射点SideRfltを抽出できなかった場合には(S17:No)、第2、第3実施形態の方法で、つまり図17のS64以降の処理又は図23のS641以降の処理を実行して、V字経路の変曲点での車両の進行方向に対して垂直な方向を駐車車両の傾斜角として算出する(図17のS74、図23のS741)。なお、この変形例の方法を採用する場合には、測距センサは、第1実施形態と同様の搭載位置及び搭載角度(図2参照)で搭載されているのが好ましい。
なお、本発明に係る駐車支援装置は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。例えば、第1実施形態では、操舵制御装置33及び走行制御装置34により自動でV字走行をさせていたが、ステアリングの操作タイミング、操作方向及び操作量をドライバーに通知して、ドライバーの運転操作でV字走行をさせても良い。また、第1実施形態では、コーナーセンサ22で2台目の駐車車両62の側面反射点を検知していたが、前方センサでその側面反射点を検知するようにしても良い。
1 駐車支援装置
10 ECU
2 測距センサ
21、24 側方センサ
22 コーナーセンサ
31 車速センサ
32 操舵角センサ
5 車両
6、61、62 駐車車両

Claims (17)

  1. 並列駐車した駐車車両(61、62)に隣接する駐車空間(101)の側方通路(100)を車両(5)が移動している時に、前記車両が斜め方向から前記駐車空間に近づいた後、逆方向に操舵されて前記駐車空間から遠ざかる前記車両の走行であるV字走行を伴い前記駐車車両の傾斜角を検知する角度検知手段(2、10、33、34)を備えることを特徴とする駐車支援装置(1)。
  2. 前記角度検知手段は、
    前記車両が前記側方通路を移動している時に前記車両の周囲に探査波を逐次送信し、その探査波が前記駐車車両に当たって反射した反射波を受信して、受信した反射波に基づき前記駐車車両までの距離を逐次検知する距離検知手段(2)と、
    前記距離検知結果に基づいて前記V字走行するように前記車両を誘導する誘導手段(S14、33、34)と、
    前記距離検知手段による距離検知結果に基づいて前記駐車車両の輪郭点(7)を推定する輪郭点推定手段(S12、S13、S15)と、
    前記輪郭点の点列の中から前記駐車車両の側面(611、621)の前記輪郭点である側面輪郭点(712、722)の点列を抽出する抽出手段(S16)と、
    前記側面輪郭点の点列に基づいて前記駐車車両の傾斜角を算出する角度算出手段(S18)とを備え、
    前記距離検知手段は、前記車両が前記V字走行をした時に前記駐車車両の側面を距離検知可能な搭載位置及び搭載角度で前記車両に搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
  3. 前記誘導手段は、前記距離検知手段が距離検知を開始するとその距離検知の方向である検知方向に向けて前記車両を操舵し、前記検知方向への操舵中に前記距離検知手段が検知した距離である検知距離が予め定められた第1閾値以下となると前記検知方向と逆の逆検知方向に前記車両を操舵することを特徴とする請求項2に記載の駐車支援装置。
  4. 前記誘導手段は、前記距離検知手段が距離検知を開始した時の前記検知距離が予め定められた第2閾値以下の場合には、前記検知方向への操舵を行う前に、前記検知距離が前記第2閾値を超えるまで前記逆検知方向に前記車両を操舵することを特徴とする請求項3に記載の駐車支援装置。
  5. 前記誘導手段は、前記V字走行の誘導中に検知される前記検知距離が前記第1閾値を下限とした所定範囲内となる範囲で前記車両を操舵することを特徴とする請求項3又は4に記載の駐車支援装置。
  6. 前記距離検知手段は、
    前記車両の進行方向に対して斜め後方に向いた搭載角度で前記車両に搭載された第1の距離検知手段(21)と、
    前記車両の進行方向に対して斜め前方又は前方に向いた搭載角度で前記車両に搭載された第2の距離検知手段(22)とを含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
  7. 前記第1の距離検知手段は、前記車両の前部側面(51、52)に搭載された距離検知手段であり、
    前記第2の距離検知手段は、前記車両の前部コーナー(54、55)に搭載された距離検知手段であることを特徴とする請求項6に記載の駐車支援装置。
  8. 前記抽出手段(S51)は、前記輪郭点の点列の中から前記V字走行を始める前の前記車両の傾斜角に対して略直角となる点列を前記側面輪郭点の点列として抽出することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
  9. 前記輪郭点の点列に基づいて前記駐車車両のコーナー位置(713、723、716、726)を検知するコーナー検知手段(S19)を備えることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
  10. 前記コーナー検知手段は、前記側面輪郭点の点列の中で最も前記側方通路に寄った点(713、723)を前記コーナー位置として検知することを特徴とする請求項9に記載の駐車支援装置。
  11. 前記駐車空間の両側面を構成する2台の前記駐車車両のうち、前記車両の進行方向の手前に位置した駐車車両(61)を第1駐車車両、奥に位置した駐車車両(62)の第2駐車車両とし、
    前記駐車空間の左右幅方向に対応した方向を第1方向、その第1方向に垂直な方向を第2方向として、
    前記コーナー検知手段は、前記第1駐車車両に対する前記輪郭点(71)の点列の中で最も前記第1方向に奥の点(714)を、前記第1駐車車両のコーナーの前記第1方向における位置とし、前記第1駐車車両に対する前記輪郭点の点列の中で最も前記側方通路に寄った点(715)を、前記第1駐車車両のコーナーの前記第2方向における位置とし、
    前記第2駐車車両に対する前記輪郭点(72)の点列の中で最も前記第1方向に手前の点(724)を、前記第2駐車車両のコーナーの前記第1方向における位置とし、前記第2駐車車両に対する前記輪郭点の点列の中で最も前記側方通路に寄った点(725)を、前記第2駐車車両のコーナーの前記第2方向における位置とすることを特徴とする請求項9に記載の駐車支援装置。
  12. 前記角度検知手段は、
    前記車両が前記V字走行をしたことを判定する走行判定手段(S65〜S73、S651、S671、S721)と、
    前記車両が前記V字走行をした場合に、前記V字走行をした時の前記車両の移動経路であるV字経路(110)の変曲点(115)での前記車両の進行方向に対して垂直な方向を前記駐車車両の傾斜角として算出する角度算出手段(S74、S741)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
  13. 前記車両の操舵角を逐次検知する操舵角検知手段(32)と、
    前記操舵角の履歴を蓄積する操舵角蓄積手段(11)とを備え、
    前記走行判定手段(S67、S68、S72、S73)は、前記操舵角の履歴が、基準時点の操舵角から所定量以上減少後、所定量以上増加した場合、又は基準時点の操舵角から所定量以上増加後、所定量以上減少した場合に、前記車両が前記V字走行をしたと判定することを特徴とする請求項12に記載の駐車支援装置。
  14. 前記角度算出手段(S74)は、前記操舵角の履歴が基準時点の操舵角から所定量以上減少後、所定量以上増加した場合における前記操舵角が最小となった時、又は前記操舵角の履歴が基準時点の操舵角から所定量以上増加後、所定量以上減少した場合における前記操舵角が最大となった時の前記車両の進行方向に対して垂直な方向を前記駐車車両の傾斜角として算出することを特徴とする請求項13に記載の駐車支援装置。
  15. 前記駐車空間の左右幅方向に対応した方向を第1方向、その第1方向に垂直な方向を第2方向として、
    前記車両の位置を逐次検知する車両位置検知手段(S641、31、32)と、
    前記車両の位置の履歴を蓄積する位置履歴蓄積手段(11)とを備え、
    前記走行判定手段(S671、S68、S721、S73)は、前記車両の位置の履歴が、基準時点の前記車両の位置から前記第2方向に所定量以上減少後、所定量以上増加した場合、又は基準時点の前記車両の位置から前記第2方向に所定量以上増加後、所定量以上減少した場合に、前記車両が前記V字走行をしたと判定することを特徴とする請求項12に記載の駐車支援装置。
  16. 前記角度算出手段(S741)は、前記車両の位置の履歴が基準時点の前記車両の位置から前記第2方向に所定量以上減少後、所定量以上増加した場合における前記車両の位置が前記第2方向に最小となった時、又は前記車両の位置の履歴が基準時点の前記車両の位置から前記第2方向に所定量以上増加後、所定量以上減少した場合における前記車両の位置が前記第2方向に最大となった時の前記車両の進行方向に対して垂直な方向を前記駐車車両の傾斜角として算出することを特徴とする請求項15に記載の駐車支援装置。
  17. 前記角度検知手段は、
    前記車両が前記側方通路を移動している時に前記車両の周囲に探査波を逐次送信し、その探査波が前記駐車車両に当たって反射した反射波を受信して、受信した反射波に基づき前記駐車車両までの距離を逐次検知する距離検知手段と、
    前記距離検知手段による距離検知結果に基づいて前記駐車車両の輪郭点を推定する輪郭点推定手段と、
    前記輪郭点の点列の中から前記駐車車両の側面の前記輪郭点である側面輪郭点の点列を抽出する抽出手段とを備え、
    前記角度算出手段は、前記抽出手段が前記側面輪郭点を抽出できた場合には、前記変曲点に基づく前記傾斜角の算出を中止して、前記側面輪郭点の点列に基づいて前記駐車車両の傾斜角を算出することを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
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